JP3694561B2 - 調理器用ガード固定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、調理器用ガードを調理器に確実に固定するようにした調理器用ガード固定装置に関するもので、特にシステムキッチンに組み込まれる調理器用サイドガードおよび調理器用バックガードを調理器に固定する調理器用ガード固定装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、カウンタートップの好きなところに略方形状の穴を開けて、その穴内に所定の数のバーナを持つ組立てコンロを嵌め込むようにしたシステムキッチンを、台所の壁面に沿って例えば一文字状またはL字状に配置したキッチンレイアウトが多く見られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、組立てコンロの後方の壁面や側方の壁面は、調理時に煮汁や油等が飛散して常に汚れの対象になると共に、万一の時の耐火の向上に役立っていない。そこで、市販のアルミガードを組立てコンロの周囲に置いて煮汁や油等の異物の飛散や排気熱や燃焼炎からの耐火性能の向上にある程度寄与しているが、アルミガードはただ置いてあるだけであるため、アルミガード等の安定性や見栄えが悪いという問題が生じている。
【0004】
実公平1−34017号公報においては、調理器に弾性クリップ状の取付部材を取り付けて、その取付部材に調理器用ガードを差し込むことにより調理器用ガードを調理器本体に固定するようにした調理器用ガード固定装置(第1従来例)が提案されている。
【0005】
また、実開平2−30815号公報においては、調理器の側壁に切起し部を一体成形して、その切起し部に調理器用ガードの差し込み片を差し込むことにより調理器用ガードを調理器に固定するようにした調理器用ガード固定装置(第2従来例)も提案されている。
【0006】
これらの第1、第2従来例では、調理器自体に専用の調理器用ガードを取り付けているものであるため、カウンタートップの穴に嵌め込むことが可能な同一寸法の組立てコンロを使用する場合でも、専用の調理器用ガードを買い直す必要があり、コスト高となるという問題が生じていた。また、専用の調理器用ガードを持たない調理器に交換した場合には、前述のような安定性や見栄えの悪いアルミガードを使用するしか方法がなかった。
【0007】
【発明の目的】
この発明の目的は、安定性や見栄えに優れ、異なる調理器にも使用できる汎用性の高い調理器用ガード固定装置を提供することにある。また、調理器の周囲の汚れや耐火性能の向上に有効に対処することのできる調理器用ガード固定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、調理台の被嵌合部に嵌め込まれる調理器とその周囲とを区画する調理器用ガードを固定する調理器用ガード固定装置おいて、
前記調理器用ガードは、前記調理器と前記調理台の被嵌合部との間に挟み込まれた状態で保持され、
前記調理台の被嵌合部は、前記調理器の一部が埋設される穴であって、
前記調理器用ガードは、下端部が前記調理台の穴の周縁と前記調理器との間に挟み込まれて保持され、
前記調理器は、前記調理台の穴内に嵌め込まれる被嵌込み部、およびこの被嵌込み部の上端側よりも周囲に広げられた鍔状部を有し、
前記調理器用ガードは、前記調理器の周囲を囲むガード部、およびこのガード部の下端より水平方向に延長され、前記調理器の鍔状部と前記調理台の穴の周囲の上端面との間に挟み込まれて保持される第1被挟持部を有する技術手段を採用した。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の調理器用ガード固定装置に加えて、前記調理器は、前記第1被挟持部の先端より垂下され、前記調理器の被嵌込み部と前記調理台の穴の周囲の側壁面との間に挟み込まれて保持される第2被挟持部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の調理器用ガード固定装置に加えて、前記調理器用ガードの第1被挟持部に、前記調理台の穴内に煮汁等の異物の侵入を防止する突条部を設けたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の調理器用ガード固定装置に加えて、前記調理器用ガードの第1被挟持部に、前記調理台の穴内に煮汁等の異物の侵入を防止する樋状部を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の調理器用ガード固定装置に加えて、前記調理器用ガードは、前記調理器にねじ、ボルトまたはナット等の締付け具を用いて締め付け固定されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の調理器用ガード固定装置に加えて、前記調理器に、穴部、凹部、爪部または凸部等の係合部を設け、前記調理器用ガードに、前記係合部に係合される被係合部を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の調理器用ガード固定装置に加えて、前記調理器用ガードを、前記調理器の側方を覆う調理器用サイドガード、あるいは前記調理器の後方を覆う調理器用バックガードに利用することを特徴とする。
