JP3682548B2 - インターネットファクシミリ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来技術に係るフルモードのインターネットファクシミリ装置20A,20B間の通信手順を示すシーケンス図である。
【0003】
電子メールを利用して画像データをインターネットを介して送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置においては、図2に示すように、初回の通信手順において、送信側のインターネットファクシミリ装置20Aは、原稿画像を自局の最高能力条件又はユーザが指定する能力条件で読み取ってオリジナル画像データとして画像メモリに格納した後、オリジナル画像データより解像度が悪い簡易画像データを生成し、オリジナル画像データのフォーマット情報とともに、簡易画像データを含む1回目の電子メールをインターネットを介して、相手先の受信側のインターネットファクシミリ装置20Bに送信する。これに応答して、受信側のインターネットファクシミリ装置20Bは、自局能力情報(画像データのファイル形式、可能な解像度とその縦横比、画像符号化方式、印刷する紙サイズの幅情報などの情報)とともに、画像データ要求を含む返信の電子メールをインターネットを介して、送信側のインターネットファクシミリ装置20Aに返信する。次いで、送信側のインターネットファクシミリ装置20Aは、受信した受信側の能力情報に基づいて、上記画像メモリに格納されたオリジナル画像データから当該能力情報に対応する画像データを生成し、当該画像データを含む電子メールをインターネットを介して、受信側のインターネットファクシミリ装置20Bに送信する。これに応答して、インターネットファクシミリ装置20Bは、正常に受信できたときはOKの送達確認を、もしくは、異常に受信したときはNGの送達確認を含む電子メールを送信側のインターネットファクシミリ装置20Aに対して返信する。
【0004】
次いで、2回目以降の通信手順においては、送信側のインターネットファクシミリ装置20Aは、先に受信した受信側の能力情報に基づいて、画像メモリに格納されたオリジナル画像データから当該能力情報に対応する画像データを生成し、当該画像データを含む電子メールをインターネットを介して、受信側のインターネットファクシミリ装置20Bに送信する。これに応答して、インターネットファクシミリ装置20Bは、正常に受信できたときはOKの送達確認を、もしくは、異常に受信したときはNGの送達確認を含む電子メールを送信側のインターネットファクシミリ装置20Aに対して返信する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のフルモードのインターネットファクシミリの通信手順においては、送信側のインターネットファクシミリ装置20Aでは、自局能力情報とともに画像データ要求を含む電子メールを受信するまでは、オリジナル画像データを画像メモリに格納しておく必要がある。しかしながら、格納期間が長くなると、画像メモリの記憶領域を圧迫し、他の通信に影響を及ぼす可能性があるという問題点があった。
【0006】
また、送信側のインターネットファクシミリ装置は、画像データ要求が到着するまでは、オリジナル画像データを画像メモリに保持しておく必要があるため、最初の簡易画像データを送信する際に、オリジナル画像データを保持する有効期間(以下、オリジナル画像データ保持有効期間という。)を一時的(transient)なものか、もしくは、半永久的(permanent)なものかを宣言して指定することができるように構成されている(以下、前者を「一時的有効期間」いい、後者を「半永久的有効期間」という。)。これはメモリ容量の少ない装置から送信することを考慮して準備されているものであるが、これら2つの選択的な指定しかできなかった。
【0007】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、オリジナル画像データを画像メモリに格納するオリジナル画像データ保持有効期間を、従来技術に比較して柔軟に、状況に応じて変更可能であるインターネットファクシミリ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明に係るインターネットファクシミリ装置は、オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、
ファクシミリ送信毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間を一時的有効期間又は半永久的有効期間と宣言して指定して入力する操作手段と、
上記一時的有効期間と指定されたとき、所定の第1の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記半永久的有効期間と指定されたとき、上記第1の有効期間よりも長い第2の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備え、
上記操作手段は、上記第1の有効期間の時間値を変更する第1の変更手段をさらに備えたことを特徴とする。
