JP3690004B2 - 穀稈の穂部と稈部との境界検出方法 - Google Patents

穀稈の穂部と稈部との境界検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、稲麦などの穀稈の穂部と稈部との境界検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば従来のコンバインの扱深さ制御は、穀稈の穂先を基準として行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のような扱深さ制御では、穂先を基準として制御するときのように、穀稈の品種や作柄によって的確な供給位置が得られず脱穀精度が低下する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、搬送中の穀稈の穂部と稈部との境界を光の反射又は透過によって検出する境界検出センサ45を設けこの境界検出センサ45の受光部bからの受光信号を複数のバンドパスフィルタ47a、47bにかけて異なる周波数帯域の周波数信号だけを通過させ、該バンドパスフィルタ47a,47b通過後の各周波数信号f1,f2強度の比率算出して、この算出結果と予め設定した穀稈の穂部領域と稈部領域と境界領域における各周波数信強度の比率とに基づいて穀稈の穂部と稈部との境界を検出することを特徴とする穀稈の穂部と稈部との境界検出方法とする。
【0005】
【発明の効果】
この発明によると、穂部と稈部との境界を、この穂部と稈部との反射光の周波数特性の差を利用して、精度よく直接的に検出することができる。
また、例えばコンバインの扱深さ制御において、従来のように穂先を基準として制御するときのように、穀稈の品種や作柄によって的確な供給位置が得られず脱穀精度が低下するというようなことがなく、穀稈の長短何れの穂部の場合でもその稈部との境界を基準として、供給制御量が最も小さい状態で扱深さ制御装置によって調節できるため、応答性の良い制御が可能となり、刈取りの高速化に対応することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明を穀類の収穫作業を行うコンバインに実施した例について図面に基づき説明する。
【0008】
まず、コンバインの構成について説明する。
コンバインの車台6の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ7を有する走行装置8を配設し、該車台6上にはフィードチェン9に挟持して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留する穀粒タンク10を備えた脱穀装置1を載設する。
【0009】
該脱穀装置1の前方側には、前端位置から立毛穀稈を分草する分草体11と、分草された穀稈を引き起こす引起部12と、引き起こされた穀稈を刈り取る刈刃部13と、この刈り取られた穀稈を後方へ搬送して該フィードチェン9へ受け渡しする掻込搬送部14、及びこの掻込搬送部14から搬送穀稈を引き継ぐ供給搬送部15等を有する刈取装置16を、油圧駆動による伸縮シリンダ17により土壌面に対して昇降自在に作用させるよう構成する。
【0010】
該刈取装置16の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置18と、この操作のための操作席19とを設け、この操作席19の下方側にエンジン20を搭載すると共に、後方側に該穀粒タンク10を配置する。このような脱穀装置1,走行装置8,刈取装置16,操作装置19,エンジン20等によってコンバインの車体21を構成する。
【0011】
該刈取装置16の掻込搬送部14と供給搬送部15とによって形成される穀稈搬送通路に、搬送穀稈の有無を検出する穀稈センサ前22と穀稈センサ後23とを各々配設すると共に、該供給搬送部15には、穀稈の穂先側を穂先送りラグ24aに保持して搬送する穂先搬送部24と、株元側を株元送りチェン25aに挟持して搬送する株元搬送部25とを各々上下位置に分離して設ける。