【0017】
【作用および発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、調理器と調理台の被嵌合部との間に調理器用ガードを挟み込んだ状態で調理器用ガードを保持することにより、調理器用ガードを取り付ける専用の取付機構を調理器に設けなくても、調理器用ガードを確実に固定できる。このため、調理器用ガードを確実に安定させることができ、且つ調理器周辺環境が見栄えに優れる。それによって、安定性や見栄えに優れ、異なる調理器にも使用できる汎用性の高い調理器用ガードを提供できる。また、専用の調理器用ガードを持たない調理器であっても、調理器の周囲に飛散する煮汁や油等の異物による汚れや耐火性能の向上に有効に対処することができる。
【0018】
また、調理器用ガードの下端部を調理台の穴の周縁と調理器との間に挟み込んで保持することにより、調理器用ガードを取り付ける専用の取付機構を調理器に設けなくても、調理器用ガードを確実に固定できる。このため、調理器用ガードを確実に安定させることができ、且つ調理器周辺環境が見栄えに優れる。
【0019】
また、調理器用ガードの第1被挟持部を調理台の穴の周囲の上端面と調理器の鍔状部との間に挟み込みで押さえることにより、調理器用ガードを取り付ける専用の取付機構を調理器に設けなくても、調理器用ガードを確実に固定できる。このため、調理器用ガードを確実に安定させることができ、且つ調理器周辺環境が見栄えに優れる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、調理器用ガードの第1被挟持部を調理台の穴の周囲の上端面と調理器の鍔状部との間に挟み込みで押さえ、調理器用ガードの第2被挟持部を調理台の穴の周囲の側壁面と調理器の被嵌込み部との間に挟み込んで保持することにより、調理器用ガードを取り付ける専用の取付機構を調理器に設けなくても、調理器用ガードを確実に固定できる。このため、調理器用ガードを確実に安定させることができ、且つ調理器周辺環境が見栄えに優れる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、調理器用ガードの第1被挟持部に突条部を設けることにより、調理台の穴内に調理の際に発生する煮汁や油等の異物の侵入を防止できるので、調理台の内部が汚れることを防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、調理器用ガードの第1被挟持部に樋状部を設けることにより、調理台の穴内に調理の際に発生する煮汁や油等の異物の侵入を防止できるので、調理台の内部が汚れることを防止できる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、調理器にねじ、ボルトまたはナット等の締付け具を用いて調理器用ガードを締め付け固定することにより、より強固に調理器用ガードを調理器に固定できるので、調理器用ガードの安定性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、調理器に形成された穴部、凹部、爪部または凸部等の係合部に、調理器用ガードに形成された被係合部を係合することにより、より強固に調理器用ガードを調理器に固定できるので、調理器用ガードの安定性を向上させることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、調理器用ガードを調理器用サイドガードに利用することにより、調理器の側方を覆うことができるので、調理器の側方の調理台に調理の際に発生する煮汁や油等の異物の飛び散りを防止できる。あるいは、調理器用ガードを調理器用バックガードに利用することにより、調理器の後方を覆うことができるので、調理器の後方の調理台に調理の際に発生する煮汁や油等の異物の飛び散りを防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例の構成〕
