JP3687846B2 - 二重管構造型磁気共鳴試料容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体試料を所定の温度および圧力に保持して磁気共鳴現象を測定する磁気共鳴装置において、流体試料を流通状態で測定するための試料容器に関し、詳しくは、各種流体試料(超臨界流体を含む)、または各種流体に溶存する試料の物性測定に適した試料容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流体試料を搬送するラインから、流体試料を磁気共鳴装置の磁気共鳴信号検出部に送り込み、流体試料を流通させた状態または静止させた状態で磁気共鳴信号を測定する方法は、流体試料を自動的に供給しながら自動運転で測定が行える、他の分析装置と組み合わせて複合的な分析が可能となるなどの多くの利点を有する。流体試料を磁気共鳴信号検出部に送り込み、各種流体試料(超臨界流体を含む)または各種流体に溶存する試料の物性測定を行うときに、高精度の測定を行うには、測定セル(試料容器)への流体試料の円滑な流入と排出、流体試料が測定領域を通過する時間(滞在時間)、測定領域における流体試料の体積等を正確に制御または調整することが重要である。
【0003】
流体試料を流通させながら測定セルにおいて磁気共鳴信号を測定するものとしては、測定セルを磁気共鳴信号検出部と一体に設計・製作したものがあった。この測定装置においては、測定セルの下方には供給管が接続されており、上方には排出管が接続されている。そして、検出コイルの内部に配置された測定セルに下方から流体試料を供給し、流通状態の流体試料の磁気共鳴信号を測定し、上方に排出させる。
【0004】
この形式の測定装置においては、測定セルは円筒磁石に覆われており、測定セルの取り付け取り外しはその上下方向からしか行うことができず、狭い空間内での試料の供給配管や排出配管の接続および取り外しを行う必要があり、部品点数も多いため、作業性が悪かった。すなわち、測定セルの洗浄または交換等を行う場合に磁気共鳴信号検出部を分解しなければならず、その作業は繁雑であり専門的な知識と熟練を必要とするという問題点があった。また、異なる種類の測定セルを使用する場合にも、その都度、磁気共鳴信号検出部そのものを改造し、所望の測定セルを設置しなければならず、測定セルの種類の変更が困難であるという問題点があった。
【0005】
一方、流体試料を流通させながら測定を行う流通型測定セルとして、通常のバッチ式の測定に使用するバッチ型測定セルと交換可能に設置できるものも提案されている。このような交換可能な流通型測定セルを使用すれば、磁気共鳴信号検出部の改造や煩雑な分解作業を必要とせずに、磁気共鳴信号検出部に流通型測定セルを設置して試料流通式の測定を行うことができる。
【0006】
このような流通型測定セルとしては、キャピラリ(毛細管)状の石英管を多重に折り返して、その内部に流体試料を流通させながら多重折り返し部分で測定を行うものがある。しかし、このキャピラリ型測定セルは、構造が複雑なため製造が困難であるという点や、キャピラリからなるため機械的衝撃に弱く破損し易いという点が問題点として残っている。
【0007】
それ以外にも、このキャピラリ型測定セルは、石英管自体の体積に比べて石英管内部の試料の体積が小さくなり、検出コイル内の試料の充填率が小さくなってしまうという問題点がある。磁気共鳴信号を感度よく測定するには、検出コイル内の試料の充填率を大きくする必要がある。キャピラリ型測定セルでは、石英管自体の体積および石英管の折り返しによる石英管同士の空隙の体積が大きいため、試料の充填率を十分に大きくすることができず、その結果として、低感度の核種の測定や低濃度の試料の測定を行うことは困難であった。
【0008】
また、本発明の発明者等により、特開2000−241518号公報に示すような測定セルが提案されている。図7に、この測定セルの測定領域近傍の拡大断面図を示す。この測定セル11は、流通型測定セルとして使用するものであり、円筒状の外管12中に配置された測定領域17に流体試料を導入および排出させながら、連続的に流体試料の磁気共鳴信号を測定するものである。外管12は、単純形状の円筒状に形成されており、材質は機械的強度、耐食性、耐熱性、耐圧性等を考慮してセラミックを使用しており、強度的にも問題はない。
