JP3683353B2 - セグメント型砥石 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円盤状の砥石台金と、当該砥石台金の円周部付近に設けられる砥石チップとからなるセグメント型砥石に関するものであり、特に、上記砥石チップを、上記砥石台金の側面部に対して着脱可能なように取り付けられる構成からなるようにした、セグメント型砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のセグメント型砥石は、図12に示す如く、金属製ディスク20の円周面上等に、一定の形状を有する砥石チップ10が、接着剤等にて、全周にわたって一様に張り付けられることによって形成されるようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のセグメント型砥石は、その砥石チップが接着剤等の接着手段にて強固に砥石台金上に取り付けられているものであり、これら各砥石チップのうちのいずれか一つが破損したような場合においても、砥石全体を補修しなければならない。すなわち、大きな砥石車からなるものにおいて、これら砥石車を機械(マシーン)から取り外して、破損した部分の砥石チップを張り替え、更には、ドレッシング及びツルーイングを行なわなければならない。このことは、破損した砥石チップの張り替え作業が煩わしいだけではなく、大きくて重い砥石車を、マシーンから取り外して諸作業をしなければならず、この脱着作業は、その作業性を低下させるものである。このような問題点を解決するために、円盤状の形態からなる砥石台金の円周部付近であって、その側面部に設けられる砥石チップを、接着剤等による張り付け手段によって取り付けるのではなく、ネジ結合手段にて取り付けるようにし、これによって砥石チップの脱着が簡単に行なえるようにした、セグメント型砥石を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、円盤状の形態からなる砥石台金と、当該砥石台金の側面部に取り付けられる複数個の砥石チップと、からなるセグメント型砥石に関して、上記砥石チップを、上記砥石台金の側面部に設けられた第一のネジ部を形成する雌ネジ部に係合するものであって雄ネジ部からなる第二のネジ部と、当該第二のネジ部の一方の端部に設けられる頭部と、からなるようにするとともに、当該頭部の縦断面形状を、その中央部に設けられるものであって上記第二のネジ部の軸心に対して直角な方向に形成される平面と、当該平面の周りに設けられるものであって上記軸心に対して所定の頂角を持って形成される円錐面の一部からなる傾斜面と、からなるようにし、このように形成された平面及び傾斜面のところにダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(CBN)のうちの少なくともいずれか一方のものからなる砥粒を設けるようにし、更に、このような砥石チップが上記砥石台金の第一のネジ部のところに着脱可能なように取り付けられるようにした構成を採ることとした。
【0005】
上記構成を採ることにより、本発明においては次のような作用を呈することとなる。すなわち、本発明のものにおける砥石チップは、例えば図1に示す如く、円盤状の形態を有する砥石台金の円周部付近であって、その側面部に適宜間隔をもって設けられるようになっているものである。また、本砥石チップの頭部は、例えば図3に示す如く、平面(水平面)と傾斜面とを有する形状となっており、これら各面のところに砥粒が設けられるようになっているものである。そして、このような砥粒を有する面が研削時において、上記傾斜面は食い付き面としての機能を発揮して粗研削を担い、平面(水平面)は仕上げ面としての機能を発揮することとなる。その結果、一回のトラバースにて研削を完了させることができるようになる。また、本発明のものにおいては、上記砥石台金の円周部付近の側面部に砥石チップが適当な間隔をもって設けられ、これによって、上記砥石台金の円周部付近には適当な隙間が形成されるようになっているので、この隙間を通じてクーラントは自由に流動することができるようになる。従って、本発明のものは優れた冷却機能を発揮することとなる。また、上記隙間を通じて研削屑も効率良く排出されることとなる。
【0006】
また、本砥石チップは、ボルトまたは袋ナット状の形態からなるものであり、その第二のネジ部(第二ネジ部)を上記砥石台金に設けられた第一のネジ部(第一ネジ部)のところにネジ結合させるようになっているものである。従って、当該砥石チップの砥石台金上に上記第一のネジ部を適宜設けておけば、当該第一のネジ部に、本砥石チップをネジ結合させることによって、砥石チップを簡単に装着することができるようになる。その結果、研削状態に応じたセグメント型砥石を簡単に形成することができるようになる。すなわち、重研削、あるいは高速研削、またはワークの材質等に合わせて、砥石チップの配列等を適宜調整することができるようになり、一個の砥石台金にて、各種の研削状況に応じた砥石を形成することができるようになる。
【0007】
また、本砥石チップは、その頭部に砥粒が設けられるようになっているものであるので、この頭部に設けられる砥粒の種類あるいは粒度等の異なったものを数種類用意しておけば、同一の砥石台金をベースに複数種類のセグメント型砥石を形成することができるようになる。これによっても、多種類の砥石を形成することができるようになる。
【0008】
また、このような砥石チップに設けられる砥粒は、ダイヤモンド砥粒あるいは立方晶窒化ホウ素(CBN)、または、これらの混ぜ合わされたものからなるものであって、しかも、これら砥粒は濡れ性の良い接合材にて上記砥石チップの頭部に取り付けられるようになっているものであるので、当該砥石チップを有する本セグメント型砥石は、優れた研削能力を発揮することとなる。すなわち、当該砥石チップに取り付けられる砥粒自体が優れた研削能力を発揮するとともに、砥粒の砥石チップ頭部への取付手段も強力なものとなっているので、砥石チップ自体も重研削に耐え得ることとなる。そして更に、このような砥石チップが適当な間隔をもって砥石台金上に取り付けられるようになっているので、研削油(クーラント)の研削面への供給が円滑に行なわれることとなり、本砥石チップを有するセグメント型砥石においては、連続研削にも耐え得ることとなる。これらによっても、本セグメント型砥石は優れた研削能力を発揮することとなる。
