JP3680277B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はハイブリッド車両の制御装置に係り、特に、変速機に入力される入力トルクを所定の条件下で強制的に低下させるトルクダウン制御に関するものである。
(a) 燃料の燃焼によって作動するエンジンと、(b) モータジェネレータと、(c) 前記エンジンおよび前記モータジェネレータと駆動輪との間に配設された変速比を変更可能な変速機と、(d) その変速機の変速時にその変速機に入力される入力トルクを所定のトルクダウン条件下で強制的に低下させるトルクダウン制御手段とを有するハイブリッド車両が提案されている。特許文献1に開示されているハイブリッド車両はその一例で、変速機の変速時に所定のトルクダウン条件下、例えばパワーオンアップシフトのイナーシャ相などで、モータジェネレータ(電動モータ)のトルク制御により入力トルクを一時的に低下させるようになっている。
特開平6−319210号公報
しかしながら、このようにモータジェネレータのトルク制御だけで入力トルクのトルクダウン制御を行う場合には、蓄電装置の蓄電量SOCや走行モードによってトルクダウン制御が不可となることがあるなど、必ずしも十分に満足できないことがあった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、エンジンおよびモータジェネレータと駆動輪との間に変速機が設けられているハイブリッド車両において、変速機に入力される入力トルクのトルクダウン制御が種々の運転条件下で好適に行われるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 燃料の燃焼によって作動するエンジンと、(b) モータジェネレータと、(c) 前記エンジンおよび前記モータジェネレータと駆動輪との間に配設されるとともに、係合手段によって変速比が異なる複数の変速段で変速が行われる自動変速機と、を有するハイブリッド車両の制御装置において、(d) エンジン走行モードにおける前記自動変速機の変速時に、トルクダウン源として前記モータジェネレータを使用可能であれば、前記エンジンを使用するトルクダウン制御に優先してそのモータジェネレータをトルクダウン源として使用し、そのモータジェネレータに逆回転トルクを発生させて入力トルクを低下させることにより、イナーシャ相中の出力トルクの増加を抑制するトルクダウン制御手段を有することを特徴とする。
第2発明は、第1発明のハイブリッド車両の制御装置において、前記トルクダウン制御手段は、前記モータジェネレータによる逆回転トルクの発生が不可の場合には、前記エンジンの遅角制御で入力トルクを低下させて前記出力トルクの増加を抑制することを特徴とする。
第3発明は、第2発明のハイブリッド車両の制御装置において、前記モータジェネレータによる逆回転トルクの発生が不可か否かは、該モータジェネレータに電力を供給する蓄電装置の蓄電量に基づいて判断することを特徴とする。
第4発明は、第2発明または第3発明のハイブリッド車両の制御装置において、前記トルクダウン制御手段による前記エンジンの遅角制御が不可の場合に、前記自動変速機が低車速側で変速されるように変速パターンを変更する変速パターン変更手段を有することを特徴とする。
第5発明は、第2発明〜第4発明の何れかのハイブリッド車両の制御装置において、前記トルクダウン制御手段による前記エンジンの遅角制御が不可の場合に、変速時に係合させられる前記係合手段の過渡係合圧を高くする係合圧増大手段を有することを特徴とする。
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかのハイブリッド車両の制御装置において、前記トルクダウン制御手段は、制御終了時に前記モータジェネレータのトルクを徐々に変化させて元の状態に復帰させることを特徴とする。
第7発明は、第1発明〜第6発明の何れかのハイブリッド車両の制御装置において、(a) 前記モータジェネレータは遊星歯車装置を介して前記自動変速機に連結されているとともに、その遊星歯車装置は第2クラッチCE2 により一体回転させられるようになっており、(b) 前記トルクダウン制御手段は、前記第2クラッチCE2 を係合させて前記モータジェネレータを前記自動変速機に直結した状態で、そのモータジェネレータに逆回転トルクを発生させることを特徴とする。
第8発明は、第1発明〜第7発明の何れかのハイブリッド車両の制御装置において、前記トルクダウン制御手段による制御時には、入力トルクのトルクダウン量に応じて前記自動変速機の係合手段の過渡係合圧を低下させることを特徴とする。
第9発明は、(a) 燃料の燃焼によって作動するエンジンと、(b) モータジェネレータと、(c) 前記エンジンおよび前記モータジェネレータと駆動輪との間に配設されるとともに、係合手段によって変速比が異なる複数の変速段で変速が行われる自動変速機と、を有するハイブリッド車両の制御装置において、(d) 前記自動変速機のクラッチツウクラッチ変速時に、前記モータジェネレータのトルク制御で入力トルクを低下させることにより、入力回転数のオーバーシュートを抑制するトルクダウン制御手段を有する一方、(e) 前記エンジンおよび前記モータジェネレータの作動状態が異なる複数の走行モードを備えているとともに、(f) 前記トルクダウン制御手段は、前記走行モードに応じて異なる態様で前記モータジェネレータのトルク制御を行うことを特徴とする。
10発明は、第発明のハイブリッド車両の制御装置において、前記自動変速機の変速時に変速に関与する所定の物理量を学習制御する学習制御手段が、前記トルクダウン制御手段による前記モータジェネレータのトルク制御の態様に応じて複数設けられていることを特徴とする。
第1発明のハイブリッド車両の制御装置においては、エンジン走行モードにおける自動変速機の変速時に、トルクダウン源として前記モータジェネレータを使用可能であれば、前記エンジンを使用するトルクダウン制御に優先してそのモータジェネレータをトルクダウン源として使用し、そのモータジェネレータに逆回転トルクを発生させて入力トルクを低下させることにより、イナーシャ相中の出力トルクの増加を抑制するトルクダウン制御手段を有するため、トルクダウン制御が種々の運転条件下で好適に行われるようになり、イナーシャ相での出力トルクの増大が効果的に防止される。
第2発明では、トルクダウン源としてモータジェネレータを使用できない場合でも、エンジンの遅角制御で良好にトルクダウン制御が行われる。
第9発明では、自動変速機のクラッチツウクラッチ変速時に、モータジェネレータのトルク制御で入力トルクを低下させることにより、入力回転数のオーバーシュートを抑制するトルクダウン制御手段を有するとともに、そのトルクダウン制御手段は走行モードに応じて異なる態様でモータジェネレータのトルク制御を行うため、トルクダウン制御が種々の運転条件下で好適に行われるようになり、クラッチツウクラッチ変速時のオーバーシュートが効果的に防止される。
10発明では、走行モードの相違すなわち動力源のイナーシャの相違やトルクダウン制御の制御精度、応答性の相違などに拘らず、高い精度で学習制御が行われる。
ここで、本発明は、例えばクラッチにより動力伝達を接続、遮断することによって動力源を切り換える切換タイプや、遊星歯車装置などの合成分配機構によってエンジンおよびモータジェネレータの出力を合成したり分配したりするミックスタイプ、モータジェネレータ(電動モータ)およびエンジンの一方を補助的に使うアシストタイプなど、種々のタイプのハイブリッド車両に適用され得る。
また、かかるハイブリッド車両は、エンジンおよびモータジェネレータの作動状態が異なる複数の走行モードで走行させられるように構成されることが望ましい。走行モードとしては、エンジンのみを動力源として走行するエンジン走行モード、電動モータのみを動力源として走行するモータ走行モード、エンジンおよび電動モータの両方を動力源として走行するエンジン+モータ走行モードなどがあり、例えば要求出力(アクセル操作量などの車両負荷に相当)や車速などをパラメータとして自動的にそれ等の走行モードが切り換えられるように構成される。
モータジェネレータは、電動モータおよび発電機(ジェネレータ)の少なくとも一方として機能させられるものであれば良く、運転状態に応じて両方の機能を使い分けて用いられるものでも良い。また、シリーズタイプのように複数のモータジェネレータを用いることもできる。
