JP3713828B2 - 充電方法、充電装置及び充電制御回路 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン電池などの定電圧充電が必要な2次電池の充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、2次電池として特性の優れた電池として、リチウムイオン電池などの新規なものが各種開発されている。この場合、リチウムイオン電池、或いはリチウムイオン電池に準じた構成の2次電池の場合には、充電時に定電圧を印加して充電を行う定電圧充電を行う必要がある。
【0003】
図12は、従来のリチウムイオン電池の充電装置の一例を示す図で、商用交流電源などを変圧・整流して得られる直流低圧電源を、入力端子1,2に供給する。この場合、入力端子1が正極側の端子で、入力端子2が負極側の端子である。入力端子1に得られる電源は、定電圧回路3に供給して、2次電池を充電するのに適した定電圧出力を得る。この定電圧回路3の出力は、ダイオード4を介して2次電池5に供給される。この場合、ダイオード4は、2次電池5からの逆放電を防止する素子である。
【0004】
定電圧回路3の出力電圧は、電圧検出回路6で検出した電圧に基づいて制御される。この場合、電圧検出回路6で検出する電位は、ダイオード4と2次電池5との間の電位としてあり、2次電池5に供給される電圧を直接検出して、定電圧回路3の出力電圧の制御を行うようにしてある。
【0005】
また、2次電池5の電池電圧を検出する電圧検出回路5が、2次電池5に接続してあり、この電圧検出回路5で検出した電池電圧を、充電装置の充電動作を制御するコントロール回路8で判断して、定電圧回路3からの充電電圧の印加などを制御するようにしてある。この場合、入力端子1,2に得られる電源に基づいて基準電圧を生成させる基準電圧回路9が用意してあり、この基準電圧回路9が出力する基準電圧を基準として、電圧検出回路5で検出した電池電圧を、コントロール回路8内で判断して、電池の充電容量を判断していた。そして、その充電容量の判断に基づいて、充電の開始,停止などの充電装置として必要な制御を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図12に示すような従来の構成では、2次電池の充電容量の判断を行うために、正確な基準電圧を発生させる基準電圧回路9が必要であり、充電装置の構成が複雑である不都合があった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑み、リチウムイオン電池などの2次電池の充電容量を、簡単な構成で正確に判断できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定の定電圧出力を2次電池に供給して充電する充電装置において、所定の定電圧を出力する定電圧手段と、バイアス源の出力電圧が供給されると共に定電圧の出力電圧と2次電池との差を検出して2次電池の充電容量を判断する電圧比較手段と、定電圧出力と2次電池の間に接続されると共に定電圧手段の出力を2次電池にオン・オフ供給するスイッチ手段と、スイッチ手段のオン時の電圧降下分を補正する電圧を電圧比較手段基準電圧側に供給するバイアス電源とを有し、2次電池の充電時には、スイッチ手段をオンにすると共に、スイッチ手段の両端の電位差を電圧比較手段により検出し、検出した電位差に基づいて定電圧手段の出力電圧を制御すると共に、2次電池の電池電圧検出時には、スイッチ手段をオフにしてスイッチ手段の両端の電圧差を電圧検出手段により検出して2次電池の充電容量を判断するようにしたものである。
【0009】
かかる処理を行うことで、2次電池の充電容量を正確に判断することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例を、図1を参照して説明する。
【0011】
図1は本例の充電装置の構成を示すブロック図で、電源入力端子11,12には、商用交流電源などを変圧・整流した所定電圧の直流電源が供給される。この場合、入力端子11は正極側の入力端子で、入力端子12は負極側の電源入力端子である。
【0012】
入力端子11は、定電圧回路13に接続してあり、所定の定電圧を出力する。この定電圧回路13の出力は、接続スイッチS1 を介して、この充電装置に装着された2次電池14に供給する。この場合、本例においては2次電池14として、定電圧で充電が行われる電池であるリチウムイオン電池を使用する。
【0013】
