JP3714914B2 - 荷役機能を有する走行車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンテナ等の積み下ろしや運搬に使用される荷役機能を有する走行車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の荷役機能を有する走行車両としては、例えば、図12,図13に示すように、大型のコンテナ70を吊り上げて運搬したり移載や段積みを行う際に用いられるコンテナキャリア車両71が挙げられる。このコンテナキャリア車両71の車両本体72の下部には、左右一対で且つ前後複数に並んだ走行車輪73が設けられている。このうち、左右一側方に位置する前後複数の走行車輪73のいずれか及び左右他側方に位置する前後複数の走行車輪73のいずれかがそれぞれ走行用電動モータ74によって回転駆動される。
【0003】
また、上記車両本体72には、コンテナ70を上げ下げする昇降自在な荷役用のスプレッダ装置75が複数本のチェン76に吊設されている。上記スプレッダ装置75の昇降は、車両本体72に設けられた複数本の荷役用油圧シリンダ装置77によって行われる。すなわち、各チェン76の折返し部76aの下端が荷役用油圧シリンダ装置77のピストンロッド77aの先端に設けられたスプロケット78に歯合しており、上記ピストンロッド77aが下方へ短縮した場合、折返し部76aの下端が引き下げられてスプレッダ装置75が上昇し、上記ピストンロッド77aが上方へ伸長した場合、折返し部76aの下端が引き上げられてスプレッダ装置75が下降する。尚、スプレッダ装置75には、コンテナ70に対して係脱自在なツイストロック(図示省略)が設けられ、ツイストロックによってスプレッダ装置75とコンテナ70とが連結・切離しされる。
【0004】
また、上記車両本体72に設けられた運転室79内には、上記走行車輪73を左右に換向させるステアリング80と、走行用電動モータ74のトルクを変えるアクセルペダル81と、スプレッダ装置75を昇降させる荷役レバー82等が設けられている。
【0005】
尚、図13は車両71の走行および荷役駆動系のブロック図であり、車両本体72には、上記走行用電動モータ74をそれぞれ駆動させる走行用インバータ83と、上記荷役用油圧シリンダ装置77に作動油を供給する荷役用油圧ポンプ84と、ピストンロッド77aの伸縮動作を切換える切換弁90と、上記走行用電動モータ74および走行用インバータ83に供給される電力を発電する発電機85と、この発電機85および荷役用油圧ポンプ84を駆動させるディーゼルエンジン86と、制御装置87とが具備されている。
【0006】
上記発電機85および荷役用油圧ポンプ84の各軸はディーゼルエンジン86の回転軸に直列に連結されている。ディーゼルエンジン86が駆動することにより、発電機85において発電され、荷役用油圧ポンプ84により荷役用油圧シリンダ装置77へ作動油が供給される。尚、上記ディーゼルエンジン33は、ガバナ(図示省略)によって、一定回転数に維持されている。
【0007】
また、発電機85は、発電機電圧調整器(AVR)88により発電電圧が一定になるように界磁電流が制御されており、この発電機85において発電された電力は、走行用コンダクタ89を介して走行用インバータ83と走行用電動モータ74に供給される。
【0008】
これによると、運転室79内の作業者が起動操作をすることにより、制御装置87からエンジン86へ起動信号が出力され、さらに、AVR88へ制御開始信号が出力されると、エンジン86は一定回転数(例えば1800rpm)で回転され、これにより、発電機85において発電が開始されるとともに、荷役用油圧ポンプ84が駆動される。この際、上記AVR88によって発電電圧が一定に制御される。
【0009】
この初期状態において、作業者がアクセルペダル81を踏み込むことにより、制御装置87において、上記アクセルペダル81の踏込量に対応するモータトルクが求められ、走行用インバータ83へ出力される。各走行用インバータ83は、制御装置87から入力されたトルク信号となるように走行用電動モータ74のトルク制御を行い、車両71の走行速度が制御される。このとき、必要な電力はAVR88により界磁電流を調整することにより得られ、発電機85より供給される。このように、エンジン86の回転数を一定とし、アクセルペダル81の踏込量により走行用電動モータ74のトルクを制御することで、車両71の走行速度を制御している。
【0010】
また、作業者が荷役レバー82を上昇側へ操作することにより、制御装置87から切換弁90へ切換信号が出力され、作動油が荷役用油圧ポンプ84から荷役用油圧シリンダ装置77のロッド側へ供給され、ピストンロッド77aが下方へ短縮する。これにより、スプレッダ装置75が上昇する。また、反対に、荷役レバー82を下降側へ操作することにより、作動油が荷役用油圧ポンプ84から荷役用油圧シリンダ装置77のテール側へ供給され、ピストンロッド77aが上方へ伸長する。これにより、スプレッダ装置75が下降する。したがって、ツイストロック(図示省略)によってスプレッダ装置75とコンテナ70とを連結した状態で、上記のようにスプレッダ装置75を昇降することで、スプレッダ装置75と共にコンテナ70を昇降することができる。
【0011】
尚、エンジン86の回転数を一定にするのは、発電機85から発電される電気の周波数を一定にするためである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、車両71を走行させる作業とスプレッダ装置75を上昇させてコンテナ70を持ち上げる作業とを同時に行った場合、エンジン86の出力は、発電機85を駆動させるのに要する動力と、荷役用油圧ポンプ84を駆動させるのに要する動力とに分配される。