自動変速機としては、予め定められた変速条件に従って変速比が自動的に変更される自動変速機、例えば油圧式摩擦係合手段によって変速比が異なる複数の変速段で変速制御される遊星歯車式の有段の自動変速機が好適に用いられるが、運転者のスイッチ操作、シフト操作などに従って電気的に変速段が切り換えられるものでも良い。有段自動変速機の変速条件としては、車速およびアクセル操作量をパラメータとする変速パターンが好適に用いられる。
第1発明のトルクダウン制御は、例えばアップシフト時のイナーシャ相中に行われるもので、第9発明のクラッチツウクラッチ変速は、一つの係合手段を係合するとともに他の係合手段を解放して変速するものである。
第9発明のトルクダウン制御手段は、モータの正回転トルクの低減、逆回転トルクの印加などによって変速機への入力トルクを低下させるもので、モータ走行モード時は勿論、エンジン走行モード時やエンジン+モータ走行モード時にも使用できる。モータジェネレータが反力を担うことによってエンジントルクを出力する電気式トルコンの場合、モータジェネレータの反力トルクを低減して出力トルク、すなわち変速機への入力トルクを低下させることもできる。
また、エンジンおよびモータジェネレータが共にトルクダウン源として使用できない場合は、第4発明、第5発明のように、変速機の係合手段の負担を小さくする上で、通常よりも低車速側で変速が行われるように変速パターンを変更したり、変速時に係合させられる係合手段の過渡係合圧(過渡油圧など)を高くしたりすることが望ましい。
また、本発明のトルクダウン制御時には、第8発明のように、自動変速機の係合手段の過渡係合圧をトルクダウン量に応じて低下させることが可能である。
10発明の学習制御手段は、例えば油圧式摩擦係合手段の係合、解放制御で変速機の変速段が切り換えられる場合、所定の物理量として変速時の過渡油圧を学習制御するように構成され、例えば所定の変速条件を満足するように前記トルクダウン量をフィードバック制御する場合には、そのフィードバック制御の補正量に応じて過渡油圧を変更(学習)するように構成される。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である制御装置を備えているハイブリッド車両のハイブリッド駆動装置10の骨子図である。このハイブリッド駆動装置10はFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両用のもので、燃料の燃焼によって作動する内燃機関等のエンジン12と、電動モータおよび発電機として使用されるモータジェネレータ14と、シングルピニオン型の遊星歯車装置16と、自動変速機18とを車両の前後方向に沿って備えており、出力軸19から図示しないプロペラシャフトや差動装置などを介して左右の駆動輪(後輪)へ動力を伝達する。遊星歯車装置16は機械的に力を合成分配する合成分配機構で、モータジェネレータ14と共に電気式トルコン24を構成しており、そのリングギヤ16rは第1クラッチCE1 を介してエンジン12に連結され、サンギヤ16sはモータジェネレータ14のロータ軸14rに連結され、キャリア16cは自動変速機18の入力軸26に連結されている。また、サンギヤ16sおよびキャリア16cは第2クラッチCE2 によって連結されるようになっている。なお、エンジン12の出力は、回転変動やトルク変動を抑制するためのフライホイール28およびスプリング、ゴム等の弾性部材によるダンパ装置30を介して第1クラッチCE1 に伝達される。第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 は、何れも油圧アクチュエータによって係合、解放される摩擦式の多板クラッチである。
自動変速機18は、前置式オーバードライブプラネタリギヤユニットから成る副変速機20と、単純連結3プラネタリギヤトレインから成る前進4段、後進1段の主変速機22とを組み合わせたものである。具体的には、副変速機20はシングルピニオン型の遊星歯車装置32と、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式のクラッチC0 、ブレーキB0 と、一方向クラッチF0 とを備えて構成されている。主変速機22は、3組のシングルピニオン型の遊星歯車装置34、36、38と、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式のクラッチC1 , C2 、ブレーキB1 ,B2 ,B3 ,B4 と、一方向クラッチF1 ,F2 とを備えて構成されている。そして、図2に示されているソレノイドバルブSL1〜SL4の励磁、非励磁により油圧回路44が切り換えられたり、シフトレバーに機械的に連結されたマニュアルシフトバルブによって油圧回路44が機械的に切り換えられたりすることにより、油圧式摩擦係合手段であるクラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 ,B4 がそれぞれ係合、解放制御され、図3に示されているようにニュートラル(N)と前進5段(1st〜5th)、後進1段(Rev)の各変速段が成立させられる。なお、上記自動変速機18や前記電気式トルコン24は、中心線に対して略対称的に構成されており、図1では中心線の下半分が省略されている。
図3のクラッチ、ブレーキ、一方向クラッチの欄の「○」は係合、「●」は図示しないシフトレバーがエンジンブレーキレンジ、たとえば「3」、「2」、及び「L」レンジ等の低速レンジへ操作された場合に係合、そして、空欄は非係合を表している。その場合に、ニュートラルN、後進変速段Rev、及びエンジンブレーキレンジは、シフトレバーに機械的に連結されたマニュアルシフトバルブによって油圧回路44が機械的に切り換えられることによって成立させられ、シフトレバーがD(前進)レンジへ操作された場合の1st〜5thの相互間の変速はソレノイドバルブSL1〜SL4によって電気的に制御される。また、前進変速段の変速比は1st(第1変速段)から5th(第5変速段)となるに従って段階的に小さくなり、4thの変速比i4 =1(直結)である。図3に示されている変速比は一例である。
油圧回路44は図4に示す回路を備えている。図4において符号70は1−2シフトバルブを示し、符号71は2−3シフトバルブを示し、符号72は3−4シフトバルブを示している。これらのシフトバルブ70、71、72の各ポートの各変速段での連通状態は、それぞれのシフトバルブ70、71、72の下側に示している通りである。なお、その数字は各変速段を示す。
2−3シフトバルブ71のポートのうち第1変速段および第2変速段で入力ポート73に連通するブレーキポート74に、第3ブレーキB3 が油路75を介して接続されている。この油路にはオリフィス76が介装されており、そのオリフィス76と第3ブレーキB3 との間にダンパーバルブ77が接続されている。このダンパーバルブ77は、第3ブレーキB3 にライン圧PLが急激に供給された場合に少量の油圧を吸入して緩衝作用を行うものである。
符号78はB−3コントロールバルブであって、第3ブレーキB3 の係合圧を制御するようになっている。すなわち、このB−3コントロールバルブ78は、スプール79とプランジャ80とこれらの間に介装したスプリング81とを備えており、スプール79によって開閉される入力ポート82に油路75が接続され、またこの入力ポート82に選択的に連通させられる出力ポート83が第3ブレーキB3 に接続されている。さらにこの出力ポート83は、スプール79の先端側に形成したフィードバックポート84に接続されている。一方、上記スプリング81を配置した箇所に開口するポート85には、2−3シフトバルブ71のポートのうち第3変速段以上の変速段でDレンジ圧(ライン圧PL)を出力するポート86が油路87を介して連通させられている。また、プランジャ80の端部側に形成した制御ポート88には、リニアソレノイドバルブSLUが接続され、信号圧PSLU が作用させられるようになっている。したがって、B−3コントロールバルブ78は、スプリング81の弾性力とポート85に供給される油圧とによって調圧レベルが設定され、且つ制御ポート88に供給される信号圧PSLU が高いほどスプリング81による弾性力が大きくなるように構成されている。
