JP3712377B2 - 分散型実施環境におけるｓａａｌリソースの管理方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【技術分野】
本発明は、シグナリングＡＴＭ適応層（ＳＡＡＬ）リソースを管理するための方法及び装置に係る。
【０００２】
【背景技術】
本発明は、ＩＴＵ−ＴＱ．２１００に定義されたいわゆるシグナリングＡＴＭ適応層（ＳＡＡＬ）に係る。以下、ＳＡＡＬ及びそれに関連した層の主たる機能を簡単に説明する。
図１は、ユーザ−ネットワーク−インターフェイス（ＵＮＩ）及びネットワーク−ノード−インターフェイス（ＮＮＩ）オペレーションのためにブロードバンドシグナリングスタック（プロトコルスタック）にＳＡＡＬが配置された状態を示す。ＵＮＩの場合に、Ｑ．２９３１（ＩＴＵ−Ｔ仕様書Ｑ．２９３１は、ＩＳＤＮ層３ Ｑ．９３１の変形である）を使用して、接続が設定及び切断される。これは、特に、Ｑ．２９３１に対して設計されたシグナリングＡＴＭ適応層（ＳＡＡＬ）を経て動作する。これらの層は、従来のＡＴＭ（非同期転送モード）層及び選択された物理層（図１にＰＨＹで示す）を経て動作する。ＮＮＩの場合に、ブロードバンドＩＳＵＰ（Ｂ−ＩＳＤＮ）及びメッセージ転送パート３（ＭＴＰ３）は、ＳＳ７シグナリング規格におけるそれらの対応部分の変形である。ＳＡＡＬは、それらのオペレーションをサポートする。又、これらの層は、従来のＡＴＭ層及び選択された物理層を経て動作する。
【０００３】
ＳＡＡＬは、ブロードバンドシグナリングリンクを経てシグナリングデータの正しい転送を与えるように働く。これは、シグナリングリンクに生じることのあるデータエラー、複写又は挿入に関してユーザを解放する。
ＳＡＡＬは、リンク監視サービスを提供し、そしてリンクが使用に充分なほど安定で且つエラーなしであるかどうかチェックする。又、リンクが信頼できない状態になった場合には、リンクをサービスから取り去ることもできる。又、ＳＡＡＬは、流れ制御手順を与えると共に、２つの交換機が混雑問題を発生しないよう確保するメカニズムを使用する。
ＳＡＡＬは、２つのプロトコルエンティティ、即ちサービス特有の整合ファンクション（ＳＳＣＰ）及びサービス特有の接続指向プロトコル（ＳＳＣＯＰ）を備え、これらは、ＳＳＡＬの全体的なファンクションに貢献する。これらの全体的なオペレーションは、層管理（ＬＭ）によって整合される。
【０００４】
ＳＳＣＦは、ＭＴＰ３層から受け取ったプリミティブを、要求されたＳＳＣＯＰ信号へマップし、そしてその逆も行う。即ち、信号をＳＳＣＯＰ及びＭＴＰ３又はＱ．２９３１層に転送する。更に、ＳＳＣＦは、流れ制御の役割を果たす。即ち、セルのロスを防止するために混雑レベルについてユーザに通知する。又、他端における混雑を防止するために下位層へのプロトコルデータユニット（ＰＤＵ）の流れを調整する。更に、ＳＳＣＦは、リンクの状態も処理する。ＭＴＰ３及びＳＳＣＯＰから受け取ったプリミティブに基づいて、ＳＳＣＦは、リンクの状態に関する情報（位置状態変数）、例えば、リンクが整列準備されているか、又はサービス停止である等々を指示する情報を維持する。この情報を使用して、プリミティブ／信号をＭＴＰ３及びＳＳＣＯＰへ発生し、リンクを管理する上で助けとすることができる。更に、ＳＳＣＦは、リンクが解除されたときに層管理（ＬＭ）へ報告する。これは、ＬＭに基づき、エラー監視ファンクションにおいて助けとなる。最終的に、ＳＳＣＦは、リンクがサービス状態となるか又はサービスから取り去られるときに実行される全整列手順に関する情報（状態変数）を維持する。
【０００５】
他方、ＳＳＣＯＰは、例えば、トラフィックのシーケンシング及び確認を遂行する。即ち、逐次の順序でリンクを横切って流れる全てのシグナリングユニット（メッセージ）を保持しそして欠陥トラフィックの再送信も行う。交換機（通信ノード）が動作することを確かめるために、各ノードは、その隣接交換機と共にいわゆる「キープ・アライブ」手順を実行する。又、ＳＳＣＯＰは、メッセージの状態を決定する目的でローカルユーザがＳＳＣＯＰキューを見ることができるようにする手順も含む。又、ＳＳＣＯＰは、多数の状態報告オペレーションも与える。
ＳＳＣＯＰは、更に別のサブ層、いわゆる共通パートＡＡＬプロトコル（ＣＰ−ＡＡＬ）又はＡＡＬ５ＣＰ（ＡＴＭ適応層形式５共通パート）と相互作用する。ＣＰ−ＡＡＬは、ＳＳＣＦ及びＳＳＣＯＰ層に含まれない更に別のＡＡＡファンクションを実行する。
【０００６】
ＩＴＵ−Ｔ Ｑ．２１４４に規定された層管理（ＬＭ）は、層と相互作用して、種々のオペレーション、アドミニストレーション及びメンテナンス（ＯＡＭ）ファンクションを実行する。ＬＭは、シグナリングリンクをサービスから取り去るべきか又はサービスに取り入れるべきかを決定する（後者のファンクションはリンクプロービング(link proving)と称される）。これらオペレーションの一部分として、リンクは、トラフィックの供給において過剰な遅延に対して監視される。又、ＬＭは、別のリンクへの不必要な切り換えを回避するために、リンクにある数のエラーが発生するのを許す。更に、多数の進行中の測定がＬＭによって行われる。例えば、各リンクがどれほど長くサービスを受けたか、リンクがどれほど頻繁に失敗したか、リンクがどれほど頻繁に混雑を経験したか、そして何回混雑を経験したか、並びに他の情報について、カウンタが維持される。
【０００７】
層管理は、最初、ＮＮＩにおいてＳＡＡＬについてのみ説明され、そして上述したように、その主たる機能は、ＮＮＩ ＳＡＡＬのエラー監視及びクオリティ測定手順である。
ＳＡＡＬを用いてシグナリングリンク／チャンネルを初期化する際には、上述したサブ層の各々に対してリソースを設けねばならない。即ち、ＳＡＡＬを使用したシグナリングリンク／チャンネルをネットワーク要素に構成するときには、専用のＳＡＡＬリソースを設けなければならない。ＳＡＡＬリソースは、ＳＳＣＯＰリソース、ＳＳＣＦリソース及びＣＰ−ＡＡＬ（ＡＡＬ５ＣＰ）リソースを備えている。
リソースを設けて管理することは、分散型実施環境においてＳＡＡＬスタックが実施される場合に特に重要である。
しかしながら、公知技術では、このような構成が説明されていない。
【０００８】
【発明の開示】