定電圧回路13の出力電圧は、電圧検出回路17が検出した電圧に基づいて制御される。この場合、電圧検出回路17の検出電圧入力部は、接続スイッチS1 と2次電池14の正極側との間と、接続スイッチS2 を介して接続してあると共に、定電圧回路13の出力部と接続スイッチS1 との間と、接続スイッチS3 を介して接続してある。これらの接続スイッチS1 ,S2 ,S3 の制御状態については後述する。また、各接続スイッチS1 ,S2 ,S3 は、実際にはトランジスタなどの半導体スイッチで構成される。特に、接続スイッチS1 としては、電界効果トランジスタなどの充電電圧の印加に適した素子が使用される。そして、電圧検出回路17が検出した電圧が一定電圧となるように、定電圧回路13の出力電圧が制御される。
【0014】
そして、スイッチS2 ,S3 と電圧検出回路17との接続点が、所定の電圧(例えば100mV)のバイアス電源16を介して、電圧比較器15の+側入力に接続してある。また、スイッチS1 と2次電池14との間が、電圧比較器15の−側入力に接続してある。この電圧比較器15では、+側入力と−側入力の電位を比較して、その比較結果をコントロール回路18に供給する。このコントロール回路18は、この充電装置の充電動作を制御する回路で、マイクロコンピュータで構成される。
【0015】
コントロール回路18では、電圧比較器15で検出した電位差に基づいて、接続された2次電池14の充電容量を判断し、その判断結果に基づいて、定電圧回路13による充電動作を制御する。また、その充電動作の制御状態に応じて、各接続スイッチS1 ,S2 ,S3 を制御する。
【0016】
次に、コントロール回路18の制御により、充電動作などを行う場合の各接続スイッチS1 ,S2 ,S3 の制御状態について説明する。まず、定電圧回路13の出力を2次電池14に充電させる場合には、接続スイッチS1 及びS2 をオン状態にすると共に、接続スイッチS3 はオフ状態とする。このようにすることで、接続スイッチS1 のオン状態により、定電圧回路13の出力が2次電池14に供給され、2次電池14が充電される。そして、接続スイッチS2 がオン状態となり、接続スイッチS3 がオフ状態となることで、このときの電圧検出回路17で検出される電圧が、2次電池14の正極側に印加される電圧(即ちスイッチS1 を構成する素子の内部抵抗による降下分を含んだ電圧)となる。従って、電圧検出回路17では2次電池14に印加される充電電圧が、規定の電圧であるか否か判断でき、2次電池14に印加される充電電圧が規定の電圧(例えば4.2V)となるように、定電圧回路13の出力電圧を制御できる。
【0017】
そして、2次電池14の電池電圧を検出するときには、接続スイッチS1 及びS2 をオフ状態とし、接続スイッチS3 をオン状態とする。このようにすることで、電圧検出回路17には、定電圧回路13の出力電圧が接続スイッチS1 を介さずに直接供給され、定電圧回路13の出力電圧が規定された電圧(例えば4.2V)に正確に制御される。そして、電圧比較器15では、定電圧回路13の正確な出力電圧(実際にはバイアス電源16の出力電圧が加算されている)と、2次電池14の電池電圧とが比較され、定電圧回路13の出力を基準電圧として2次電池14の電池電圧を正確に判断できる。コントロール回路18では、電圧比較器15での比較の結果の判断で、定電圧回路13の出力電圧と、電池電圧との差が大きいとき、電池の充電容量が小であると判断し、定電圧回路13の出力電圧と、電池電圧との差が小さいとき、電池の充電容量が大であると判断する。
【0018】
このように2次電池14の充電容量の判断が正確にできることで、コントロール回路18の制御に基づいた定電圧回路13の出力制御が的確に行え、2次電池14の充電を、そのときの2次電池14の状態に基づいて的確に行うことができる。なお、スイッチS1 ,S2 ,S3 のオン・オフによる充電と電池電圧の検出との切換えは、適宜行えば良い。例えば、充電中に周期的に電池電圧を検出したり、或いは充電を停止させるタイミングを予測して、その予測したタイミングに近づいたとき、電池電圧を検出するようにしても良い。
【0019】
次に、本発明の第2の実施例を、図2を参照して説明する。この図2において、上述した第1の実施例で説明した図1に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0020】
本例においては、定電圧回路13と2次電池14との間に設ける接続スイッチS1 として、インピーダンスが小さい素子を使用する。そして、電圧検出回路17には、定電圧回路13の出力を、スイッチS1 を介さずに直接供給する。また、電圧比較器15の+側入力にも、定電圧回路13の出力を直接供給する。但し、この電圧比較器15の+側入力には、所定のバイアス電源16を接続する。そして、接続スイッチS1 の接続をコントロール回路18により制御する。その他の部分は、上述した第1の実施例と同様に構成する。
