JP3701257B2 - 車載用電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は操作パネルを駆動する車載用電子機器に係わり、特に、使用者が車から離れるときに車載用電子機器を隠して盗難を防止するのに便利な車載用電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
使用者が車から離れるときに、車載用電子機器を隠して盗難を防止するための装置が知られている。特願平6−339875号に本願の出願人が提案した車載用電子機器の盗難防止装置の例を図5および図6に示す。図における104は車載用音響機器を収納するシャーシであり車の取付け凹部に挿入されて取付けられる。エスカッション106はシャーシ104に固定されており、枠107を回動自在に支持している。
【0003】
図5(a)は車載用音響機器の使用状態を示しており、操作パネル108は前方に位置している。なお、108aは操作パネル108に設けられたカセット挿入口である。図5(a)に示す状態で盗難防止装置の起動スイッチが押されると、図5(b)および図5(c)に示すように枠107が水平位置まで回動される。その状態で、カバー105がシャーシ104内部の上方の位置から枠107の内側に設けた溝内に移動される。同時に、操作パネル108が後方に移動される。図6(a)にカバー105および操作パネル108が移動した状態を示す。
【0004】
次に、図6(b)および図6(c)に示すように枠107が垂直位置の元の状態まで回動される。この状態でカバー105は操作パネル108を覆い、車載用音響機器が見えず盗難が防止される。車載用音響機器を使用状態とするには上記と逆の動作が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の車載用電子機器の盗難防止装置では、カバー105、操作パネル108、枠107等の多くの部材を移動するためこれらの移動機構が複雑となり、コストがかかるという問題があった。さらに、ディスクやカセットテープ等の挿入・排出口108aを有する操作パネル108が前後方向に移動するために操作パネル108が演奏装置から離れ、ディスクやカセットテープ等の挿入・排出機構を工夫する必要が有り、機構が複雑となりコストが増大するという問題があった。
【0006】
演奏装置を操作パネルと一体に移動するものもあり、その場合は上記の問題はないが、重い装置全体を動かすため、駆動機構が大掛かりとなると共に、動作音や消費電力も大きくなるという問題があった。
【0007】
この発明は上記した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、操作パネルを駆動するのみで盗難防止が行える車載用電子機器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の車載用電子機器は、電子機器の前方に配置された回動可能な操作パネルと、前記電子機器の本体シャーシに立設されたされた第1の軸回りに回動自在に設けられ前記操作パネルの両側面部を第2の軸を介して回動自在に支持するレバーと、前記レバーを回動駆動するモータを備え、前記レバーの回動に連動して前記第2の軸の高さ方向位置と前後方向位置を変えながら前記操作パネルを前記第2の軸回りに回動させ、前記操作パネルをその操作面が電子機器外側に露出した第1の状態と前記操作パネルの裏面が前面となって電子機器前面を隠す第2の状態との間を移行させるものである。
【0010】
また、前記車載用電子機器において、前記第1の状態では、前記操作パネルの操作面が前記電子機器前方に向けられているものである。
【0011】
また、前記車載用電子機器において、前記操作パネルの操作面が前記電子機器前方とは異なる方向を向いた状態で、ディスク挿入口を外部に露出し前記電子機器へのディスクの挿入が可能となるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の適用された車載用音響機器の例を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の実施例である車載用音響機器の各状態の外観を示す斜視図であり、図2および図3は同車載用音響機器の部分側面図である。図1(a)および図1(b)は図2(a)および図2(b)の夫々の状態に対応し、図1(c)および図1(d)は図3(a)および図3(b)の夫々の状態に対応する。