従って、本発明の目的は、ＳＡＡＬリソースを管理する方法を提供することである。
この目的は、請求項１に記載の方法によって達成される。
より詳細には、本発明は、サブ層で遂行されるシグナリングＡＴＭ適応層(SAAL)リソースの管理方法において、層管理(LM)から要求を受け取り、その要求をサブ層において処理し、その要求の処理が首尾良く行われたかどうか判断し、そして上記処理が首尾良く行われた場合には層管理へ成功メッセージを送信し、又は上記処理が首尾良く行われなかった場合には層管理へ失敗メッセージを送信するという段階を備えた方法を提案する。
【０００９】
或いは又、上記目的は、請求項１１に記載のサブ層管理装置によって達成される。
より詳細には、シグナリングＡＴＭ適応層(SAAL)リソースを管理するためのサブ層管理装置は、層管理から要求を受け取るための第１受信手段と、その要求を処理するための処理手段と、要求の処理が首尾良く行われたかどうか判断するための判断手段と、この判断手段の結果を表わすメッセージを上記層管理へ送信するための第１送信手段とを備えている。
【００１０】
上記方法及び装置により、シグナリングリンク／チャンネルが対応ネットワーク要素において構成されたときにシグナリングリンク／チャンネルに対してＳＡＡＬリソースプロセス（例えば、リソース指定）を行うことができる。同様に、この方法は、対応するシグナリングリンク／チャンネルがネットワーク要素の構成から除去されるときにＳＡＡＬリソースを除去することができる。
本発明による方法は、対応するシグナリングリンク／チャンネルがネットワーク要素において構成される限り、ＳＡＡＬリソースを利用できるよう保証する。 本発明の方法は、ＳＡＡＬリソースの欠陥が検出され、他のＳＡＡＬリソースは指定された状態に保たれず、そしてＳＡＡＬエンティティを回復できるように確保する。
【００１１】
更に、この方法は、ＮＮＩ ＳＡＡＬが欠陥であるが、ＡＡＬ＿ｏｕｔ＿ｏｆ＿ｓｅｒｖｉｃｅプリミティブがＮＮＩ ＳＡＡＬユーザ層（例えばＭＴＰ３）へ送信されるように保証する。即ち、公知技術によれば、ＳＡＡＬスタックのＳＳＣＦ−ＮＮＩ層に欠陥がある場合に、ＡＡＬ＿ｏｕｔ＿ｏｆ＿ｓｅｒｖｉｃｅプリミティブ（Ｑ．２１４０に規定された）を送信することができない。この方法は、ＳＳＣＦ−ＮＮＩ層が欠陥である場合にもＡＡＬ＿ｏｕｔ＿ｏｆ＿ｓｅｒｖｉｃｅプリミティブがＮＮＩ ＳＡＡＬに送信されるように確保する。
更に別の効果的な開発は、従属請求項に記載する。
より詳細には、要求が受信された直後に下位のサブ層に要求を送信することができる。
或いは又、処理が首尾良く行われた場合に下位のサブ層に要求を送信することができる。
【００１２】
更に、下位のサブ層から失敗メッセージを受け取った際に上位のサブ層に失敗メッセージを送信することができる。
更に、下位層から失敗メッセージを受け取った際に処理を禁止することができる。従って、管理要求がリソース指定要求である場合には、下位サブ層に欠陥がある場合に、リソースは指定及び占有されない。
更に、全ての層における全てのリソースは、最上位層、例えば層管理（ＬＭ）により失敗メッセージを受信した際に初期化することができる。即ち、ＳＡＡＬリソースのあるものに欠陥がある場合には、ＳＡＡＬスタックに混乱が生じ、このＳＡＡＬエンティティに対応するシグナリングリンク／チャンネルは、シグナリングメッセージを転送することができない。この状態では、ＳＡＡＬエンティティを回復するために、残りのリソースを除去するか又は初期状態に戻さねばならない。
【００１３】
本発明の方法及び装置は、層管理、サービス特有の整合ファンクション（ＳＳＣＦ）層、サービス特有の接続指向プロトコル（ＳＳＣＯＰ）層、及び共通部分適応ＡＴＭ層（ＣＰ−ＡＡＬ）を含むＳＡＡＬスタックに適用できるのが好ましい。
上記要求は、リソース指定のための要求、リソース除去のための要求、リソース監督のための要求、等々である。
又、サブ層装置は、下位サブ層に要求を送信するための第２の送信手段も含むことができる。更に、サブ層装置は、下位サブ層からメッセージを受信するための第２の受信手段を含むことができる。
【００１４】
又、本発明は、上述した少なくとも１つのサブ層管理装置を使用することにより請求項２０に記載のＳＡＡＬサブ層を管理するための層管理装置も提案する。この層管理装置は、サブ層管理装置からメッセージを受け取るための受信手段と、この受信手段が失敗メッセージを受け取る場合にサブ層管理装置を初期化するための初期化手段とを備えている。
これにより、層管理は、初期のＳＡＡＬ状態を素早く回復することができる。
【００１５】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図２は、この実施形態にとって重要なＳＳＣＯＰファンクションを実施する装置の手段を示す。層ＳＳＣＦ、ＳＳＣＯＰ及びＣＰ−ＡＡＬ（ＡＡＬ５ＣＰ）の各々は、この実施形態による方法を実施するための装置を備えている。しかしながら、最下位層、即ちＣＰ−ＡＡＬは、下位層と通信するために受信器及び送信器を必要としないことに注意されたい。
【００１６】
参照番号２１は、シグナリングリンク／チャンネルに対する特定のサブ層（即ちＳＳＣＦサブ層）においてリソースを指定し、リソースを除去し、そしてリソースを監視する等の多数のプロセスが処理される処理ユニットを示す。参照番号２２は、上位層（この場合、ＳＳＣＦ層）からメッセージを受け取るように構成されたＳＳＣＦ用の受信器を示す。参照番号２３は、上位層（ＳＳＣＦ層）へメッセージを送信するように構成されたＳＳＣＦ用の送信器を示す。参照番号２４は、下位層（この場合、ＡＡＬ５ＣＰ又はＣＰ−ＡＡＬ）からメッセージを受け取るように構成されたＡＡＬ５ＣＰ用の受信器を示す。参照番号２５は、下位層へメッセージを送信するように構成されたＡＡＬ５ＣＰ用の送信器を示す。
【００１７】
図３は、ここに示す実施形態による管理ルーチンを示すフローチャートである。リソース管理の一例として、ここでは、リソース指定を選択する。他の例は、リソース除去又はリソース監督であり、これらも基本的に同様に管理される。
例えば、シグナリングチャンネルが開始された場合に、リソース指定が要求されたときに、プロセスがスタートされる。