【0009】
外管12内にはフッ素樹脂からなる着脱可能なスペーサ13,14が配置されている。スペーサ13とスペーサ14の間の空間が測定領域17として使用される。測定セルを磁気共鳴信号検出部に設置したときには、測定領域17が検出コイルによる検出位置に配置されるようになっており、測定領域17に流体試料を流通させながら、連続的に流体試料の磁気共鳴信号を測定することができる。
【0010】
スペーサ13には中心軸に沿って中心孔が形成されており、その中心孔にはTi−Al合金からなる供給管15が配置固定されている。測定を行う流体試料は、供給管15の供給孔16を通して測定領域17に供給される。ただし、供給管15は金属であるため、磁気共鳴信号の測定に影響がないように、測定領域17から離れた部分のみに設置されている。測定後の流体試料は、外管12の内壁とスペーサ13の間の間隙を通して測定領域17から排出される。
【0011】
この測定セル11では、試料体積をかなり大きくすることができ、機械的強度にも問題はない。しかし、図7に矢印で示すように、流体試料を測定領域17の上方から導入して、測定領域17の上方に排出するような流通経路となるため、測定領域17内で流体試料の流路が折り返され、測定領域17内の流体試料の流通の均一性が妨げられるという問題点があった。
【0012】
特に、測定領域17の下部に存在する流体試料の排出が円滑に行えず、試料の滞留が生じやすい。粘性率の大きな流体では特にその傾向が強くなる。高精度の測定を行うには、前述のように、流体試料が測定領域に滞在する時間等を正確に制御または調整することが重要であるが、上記のような試料の滞留が生じると、滞在時間の異なる試料が混在するとともに流れに乱れを生じることになり、測定誤差が増大してしまうという問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、現在知られている磁気共鳴測定セルでは、それぞれに問題点があり、流通式の磁気共鳴測定により測定試料の物性測定を高能率、高精度かつ高感度に行えるものではなかった。すなわち、測定時の作業性、測定精度、測定感度のいずれかにおいて問題点があった。
【0014】
そこで、本発明は、測定領域への流体試料の導入および排出が円滑になされるようにして、測定領域内での流体試料の流通の均一性を向上させ、高精度の測定を能率よく行うことのできる磁気共鳴測定用試料容器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の試料容器は、試料の磁気共鳴を測定するための試料容器であって、上下方向の中心軸を備え、内部に前記試料を収納可能な空間部が形成され、下端部が閉塞された外管と、上下方向の中心軸に沿って前記試料が流通可能な中心流通孔が形成され、前記外管の内部に前記外管の内壁との間に間隙を有するように配置された内管と、前記外管および前記内管が接続されたキャップ部とを有し、前記内管は、所定の外径に形成された定径部と、前記内管の下端から所定距離だけ上方に外径が前記定径部よりも小さく形成された小径部とが設けられており、前記外管の内壁と前記小径部の間の空間が、前記試料の測定を行うための測定領域を構成するものであり、前記試料は、前記小径部の上下方向の一方の側から前記測定領域に導入され、他方の側から排出されるものである。
【0016】
また、上記の試料容器において、前記試料は、前記中心流通孔を通して試料容器内に導入され、前記内管の先端部で折り返し、前記外管と前記内管との間の間隙を通して前記測定領域に下方から導入され、前記測定領域から前記外管と前記内管との間の間隙を通して上方に排出されるものであることが好ましい。
【0017】
また、上記の試料容器において、前記内管の前記小径部は、中心軸の回りに回転対称な回転体形状に形成されているものであることが好ましい。
【0018】
また、上記の試料容器において、前記内管の前記小径部の上下には、前記小径部と前記定径部とを段差なく接続するテーパ部が形成されていることが好ましい。
【0019】