【0012】
該供給搬送部15で搬送される穀稈を、扱深さを深くする側と浅くする側とに自動的に制御して脱穀装置1のフィードチェン9に引継ぎさせる扱深さ制御装置26と、前記走行装置8の伝動経路の適宜位置に配置した車速を検出する車速センサ27の検出値によって車速を自動的に制御する車速制御装置28とを前記操作装置18の一側に内装して構成する。
【0013】
該脱穀装置1、上部側に脱穀室29を下部側に選別室2を各々配置して構成する。脱穀室29には、扱胴3を穀稈供給口3aの入口側から出口側に向けて軸架内装すると共に、手前側の穀稈通路に沿って穀稈を挟持搬送するフィードチェン9とを配置して設け、扱胴3の略下半部を包囲する扱網4及びこの扱網4の出口側端部に脱穀排塵物を排出する脱穀排出口30を設けて構成する。
【0014】
該選別室2には、脱穀処理されて扱網4から漏下した脱穀物を揺動移送しながら選別を行う縦長の揺動選別棚31を、扱胴3の軸方向に沿ってその入口側部を上手側として出口側に向け架設する。この揺動選別棚31の上手側下方に羽根の回転により選別風を起風する唐箕32を配設する。
【0015】
該揺動選別棚31は上手側から脱穀物を移送するラック状の移送棚31aと、この移送棚31aに続いて脱穀物を中選別する鎧戸状のチャフシーブ31bと、このチャフシーブ31bに続いて該シーブ31bから漏下しない夾雑物及び脱穀排出口30から排出される脱穀藁屑を受けて荒選別する鋸状のストローラック31cと、該チャフシーブ31bから漏下した中選別物を更に精選別する網状のグレンシーブ31dとを設け、移送棚31aの上手端部を揺動支軸33により支承すると共に、ストローラック31cの下部側に位置して二番物を流下させる二番流穀棚31eの裏面に揺動選別棚31を偏心揺動させる揺動メタル34を装着して構成する。
【0016】
該唐箕32の底板32aの下手側端部と、選別された一番穀粒を収容して横送り集穀する一番螺旋35を内装した一番受樋35aの上手側端部とを接続し、その下手側端部と、グレンシーブ31dの下方に該シーブ31dから漏下した精選別物を流下して選別風によって仕上選別する一番流穀棚36の下端部とを接続して設ける。該一番流穀棚36の上端部近傍の裏面に、選別された二番物を収容して横送り集積する二番螺旋37を内装した二番受樋37aの上手側端部を接続すると共に、その下手側端部を該二番流穀棚31eの下端部との間に一定の隙間を設けて適宜長さ重合配設して構成する。
【0017】
38は、前記ストローラック31cの上方側に設けたシロッコファン等により脱穀塵埃を機外に排出する排塵ファンで、上部カバー38aと下部ガイド38bにより吸塵側と排塵側を形成する。該ストローラック31cの下手端部から脱穀排塵物を機外へ排出する脱穀装置1の三番排塵口39を配設すると共に、該上部カバー38aの上方側に脱穀済み排稈を機外へ搬出する排稈搬送チェン40及びその挟持杆40aとを配設して構成する。
【0018】
図1及び図2に示す如く、前記扱胴3入口側における扱網4と揺動選別棚31との間の適宜位置に、同心円状に広がる波面をもつ超音波5aを発射しその反射波によって、扱網4から漏下する穀粒の分布密度を検出する穀粒分布センサ5を配置して構成する。なお、この穀粒分布センサ5は、超音波5a以外にも光,圧力,衝撃等種々の方式のものを使用してもよく、設置箇数や設置位置についても限定する必要はなく、検出能力に応じて選択すればよいものである。
【0019】
図3に示す如く、CPUを主体として各種の演算制御を行うと共に、穀稈の供給深さを算出設定する扱深さ制御装置26と、該扱網4からの漏下穀粒の分布密度によって刈り取り時の最高車速を算出設定する車速制御装置28とを内蔵したコントローラ41を、前記操作装置18の一側に内装し、このコントローラ41の入力側に、前記穀粒分布センサ5,穀稈センサ前22,穀稈センサ後23,車速センサ27等を各々接続すると共に、その出口側に、穀稈の供給深さを制御するアクチュエータ42と車速を制御するアクチュエータ43等を各々接続して構成する。