ステップＳ１では、ＬＭエンティティが、対応する指定要求を第１のＳＡＡＬサブ層即ちＳＳＣＦ層へ送信する。ステップＳ２では、この要求が、次の層即ちＳＳＣＯＰ層へ転送される。ステップＳ３では、この要求が、最下位ＳＡＡＬサブ層、即ちＡＡＬ５ＣＰ（ＡＡＬ５共通部分）層、又はＣＰ−ＡＡＬ（共通部分適応ＡＴＭ層）へ転送される。
【００１８】
ステップＳ４では、要求されたプロセス、即ちリソース指定が、ＡＡＬ５ＣＰサブ層において実行される。即ち、シグナリングリンク／チャンネルのリソースが指定される。ステップＳ５では、要求、即ちリソース指定の処理が首尾良く行われたかどうか判断される。
処理が首尾良く行われなかった場合には、ステップＳ１３において、失敗メッセージが上位サブ層即ちＳＳＣＯＰサブ層へ送信される。次いで、ルーチンは、ステップＳ１４へ進み、ステップＳ１３で送信された失敗メッセージに応答して失敗メッセージがＳＳＣＦサブ層へ送信される。その後、ルーチンは、ステップＳ１５へ進み、失敗メッセージが層管理（ＬＭ）へ送信される。従って、最下位サブ層が欠陥となった場合には、上位のサブ層がバイパスされ、そしてプロセス（例えば、リソースの指定）は実行されない。
【００１９】
任意であるが、層管理は、リソースを初期状態に戻してＳＡＡＬエンティティを回復させるように初期化コマンドを発生することができる。リソース指定のこの例では、指定されていたリソースが再び解放される。
他方、ステップＳ４における処理が、ステップＳ５において成功と判断された場合には、ステップＳ６において、成功メッセージが上位サブ層即ちＳＳＣＯＰサブ層へ送信される。
ステップＳ７ないしＳ９は、ＡＡＬ５ＣＰ層において実行されるステップＳ２ないしＳ４に対応する。即ち、ステップＳ７において、リソースは、ＳＳＣＯＰ層に指定されるように試みられ、そしてステップＳ８において、指定が首尾良く行われたかどうか判断される。首尾良く行われなかった場合には、ルーチンが、上述したステップＳ１４へ進む。従って、このように、失敗メッセージがステップＳ１５により層管理（ＬＭ）へ送信される。他方、ステップＳ７の処理が首尾良く行われた場合には、ステップＳ９において、成功メッセージがＳＳＣＦ層へ送信される。
【００２０】
その後のステップＳ１０ないしＳ１２は、ＡＡＬ５ＣＰ層において実行されるステップＳ２ないしＳ４に対応する。即ち、ステップＳ１０において、リソースの指定が実行される。上述したステップＳ８及びＳ５と対応的に、ステップＳ１１において、指定が首尾良く行われたかどうか判断される。首尾良く行われなかった場合には、ルーチンは、上述したステップＳ１５へ進み、失敗メッセージが層管理（ＬＭ）へ送信される。
他方、処理が首尾良く行われた場合には、ステップＳ１２において、成功メッセージが層管理へ送信される。次いで、ルーチンが終了し、層管理は、対応的に処理を行うことができる。要求が、リソースを指定する要求であるこの例では、層管理は、シグナリングリンク／チャンネルを使用することができる。要求が、リソースを除去する要求である他の例では、層管理は、リソースを占有したシグナリングリンク／チャンネルを解除することができる。
【００２１】
以下、図４ないし８を参照して、リソース管理の幾つかの例を説明する。これらの図に示されたＳＡＡＬの構成は、ネットワークノードインターフェイス（ＮＮＩ）におけるＳＡＡＬ及びユーザネットワークインターフェイス（ＵＮＩ）におけるＳＡＡＬの両方に適用するが、実際には、ＳＳＣＦの構造は、ＮＮＩ及びＵＮＩについて相違することに注意されたい。従って、説明を簡単にするため、以下ではＵＮＩとＮＮＩとを区別しない。しかしながら、この実施形態の重要な特徴は、この実施形態によるルーチンをＵＮＩ及びＮＮＩの両方に適用できることである点に注意されたい。
【００２２】
図４は、シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が成功した場合の例を示す。Ａ１は、リンク指定要求が層管理からＳＳＣＦサブ層へと発生されたことを指示する。リンク要求は、次いで、ＳＳＣＯＰ層へ転送され（Ａ２）そしてＡＡＬ５ＣＰ層へ転送される（Ａ３）。その後、ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対して必要なリソースを指定する（Ａ４）。指定の成功に応答して、応答即ち成功メッセージがＳＳＣＯＰ層へ送信される（Ａ５）。成功メッセージを受信すると、ＳＳＣＯＰは、シグナリングリンクに対してリソースを指定する（Ａ６）。リソースを首尾良く指定した後に、成功メッセージ（ＯＫ）がＳＳＣＦ層へ送信され（Ａ７）、それに応じて、ＳＳＣＯＰがシグナリングリンクに対してリソースを指定する（Ａ８）。成功の場合に、ＳＳＣＦは、成功メッセージを層管理（ＬＭ）へ送信する（Ａ９）。
【００２３】
図５は、シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース除去が成功した場合の例を示す。Ｂ１は、リンク除去要求が層管理からＳＳＣＦサブ層へ発生されることを指示する。リソースを除去する要求は、次いで、ＳＳＣＯＰ層へ転送され（Ｂ２）、そしてＡＡＬ５ＣＰ層へ転送される（Ｂ３）。その後に、ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対する対応リソースをＡＡＬ５ＣＰ層から除去する（Ｂ４）。リソースの首尾良い除去に応答して、応答即ち成功メッセージがＳＳＣＯＰ層へ送信される（Ｂ５）。成功メッセージを受け取ると、ＳＳＣＯＰは、シグナリングリンクに対して指定されたリソースを除去する（Ｂ６）。リソースを首尾良く除去した後に、成功メッセージ（ＯＫ）がＳＳＣＦ層へ送信される（Ｂ７）。その結果、ＳＳＣＦは、シグナリングリンクに対するリソースをＳＳＣＦサブ層から除去する（Ｂ８）。成功の場合には、ＳＳＣＦは、成功メッセージを層管理（ＬＭ）へ送信する（Ｂ９）。
従って、図４及び５に示す例では、ステップＳ１ないしＳ１２は、順次に実行され、全ての判断ステップは、肯定である。
【００２４】
図６は、ＳＡＡＬリソース指定が失敗に終わった場合の例を示す。詳細には、ＳＳＣＦ（例えば、ＮＮＩにおける）が失敗となる。