【0013】
車両71を停止状態から発進させる場合等においては、大きな負荷がかかるので、走行用電動モータ74は大きなトルクで走行車輪73を回転駆動させる必要があり、このため発電機85から走行用インバータ83へ出力される発電電力が増大する。したがって、上記エンジン86の出力の大部分が発電機85の動力として消費され、その分、荷役用油圧ポンプ84の動力が不足してしまい、スプレッダ装置75の上昇速度(駆動速度)が極端に遅くなってしまうといった問題が生じた。
【0014】
また、上記の従来形式では、スプレッダ装置75を昇降するために、荷役用油圧シリンダ装置77と荷役用油圧ポンプ84とを用いているが、一般に、これら荷役用油圧シリンダ装置77と荷役用油圧ポンプ84とは駆動効率が悪く(駆動ロスが多く)、荷役用油圧シリンダ装置77と荷役用油圧ポンプ84とを駆動させるためには大きな動力を必要とした。したがって、車両71の走行とスプレッダ装置75の昇降とを同時に行った場合、荷役用油圧ポンプ84や発電機85の動力が不足し易いといった問題が生じた。
【0015】
さらに、上記の従来形式では、エンジン86の回転数を一定にしているため、荷役用油圧ポンプ84には、スプレッダ装置75にかかる負荷(コンテナ70の重量)に応じて吐出量が変えられる可変容量形ポンプを用いている。しかしながら、可変容量形ポンプは一般に油圧のコントロールが難しいといった問題があった。
【0016】
本発明は、走行装置(例えば走行車輪)による走行と荷役装置(例えばスプレッダ装置)による荷役とを同時に行う場合、荷役装置の駆動速度が極端に低下してしまうのを防止でき、また、駆動効率が良く、コントロールが容易な荷役機能を有する走行車両を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明における荷役機能を有する走行車両は、車両本体に、走行装置を駆動させる走行用電動モータと、この走行用電動モータを駆動させる走行用インバータと、荷役装置を駆動する荷役用電動モータと、この荷役用電動モータを駆動させる荷役用インバータと、上記各電動モータおよび各インバータに供給される電力を発電する発電機と、この発電機を駆動させるエンジンと、上記発電機から走行用インバータを介して走行用電動モータへ供給される電力の上限値を制御する制御装置とが備えられ、
上記制御装置は、
(1)荷役装置を停止した状態で車両本体を走行させる場合、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力に等しくし、
(2)負荷がかかった状態で荷役装置を駆動させながら車両本体を走行させる場合、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力のA%に制限するとともに、残りの電力を上記荷役用電動モータへ供給し、
(3)無負荷の状態で荷役装置を駆動させながら車両本体を走行させる場合、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力のB%に制限するとともに、残りの電力を上記荷役用電動モータへ供給し、
(4)車両本体を停止した状態で荷役装置を駆動させる場合、上記走行用電動モータへ供給される電力を0にし、
上記A,Bの値を、0%<A%<B%<100%の関係に設定したものである。
【0018】
これによると、エンジンを始動することにより、発電機が駆動し、電力が発電機から走行用インバータと荷役用インバータとを介して走行用電動モータと荷役用電動モータとに供給される。これにより、走行装置が駆動して車両本体を走行させ、荷役装置が駆動して荷を移動させる。この際、負荷が小さければ、発電機から発電される電力も小さく、負荷が増大するにつれて、上記発電電力も増大する。
【0019】
上記のような走行及び荷役作業において、制御装置は以下▲1▼〜▲4▼の制御を行う。
▲1▼荷役装置を停止した状態で車両本体を走行させる場合、制御装置は、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力に等しくする。これにより、発電機から出力される発電電力は全て走行用電動モータへ供給されるため、走行用電動モータの動力が十分に確保される。
【0020】
▲2▼負荷がかかった状態で荷役装置を駆動させながら車両本体を走行させる場合、制御装置は、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力のA%に制限する。これにより、上記定格出力に相当する電力が発電機から発電された場合であっても、上記定格出力のA%に相当する電力のみが走行用電動モータへ供給され、残りの電力(定格出力の(100−A%)に相当する電力)は荷役用電動モータへ供給される。これにより、発電された全ての電力が走行用電動モータへ供給されることはなく、負荷がかかった状態の荷役装置を駆動させるのに必要な大きな電力が確実に確保されるため、荷役装置の駆動速度が極端に低下してしまうのを防止することができる。
【0021】
▲3▼無負荷の状態で荷役装置を駆動させながら車両本体を走行させる場合、制御装置は、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力のB%に制限する。これにより、上記定格出力に相当する電力が発電機から発電された場合であっても、上記定格出力のB%に相当する電力のみが走行用電動モータへ供給され、残りの電力(定格出力の(100−B%)に相当する電力)は荷役用電動モータへ供給される。これにより、発電された全ての電力が走行用電動モータへ供給されることはなく、無負荷状態の荷役装置を駆動させるのに必要な小さい電力のみが確実に確保されるため、走行用電動モータにもかなりの電力を使用することができる。尚、無負荷状態では、上記▲2▼の負荷有り状態の場合に比べて、荷役装置の駆動に要する動力は小さくて済むため、A%<B%に設定している。