【0009】
次に、請求項2記載の発明について説明する。すなわち、本発明においては、円盤状の形態からなる砥石台金と、当該砥石台金の側面部に取り付けられる複数個の砥石チップと、からなるセグメント型砥石に関して、上記砥石チップを、上記砥石台金の側面部に設けられた第一のネジ部を形成する雌ネジ部に係合するものであって雄ネジ部からなる第二のネジ部と、当該第二のネジ部の一方の端部に設けられる頭部と、からなるようにするとともに、当該頭部の縦断面形状を、上記第二のネジ部の軸心に対して直角な方向に形成される平面と、本砥石チップの取り付けられる砥石台金の中心線に対して所定の傾斜角を有する回転創成面の一部にて形成される傾斜面と、からなるようにし、このように形成された上記平面及び傾斜面のところにダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(CBN)のうちの少なくともいずれか一方のものからなる砥粒を設けるようにし、また、上記頭部のところに、本砥石チップの上記砥石台金に設けられた第一のネジ部への取り付けに当って、上記傾斜面が上記砥石台金の中心線を基準にして形成される回転創成面と一致するようにするためのマーカの役目を果たす位置決め部を設け、更に、このような砥石チップが上記砥石台金の第一のネジ部のところに着脱可能なように、かつ、上記位置決め部が上記砥石台金の中心点を基点にして放射状に配列された状態で取り付けられるようにした構成を採ることとした。
【0010】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、次のような作用を呈することとなる。すなわち、上記砥石チップの頭部には、例えば図4及び図5に示す如く、第二のネジ部の軸心に対して直角な方向に形成される平面と、本砥石チップの取り付けられる砥石台金の中心線(O 2 O 2 )に対して所定の傾斜角(α)を有する回転創成面にて形成される傾斜面と、が設けられるようになっているとともに、これら各面のところには砥粒が設けられるようになっていることより、このような砥石チップが砥石台金上に取り付けられた状態にて研削作業が進められると、上記請求項1記載の場合と同様、上記傾斜面は食い付き面としての機能を発揮して粗研削を担うようになるとともに、平面(水平面)は仕上げ面としての機能を発揮するようになる。その結果、一回のトラバースにて研削作業を完了させることができるようになる。
【0011】
次に、請求項3記載の発明について説明する。すなわち、本発明においては、円盤状の形態からなる砥石台金と、当該砥石台金の側面部に取り付けられる複数個の砥石チップと、からなるセグメント型砥石に関して、上記砥石台金の側面部に、当該砥石台金を貫通する挿入孔を設けるとともに、上記砥石台金の上記挿入孔の周りに段付部を設け、一方、上記砥石チップを、上記砥石台金の側面部に設けられた挿入孔に挿入される胴部及び当該胴部に連続して形成されるネジ切り部からなる軸部と、当該軸部のネジ切り部と反対側の端部に設けられる頭部と、からなるようにするとともに、当該頭部の横断面形状を多角形の形状を有するようにし、更に、その縦断面形状は中央部に形成されるものであって軸心に対して直角な方向に形成される平面並びに当該平面の周りに設けられるものであって上記軸心に対して所定の頂角を有した状態で形成される円錐面の一部にて形成される傾斜面からなるようにし、このように形成された各面の表面にダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(CBN)のうちの少なくともいずれか一方のものからなる砥粒を設けるようにし、更に、このような砥石チップの上記ネジ切り部とネジ結合するナットを設けるようにした構成を採ることとした。
【0012】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいても、基本的には上記請求項1記載のものと同様の作用を呈することとなる。すなわち、砥石チップの頭部には所定の砥粒の取り付けられた平面(水平面)と傾斜面とが設けられるようになっているので、上記傾斜面は食い付き面を形成して粗研削を担うとともに、平面(水平面)は仕上げ面として仕上げ研削を担うようになる。その結果、一回のトラバースにて効率良く研削作業を完了させることができるようになる。更に、これに加えて、上記砥石チップは、胴部とネジ切り部とからなる軸部を有する構成からなるところから、上記砥石チップを上記砥石台金の挿入孔に挿入させることによって、その胴部が上記挿入孔のところに嵌まり込むこととなる。そして、このような状態において、上記ネジ切り部のところに上記締結用のナットを締結することによって、本砥石チップは、上記砥石台金のところに、当該砥石台金の側面部を挟んだ状態で取り付けられることとなる。また、各砥石チップは、その軸部を挿入孔に差し込むだけで、その頭部が上記砥石台金の側面部に形成された段付部のところに接するように位置決めされることとなる。また、これによって、各砥石チップの、その頭部は、その取付方向が、すべて同一の状態(位相)に設定されることとなる。従って、全体的に均一な状態に固定されることとなる。すなわち、砥石台金には段付部が設けられていることにより、上記砥石チップを挿入孔に挿入することによって、その頭部と上記段付部とが接することとなる。従って、上記砥石チップを上記砥石台金に装着(取り付け)するに当たっては、上記の如く、上記砥石チップの軸部を上記砥石台金の挿入孔のところに挿入するとともに、上記砥石チップのネジ切り部のところにナットを締結することによって、簡単に砥石台金の側面部に装着、かつ、固定することができるようになる。また、研削時等における砥石チップ自身の回転運動を防止することができるようになる。