先ず、リンク指定要求が層管理によりＳＳＣＦ層へ発生される（Ｃ１）。このリンク要求は、次いで、ＳＳＣＯＰ層へ転送され（Ｃ２）、そしてＡＡＬ５ＣＰ層へ転送される（Ｃ３）。その後に、ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対して必要なリソースを指定する（Ｃ４）。指定が首尾良く行われるのに応答して、応答即ち成功メッセージがＳＳＣＯＰ層へ送信される（Ｃ５）。この成功メッセージを受信すると、ＳＳＣＯＰは、シグナリングリンクに対してリソースを指定する（Ｃ６）。リソースを首尾良く指定した後に、成功メッセージ（ＯＫ）がＳＳＣＦ層へ送信され（Ｃ７）、それに応じて、ＳＳＣＦがリソースを指定しようと試みるが、失敗となる（Ｃ８）。従って、失敗メッセージ（応答：ＮＯＫ）が層管理へ送信される（Ｃ９）。従って、層管理は、ここで、初期化等を実行して、ＳＡＡＬエンティティを回復させることができる。
【００２５】
本発明の別の実施形態によれば、リソースの指定は、要求メッセージが受信された直後に各層において行われる。この場合、要求メッセージは、エラーが発生した場合に必ずしも下位の層へ転送されない。
図７は、ＳＡＡＬリソース指定が失敗に終わった更に別の例を示す。ここでは、ＳＳＣＯＰサブ層が失敗となる。
【００２６】
図６と同様に、リンク指定要求がＳＳＣＦ層へ発生され（Ｄ１）、そしてその後、ＳＳＣＯＰ層へ発生され（Ｄ２）、更に、ＡＡＬ５ＣＰ層へ発生される（Ｄ３）。その後、ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対して必要なリソースを指定する（Ｄ４）。指定が成功するのに応答して、応答即ち成功メッセージがＳＳＣＯＰ層へ送信される（Ｄ５）。しかしながら、ＳＳＣＯＰ層は、リソースの指定に失敗し（Ｄ６）、そしてそれに対応する失敗メッセージがＳＳＣＦ層へ送信される（Ｄ７）。その結果、ＳＳＣＦ層は、リソースを指定せず（Ｄ８）、失敗メッセージを層管理へ送信する（Ｄ９）。
図８は、シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定の間にＡＡＬ５ＣＰ層が失敗となる例を示す。
【００２７】
図４の場合と同様に、リンク指定要求がＡＡＬ５ＣＰ層へ転送される（Ｅ１−Ｅ３）。ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対してリソースを指定するよう試みるが、失敗する（Ｅ４）。その結果、応答（ＮＯＫ）即ち失敗メッセージをＳＳＣＯＰ層へ送信する（Ｅ５）。ここで、ＳＳＣＯＰ層は、いかなるリソースも指定せず（Ｅ６）、そして失敗メッセージをＳＳＣＦ層へ送信する（Ｅ７）。同様に、ＳＳＣＦ層は、シグナリングリンクに対していかなるリソースも指定せず（Ｅ８）、そして失敗メッセージを層管理へ送信する（Ｅ９）。
上記説明及び添付図面は、本発明を一例として説明するものに過ぎない。上述した本発明の実施形態及びその変形態様は、特許請求の範囲内で種々変更し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ブロードバンドシグナリングスタック及びＳＡＡＬを示す図である。
【図２】 好ましい実施形態によるＳＳＣＯＰファンクションを備えた装置を示す図である。
【図３】 好ましい実施形態によるプロセスを示すフローチャートである。
【図４】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が成功した場合の例を示す図である。
【図５】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース除去が成功した場合の例を示す図である。
【図６】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が不成功の場合、即ちＳＳＣＦ欠陥の場合の例を示す図である。
【図７】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が不成功の場合、即ちＳＳＣＯＰ欠陥の場合の例を示す図である。
【図８】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が不成功の場合、即ちＡＡＬ５ＣＰ欠陥の場合の例を示す図である。
【技術分野】
本発明は、シグナリングＡＴＭ適応層（ＳＡＡＬ）リソースを管理するための方法及び装置に係る。
【０００２】
【背景技術】
本発明は、ＩＴＵ−ＴＱ．２１００に定義されたいわゆるシグナリングＡＴＭ適応層（ＳＡＡＬ）に係る。以下、ＳＡＡＬ及びそれに関連した層の主たる機能を簡単に説明する。
図１は、ユーザ−ネットワーク−インターフェイス（ＵＮＩ）及びネットワーク−ノード−インターフェイス（ＮＮＩ）オペレーションのためにブロードバンドシグナリングスタック（プロトコルスタック）にＳＡＡＬが配置された状態を示す。ＵＮＩの場合に、Ｑ．２９３１（ＩＴＵ−Ｔ仕様書Ｑ．２９３１は、ＩＳＤＮ層３ Ｑ．９３１の変形である）を使用して、接続が設定及び切断される。これは、特に、Ｑ．２９３１に対して設計されたシグナリングＡＴＭ適応層（ＳＡＡＬ）を経て動作する。これらの層は、従来のＡＴＭ（非同期転送モード）層及び選択された物理層（図１にＰＨＹで示す）を経て動作する。ＮＮＩの場合に、ブロードバンドＩＳＵＰ（Ｂ−ＩＳＤＮ）及びメッセージ転送パート３（ＭＴＰ３）は、ＳＳ７シグナリング規格におけるそれらの対応部分の変形である。ＳＡＡＬは、それらのオペレーションをサポートする。又、これらの層は、従来のＡＴＭ層及び選択された物理層を経て動作する。
【０００３】
ＳＡＡＬは、ブロードバンドシグナリングリンクを経てシグナリングデータの正しい転送を与えるように働く。これは、シグナリングリンクに生じることのあるデータエラー、複写又は挿入に関してユーザを解放する。
ＳＡＡＬは、リンク監視サービスを提供し、そしてリンクが使用に充分なほど安定で且つエラーなしであるかどうかチェックする。又、リンクが信頼できない状態になった場合には、リンクをサービスから取り去ることもできる。又、ＳＡＡＬは、流れ制御手順を与えると共に、２つの交換機が混雑問題を発生しないよう確保するメカニズムを使用する。