【0022】
▲4▼車両本体を停止した状態で荷役装置を駆動させる場合、制御装置は、上記走行用電動モータへ供給される電力を0にする。これにより、発電機から出力される発電電力は全て荷役用電動モータへ供給されるため、荷役用電動モータの動力が十分に確保される。
【0023】
また、荷役装置を駆動させるために荷役用電動モータと発電機とを用いたため、従来の荷役用油圧ポンプと荷役用油圧シリンダ装置とを用いた場合に比べて、駆動効率が向上し、したがって、エンジンにかかる負担が軽減される。
【0024】
さらに、従来の荷役用油圧シリンダ装置の代わりに荷役用電動モータを用いたことにより、従来の可変容量形の荷役用油圧ポンプが不要となり、コントロールが容易に行える。
【0025】
また、本第2発明における荷役機能を有する走行車両は、走行装置として車輪が設けられ、
荷役装置は昇降自在に構成されて荷を上げ下げし、
上記荷役装置に、荷に対して係脱自在な係合装置が設けられ、
走行用電動モータのトルクを変える走行操作手段と、上記荷役装置を昇降させる昇降操作手段と、上記係合装置を荷に係合する係合位置と荷から離脱する離脱位置とに切換える切換操作手段とが設けられ、
制御装置は、
上記走行操作手段が操作されている場合、車両本体が走行していると判断し、
上記昇降操作手段が上昇側に操作されている場合、荷役装置が上昇していると判断し、上記昇降操作手段が下降側に操作されている場合、荷役装置が下降していると判断し、
上記切換操作手段が係合側に操作されている場合、負荷有りと判断し、上記切換操作手段が離脱側に操作されている場合、無負荷であると判断するものである。
【0026】
これによると、エンジンを始動することにより、発電機が駆動し、電力が発電機から走行用インバータと荷役用インバータとを介して走行用電動モータと荷役用電動モータとに供給される。
【0027】
この際、作業者が走行操作手段を操作した場合、走行用電動モータが駆動して車輪を回転させ、車両本体が走行する。また、作業者が昇降操作手段を上昇側に操作した場合、荷役用電動モータが駆動して、荷役装置が上昇する。また、上記昇降操作手段を下降側に操作した場合、荷役装置が下降する。さらに、作業者が切換操作手段を係合側に操作した場合、係合装置が係合位置に切換えられて荷に係合し、荷役装置が荷に連結されて荷を保持する。また、上記切換操作手段を離脱側に操作した場合、係合装置が離脱位置に切換えられて荷から離脱し、荷役装置が荷から切離される。上記のように、係合装置によって荷役装置と荷とを連結した状態で、荷役装置を昇降することにより、荷が上げ下げされる。
【0028】
上記のような走行及び荷役作業において、制御装置は以下▲1▼〜▲4▼の制御を行う。
▲1▼荷役装置を停止した状態で車両本体を走行させる場合、作業者は走行操作手段を操作する。これにより、制御装置は、車両本体が走行していると判断して、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力に等しくする。
【0029】
これにより、発電機から出力される発電電力は全て走行用電動モータへ供給されるため、走行用電動モータの動力が十分に確保される。
▲2▼荷を荷役装置で保持し、荷役装置を上昇させながら車両本体を走行させる場合、作業者は、切換操作手段を係合側に操作し、昇降操作手段を上昇側に操作し、走行操作手段を操作する。これにより、制御装置は、負荷有りの状態(すなわち荷役装置に荷が連結された状態)で荷役装置が上昇しながら車両本体が走行していると判断して、走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力のA%に制限する。
【0030】
これにより、上記定格出力に相当する電力が発電機から発電された場合であっても、上記定格出力のA%に相当する電力のみが走行用電動モータへ供給され、残りの電力(定格出力の(100−A%)に相当する電力)は荷役用電動モータへ供給される。これにより、発電された全ての電力が走行用電動モータへ供給されることはなく、負荷がかかった状態(すなわち荷が連結された状態)の荷役装置を上昇させるのに必要な電力が確実に確保されるため、荷役装置の上昇速度が極端に低下してしまうのを防止することができる。
【0031】
▲3▼荷を保持しない空の状態で荷役装置を上昇させながら車両本体を走行させる場合、作業者は、切換操作手段を離脱側に操作し、昇降操作手段を上昇側に操作し、走行操作手段を操作する。これにより、制御装置は、無負荷状態(すなわち荷役装置に荷が連結されていない状態)で空の荷役装置が上昇しながら車両本体が走行していると判断して、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力のB%に制限する。
【0032】
これにより、上記定格出力に相当する電力が発電機から発電された場合であっても、上記定格出力のB%に相当する電力のみが走行用電動モータへ供給され、残りの電力(定格出力の(100−B%)に相当する電力)は荷役用電動モータへ供給される。これにより、発電された全ての電力が走行用電動モータへ供給されることはなく、無負荷状態の荷役装置を上昇させるのに必要な電力が確実に確保されるため、荷役装置の上昇速度が極端に低下してしまうのを防止することができる。尚、無負荷状態では、上記▲2▼の負荷有り状態の場合に比べて、荷役装置の上昇に要する動力は小さくて済むため、A%<B%に設定している。