【0013】
次に、請求項4記載の発明について説明する。すなわち、本発明においては、円盤状の形態からなる砥石台金と、当該砥石台金の側面部に取り付けられる複数個の砥石チップと、からなるセグメント型砥石に関して、上記砥石台金の側面部に、当該砥石台金を貫通する挿入孔を設けるとともに、上記砥石チップを、上記砥石台金の側面部に設けられた挿入孔に挿入される胴部及び当該胴部に連続して形成されるネジ切り部からなる軸部と、当該軸部のネジ切り部と反対側の端部に設けられる頭部と、からなるようにし、当該頭部の縦断面形状を、上記軸部の軸心に対して直角な方向に形成される平面と、本砥石チップの取り付けられる砥石台金の中心線に対して所定の傾斜角を有する回転創成面の一部にて形成される傾斜面と、からなるようにし、このように形成された上記平面及び傾斜面のところにダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(CBN)のうちの少なくともいずれか一方のものからなる砥粒を設けるようにし、また、上記頭部のところに、本砥石チップの上記砥石台金に設けられた挿入孔への取り付けに当って、上記傾斜面が上記砥石台金の中心線を基準にして形成される回転創成面と一致するようにするためのマーカの役目を果たす位置決め部を設け、更に、このような砥石チップが上記砥石台金の挿入孔のところに挿入されるとともに上記位置決め部が上記砥石台金の中心点を基点にして放射状に配列された状態で取り付けられるようにするためのものであって上記ネジ切り部とネジ結合するナットを設けるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、上記請求項2または請求項3記載のものと同様の作用を呈することとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態について、図1ないし図5を基に説明する。本発明の実施の形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、円盤状の形態からなるものであって、その円周部付近の側面部21に複数の雌ネジ部22を有するように形成された砥石台金2と、当該砥石台金2の上記雌ネジ部22に、ネジ結合手段にて取り付けられるものであって、ボルト状の形態からなるとともに、その頭部頂面のところに無数の砥粒3を有する砥石チップ1と、からなることを基本とするものである。
【0015】
このような基本構成において、上記円盤状の砥石台金2は、金属製部材からなるものであり、その円周部付近の側面部21には雌ネジ部22が複数箇所設けられるようになっているものである。なお、砥石チップ1の取り付けられる上記雌ネジ部22としては、図2に示す如く、円周部付近に一列に設けられるようになっているものの外に、図1に示す如く、複数列にわたって設けられるようになっているものがある。この複数列からなるものにおいては、上記砥石チップ1は、研削条件に応じて、その取付位置(取付状態)が適宜選択されることとなる。
【0016】
次に、このような構成からなる砥石台金2の雌ネジ部22に係合する砥石チップ1は、図1及び図3に示す如く、ボルト状の形態からなるものであり、上記砥石台金2の雌ネジ部22と係合する軸状の雄ネジ部12と、当該雄ネジ部12の一方の端部に設けられるものであってボルトの頭の部分を成す頭部11と、からなることを基本とするものである。そして、このような構成からなる上記頭部11の、その頂面(先端面)111には、ダイヤモンドあるいは立方晶窒化ホウ素(CBN)からなる砥粒3が設けられるようになっているものである。また、このような構成からなる本砥石チップ1は、鉄系の金属製材料からなるものである。
【0017】
このような構成からなる上記砥石チップ1の、その頭部11の形状は、図2に示す如く、多くの場合には、6角形のボルト頭からなるものであるが、この6角形の形状に限定されるものでは無い。当該頭部11は4角形あるいは8角形等の多角形からなるものであっても良いし、または、二面取り形状からなる小判形の形態からなるもの、更には円形の形状からなるものであって、その側面部にローレット溝等の施された形態からなるものであっても良い。要は、スパナ等の簡単な工具にて、回転駆動されるようなものであれば良い。
【0018】
また、このような多角形の断面形状等からなる本頭部11は、その縦軸方向の形状が、図3に示す如く、雄ネジ部12の軸心(O1 O1 )に対して直角な面(平面)からなる水平面115と、上記雄ネジ部12の上記軸心に対して所定の傾斜角(θ)を有する傾斜面119とからなる頂面(先端面)111を有するようになっているものである。そして更に、このような6角形状のボルト頭からなる頭部11を有する本砥石チップ1は、図2に示す如く、対角上に在る6角形の頂点(O111 )を結ぶ線が、砥石台金2の中心であるO2 点の方向を向くように、砥石台金2の上記雌ネジ部22に取り付けられるようになっているものである。すなわち、各砥石チップ1の上記頭部11に形成される頂点(O111 )が、砥石台金2の中心であるO2 点に対して放射状に設置されるようになっているものである。これによって、各砥石チップ1が研削作業に携わるときに、ワークと砥石チップ1との接触面積が最も大きくなるようにしているものである。
【0019】