ＳＡＡＬは、２つのプロトコルエンティティ、即ちサービス特有の整合ファンクション（ＳＳＣＰ）及びサービス特有の接続指向プロトコル（ＳＳＣＯＰ）を備え、これらは、ＳＳＡＬの全体的なファンクションに貢献する。これらの全体的なオペレーションは、層管理（ＬＭ）によって整合される。
【０００４】
ＳＳＣＦは、ＭＴＰ３層から受け取ったプリミティブを、要求されたＳＳＣＯＰ信号へマップし、そしてその逆も行う。即ち、信号をＳＳＣＯＰ及びＭＴＰ３又はＱ．２９３１層に転送する。更に、ＳＳＣＦは、流れ制御の役割を果たす。即ち、セルのロスを防止するために混雑レベルについてユーザに通知する。又、他端における混雑を防止するために下位層へのプロトコルデータユニット（ＰＤＵ）の流れを調整する。更に、ＳＳＣＦは、リンクの状態も処理する。ＭＴＰ３及びＳＳＣＯＰから受け取ったプリミティブに基づいて、ＳＳＣＦは、リンクの状態に関する情報（位置状態変数）、例えば、リンクが整列準備されているか、又はサービス停止である等々を指示する情報を維持する。この情報を使用して、プリミティブ／信号をＭＴＰ３及びＳＳＣＯＰへ発生し、リンクを管理する上で助けとすることができる。更に、ＳＳＣＦは、リンクが解除されたときに層管理（ＬＭ）へ報告する。これは、ＬＭに基づき、エラー監視ファンクションにおいて助けとなる。最終的に、ＳＳＣＦは、リンクがサービス状態となるか又はサービスから取り去られるときに実行される全整列手順に関する情報（状態変数）を維持する。
【０００５】
他方、ＳＳＣＯＰは、例えば、トラフィックのシーケンシング及び確認を遂行する。即ち、逐次の順序でリンクを横切って流れる全てのシグナリングユニット（メッセージ）を保持しそして欠陥トラフィックの再送信も行う。交換機（通信ノード）が動作することを確かめるために、各ノードは、その隣接交換機と共にいわゆる「キープ・アライブ」手順を実行する。又、ＳＳＣＯＰは、メッセージの状態を決定する目的でローカルユーザがＳＳＣＯＰキューを見ることができるようにする手順も含む。又、ＳＳＣＯＰは、多数の状態報告オペレーションも与える。
ＳＳＣＯＰは、更に別のサブ層、いわゆる共通パートＡＡＬプロトコル（ＣＰ−ＡＡＬ）又はＡＡＬ５ＣＰ（ＡＴＭ適応層形式５共通パート）と相互作用する。ＣＰ−ＡＡＬは、ＳＳＣＦ及びＳＳＣＯＰ層に含まれない更に別のＡＡＡファンクションを実行する。
【０００６】
ＩＴＵ−Ｔ Ｑ．２１４４に規定された層管理（ＬＭ）は、層と相互作用して、種々のオペレーション、アドミニストレーション及びメンテナンス（ＯＡＭ）ファンクションを実行する。ＬＭは、シグナリングリンクをサービスから取り去るべきか又はサービスに取り入れるべきかを決定する（後者のファンクションはリンクプロービング(link proving)と称される）。これらオペレーションの一部分として、リンクは、トラフィックの供給において過剰な遅延に対して監視される。又、ＬＭは、別のリンクへの不必要な切り換えを回避するために、リンクにある数のエラーが発生するのを許す。更に、多数の進行中の測定がＬＭによって行われる。例えば、各リンクがどれほど長くサービスを受けたか、リンクがどれほど頻繁に失敗したか、リンクがどれほど頻繁に混雑を経験したか、そして何回混雑を経験したか、並びに他の情報について、カウンタが維持される。
【０００７】
層管理は、最初、ＮＮＩにおいてＳＡＡＬについてのみ説明され、そして上述したように、その主たる機能は、ＮＮＩ ＳＡＡＬのエラー監視及びクオリティ測定手順である。
ＳＡＡＬを用いてシグナリングリンク／チャンネルを初期化する際には、上述したサブ層の各々に対してリソースを設けねばならない。即ち、ＳＡＡＬを使用したシグナリングリンク／チャンネルをネットワーク要素に構成するときには、専用のＳＡＡＬリソースを設けなければならない。ＳＡＡＬリソースは、ＳＳＣＯＰリソース、ＳＳＣＦリソース及びＣＰ−ＡＡＬ（ＡＡＬ５ＣＰ）リソースを備えている。
リソースを設けて管理することは、分散型実施環境においてＳＡＡＬスタックが実施される場合に特に重要である。
しかしながら、公知技術では、このような構成が説明されていない。
【０００８】
【発明の開示】
従って、本発明の目的は、ＳＡＡＬリソースを管理する方法を提供することである。
この目的は、請求項１に記載の方法によって達成される。
より詳細には、本発明は、サブ層で遂行されるシグナリングＡＴＭ適応層(SAAL)リソースの管理方法において、層管理(LM)から要求を受け取り、その要求をサブ層において処理し、その要求の処理が首尾良く行われたかどうか判断し、そして上記処理が首尾良く行われた場合には層管理へ成功メッセージを送信し、又は上記処理が首尾良く行われなかった場合には層管理へ失敗メッセージを送信するという段階を備えた方法を提案する。
【０００９】
或いは又、上記目的は、請求項１１に記載のサブ層管理装置によって達成される。
より詳細には、シグナリングＡＴＭ適応層(SAAL)リソースを管理するためのサブ層管理装置は、層管理から要求を受け取るための第１受信手段と、その要求を処理するための処理手段と、要求の処理が首尾良く行われたかどうか判断するための判断手段と、この判断手段の結果を表わすメッセージを上記層管理へ送信するための第１送信手段とを備えている。
【００１０】
上記方法及び装置により、シグナリングリンク／チャンネルが対応ネットワーク要素において構成されたときにシグナリングリンク／チャンネルに対してＳＡＡＬリソースプロセス（例えば、リソース指定）を行うことができる。同様に、この方法は、対応するシグナリングリンク／チャンネルがネットワーク要素の構成から除去されるときにＳＡＡＬリソースを除去することができる。
本発明による方法は、対応するシグナリングリンク／チャンネルがネットワーク要素において構成される限り、ＳＡＡＬリソースを利用できるよう保証する。 本発明の方法は、ＳＡＡＬリソースの欠陥が検出され、他のＳＡＡＬリソースは指定された状態に保たれず、そしてＳＡＡＬエンティティを回復できるように確保する。
【００１１】
更に、この方法は、ＮＮＩ ＳＡＡＬが欠陥であるが、ＡＡＬ＿ｏｕｔ＿ｏｆ＿ｓｅｒｖｉｃｅプリミティブがＮＮＩ ＳＡＡＬユーザ層（例えばＭＴＰ３）へ送信されるように保証する。即ち、公知技術によれば、ＳＡＡＬスタックのＳＳＣＦ−ＮＮＩ層に欠陥がある場合に、ＡＡＬ＿ｏｕｔ＿ｏｆ＿ｓｅｒｖｉｃｅプリミティブ（Ｑ．２１４０に規定された）を送信することができない。この方法は、ＳＳＣＦ−ＮＮＩ層が欠陥である場合にもＡＡＬ＿ｏｕｔ＿ｏｆ＿ｓｅｒｖｉｃｅプリミティブがＮＮＩ ＳＡＡＬに送信されるように確保する。
