JP3687053B2 - 球体シールド掘進機のカッター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回転掘削円盤の直径の伸縮が可能な球体シールド掘進機のカッターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の都市におけるトンネルは地下の深い部分に設置される傾向にあり、そのために縦坑を建設する費用が増大する。また最近は縦坑建設のための施工用地の取得が困難となっている。以上のような状況のために、縦坑の数が制限される傾向にある。そのために1台のシールド掘進機によって掘削するトンネルの延長が長くなり、その結果、シールド掘進機のカッターのビットの磨耗が激しくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ビットは最前部の切羽において未掘削部に向けて配置してあるものである。したがって従来はビットの摩耗が進行しても、掘進中にシールド掘進機のビットを交換することは困難であった。しかし近年、カッターを球体の一部に進退可能に収納しておくタイプのシールド掘進機が開発された。このタイプのシールド掘進機では、図3に示すようにカッターを収納した状態でシールド掘進機Aの内部で球体Bを回転すると、カッターを掘進機Aの内側に向けることができる。したがって、掘進機Aの内部の安定した状況下において、通常の地上での作業と同様にしてビットを交換することが可能となった。
【0004】
しかし上記のような球体を使用したシールド掘進機でも、次のような問題があった。このタイプのシールド掘進機では掘削時には球体の直径以上の大きな直径を描けるカッターが必要であり、球体Bに取り込む際にはそれを収縮させて小さな断面とする必要がある。そのために、図4に示すように、ビットを取り付けた円盤bから外側に向けて伸縮可能なスポークカッターcを配置しておき、このカッターに外周掘削用のビットdを取り付けておく。そして、掘削時にはスポークカッターcを伸長して外径を拡大し、収納時にはそれを短縮して外径を縮小して球体内に収納する構成を採用している。
【0005】
このようなスポークカッターcの拡大縮小のためにはジャッキeを使用するが、これらのジャッキeは円盤の中心から放射状に配置しておけばよく、断面に余裕がある場合には問題はない。しかし掘削断面が小さくなると、ジャッキeを放射状に配置するスペースを確保できない。そのために図4に示すように少数本のジャッキeを交互に位置をずらして平行に配置する構成が採用されている。このような配置では少数本のジャッキeしか配置できず、そのために伸縮可能なスポークカッターcの数も少数となる。伸縮可能なスポークカッターcの本数が少なければ、礫地盤などの抵抗の多い地盤においては掘削が困難となる。すなわち、図4のような構成のシールド掘進機では、ビットの交換は可能であるが、小さい断面のトンネルの掘削の能力には限界があったのである。
【0006】
【本発明の目的】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、ビットを球体内へ取り込んで修理点検が可能であると共に、礫層のような抵抗の多い地盤においても小さい直径のトンネルを掘削することができる球体シールド掘進機のカッターを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、球体内にカッターを収納するタイプのシールド掘進機のカッターにおいて、シールド掘進機のカッターの円盤を、円を複数に分割した扇型のカッター群の集合体として構成し、扇型カッター群の間隔を開閉自在に構成し、扇型カッター群の間隔を閉じた場合に、その直径は球体に収納可能な直径の円となるように構成し、扇型カッター群の間隔を開いた場合に、その最外部がトンネルの内径に等しく構成し、この扇型カッター群の後側には進退カッターを配置し、進退カッターは、扇型カッターの間隔が開いた場合に、扇型カッターの間に向けて進退自在に構成した、球体シールド掘進機のカッターを特徴とするものである。
【0008】
【本発明の実施の態様】
【0009】
<イ> 球体シールド掘進機。
本発明は、球体シールド掘進機で使用するカッターである。
この球体シールド掘進機は、掘進機の外殻Aの内部に球体Bを回転自在に収納した構成である。
この球体Bは内部に掘削円盤を回転する機構が収納してある。
そして球体Bの一面が切断してあり、この切断口から掘削円盤が出入り自在である。
【0010】
<ロ> 扇型カッター。
従来の掘削円盤は前記したように円盤の中心から放射方向に向けてスポークカッターが出入りする構成であった。
しかし本発明の掘削円盤は、スポークカッターを使用せず、掘削円盤を複数に分割して扇型カッター1群を構成する。
そしてこの扇型カッター1群は、扇型カッター支持板11に搭載し、扇型カッター1相互の間隔は開閉自在に構成する。