【0033】
▲4▼車両本体を停止した状態で荷役装置を昇降させる場合、作業者は昇降操作手段を上昇側又は下降側へ操作する。これにより、制御装置は、荷役装置が昇降していると判断して、上記走行用電動モータへ供給される電力を0にする。これにより、発電機から出力される発電電力は全て荷役用電動モータへ供給されるため、荷役用電動モータの動力が十分に確保される。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
図5〜図7に示すように、1はコンテナキャリア車両(走行車両の一例)であり、大型のコンテナ2(荷の一例)を吊り上げて運搬し、移載や段積みを行うものであり、主に埠頭等のコンテナヤードにおいて使用される。
【0035】
コンテナキャリア車両1の車両本体3は、左右一対の下部フレーム4と、両下部フレーム4に立設された前後一対の支柱5と、左右の支柱5の上端間に設けられた上部横フレーム6と、前後の支柱5の上端間に設けられた上部縦フレーム7とで構成されており、中央部にコンテナ2を収納可能な空間を有している。
【0036】
上記両下部フレーム4にはそれぞれ、前後複数の走行車輪9(走行装置の一例)と、左右一側方に位置する前後複数の走行車輪9のいずれかおよび左右他側方に位置する前後複数の走行車輪9のいずれかを回転駆動させる走行用電動モータ10とが設けられている。
【0037】
また、上記車両本体3には、コンテナ2を上げ下げする昇降自在なスプレッダ装置12(荷役装置の一例)が複数本のワイヤー13に吊設されている。一方の下部フレーム4には上記ワイヤー13を巻取るためのドラム14が4個(複数個)設けられている。このうち2個のドラム14にそれぞれブレーキ15a付きの荷役用電動モータ15が連結されている。
【0038】
これら荷役用電動モータ15を駆動することにより、ワイヤー13が各ドラム14に巻き取られて、スプレッダ装置12が上昇する。また、荷役用電動モータ15のブレーキ15aを作動することにより、ドラム14の回転が停止し、スプレッダ装置12が上下方向においてロックされる。さらに、上記荷役用電動モータ15のブレーキ15aを解除することによって、ドラム14が空転し、スプレッダ装置12が自重により自然に下降する。
【0039】
図8,図9に示すように、上記スプレッダ装置12の四隅には、コンテナ2に対して係脱自在な複数のツイストロック17(係合装置の一例)が設けられている。すなわち、コンテナ2の上部四隅には長穴状の係合穴18が形成されており、上記各ツイストロック17を各係合穴18に挿入して離脱位置Pa(図9の仮想線)から係合位置Pb(図9の点線)まで90°回転することにより、ツイストロック17がコンテナ2に係合し、スプレッダ装置12がコンテナ2に連結される。また、各ツイストロック17を係合位置Pbから離脱位置Paまで90°回転することにより、ツイストロック17が各係合穴18の上方に離脱(脱抜)可能となり、スプレッダ装置12とコンテナ2との連結が解除される。尚、上記各ツイストロック17の離脱位置Paと係合位置Pbとの範囲の回転は、スプレッダ装置12に設けられた油圧シリンダ装置19(図6参照)によって行われる。
【0040】
上記上部横フレーム6に設けられた運転室20内には、図1〜図4に示すように、上記走行車輪9を左右に換向させるステアリング21と、走行用電動モータ10のトルクを変えるアクセルペダル22(走行操作手段の一例)と、スプレッダ装置12を昇降させる荷役レバー23(昇降操作手段の一例)と、上記各ツイストロック17を離脱位置Paと係合位置Pbとに切換える切換スイッチ24(切換操作手段の一例)とが設けられている。
【0041】
尚、図2に示すように、アクセルペダル22を踏込むことにより、両走行用電動モータ10が駆動し、車両1が走行する。この際、アクセルペダル22の踏込み角度は角度検出器26によって検出される。
【0042】
また、図3に示すように、荷役レバー23は、上昇位置A(上昇側)と下降位置B(下降側)と停止位置Cとの3ポジションに切換えられ、ばね等の付勢具によって停止位置Cに戻るように構成されている。荷役レバー23を上昇位置Aに切換えた場合、ブレーキ15aが解除されて、両荷役用電動モータ15が駆動し、ワイヤー13がドラム14に巻き取られて、スプレッダ装置12が上昇する。また、下降位置Bに切換えた場合、ブレーキ15aが解除されて、ドラム14が空転し、スプレッダ装置12が下降する。さらに、停止位置Cに切換えた場合、ブレーキ15aが作動してドラム14がロックされ、スプレッダ装置12の昇降が停止する。尚、上記荷役レバー23の切換え位置は第1位置検出器27によって検出される。
【0043】
さらに、図4に示すように、切換スイッチ24はロック位置D(係合側)とロック解除位置E(離脱側)との2ポジションに切換えられ、ロック位置Dに切換えた場合、ツイストロック17が係合位置Pbに切換えられ、ロック解除位置Eに切換えた場合、ツイストロック17が離脱位置Paに切換えられる。尚、切換スイッチ24の切換え位置は第2位置検出器28によって検出される。
【0044】
図1は、車両1の走行および荷役駆動系のブロック図であり、車両本体3には、上記走行用電動モータ10をそれぞれ駆動させる走行用インバータ29と、上記荷役用電動モータ15をそれぞれ駆動させる荷役用インバータ30と、上記油圧シリンダ装置19およびステアリングシリンダ装置(図示せず)に作動油を供給する油圧ポンプ31と、上記油圧シリンダ装置19のピストンロッドの伸縮動作を切換える切換弁44と、上記各電動モータ10,15および各インバータ29,30に供給される電力を発電する発電機32と、この発電機32および油圧ポンプ31を駆動させるディーゼルエンジン33と、制御装置34とが具備されている。