ここで、上記操作手段は、上記第2の有効期間の時間値を変更する第2の変更手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本願の第2の発明に係るインターネットファクシミリ装置は、オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、
ファクシミリ送信毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間の時間値を入力する操作手段と、
上記入力された有効期間の時間値を所定の境界しきい値と比較し、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値未満であるとき、一時的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値以上であるとき、半永久的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本願の第3の発明に係るインターネットファクシミリ装置は、オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、
相手先毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間を一時的有効期間又は半永久的有効期間と宣言して指定して入力する操作手段と、
上記一時的有効期間と指定されたとき、所定の第1の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記半永久的有効期間と指定されたとき、上記第1の有効期間よりも長い第2の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備え、上記操作手段は、上記第1の有効期間の時間値を変更する第1の変更手段をさらに備えたことを特徴とする。
ここで、上記操作手段は、上記第2の有効期間の時間値を変更する第2の変更手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
またさらに、本願の第4の発明に係るインターネットファクシミリ装置は、オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、
相手先毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間の時間値を入力する操作手段と、
上記入力された有効期間の時間値を所定の境界しきい値と比較し、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値未満であるとき、一時的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値以上であるとき、半永久的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0013】
<実施形態>
図1は、本発明に係る実施形態であるインターネットファクシミリ装置20の構成を示すブロック図である。
【0014】
本実施形態に係るインターネットファクシミリ装置20は、オリジナル画像データをコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の画像データメモリ領域8aに格納した後、電子メールを利用して画像データをインターネット40を介して送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置であり、オリジナル画像データ保持有効期間指定モードをオンするか否かをファクシミリ通信毎又は相手先毎に設定でき、これらの情報はコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の所定の領域に格納され、主制御部1は、上記指定された有効期間の間においてオリジナル画像データをコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の画像データメモリ領域8aに保持するように制御することを特徴としている。ここで、ユーザが操作部5を用いてオリジナル画像データ保持有効期間指定モードをオンしたとき、デフォルトの時間値又は操作部5により変更された時間値を有する「一時的有効期間」を宣言して指定する一方、オリジナル画像データ保持有効期間指定モードをオフしたとき、コンパクトフラッシュ(登録商標)8のメモリが物理的に存在して機能する限り無限の時間値を有する「半永久的有効期間」を宣言して指定する。
【0015】
図1において、インターネットファクシミリ装置20は、従来のG3方式等のファクシミリ通信機能を備えるとともに、図2の通信手順を備えたフルモードのインターネットファクシミリ機能を備えている。主制御部1は具体的にはCPUで構成されており、バス13を介して以下のハードウェア各部と接続されていてそれらを制御するほか、後述する種々のソフトウェアの機能を実行する。画像読取部2は、CCD等を利用したスキャナで原稿を読み取り、白黒2値に変換したドットイメージデータを出力する。画像記録部3は電子写真方式等のプリンタ装置であり、他のファクシミリ装置からファクシミリ通信により受信したイメージデータをハードコピーとしてプリントアウトして記録する。表示部4は、液晶表示装置(LCD)又はCRTディスプレイ等の表示装置であり、当該インターネットファクシミリ装置20の動作状態を表示したり、送信すべき原稿のイメージデータ、及び受信したイメージデータの表示を行う。