【0013】
図における1は車載用音響機器の本体シャーシであり、車の音響機器設置用空所に配置される。2は操作パネルであり、本体シャーシの前方に移動可能に設けられている。図1(a)は車載用音響機器の通常の使用状態を示しており、この状態では操作パネル2の操作面が音響機器の前方に位置している。
【0014】
キー操作により、操作パネル2は図1(a)に示す状態から順次図1(b)に示す状態、図1(c)に示す状態を経由して図1(d)に示す状態に移動される。キー操作によっては図1(c)に示す位置に操作パネル2を停止させることができる。この状態ではディスク挿入口1aが現れ、ディスク挿入口1aからディスクを出入れすることができる。図1(d)に示す状態では操作パネル2の裏面が前方に位置しており、車載用音響機器が隠されて盗難が防止される。
【0015】
次に、図2および図3を参照して操作パネル2の駆動機構を説明する。演奏装置3は本体シャーシ1の内部に配置されているが、周知のディスクプレーヤであるので具体的な形状は示していない。モータ4は本体シャーシ1に固定されており、その回転軸にウォーム5が固着されている。ギヤ6は本体シャーシ1に立設された軸に回転自在に支持されており、ウォーム5と噛合うハスバギヤ6aと小歯車6bを備えている。
【0016】
レバー8にはギヤ9が固着されており、本体シャーシ1に立設された軸7に回動自在に支持されている。なお、軸7はギヤ9の中心軸となっている。レバー8と一体の軸8bは操作パネル2および操作パネル2と一体の第1のギヤ10を回動自在に支持している。第2のギヤ11はレバー8に立設された軸8aに回転自在に支持されている。第3のギヤ12は本体シャーシ1に固定されている。第3のギヤ12の中心は軸7の中心と一致している。
【0017】
第1のギヤ10と第2のギヤ11は噛合い、第2のギヤ11と第3のギヤ12とが噛合っている。さらに、ギヤ9と小歯車6bが噛合っている。上記駆動機構は装置を正面から見て右側に配置されているが、従動側となる左側にはレバー8、第1のギヤ10、第2のギヤ11および第3のギヤ12と同様の部品が対応する位置に配置されている。
【0018】
モータ4の正転によりレバー8は図2(a)に示す位置から反時計方向に回動する。そして、レバー8の回転につれて第2のギヤ11は反時計方向に回動する。さらに、第1のギヤ10および操作パネル2は時計方向に回動する。全体として操作パネル2は図2(a)に示す位置から図2(b)、図3(a)に示す位置を経由して図3(b)に示す位置まで駆動される。モータ4を逆転させることにより操作パネル2は上記と逆に図3(b)に示す位置から図3(a)、図2(b)に示す位置を経由して図2(a)に示す位置まで駆動される。このように、操作パネル2が駆動されるが、操作パネル2の回転中心となる第2の軸、すなわち、軸8bは、第1の軸である軸7回りに回動するレバー8と一体となっているので円弧上を移動する。従って、操作パネル2は高さ方向位置と前後方向位置を変えながら前記第2の軸回りに回動する。
【0019】
操作パネル2が従動側に設けられた図示していないストッパ部に圧接された直後にモータ4が停止して図2(a)に示す状態または図3(b)に示す状態となるように構成されており、操作パネル2に捩り応力を加えた状態とすることにより操作パネル2が停止位置に安定する。
【0020】
図3(a)に示す位置はレバー8が本体シャーシ1に固定されたマイクロスイロッチ13を作動させることにより検出される。この位置でモータ4を停止させた場合は図1(c)に示すようにディスク挿入口1aが露出して、ディスクの挿入排出することが可能となる。図1(a)に示す状態は操作パネル2の操作面が前面となり、通常の使用状態である。また、図1(d)に示す状態では操作パネル2の裏面が前面となっており、音響機器が隠されており、使用者が車を離れても盗難が防止される。
【0021】
次に、図4を参照してこの発明の参考例を説明する。図4(a)はこの参考例である車載用音響機器の一部部品を透視して示す側面図であり、図4(b)は同車載用音響機器の部分を示す分解斜視図である。図におけるレバー23はハスバギヤ22と一体となっており、本体シャーシ1に立設された軸21に回動自在に支持されている。