図1ないし図8はこの発明をシステムキッチンに組み込まれるサイドガードおよびバックガードを固定する調理器用ガード固定方法、および調理器用ガード固定装置に適用した第1実施例を示したもので、図1は調理器用ガード固定装置の主要部構造を示した図で、図2および図3は調理器用ガード固定装置を示した図で、図4はシステムキッチンにサイドガードとバックガードを組み付ける状態を示した図である。
【0025】
調理器用ガード固定装置1は、システムキッチン2のカウンタートップ(ワークトップ)3に開けられた穴4内に嵌め込まれる組立てコンロ5の側方と台所の側面壁6とを区画するサイドガード7、および組立てコンロ5の後方と台所の後面壁8とを区画するバックガード9を固定する調理器用サイドガード固定装置、調理器用バックガード固定装置である。
【0026】
先ず、カウンタートップ3を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。このカウンタートップ3は、本発明の調理台であって、穴4の周囲の上端面にサイドガード7およびバックガード9を係止する上端側係止部11、および穴4の周囲の側壁面にサイドガード7およびバックガード9を係止する側方側係止部12を有するカウンタートップである。また、カウンタートップ3の前面には、すなわち、システムキッチン2の前面には、ウォールキャビネットやベースキャビネット等の前壁13が取り付けられている。穴4は、本発明の被嵌合部であって、使用者の好みに合わせて略方形状に開けられている。なお、穴4の大きさは、例えば縦寸法が350mmで、横寸法が670mmで、深さが30mmである。
【0027】
次に、組立てコンロ5を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。この組立てコンロ5は、本発明の調理器であって、2個のコンロバーナ14等を有するコンロ本体15と、このコンロ本体15の上側に組み付けられたトッププレート16とを備えている。コンロ本体15は、複数の金属板により構成され、内部に2個のコンロバーナ14およびガス漏れ等を防止するための安全装置(図示せず)を収容する調理器本体である。コンロ本体15の前面には、2個のコンロバーナ14の点火、火力調整、消火を手動操作するための2個の操作ボタン17が取り付けられている。
【0028】
また、コンロ本体15は、図示されない底壁部、この底壁部の周囲より上下方向に立設された被嵌込み部としての筒または枠形状の立壁部(上部枠)18、およびこの立壁部18の上端より略直交する方向にプレス成形等により折り曲げられた鍔状の横壁部(以下フランジ部と呼ぶ)19等より構成された調理器本体である。
【0029】
立壁部18は、複数箇所でカウンタートップ3の穴4の周縁に止めねじ等の締付け具を用いて固定される。底壁部の上側面には、図示しない施工取っ手が溶接手段を用いて取り付けられている。フランジ部19は、本発明の鍔状部であって、略L字形状の板ばね20の基板部分を複数箇所にねじ21やナット22等の締結具を用いて締め付け固定している。これらの板ばね20は、押圧部分23が凸状となるように一体成形され、サイドガード7およびバックガード9をカウンタートップ3の側方側係止部12側に押圧する押圧手段である。
【0030】
トッププレート16は、1枚の金属板により一体成形され、ガスコンロや電気コンロ等の2個のコンロバーナ14にそれぞれ置かれる2個の五徳25を有している。そして、トッププレート16は、コンロ本体15のフランジ部19の外側端との間に上部枠パッキン26を装着している。
【0031】
この上部枠パッキン26は、煮汁や油等の異物がカウンタートップ3に開けられた穴4内に侵入することを防止する弾性シール材である。なお、上部枠パッキン26は、フランジ部19やトッププレート16の下端よりも下方に突出しているために、組立てコンロ5の位置が不安定となることを防止するためにフランジ部19の下方に金属片27を溶接等の手段により取り付けている。
【0032】
次に、サイドガード7を図2ないし図4に基づいて簡単に説明する。このサイドガード7は、本発明の調理器用ガードであって、例えば高さ300mm、幅420mm、板厚0.5mmのアルミニウム合金等の金属板をプレス成形等により所定の形状となるように一体成形した保護板である。なお、サイドガード7の材質として耐熱合金、耐熱樹脂またはセラミックスを用いても良い。
【0033】