図4における符号89は、2−3タイミングバルブであって、この2−3タイミングバルブ89は、小径のランドと2つの大径のランドとを形成したスプール90と第1のプランジャ91とこれらの間に配置したスプリング92とスプール90を挟んで第1のプランジャ91とは反対側に配置された第2のプランジャ93とを有している。2−3タイミングバルブ89の中間部のポート94に油路95が接続され、また、この油路95は2−3シフトバルブ71のポートのうち第3変速段以上の変速段でブレーキポート74に連通させられるポート96に接続されている。油路95は途中で分岐して、前記小径ランドと大径ランドとの間に開口するポート97にオリフィスを介して接続されており、上記ポート94に選択的に連通させられるポート98は油路99を介してソレノイドリレーバルブ100に接続されている。そして、第1のプランジャ91の端部に開口しているポートにリニアソレノイドバルブSLUが接続され、また第2のプランジャ93の端部に開口するポートに第2ブレーキB2 がオリフィスを介して接続されている。
前記油路87は第2ブレーキB2 に対して油圧を供給・排出するためのものであって、その途中には小径オリフィス101とチェックボール付きオリフィス102とが介装されている。また、この油路87から分岐した油路103には、第2ブレーキB2 から排圧する場合に開くチェックボールを備えた大径オリフィス104が介装され、この油路103はオリフィスコントロールバルブ105に接続されている。
オリフィスコントロールバルブ105は第2ブレーキB2 からの排圧速度を制御するためのバルブであって、そのスプール106によって開閉されるように中間部に形成したポート107には第2ブレーキB2 が接続されており、このポート107より図での下側に形成したポート108に前記油路103が接続されている。第2ブレーキB2 を接続してあるポート107より図での上側に形成したポート109は、ドレインポートに選択的に連通させられるポートであって、このポート109には、油路110を介して前記B−3コントロールバルブ78のポート111が接続されている。尚、このポート111は、第3ブレーキB3 を接続してある出力ポート83に選択的に連通させられるポートである。
オリフィスコントロールバルブ105のポートのうちスプール106を押圧するスプリングとは反対側の端部に形成した制御ポート112が油路113を介して、3−4シフトバルブ72のポート114に接続されている。このポート114は、第3変速段以下の変速段で第3ソレノイドバルブSL3の信号圧を出力し、また、第4変速段以上の変速段で第4ソレノイドバルブSL4の信号圧を出力するポートである。さらに、このオリフィスコントロールバルブ105には、前記油路95から分岐した油路115が接続されており、この油路115を選択的にドレインポートに連通させるようになっている。
なお、前記2−3シフトバルブ71において第2変速段以下の変速段でDレンジ圧を出力するポート116が、前記2−3タイミングバルブ89のうちスプリング92を配置した箇所に開口するポート117に油路118を介して接続されている。また、3−4シフトバルブ72のうち第3変速段以下の変速段で前記油路87に連通させられるポート119が油路120を介してソレノイドリレーバルブ100に接続されている。
符号121は第2ブレーキB2 用のアキュムレータを示し、その背圧室にはリニアソレノイドバルブSLNが出力する信号圧PSLN に応じて調圧されたアキュムレータコントロール圧Pacが供給されるようになっている。2→3変速時に前記2−3シフトバルブ71が切り換えられると、第2ブレーキB2 には油路87を介してDレンジ圧(ライン圧PL)が供給されるが、このライン圧PLによってアキュムレータ121のピストン121pが上昇を開始する。このピストン121pが上昇している間は、ブレーキB2 に供給される油圧(係合圧)PB2は、スプリング121sの下向きの付勢力およびピストン121pを下向きに付勢する上記アキュムレータコントロール圧Pacと釣り合う略一定、厳密にはスプリング121sの圧縮変形に伴って漸増させられ、ピストン121pが上昇端に達するとライン圧PLまで上昇させられる。すなわち、ピストン121pが移動する変速過渡時の係合圧PB2は、アキュムレータコントロール圧Pacによって定まるのである。
アキュムレータコントロール圧Pacは、第3変速段成立時に係合制御される上記第2ブレーキB2 用のアキュムレータ121の他、図示は省略するが第1変速段成立時に係合制御されるクラッチC1 用のアキュムレータ、第4変速段成立時に係合制御されるクラッチC2 用のアキュムレータ、第5変速段成立時に係合制御されるブレーキB0 用のアキュムレータにも供給され、それ等の係合・解放時の過渡油圧が制御される。
図4の符号122はC−0エキゾーストバルブを示し、さらに符号123はクラッチC0 用のアキュムレータを示している。C−0エキゾーストバルブ122は2速レンジでの第2変速段のみにおいてエンジンブレーキを効かせるためにクラッチC0 を係合させるように動作するものである。
このような油圧回路44によれば、第2変速段から第3変速段への変速、すなわち第3ブレーキB3 を解放すると共に第2ブレーキB2 を係合する所謂クラッチツウクラッチ変速において、入力軸26の入力トルクなどに基づいて第3ブレーキB3 の解放過渡油圧や第2ブレーキB2 の係合過渡油圧を制御することにより、変速ショックを好適に軽減することができる。その他の変速についても、リニアソレノイドバルブSLNのデューティ制御によってアキュムレータコントロール圧Pacを調圧することにより、クラッチC1 、C2 やブレーキB0 の過渡油圧が制御される。
ハイブリッド駆動装置10は、図2に示されるようにハイブリッド制御用コントローラ50及び自動変速制御用コントローラ52を備えている。これらのコントローラ50、52は、CPUやRAM、ROM等を有するマイクロコンピュータを備えて構成され、アクセル操作量センサ62、車速センサ63、インプットシャフト回転数センサ64からそれぞれアクセル操作量θAC、車速V(自動変速機18の出力軸19の回転数NO に対応)、自動変速機18の入力軸26の回転数NI を表す信号が供給される他、エンジントルクTE やモータトルクTM 、エンジン回転数NE 、モータ回転数NM 、蓄電装置58の蓄電量SOC、ブレーキのON、OFF、シフトレバーの操作レンジなどに関する情報が、種々の検出手段などから供給されるようになっており、予め設定されたプログラムに従って信号処理を行う。エンジントルクTE はスロットル弁開度や燃料噴射量などから求められ、モータトルクTM はモータ電流などから求められ、蓄電量SOCはモータジェネレータ14がジェネレータとして機能する充電時のモータ電流や充電効率などから求められる。
前記エンジン12は、ハイブリッド制御用コントローラ50によってスロットル弁開度や燃料噴射量、点火時期などが制御されることにより、運転状態に応じて出力が制御される。モータジェネレータ14は、図5に示すようにM/G制御器(インバータ)56を介してバッテリー等の蓄電装置58に接続されており、ハイブリッド制御用コントローラ50により、その蓄電装置58から電気エネルギーが供給されて所定のトルクで回転駆動される回転駆動状態と、回生制動(モータジェネレータ14自体の電気的な制動トルク)によりジェネレータとして機能して蓄電装置58に電気エネルギーを充電する充電状態と、ロータ軸14rが自由回転することを許容する無負荷状態とに切り換えられる。また、前記第1クラッチCE1 及び第2クラッチCE2 は、ハイブリッド制御用コントローラ50により電磁弁等を介して油圧回路44が切り換えられることにより、係合或いは解放状態が切り換えられる。自動変速機18は、自動変速制御用コントローラ52によって前記ソレノイドバルブSL1〜SL4、リニアソレノイドバルブSLU、SLT、SLNの励磁状態が制御され、油圧回路44が切り換えられたり油圧制御が行われたりすることにより、運転状態(例えばアクセル操作量θACおよび車速Vなど)をパラメータとして予め定められた変速条件に従って変速段が自動的に切り換えられる。図10において点線で示す(a) および(b) は変速条件としての変速パターンの一例で、(a) はダウンシフト線、(b) はアップシフト線である。自動変速制御用コントローラ50は変速制御手段として機能している。
上記ハイブリッド制御用コントローラ50は、例えば本願出願人が先に出願した特願平7−294148号に記載されているように、図6に示すフローチャートに従って図7に示す9つの運転モードの1つを選択し、その選択したモードでエンジン12及び電気式トルコン24を作動させる。ハイブリッド制御用コントローラ50による一連の信号処理のうち図6のフローチャートを実行する部分はモード切換手段として機能している。