【0020】
刈取られた穀稈は掻込搬送部14から供給搬送部15へ引き継がれ、この供給搬送部15の穂先搬送部24による穂先側の保持と株元搬送部25による株元側の挟持とによって、株元側をフィードチェン9に受け渡し挟持させると共に、穂先側を穀稈供給口3aに送り込む。このとき、穀稈センサ前22及び穀稈センサ後23は共にON状態となる。
【0021】
該フィードチェン9に挟持搬送される穀稈は脱穀室29において扱胴3により脱穀され、この脱穀により扱網4から漏下した脱穀物は選別室2の揺動選別棚31上に落下し、この落下物は揺動選別棚31による揺動移送作用と唐箕32による選別風とにより、移送棚31aからチャフシーブ31bへ送られて選別され、チャフシーブ31bから漏下した中選別物は、更にグレンシーブ31dで選別され、グレンシーブ31dから漏下した精選別物は、一番流穀棚36上へ落下しこの棚36を流下する間に仕上選別されて一番受樋35aへ収容され、この収容された一番穀粒は一番螺旋35により横送りされて穀粒タンク10へ搬送される。
【0022】
この間、脱穀室29の脱穀排出口30から排出されてチャフシーブ31b上に落下した扱網4から漏下しない太い稈等による籾の混入した排塵物は、チャフシーブ31bから漏下しない夾雑物と共にストローラック31c上へ送られ、ストローラック31cの揺動移送により籾が混入した排塵物は三番排塵口39から機外へ排塵される。該ストローラック31cにより選別された二番物と一番選別により生じた二番物は、二番流穀棚31eを流下して二番受樋37aに収容され、二番螺旋37により横送りされて脱穀室29へ還元処理される。
【0023】
この脱穀時における該扱胴3での脱粒は主として扱胴の入口側1/3程度の領域で行われるため、高速刈取りにより多量の穀稈が供給された場合等には、無理な脱粒により枝梗付着粒が増大し性能上種々の悪影響を及ぼす。
【0024】
従って、この状態を改善する手段として、脱穀されて該扱網4から漏下する穀粒に対し、図4のフローチャートに示す如く、穀稈センサ前22及び穀稈センサ後23のONにより、穀粒分布センサ5により超音波5aを発射しその反射波を受信し、この受信信号のヒストグラムを算出すると共に微分算出を行い、この結果、漏下穀粒の分布密度のピークが、図5に示す如く、予めコントローラ41に設定された限界値Mに達しているかどうかをチェックし、YESのときはこのときの限界値Mを基準として最高車速の算出を行い、NOのときは車速を増速させる。次に、車速が算出済の最高車速を超えているかどうかをチェックし、YESのときは減速を行い、NOのときは再度限界値Mのチェック部位にリターンさせる。なお、限界値Mを超えたときに直接減速させてもよい。
【0025】
このように、刈取り時の車速を該穀粒分布センサ5及び車速センサ27の検出により、脱穀する穀稈の品種,刈取時期,乾湿度合等による脱粒性の難易や、作柄による脱粒量の多少等によって変化する脱粒条件の違いに対応し、該コントローラ41における車速制御装置28によって適正な車速に設定することができるから、漏下穀粒の分布密度が限界値Mを超えて飽和状態となり無理な脱粒によって発生する枝梗付着粒の増大を抑制して、選別不良や穀粒の機外飛散の防止と共に、以後の乾燥作業においては穀粒の流れを円滑にし、調整作業においては仕上米への籾混入を防止する等、効率化及び高品質化を図ることができる。
【0026】
なお、このとき該穀粒分布センサ5の取付位置を、超音波5aによる同心円状の波面(又は光の波長)が該扱網4と揺動選別棚31との間において、該扱胴3の軸方向に対し連続して系統的に漏下穀粒の分布密度を検出可能な位置と向きに設定することにより、図6に示す如く、扱胴3の軸方向位置と穀粒分布センサ5との距離の関係が単調な増加又は減少曲線となるから、音波の反射時間(光の強弱)を用いる場合、検出位置の判定を精度よく行うことができる。