サイドガード7は、サイドガード部31、このサイドガード部31の下端部より水平方向の穴4側に延長された棚壁部32、およびこの棚壁部32の先端部より垂下された垂れ壁部33等から構成されている。サイドガード部31は、組立てコンロ5の両側方と台所の側面壁6とを区画して汚れや耐火性能の向上に対処する立壁部、上下方向壁部であって、組立てコンロ5のトッププレート16の上端面よりも所定の高さ(例えば300mm)以上高い位置に先端部が位置するように形成されている。このサイドガード部31の先端部には、その他の部分の面方向に対して所定の傾斜角度で傾斜した折曲片34が設けられている。サイドガード7は、その折曲片34の先端が台所の側面壁6に接触するように配置される。
【0034】
棚壁部32は、本発明の第1被挟持部であって、組立てコンロ5のコンロ本体15のフランジ部19の短辺側に設けられた上部枠パッキン26および金属片27の下端とカウンタートップ3の穴4の短辺側の周囲に設けられた上端側係止部11の上端面との間に挟み込まれて保持される水平方向壁部である。なお、棚壁部32のサイドガード部31の幅よりも段階的に短く形成された短辺部分(例えば幅が300mm)には、その他の短辺部分よりも所定の寸法(例えば3.0mm)だけ高い突条部35が形成されている。
【0035】
この突条部35は、煮汁や油等の異物がカウンタートップ3に開けられた穴4内に侵入することを防止する異物侵入防止壁(異物侵入防止手段)であり、断面形状が略半円弧形状に形成されている。また、この実施例では、突条部35を棚壁部32の短辺部分に部分的に設けられているが、棚壁部32の短辺部分の幅方向全体に渡って設けられていても良い。
【0036】
垂れ壁部33は、本発明の第2被挟持部であって、所定の寸法を有し、組立てコンロ5のコンロ本体15に設けられた板ばね20の押圧部分23とカウンタートップ3の穴4の短辺側の周囲に設けられた側方側係止部12の側壁面との間に挟み込まれて保持される上下方向壁部である。
【0037】
次に、バックガード9を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。ここで、図5および図6はバックガード9の成形形状を示した図である。このバックガード9は、本発明の調理器用ガードであって、例えば高さ300mm、幅800mm、板厚0.5mmのサイドガード7と同様な手法で所定の形状となるように一体成形した保護板である。
【0038】
バックガード9は、サイドガード7と同様に、バックガード部41、棚壁部42および垂れ壁部43等から構成されている。バックガード部41は、組立てコンロ5の両側方と台所の後面壁8とを区画して汚れや耐火性能の向上に対処する立壁部、上下方向壁部であって、組立てコンロ5のトッププレート16の上端面よりも所定の高さ(例えば300mm)以上高い位置に先端部が位置するように形成されている。このバックガード部41の先端部には、その他の部分の面方向に対して所定の傾斜角度で傾斜した折曲片44が設けられている。バックガード9は、その折曲片44の先端が台所の後面壁8に接触するように配置される。
【0039】
棚壁部42は、本発明の第1被挟持部であって、組立てコンロ5のコンロ本体15のフランジ部19の長辺側に設けられた上部枠パッキン26および金属片27の下端とカウンタートップ3の穴4の長辺側の周囲に設けられた上端側係止部11の上端面との間に挟み込まれて保持される水平方向壁部である。なお、棚壁部42のバックガード部41の幅よりも段階的に短く形成された短辺部分(例えば幅が650mm)には、その他の短辺部分よりも所定の寸法(例えば3.0mm)だけ高い突条部45が形成されている。
【0040】
この突条部45は、突条部35と同様な作用を有する異物侵入防止壁(異物侵入防止手段)であり、断面形状が略半円弧形状に形成されている。また、この実施例では、突条部45を棚壁部42の短辺部分に部分的に設けられているが、棚壁部42の短辺部分の幅方向全体に渡って設けられていても良い。
【0041】
垂れ壁部43は、本発明の第2被挟持部であって、所定の寸法を有し、組立てコンロ5のコンロ本体15に設けられた板ばね20の押圧部分23とカウンタートップ3の穴4の長辺側の周囲に設けられた側方側係止部12の側壁面との間に挟み込まれて保持される上下方向壁部である。
【0042】
〔第1実施例の取付方法〕
次に、この実施例の調理器用ガード固定装置1の取付方法を図1ないし図8に基づいて簡単に説明する。ここで、図7および図8はサイドガード7およびバックガード9の固定方法を示した図である。
【0043】
サイドガード7およびバックガード9を後付けする場合には、図8に示したように、システムキッチン2のカウンタートップ3に開けられた穴4内に予め嵌め込まれた組立てコンロ5を持ち上げる。なお、組立てコンロ5をシステムキッチン2に設置すると同時にサイドガード7およびバックガード9を取り付ける場合にはこの作業は不要である。
【0044】