また、上記構成からなる砥石チップ1の頭部11の形態としては、この外に、図4及び図5に示すようなものが挙げられる。このものは、砥石台金2の雌ネジ部22と係合する雄ネジ部12のところは上記構成のものと同じであるが、頭部11に形成される頂面(先端面)111’のところが異なっているものである。すなわち、図4及び図5に示す如く、研削に寄与する砥粒3の取り付けられる頭部11の頂面(先端面)111’は、上記砥石台金2の雌ネジ部22に砥石チップ1が取り付けられた状態において、砥石台金2の中心線(O2 O2 )に対して所定の傾斜角(α)を有する回転創成面にて形成される傾斜面119’と、上記雄ネジ部12の軸心(O1 O1 )に対して直角な平面にて形成される水平面115と、からなるようになっているものである。従って、当該頂面(先端面)111’のうちの傾斜面119’は、図5に示す如く、砥石台金2の中心線(O2 O2 )上の一部に形成される点(O21)を頂点とする円錐面の一部にて形成されるようになっているものである。このように、頂面(先端面)111’の一部を形成する傾斜面119’は回転創成面にて形成されるようになっているものであるところから、当該砥石チップ1が砥石台金2上に取り付けられたときに、上記傾斜面119’が図5におけるO21点を頂点とする円錐面内に正確に設置されるようにするため、上記頭部11の一部にマーカの役目を果たす位置決め部118が設けられるようになっている。そして、この各位置決め部118が、図4に示す如く、砥石台金2の中心点(O2 )を中心にして放射状に配列されるように、上記各砥石チップ1は砥石台金2の各雌ネジ部22に取り付けられることとなる。
【0020】
なお、上記のように頭部11に傾斜面119、119’を設けることにより、研削開始時において、傾斜面119、119’の最も外周部分は切り込み量が非常に少なくなるため、砥石とワークとの接触による衝撃力が小さくなり、砥石チップ1にかかるダメージが最小限に抑えられることとなる。また、ワークと砥石との間を砥石台金2の中心線(O2 O2 )と直交する方向に相対的に移動させる所謂トラバース研削においては、傾斜面119、119’が粗研削を担い、水平面115が仕上げ研削を担うようになる。従って、一回のトラバースにて研削を完了させることができるようになる。
【0021】
次に、本発明の第二の実施の形態について、図6ないし図8を基に説明する。このものの特徴とするところは、上記ボルト状砥石チップの、その軸部の構造に関してである。すなわち、本実施の形態に関するものの、その構成は、図6に示す如く、円盤状の形態からなるものであって、その円周部付近の側面部21に挿入孔23を有するとともに、当該挿入孔23の近傍に円環状の段付部211を有する形態からなる砥石台金2’と、当該砥石台金2’に設けられた上記挿入孔23に挿入される胴部131等からなる軸部13、更には当該軸部13を形成するネジ切り部132の反対側の端部に設けられるものであって多角形の断面形状を有するとともに、その先端面に無数の砥粒3の設けられる頭部11等にて形成される砥石チップ1’と、からなることを基本とするものである。
【0022】
このような構成において、上記円盤状の砥石台金2’は金属製部材からなるものであり、その円周部付近の側面部21には挿入孔23が複数箇所設けられるようになっているものである。当該挿入孔23は、上記砥石台金2’を貫通し、かつ、上記砥石チップ1’の軸部13を形成する胴部131が挿入されるようになっているものである。そして、当該挿入孔23は、その径が、上記胴部131及び上記ネジ切り部132の径よりもわずかに大きな値を有するように形成されているものである。なお、これら砥石チップ1’が挿入され、取り付けられる上記挿入孔23は、図6に示す如く、円周部付近に並んだ状態で設けられるようになっているものが一般的ではあるが、この外に、複数列並んだ状態で設けられるようなものであってもよい。また、上記挿入孔23の付近には、当該挿入孔23の設けられている面よりも高くなるように、かつ、上記砥石チップ1’の取付方向に突出させた状態に形成された段付部211が、円環状に設けられるようになっているものである。なお、このような段付部211の、その高さは、図8及び図10に示す如く、砥石チップ1’、7の頂面111であって砥粒3の取り付けられる面よりも低くなるように設定されている。
【0023】
次に、このような構成からなる上記砥石台金2’の挿入孔23に挿入される砥石チップ1’は、図6に示す如く、上記砥石台金2’の側面部21に設けられた挿入孔23に挿入される胴部131、及び当該胴部131に連続して雄ネジ部の形成されたネジ切り部132からなる軸部13と、当該軸部13の上記ネジ切り部132とは反対側の端部に設けられるものであって、多角形の断面形状を有するとともに、ボルトの頭を成す頭部11と、からなることを基本とするものである。そして、このような構成からなる上記頭部11の、その頂面(先端面)111には、ダイヤモンドあるいは立方晶窒化ホウ素(CBN)からなる砥粒3が設けられるようになっているものである。また、このような構成からなる本砥石チップ1’は、鉄系の金属製材料からなるものである。
【0024】
このような構成からなる砥石チップ1’を、上記砥石台金2’の側面部21に取り付けるに当たっては、まず、砥石台金2’の挿入孔23に軸部13を挿入する。そして、この状態で、上記頭部11が砥石台金2’の側面部21に形成された段付部211のところに接するように位置決めをする。すなわち、図7及び図8に示す如く、砥石チップ1’の頭部11の側面部に形成された垂直面11aを上記砥石台金2’の側面部21に形成された段付部211の側壁のところに接触させるように設置(セッティング)する。そして、上記砥石台金2’の側面部21を突き抜けて飛び出した状態となっているネジ切り部132のところに、ナット14を取り付ける(締め付ける)。これによって、上記砥石台金2’の側面部21のところに、当該側面部21を上記頭部11とナット14とで挟み込んだ状態で、本砥石チップ1’が装着される(取り付けられる)こととなる。そして、このとき、上記砥石チップ1’の頭部11と砥石台金2’とは、緊密に固定されることとなる。その結果、複数の砥石チップ1’が取り付けられた状態において、各砥石チップ1’の、その頭部11は、その取付方向が、それぞれ決定され、その結果、全体的に均一な状態に取り付けられることとなる。従って、砥石チップ1’の取り替え時等において、その装着作業が簡単に行なわれるとともに、その位置決めも簡単に行なわれることとなる。また、このような取付状態(装着状態)において、図8に示す如く、砥石チップ1’の頭部11の垂直面11aと砥石台金2’に設けられた段付部211とは接するように位置決めされ、かつ、固定されているので、これによって、研削時等における砥石チップ1’自身の廻り止めが成されることとなる。