【0021】
このように構成されることで、2次電池14を充電するときには、接続スイッチS1 をオン状態とすることで、充電が行われる。この場合、本例の接続スイッチS1 を構成する素子は、インピーダンスが小さい素子を使用するので、定電圧回路13の出力部とスイッチS1 との接続点の電位を電圧検出回路17が検出することになるが、定電圧回路13の出力電圧と、2次電池14側に供給される実際の充電電圧との差はわずかであり、適正な充電電圧が2次電池14に供給される。
【0022】
そして、電池電圧を検出するときには、接続スイッチS1 をオフ状態とすることで、定電圧回路13の出力がバイアス電源16を介して直接電圧比較器15の一方の入力に供給され、定電圧回路13の出力を基準電圧とした正確な電池電圧の判断が行える。
【0023】
この第2の実施例の場合には、スイッチとして1個の接続スイッチS1 を設けるだけで良いので、それだけ構成を簡単にすることができる。
【0024】
次に、本発明の第3の実施例を、図3を参照して説明する。この図3において、上述した第1の実施例で説明した図1に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0025】
本例においては、定電圧回路13と2次電池14との間に、接続スイッチS1 を接続し、この接続スイッチS1 と2次電池14との間を、接続スイッチS2 を介して電圧検出回路17に接続すると共に、接続スイッチS1 と定電圧回路13との間を、接続スイッチS3 を介して電圧検出回路17に接続する。そして、定電圧回路13の出力を、直接バイアス電源16に接続して、このバイアス電源16を電圧比較器15の+側入力に接続する。また、2次電池14の正極側を、電圧比較器15の−側入力に接続する。
【0026】
そして、定電圧回路13から2次電池14への充電を行う際には、接続スイッチS1 及びS2 をオン状態とし、接続スイッチS3 をオフ状態とし、電池電圧を検出する際には、接続スイッチS3 をオン状態とし、他のスイッチS1 ,S2 をオフ状態とする点については、上述した第1の実施例と同様であるが、本例の場合には、充電状態から電池電圧検出状態に切換える際には、まず接続スイッチS1 及びS2 がオン、接続スイッチS3 がオフとなっている状態から、接続スイッチS3 をオン状態に切換えた後、所定時間(わずかな時間で良い)後に、接続スイッチS1 及びS2 をオフ状態に切換える。その他の部分は、上述した第1の実施例と同様に構成する。
【0027】
本例のように接続スイッチS1 及びS2 を作動させるタイミングと、接続スイッチS3 を作動させるタイミングをずらすことで、充電状態から電池電圧検出状態への切換えが、良好に行われる。特に、電圧検出回路17で検出される電圧が、各スイッチの状態変化時に大きく乱れることがなく、良好に充電状態から電池電圧検出状態へ移行する。
【0028】
次に、本発明の第4の実施例を、図4を参照して説明する。
【0029】
本例においては、第3の実施例で説明した充電状態から電池電圧の検出状態への切換時の、スイッチの変化タイミングをずらす処理を、電池電圧の検出状態から充電状態への切換時にも行うようにしたもので、充電装置の回路構成については、上述した第3の実施例で説明した図3と同様に構成し、その制御を図4のフローチャートに従って行う。
【0030】
図4のフローチャートは、充電動作を開始させる前に電池電圧を測定する処理を示したもので、まず接続スイッチS3 をオン状態とした後(ステップ101)、所定時間経過してから(ステップ102)、接続スイッチS1 及びS2 をオフとし(ステップ103)、さらに所定時間経過してから(ステップ104)、定電圧回路13の出力と電池電圧とを電圧比較器15で比較させる(ステップ105)。そして、この比較で電圧差が所定値(ここで100mV)以上あるか否か判断し(ステップ106)、電圧差が所定値以上ない場合には、ステップ105での比較を繰り返し行う。
【0031】
そして、電圧差が所定値以上ある場合には、充電を開始させる信号をコントロール回路18側で発生させる(ステップ107)。この充電を開始させる信号により、接続スイッチS1 及びS2 をオン状態とした後(ステップ108)、所定時間経過してから(ステップ109)、接続スイッチS3 をオフ状態として(ステップ110)、充電動作を開始させる(ステップ111)。
【0032】