【0027】
また、前記と異なる改善手段として、図7のフローチャートに示す如く、該穀粒分布センサ5による超音波5aの発射によりその反射波を受信し、この受信信号のヒストグラムを算出すると共に微分算出を行い、この結果、漏下穀粒の分布密度が、図8に示す如く、前記扱胴3の出口側終端位置において扱ぎ残りが殆ど発生していないレベルにあるかどうかをチェックし、NOのときは前記フィードチェン9の速度を下げ、YESのときは穀粒分布が適正分布の状態であるかどうかをチェックし、YESのときはそのままの状態とし、NOのときは減少分布の状態であるかどうかをチェックし、YESのときはフィードチェン9の速度を上げ、NOのときはフィードチェン9の速度を下げる。
【0028】
このように、該扱胴3における脱粒状態を検出し、部分的な脱粒作用の集中を回避して漏下穀粒の分布密度を均等化するべく該フィードチェン9の速度を調節制御することにより、穀稈の供給量や品種その他による脱粒性等の影響を小さく抑えて枝梗付着粒の少ない籾に仕上げることができる。なお、扱胴3の全領域で脱粒が行われる傾向となるため扱胴3の短縮化が可能となる。
【0029】
また、図10に示す如き全稈投入式コンバインの脱穀部44において、上記と同様に漏下穀粒の分布密度を穀粒分布センサ5を配置して検出を行うとき、この穀粒の分布密度は、螺旋状の扱歯を有する扱胴44aの入口側と出口側の或る特定位置でピークとなり、このピークは穀稈の供給量や品種その他による脱粒性等により助長されて限界値Mを超えるときがある。
【0030】
この状態を改善する手段として、図11のフローチャートに示す如く、該穀粒分布センサ5による超音波5aの発射によりその反射波を受信し、この受信信号のヒストグラムを算出すると共に微分算出を行い、この結果、漏下穀粒の分布密度が、図12に示す如く、該扱胴44aの出口側終端位置において扱ぎ残りが殆ど発生していないレベルにあるかどうかをチェックし、NOのときは扱胴44aの回転数を下げ、YESのときは穀粒分布が適正分布の状態であるかどうかをチェックし、YESのときはそのままの状態とし、NOのときは減少分布の状態であるかどうかをチェックし、YESのときは扱胴44aの回転数を上げ、NOのときは扱胴44aの回転数を下げる。
【0031】
このように、該扱胴44aにおける脱粒状態を検出して、部分的に集中する漏下穀粒の分布密度を均等化するべく扱胴44aの回転数を調節制御することにより、特定位置の漏下穀粒がピークに達し限界値Mを超えて詰まるようなこともなく、枝梗付着粒の少ない籾に仕上げることができる。なお、扱胴44aの全領域で脱粒が行われる傾向となるため扱胴44aの短縮化が可能となる。
【0032】
しかして、この発明の実施例における主要部について説明する。
搬送中の穀稈の穂部と稈部の境界を光の反射(又は透過)による受光信号により検出する境界検出センサ45を適宜位置に設け、図13に示す如く、この境界検出センサ45の発光部aと受光部bとにより下方を通過する穀稈の穂部と稈部とからの光の反射(又は透過)による受光信号を検出する。
【0033】
この周波数分析を行う際に、受光部bによる受光信号を、図16に示す如く、異なる周波数帯域の周波数を通過させる複数のバンドパスフィルタ47a,47bにより通過させ、この通過した複数の周波数信号f1,f2を検波回路48a,48bによって検波を行い、この検波後の複数の信号f1,f2強度を演算回路49によってその比率の算出(f1/f2)を行い、この算出値をCPU50に送る。
【0034】
一方これに先立ち、図14に示す如く、CMOSカメラやCCDカメラを用いて穀稈の穂部と稈部とが、同一画像内に収まるよう入力し、この画像46を、例えば、図15の画像46aに示す如く、X軸,Y軸の画素領域による穂部エリアG(210×155,337×282のポイント領域)と、稈部エリアS(0×265,127×392のポイント領域)と、境界エリアB(60×115,187×242のポイント領域)とに適宜位置決めして、この各エリアG,S,Bの画像の輝度分布の周波数分析を行う。