【0045】
上記発電機32および油圧ポンプ31の各軸はディーゼルエンジン33の回転軸に直列に連結されている。ディーゼルエンジン33が駆動することにより、発電機32において発電され、油圧ポンプ31により油圧シリンダ装置19やステアリングシリンダ装置(図示せず)へ作動油が供給される。尚、上記ディーゼルエンジン33は、ガバナ(図示省略)によって、一定回転数(例えば1800rpm)に維持されている。
【0046】
また、発電機32は、発電機電圧調整器(AVR)35により発電電圧が一定になるように界磁電流が制御されており、この発電機32において発電された電力は、走行用コンダクタ36を介して走行用インバータ29と走行用電動モータ10に供給されるとともに、荷役用コンダクタ37を介して荷役用インバータ30と荷役用電動モータ15に供給される。
【0047】
尚、上記発電機32の定格出力(定格電力すなわち最大発電電力)をTとする。例えば、T=300kVA×0.8(力率)=240kW等に設定されている。また、負荷が小さければ、発電機32から発電される電力も小さく、負荷が増大するにつれて、上記発電電力も増大する。さらに、38はエンジン33と発電機32と制御装置34の始動用のバッテリである。
【0048】
上記走行用インバータ29には、走行用電動モータ10の回生制動エネルギーを消費する第1の制動用抵抗器39が接続され、荷役用インバータ30には、荷役用電動モータ15の回生制動エネルギーを消費する第2の制動用抵抗器40が接続されている。さらに、上記走行用電動モータ10には、このモータ10の回転数を検出する走行用回転数検出器41が設けられ、上記荷役用電動モータ15には、このモータ15の回転数を検出する荷役用回転数検出器42が設けられている。
【0049】
上記制御装置34は、以下の▲1▼〜▲6▼の動作内容に応じて、発電機32から走行用インバータ29を介して走行用電動モータ10へ供給される電力の上限値を制御している。
▲1▼スプレッダ装置12の昇降を停止した状態で車両本体3を走行させる。
▲2▼スプレッダ装置12にコンテナ2を連結した状態(負荷有り状態)で、コンテナ2とスプレッダ装置12とを上昇させながら車両本体3を走行させる。
▲3▼スプレッダ装置12にコンテナ2を連結していない空の状態(無負荷状態)で、スプレッダ装置12のみを上昇させながら車両本体3を走行させる。
▲4▼スプレッダ装置12を下降させながら車両本体3を走行させる(この際、スプレッダ装置12にコンテナ2を連結した状態でもよいし、或いは、連結していない空の状態でもよい)。
▲5▼車両本体3の走行を停止した状態で、スプレッダ装置12を昇降させる。
▲6▼車両本体3の走行とスプレッダ装置12の昇降とを共に停止する。
【0050】
尚、制御装置34は上記▲1▼〜▲6▼の動作内容を以下のようにして判別している。
●上記▲1▼の動作内容を実行する場合、運転室20内のオペレーターは、荷役レバー23を停止位置Cに切換え、アクセルペダル22を踏込む。この際、上記荷役レバー23の停止位置Cへの切換えが第1位置検出器27により検出されて制御装置34に入力されるとともに、アクセルペダル22の踏込み角度が角度検出器26により検出されて制御装置34に入力されるため、制御装置34は▲1▼の動作内容が実行されていると判断する。
【0051】
●上記▲2▼の動作内容を実行する場合、上記オペレーターは、ツイストロック17をコンテナ2の係合穴18に挿入して、切換スイッチ24をロック解除位置Eからロック位置Dに切換え、さらに、荷役レバー23を上昇位置Aに切換えるとともにアクセルペダル22を踏込む。この際、切換スイッチ24のロック位置Dへの切換えが第2位置検出器28により検出されて制御装置34に入力され、さらに、荷役レバー23の上昇位置Aへの切換えが第1位置検出器27により検出されて制御装置34に入力されるとともに、アクセルペダル22の踏込み角度が角度検出器26により検出されて制御装置34に入力されるため、制御装置34は▲2▼の動作内容が実行されていると判断する。
【0052】
●上記▲3▼の動作内容を実行する場合、上記オペレーターは、切換スイッチ24をロック解除位置Eに切換え、さらに、荷役レバー23を上昇位置Aに切換えるとともにアクセルペダル22を踏込む。この際、切換スイッチ24のロック解除位置Eへの切換えが第2位置検出器28により検出されて制御装置34に入力され、さらに、荷役レバー23の上昇位置Aへの切換えが第1位置検出器27により検出されて制御装置34に入力されるとともに、アクセルペダル22の踏込み角度が角度検出器26により検出されて制御装置34に入力されるため、制御装置34は▲3▼の動作内容が実行されていると判断する。
【0053】
●上記▲4▼の動作内容を実行する場合、上記オペレーターは、荷役レバー23を下降位置Bに切換えるとともにアクセルペダル22を踏込む。この際、荷役レバー23の下降位置Bへの切換えが第1位置検出器27により検出されて制御装置34に入力されるとともに、アクセルペダル22の踏込み角度が角度検出器26により検出されて制御装置34に入力されるため、制御装置34は▲4▼の動作内容が実行されていると判断する。尚、この際、切換スイッチ24の切換え位置はロック位置Dとロック解除位置Eとのどちらであってもよい。
【0054】