そして、図4に示したように、サイドガード7の垂れ壁部33およびバックガード9の垂れ壁部43を穴4内に入れた後に、図8に示したように、組立てコンロ5を穴4内に入れる。このときトッププレート16をコンロ本体15から取り外しておいて施工取っ手を持ってコンロ本体15のみを穴4内に入れても良い。
【0045】
すると、サイドガード7の棚壁部32が、組立てコンロ5のコンロ本体15のフランジ部19の短辺側に設けられた上部枠パッキン26および金属片27の下端とカウンタートップ3の穴4の短辺側の周囲に設けられた上端側係止部11の上端面との間に挟み込まれて確実に固定される。さらに、サイドガード7の垂れ壁部33が、組立てコンロ5のコンロ本体15に設けられた板ばね20の押圧部分23とカウンタートップ3の穴4の短辺側の周囲に設けられた側方側係止部12の側壁面との間に挟み込まれて確実に固定される。
【0046】
そして、バックガード9の棚壁部42が、図1に示したように、組立てコンロ5のコンロ本体15のフランジ部19の長辺側に設けられた上部枠パッキン26および金属片27の下端とカウンタートップ3の穴4の長辺側の周囲に設けられた上端側係止部11の上端面との間に挟み込まれて確実に固定される。さらに、バックガード9の垂れ壁部43が、図1に示したように、組立てコンロ5のコンロ本体15に設けられた板ばね20の押圧部分23とカウンタートップ3の穴4の長辺側の周囲に設けられた側方側係止部12の側壁面との間に挟み込まれて確実に固定される。
【0047】
〔第1実施例の作用〕
次に、この実施例の調理器用ガード固定装置1の作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
【0048】
この組立てコンロ5のコンロバーナ14で調理を行ったときに、鍋やフライパン等の調理容器から煮汁や油等の液体状異物が飛び散ると、サイドガード7のサイドガード部31またはバックガード9のバックガード部41に液体状異物が一旦付着して下方に流れ落ちる。そして、サイドガード7の棚壁部32やバックガード9の棚壁部42の上面に到達した液体状異物が穴4側に流れようとすると、組立てコンロ5の上部枠パッキン26に阻止されてその中への侵入が妨げられる。
【0049】
そして、仮に上部枠パッキン26を越えて穴4側に液状異物が侵入した場合でも、サイドガード7の棚壁部32やバックガード9の棚壁部42に一体成形された突条部35、45に阻止されてその中への侵入が妨げられる。したがって、組立てコンロ5とサイドガード7やバックガード9との間を通って煮汁や油等の液体状異物がカウンタートップ3の穴4内に侵入することを防止できる。
【0050】
〔第1実施例の効果〕
以上のように、調理器用ガード固定装置1は、組立てコンロ5をカウンタートップ3の穴4に設置する時に、あるいは組立てコンロ5を設置した後に後付けでサイドガード7やバックガード9を取り付ける時に、組立てコンロ5のコンロ本体15とカウンタートップ3との間に2個のサイドガード7と1個のバックガード9を挟み込んで保持することにより、サイドガード7やバックガード9を取り付ける専用の取付機構を組立てコンロ5に設けなくても、サイドガード7やバックガード9をより強固に固定できるので、サイドガード7やバックガード9の安定性を向上させることができ、且つ見栄えに優れる。
【0051】
また、カウンタートップ3の穴4内に嵌め込むことが可能な組立てコンロであれば、立壁部18の上下方向寸法またはフランジ部19の水平方向寸法が異なる種類の組立てコンロであっても、サイドガード7やバックガード9をより強固に固定できる。このため、異なる種類の組立てコンロにも使用できる汎用性の高いサイドガード7やバックガード9を提供できるので、コストを低減することができる。そして、このような安価なサイドガード7やバックガード9を備えた組立てコンロ5の製品コストを低減することができる。さらに、専用の調理器用ガードを持たない組立てコンロ5であっても、組立てコンロ5の周囲に飛散する煮汁や油等の異物による、台所の側面壁6や後面壁8の汚れや耐火性能の向上に有効に対処することができる。
【0052】
さらに、この実施例では、サイドガード7のサイドガード部31と台所の側面壁6との間、およびバックガード9のバックガード部41と台所の後面壁8との間に所定の隙間が形成されるように、サイドガード部31、バックガード部41と側面壁6、後面壁8とを離してサイドガード7、バックガード9を設置している。これにより、調理時にサイドガード7やバックガード9が加熱されて側面壁6や後面壁8が過熱されることを防止できるので、台所の耐火性能の向上に優れる。
【0053】
〔第2実施例〕