【0025】
なお、上記の外に、本砥石チップとしては、図9及び図10に示すような袋ナット状のもの(7)が挙げられる。すなわち、この場合の砥石チップ7は、これまで述べて来たものとは異なって袋ナット状の形態からなることを基本とするものである。そして、このような袋ナット状の砥石チップ7のその頂面111には、これまでのものと同様、ダイヤモンドあるいは立方晶窒化ホウ素(CBN)からなる砥粒3が濡れ性の良い金属製ロー材からなる接合材5にて接合される(取り付けられる)ようになっているものである。なお、このような構成からなる袋ナット状砥石チップ7の砥石台金2上への取り付けにあたっては、例えば図9に示す如く、上記砥石台金2の、その側面部21のところにボルト8が溶接手段あるいは埋め込み手段等にて設けられるようになっているものにおいては、このようなボルト8の雄ネジ部(ネジ部)88のところに、上記袋ナット状砥石チップ7の内側に形成された雌ネジ部(ネジ部)77をネジ結合させることによって装着が行なわれる。また、図10に示すような差込みタイプのものにおいては、砥石台金2の周縁部に設けられる挿入孔23のところにボルト8を挿入する(差し込む)とともに、当該ボルト8の雄ネジ部(ネジ部)88のところに、上記袋ナット状砥石チップ7の雌ネジ部(ネジ部)77をネジ結合させることによって、その取り付けが行なわれることとなる。
【0026】
次に、このような構成からなる砥石チップ1、1’、7の頭部11の頂面(先端面)111、111’に取り付けられる砥粒3について、その取り付け方法も含めて説明する。まず、上記砥石チップ1、1’、7の頭部頂面111、111’に取り付けられる砥粒3としては、ダイヤモンド砥粒あるいは立方晶窒化ホウ素(CBN)砥粒が用いられる。また、このような砥粒3を上記金属製材料からなる頭部11の頂面111、111’に取り付ける接合材5としては、上記砥粒3との間において濡れ性の良い金属製ロー材が採用されることとなる。具体的には、上記接合材5は、チタン(Ti )を含む周期律表第4A族の金属、バナジウム(V)を含む周期律表第5A族の金属、及びクロム(Cr )を含む周期律表第6A族の金属のうちのいずれか一つと、銅(Cu )、銀(Ag )等を含む周期律表第1B族の金属との合金からなることを基本とするものである。このような構成を採ることにより、上記砥粒3がダイヤモンドである場合、当該砥粒3の表面には、上記接合材5の中に含まれるチタン(Ti )との間においてチタンカーバイト層が形成されることとなる。このチタンカーバイト層は、半金属性のメタライジング層からなるものであるので、接合材5を形成する他の金属との間においても結合性が良くなる。これらのことから、当該チタンカーバイトからなるメタライジング層を介して、上記砥粒3と接合材5とは結合性が良くなる。すなわち、上記周期律表第1B族の金属である銅(Cu )、銀(Ag )等からなる接合材5の上記砥粒3への濡れ性が良くなり、各砥粒3は、上記接合材5によって強力にグリップ(保持)され、上記砥石チップ1、1’、7の頭部頂面111、111’に強力に取り付けられる(結合される)こととなる。なお、このことは、上記チタン(Ti )に代わって、バナジウム(V)、あるいはクロム(Cr )が採用された場合にも同様のことが言える。
【0027】
次に、このような構成からなる上記砥粒3の、上記頭部頂面111、111’への具体的な取付け方法について、図11を基に説明する。まず、チタン(Ti )を含む周期律表第4A族の金属、あるいはバナジウム(V)を含む周期律表第5A族の金属、またはクロム(Cr )を含む周期律表第6A族の金属のうちのいずれか一つのものによって形成される金属粉末と、銅(Cu )、銀(Ag )等の周期律表第1B族の金属粉末と、更には、当該周期律表第1B族の金属との間において合金を形成するスズ(Sn )、亜鉛(Zn )、鉄(Fe )等の金属の粉末とを、適当な有機バインダーを加えて混合し、ペースト状のもの(混合物)を造る。そして、このようなペースト状の混合物を、図11の(イ)に示す如く、砥石チップ1、1’の頭部11に形成される頂面(先端面)111、111’上に塗布する。次に、このような状態のペースト状混合物の上に、図11の(イ)に示す如く、ダイヤモンド砥粒あるいはCBN砥粒を付着させる。これによって、図11の(ロ)に示す如く、上記頭部頂面(先端面)111、111’上に、ペースト状混合物を介して砥粒3の付着した状態のものが形成される。
【0028】
次に、このようにして所定の状態に形成されたものを、焼成工程にて焼成する。なお、この焼成に当っては、上記接合材5を形成する金属材が酸化物を形成することのないようにするため、上記焼成工程を行なう炉内の雰囲気を、アルゴンガス等の不活性ガスの充填された状態、または、真空状態に保持する。このような状態において焼成工程が行なわれる。また、このときの炉内は、840℃ないし940℃程度の温度に保たれる。この温度は、砥粒3の表面にチタンカーバイト(Ti C)からなるメタライジング層が形成されるとともに、接合材2を形成する各種金属が溶融して合金を形成する範囲の温度である。すなわち、あまり高温状態で、かつ、長時間加熱されると、砥粒3が、例えばダイヤモンドである場合、当該砥粒3の表面のチタンカーバイト層(Ti C)が深くなり過ぎ、接合材5との結合強度が低下するおそれがあるからである。
【0029】