また、上記の試料容器において、前記内管は、その下端部が半球状に形成されたものであることが好ましい。
【0020】
また、上記の試料容器において、前記キャップ部には、前記試料を試料容器内に導入するための供給口と、前記試料を試料容器内から排出するための排出口とが設けられていることが好ましい。
【0021】
また、上記の試料容器において、前記内管は、交換可能に前記キャップ部に接続されており、前記内管を前記小径部の外径が異なる複数種類のものから選択することにより、前記測定領域における前記試料の体積を調整可能であることが好ましい。
【0022】
また、上記の試料容器において、前記内管は、交換可能に前記キャップ部に接続されており、前記内管を前記小径部の外径が異なる複数種類のものから選択することにより、前記試料が前記測定領域を通過する時間を調整可能であることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の試料容器としての測定セル1の構成を示す図である。測定セル1は、外管2、内管3およびキャップ4からなるものである。この図では、外管2および内管3は一部を切欠断面図で示しており、キャップ4は断面図で示している。外管2は、下端部が半球状に閉塞された円筒形状に形成されており、上端にはキャップ4を固定するためのねじ部が形成されている。外管2が、このように単純かつ滑らかな形状に形成されているので、流体試料の圧力による応力集中も少なく、外管2の機械的強度も向上する。
【0024】
これら外管2、内管3およびキャップ4の材質は、非磁性であって加工性の良好な材料が好ましく、さらに、外管2および内管3は磁気共鳴信号の検出のために印加される高周波磁場、および、試料によって誘起された高周波磁場を十分に透過する材料であることが必要となる。また、磁気共鳴信号の測定を行う周波数帯に妨害となるノイズ成分を発生しない材料であることが好ましい。この材料としては、機械的強度、耐食性、耐熱性、耐圧性等を考慮すると、特殊エンジニアリングプラスチックのポリエーテルエーテルケトン(商品名:PEEK)が適している。キャップ4は、ステンレスやチタン等の非磁性かつ耐食性の金属も使用可能である。また、外管2および内管3については、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素等を焼結したセラミック材料も使用可能である。
【0025】
外管2の内部には、内管3が配置固定される。内管3は、棒状の回転体形状に形成されており、さらに、その中心軸にそって中心流通孔31が形成されている。内管3の外周面は、外管2の内壁と一定の間隙を有するような直径に形成されて定径部32,36とされている。下方の定径部32と上方の定径部36の間には、定径部32,36よりも直径が小さく形成された小径部34が設けられている。小径部34は、このように内管3の下端から所定距離だけ上方に設けられている。
【0026】
この小径部34と外管2の内壁との間の空間が測定領域10(図2参照)として使用されるものであり、測定領域10に流体試料を導入および排出させながら、連続的に流体試料の磁気共鳴信号を測定する。測定セル1を磁気共鳴信号検出部(図示せず)に設置したときには、測定領域10が検出コイルによる検出位置に配置されるようになっている。なお、測定領域10は、図示の形態のように、上下方向の中心軸に関して回転対称な回転体形状であることが好ましく、上下方向に関しては中心の水平面に対して上下対称な形状であることが好ましい。このような形状であれば、測定のための磁場の均一性が良好となり、高分解能の測定が可能となる。
【0027】
小径部34に隣接した上下位置には、小径部34と定径部32,36とを段差なく連続的に接続するためのテーパ部33,35が形成されている。このように、小径部34と定径部32,36とをテーパ部33,35によって段差なく接続したので、流体試料の流れを乱すことがなく測定領域10内での流体試料の流れが均一なものとなる。
【0028】
内管3の下端部は、外管2の底面部分と均一な間隙を有するような半球状に形成されている。中心流通孔31を下降してきた流体試料は、この半球状の下端部に沿って滑らかに流通方向を折り返され、上昇して測定領域10に導入される。内管3の上端部は、キャップ4に着脱可能に固定できるねじ部等の固定部が形成されている。