●上記▲5▼の動作内容を実行する場合、上記オペレーターは、アクセルペダル22から足を離して踏込み量を0にし、さらに、荷役レバー23を上昇位置A又は下降位置Bに切換える。この際、アクセルペダル22の踏込み角度が角度検出器26により検出されず(非検出)、また、荷役レバー23の上昇位置A又は下降位置Bへの切換えが第1位置検出器27により検出されて制御装置34に入力されるため、制御装置34は▲5▼の動作内容が実行されていると判断する。尚、この際、切換スイッチ24の切換え位置はロック位置Dとロック解除位置Eとのどちらであってもよい。
【0055】
●上記▲6▼の動作内容を実行する場合、上記オペレーターは、アクセルペダル22から足を離して踏込み量を0にし、さらに、荷役レバー23を停止位置Cに切換える。この際、アクセルペダル22の踏込み角度が角度検出器26により検出されず(非検出)、また、上記荷役レバー23の停止位置Cへの切換えが第1位置検出器27により検出されて制御装置34に入力されるため、制御装置34は▲6▼の動作内容が実行されていると判断する。
【0056】
以下、上記制御装置34による制御に基づくコンテナキャリア車両1の走行および荷役作業について、図10のフローチャートを用いて説明する。
◎上記▲1▼の動作内容に示したように、スプレッダ装置12の昇降を停止した状態で車両本体3を走行させる場合、アクセルペダル22の踏込み角度が角度検出器26により検出されて制御装置34に入力され(ステップ−1)、荷役レバー23の上昇位置Aと下降位置Bへの切換えが共に第1位置検出器27により検出されない(ステップ−2,3)。このように荷役レバー23の上昇位置Aと下降位置Bへの切換えが共に非検出であることから、制御装置34は、荷役レバー23が停止位置Cへ切換えられていることを検知し、▲1▼の動作内容が実行されていると判断する(ステップ−4)。上記判断に基づいて、制御装置34は、両荷役用電動モータ15のブレーキ15aを作動し、さらに、両走行用電動モータ10へ供給される電力の上限値が発電機32の定格出力Tに等しくなるように、両走行用インバータ29を制御する(ステップ−5)。
【0057】
これにより、スプレッダ装置12の昇降が停止し、さらに、発電機32から出力される発電電力は、荷役用電動モータ15へ供給されず、全て両走行用電動モータ10へ供給されるため、両走行用電動モータ10の動力が十分に確保され、走行車輪9が回転して車両本体3が走行する。尚、この場合、走行用インバータ29は、図11に示した走行用電動モータ10の回転数(回転速度)とトルク制限値との関係(回転数−トルク特性)を示すグラフGAに基づいて走行用電動モータ10を制御する。
【0058】
◎上記▲2▼の動作内容に示したように、スプレッダ装置12にコンテナ2を連結した状態で、コンテナ2とスプレッダ装置12とを上昇させながら車両本体3を走行させる場合、上記(ステップ−2)において荷役レバー23の上昇位置Aへの切換えが第1位置検出器27により検出され、さらに、切換スイッチ24のロック位置Dへの切換えが第2位置検出器28により検出される(ステップ−6)。これにより、制御装置34は、▲2▼の動作内容が実行されていると判断し(ステップ−7)、両荷役用電動モータ15のブレーキ15aを解除し、また、両走行用電動モータ10へ供給される電力の上限値が発電機32の定格出力Tの30%(A%の一例)に制限されるように、両走行用インバータ29を制御する(ステップ−8)。
【0059】
これにより、上記定格出力Tに相当する電力が発電機32から発電された場合であっても、定格出力Tの30%(=T×30%)に相当する電力のみが両走行用電動モータ10へ供給され、残りの電力(=定格出力Tの70%)に相当する電力)は両荷役用電動モータ15へ供給される。これにより、発電された全ての電力が走行用電動モータ10へ供給されることはなく、コンテナ2を保持したスプレッダ装置12を上昇させるのに必要な電力が確実に確保されるため、スプレッダ装置12の上昇速度が極端に低下してしまうのを防止することができる。尚、この場合、走行用インバータ29は、図11に示した回転数−トルク特性をグラフGBに切換え、グラフGBに基づいて走行用電動モータ10を制御する。
【0060】
◎上記▲3▼の動作内容に示したように、スプレッダ装置12にコンテナ2を連結していない空の状態で、スプレッダ装置12のみを上昇させながら車両本体3を走行させる場合、上記(ステップ−6)において切換スイッチ24のロック位置Dへの切換えが第2位置検出器28により検出されない。これにより、制御装置34は、切換スイッチ24がロック解除位置Eへ切換えられていることを検知し、▲3▼の動作内容が実行されていると判断する(ステップ−9)。上記判断に基づいて、制御装置34は、両荷役用電動モータ15のブレーキ15aを解除し、また、両走行用電動モータ10へ供給される電力の上限値が発電機32の定格出力Tの70%(B%の一例)に制限されるように、両走行用インバータ29を制御する(ステップ−10)。
【0061】
これにより、上記定格出力Tに相当する電力が発電機32から発電された場合であっても、定格出力Tの70%(=T×70%)に相当する電力のみが両走行用電動モータ10へ供給され、残りの電力(すなわち(定格出力Tの30%)に相当する電力)は両荷役用電動モータ15へ供給される。これにより、発電された全ての電力が走行用電動モータ10へ供給されることはなく、コンテナ2を保持しない空のスプレッダ装置12を上昇させるのに必要な電力が確実に確保されるため、スプレッダ装置12の上昇速度が極端に低下してしまうのを防止することができる。尚、この場合、走行用インバータ29は、図11に示した回転数−トルク特性をグラフGCに切換え、グラフGCに基づいて走行用電動モータ10を制御する。尚、▲3▼におけるコンテナ2を保持していない状態では、上記▲2▼におけるコンテナ2を保持している状態に比べて、負荷の無い分、スプレッダ装置12の上昇に要する動力は小さくて済むため、A(=30)%<B(=70)%に設定している。