このような工程を経ることによって、砥粒3の周りは、図11の(ハ)に示す如く、濡れ上がった金属製の接合材5によって被われるとともに、各砥粒3は強固に保持(グリップ)されることとなる。また、接合材5と頭部頂面111、111’との間においても、両者は金属どうしであるので、合金を形成し、強固に結合されることとなる。そして、上記接合材5の濡れ上がりの際に、当該接合材5が引き上げられ、砥粒3と砥粒3との間には、図11の(ハ)に示す如く、凹陥状のポケット部6が形成されることとなる。
【0030】
なお、上記構成において、上記メタライジング層は、上記チタンカーバイト(Ti C)の代わりに、バナジウムカーバイト(VC)、あるいはクロムカーバイト(Cr C)等にて形成される場合もある。この場合においても、これらメタライジング層と銅(Cu )、銀(Ag )を含む周期律表第1B族の金属とは融合しやすくなっているので、ダイヤモンド砥粒3と接合材5との濡れ性が良くなり、両者の結合力は強固になる。また、上記構成は、砥粒3に立方晶窒化ホウ素(CBN)を用いた場合にも、同じように、ホウ素(B)とチタン(Ti )との間においてメタライジング層が形成されることにより、強力な結合が行なわれることとなる。
【0031】
なお、本実施の形態においては、上記接合材5による砥粒3の保持方法としては、上記のような金属製接合材によるものの外に、レジノイドボンド材による方法、またはビトリファイドボンド材による方法、あるいは電気メッキによるメタルボンド材による方法等が考えられる。
【0032】
次に、上記構成からなる本実施の形態のものについての、その作用等について説明する。すなわち、本実施の形態のものにおける砥石チップ1、1’、7は、図1及び図6等に示す如く、円盤状の砥石台金2、2’の円周部付近であって、その側面部21に適宜間隔をもって設けられるようになっているものである。従って、各砥石チップの間には、隙間が形成されることとなり、この隙間を通じて、研削油の流動及び研削屑の排出等が適宜行なわれることとなる。すなわち、従来のセグメント型砥石に比べて、本実施の形態のものにおいては、上記砥石台金2、2’の円周部付近であって、その側面部21に砥石チップ1、1’、7が適当な間隔をもって設けられるようになっているものであるところから、これら砥石チップの間には大きな隙間が形成されることとなり、この隙間を通じて研削油(クーラント)は自由に流動することができるようになる。従って、従来のセグメント型砥石に比べて優れた冷却性能等を有することとなる。また、上記隙間を通じて研削屑も効率良く排出されることとなる。
【0033】
また、本砥石チップ1、1’、7は、ボルト状または袋ナット状の形態からなるものであり、その雄ネジ部12あるいはネジ部88、またはネジ切り部132を介して砥石台金2、2’の側面部21に取り付けられるようになっているものであるところから、当該砥石チップ1、1’、7の砥石台金2、2’上への装着及び取り外しが簡単に行なわれることとなる。すなわち、上記砥石台金2上に雌ネジ部22が設けられた構成からなるもの(図1参照)においては、その適宜箇所に砥石チップ1をネジ込むことによって、簡単に装着することができるようになり、研削状態に合わせて上記砥石台金2の適当な場所(位置)に、上記砥石チップ1を取り付けることができるようになる。これによって、重研削、あるいは高速研削、またはワークの材質等に合わせて、砥石チップ1の配列等を適宜調整することができるようになり、一個の砥石台金にて、多種類の研削に応じた砥石を形成することができるようになる。
【0034】
また、砥石チップを砥石台金上に締付ナットを用いて取り付けるようにしたもの(図6参照)においては、砥石台金2’の側面部21に挿入孔23を設けるとともに、当該挿入孔23の近傍に段付部211を設け、このような状態において、上記砥石台金2’の挿入孔23のところに、上記砥石チップ1’の軸部13を挿入するとともに、当該軸部13のネジ切り部132のところに締結用のナット14を取り付けることによって、砥石チップ1’の砥石台金2’上への装着が行なわれることとなる。そして、このような砥石チップ1’の装着に当っては、上記砥石チップ1’の軸部13を挿入孔23に差し込むだけで、その頭部11の垂直面11aが上記砥石台金2’の側面部21に形成された段付部211のところに接するように位置決めされることとなる(図7、図8参照)。その結果、各砥石チップ1’の、その頭部11は、その取付方向が、すべて同一の状態(位相)に設定されるようになる(図7参照)。その結果、各砥石チップの頭部は、全体的に均一な状態に固定されることとなる。また、研削時等における砥石チップ1’自身の廻り止め機能も確保されることとなる。
【0035】
また、これら砥石チップ1、1’、7は、その頭部11に砥粒3が設けられるようになっているものであるので、この頭部11に設けられる砥粒3の種類あるいは粒度等を変えたものを数種類設定しておくことによって、同一形態の砥石チップをベースに複数種類の砥石チップを形成することができるようになる。また、これら砥石チップ1、1’、7は、その頭部11が6角形を初めとした多角形からなるものであるところから、工具等を用いることによって、上記砥石チップ1、1’、7を上記砥石台金2、2’に対して簡単に脱着することができるようになる。従って、目詰まり等をした砥石チップ1、1’、7を、砥石チップ単体の状態で取り外し、更には取り替えることができるようになる。すなわち、重い砥石台金(砥石車)2、2’を機械(マシーン)から取り外したりすることなく、砥石チップの交換をすることができるようになる。また、このようにして取り外された砥石チップ1、1’、7は、単独でツルーイン及びドレッシングを受けることが可能となる。
【0036】