【0029】
キャップ4は、内管3および外管2を互いに固定して、それらを一体的に磁気共鳴信号検出部に設置するためのものである。キャップ4には、流体試料を測定セル1に供給するための供給口43と、流体試料を測定セル1から排出するための排出口44が設けられている。キャップ4の内管取付部42に内管3の上端部を取り付け、外管取付部41に外管2の上端部を取り付けると、供給口43は中心流通孔31と密封状態で接続され、排出口44は内管3と外管2の間の間隙に密封状態で接続される。
【0030】
バッチ計測用部材5は、内管3の定径部32の外径と同じ外径を有する円筒形状に形成されたものであり、内管3よりも短く形成されている。また、バッチ計測用部材5にも中心孔が設けられている。キャップ4から内管3を取り外し、代わりにバッチ計測用部材5を取り付けることにより、測定セル1を使用してバッチ式の測定が可能となる。バッチ式測定は、次のようにして行う。
【0031】
内管3に換えてバッチ計測用部材5を取り付けると、供給口43はバッチ計測用部材5の中心孔に密封状態で接続され、排出口はバッチ計測用部材5と外管2の間の間隙に密封状態で接続される。供給口43または排出口44から、バッチ計測用部材5の中心孔またはバッチ計測用部材5と外管2の間の間隙を介して流体試料を測定領域に供給し、その後、供給口43、排出口44を閉じて供給を停止し、静止状態の試料に対して測定を行う。測定が終了すると、外管2をキャップ4から取り外し、測定済み試料を外管2内から除去する。再度、外管2をキャップ4に取り付けて、測定セル1を磁気共鳴信号検出部に設置すれば、次の流体試料を供給して次の測定を行うことができる。
【0032】
図2は、内管3および外管2を取り付けた測定セル1の、下端部および測定領域近傍の拡大断面図である。流体試料の流通状態を矢印により示している。前述のように、流体試料は供給口43から中心流通孔31を介して測定領域10に供給される。中心流通孔31を下降してきた流体試料は、内管3の半球状の下端部に沿って滑らかに進行方向を折り返され上昇に転ずる。さらに、流体試料は、定径部32からテーパ部33を通って、小径部34すなわち測定領域10に導入される。
【0033】
測定領域10において磁気共鳴信号を測定された、測定後の流体試料はテーパ部35を介し定径部36と外管2との間隙を通って上方に排出される。このように、流体試料が測定領域10に対して下方から導入されて上方に排出されるので、流体試料の流れが測定領域10内で折り返されることもなく、均一な流れで円滑に流体試料の導入および排出が行われる。流体試料の一部が測定領域10に残って滞留することも防止される。これにより、測定セルに継続的に流入する試料の物性をリアルタイムで測定する際に、時間的に前後の試料が混在することなく正確に測定することができ、試料の物性の測定精度が向上する。
【0034】
また、内管3の小径部34によって、測定対象の流体試料を測定領域10に集中配置し、それ以外の領域からはできるだけ排除するようにしているので、流体試料の内部温度差による対流を防止することができる。すなわち、狭い空間に限定された測定領域10内では熱の伝達時間が短く、温度分布も短時間で均一化されるため、温度差による対流が発生しにくくなる。また、流体試料は均一な流れで測定領域10を通過するので、測定領域10内で流体試料の一部が滞留したり、流体試料の内部温度差により対流が発生したりすることが防止される。これにより、測定精度も向上する。
【0035】
なお、ここでは流体試料を内管3の中心流通孔31から供給して、内管3と外管2との間隙から排出するものとして説明したが、逆に、流体試料を内管3と外管2との間隙から供給し、内管3の中心流通孔31から排出するようにしてもよい。その場合には、流体試料が測定領域10の上方から導入され下方に排出されることになる。測定セル1内の流体試料の温度と、測定セル1の外部から供給する流体試料の温度が同一である場合には、どちらの供給方向でも同等である。
【0036】