この図4のフローチャートに示すように充電開始時の制御を行うことで、充電開始前の電池電圧判断が良好に行われる。
【0033】
次に、本発明の第5の実施例を、図5を参照して説明する。この図5において、上述した第1の実施例で説明した図1に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0034】
本例においては、定電圧回路13(ここでは第1の定電圧回路13とする)の他に、第2の定電圧回路19を設ける。そして、第1の定電圧回路13と2次電池14との間に接続スイッチS1 を接続する代わりに、第1の定電圧回路13と接地電位部との間に接続スイッチS1 ′を接続して、充電時には接続スイッチS1 ′をオン状態として、この第1の定電圧回路13の出力電圧を2次電池14に供給すると共に、電池電圧の測定時には接続スイッチS1 ′をオフ状態として、定電圧回路13の動作そのものを止めて、第2の定電圧回路19の出力電圧を、電圧比較器15に供給するように構成したものである。
【0035】
具体的には、図5に示すように、第1の定電圧回路13の出力を、接続スイッチS2 を介して電圧検出回路17に供給し、第2の定電圧回路19の出力を、接続スイッチS3 を介して電圧検出回路17に供給するようにする。そして、この電圧検出回路17の入力部を、所定のバイアス電源16を介して電圧比較器15の+側入力に接続する。また、2次電池14の正極側を、電圧比較器15の−側入力に接続する。
【0036】
そして、第1の定電圧回路13,第2の定電圧回路19の双方共に、電圧検出回路17の出力により出力電圧を制御させる。また、各スイッチS1 ′,S2 ,S3 の制御については、第1の実施例と同様に制御する(ここでの接続スイッチS1 ′が第1の実施例での接続スイッチS1 と同じ制御を行う)。或いは、第3,第4の実施例のように、各スイッチの動作タイミングをずらしても良い。
【0037】
本例のように構成したことで、充電時には第1の定電圧回路13の出力が、スイッチを介さずに直接2次電池14に供給され、スイッチによる電圧降下などがない効率の良い充電が行われると共に、電池電圧の検出時には、専用の定電圧回路14を使用した電池電圧の検出が行える。
【0038】
次に、本発明の第6の実施例を、図6を参照して説明する。この図6において、上述した第5の実施例で説明した図5に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0039】
本例においては、第5の実施例の場合と同様に、第1の定電圧回路13の他に、第2の定電圧回路19を設けるようにしたものである。そして、接続スイッチS3 として、第2の定電圧回路19の出力側に接続する代わりに、第1の定電圧回路13と同様に、この第2の定電圧回路19と、第2の定電圧回路19の接地電位部との間に接続スイッチS3 ′を接続するようにしたもので、その接続スイッチS3 ′の制御については、第5の実施例の接続スイッチS3 の場合と同様である。その他の部分は、第5の実施例と同様に構成する。
【0040】
本例の場合には、第2の定電圧回路19が、電池電圧を測定するとき以外は、その動作が停止するので、第2の定電圧回路19が無駄な動作をしない。
【0041】
次に、本発明の第7の実施例を、図7を参照して説明する。この図7において、上述した第1の実施例で説明した図1に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0042】
本例においては、定電圧回路13と2次電池14との間に、接続スイッチS1 の代わりに、ダイオードD1 を接続するようにしたものである。具体的には、定電圧回路13の出力部を、ダイオードD1 のアノードに接続し、このダイオードD1 のカソードを、2次電池14の正極側に接続する。そして、ダイオードD1 と2次電池14との間に、接続スイッチS2 の一端を接続し、定電圧回路13とダイオードD1 との間に、接続スイッチS3 の一端を接続する。その他の部分は、上述した第1の実施例と同様に構成し、スイッチS2 ,S3 の制御についても第1の実施例と同様に行う。但し、第3の実施例などで説明したように、スイッチS2 とスイッチS3 の動作タイミングをずらしても良い。
【0043】
本例においては、使用するスイッチが、スイッチS2 ,S3 の2個で良いので、それだけコントロール回路18により制御するスイッチの数が少なく良く、それだけ制御構成を簡単にすることができる。
【0044】
次に、本発明の第8の実施例を、図8を参照して説明する。この図8において、上述した第5の実施例で説明した図5に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0045】