図9はこの発明をシステムキッチンに組み込まれるサイドガードおよびバックガードを固定する調理器用ガード固定方法、および調理器用ガード固定装置に適用した第2実施例を示したもので、調理器用ガード固定装置の主要部構造を示した図である。
【0054】
この実施例では、サイドガード7またはバックガード9の棚壁部32、42の短辺部分に突条部35、45を並列に2個設けて、それらの間に樋状部51を設けている。この樋状部51は、煮汁や油等の異物がカウンタートップ3に開けられた穴4内に侵入することを防止する異物侵入防止溝(異物侵入防止手段)であり、略半円弧形状に形成されている。これにより、この実施例においても第1実施例と同様な作用、効果を備える。
【0055】
なお、この実施例では、樋状部51を棚壁部32、42の短辺部分に部分的に設けられているが、棚壁部32、42の短辺部分の幅方向全体に渡って設けられていても良い。また、樋状部51は、他の短辺部分よりも低い位置となるように形成しても良い。さらに、2列の突条部35、45のうちの外側(サイドガード部31、バックガード部41側)の列の突条部35、45を部分的に設けても良い。
【0056】
〔第3実施例〕
図10はこの発明をシステムキッチンに組み込まれるサイドガードおよびバックガードを固定する調理器用ガード固定方法、および調理器用ガード固定装置に適用した第3実施例を示したもので、調理器用ガード固定装置の主要部構造を示した図である。
【0057】
この実施例では、組立てコンロ5のコンロ本体15とカウンタートップ3との間に2個のサイドガード7と1個のバックガード9を挟み込んで保持すると同時に、サイドガード7およびバックガード9の棚壁部32、42とコンロ本体15のフランジ部19とを取付ねじ52や、この取付ねじ52とフランジ部19の大径穴54との穴合わせのできる盲蓋53等の締付け具を用いて締付け固定することにより位置決めしている。これにより、第1、第2実施例と比較して、より強固にサイドガード7およびバックガード9を組立てコンロ5のコンロ本体15とカウンタートップ3との間に固定できるので、サイドガード7およびバックガード9の安定性を向上させることができる。
【0058】
なお、取付ねじ52の代わりに、ボルトやナット等の締付け具を用いて締付け固定しても良い。また、コンロ本体15の立壁部18とサイドガード7およびバックガード9の垂れ壁部33、43とを締付け具を用いて締付け固定することによりサイドガード7およびバックガード9を位置決めしても良い。
【0059】
〔第4実施例〕
図11はこの発明をシステムキッチンに組み込まれるサイドガードおよびバックガードを固定する調理器用ガード固定方法、および調理器用ガード固定装置に適用した第4実施例を示したもので、調理器用ガード固定装置の主要部構造を示した図である。
【0060】
この実施例では、組立てコンロ5のコンロ本体15とカウンタートップ3との間に2個のサイドガード7と1個のバックガード9を挟み込んで保持すると同時に、コンロ本体15のフランジ部19に形成された係合部としての凹状部55とサイドガード7およびバックガード9の棚壁部32、42に形成された被係合部としての凸状部56とを係合することにより位置決めしている。その凹状部55や凸状部56は、幅方向の全体または部分的に設けられていても良い。これにより、第1、第2実施例と比較して、より強固にサイドガード7およびバックガード9を組立てコンロ5のコンロ本体15とカウンタートップ3との間に固定できるので、サイドガード7およびバックガード9の安定性を向上させることができる。
【0061】
なお、凹状部55の代わりに溝部、穴部、凸部または爪部等の係合部を利用しても良く、凸状部56の代わりに凹部、溝部、穴部または爪部等の被係合部を利用しても良い。また、コンロ本体15の立壁部18に形成された係合部とサイドガード7およびバックガード9の垂れ壁部33、43に形成された被係合部とを係合することにより位置決めしてサイドガード7およびバックガード9を固定しても良い。
【0062】
〔変形例〕
この実施例では、2個のサイドガード7と1個のバックガード9とを別体で設けたが、サイドガードとバックガードとを一体成形しても良い。
この実施例では、サイドガード7およびバックガード9に棚壁部32、42および垂れ壁部33、43を一体成形したが、サイドガード7およびバックガード9に棚壁部32、42のみが形成されていれば良い。
【0063】
この実施例では、サイドガード7やバックガード9の垂れ壁部33、43を板ばね20で側方側係止部12側に押圧するように固定したが、サイドガード7やバックガード9の垂れ壁部33、43をコンロ本体15の立壁部18の外側面と側方側係止部12の側壁面との間に挟み込むようにして固定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】調理器用ガード固定装置の主要部構造を示した断面図である(第1実施例)。