測定セル1内の流体試料の温度と、測定セル1の外部から供給する流体試料の温度が異なる場合には、図2に示すように、流体試料を内管3の中心流通孔31から供給して、内管3と外管2との間隙から排出することが好ましい。その方が、流体試料が内管3の中心流通孔31を通る間に、測定領域10やその前後に存在する流体試料との間で熱のやり取りを行って熱平衡に達するからである。その結果、予備的な温度調整を行うことなく流体試料を比較的大きな流速で供給した場合にも、温度の影響を極力排除した測定が可能となる。
【0037】
また、図1に示すように測定領域10は測定セル1の下部に設けられている。そのために、測定セル1の雰囲気温度と供給試料の温度が相違する場合には、内管3の中心流通孔31から供給した方が測定セル1の下部の保温や下部からの加熱によって、供給口43における試料温度と測定領域内の試料温度を同一に保持しやすい。それに対して、測定セル1の雰囲気温度と供給試料の温度を同一とする場合には、内管3と外管2との間隙から供給した方が雰囲気温度と供給試料の温度を同一に保持しやすい。
【0038】
本発明の測定セル1では、流体試料の圧力は外管2およびキャップ4によって受ける構造となっている。内管3は、全体が外管2内に配置されており、内部と外部から同一の圧力が作用するため、耐圧強度を考慮する必要がない。このため、内管3の小径部34の肉厚は加工上問題のない限りにおいて極めて薄くすることができる。小径部34の肉厚を薄くすることにより測定領域10の体積が増加するため、検出コイル内の試料体積を増加させることができ、試料の充填率を増加させて測定感度を向上させることができる。
【0039】
具体例を挙げれば、外径が10mmの測定セルを使用する磁気共鳴信号検出部において、検出コイルの上下方向長さが約15mmの場合に、本発明の測定セル1においては、測定領域10内の試料体積を0.3cm3 以上とすることが可能である。これにより、低感度の核種の測定や低濃度の試料の測定も十分に可能となる。
【0040】
また、小径部34の肉厚を変えることにより、測定領域10の試料の体積を調整することができる。さらに、測定領域10の体積が変化すれば、流体試料を同じ流量で供給したとしても、流体試料が測定領域10を通過する時間(滞在時間)が変化するので、この滞在時間の調整を行うこともできる。すなわち、小径部34の外径が異なる複数の内管3を用意しておき、必要に応じてこれらを交換して使用することにより、測定領域10の体積および流体試料の滞在時間を調整することができる。この交換作業も容易である。これにより、流体試料の種類に応じた最適な試料体積および滞在時間による測定を行うことができ、測定感度および測定精度を向上させることができる。なお、滞在時間の調整は、測定領域10の試料体積によるだけでなく、流体試料供給の流量(流速)を調整することによっても行うことができる。
【0041】
図3は、測定セル1により実際に測定を行った測定結果を示す図である。これは、重クロロホルム中のアセトンのプロトン共鳴信号を測定した結果である。測定には、市販の分光器および検出器を使用した。図3の横軸は、共鳴周波数を掃引中心周波数からの偏移量により百万分率(ppm)で表示したものであり、縦軸は、共鳴信号の検出強度である。測定結果からは、アセトンのプロトン共鳴信号が、半値幅で約3.5Hz(0.007ppm)の高分解能で得られており、本発明の測定セルの性能が実証された。
【0042】
図4は、測定セル1による別の測定結果を示す図である。これは、重クロロホルム中のエチルベンゼンのプロトン共鳴信号を測定した結果である。測定機材およびグラフの座標軸は図3と同様である。エチルベンゼンの2種類のエチル基プロトンの共鳴信号がビシナル結合により複数のピークに分裂した様子が、明瞭に測定結果に表れている。
【0043】
次に、本発明の測定セル1において、流体試料の測定領域への円滑な流入および排出が行われているどうかを検証し、それとともに、流体試料の一部の滞留や、温度差による対流が発生しているかどうかを検証する実験を行った。ある一定流速で磁気共鳴信号の測定領域を通過している流体試料の縦緩和時間をT1 obsとすれば、この流通状態の縦緩和時間T1 obsは、流体試料が静止している場合の縦緩和時間T1 static よりも短くなり、それらの関係は次の式1によって与えられることが知られている。