【0022】
ハスバギヤ22は本体シャーシ1に回転自在に支持されたウォーム5と噛合っている。ウォーム5は図示していないモータにより回転される。従って、レバー23は軸21回りに回動される。レバー23と一体の軸23aは操作パネル2および操作パネル2と一体のギヤ24を回動自在に支持している。ギヤ24は本体シャーシ1に固定された内歯歯車25と噛合っている。上記駆動機構は装置を正面から見て左側に配置されているが、従動側となる右側にはレバー23、ギヤ24、内歯歯車25と同様の部品が対応する位置に配置されている。
【0023】
レバー23は図4(a)に示す位置から時計方向に回動すると、レバー23の回転につれてギヤ24および操作パネル2は反時計方向に回動する。すなわち、操作パネル2は図2(a)に示す位置から回動しながら移動して裏返された状態となる。ウォーム5を駆動するモータを逆転させることにより操作パネル2は上記と逆の方向に駆動される。図4(a)に示す状態は操作パネル2の操作面が前面となり、通常の使用状態である。また、操作パネルが裏返された状態では音響機器が隠されており、使用者が車を離れても盗難が防止される。
【0024】
上記の各実施例および参考例では操作パネルの裏面を盗難を防止するために音響機器を隠す面として用いたが、操作パネルの裏面を表側の操作面とは異なるモードでの操作面とすることもできる。
【0025】
【発明の効果】
この発明の車載用電子機器によれば、使用者が車を離れるときに操作パネルを裏側を前面として、電子機器を隠し盗難を防止することができる。駆動するものは軽量の操作パネルだけであるため、駆動機構が簡素となる。また、別部品としての目隠し板が不要となるため全体としてコストが低減される。
【0026】
さらに、操作パネルが移動することにより、本体に設けたディスクやカセットテープ等の挿入・排出口が現れるようにすれば、挿入・排出口を操作パネルに設けた従来のものよりディスクやカセットテープ等の挿入・排出機構を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例である車載用音響機器の外観を示す斜視図である。
【図2】同車載用音響機器の一部部品を透視して示す側面図である。
【図3】同車載用音響機器の他の状態を一部部品を透視して示す側面図である。
【図4】 図4(a)はこの発明の参考例である車載用音響機器の一部部品を透視して示す側面図、図4(b)は同車載用音響機器の部分分解斜視図である。
【図5】従来の車載用音響機器の盗難防止装置の例を示す斜視図である。
【図6】同車載用音響機器の盗難防止装置の他の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 本体シャーシ、1a ディスク挿入口
2 操作パネル
3 演奏装置
4 モータ
5 ウォーム
6 ギヤ、6a ハスバギヤ、6b 小歯車
7 軸
8 レバー、8a、8b 軸
9 ギヤ
10 第1のギヤ
11 第2のギヤ
12 第3のギヤ
21 軸
22 ハスバギヤ
23 レバー、23a 軸
24 ギヤ
25 内歯歯車
104 シャーシ
105 カバー
106 エスカッション
107 枠
108 操作パネル
Claims (3)
- 電子機器の前方に配置された回動可能な操作パネルと、前記電子機器の本体シャーシに立設されたされた第1の軸回りに回動自在に設けられ前記操作パネルの両側面部を第2の軸を介して回動自在に支持するレバーと、前記レバーを回動駆動するモータを備え、前記レバーの回動に連動して前記第2の軸の高さ方向位置と前後方向位置を変えながら前記操作パネルを前記第2の軸回りに回動させ、前記操作パネルをその操作面が電子機器外側に露出した第1の状態と前記操作パネルの裏面が前面となって電子機器前面を隠す第2の状態との間を移行させることを特徴とする車載用電子機器。
- 前記第1の状態では、前記操作パネルの操作面が前記電子機器前方に向けられていることを特徴とする請求項1の車載用電子機器。
- 前記操作パネルの操作面が前記電子機器前方とは異なる方向を向いた状態で、ディスク挿入口を外部に露出し前記電子機器へのディスクの挿入が可能となる請求項2の車載用電子機器。
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