更に別の効果的な開発は、従属請求項に記載する。
より詳細には、要求が受信された直後に下位のサブ層に要求を送信することができる。
或いは又、処理が首尾良く行われた場合に下位のサブ層に要求を送信することができる。
【００１２】
更に、下位のサブ層から失敗メッセージを受け取った際に上位のサブ層に失敗メッセージを送信することができる。
更に、下位層から失敗メッセージを受け取った際に処理を禁止することができる。従って、管理要求がリソース指定要求である場合には、下位サブ層に欠陥がある場合に、リソースは指定及び占有されない。
更に、全ての層における全てのリソースは、最上位層、例えば層管理（ＬＭ）により失敗メッセージを受信した際に初期化することができる。即ち、ＳＡＡＬリソースのあるものに欠陥がある場合には、ＳＡＡＬスタックに混乱が生じ、このＳＡＡＬエンティティに対応するシグナリングリンク／チャンネルは、シグナリングメッセージを転送することができない。この状態では、ＳＡＡＬエンティティを回復するために、残りのリソースを除去するか又は初期状態に戻さねばならない。
【００１３】
本発明の方法及び装置は、層管理、サービス特有の整合ファンクション（ＳＳＣＦ）層、サービス特有の接続指向プロトコル（ＳＳＣＯＰ）層、及び共通部分適応ＡＴＭ層（ＣＰ−ＡＡＬ）を含むＳＡＡＬスタックに適用できるのが好ましい。
上記要求は、リソース指定のための要求、リソース除去のための要求、リソース監督のための要求、等々である。
又、サブ層装置は、下位サブ層に要求を送信するための第２の送信手段も含むことができる。更に、サブ層装置は、下位サブ層からメッセージを受信するための第２の受信手段を含むことができる。
【００１４】
又、本発明は、上述した少なくとも１つのサブ層管理装置を使用することにより請求項２０に記載のＳＡＡＬサブ層を管理するための層管理装置も提案する。この層管理装置は、サブ層管理装置からメッセージを受け取るための受信手段と、この受信手段が失敗メッセージを受け取る場合にサブ層管理装置を初期化するための初期化手段とを備えている。
これにより、層管理は、初期のＳＡＡＬ状態を素早く回復することができる。
【００１５】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図２は、この実施形態にとって重要なＳＳＣＯＰファンクションを実施する装置の手段を示す。層ＳＳＣＦ、ＳＳＣＯＰ及びＣＰ−ＡＡＬ（ＡＡＬ５ＣＰ）の各々は、この実施形態による方法を実施するための装置を備えている。しかしながら、最下位層、即ちＣＰ−ＡＡＬは、下位層と通信するために受信器及び送信器を必要としないことに注意されたい。
【００１６】
参照番号２１は、シグナリングリンク／チャンネルに対する特定のサブ層（即ちＳＳＣＦサブ層）においてリソースを指定し、リソースを除去し、そしてリソースを監視する等の多数のプロセスが処理される処理ユニットを示す。参照番号２２は、上位層（この場合、ＳＳＣＦ層）からメッセージを受け取るように構成されたＳＳＣＦ用の受信器を示す。参照番号２３は、上位層（ＳＳＣＦ層）へメッセージを送信するように構成されたＳＳＣＦ用の送信器を示す。参照番号２４は、下位層（この場合、ＡＡＬ５ＣＰ又はＣＰ−ＡＡＬ）からメッセージを受け取るように構成されたＡＡＬ５ＣＰ用の受信器を示す。参照番号２５は、下位層へメッセージを送信するように構成されたＡＡＬ５ＣＰ用の送信器を示す。
【００１７】
図３は、ここに示す実施形態による管理ルーチンを示すフローチャートである。リソース管理の一例として、ここでは、リソース指定を選択する。他の例は、リソース除去又はリソース監督であり、これらも基本的に同様に管理される。
例えば、シグナリングチャンネルが開始された場合に、リソース指定が要求されたときに、プロセスがスタートされる。
ステップＳ１では、ＬＭエンティティが、対応する指定要求を第１のＳＡＡＬサブ層即ちＳＳＣＦ層へ送信する。ステップＳ２では、この要求が、次の層即ちＳＳＣＯＰ層へ転送される。ステップＳ３では、この要求が、最下位ＳＡＡＬサブ層、即ちＡＡＬ５ＣＰ（ＡＡＬ５共通部分）層、又はＣＰ−ＡＡＬ（共通部分適応ＡＴＭ層）へ転送される。
【００１８】
ステップＳ４では、要求されたプロセス、即ちリソース指定が、ＡＡＬ５ＣＰサブ層において実行される。即ち、シグナリングリンク／チャンネルのリソースが指定される。ステップＳ５では、要求、即ちリソース指定の処理が首尾良く行われたかどうか判断される。
処理が首尾良く行われなかった場合には、ステップＳ１３において、失敗メッセージが上位サブ層即ちＳＳＣＯＰサブ層へ送信される。次いで、ルーチンは、ステップＳ１４へ進み、ステップＳ１３で送信された失敗メッセージに応答して失敗メッセージがＳＳＣＦサブ層へ送信される。その後、ルーチンは、ステップＳ１５へ進み、失敗メッセージが層管理（ＬＭ）へ送信される。従って、最下位サブ層が欠陥となった場合には、上位のサブ層がバイパスされ、そしてプロセス（例えば、リソースの指定）は実行されない。
【００１９】
任意であるが、層管理は、リソースを初期状態に戻してＳＡＡＬエンティティを回復させるように初期化コマンドを発生することができる。リソース指定のこの例では、指定されていたリソースが再び解放される。
他方、ステップＳ４における処理が、ステップＳ５において成功と判断された場合には、ステップＳ６において、成功メッセージが上位サブ層即ちＳＳＣＯＰサブ層へ送信される。
ステップＳ７ないしＳ９は、ＡＡＬ５ＣＰ層において実行されるステップＳ２ないしＳ４に対応する。即ち、ステップＳ７において、リソースは、ＳＳＣＯＰ層に指定されるように試みられ、そしてステップＳ８において、指定が首尾良く行われたかどうか判断される。首尾良く行われなかった場合には、ルーチンが、上述したステップＳ１４へ進む。従って、このように、失敗メッセージがステップＳ１５により層管理（ＬＭ）へ送信される。他方、ステップＳ７の処理が首尾良く行われた場合には、ステップＳ９において、成功メッセージがＳＳＣＦ層へ送信される。
【００２０】