【0016】
操作部5は、当該インターネットファクシミリ装置20を操作するために必要な文字キー、ダイヤル用テンキー、短縮ダイヤルキー、ワンタッチダイヤルキー、及び各種のファンクションキー等を備える。なお、上述の表示部4をタッチパネル方式とすることにより、この操作部5の各種キーの内の一部又は全部を代用するように構成してもよい。
【0017】
ROM6は、当該インターネットファクシミリ装置20の動作に必要であって主制御部1によって実行される種々のソフトウェアのプログラムを予め格納する。これらのプログラムは、少なくとも図3乃至図6に図示されたフルモードのインターネットファクシミリ送信処理のプログラムを含み、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、MO、DVD−RAMなどの記録媒体に記録して、必要に応じてそのドライブ装置を介してSRAM7にロードして当該プログラムを実行してもよい。SRAM7は、主制御部1のワーキングエリアとして使用されてプログラムの実行時に発生する一時的なデータを記憶する。また、コンパクトフラッシュ(登録商標)8は、画像データを格納する画像データメモリ領域8aと、通信管理記録テーブルを記録するためのメモリ領域である通信管理記録テーブル領域8bとを含む。
【0018】
ファックスモデム10は、公衆電話回線Lを介して公衆電話網50に接続され、通常のファクシミリ通信用のファックスモデムの機能を有するモデムである。NCU(ネットワーク制御回路:Network Control Unit)11はアナログの公衆電話回線Lの直流ループなどの閉結及び開放の動作を行いかつ自動ダイヤル機能を有するハードウェア回路であり、必要に応じてファックスモデム10を公衆電話回線Lに接続する。ここで、NCU11は、発信電話番号通知サービスにおけるID受信端末起動信号、通常の電話呼出信号の検出を行うとともに、必要に応じて発信電話番号通知サービスにおける1次応答信号及び2次応答信号を発信することができる。なお、NCU11を所定のターミナルアダプタ及びDSU(加入者線終端装置:Digital Service Unit)を介して、ベースバンド伝送方式のデジタル回線(例えば、ISDN回線)に接続するようにしてもよい。
【0019】
インターフェース回路12は、当該インターネットファクシミリ装置20を、例えばイーサネット(登録商標)などのLAN30等に接続するために、信号やデータの信号変換やプロトコル変換を行うLANインターフェース回路であり、LAN30にはメールサーバ装置31とルータ装置32が接続される。さらに、ルータ装置32はインターネット40を介して相手先のメールサーバ装置(図示せず。)に接続される。当該インターネットファクシミリ装置20から画像データを電子メール本文に挿入して、他のインターネットファクシミリ装置に対してメール送信するときは、インターフェース回路12からLAN30を介して一旦メールサーバ装置31に送信した後、メールサーバ装置31が当該インターネットメールを、LAN30、ルータ装置32、インターネット40、及び相手先のメールサーバ装置(図示せず。)を介して送信先のインターネットファクシミリ装置にメール送信する。一方、電子メールを受信するときは、上記の逆の経路で受信する。なお、インターネット40への回線接続は、専用回線などに限らず、公衆電話回線Lを用いたダイヤルアップ接続でもよい。
【0020】
以上のように構成された本実施形態のインターネットファクシミリ装置20は、通常のG3方式及びインターネット等のファクシミリ通信機能に加えて、インターネットファクシミリ機能を有している。ファクシミリ通信機能において、画像読取部2により読み取られたドットイメージデータはファクシミリ通信の規格で定められているMH,MR,MMR等の符号化方式に従ってソフトウェアにより符号化された後、相手先のファクシミリ装置に送信される一方、逆に相手先のファクシミリ装置から受信した符号化データもソフトウェアによりイメージデータに復号化されて画像記録部3からハードコピーとして出力される。
【0021】
次いで、本実施形態に係るフルモードのインターネットファクシミリ送信時の電子メールの一例を以下に示す。
【0022】
まず、表1に、簡易画像データの送信時の電子メールの一例を示す。表1から明らかなように、挿入されたTIFF形式の画像データの前に、挿入された画像データのフォーマット情報(画像データのファイル形式、可能な解像度とその縦横比、画像符号化方式、印刷する紙サイズの幅情報などの情報)を含むとともに、オリジナル画像データのフォーマット情報(画像データのファイル形式、可能な解像度とその縦横比、画像符号化方式、印刷する紙サイズの幅情報などの情報)を含んでいる。また、表1の8行目において、「permanent」と記載されているが、これはオリジナル画像データ保持有効期間が「半永久的」であることを示す。
【0023】
【表1】
【0024】
次いで、表2に、画像データ要求の送信時の電子メールの一例を示す。表2から明らかなように、当該電子メールの最後に、受信側の自局能力情報(画像データのファイル形式、可能な解像度とその縦横比、画像符号化方式、印刷する紙サイズの幅情報などの情報)を含んでいる。
【0025】
【表2】
【0026】