1/T1 obs=1/T1 static +1/τ … 式1
【0044】
ここで、τは測定領域における流体試料の滞在時間である。この滞在時間τは、測定領域の試料体積Vと流体試料の体積流速νによって、次の式2のように表される。
τ=V/ν … 式2
式1および式2により、次の式3が得られる。
1/T1 obs=1/T1 static +ν/V … 式3
【0045】
すなわち、流体試料の体積流速νを変化させて縦緩和時間T1 obsの測定を行い、縦緩和時間T1 obsの逆数を体積流速νに対応させてプロットすれば、測定領域の試料体積Vの逆数を傾きとする直線が得られることになる。したがって、流体試料が測定セル1内の測定領域10を円滑に流通しているか否かは、縦緩和時間の流速依存性から求めた試料体積Vの測定値と、測定セルおよび検出コイルの寸法から求めた計算値とを比較することにより検証することができる。
【0046】
図5は、本発明の測定セルにおける試料流通状態を検証するために、上記のような測定を行った測定結果を示す図である。横軸が体積流速νを表し、縦軸が縦緩和時間T1 obsの逆数を表している。流体試料としては、1重量%のクロロホルムを含んだ四塩化炭素溶液を25℃において供給し、クロロホルムのプロトン共鳴信号の縦緩和時間の流速依存性を測定した。
【0047】
図5の測定結果から、縦緩和時間T1 obsの逆数が体積流速νの増加に伴って直線的に増加していることが分かる。また、その直線の傾きから求めた測定領域の試料体積Vは0.27cm3 となる。そして、外管2の寸法は外径が10mm、内径が5.2mmであり、内管3の小径部34の外径が2mm、検出コイルの上下方向長さが15mmであるから、測定領域および検出コイルの幾何学的寸法から予想される試料体積は、0.28cm3 であった。このように、図5の測定結果から求めた試料体積と、幾何学的寸法から予想される試料体積とがほぼ一致した。この測定により、本発明の測定セルにおいて、流体試料が円滑に流通していることが確認された。
【0048】
次に、本発明の測定セルが高圧条件に耐えるものであるかを確認する実験を行った。外管2はポリエーテルエーテルケトンによって作製されており、その寸法は、外径が10mm、内径が5.2mmである。常温の水を加圧して測定セル内に供給して、測定セルからの漏れや測定セルの損傷を調べた。本発明の測定セルは、静圧50MPaまでは流体試料の漏れもなく、測定セルの破損等も生じないことを確認した。このため、高圧条件においても安全に稼働することが確かめられた。
【0049】
さらに、本発明の測定セルにより高圧条件下での磁気共鳴信号を測定可能であることを以下の実験を行って検証した。実験はバッチ計測用部材5を使用してバッチ式の測定を行った。流体試料は二酸化炭素を用い、40℃において2MPaから12MPaまで圧力を変化させながら、天然に存在する質量数13の炭素核の磁気共鳴信号を測定した。測定結果を図6に示す。図6では、流体試料の圧力を2.03MPaから12.00MPaまで変化させた場合の共鳴曲線を重ねて表示している。
【0050】
二酸化炭素は、圧力7.4MPa、温度31.1℃に臨界点を持ち、その圧力および温度以上において超臨界状態となり、圧縮性高密度流体の態様を示すようになる。この超臨界流体は、特に臨界点の近傍において、温度および圧力の微小な変化により密度が大きく変化することが知られている。この実験の温度(40℃)では、二酸化炭素は、9MPa付近を境界として、希薄な状態から高密度の状態へと急激に変化する。
【0051】
外部基準法により測定した磁気共鳴信号は、流体試料の体積磁化率の減少に伴い低周波側へとシフトする。そして、流体試料が反磁性である場合には、その体積磁化率は流体試料の密度に比例して減少する。図6の測定結果を見ると、二酸化炭素の急激な密度変化を明瞭に示しており、9MPa付近を境界として、低周波側に大きくシフトしている。この実験により、本発明の測定セルを使用して高圧条件下での磁気共鳴信号を測定可能であることが確認された。
【0052】