また、このような砥石チップ1、1’、7に設けられる砥粒3は、ダイヤモンド砥粒あるいは立方晶窒化ホウ素(CBN)からなるものであって、しかもこれら砥粒3はチタン(Ti )を含む濡れ性の良い金属製接合材5にて上記砥石チップ1、1’、7の頭部頂面111、111’に取り付けられるようになっているものであるので、当該砥石チップ1、1’、7を有する本セグメント型砥石は、優れた研削能力を発揮することとなる。また、砥粒3の砥石チップ1、1’、7の頭部頂面(先端面)111、111’への取り付け構造も強力なものとなっているので、砥石チップ1、1’、7自体も重研削に耐え得ることとなる。また、このような接合材5の溶融が行なわれるに際して、当該接合材5は、図11の(ハ)に示す如く、上記メタライジング層を介して上記砥粒3の周りに濡れ上がることとなるので、各砥粒間には上記接合材5の濡れ上がり現象によって凹陥部が形成されることとなり、この凹陥部を基礎として、図11の(ハ)に示すようなポケット部6が形成されることとなる。すなわち、このような砥石チップ1、1’、7が、図1または図6に示す如く、砥石台金2、2’上に取り付けられ、セグメント型砥石として形成されると、上記凹陥状のポケット部6は、研削屑(切り粉)の逃げ部等を形成することとなる。従って、上記ポケット部6に溜った切り粉は、上記逃げ部にて形成される逃げ溝を介して研削油とともに砥石チップ1、1’、7の外へと排出され、更には砥石台金2、2’の外へと排出されることとなる。これらのことより、上記砥石チップ1、1’、7は目詰まり等をせず、長時間の連続研削に耐え得ることとなる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、円盤状の形態からなる砥石台金と、当該砥石台金の側面部に取り付けられる複数個の砥石チップとからなるセグメント型砥石に関して、上記砥石チップを、上記砥石台金の円周部付近であって、その側面部に設けられた雌ネジ部または挿入孔に装着される軸部と、当該軸部の一方の端部に設けられるものであって、多角形の断面形状を有するとともに、その先端面のところに濡れ性の良い金属製接合材にて取り付けられるダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(CBN)のうちのいずれか一方のものからなる砥粒を無数に有する頭部と、からなるようにするとともに、当該砥石チップが上記砥石台金の雌ネジ部または挿入孔のところに着脱可能なように取り付けられる構成からなるようにしたので、各砥石チップ間には大きな隙間が形成されることとなり、この隙間を通じて研削油(クーラント)は、十分に研削面に供給されるようになった。その結果、冷却性能が増し、連続研削等にも耐え得るようになった。また、砥石チップは砥石台金の側面部の任意の箇所に取り付けられるようになったので、この砥石チップの取付場所(設置場所)を適宜変えることによって各種の研削条件に対応させることができるようになった。
【0038】
また、砥石チップは砥石台金から簡単に取り外し、かつ、取り付けることができるようになったので、重い砥石台金(砥石車)を機械(マシーン)から取り外したりすること無く、砥石チップの交換等をすることができるようになり、砥石チップ単体で、その修理、または、ツルーイングあるいはドレッシング等を行なうことができるようになった。従って、本セグメント型砥石(砥石車)全体の維持・管理が簡単に行なえるようになった。また、本砥石チップは量産化をすることができるようになったので、これによって砥石チップの製造原価の低減化、更には本セグメント型砥石自体の製造原価の低減化を図ることができるようになった。
【0039】
また、砥石チップを、上記砥石台金に締結用ナットを用いて取り付けるようにしたものにおいては、その位置決めが、砥石チップの頭部に設けられた垂直面のところを上記砥石台金の段付部のところに接触させるだけで簡単に行なえるようになるとともに、その廻り止め機能も発揮させることができるようになった。
【0040】
また、砥石チップの頭部に設けられる砥粒は、ダイヤモンド砥粒あるいはCBN砥粒からなるものであるとともに、これら砥粒は濡れ性の良い金属製接合材にて取り付けられるようになっているので、砥石チップの耐久性が増し、重研削等にも耐え得るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に関するものの、その全体構成を示す展開斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態にかかる砥石チップの砥石台金上への取付状態を示す平面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態にかかる砥石チップの構成を示す立面図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態にかかる砥石チップの、その頭部頂面に関する変形例を示す平面図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態にかかる砥石チップの、その頭部頂面に関する変形例を示す立面図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態にかかる砥石チップの全体構成を示す展開斜視図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態にかかる砥石チップの、その砥石台金上への取付状態を示す平面図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態にかかる砥石チップの全体構成を示す立面図である。
【図9】本発明にかかる砥石チップを袋ナット状の形態からなるようにしたものについての、その取付状態を示す立面図である。
【図10】本発明にかかる砥石チップを袋ナット状の形態からなるようにしたものについての、その取付状態の変形例を示す立面図である。
【図11】本発明にかかる砥石チップの頭部頂面(先端面)への砥粒の取付工程を示す図である。
【図12】従来例のセグメント型砥石の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 砥石チップ