その後のステップＳ１０ないしＳ１２は、ＡＡＬ５ＣＰ層において実行されるステップＳ２ないしＳ４に対応する。即ち、ステップＳ１０において、リソースの指定が実行される。上述したステップＳ８及びＳ５と対応的に、ステップＳ１１において、指定が首尾良く行われたかどうか判断される。首尾良く行われなかった場合には、ルーチンは、上述したステップＳ１５へ進み、失敗メッセージが層管理（ＬＭ）へ送信される。
他方、処理が首尾良く行われた場合には、ステップＳ１２において、成功メッセージが層管理へ送信される。次いで、ルーチンが終了し、層管理は、対応的に処理を行うことができる。要求が、リソースを指定する要求であるこの例では、層管理は、シグナリングリンク／チャンネルを使用することができる。要求が、リソースを除去する要求である他の例では、層管理は、リソースを占有したシグナリングリンク／チャンネルを解除することができる。
【００２１】
以下、図４ないし８を参照して、リソース管理の幾つかの例を説明する。これらの図に示されたＳＡＡＬの構成は、ネットワークノードインターフェイス（ＮＮＩ）におけるＳＡＡＬ及びユーザネットワークインターフェイス（ＵＮＩ）におけるＳＡＡＬの両方に適用するが、実際には、ＳＳＣＦの構造は、ＮＮＩ及びＵＮＩについて相違することに注意されたい。従って、説明を簡単にするため、以下ではＵＮＩとＮＮＩとを区別しない。しかしながら、この実施形態の重要な特徴は、この実施形態によるルーチンをＵＮＩ及びＮＮＩの両方に適用できることである点に注意されたい。
【００２２】
図４は、シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が成功した場合の例を示す。Ａ１は、リンク指定要求が層管理からＳＳＣＦサブ層へと発生されたことを指示する。リンク要求は、次いで、ＳＳＣＯＰ層へ転送され（Ａ２）そしてＡＡＬ５ＣＰ層へ転送される（Ａ３）。その後、ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対して必要なリソースを指定する（Ａ４）。指定の成功に応答して、応答即ち成功メッセージがＳＳＣＯＰ層へ送信される（Ａ５）。成功メッセージを受信すると、ＳＳＣＯＰは、シグナリングリンクに対してリソースを指定する（Ａ６）。リソースを首尾良く指定した後に、成功メッセージ（ＯＫ）がＳＳＣＦ層へ送信され（Ａ７）、それに応じて、ＳＳＣＯＰがシグナリングリンクに対してリソースを指定する（Ａ８）。成功の場合に、ＳＳＣＦは、成功メッセージを層管理（ＬＭ）へ送信する（Ａ９）。
【００２３】
図５は、シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース除去が成功した場合の例を示す。Ｂ１は、リンク除去要求が層管理からＳＳＣＦサブ層へ発生されることを指示する。リソースを除去する要求は、次いで、ＳＳＣＯＰ層へ転送され（Ｂ２）、そしてＡＡＬ５ＣＰ層へ転送される（Ｂ３）。その後に、ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対する対応リソースをＡＡＬ５ＣＰ層から除去する（Ｂ４）。リソースの首尾良い除去に応答して、応答即ち成功メッセージがＳＳＣＯＰ層へ送信される（Ｂ５）。成功メッセージを受け取ると、ＳＳＣＯＰは、シグナリングリンクに対して指定されたリソースを除去する（Ｂ６）。リソースを首尾良く除去した後に、成功メッセージ（ＯＫ）がＳＳＣＦ層へ送信される（Ｂ７）。その結果、ＳＳＣＦは、シグナリングリンクに対するリソースをＳＳＣＦサブ層から除去する（Ｂ８）。成功の場合には、ＳＳＣＦは、成功メッセージを層管理（ＬＭ）へ送信する（Ｂ９）。
従って、図４及び５に示す例では、ステップＳ１ないしＳ１２は、順次に実行され、全ての判断ステップは、肯定である。
【００２４】
図６は、ＳＡＡＬリソース指定が失敗に終わった場合の例を示す。詳細には、ＳＳＣＦ（例えば、ＮＮＩにおける）が失敗となる。
先ず、リンク指定要求が層管理によりＳＳＣＦ層へ発生される（Ｃ１）。このリンク要求は、次いで、ＳＳＣＯＰ層へ転送され（Ｃ２）、そしてＡＡＬ５ＣＰ層へ転送される（Ｃ３）。その後に、ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対して必要なリソースを指定する（Ｃ４）。指定が首尾良く行われるのに応答して、応答即ち成功メッセージがＳＳＣＯＰ層へ送信される（Ｃ５）。この成功メッセージを受信すると、ＳＳＣＯＰは、シグナリングリンクに対してリソースを指定する（Ｃ６）。リソースを首尾良く指定した後に、成功メッセージ（ＯＫ）がＳＳＣＦ層へ送信され（Ｃ７）、それに応じて、ＳＳＣＦがリソースを指定しようと試みるが、失敗となる（Ｃ８）。従って、失敗メッセージ（応答：ＮＯＫ）が層管理へ送信される（Ｃ９）。従って、層管理は、ここで、初期化等を実行して、ＳＡＡＬエンティティを回復させることができる。
【００２５】
本発明の別の実施形態によれば、リソースの指定は、要求メッセージが受信された直後に各層において行われる。この場合、要求メッセージは、エラーが発生した場合に必ずしも下位の層へ転送されない。
図７は、ＳＡＡＬリソース指定が失敗に終わった更に別の例を示す。ここでは、ＳＳＣＯＰサブ層が失敗となる。
【００２６】
図６と同様に、リンク指定要求がＳＳＣＦ層へ発生され（Ｄ１）、そしてその後、ＳＳＣＯＰ層へ発生され（Ｄ２）、更に、ＡＡＬ５ＣＰ層へ発生される（Ｄ３）。その後、ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対して必要なリソースを指定する（Ｄ４）。指定が成功するのに応答して、応答即ち成功メッセージがＳＳＣＯＰ層へ送信される（Ｄ５）。しかしながら、ＳＳＣＯＰ層は、リソースの指定に失敗し（Ｄ６）、そしてそれに対応する失敗メッセージがＳＳＣＦ層へ送信される（Ｄ７）。その結果、ＳＳＣＦ層は、リソースを指定せず（Ｄ８）、失敗メッセージを層管理へ送信する（Ｄ９）。
図８は、シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定の間にＡＡＬ５ＣＰ層が失敗となる例を示す。
【００２７】