図6において、ステップS1ではエンジン始動要求があったか否かを、例えばエンジン12を動力源として走行したり、エンジン12によりモータジェネレータ14を回転駆動して蓄電装置58を充電したりするために、エンジン12を始動すべき旨の指令があったか否か等によって判断し、始動要求があればステップS2でモード9を選択する。モード9は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、モータジェネレータ14により遊星歯車装置16を介してエンジン12を回転駆動すると共に、燃料噴射などのエンジン始動制御を行ってエンジン12を始動する。このモード9は、車両停止時には前記自動変速機18をニュートラルにして行われ、モード1のように第1クラッチCE1 を解放したモータジェネレータ14のみを動力源とする走行時には、第1クラッチCE1 を係合すると共に走行に必要な要求出力以上の出力でモータジェネレータ14を作動させ、その要求出力以上の余裕出力でエンジン12を回転駆動することによって行われる。また、車両走行時であっても、一時的に自動変速機18をニュートラルにしてモード9を実行することも可能である。
ステップS1の判断が否定された場合、すなわちエンジン始動要求がない場合には、ステップS3を実行することにより、制動力の要求があるか否かを、例えばブレーキがONか否か、シフトレバーの操作レンジがLや2などのエンジンブレーキレンジ(低速変速段のみで変速制御を行うと共にエンジンブレーキや回生制動が作用するレンジ)で、且つアクセル操作量θACが0か否か、或いは単にアクセル操作量θACが0か否か、等によって判断する。この判断が肯定された場合にはステップS4を実行する。ステップS4では、蓄電装置58の蓄電量SOCが予め定められた最大蓄電量B以上か否かを判断し、SOC≧BであればステップS5でモード8を選択し、SOC<BであればステップS6でモード6を選択する。最大蓄電量Bは、蓄電装置58に電気エネルギーを充電することが許容される最大の蓄電量で、蓄電装置58の充放電効率などに基づいて例えば80%程度の値が設定される。
上記ステップS5で選択されるモード8は、図7に示されるように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、モータジェネレータ14を無負荷状態とし、エンジン12を停止状態すなわちスロットル弁を閉じると共に燃料噴射量を0とするものであり、これによりエンジン12の引き擦り回転による制動力、すなわちエンジンブレーキが車両に作用させられ、運転者によるブレーキ操作が軽減されて運転操作が容易になる。また、モータジェネレータ14は無負荷状態とされ、自由回転させられるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが過大となって充放電効率等の性能を損なうことが回避される。
ステップS6で選択されるモード6は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を解放(OFF)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、エンジン12を停止し、モータジェネレータ14を充電状態とするもので、車両の運動エネルギーでモータジェネレータ14が回転駆動されることにより、蓄電装置58を充電するとともにその車両にエンジンブレーキのような回生制動力を作用させるため、運転者によるブレーキ操作が軽減されて運転操作が容易になる。また、第1クラッチCE1 が解放されてエンジン12が遮断されているため、そのエンジン12の引き擦りによるエネルギー損失がないとともに、蓄電量SOCが最大蓄電量Bより少ない場合に実行されるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが過大となって充放電効率等の性能を損なうことがない。
ステップS3の判断が否定された場合、すなわち制動力の要求がない場合にはステップS7を実行し、エンジン発進が要求されているか否かを、例えばモード3などエンジン12を動力源とする走行中の車両停止時か否か、すなわち車速V≒0か否か等によって判断する。この判断が肯定された場合には、ステップS8においてアクセルがONか否か、すなわちアクセル操作量θACが略零の所定値より大きいか否かを判断し、アクセルONの場合にはステップS9でモード5を選択し、アクセルがONでなければステップS10でモード7を選択する。
上記ステップS9で選択されるモード5は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を解放(OFF)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14の回生制動トルクを制御することにより、車両を発進させるものである。具体的に説明すると、遊星歯車装置16のギヤ比をρE とすると、エンジントルクTE :遊星歯車装置16の出力トルク:モータトルクTM =1:(1+ρE ):ρE となるため、例えばギヤ比ρE を一般的な値である0.5程度とすると、エンジントルクTE の半分のトルクをモータジェネレータ14が分担することにより、エンジントルクTE の約1.5倍のトルクがキャリア14cから出力される。すなわち、モータジェネレータ14のトルクの(1+ρE )/ρE 倍の高トルク発進を行うことができるのである。また、モータ電流を遮断してモータジェネレータ14を無負荷状態とすれば、ロータ軸56が逆回転させられるだけでキャリア14cからの出力は0となり、車両停止状態となる。すなわち、この場合の遊星歯車装置16は発進クラッチおよびトルク増幅装置として機能するのであり、モータトルク(回生制動トルク)TM を0から徐々に増大させて反力を大きくすることにより、エンジントルクTE の(1+ρE )倍の出力トルクで車両を滑らかに発進させることができるのである。
ここで、本実施例では、エンジン12の最大トルクの略ρE 倍のトルク容量のモータジェネレータ、すなわち必要なトルクを確保しつつできるだけ小型で小容量のモータジェネレータ14が用いられており、装置が小型で且つ安価に構成される。また、本実施例ではモータトルクTM の増大に対応して、スロットル弁開度や燃料噴射量を増大させてエンジン12の出力を大きくするようになっており、反力の増大に伴うエンジン回転数NE の低下に起因するエンジンストール等を防止している。
ステップS10で選択されるモード7は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を解放(OFF)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を無負荷状態として電気的にニュートラルとするもので、モータジェネレータ14のロータ軸14rが逆方向へ自由回転させられることにより、自動変速機18の入力軸26に対する出力が零となる。これにより、モード3などエンジン12を動力源とする走行中の車両停止時に一々エンジン12を停止させる必要がないとともに、前記モード5のエンジン発進が実質的に可能となる。
ステップS7の判断が否定された場合、すなわちエンジン発進の要求がない場合にはステップS11を実行し、要求出力Pdが予め設定された第1判定値P1以下か否かを判断する。要求出力Pdは、走行抵抗を含む車両の走行に必要な出力で、アクセル操作量θACやその変化速度、車速V(出力回転数NO )、自動変速機18の変速段などに基づいて、予め定められたデータマップや演算式などにより算出される。また、第1判定値P1はエンジン12のみを動力源として走行する中負荷領域とモータジェネレータ14のみを動力源として走行する低負荷領域の境界値であり、エンジン12による充電時を含めたエネルギー効率を考慮して、排出ガス量や燃料消費量などができるだけ少なくなるように実験等によって定められている。
ステップS11の判断が肯定された場合、すなわち要求出力Pdが第1判定値P1以下の場合には、ステップS12で蓄電量SOCが予め設定された最低蓄電量A以上か否かを判断し、SOC≧AであればステップS13でモード1を選択する一方、SOC<AであればステップS14でモード3を選択する。最低蓄電量Aはモータジェネレータ14を動力源として走行する場合に蓄電装置58から電気エネルギーを取り出すことが許容される最低の蓄電量であり、蓄電装置58の充放電効率などに基づいて例えば70%程度の値が設定される。