この開閉には、扇型カッター支持板11の裏面に配置したジャッキ12によって行う。ジャッキは扇型カッター1を移動して相互の距離を離したり接近させたりすればよいから、ジャッキを放射状に配置する必要はなく、扇型カッター支持板11上に、非放射状の自由な配置を選択することができる。
扇型カッター1の分割は自由であるが、例えば図の実施例のように円盤を三等分して構成する。
【0011】
扇型カッター1は収縮、解散が自在であるが、その場合の寸法の制限がある。
すなわち、扇型カッター1群を収縮した場合には、球体Bに収納可能な直径の円を形成するように構成する。
一方、この扇型カッター1群の間隔を開いた場合に、その最外部がトンネルの内径に等しいように構成する。
【0012】
<ハ>進退カッター。
この扇型カッター1群の後側には、進退カッター2を配置する。
進退カッター2は扇型カッター支持板11の裏面に配置した進退カッター支持板上21上で扇型カッター支持板11の外方に搭載する。
この進退カッター2は、ジャッキ22の伸縮によって切羽に向けて前進、後退が自在である。
そして、扇型カッター1の間隔が開いた場合にのみ、進退カッター2は切羽面に向けて前進可能である。
前進した場合にはこの進退カッター2は、解散した状態の扇型カッター1群の間隔に位置し、扇型カッター1群の前面と、進退カッター2群の前面とは同一平面を形成する。
この進退カッター2が前進して同一平面を形成することにより、扇型カッター1の間隔部分の掘削を行うことができる。
【0013】
<ニ>中心カッター。
扇型カッター1群の内側には、さらに中心カッターを配置する。
この中心カッターも、ジャッキの伸縮によって切羽に向けて前進、後退が自在である。そして、扇型カッター1の間隔が開いた場合にのみ、中心カッターは切羽面に向けて前進可能である。
前進した場合にはこの中心カッターは、解散した状態の扇型カッター1群の中央に位置し、扇型カッター1群の前面と、中心カッター群の前面とは同一平面を形成する。
この中心カッターが前進して同一平面を形成することにより、扇型カッター1が解散した場合にその中心部分の掘削を行うことができる。
【0014】
<ホ>掘削回転機構。
掘削時には扇型カッター1群は、解散状態で、円盤中心を中心として回転しなければならない。
一方、進退カッター2と、中心カッターとは切羽側に向けて前進し、扇型カッター1群の同一平面を維持した状態で回転しなければならない。
そのために例えば、扇型カッター支持板11と、進退カッター支持板21とが平行に配置してあるから、その中心部には多角形の貫通孔13、23を開口する。
そしてこの貫通孔13、23に中心部を掘削する中心カッター3の角柱軸を貫通する。
するとこの角柱の回転によってすべてのカッター2、3が、角柱の中心軸を中心として同時に回転移動することになる。
【0015】
【作動】
次に掘進中の作動について説明する。
<イ> 掘削時。
掘削時には扇型カッター1群は、球体Bから切羽側に露出しており、かつ解散状態にある。
そしてこの扇型カッター1の間隔には進退カッター2が位置し、扇型カッター1の中心には中心カッター3が配置される。
こうしてすべてのカッター群が同一平面を維持した状態で、角柱の中心軸を中心として同時に回転移動する。
この場合の最外径がトンネルの内径、すなわち掘進機の外殻の外径に等しく、したがって球体Bの開放口の内径よりも大きい。こうして切羽面のすべての点を漏れなく掘削することができる。
【0016】
<ロ> 収納時。
ビットの交換などの場合にはまずカッター群を球体Bの内部に収納する。しかし掘削時の状態では扇型カッター1群の配置の外径は、球体Bの開放口の内径よりも大きいから球体B内へ収納することはできない。そこでまず進退カッター2を後退させて球体B内へ収納する。
その後、扇型カッター1をジャッキの操作で引き付けて中心点に集合させる。
すると扇型カッター1群の外径は球体Bの開放口の内径以下になる。
そこで扇型カッター1群、および中心カッター3を球体B内に引き込ませる。
こうして球体B外に露出していた構造物のすべてを球体B内に収納することができる。
【0017】
<ハ> ビットなどの交換。
掘進機A内において球体Bは回転自在に構成してある。
そして球体B外に露出した部材がすべて収納された状態であるから、球体Bを回転して球体Bの開放口を掘進機A内で坑口側に向ける。
すると技術者は掘進機Aの内部で保護された状態において大気圧の下で、危険性もなくビットの交換、点検その他の作業を行うことができる。
【0018】
【本発明の効果】
本発明の球体シールド掘進機のカッターは上記したような構成を採用したから、次のような効果を期待することができる。
<イ>従来のように放射状のスポークカッターを使用していない。それに代わって外周の径を変更できるように円盤カッターを分割した。そのためにスポークカッターのように掘削断面に対して配置できるビットの数が制限されることがなく、掘削能力が向上した。