このように、輝度分布の周波数分析を行う上で、該画像46aの各エリアG,S,Bの濃淡情報をフーリエ変換して周波数分析を行うことによって得られるパワースペクトル分布を、図15に基づいて説明する。即ち、稈部エリアS,境界エリアB,穂部エリアGの濃淡情報を周波数軸に直交変換したパワースペクトル分布を観た場合、その方向性が、稈部エリアS,境界エリアB,穂部エリアGの順に失われていくことがわかる。これは、稈部ではその稈の並び(姿勢)に基づく輝度の周期性(規則性)が強いことを意味し、境界から穂部にかけては、穀粒の付着数の増加に伴って、その周期性が弱くなっていることを意味する。このパワースペクトル分布を、回転角度:20°,視点角度:20°の条件で穀稈の搬送方向に立体表示させたものを、図17の「稈部エリアS」「境界エリアB」「穂部エリアG」の如く示すと共に、この各エリアのパワースペクトルの同一断面の強度分布を、図18の「稈部エリアS」「境界エリアB」「穂部エリアG」の如く線図によって示す。
【0035】
この図18の線図において、穂部エリアGと稈部エリアSでは共に周波数信号f1とf2のパワー値の差が小さく、境界エリアBでは信号f1とf2のパワー値の差が大きいことから、穂部と稈部の形態的な差を周波数成分の差によって検出し、この検出領域中に含まれる稈部と穂部の割合を複数の周波数領域の信号強度の比率によって求め得るために、精度よく直接的に穂部と稈部の境界を検出することができる。
【0036】
また、このような穂部と稈部の反射光の信号に含まれる周波数成分は、搬送方向に対して直角方向の周波数成分の強度において大きく異なるため、このような部位による周波数特性の差を利用して、前記の如く、精度よく直接的に境界を検出することができると共に、搬送によって生じる反射(又は透過)による受光信号の変動を変調信号として用いることにより、自然光との区別のため別途に変調器等を設ける必要がないため、簡単な構成で的確に信号検出を行うことが可能となり、同時に低コスト化を図ることができる。(自然光は直流であるため特定の周波数成分を抽出することにより直流分を除去できる)
また、前記境界検出センサ45を、例えば図9に示す如く、前記刈取装置16の供給搬送部15から脱穀装置1の穀稈供給口3aまでの穀稈搬送経路の間で、穀稈供給口3aに穀稈を供給する際に穂部全体を基準として供給制御可能な位置に設けることにより、従来の如く穂先を基準として供給制御するときのように、穀稈の品種や作柄によって的確な供給位置が得られず脱穀精度が低下するというようなことがなく、図19に示す如く、穀稈の長短何れの穂部の場合でもその稈部との境界を基準として、供給制御量が最も小さい状態で前記扱深さ制御装置26により調節できるため、応答性の良い制御が可能となり刈取り時の高速化に対応できる。
【0037】
また、参考例として、前記脱穀装置1の三番排塵口39の近傍位置に、この排塵口39から排出される稈切れ及び枝梗等による藁屑中に含まれる穀粒を、特定の波長を有する電磁波(例えば水分吸収帯としての1.45マイクロメータの波長)の透過光量の吸収量を算出して検出を行う飛散穀粒センサ51を設けるものにおいて、この排出される藁屑部分と穀粒部分とでは水分量が大きく異なることにより、穀粒部分を透過する水分吸収帯の波長の透過光は藁屑部分に比べて吸収量が大きくなることから、藁屑中に含まれる穀粒を精度よく検出することができる。
【0038】
この飛散穀粒センサ51において藁屑中に含まれる穀粒を検出する際に、図20に示す如く、この検出藁屑に対して、上方からの片側光源のみでは画像52aに示す如く藁屑中の穀粒の検出は不能であり、下方からの片側光源のみでは画像52bに示す如く藁屑中の穀粒は検出できるが、他の密度の高い稈切れ等との識別が困難である。そこで、上方と下方からの両側光源とすることにより画像52cに示す如く、穀粒以外の密度の高い部分を概ね除去することができる。(通常では藁屑部分は低密度、穀粒部分は高密度となる)