【図2】調理器用ガード固定装置を示した平面図である(第1実施例)。
【図3】調理器用ガード固定装置を示した正面図である(第1実施例)。
【図4】システムキッチンにサイドガードとバックガードを組み付ける状態を示した斜視図である(第1実施例)。
【図5】(A)はバックガードの成形形状を示した正面図で、(B)はバックガードの成形形状を示した側面図である(第1実施例)。
【図6】バックガードの成形形状を示した平面図である(第1実施例)。
【図7】サイドガードとバックガードの固定方法を示した断面図である(第1実施例)。
【図8】サイドガードとバックガードの固定方法を示した断面図である(第1実施例)。
【図9】調理器用ガード固定装置の主要部構造を示した断面図である(第2実施例)。
【図10】調理器用ガード固定装置の主要部構造を示した断面図である(第3実施例)。
【図11】調理器用ガード固定装置の主要部構造を示した断面図である(第4実施例)。
【符号の説明】
1 調理器用ガード固定装置
2 システムキッチン
3 カウンタートップ(調理台)
4 穴(被嵌合部)
5 組立てコンロ(調理器)
7 サイドガード(調理器用ガード)
9 バックガード(調理器用ガード)
18 立壁部(被嵌込み部)
19 フランジ部(鍔状部)
20 板ばね
31 サイドガード部
32 棚壁部(第1被挟持部)
33 垂れ壁部(第2被挟持部)
35 突条部
41 サイドガード部
42 棚壁部(第1被挟持部)
43 垂れ壁部(第2被挟持部)
45 突条部
51 樋状部
52 取付ねじ(締付け具)
53 取付金具(締付け具)
55 凹状部(係合部)
56 凸状部(被係合部)
Claims (7)
- 調理台の被嵌合部に嵌め込まれる調理器とその周囲とを区画する調理器用ガードを固定する調理器用ガード固定装置において、
前記調理器用ガードは、前記調理器と前記調理台の被嵌合部との間に挟み込まれた状態で保持され、
前記調理台の被嵌合部は、前記調理器の一部が埋設される穴であって、
前記調理器用ガードは、下端部が前記調理台の穴の周縁と前記調理器との間に挟み込まれて保持され、
前記調理器は、前記調理台の穴内に嵌め込まれる被嵌込み部、およびこの被嵌込み部の上端側よりも周囲に広げられた鍔状部を有し、
前記調理器用ガードは、前記調理器の周囲を囲むガード部、およびこのガード部の下端より水平方向に延長され、前記調理器の鍔状部と前記調理台の穴の周囲の上端面との間に挟み込まれて保持される第1被挟持部を有することを特徴とする調理器用ガード固定装置。 - 請求項1に記載の調理器用ガード固定装置において、
前記調理器用ガードは、前記第1被挟持部の先端より垂下され、前記調理器の被嵌込み部と前記調理台の穴の周囲の側壁面との間に挟み込まれて保持される第2被挟持部を有することを特徴とする調理器用ガード固定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の調理器用ガード固定装置において、
前記調理器用ガードの第1被挟持部は、前記調理台の穴内に煮汁等の異物の侵入を防止する突条部を有することを特徴とする調理器用ガード固定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の調理器用ガード固定装置において、
前記調理器用ガードの第1被挟持部は、前記調理台の穴内に煮汁等の異物の侵入を防止する樋状部を有することを特徴とする調理器用ガード固定装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の調理器用ガード固定装置において、
前記調理器用ガードは、前記調理器にねじ、ボルトまたはナット等の締付け具を用いて締め付け固定されることを特徴とする調理器用ガード固定装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の調理器用ガード固定装置において、
前記調理器は、穴部、凹部、爪部または凸部等の係合部を有し、
前記調理器用ガードは、前記係合部に係合される被係合部を有することを特徴とする調理器用ガード固定装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の調理器用ガード固定装置において、
前記調理器用ガードは、前記調理器の側方を覆う調理器用サイドガード、あるいは前記調理器の後方を覆う調理器用バックガードであることを特徴とする調理器用ガード固定装置。
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