1’ 砥石チップ
11 頭部
111 先端面(頭部頂面)
111’ 先端面(頭部頂面)
11a 垂直面
115 水平面
118 位置決め部
119 傾斜面
119’ 傾斜面
12 第二ネジ部(雄ネジ部)
13 軸部
131 胴部
132 ネジ切り部
14 ナット
2 砥石台金
2’ 砥石台金
21 側面部
211 段付部
22 第一ネジ部(雌ネジ部)
23 挿入孔
3 砥粒
5 接合材
6 ポケット部
7 砥石チップ(袋ナット状砥石チップ)
77 ネジ部(雌ネジ部)
8 ボルト
88 ネジ部(雄ネジ部)
Claims (4)
- 円盤状の形態からなる砥石台金と、当該砥石台金の側面部に取り付けられる複数個の砥石チップと、からなるセグメント型砥石において、上記砥石チップを、上記砥石台金の側面部に設けられた第一のネジ部を形成する雌ネジ部に係合するものであって雄ネジ部からなる第二のネジ部と、当該第二のネジ部の一方の端部に設けられる頭部と、からなるようにするとともに、当該頭部の縦断面形状を、その中央部に設けられるものであって上記第二のネジ部の軸心に対して直角な方向に形成される平面と、当該平面の周りに設けられるものであって上記軸心に対して所定の頂角を持って形成される円錐面の一部からなる傾斜面と、からなるようにし、このように形成された平面及び傾斜面のところにダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(CBN)のうちの少なくともいずれか一方のものからなる砥粒を設けるようにし、更に、このような砥石チップが上記砥石台金の第一のネジ部のところに着脱可能なように取り付けられるようにしたことを特徴とするセグメント型砥石。
- 円盤状の形態からなる砥石台金と、当該砥石台金の側面部に取り付けられる複数個の砥石チップと、からなるセグメント型砥石において、上記砥石チップを、上記砥石台金の側面部に設けられた第一のネジ部を形成する雌ネジ部に係合するものであって雄ネジ部からなる第二のネジ部と、当該第二のネジ部の一方の端部に設けられる頭部と、からなるようにするとともに、当該頭部の縦断面形状を、上記第二のネジ部の軸心に対して直角な方向に形成される平面と、本砥石チップの取り付けられる砥石台金の中心線に対して所定の傾斜角を有する回転創成面の一部にて形成される傾斜面と、からなるようにし、このように形成された上記平面及び傾斜面のところにダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(CBN)のうちの少なくともいずれか一方のものからなる砥粒を設けるようにし、また、上記頭部のところに、本砥石チップの上記砥石台金に設けられた第一のネジ部への取り付けに当って、上記傾斜面が上記砥石台金の中心線を基準にして形成される回転創成面と一致するようにするための位置決め部を設け、更に、このような砥石チップが上記砥石台金の第一のネジ部のところに着脱可能なように、かつ、上記位置決め部が上記砥石台金の中心点を基点にして放射状に配列された状態で取り付けられるようにしたことを特徴とするセグメント型砥石。
- 円盤状の形態からなる砥石台金と、当該砥石台金の側面部に取り付けられる複数個の砥石チップと、からなるセグメント型砥石において、上記砥石台金の側面部に、当該砥石台金を貫通する挿入孔を設けるとともに、上記砥石台金の上記挿入孔の周りに段付部を設け、一方、上記砥石チップを、上記砥石台金の側面部に設けられた挿入孔に挿入される胴部及び当該胴部に連続して形成されるネジ切り部からなる軸部と、当該軸部のネジ切り部と反対側の端部に設けられる頭部と、からなるようにするとともに、当該頭部の横断面形状を多角形の形状を有するようにし、更に、その縦断面形状は中央部に形成されるものであって軸心に対して直角な方向に形成される平面並びに当該平面の周りに設けられるものであって上記軸心に対して所定の頂角を有した状態で形成される円錐面の一部にて形成される傾斜面からなるようにし、このように形成された各面の表面にダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(CBN)のうちの少なくともいずれか一方のものからなる砥粒を設けるようにし、更に、このような砥石チップの上記ネジ切り部とネジ結合するナットを設けるようにしたことを特徴とするセグメント型砥石。
- 円盤状の形態からなる砥石台金と、当該砥石台金の側面部に取り付けられる複数個の砥石チップと、からなるセグメント型砥石において、上記砥石台金の側面部に、当該砥石台金を貫通する挿入孔を設けるとともに、上記砥石チップを、上記砥石台金の側面部に設けられた挿入孔に挿入される胴部及び当該胴部に連続して形成されるネジ切り部からなる軸部と、当該軸部のネジ切り部と反対側の端部に設けられる頭部と、からなるようにし、当該頭部の縦断面形状を、上記軸部の軸心に対して直角な方向に形成される平面と、本砥石チップの取り付けられる砥石台金の中心線に対して所定の傾斜角を有する回転創成面の一部にて形成される傾斜面と、からなるようにし、このように形成された上記平面及び傾斜面のところにダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(CBN)のうちの少 なくともいずれか一方のものからなる砥粒を設けるようにし、また、上記頭部のところに、本砥石チップの上記砥石台金に設けられた挿入孔への取り付けに当って、上記傾斜面が上記砥石台金の中心線を基準にして形成される回転創成面と一致するようにするための位置決め部を設け、更に、このような砥石チップが上記砥石台金の挿入孔のところに挿入されるとともに上記位置決め部が上記砥石台金の中心点を基点にして放射状に配列された状態で取り付けられるようにするためのものであって上記ネジ切り部とネジ結合するナットを設けるようにしたことを特徴とするセグメント型砥石。
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