さらに、表3に、2回目の画像データの送信時の電子メールの一例を示す。表3から明らかなように、電子メールの最後部に変換されたTIFF形式の画像データが挿入されている。
【0027】
【表3】
【0028】
またさらに、表4に、送達確認の送信時の電子メールの一例を示す。表4から明らかなように、電子メールの最初部において、送達確認情報が挿入され、その最後部に、受信側の自局能力情報(画像データのファイル形式、可能な解像度とその縦横比、画像符号化方式、印刷する紙サイズの幅情報などの情報)を含んでいる。
【0029】
【表4】
【0030】
本実施形態においては、オリジナル画像データ保持有効期間指定モードをオンするか否かをファクシミリ通信毎又は相手先毎に設定でき、これらの情報はコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の所定の領域に格納され、主制御部1は、上記指定された有効期間の間においてオリジナル画像データをコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の画像データメモリ領域8aに保持するように制御する。ここで、ユーザが操作部5を用いてオリジナル画像データ保持有効期間指定モードをオンしたとき、デフォルトの時間値(例えば、72時間)又は操作部5により変更された時間値を有する「一時的有効期間」を宣言して指定する一方、オリジナル画像データ保持有効期間指定モードをオフしたとき、コンパクトフラッシュ(登録商標)8のメモリが物理的に存在して機能する限り無限の時間値を有する「半永久的有効期間」を宣言して指定する。なお、「一時的有効期間」は操作部5を用いて変更可能である。
【0031】
図3は、図1のインターネットファクシミリ装置20の主制御部1によって実行される、フルモードのインターネットファクシミリ送信処理を示すフローチャートである。
【0032】
図3のステップS1において、まず、スタートキーをオンしたか否かが判断され、YESとなったときに、ステップS2において原稿画像を自局の最高能力条件又はユーザが指定する能力条件で読み取ってオリジナル画像データとしてコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の画像データメモリ領域8aに格納し、ステップS3においてオリジナル画像データのフォーマット情報とともに簡易画像データを含む電子メールをインターネット40を介して相手先のインターネットファクシミリ装置に送信する。次いで、ステップS4において相手先のインターネットファクシミリ装置から返信を受信したか否かが判断され、NOのときはステップS5に進む一方、YESのときはステップS8に進む。ステップS5においてオリジナル画像データ保持有効期間指定モードが設定されているか否かが判断され、NOのときはステップS4に戻る一方、YESのときはステップS6に進む。次いで、ステップS6において、予め設定された「一時的有効期間」の時間値(例えば、72時間)だけ経過したか否かが判断され、NOのときはステップS4に戻る一方、YESのときはステップS7に進む。ステップS7において図4の送信エラー処理を実行した後、当該インターネットファクシミリ送信処理を終了する。
【0033】
また、ステップS8において画像データ要求か否かが判断され、YESのときはステップS9に進む一方、NOのときはステップS10に進む。ステップS9において図6の画像データ送信処理を実行した後、当該インターネットファクシミリ送信処理を終了する。一方、ステップS10においてOKの送達確認か否かが判断され、YESのときはステップS11に進む一方、NOのときはステップS12に進む。ステップS11において図5の送信完了処理を実行した後、当該インターネットファクシミリ送信処理を終了する。一方、ステップS12においては、図4の送信エラー処理を実行した後、当該インターネットファクシミリ送信処理を終了する。
【0034】
図4は、図3及び図6のサブルーチンである送信エラー処理(S7,S12,S45)を示すフローチャートである。
【0035】
図4のステップS21において画像データメモリ領域8aに格納されたオリジナル画像データを消去し、ステップS22において相手先から返信を受信できなかった、もしくは、NGの送達確認を受信した場合に、上述のようにオリジナル画像データを消去した旨を知らせる送信エラーレポートを画像記録部3を用いて印字して出力し、ステップS23において当該送信エラーをコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の通信管理記録テーブル領域8bに記録し、元のメインルーチンに戻る。
【0036】
図5は、図3及び図6のサブルーチンである送信完了処理(S11,S46)を示すフローチャートである。
【0037】
図5のステップS31において、まず、画像データメモリ領域8aに格納されたオリジナル画像データを消去し、ステップS32において当該送信完了をコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の通信管理記録テーブル領域8bに記録し、元のメインルーチンに戻る。
【0038】
図6は、図3のサブルーチンである画像データ送信処理(S9)を示すフローチャートである。
【0039】