本例においては、第5の実施例の場合と同様に、充電電圧印加用の定電圧回路13(第1の定電圧回路13)の他に、第2の定電圧回路19を設けるようにしたもので、第1の定電圧回路13の出力を、ダイオードD1 を介して2次電池14に供給する。この第1の定電圧回路13は、接地電位部との間に、接続スイッチS1 ′が設けてある。
【0046】
また、第2の定電圧回路19の出力を、2個のダイオードD2 ,D3 の直列回路を介して、電圧検出回路17の入力部に接続する。そして、ダイオードD1 と2次電池14との接続点を、接続スイッチS2 を介して電圧検出回路17の入力部に接続する。電圧検出回路17は、第1の定電圧回路13と第2の定電圧回路19とを共通に制御する。
【0047】
そして、接続スイッチS2 と電圧検出回路17との接続点に、所定のバイアス電源16を介して電圧比較器15の+側入力を接続し、ダイオードD1 と2次電池14との接続点を、電圧比較器15の−側入力を接続する。その他の部分は、上述した第5の実施例と同様に構成する。
【0048】
本例においては、このように構成したことで、第5の実施例の場合と同様に、充電用の定電圧回路13と電池電圧検出用の定電圧回路19との2つの定電圧回路が用意されて、それぞれの用途毎に専用の定電圧回路が使用される。この場合、第1の定電圧回路13の出力部には、1個のダイオードD1 が接続されているので、この1個のダイオードD1 の電圧降下分だけ、2次電池14が必要とする充電電圧よりも高い電圧が、第1の定電圧回路13から出力される。例えば、2次電池14に印加する充電電圧として4.2Vとし、1個のダイオードD1 で0.6Vの電圧降下があるとすると、第1の定電圧回路13は4.8Vを出力するように制御される。
【0049】
ここで、第1の定電圧回路13と第2の定電圧回路19とは、共通に制御されるので、第2の定電圧回路19の出力についても、4.8Vに制御されるが、この第2の定電圧回路19と電圧検出回路17との間には、2個のダイオードD2 ,D3 が接続してあり、この2個のダイオードによる電圧降下(1個0.6Vとして1.2Vの降下)があり、電圧検出回路17側では第1の定電圧回路13の出力を検出することになる。従って、第1の定電圧回路13が作動しているときには、第2の定電圧回路19が作動していても、この第2の定電圧回路19の動作を無関係になる。
【0050】
また、接続スイッチS1 ′の制御で、第1の定電圧回路13の動作が停止すると、第2の定電圧回路19の出力だけが電圧検出回路17側に供給されることになり、2個のダイオードによる電圧降下分だけ高い電圧(1.2Vの降下があるとすると5.4V)が第2の定電圧回路19から出力され、電圧検出回路17の入力側では正規の電圧(4.2V)が得られ、電圧比較器15で正確に電圧比較ができる。従って、本例の場合には、第6の実施例の場合のように、第2の定電圧回路19の動作を制御するスイッチS3 ′を設ける必要がない。
【0051】
次に、本発明の第9の実施例を、図9を参照して説明する。この図9において、上述した第8の実施例で説明した図8に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0052】
本例においては、第8の実施例の場合と同様に、充電電圧印加用の定電圧回路13(第1の定電圧回路13)の他に、第2の定電圧回路19を設けると共に、第2の定電圧回路19の出力電圧を、第1の定電圧回路13の出力電圧と変えるようにしたものである。ここで本例においては、その出力電圧を変えるために、第8の実施例で使用したダイオードD2 の代わりに、抵抗器を使用するようにしたものである。
【0053】
具体的には、第8の実施例(図8)でのダイオードD2 ,D3 の直列回路の代わりに、抵抗器R1 とダイオードD3 の直列回路を接続し、この抵抗器R1 とダイオードD3 との接続中点を、抵抗器R2 を介して接地する。その他の部分は、第8の実施例と同様に構成する。
【0054】
このように構成したことで、第8の実施例の場合と同様に、第1の定電圧回路13と第2の定電圧回路19の双方が作動しているときには、第2の定電圧回路19から電圧検出回路17に供給される電圧の方が低いので、第2の定電圧回路19による影響を無くすことができる。そして本例においては、抵抗器R1 ,R2 とダイオードD3 で電圧降下分を決めているので、抵抗器R1 ,R2 の抵抗値の設定により、その降下電圧を自由に設定することができる。
【0055】
なお、抵抗器R1 ,R2 だけでダイオードD1 を越える電圧降下量が設定できる場合には、ダイオードD3 を省略しても良い。