上記モード1は、前記図7から明らかなように第1クラッチCE1 を解放(OFF)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、エンジン12を停止し、モータジェネレータ14を要求出力Pdで回転駆動させるもので、モータジェネレータ14のみを動力源として車両を走行させる。この場合も、第1クラッチCE1 が解放されてエンジン12が遮断されるため、前記モード6と同様に引き擦り損失が少なく、自動変速機18を適当に変速制御することにより効率の良いモータ駆動制御が可能である。また、このモード1は、要求出力Pdが第1判定値P1以下の低負荷領域で且つ蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量A以上の場合に実行されるため、エンジン12を動力源として走行する場合よりもエネルギー効率が優れていて燃費や排出ガスを低減できるとともに、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aより低下して充放電効率等の性能を損なうことがない。
ステップS14で選択されるモード3は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を回生制動により充電状態とするもので、エンジン12の出力で車両を走行させながら、モータジェネレータ14によって発生した電気エネルギーを蓄電装置58に充電する。エンジン12は、要求出力Pd以上の出力で運転させられ、その要求出力Pdより大きい余裕動力分だけモータジェネレータ14で消費されるように、そのモータジェネレータ14の電流制御が行われる。
ステップS11の判断が否定された場合、すなわち要求出力Pdが第1判定値P1より大きい場合には、ステップS15において、要求出力Pdが第1判定値P1より大きく第2判定値P2より小さいか否か、すなわちP1<Pd<P2か否かを判断する。第2判定値P2は、エンジン12のみを動力源として走行する中負荷領域とエンジン12およびモータジェネレータ14の両方を動力源として走行する高負荷領域の境界値であり、エンジン12による充電時を含めたエネルギー効率を考慮して、排出ガス量や燃料消費量などができるだけ少なくなるように実験等によって予め定められている。そして、P1<Pd<P2であればステップS16でSOC≧Aか否かを判断し、SOC≧Aの場合にはステップS17でモード2を選択し、SOC<Aの場合には前記ステップS14でモード3を選択する。また、Pd≧P2であればステップS18でSOC≧Aか否かを判断し、SOC≧Aの場合にはステップS19でモード4を選択し、SOC<Aの場合にはステップS17でモード2を選択する。
上記モード2は、前記図7から明らかなように第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を要求出力Pdで運転し、モータジェネレータ14を無負荷状態とするもので、エンジン12のみを動力源として車両を走行させる。また、モード4は、第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を回転駆動するもので、エンジン12およびモータジェネレータ14の両方を動力源として車両を高出力走行させる。このモード4は、要求出力Pdが第2判定値P2以上の高負荷領域で実行されるが、エンジン12およびモータジェネレータ14を併用しているため、エンジン12およびモータジェネレータ14の何れか一方のみを動力源として走行する場合に比較してエネルギー効率が著しく損なわれることがなく、燃費や排出ガスを低減できる。また、蓄電量SOCが最低蓄電量A以上の場合に実行されるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aより低下して充放電効率等の性能を損なうことがない。
上記モード1〜4の運転条件についてまとめると、蓄電量SOC≧Aであれば、Pd≦P1の低負荷領域ではステップS13でモード1を選択してモータジェネレータ14のみを動力源として走行し、P1<Pd<P2の中負荷領域ではステップS17でモード2を選択してエンジン12のみを動力源として走行し、P2≦Pdの高負荷領域ではステップS19でモード4を選択してエンジン12およびモータジェネレータ14の両方を動力源として走行する。また、SOC<Aの場合には、要求出力Pdが第2判定値P2より小さい中低負荷領域でステップS14のモード3を実行することにより蓄電装置58を充電するが、要求出力Pdが第2判定値P2以上の高負荷領域ではステップS17でモード2が選択され、充電を行うことなくエンジン12により高出力走行が行われる。
ステップS17のモード2は、P1<Pd<P2の中負荷領域で且つSOC≧Aの場合、或いはPd≧P2の高負荷領域で且つSOC<Aの場合に実行されるが、中負荷領域では一般にモータジェネレータ14よりもエンジン12の方がエネルギー効率が優れているため、モータジェネレータ14を動力源として走行する場合に比較して燃費や排出ガスを低減できる。また、高負荷領域では、モータジェネレータ14およびエンジン12を併用して走行するモード4が望ましいが、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aより小さい場合には、上記モード2によるエンジン12のみを動力源とする運転が行われることにより、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aよりも少なくなって充放電効率等の性能を損なうことが回避される。
ハイブリッド制御用コントローラ50および自動変速制御用コントローラ52はまた、図8に示すフローチャートに従ってパワーオンアップシフト時のイナーシャ相でトルクダウン制御を行うようになっている。一連の信号処理のうち図8のステップSA8、SA14を実行する部分はトルクダウン制御手段に相当し、ステップSA19を実行する部分は変速パターン変更手段に相当し、ステップSA20を実行する部分は係合圧増大手段に相当する。
図8において、ステップSA1では、モータジェネレータ14をトルクダウン源として使用できるか否かを判断し、ステップSA2では排ガス浄化装置の触媒温度が予め定められた判定値TA 以上か否か、言い換えればエンジン12の遅角制御を行うことができるか否かを判断する。触媒温度は、例えば排気温センサなどによって検出される。
そして、何れの判断もNOの場合、すなわちトルクダウン制御を行うことができない場合は、ステップSA19で変速パターンを低車速側へ変更するとともに、ステップSA20で変速時に係合させられる油圧式摩擦係合手段(クラッチC0 〜C2 、ブレーキB0 〜B4 )の過渡油圧、具体的には前記アキュムレータコントロール圧Pacが高くなるように、リニアソレノイドバルブSLNのデューティ比を変更する。図10に実線で示すダウンシフト線(c) 、およびアップシフト線(d) は、それぞれ前記ダウンシフト線(a) 、およびアップシフト線(b) を変更した場合の一例で、このように変速パターンを低車速側へ変更すれば、変速時の回転数が低下してイナーシャが小さくなるため、例えば特公平5−13858号公報に記載されているように、トルクダウン制御を実施できないことによる変速制御の悪化が抑制される。また、油圧式摩擦係合手段の過渡油圧を高くすれば、トルクダウン制御を行った場合と同様にそれ等の係合手段が速やかに係合させられるようになるため、例えば特公平5−10249号公報に記載されているように、トルクダウン制御を実施できないことによる変速制御の悪化が抑制される。
上記ステップSA1の判断がYESの場合、或いはステップSA1の判断がNOでもステップSA2の判断がYESの場合にはステップSA3以下を実行し、パワーオンアップシフトか否かを判断する。アップシフトについては、図10のような変速パターンに基づいて、車速Vおよびアクセル操作量θACがアップシフト線を超えて変化したか否かによって判断すれは良く、パワーオンか否かは、例えばアクセルが踏込み操作されているアクセルオンか否かをアクセル操作量θACなどに基づいて判断すれば良い。そして、パワーオンアップシフトであれば、所定時間経過後に次のステップSA4で変速指令を出力し、ソレノイドバルブSL1〜SL4の励磁、非励磁状態を切り換える。