図6のステップS41において、まず、画像データメモリ領域8a内のオリジナル画像データを画像データ要求によって要求されるフォーマットに変換して、変換された画像データを含む電子メールをインターネット40を介して相手先のインターネットファクシミリ装置に送信し、ステップS42においてOKの送達確認を受信したか否かが判断され、NOのときはステップS43に進む一方、YESのときはステップS46に進む。ステップS43においてオリジナル画像データ保持有効期間指定モードが設定されているか否かが判断され、NOのときはステップS42に戻る一方、YESのときはステップS44に進む。次いで、ステップS44において、予め設定された「一時的有効期間」の時間値(例えば、72時間)だけ経過したか否かが判断され、NOのときはステップS42に戻る一方、YESのときはステップS45に進む。ステップS45においては、図4の送信エラー処理を実行した後、元のメインルーチンに戻る。一方、ステップS46においては、図5の送信完了処理を実行した後、元のメインルーチンに戻る。
【0040】
フルモードのインターネットファクシミリ装置においては、最初にオリジナル原稿の情報を伴う簡易画像を送信し、相手からの要求があれば相手機の能力に合わせた画像を再送する。しかし、送信側のインターネットファクシミリ装置はこの間オリジナル画像データを保持しておく必要があるため、最初の簡易画像データを送信する際にオリジナル画像データの有効期間を「一時的」なものか「半永久的」なものかを指定することができる。これはメモリ容量の少ない装置から送信することを考慮して準備されているものであるが、一時的でも実際にはどの程度の時間が妥当かは装置が設置されている環境などによって左右される。また、装置の能力にかかわらず送信する原稿の内容によってはできるだけ相手機に高品質な画像を送信したい場合も考えられる。そこで、本実施形態では以下の処理を行っている。
(1)送信側のインターネットファクシミリ装置20において、ファクシミリ通信毎にユーザがオリジナル画像データ保持有効期間を「一時的有効期間」か「半永久的有効期間」かを宣言して指定することができ、よりユーザーの意図に合った送信が可能になる。
(2)送信側のインターネットファクシミリ装置20において、相手先毎にオリジナル画像データ保持有効期間を「一時的有効期間」か「半永久的有効期間」かを宣言して指定することができ、より相手先の装置に合わせた送信が可能になる。
(3)「一時的有効期間」と宣言する場合の有効期間の時間値をユーザーが操作部5を用いて設定でき、最適な時間を設定できる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、オリジナル画像データ保持有効期間指定モードをオンするか否か、すなわち「一時的有効期間」か「半永久的有効期間」かを宣言して指定することをファクシミリ通信毎又は相手先毎に設定でき、これらの情報はコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の所定の領域に格納され、主制御部1は、上記指定された有効期間の間においてオリジナル画像データをコンパクトフラッシュ(登録商標)8内の画像データメモリ領域8aに保持するように制御する。従って、オリジナル画像データを保持する有効期間をファクシミリ通信毎又は相手先毎に、状況に応じて宣言して指定でき、従来技術に比較して柔軟に変更可能である。
【0042】
また、「一時的有効期間」の時間値を操作部5を用いて変更できる。従って、オリジナル画像データを保持する有効期間を、従来技術に比較して柔軟に、状況に応じて変更可能である。
【0043】
<変形例>
以上の実施形態においては、インターネットファクシミリ装置20の例について述べているが、本発明はこれに限らず、公衆電話網又は公衆デジタル回線網などの公衆網に接続された、例えば電話機、データ通信装置などを含む通信端末装置に適用することができる。
【0044】
以上の実施形態において、オリジナル画像データ保持有効期間を、当該装置のハードウエア資源の状態、又は上記画像データを送信する時間帯に応じて、自動的に、一時的有効期間又は半永久的有効期間と宣言して指定するように構成してもよい。前者のハードウエア資源の状態は、コンパクトフラッシュ(登録商標)8内の画像データメモリ領域8aの空きサイズ又は通信ネットワークのトラフィック(具体的には、公衆電話回線Lの通信頻度のトラフィック、又はルータ装置32からインターネット40へのトラフィックなどである。以上のように構成することにより、より装置の状態に合わせた送信が可能になり、もしくは、ユーザによりオリジナル画像データ保持有効期間について最適な時間を設定でき、ユーザのニーズに合わせて設定でき、装置の操作性を向上できる。
【0045】