図４の場合と同様に、リンク指定要求がＡＡＬ５ＣＰ層へ転送される（Ｅ１−Ｅ３）。ＡＡＬ５ＣＰ層は、シグナリングリンクに対してリソースを指定するよう試みるが、失敗する（Ｅ４）。その結果、応答（ＮＯＫ）即ち失敗メッセージをＳＳＣＯＰ層へ送信する（Ｅ５）。ここで、ＳＳＣＯＰ層は、いかなるリソースも指定せず（Ｅ６）、そして失敗メッセージをＳＳＣＦ層へ送信する（Ｅ７）。同様に、ＳＳＣＦ層は、シグナリングリンクに対していかなるリソースも指定せず（Ｅ８）、そして失敗メッセージを層管理へ送信する（Ｅ９）。
上記説明及び添付図面は、本発明を一例として説明するものに過ぎない。上述した本発明の実施形態及びその変形態様は、特許請求の範囲内で種々変更し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ブロードバンドシグナリングスタック及びＳＡＡＬを示す図である。
【図２】 好ましい実施形態によるＳＳＣＯＰファンクションを備えた装置を示す図である。
【図３】 好ましい実施形態によるプロセスを示すフローチャートである。
【図４】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が成功した場合の例を示す図である。
【図５】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース除去が成功した場合の例を示す図である。
【図６】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が不成功の場合、即ちＳＳＣＦ欠陥の場合の例を示す図である。
【図７】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が不成功の場合、即ちＳＳＣＯＰ欠陥の場合の例を示す図である。
【図８】 シグナリングリンクに対するＳＡＡＬリソース指定が不成功の場合、即ちＡＡＬ５ＣＰ欠陥の場合の例を示す図である。
Claims (20)
- サブ層で遂行されるシグナリングＡＴＭ適応層(SAAL)リソースの管理方法において、
層管理(LM)から要求を受け取り(S1)、
上記要求を上記サブ層において処理し(S10)、
上記要求の処理が首尾良く行われたかどうか判断し(S11)、そして
上記処理が首尾良く行われた場合には上記層管理(LM)へ成功メッセージを送信し(S12)、又は
上記処理が首尾良く行われなかった場合には上記層管理(LM)へ失敗メッセージを送信する(S15)、
という段階を備えた方法。 - 上記受け取り段階(S2)の直後に下位サブ層へ上記要求を送信する(S3)段階を更に備えた請求項１に記載の方法。
- 上記処理が首尾良く行われた場合に下位サブ層へ上記要求を送信する段階を更に備えた請求項１に記載の方法。
- 上記下位層から失敗メッセージを受け取った際に(S14)、上記層管理(LM)へ失敗メッセージを送信する(S15)段階を更に備えた請求項１に記載の方法。
- 上記下位層から失敗メッセージを受け取った際に(S13)、上記処理段階(S10)を禁止する請求項１に記載の方法。
- 最上位層(LM)により失敗メッセージを受け取った際に全ての層において全てのリソースを初期化する(S16)段階を更に備えた請求項２に記載の方法。
- 上記方法は、上記層管理、サービス特有の整合ファンクション(SSCF)層、サービス特有の接続指向プロトコル(SSCOP)層、及び共通部分適応ＡＴＭ層(CP-AAL)を含むＳＡＡＬスタックに適用される請求項１に記載の方法。
- 上記要求は、リソース指定のための要求である請求項１に記載の方法。
- 上記要求は、リソース除去のための要求である請求項１に記載の方法。
- 上記要求は、リソース監督のための要求である請求項１に記載の方法。
- シグナリングＡＴＭ適応層(SAAL)リソースを管理するためのサブ層管理システムにおいて、
層管理(LM)から要求を受け取るための第１受信手段(22)と、
上記要求を処理するための処理手段(21)と、
上記要求の処理が首尾良く行われたかどうか判断するための判断手段(21)と、
上記判断手段(21)の結果を表わすメッセージを上記層管理(LM)へ送信するための第１送信手段(23)と、
を備えたシステム。 - 下位サブ層へ上記要求を送信するための第２の送信手段(25)を備え、該第２の送信手段(25)は、上記第１の受信手段(22)が上記要求を受け取った直後に上記要求を送信するよう構成された請求項１１に記載のシステム。
- 下位サブ層へ上記要求を送信するための第２の送信手段(25)を備え、該第２の送信手段(25)は、上記要求の処理が首尾良く行われたときに上記要求を送信するよう構成された請求項１１に記載のシステム。
- 上記下位サブ層からメッセージを受け取るための第２の受信手段(24)を更に備え、上記第１の送信手段(23)は、上記第２の受信手段(24)が上記下位サブ層から失敗メッセージを受け取る場合に上記層管理(LM)へ失敗メッセージを送信するよう構成される請求項１１に記載のシステム。
- 上記下位サブ層からメッセージを受け取るための第２の受信手段(24)を更に備え、上記処理手段(21)は、上記第２の受信手段(24)が上記下位サブ層から失敗メッセージを受け取る場合に処理を禁止するように構成される請求項１１に記載のシステム。
- 上記装置は、上記層管理(LM)、サービス特有の整合ファンクション(SSCF)層、サービス特有の接続指向プロトコル(SSCOP)層、及びＣＰ−ＡＡＬ層を含むＳＡＡＬスタックを表わすシステムに含まれる請求項１１に記載のシステム。
- 上記要求は、リソース指定のための要求である請求項１１に記載のシステム。
- 上記要求は、リソース除去のための要求である請求項１１に記載のシステム。
- 上記要求は、リソース監督のための要求である請求項１１に記載のシステム。
- 請求項１１ないし１９のいずれかに記載の少なくとも１つのサブ層管理装置(20)を使用することによりＳＡＡＬサブ層を管理するための層管理システムにおいて、
上記サブ層管理装置(20)からメッセージを受け取るための受信手段と、
上記受信手段が失敗メッセージを受け取る場合に、上記サブ層管理装置(20)を初期化するための初期化手段と、
を備えたシステム。
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