この両側からの光源配置により飛散穀粒の検出を行うときの構成は、図21に示す如く、ガラス板53上に存在する藁屑に対し、上方と下方の両側位置において各々左右側から一定角度の傾斜により光を照射する、タングステンランプ又はハロゲンランプ等による複数の光源54を配置すると共に、該上方側の光源54間の中央位置に、該飛散穀粒センサ51としてガラス窓55と、水分吸収帯の波長(1.45マイクロメータ)を透過するバンドパスフィルタ56とを介して、光を受光する受光素子57を配置することにより、藁屑の上下方向から傾斜した光軸により藁屑空間に光を拡散することができるから、藁屑と穀粒の形態は大きく異なるため明暗の差によって識別が容易となり、形態的特徴の差により藁屑中に含まれる飛散穀粒の検出精度を向上させることができる。
【0039】
このように、藁屑部分と穀粒部分では、水分量が大きく異なるため該両部分を透過する水分吸収帯の波長(1.45マイクロメータ)の光には差が生じるが、この光は当然のことながら透過経路の密度によっても影響を受けるため、単一の波長のみでは穀粒による変化なのか、密度による変化なのかを区別することができ難い。
【0040】
そこで、藁屑中の穀粒検出要素としての、例えば水分以外の変動要素である密度の影響を低減するため、検出要素としての水分の影響を受けない別の特定の波長を有する、例えば水分や色の影響を受け難い1.0マイクロメータ程度の電磁波の変化を密度の変化として求め、水分吸収帯の波長の透過光量との比率を算出することにより、水分による変化のみを検出することができる。
【0041】
この複数の波長により飛散穀粒の検出を行うときは、図22に示す如く、前記ガラス板53上に存在する藁屑に対し、光源として前記複数の光源54を配置すると共に、飛散穀粒センサ58としては、前記ガラス窓55に対し水分吸収帯の波長(1.45マイクロメータ)を透過する前記バントパスフィルタ56を斜設し、このフィルタ56の透過位置に水分吸収波長用の前記受光素子57を配置すると共に、該フィルタ56による反射位置に参照用の波長(1.0マイクロメータ)を透過するバンドパスフィルタ59と参照波長用の受光素子60を配置構成する。
【0042】
このような構成によって、図20に示す画像52cの特定位置に透過光量の検出領域を、図23に示す画像の如く設定し、この領域において、透過光の波長:1.45マイクロメータ,マトリックス:50×50画素,移動:10画素の条件による水分吸収波長の受光量変化を、マトリックス移動に対する平均輝度として、図24に示す如き図表により求めると共に、この図表と同一条件における比率処理による信号変化(シミュレーション)を、マトリックス移動に対する比率値として、図25に示す如き図表により求めることにより、水分による変化のみを検出することができる。従って、精度の高い藁屑中の穀粒検出を行うことができる。
【0043】
また、上記と異なる参考例として、穀粒つまり籾に付着している枝梗をカメラ61による画像により検出を行うときは、図26に示す如く、透明板62上の枝梗付着粒(静止又は移動状態の何れでも可)を、その下側から照明ランプ63により照射し、この照射された状態の枝梗付着粒を上方に位置するカメラ61により撮像して画像入力を行う。
【0044】
この画像入力時に、図27のフローチャート及び図28に示す如く、該カメラ61の絞りを予めIS・ILの2種類に設定し、この絞りIS(絞り小)では籾のみの画像64を、絞りIL(絞り大)では籾と枝梗を含む画像65を各々入力する。次に、画像64を2値化した後、膨張処理とノイズ除去を行った画像64aを、画像65を2値化とノイズ除去を行った画像65aから減じて枝梗のみの画像66を抽出し、この画像66からノイズを除去した後、反転を行い枝梗量の算出を行う。(画像64aについては、絞りが小さいため全体として小さい画像となることから膨張処理を行う)