以上の実施形態においては、「半永久的有効期間」は無限の時間値を有しているが、本発明はこれに限らず、デフォルト又は操作部5を用いて変更された所定の時間値を有してもよい。また、「一時的有効期間」の時間値と、「半永久的有効期間」の時間値のしきい値との間の境界しきい値を設定しておき、ユーザが有効期間の任意の時間値を入力したとき、その入力の時間値に応じて、「一時的有効期間」又は「半永久的有効期間」が宣言されて指定されてもよい。例えば、上記境界しきい値を72時間としたとき、ユーザが操作部5を用いて有効期間24時間を入力したときはオリジナル画像データ保持有効期間として「一時的有効期間」が設定される一方、ユーザが操作部5を用いて有効期間75時間を入力したときはオリジナル画像データ保持有効期間として「半永久的有効期間」が設定される。従って、ユーザによりオリジナル画像データ保持有効期間について最適な時間を設定でき、ユーザのニーズに合わせて設定でき、装置の操作性を向上できる。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願の第1の発明に係るインターネットファクシミリ装置によれば、オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置であって、ファクシミリ送信毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間を一時的有効期間又は半永久的有効期間と宣言して指定して入力する操作手段と、上記一時的有効期間と指定されたとき、所定の第1の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記半永久的有効期間と指定されたとき、上記第1の有効期間よりも長い第2の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備えたインターネットファクシミリ装置において、上記操作手段は、上記第1の有効期間の時間値を変更する第1の変更手段をさらに備える。また、上記操作手段は、上記第2の有効期間の時間値を変更する第2の変更手段をさらに備える。従って、オリジナル画像データを保持する有効期間をファクシミリ通信毎に、状況に応じて宣言して指定でき、従来技術に比較して柔軟に変更可能である。
【0047】
また、本願の第2の発明に係るインターネットファクシミリ装置によれば、オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、ファクシミリ送信毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間の時間値を入力する操作手段と、上記入力された有効期間の時間値を所定の境界しきい値と比較し、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値未満であるとき、一時的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値以上であるとき、半永久的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備える。従って、ユーザによりオリジナル画像データ保持有効期間について最適な時間を設定でき、ユーザのニーズに合わせて設定でき、装置の操作性を向上できる。
【0048】
さらに、本願の第3の発明に係るインターネットファクシミリ装置によれば、オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、相手先毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間を一時的有効期間又は半永久的有効期間と宣言して指定して入力する操作手段と、上記一時的有効期間と指定されたとき、所定の第1の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記半永久的有効期間と指定されたとき、上記第1の有効期間よりも長い第2の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備え、記操作手段は、上記第1の有効期間の時間値を変更する第1の変更手段をさらに備える。ここで、上記操作手段は、上記第2の有効期間の時間値を変更する第2の変更手段をさらに備える。従って、オリジナル画像データを保持する有効期間を相手先毎に、状況に応じて宣言して指定でき、従来技術に比較して柔軟に変更可能である。
またさらに、本願の第4の発明に係るインターネットファクシミリ装置によれば、オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、相手先毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間の時間値を入力する操作手段と、上記入力された有効期間の時間値を所定の境界しきい値と比較し、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値未満であるとき、一時的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値以上であるとき、半永久的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備える。従って、ユーザによりオリジナル画像データ保持有効期間について最適な時間を設定でき、ユーザのニーズに合わせて設定でき、装置の操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施形態であるインターネットファクシミリ装置20の構成を示すブロック図である。
【図2】 従来技術に係るフルモードのインターネットファクシミリ装置20A,20B間の通信手順を示すシーケンス図である。
【図3】 図1のインターネットファクシミリ装置20の主制御部1によって実行される、フルモードのインターネットファクシミリ送信処理を示すフローチャートである。