ステップSA5では、イナーシャ相が始まったか否かを、例えば入力回転数(入力軸26の回転数)NI が変速前の変速段の変速比iA と出力回転数(出力軸19の回転数)NO とを掛算した値iA ×NO より小さくなったか否かなどにより判断し、イナーシャ相が始まるとステップSA6以下を実行する。ステップSA6では、前記ステップSA1と同様にモータジェネレータ14をトルクダウン源として使用できるか否かを判断し、使用可能であればステップSA7以下のモータジェネレータ14によるトルクダウン制御を実施する。モータジェネレータ14をトルクダウン源として使用できない場合は、ステップSA13で前記ステップSA2と同様に触媒温度が判定値TA 以上か否かを判断し、触媒温度≧TA であればステップSA14以下のエンジン12の遅角制御によるトルクダウン制御を実施する。
ステップSA7では第2クラッチCE2 を係合(ON)するが、第2クラッチCE2 はモード5のエンジン発進時を除いて係合状態とされているため、通常はその係合状態を継続することとなる。ステップSA8では、モータジェネレータ14により自動変速機18に入力される入力トルクTI のトルクダウン制御を開始する。このトルクダウン制御は、例えばモード1のモータ走行モードやモード4のエンジン+モータ走行モードでは正回転方向のモータトルクTM を低減すれば良く、モード2のエンジン走行モードでは回生制動により逆回転トルクを印加すれば良い。
ここで、本実施例では図9に示すように入力回転数NI または自動変速機18の出力トルクTO が所定のパターンで変化するように、走行モードや回転数、変速の種類等に応じて設定される基本変化パターンに従ってモータトルク(逆回転トルクを含む)TM を変化させる(フィードフォワード制御)ようになっている。基本変化パターンはトルクダウン量に対応するもので、動力源の違いによるイナーシャの相違に応じてそれぞれ適切な基本変化パターンが設定されるようになっている。例えば、エンジン+モータ走行モード(モード4)では、エンジン12のイナーシャも考慮してモータトルクTM の基本変化パターンが設定されるのである。なお、図9は、エンジン走行モード(モード2)時に逆回転トルクを印加してトルクダウン制御を行う場合の一例を説明するタイムチャートで、点線で示すイナーシャによる出力トルクTO の増大が防止される。
上記基本変化パターンに従ってモータトルクTM が制御されることにより、入力回転数NI や出力トルクTO は所望する変化パターンで変化するはずであるが、ステップSA9では個体差や経時変化などに対応するためにフィードバック制御を行う。すなわち、実際の入力回転数NI や出力トルクTO が所定のパターン(目標パターン)に従って変化するようにモータトルクTM を補正するのであり、特開昭63−212137号公報に記載のフィードバック制御において、係合過渡油圧の代わりにモータトルクTM を制御するのである。特開平1−150050号公報に記載の技術を参考にすることもできる。
ステップSA10では、変速が終了したか否かを、例えば入力回転数NI が変速後の変速段の変速比iZ と出力回転数NO とを掛算した値iZ ×NO と略等しくなったか否かなどにより判断し、変速が終了するまでステップSA8およびSA9を繰り返す。変速終了判断には、変速開始或いはイナーシャ相開始から所定時間経過したか否かをタイマなどで計測し、バックアップとして用いることが望ましい。変速が終了すると、ステップSA11でモータジェネレータ14によるトルクダウン制御を中止し、モータジェネレータ14のモータトルクTM を徐々に変化させて元の状態に復帰させる。
また、ステップSA12では、前記フィードバック制御の補正量、或いは変速所要時間などに応じて変速時の係合手段の過渡油圧、例えば前記アキュムレータコントロール圧Pacに対応するリニアソレノイドバルブSLNのデューティ比を学習制御する。例えば、前記ステップSA9のフィードバック制御におけるモータトルクTM の補正量が所定より大きい場合には、次回の制御からは補正が少なくなるように、特開平3−37470号公報に記載の学習制御と同様にしてリニアソレノイドバルブSLNのデューティ比を変更するのである。特開昭63−291738号公報に記載の技術を参考にすることもできる。上記学習制御は、モータジェネレータ14によるトルクダウン制御と同様に、走行モードや回転数、変速の種類等をパラメータとして学習値を記憶するようになっている。前記ステップSA4では、変速出力と略同時に、モータジェネレータ14によるトルクダウン制御が行われる場合は上記ステップSA12で記憶した学習値に従ってリニアソレノイドバルブSLNによる油圧制御を開始するようになっている。
一方、モータジェネレータ14をトルクダウン源として使用することが不可で且つ触媒温度≧TA の場合に実施されるステップSA14では、エンジン12の遅角制御により入力トルクTI のトルクダウン制御を行う。モード2のエンジン走行モードまたはモード3のエンジン走行+充電走行モードでは、エンジン12の遅角制御でエンジン12自体の出力を低下させることにより入力トルクTI を低下させることができる。
このエンジン12の遅角制御によるトルクダウン制御においても、前記モータジェネレータ14によるトルクダウン制御と同様に、入力回転数NI または出力トルクTO が所定のパターンで変化するように、回転数、変速の種類等に応じて設定される基本変化パターンに従ってエンジントルクTE を変化させるようになっている。また、ステップSA15では、個体差や経時変化などに対応するために、実際の入力回転数NI や出力トルクTO が所定のパターン(目標パターン)に従って変化するように、フィードバック制御によりエンジントルクTE を補正する。
ステップSA16では、変速が終了したか否かを前記ステップSA10と同様にして判断し、変速が終了すると、ステップSA17でエンジン12の遅角制御によるトルクダウン制御を中止し、エンジン12を元の状態に復帰させる。また、ステップSA18では、前記ステップSA12と同様に、ステップSA15のフィードバック制御におけるエンジントルクTE の補正量などに応じてリニアソレノイドバルブSLNのデューティ比を変更する。この学習制御は、エンジン12の遅角制御と同様に、回転数、変速の種類等をパラメータとして学習するもので、前記ステップSA12の学習制御とは別に設けられた学習値マップに学習値を記憶する。前記ステップSA4では、変速出力と略同時に、エンジン12の遅角制御によるトルクダウン制御が行われる場合は上記ステップSA18で記憶した学習値に従ってリニアソレノイドバルブSLNによる油圧制御を開始するようになっている。
このような本実施例のハイブリッド車両においては、トルクダウン源としてエンジン12を用いるステップSA14およびSA15の第1ダウン手段と、トルクダウン源としてモータジェネレータ14を用いるステップSA8およびSA9の第2ダウン手段とを備えており、それ等の第1ダウン手段および第2ダウン手段が所定の選択条件に従って使い分けられるようになっているため、トルクダウン源としてモータジェネレータ14のみ、或いはエンジン12のみを用いる場合に比較して、トルクダウン制御が種々の運転条件下で好適に行われるようになり、パワーオンアップシフトのイナーシャ相での出力トルクTO の増大が効果的に防止される。
本実施例では、トルクダウン源としてモータジェネレータ14を使用可能であれば、第2ダウン手段によりモータジェネレータ14を使用してトルクダウン制御を行う一方、トルクダウン源としてモータジェネレータ14を使用不可の場合には第1ダウン手段によりエンジン12を使用してトルクダウン制御を行うようになっているため、トルクダウン源としてモータジェネレータ14を使用できない場合でも、エンジン14の遅角制御で良好にトルクダウン制御が行われる。
また、ステップSA8ではエンジン12およびモータジェネレータ14の作動状態すなわち走行モードに応じて、トルクダウン量、具体的にはモータトルクTM の基本変化パターンが設定され、その基本変化パターンに従ってモータトルクTM を変化させるようになっているため、エンジン12およびモータジェネレータ14のイナーシャの相違などに拘らずより高い精度でトルクダウン制御が行われる。
また、ステップSA12およびSA18では、フィードバック制御の補正量等に応じて自動変速機18の変速時における油圧式摩擦係合手段の過渡油圧、具体的にはリニアソレノイドバルブSLNのデューティ比を、それぞれ異なる学習値マップを用いて学習するようになっているため、エンジン12を使用する第1ダウン手段およびモータジェネレータ14を使用する第2ダウン手段の制御精度や応答性の相違などに拘らず高い精度で学習制御が行われる。