なお、超臨界流体は測定セル内での温度の不均一性などにより対流を起こしやすい性質を持ち、対流が生じると磁気共鳴信号の測定に際して測定精度の低下や再現性の悪化等の悪影響を引き起こす。本発明の測定セルでは、たとえ温度に不均一があっても、構造的に対流が生じにくい構成であるから、超臨界流体の測定においても対流による悪影響を受けることなく、高精度の測定が可能となる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
【0054】
中心流通孔および小径部を有する内管を外管内に配置して二重管構造の試料容器としたので、試料を測定領域の上下方向の一方の側からに導入して他方の側から排出するようにし、測定領域への試料の導入および排出が円滑になされるようにして、測定領域内での試料の流れの均一性を向上させることができる。これにより、測定セルに継続的に流入する試料の物性をリアルタイムで測定する際に、時間的に前後の試料が混在することなく正確に測定することができ、試料の物性の測定精度が向上する。そして、内管の小径部によって、試料を測定領域に集中配置するようにしているので、流体試料の内部温度差による対流を防止することができる。また、試料容器の磁気共鳴信号検出部への設置も、検出部の改造を伴わずに容易に行うことができる。さらに、測定に係る試料体積を十分に大きくすることができ、高感度の測定が必要な試料にも十分対応することができる。
【0055】
試料を内管の中心流通孔を通して試料容器内に導入し、内管の先端部で折り返して測定領域に下方から導入し、測定領域から外管と内管との間の間隙を通して上方に排出するようにしたので、外部から供給する試料の温度が試料容器内の試料温度と異なっていても、測定領域に到達するまでの間に熱平衡に達するため、外部の温度の影響を減少させることができる。
【0056】
内管の小径部が中心軸の回りに回転対称な回転体形状に形成されているので、測定領域も回転対称な形状となり、測定のための磁場の均一性が良好となり、高分解能の測定が可能となる。また、上下方向にも対称な形状とすることにより、さらに高精度、高分解能の測定が可能となる。
【0057】
内管の小径部の上下には小径部と定径部とを段差なく接続するテーパ部が形成されているので、測定領域内での試料の流れの均一性をさらに向上させることができ、さらに高精度の測定が可能となる。
【0058】
内管の下端部が半球状に形成されているので、試料の供給方向の折り返しが円滑になり、折り返し部分に滞留も発生せず、試料の流れの均一性をさらに向上させることができ、さらに高精度の測定が可能となる。
【0059】
キャップ部に、試料を試料容器内に導入するための供給口と試料を試料容器内から排出するための排出口とが設けられているので、試料容器に対する供給・排出パイプ等の取り付けを容易に行うことができ、測定セルの交換や洗浄作業を能率よく行うことができる。
【0060】
内管が交換可能にキャップ部に接続されているので、内管を小径部の外径が異なる複数種類のものから選択して取り付けることにより、測定領域の対称性および測定セルの耐圧性を低下させることなく、測定領域における試料の体積を調整することが可能である。また、測定領域の体積を小さくする場合に、測定領域の上下方向の長さを小さくする必要はなく、上下方向の対称性を維持できる。
【0061】
内管が交換可能にキャップ部に接続されているので、内管を小径部の外径が異なる複数種類のものから選択して取り付けることにより、測定領域の対称性および測定セルの耐圧性を低下させることなく、試料が測定領域を通過する時間を調整することが可能である。
【0062】
試料容器が試料の高圧条件下における磁気共鳴を測定することが可能なものであり、また、試料の対流を抑制する構成を有しているので、超臨界流体を対象とする測定においても、高精度の測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の測定セルの構成を示す図である。
【図2】図2は、測定セルの下端部および測定領域近傍の拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明の測定セルによる測定結果を示す図である。