【0062】
◎上記▲4▼の動作内容に示したように、スプレッダ装置12を下降させながら車両本体3を走行させる場合、上記(ステップ−3)において荷役レバー23の下降位置Bへの切換えが第1位置検出器27により検出される。これにより、制御装置34は、▲4▼の動作内容が実行されていると判断し(ステップ−11)、両荷役用電動モータ15のブレーキ15aを解除し、また、両走行用電動モータ10へ供給される電力の上限値が発電機32の定格出力Tに等しくなるように、両走行用インバータ29を制御する(ステップ−12)。
【0063】
これにより、スプレッダ装置12が自重によって自然に下降する。また、発電機32から出力される発電電力は、荷役用電動モータ15へ供給されず、全て両走行用電動モータ10へ供給されるため、両走行用電動モータ10の動力が十分に確保され、走行車輪9が回転して車両本体3が走行する。尚、この場合、走行用インバータ29は、図11に示した回転数−トルク特性をグラフGAに切換え、グラフGAに基づいて走行用電動モータ10を制御する。
【0064】
◎上記▲5▼の動作内容に示したように、車両本体3の走行を停止した状態で、スプレッダ装置12を昇降させる場合、上記(ステップ−1)において、アクセルペダル22の踏込み角度が角度検出器26により検出されず、さらに、荷役レバー23の停止位置Cへの切換えが第1位置検出器27により検出されない(ステップ−13)。このように、アクセルペダル22の踏込み角度と荷役レバー23の停止位置Cへの切換えとが共に非検出であることから、制御装置34は、アクセルペダル22が踏込まれていない事と、荷役レバー23が上昇位置A又は下降位置Bのいずれかに切換えられている事とを検知し、▲5▼の動作内容が実行されていると判断する(ステップ−14)。上記判断に基づいて、制御装置34は、両走行用電動モータ10へ供給される電力が0になるように、両走行用インバータ29を制御する(ステップ−15)。これにより、発電機32から出力される発電電力は全て両荷役用電動モータ15へ供給されるため、荷役用電動モータ15の動力が十分に確保される。
【0065】
◎上記▲6▼の動作内容に示したように、車両本体3の走行とスプレッダ装置12の昇降とを共に停止させる場合、上記(ステップ−13)において、荷役レバー23の停止位置Cへの切換えが第1位置検出器27により検出される。これにより、制御装置34は、上記▲6▼の動作内容が実行されていると判断して(ステップ−16)、両荷役用電動モータ15のブレーキ15aを作動し、また、走行用電動モータ10と荷役用電動モータ15とへ供給される電力が0になるように、走行用インバータ29と荷役用インバータ30とを制御する(ステップ−17)。これにより、車両本体3の走行とスプレッダ装置12の昇降とが停止する。
【0066】
また、上記のように、スプレッダ装置12を昇降させるために荷役用電動モータ15と発電機32とを用いたため、従来の荷役用油圧ポンプ84(図13参照)と荷役用油圧シリンダ装置77(図13参照)とを用いた場合に比べて、駆動効率が向上し、したがって、エンジン33にかかる負担が軽減される。
【0067】
さらに、従来の荷役用油圧シリンダ装置77(図13参照)の代わりに荷役用電動モータ15を用いたことにより、従来の可変容量形の荷役用油圧ポンプ84(図13参照)が不要となり、コントロールが容易に行える。
【0068】
尚、図1に示すように、エンジン33の出力によって駆動される油圧ポンプ31はツイストロック17の向きを切換えるための油圧シリンダ装置19を駆動させるためのものであり、上記油圧ポンプ31の駆動に要する動力は上記エンジン33の出力に対して微小な値となるため、油圧ポンプ31によるエンジン出力のロスはほとんど無視してもよい。
【0069】
上記実施の形態では、A,Bの値をそれぞれ30%,70%にしたが、30%と70%に限定されるものではなく、車両1のサイズやエンジン33の出力等に応じて、最適値に設定される。
【0070】
上記実施の形態では、荷役機能を有する走行車両の一例として、コンテナキャリア車両1を挙げたが、その他の形式の車両、例えばフォークリフト車やホイールローダ等であってもよい。尚、フォークリフト車の場合、昇降自在なフォークが荷役装置に相当し、ホイールローダの場合、昇降自在なバケットが荷役装置に相当する。
【0071】
上記実施の形態では、複数の走行車輪9のうち、左右それぞれ1輪ずつを走行用電動モータ10で回転駆動させているが、それ以上の複数輪をそれぞれ走行用電動モータ10で回転駆動させてもよく、或いは、単数輪のみを走行用電動モータ10で回転駆動させてもよい。
【0072】
上記実施の形態では、荷の一例としてコンテナ2を挙げたが、コンテナ2に限定されるものではなく、例えば、土砂や物品を載置したパレット等であってもよい。
【0073】
上記実施の形態では、走行装置の一例として走行車輪9を用いたが、車輪方式に限定されるものではなく、例えば、クローラ装置(履帯方式)等を用いてもよい。
【0074】
上記実施の形態では、エンジンにディーゼルエンジン33を用いたが、ガソリンエンジンを用いてもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、
▲1▼荷役装置を停止した状態で車両本体を走行させる場合、発電機から出力される発電電力は全て走行用電動モータへ供給されるため、走行用電動モータの動力が十分に確保される。
【0076】