【0056】
次に、本発明の第10の実施例を、図10を参照して説明する。この図10において、上述した第5の実施例で説明した図5に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0057】
本例においては、第5の実施例の場合と同様に、第1の定電圧回路13の他に、第2の定電圧回路19を設けるようにしたものである。そして、第1の定電圧回路13の出力を、直接2次電池14に供給すると共に、この第1の定電圧回路13の出力を、接続スイッチS2 を介して電圧検出回路17に供給する。この第1の定電圧回路13は、接地電位部との間に接続スイッチS1 ′が接続してある。そして、第2の定電圧回路19の出力を、接続スイッチS2 と電圧検出回路17との接続点に供給する。そして、この接続スイッチS2 と電圧検出回路17との接続点を、所定のバイアス電源を介して電圧比較器15の+側入力に接続する。また、2次電池14の正極側を、電圧比較器15の−側入力に接続する。
【0058】
そして、電圧検出回路17で検出した電圧に基づいて、両定電圧回路13,19に制御信号を供給するのであるが、本例においては、この制御信号を直接第2の定電圧回路19に電圧制御信号として直接供給すると共に、第1の定電圧回路13には、抵抗器R3 ,R4 により下げられた電圧として供給する。即ち、電圧検出回路17の制御信号出力部を、抵抗器R3 ,R4 の直列回路を介して接地し、両抵抗器R3 ,R4 の接続中点に得られる信号を、第1の定電圧回路13に電圧制御信号として供給し、両抵抗器R3 ,R4 の抵抗値で決まる電圧降下分ΔVだけ低下した制御信号を第1の定電圧回路13に供給する。その他の部分は、第5の実施例と同様に構成する。
【0059】
このように構成したことで、第8の実施例や第9の実施例の場合と同様に、第1の定電圧回路13の出力電圧と第2の定電圧回路19の出力電圧とが、異なる電圧に設定されるが、本例の場合には各定電圧回路13,19に供給する制御信号側の設定で、異なる電圧に設定され、定電圧回路13,19の出力側にはダイオードや抵抗器を接続する必要がない。
【0060】
次に、本発明の第11の実施例を、図11を参照して説明する。この図11において、上述した第10の実施例で説明した図10に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0061】
本例においては、第10の実施例の場合と同様に、第1の定電圧回路13の他に、第2の定電圧回路19を設け、第1の定電圧回路13に供給する制御信号の電圧を、抵抗器R3 ,R4 により所定値低下させて、第1の定電圧回路13を作動させたときに、第2の定電圧回路19の出力が無関係になるようにしたものである。
【0062】
そして本例においては、第1の定電圧回路13の動作を制御する接続スイッチS1 ″として、抵抗器R3 ,R4 により所定値低下された制御信号の入力部に一端を接続し、他端を抵抗器R5 を介して正極側の電源入力端子11に接続する。また、この例では第1の定電圧回路13の出力部と2次電池14の正極側との間に、ダイオードD1 を接続すると共に、第2の定電圧回路19と電圧検出回路17の入力部との間に、ダイオードD2 を接続する。但し、第2の定電圧回路19側のダイオードD2 は無くても良い。
【0063】
このように構成したことでも、第1の定電圧回路13の動作制御が可能である。
【0064】
なお、上述した各実施例で設けた接続スイッチS1 ,S2 などで、漏れ電流がある場合には、その漏れ電流を補正する回路を接続して、測定誤差を無くすようにしても良い。
【0065】
また、上述した各実施例においては、リチウムイオン電池を充電させる充電装置として説明したが、他の定電圧充電を必要とする2次電池の充電装置にも適用できることは勿論である。
【0070】
【発明の効果】
本発明の充電装置によると、定電圧手段の出力の2次電池への供給のオン・オフ制御を行うスイッチ手段の両端の電位差を検出する電圧比較手段を設けるだけの簡単な構成で、2次電池の充電容量を正確に判断できるようになる。
【0071】
この場合、定電圧手段の制御電圧検出手段で、充電時にはスイッチ手段と2次電池との間の電位を検出し、電池電圧の検出時には定電圧手段とスイッチ手段との間の電位を検出し、その検出した電位に基づいて定電圧手段の出力電圧を制御するようにしたことで、充電時と電池測定時とで、それぞれ適切な定電圧手段の制御ができる。
【0072】
また上述した場合に、スイッチ手段としてダイオードを使用することで、オン・オフ制御の必要のない簡単な構成で、電池測定が行える。