【図4】 図3及び図6のサブルーチンである送信エラー処理(S7,S12,S45)を示すフローチャートである。
【図5】 図3及び図6のサブルーチンである送信完了処理(S11,S46)を示すフローチャートである。
【図6】 図3のサブルーチンである画像データ送信処理(S9)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…主制御部、
2…画像読取部、
3…画像記録部、
4…表示部、
5…操作部、
6…ROM、
7…SRAM、
8…コンパクトフラッシュ(登録商標)、
8a…画像データメモリ領域、
8b…通信管理記録テーブル領域、
10…ファックスモデム、
11…NCU、
12…インターフェース回路、
13…バス、
20…インターネットファクシミリ装置、
30…LAN、
31…メールサーバ装置、
32…ルータ装置、
40…インターネット、
50…公衆電話網、
L…公衆電話回線。
Claims (6)
- オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、
ファクシミリ送信毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間を一時的有効期間又は半永久的有効期間と宣言して指定して入力する操作手段と、
上記一時的有効期間と指定されたとき、所定の第1の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記半永久的有効期間と指定されたとき、上記第1の有効期間よりも長い第2の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備え、
上記操作手段は、上記第1の有効期間の時間値を変更する第1の変更手段をさらに備えたことを特徴とするインターネットファクシミリ装置。 - 上記操作手段は、上記第2の有効期間の時間値を変更する第2の変更手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のインターネットファクシミリ装置。
- オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、
ファクシミリ送信毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間の時間値を入力する操作手段と、
上記入力された有効期間の時間値を所定の境界しきい値と比較し、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値未満であるとき、一時的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値以上であるとき、半永久的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とするインターネットファクシミリ装置。 - オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、
相手先毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間を一時的有効期間又は半永久的有効期間と宣言して指定して入力する操作手段と、
上記一時的有効期間と指定されたとき、所定の第1の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記半永久的有効期間と指定されたとき、上記第1の有効期間よりも長い第2の有効期間において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備え、
上記操作手段は、上記第1の有効期間の時間値を変更する第1の変更手段をさらに備えたことを特徴とするインターネットファクシミリ装置。 - 上記操作手段は、上記第2の有効期間の時間値を変更する第2の変更手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載のインターネットファクシミリ装置。
- オリジナル画像データを記憶手段に格納した後、電子メールを利用して画像データを送信するフルモードのインターネットファクシミリ装置において、
相手先毎に、オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する有効期間の時間値を入力する操作手段と、
上記入力された有効期間の時間値を所定の境界しきい値と比較し、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値未満であるとき、一時的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持する一方、上記入力された有効期間の時間値が上記境界しきい値以上であるとき、半永久的有効期間と判断して指定され上記入力された有効期間の時間値において上記オリジナル画像データを上記記憶手段に保持するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とするインターネットファクシミリ装置。
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