【図4】図4は、本発明の測定セルによる別の測定結果を示す図である。
【図5】図5は、本発明の測定セルにおける試料流通状態を確認するための測定結果を示す図である。
【図6】図6は、本発明の測定セルによる高圧条件下での測定結果を示す図である。
【図7】図7は、従来の測定セルの測定領域近傍の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…測定セル
2…外管
3…内管
4…キャップ
5…バッチ計測用部材
10…測定領域
11…測定セル
12…外管
13,14…スペーサ
15…供給管
16…供給孔
17…測定領域
31…中心流通孔
32,36…定径部
33,35…テーパ部
34…小径部
41…外管取付部
42…内管取付部
43…供給口
44…排出口
Claims (8)
- 試料の磁気共鳴を測定するための試料容器であって、
上下方向の中心軸を備え、内部に前記試料を収納可能な空間部が形成され、下端部が閉塞された外管(2)と、
上下方向の中心軸に沿って前記試料が流通可能な中心流通孔(31)が形成され、前記外管(2)の内部に前記外管(2)の内壁との間に間隙を有するように配置された内管(3)と、
前記外管(2)および前記内管(3)が接続されたキャップ部(4)とを有し、
前記内管(3)は、所定の外径に形成された定径部(32,36)と、前記内管(3)の下端から所定距離だけ上方に外径が前記定径部(32,36)よりも小さく形成された小径部(34)とが設けられており、
前記外管(2)の内壁と前記小径部(34)の間の空間が、前記試料の測定を行うための測定領域を構成するものであり、
前記試料は、前記小径部(34)の上下方向の一方の側から前記測定領域に導入され、他方の側から排出されるものである試料容器。 - 請求項1に記載した試料容器であって、
前記試料は、
前記中心流通孔(31)を通して試料容器内に導入され、
前記内管(3)の先端部で折り返し、
前記外管(2)と前記内管(3)との間の間隙を通して前記測定領域に下方から導入され、
前記測定領域から前記外管(2)と前記内管(3)との間の間隙を通して上方に排出されるものである試料容器。 - 請求項1,2のいずれか1項に記載した試料容器であって、
前記内管(3)の前記小径部(34)は、中心軸の回りに回転対称な回転体形状に形成されているものである試料容器。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載した試料容器であって、
前記内管(3)の前記小径部(34)の上下には、前記小径部(34)と前記定径部(32,36)とを段差なく接続するテーパ部(33,35)が形成されている試料容器。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載した試料容器であって、
前記内管(3)は、その下端部が半球状に形成されたものである試料容器。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載した試料容器であって、
前記キャップ部(4)には、前記試料を試料容器内に導入するための供給口(43)と、前記試料を試料容器内から排出するための排出口(44)とが設けられている試料容器。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載した試料容器であって、
前記内管(3)は、交換可能に前記キャップ部(4)に接続されており、前記内管(3)を前記小径部(34)の外径が異なる複数種類のものから選択することにより、前記測定領域における前記試料の体積を調整可能である試料容器。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載した試料容器であって、
前記内管(3)は、交換可能に前記キャップ部(4)に接続されており、前記内管(3)を前記小径部(34)の外径が異なる複数種類のものから選択することにより、前記試料が前記測定領域を通過する時間を調整可能である試料容器。
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