【0073】
また上述した場合に、スイッチ手段としてインピーダンスの小さい素子を使用し、定電圧手段の制御電圧検出手段で、定電圧手段とスイッチ手段との間の電位を検出し、その検出した電位に基づいて、定電圧手段の出力電圧を制御するようにしたことで、定電圧手段で判断する電位を、充電時と電池測定時とで切換える必要がなくなる。
【0074】
また上述した場合に、充電電圧供給用の定電圧手段とは別の測定用定電圧手段を用意して、この測定用定電圧手段の出力電圧と2次電池の電池電圧との差を、電圧比較手段で検出するようにしたことで、所望の特性の定電圧電源を使用して電池容量の検出処理が行える。
【0075】
また、この別の測定用定電圧手段を用意する場合において、測定用定電圧手段の出力電圧を、充電電圧供給用の定電圧手段の出力電圧と異なる電圧としたことで、例えば充電電圧供給用の定電圧手段からの出力があるときに、測定用定電圧手段の出力電圧による影響を無くすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4の実施例による充電処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第5の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図6】本発明の第6の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図7】本発明の第7の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の第8の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図9】本発明の第9の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図10】本発明の第10の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図11】本発明の第11の実施例による充電装置を示すブロック図である。
【図12】従来の充電装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 正極側の電源入力端子、12 負極側の電源入力端子、13 定電圧回路(第1の定電圧回路)、14 2次電池(リチウムイオン電池)、15 電圧比較器、16 バイアス電源、17 電圧検出回路、18 コントロール回路、19 第2の定電圧回路、S1 ,S1 ′,S1 ″,S2 ,S3 ,S3 ′ 接続スイッチ
Claims (5)
- 所定の定電圧出力を2次電池に供給して充電する充電装置において、
所定の定電圧を出力する定電圧手段と、
バイアス源の出力電圧が供給されると共に、上記定電圧の出力電圧と上記2次電池との差を検出して上記2次電池の充電容量を判断する電圧比較手段と、
上記定電圧出力と上記2次電池の間に接続されると共に、上記定電圧手段の出力を上記2次電池にオン・オフ供給するスイッチ手段と、
上記スイッチ手段のオン時の電圧降下分を補正する電圧を上記電圧比較手段基準電圧側に供給するバイアス電源とを有し、
上記2次電池の充電時には、上記スイッチ手段をオンにすると共に、該スイッチ手段の両端の電位差を上記電圧比較手段により検出し、検出した電位差に基づいて上記定電圧手段の出力電圧を制御すると共に、上記2次電池の電池電圧検出時には、上記スイッチ手段をオフにして該スイッチ手段の両端の電圧差を上記電圧検出手段により検出して上記2次電池の充電容量を判断する
ようにしたことを特徴とする充電装置。 - 請求項1記載の充電装置において、
上記スイッチ手段としてダイオードを使用するようにした
充電装置。 - 請求項1記載の充電装置において、
上記スイッチ手段としてインピーダンスの小さい素子を使用し、上記定電圧手段の制御電圧検出手段で、上記定電圧手段と上記スイッチ手段との間の電位を検出し、その検出した電位に基づいて、上記定電圧手段の出力電圧を制御するようにした
充電装置。 - 請求項1記載の充電装置において、
上記充電電圧供給用の定電圧手段とは別の測定用定電圧手段を用意して、この測定用定電圧手段の出力電圧と上記2次電池の電池電圧との差を、上記電圧比較手段で検出するようにした
充電装置。 - 請求項4記載の充電装置において、
上記測定用定電圧手段の出力電圧を、上記充電電圧供給用の定電圧手段の出力電圧と異なる電圧とした
充電装置。
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