また、本実施例ではエンジン+モータ走行モード(モード4)でも、モータジェネレータ14のみ或いはエンジン12のみでトルクダウン制御が行われるため、エンジン12およびモータジェネレータ14の両方をそれぞれトルクダウン制御する場合に比較して、制御が容易であるとともに高い制御精度が得られる。
なお、本実施例ではステップSA7で第2クラッチCE2 を係合させるようになっているが、例えばエンジン+モータ走行モード(モード4)では第2クラッチCE2 を解放してモータジェネレータ14によるトルクダウン制御を行うことも可能である。
また、上記モータジェネレータ14によるトルクダウン制御或いはエンジン12によるトルクダウン制御の実行時には、自動変速機18の変速時における油圧式摩擦係合手段の過渡油圧、具体的にはアキュムレータコントロール圧Pacを低下させるようにすることも可能である。
また、本実施例ではエンジン12によるトルクダウン制御が遅角によって行われるようになっていたが、応答性が許容される場合にはスロットル制御などでトルクダウン制御を行うことも可能である。その場合は、触媒温度によるトルクダウン制御の制約が解消する。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例は、ハード構成は前記実施例と共通で制御の内容が異なるだけである。
図11の実施例は、クラッチツウクラッチ変速のオーバーシュート発生時におけるトルクダウン制御に関するものである。ハイブリッド制御用コントローラ50および自動変速制御用コントローラ52による一連の信号処理のうち図11のステップSC6、SC10、SC14、SC18を実行する部分はトルクダウン制御手段に相当し、ステップSC8、SC12、SC16を実行する部分は学習制御手段に相当する。
図11において、ステップSC1ではクラッチツウクラッチ変速である2→3変速か否かを判断し、2→3変速であれば所定時間経過後に変速指令を出力することにより、ソレノイドバルブSL1〜SL4の励磁、非励磁状態を切り換える。ステップSC2では第2クラッチCE2 を係合し、ステップSC3では、入力回転数NI が増大するオーバーシュートが発生したか否かを、例えば入力回転数NI の変化率や変化量が所定より大きいか否かなどによって判断する。図12の入力回転数NI のグラフの点線はオーバーシュートの一例である。そして、オーバーシュートが発生した場合には、ステップSC4以下のトルクダウン制御を実施する。なお、図12におけるPB2、PB3は、それぞれ前記ブレーキB2 、B3 の係合油圧で、油圧PB3の変速過渡時の油圧は前記リニアソレノイドバルブSLUの信号圧PSLU に対応する。
ステップSC4では、モータジェネレータ14によるトルクダウン制御が可能か否かを判断し、可能であればステップSC5以下を実行する。ステップSC5では、エンジン走行モード(モード2)か否かを判断し、エンジン走行モードであれば、ステップSC6でモータジェネレータ14によるトルクダウン制御を実施する。これは、モータジェネレータ14に回生制動により逆回転トルクを印加して入力トルクTI を低下させるもので、次のステップSC7の判断がNOとなるまで、すなわちオーバーシュートが解消するまでステップSC6が繰り返されることにより、逆回転トルクを徐々に大きくする。図12のモータトルクTM のグラフはこの場合のもので、実線はオーバーシュートの解消に伴って直ちにトルクダウン制御を中止する場合で、点線はイナーシャ相の間もトルクダウン制御を継続する場合である。
次のステップSC8では、上記ステップSC6によるトルクダウン量(%)に応じてブレーキB3 の変速過渡油圧、すなわちリニアソレノイドバルブSLUのデューティ比を学習制御する。具体的には、図13に示すようにトルクダウン量(%)に応じて学習の種類毎に予め定められた補正量マップから補正量ΔPSLU を求め、その補正量ΔPSLU だけ信号圧PSLU を変更するのであり、以後の制御では新たな信号圧PSLU が出力されることにより、過渡油圧PB3が高められてオーバーシュートの発生が抑制される。
上記トルクダウン量(%)は、エンジン12およびモータジェネレータ14のトルクを加算した総トルクに対するダウントルクの割合で、この場合には (モータジェネレータ14の逆回転トルクTM /エンジントルクTE )×100で表される。上記学習の種類は、図11におけるステップSC8、SC12、SC16、SC20で、走行モードやトルクダウン源が異なる複数種類のトルクダウン制御毎に補正量マップが設定されているのであり、新たな信号圧PSLU 、厳密にはデューティ比は、同じく走行モードやトルクダウン源が異なる複数種類のトルクダウン制御毎に設けられた図示しない学習値マップに、アクセル操作量θACや車速V、変速の種類等をパラメータとして記憶される。前記ステップSC1の変速判断に続いて行われる変速出力時に、エンジン走行モードの場合には上記ステップSC8で更新された学習値マップに従ってリニアソレノイドバルブSLUによる油圧制御が開始されるようになっている。リニアソレノイドバルブSLUのデューティ比は、変速に関与する所定の物理量に相当する。なお、オーバーシュートの高さや継続時間などをパラメータとして補正量マップを設定することもできる。
前記ステップSC5の判断がNOの場合、すなわちエンジン走行モードでない場合には、ステップSC9でモータ走行モード(モード1)か否かを判断し、モータ走行モードであればステップSC10、SC11、SC12を実行することにより、前記エンジン走行モードの場合(ステップSC6以下)と同様にしてトルクダウン制御、およびリニアソレノイドバルブSLUのデューティ比の学習制御を行う。但し、この場合はモータジェネレータ14を動力源として走行しているため、そのモータジェネレータ14のモータトルクTM を低下させることによってトルクダウン制御が行われる。また、ステップSC10におけるモータトルクTM の低下量、低下率などは、前記ステップSC6と同じであっても良いが、動力源のイナーシャの相違などを考慮して異なる値に設定することも可能である。
上記ステップSC9の判断がNOの場合、すなわちモータ走行モードでない場合には、ステップSC13でエンジン+モータ走行モード(モード4)か否かを判断し、エンジン+モータ走行モードであればステップSC14、SC15、SC16を実行することにより、前記モータ走行モードの場合(ステップSC10以下)と同様にモータジェネレータ14のモータトルクTM を低下させてトルクダウン制御を行う。ステップSC14におけるモータトルクTM の低下量、低下率などは、前記ステップSC10と同じであっても良いが、動力源のイナーシャの相違などを考慮して異なる値を設定することも可能である。
一方、前記ステップSC4の判断がNOの場合、すわなちトルクダウン源としてモータジェネレータ14を使用できない場合には、ステップSC17を実行し、エンジン12によるトルクダウン制御が可能か否かを判断する。具体的には、触媒温度や遅角制御の頻度などでエンジン12の遅角制御が可能か否かを判断し、遅角制御が可能であればステップSC18、SC19、SC20を実行することにより、エンジン12の遅角制御でエンジントルクTE を低下させて入力トルクTI を低下させる。ステップSC18の遅角によるエンジントルクTE の低下量、低下率などは、前記ステップSC6と同じであっても良いが、制御精度や応答性の相違などを考慮して異なる値を設定することも可能である。
上記ステップSC17の判断がNOの場合、すなわちエンジン12でもモータジェネレータ14でもトルクダウン制御を行うことができない場合は、ステップSC21でブレーキB3 の過渡油圧PB3が高くなるように、具体的には信号圧PSLU が高くなるようにリニアソレノイドバルブSLUのデューティ比を変更する。これにより、トルクダウン制御を行った場合と同様にブレーキB3 の解放が遅くなり、トルクダウン制御を実施できないことによる変速制御の悪化、すなわち入力軸26等の回転のオーバーシュートが抑制される。
このような本実施例のハイブリッド車両においては、トルクダウン源としてエンジン12を用いるステップSC18の第1ダウン手段と、トルクダウン源としてモータジェネレータ14を用いるステップSC6、SC10、SC14の第2ダウン手段とを備えており、それ等の第1ダウン手段および第2ダウン手段が所定の選択条件に従って使い分けられるようになっているため、トルクダウン源としてモータジェネレータ14のみ、或いはエンジン12のみを用いる場合に比較して、トルクダウン制御が種々の運転条件下で好適に行われるようになり、クラッチツウクラッチ変速時のオーバーシュートが効果的に防止される。