<ロ>カッター群は後方から支持された構成を採用することができる。したがってスポークカッターと比較して剛性が高くなり、強力な回転力を伝達できるようになった。その結果、礫層などの地盤にも採用することが可能となった。
<ハ>スポークカッターと異なり、面で受ける構成であるからローラーカッターを取り付けることも可能となった。そのために更に礫地盤などに対しても十分に対応することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカッターの実施例の配置図
【図2】扇型カッターを開閉状態の正面から見た説明図
【図3】一般の球体シールド掘進機
【図4】従来のスポークカッターの説明図
Claims (5)
- 球体内にカッターを収納するタイプのシールド掘進機のカッターにおいて、
シールド掘進機のカッターの円盤を、円を複数に分割した扇型のカッター群の集合体として構成し、
扇型カッター群の間隔を開閉自在に構成し、扇型カッター群の間隔を閉じた場合に、
その直径は球体に収納可能な直径の円となるように構成し、
扇型カッター群の間隔を開いた場合に、
その最外部がトンネルの内径に等しく構成し、この扇型カッター群の後側には進退カッターを配置し、
進退カッターは、扇型カッターの間隔が開いた場合に、
扇型カッターの間に向けて進退自在に構成した、
球体シールド掘進機のカッター。 - 扇型カッターは、
円盤を三等分して構成した、
請求項1記載の球体シールド掘進機のカッター。 - 扇型カッターは、
扇型カッター支持板上に搭載し、
進退カッターは扇型カッター支持板の裏面に配置した進退カッター支持板上で扇型カッター支持板の外方に搭載して構成した、
請求項1記載の球体シールド掘進機のカッター。 - 扇型カッター支持板と、進退カッター支持板とは平行に配置し、
その中心部には多角形の貫通孔を開口し、
この貫通孔には中心部を掘削する中心カッターの角柱軸を貫通し、
この中心カッターの角柱軸に与えられる回転力で、
扇型カッター支持板と進退カッター支持板にも回転力を与えるように構成した、
請求項3記載の球体シールド掘進機のカッター。 - 扇型カッター群の開閉を行うジャッキを、
扇型カッター支持板に、非放射状に配置して構成した、
請求項3記載の球体シールド掘進機のカッター。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25018995A JP3687053B2 (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | 球体シールド掘進機のカッター |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25018995A JP3687053B2 (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | 球体シールド掘進機のカッター |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0972193A JPH0972193A (ja) | 1997-03-18 |
| JP3687053B2 true JP3687053B2 (ja) | 2005-08-24 |
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ID=17204143
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25018995A Expired - Fee Related JP3687053B2 (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | 球体シールド掘進機のカッター |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP3687053B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107339112A (zh) * | 2017-07-13 | 2017-11-10 | 北方重工集团有限公司 | 一种可变切割直径的全段面掘进机刀盘装置 |
-
1995
- 1995-09-04 JP JP25018995A patent/JP3687053B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| CN107339112A (zh) * | 2017-07-13 | 2017-11-10 | 北方重工集团有限公司 | 一种可变切割直径的全段面掘进机刀盘装置 |
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| JPH0972193A (ja) | 1997-03-18 |
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