このように、籾は太く枝梗は細いと言う形態的な差異により、該カメラ61に入る光量を変化させて画像入力すると細いものは見えなくなるため、この現象を利用して枝梗量の算出を行うことができるから、複雑な抽出手段を用いる必要がなく処理の高速化を図ることができる。また、この枝梗量の算出により、前記脱穀装置1の回転数や走行装置8の車速の制御を行うことも可能である。なお、該カメラ61による画像入力時に、絞りの代わりに前記照明ランプ63の照度、又はシャッタ速度を変化させても、略同様の結果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 穀粒分布センサにより漏下穀粒の分布密度を検出する状態を示す斜視図。
【図2】 脱穀装置の全体を示す側断面図。
【図3】 自動制御のための電気回路を示すブロック図。
【図4】 漏下穀粒の分布密度を検出して車速を制御する手順を示すフローチャート。
【図5】 扱胴の入口側から出口側の間における漏下穀粒の分布密度を示す線図。
【図6】 扱胴の軸方向位置と穀粒分布センサとの距離の関係を示す線図。
【図7】 漏下穀粒の分布密度を検出してフィードチェンの速度を制御する手順を示すフローチャート。
【図8】 扱胴の入口側から出口側の間における漏下穀粒の分布密度を示す線図。
【図9】 コンバインの全体を示す側面図。
【図10】 全稈投入式の脱穀部を示す側断面図。
【図11】 漏下穀粒の分布密度を検出して扱胴の回転数を制御する手順を示すフローチャート。
【図12】 扱胴の入口側から出口側の間における漏下穀粒の分布密度を示す線図。
【図13】 この発明の実施例として境界検出センサにより穀稈の穂部と稈部の境界を検出する状態を示す斜視図。
【図14】 境界検出センサによる穀稈の撮像状態を示す画像図。
【図15】 境界検出センサによる穀稈の周波数分析によるパワースペクトル分布状態を示す画像図。
【図16】 境界検出センサによる複数の周波数信号の比率算出回路を示すブロック図。
【図17】 パワースペクトル分布の穀稈搬送方向への立体表示を示す斜視図。
【図18】 各エリアのパワースペクトルの同一断面の強度分布を示す線図。
【図19】 脱穀装置への穀稈の稈身方向に対する供給位置を示す概略平面図。
【図20】 参考例として飛散穀粒センサによる排出藁屑検出時の光源を変化させた状態を示す画像図。
【図21】 排出藁屑検出時の飛散穀粒センサと光源の配置状態を示す概略側面図。
【図22】 排出藁屑検出時の飛散穀粒センサと光源の配置状態を示す概略側面図。
【図23】 排出藁屑の画像における透過光量の検出領域を示す画像図。
【図24】 図23の検出による水分吸収波長の受光量の変化状態を示す線図。
【図25】 図23の検出による比率処理による信号の変化状態を示す線図。
【図26】 別の参考例として籾の枝梗付着粒を撮像するカメラと照明の配置状態を示す概略側面図。
【図27】 カメラの絞りを変化させた画像から籾の枝梗量を算出する手順を示すフローチャート。
【図28】 カメラの絞りを変化させた枝梗付着粒の比較とその処理状態を示す画像図。
【符号の説明】
45 境界検出センサ
47a バンドパスフィルタ
47b バンドパスフィルタ
b 受光部
f1 周波数信号
f2 周波数信号

Claims (1)

  1. 搬送中の穀稈の穂部と稈部との境界を光の反射又は透過によって検出する境界検出センサ45を設けこの境界検出センサ45の受光部bからの受光信号を複数のバンドパスフィルタ47a、47bにかけて異なる周波数帯域の周波数信号だけを通過させ、該バンドパスフィルタ47a,47b通過後の各周波数信号f1,f2強度の比率算出して、この算出結果と予め設定した穀稈の穂部領域と稈部領域と境界領域における各周波数信強度の比率とに基づいて穀稈の穂部と稈部との境界を検出することを特徴とする穀稈の穂部と稈部との境界検出方法
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