▲2▼負荷がかかった状態で荷役装置を駆動させながら車両本体を走行させる場合、発電された全ての電力が走行用電動モータへ供給されることはなく、負荷がかかった状態の荷役装置を駆動させるのに必要な大きな電力が確実に確保されるため、荷役装置の駆動速度が極端に低下してしまうのを防止することができる。
【0077】
▲3▼無負荷の状態で荷役装置を駆動させながら車両本体を走行させる場合、発電された全ての電力が走行用電動モータへ供給されることはなく、無負荷状態の荷役装置を駆動させるのに必要な小さい電力のみが確実に確保されるため、走行用電動モータにもかなりの電力を使用することができる。
【0078】
▲4▼車両本体を停止した状態で荷役装置を駆動させる場合、発電機から出力される発電電力は全て荷役用電動モータへ供給されるため、荷役用電動モータの動力が十分に確保される。
【0079】
また、荷役装置を駆動させるために荷役用電動モータと発電機とを用いたため、従来の荷役用油圧ポンプと荷役用油圧シリンダ装置とを用いた場合に比べて、駆動効率が向上し、したがって、エンジンにかかる負担が軽減される。
【0080】
さらに、従来の荷役用油圧シリンダ装置の代わりに荷役用電動モータを用いたことにより、従来の可変容量形の荷役用油圧ポンプが不要となり、コントロールが容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるコンテナキャリア車両の走行および荷役駆動系のブロック図である。
【図2】同、コンテナキャリア車両のアクセルペダルの図である。
【図3】同、コンテナキャリア車両の荷役レバーの図である。
【図4】同、コンテナキャリア車両の切換スイッチの図である。
【図5】同、コンテナキャリア車両の側面図である。
【図6】同、コンテナキャリア車両の正面図である。
【図7】同、コンテナキャリア車両の正面左部分の拡大図である。
【図8】同、コンテナキャリア車両によって取り扱われるコンテナの平面図である。
【図9】同、コンテナキャリア車両のツイストロックとコンテナの係合穴との関係を示す平面図である。
【図10】同、コンテナキャリア車両の走行および荷役作業のフローチャートである。
【図11】同、コンテナキャリア車両の走行用電動モータの回転数−トルク特性を示すグラフである。
【図12】従来のコンテナキャリア車両の斜視図である。
【図13】コンテナキャリア車両の走行および荷役駆動系のブロック図である。
【符号の説明】
1 コンテナキャリア車両(走行車両)
2 コンテナ(荷)
3 車両本体
9 走行車輪(走行装置)
10 走行用電動モータ
12 スプレッダ装置(荷役装置)
15 荷役用電動モータ
17 ツイストロック(係合装置)
22 アクセルペダル(走行操作手段)
23 荷役レバー(昇降操作手段)
24 切換スイッチ(切換操作手段)
29 走行用インバータ
30 荷役用インバータ
32 発電機
33 ディーゼルエンジン
34 制御装置
A 上昇位置(上昇側)
B 下降位置(下降側)
D ロック位置(係合側)
E ロック解除位置(離脱側)
Pa 離脱位置
Pb 係合位置

Claims (2)

  1. 車両本体に、走行装置を駆動させる走行用電動モータと、この走行用電動モータを駆動させる走行用インバータと、荷役装置を駆動する荷役用電動モータと、この荷役用電動モータを駆動させる荷役用インバータと、上記各電動モータおよび各インバータに供給される電力を発電する発電機と、この発電機を駆動させるエンジンと、上記発電機から走行用インバータを介して走行用電動モータへ供給される電力の上限値を制御する制御装置とが備えられ、
    上記制御装置は、
    (1)荷役装置を停止した状態で車両本体を走行させる場合、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力に等しくし、
    (2)負荷がかかった状態で荷役装置を駆動させながら車両本体を走行させる場合、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力のA%に制限するとともに、残りの電力を上記荷役用電動モータへ供給し、
    (3)無負荷の状態で荷役装置を駆動させながら車両本体を走行させる場合、上記走行用電動モータへ供給される電力の上限値を発電機の定格出力のB%に制限するとともに、残りの電力を上記荷役用電動モータへ供給し、
    (4)車両本体を停止した状態で荷役装置を駆動させる場合、上記走行用電動モータへ供給される電力を0にし、
    上記A,Bの値を、0%<A%<B%<100%の関係に設定したことを特徴とする荷役機能を有する走行車両。
  2. 走行装置として車輪が設けられ、
    荷役装置は昇降自在に構成されて荷を上げ下げし、
    上記荷役装置に、荷に対して係脱自在な係合装置が設けられ、
    走行用電動モータのトルクを変える走行操作手段と、上記荷役装置を昇降させる昇降操作手段と、上記係合装置を荷に係合する係合位置と荷から離脱する離脱位置とに切換える切換操作手段とが設けられ、
    制御装置は、
    上記走行操作手段が操作されている場合、車両本体が走行していると判断し、
    上記昇降操作手段が上昇側に操作されている場合、荷役装置が上昇していると判断し、上記昇降操作手段が下降側に操作されている場合、荷役装置が下降していると判断し、
    上記切換操作手段が係合側に操作されている場合、負荷有りと判断し、上記切換操作手段が離脱側に操作されている場合、無負荷であると判断することを特徴とする請求項1記載の荷役機能を有する走行車両。
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