本実施例では、トルクダウン源としてモータジェネレータ14を使用可能であれば、第2ダウン手段によりモータジェネレータ14を使用してトルクダウン制御を行う一方、トルクダウン源としてモータジェネレータ14を使用不可の場合には第1ダウン手段によりエンジン12を使用してトルクダウン制御を行うようになっているため、トルクダウン源としてモータジェネレータ14を使用できない場合でも、エンジン14の遅角制御で良好にトルクダウン制御が行われる。
また、ステップSC8、SC12、SC16、SC20では、自動変速機18の変速時におけるブレーキB3 の過渡油圧、具体的にはリニアソレノイドバルブSLUのデューティ比を、トルクダウン量に応じてそれぞれ異なる補正量マップから補正量を算出するとともに、それぞれ異なる学習値マップに記憶するようになっているため、走行モードの相違すなわち動力源のイナーシャの相違やトルクダウン制御の制御精度、応答性の相違などに拘らず、高い精度で学習制御が行われる。
また、本実施例ではエンジン+モータ走行モード(モード4)でも、モータジェネレータ14のみでトルクダウン制御が行われるため、エンジン12およびモータジェネレータ14の両方をそれぞれトルクダウン制御する場合に比較して、制御が容易であるとともに高い制御精度が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
例えば、前記実施例では後進1段および前進5段の変速段を有する自動変速機18が用いられていたが、図14に示すように前記副変速機20を省略して主変速機22のみから成る自動変速機60を採用し、図15に示すように前進4段および後進1段で変速制御を行うようにすることもできる。
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例である制御装置を備えているハイブリッド車両のハイブリッド駆動装置の構成を説明する骨子図である。 図1のハイブリッド駆動装置が備えている制御系統を説明する図である。 図1の自動変速機の各変速段を成立させる係合要素の作動を説明する図である。 図1の自動変速機が備えている油圧回路の一部を示す図である。 図2のハイブリッド制御用コントローラと電気式トルコンとの接続関係を説明する図である。 図1のハイブリッド駆動装置の基本的な作動を説明するフローチャートである。 図6のフローチャートにおける各モード1〜9の作動状態を説明する図である。 本発明が適用された一実施例の特徴となる制御作動の要部を説明するフローチャートである。 図8のフローチャートに従ってモータジェネレータによりトルクダウン制御が行われた場合の一例を説明するタイムチャートである。 図8のステップSA19で行われる変速パターンの変更例を説明する図である。 本発明の別の実施例を説明するフローチャートである。 図11のフローチャートに従ってトルクダウン制御が行われた場合の一例を説明するタイムチャートである。 図11のフローチャートに従って行われる学習制御において、学習値を求める補正量マップの一例を説明する図である。 本発明が好適に適用されるハイブリッド車両のハイブリッド駆動装置の別の例を説明する骨子図である。 図14の自動変速機の各変速段を成立させる係合要素の作動を説明する図である。
符号の説明
12:エンジン 14:モータジェネレータ 16:遊星歯車装置 18,60:自動変速機 50:ハイブリッド制御用コントローラ 52:自動変速制御用コントローラ 58:蓄電装置 CE2 :第2クラッチ
SA8:SA14:トルクダウン制御手段
SA19:変速パターン変更手段
SA20:係合圧増大手段
SC6、SC10、SC14、SC18:トルクダウン制御手段
SC8、SC12、SC16:学習制御手段

Claims (10)

  1. 燃料の燃焼によって作動するエンジンと、
    モータジェネレータと、
    前記エンジンおよび前記モータジェネレータと駆動輪との間に配設されるとともに、係合手段によって変速比が異なる複数の変速段で変速が行われる自動変速機と、
    を有するハイブリッド車両の制御装置において、
    エンジン走行モードにおける前記自動変速機の変速時に、トルクダウン源として前記モータジェネレータを使用可能であれば、前記エンジンを使用するトルクダウン制御に優先して該モータジェネレータをトルクダウン源として使用し、該モータジェネレータに逆回転トルクを発生させて入力トルクを低下させることにより、イナーシャ相中の出力トルクの増加を抑制するトルクダウン制御手段を有する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記トルクダウン制御手段は、前記モータジェネレータによる逆回転トルクの発生が不可の場合には、前記エンジンの遅角制御で入力トルクを低下させて前記出力トルクの増加を抑制する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記モータジェネレータによる逆回転トルクの発生が不可か否かは、該モータジェネレータに電力を供給する蓄電装置の蓄電量に基づいて判断する
    ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記トルクダウン制御手段による前記エンジンの遅角制御が不可の場合に、前記自動変速機が低車速側で変速されるように変速パターンを変更する変速パターン変更手段を有する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記トルクダウン制御手段による前記エンジンの遅角制御が不可の場合に、変速時に係合させられる前記係合手段の過渡係合圧を高くする係合圧増大手段を有する
    ことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記トルクダウン制御手段は、制御終了時に前記モータジェネレータのトルクを徐々に変化させて元の状態に復帰させる
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  7. 前記モータジェネレータは遊星歯車装置を介して前記自動変速機に連結されているとともに、該遊星歯車装置は第2クラッチCE2 により一体回転させられるようになっており、
    前記トルクダウン制御手段は、前記第2クラッチCE2 を係合させて前記モータジェネレータを前記自動変速機に直結した状態で、該モータジェネレータに逆回転トルクを発生させる
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  8. 前記トルクダウン制御手段による制御時には、入力トルクのトルクダウン量に応じて前記自動変速機の係合手段の過渡係合圧を低下させる
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  9. 燃料の燃焼によって作動するエンジンと、
    モータジェネレータと、
    前記エンジンおよび前記モータジェネレータと駆動輪との間に配設されるとともに、係合手段によって変速比が異なる複数の変速段で変速が行われる自動変速機と、
    を有するハイブリッド車両の制御装置において、
    前記自動変速機のクラッチツウクラッチ変速時に、前記モータジェネレータのトルク制御で入力トルクを低下させることにより、入力回転数のオーバーシュートを抑制するトルクダウン制御手段を有する一方、
    前記エンジンおよび前記モータジェネレータの作動状態が異なる複数の走行モードを備えているとともに、
    前記トルクダウン制御手段は、前記走行モードに応じて異なる態様で前記モータジェネレータのトルク制御を行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  10. 前記自動変速機の変速時に変速に関与する所定の物理量を学習制御する学習制御手段が、前記トルクダウン制御手段による前記モータジェネレータのトルク制御の態様に応じて複数設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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