JP3680014B2 - 試料処理容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料処理容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
生物学の分野等では、例えば、生物試料中での特定遺伝子の発現を解析する用途に、マイクロプレート(試料処理容器)が広く用いられている。
【0003】
このマイクロプレートは、前記生物試料が収納される複数の穴(試料収納空間)を有している。
【0004】
そして、例えば特定遺伝子の発現の指標となる指標物質(検出対象物)等と反応し得る液体試薬を、前記試料収納空間に直接供給し、指標物質と試薬との反応により生じる、例えば発光、蛍光、吸光等を測定することにより、その反応結果の解析が行なわれている。
【0005】
しかしながら、この方法では、生物試料に対して、直接かつ急激に、試薬を接触させることになり、生物試料へ極めて大きなダメージ(損傷)を与え、その延命を図ることができないという問題がある。
【0006】
特に、特定遺伝子として、その発現が日周期で変動するものを選択する場合には、長期(長時間)に渡って、その変化を正確に追跡することができないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、試薬を間接的に試料に供給することができ、試料として、例えば生物試料等を用いる場合には、その延命を図ることができる試料処理容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(21)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 筒状をなす隔壁部が複数並べられた試薬処理容器であって、
前記各隔壁部の内周面側の空間を、試料を収納する試料収納空間とし、
複数の前記隔壁部の外周面で囲まれた空間を、前記試料中の検出対象物と反応し得る試薬を供給する試薬供給空間とし、
前記試料収納空間と前記試薬供給空間とが、前記隔壁部に設けられた連通手段により連通しており、前記試薬供給空間から前記連通手段を介して、前記試料収納空間へ前記試薬を供給するよう構成されていることを特徴とする試料処理容器。
【0010】
(2) 前記隔壁部は、その形状がほぼ円筒状をなすものである上記(1)に記載の試料処理容器。
(3) 底部と、該底部に立設された側壁部とを備える筐体を有し、
前記試料収納空間と前記試薬供給空間とは、それぞれ、前記筐体の内部に形成されている上記(1)または(2)に記載の試料処理容器。
【0011】
(4) さらに、前記側壁部と前記隔壁部の外周面とで囲まれた空間を前記試薬供給空間とした上記(3)に記載の試料処理容器。
(5) 前記連通手段は、前記隔壁部を貫通して形成された連通部で構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の試料処理容器。
【0012】
(6) 前記連通部は、前記隔壁部の上縁部に開放する溝である上記(5)に記載の試料処理容器。
【0013】
(7) 前記連通部は、前記隔壁部の途中に貫通する孔である上記(5)に記載の試料処理容器。
【0014】
(8) 前記隔壁部は、光遮断性を有している上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の試料処理容器。
【0015】
(9) 前記試料収納空間と前記試薬供給空間とを、それぞれ、複数有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の試料処理容器。
【0016】
(10) 前記試料収納空間は、マトリックス状または列状に配置されている上記(9)に記載の試料処理容器。
【0017】
(11) 1つの前記試薬供給空間が、1つの前記試料収納空間に連通している上記(9)または(10)に記載の試料処理容器。
【0018】
(12) 1つの前記試薬供給空間が、複数の前記試料収納空間に連通している上記(9)または(10)に記載の試料処理容器。
【0019】
(13) 前記試料収納空間同士、または、前記試薬供給空間同士が連通するのを防止する連通防止手段を有する上記(9)ないし(12)のいずれかに記載の試料処理容器。
【0020】
(14) 前記連通防止手段は、前記試料処理容器に装着される蓋体またはその一部である上記(13)に記載の試料処理容器。
【0021】
(15) 前記蓋体は、天板部と、該天板部に立設された脚部とを有し、
前記天板部の内面に封止部材が設置されている上記(14)に記載の試料処理容器。
【0022】
(16) 前記蓋体は、前記試料処理容器に装着したとき、前記試料収納空間に対応する部分が透明である上記(14)または(15)に記載の試料処理容器。
【0023】
(17) 前記試料は、生物試料または生物試料を含むものである上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の試料処理容器。
【0024】
(18) 前記生物試料は、微生物、生体組織または細胞である上記(17)に記載の試料処理容器。
【0025】
(19) 前記検出対象物は、核酸、タンパク質、脂質またはホルモン類である上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の試料処理容器。
【0026】
(20) 前記試料の処理に際し、前記試薬は、少なくとも一部が気化し、この気化した試薬が前記連通手段を介して、前記試薬供給空間から前記試料収納空間へ移動する上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の試料処理容器。
【0027】
(21) マイクロプレートである上記(1)ないし(20)のいずれかに記載の試料処理容器。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の試料処理容器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0029】
<第1実施形態>
図1は、本発明の試料処理容器をマイクロプレートに適用した場合の第1実施形態の構成を示す斜視図(一部切り欠いて示す)であり、図2は、図1中のA−A線断面図(マイクロプレートに蓋体を装着した状態)である。なお、説明の便宜上、図2中では、同様の構成のものに異なる符号を付して説明する。また、以下の説明では、図1および図2中の上側を「上方」、下側を「下方」と言う。
【0030】
図1に示すマイクロプレート(試料処理容器)1は、筐体2と、その内部を、試料収納空間4と試薬供給空間5とに区画する複数の隔壁部3とを有している。以下、各構成要素について説明する。
【0031】
筐体2は、全体形状がトレー状をなし、底部21と側壁部22とを備え、上方に上部開口23を有している。
【0032】
具体的には、底部21は、ほぼ長方形をなす平板状の部材で構成され、その縁部付近には、各辺に沿って、側壁部22が上方に向って突出形成(立設)されている。
【0033】
また、底部21には、ほぼ円筒状をなす複数の隔壁部3が上方に向って突出形成(立設)されている。
【0034】
隔壁部3は、マイクロプレート1(筐体2)の内部(側壁部22の内側空間)を、試料収納空間(ウェル)4と試薬供給空間5とに区画するものである。試料収納空間4には、検査に供されるサンプル(試料)Sが収納され、一方、試薬供給空間5には、サンプルS中の検出対象物と反応し得る試薬(基質)Rが供給される。
【0035】
本実施形態では、隔壁部3が、マトリックス状(行列状)に合計24個配置され、隣接する隔壁部3同士が、さらに、側壁部22に隣接する隔壁部3が側壁部22と連結されている。これにより、マイクロプレート1(筐体2)の内部には、それぞれ、24個のマトリックス状に配置された試料収納空間4と24個の試薬供給空間5とが形成されている。
【0036】
各隔壁部3の寸法は、それぞれ、ほぼ等しく設定されている。この寸法としては、特に限定されないが、通常、次のように設定される。
【0037】
隔壁部3の内径(平均)としては、好ましくは3〜20mm程度とされる。
隔壁部3の外径(平均)としては、好ましくは4〜25mm程度とされる。
【0038】
また、隔壁部3の高さ(平均)は、筐体2の側壁部22の高さ(平均)とほぼ等しく設定され、好ましくは5〜20mm程度とされる。
【0039】
また、各隔壁部3は、それぞれ、溝(連通部)6を有している。溝6は、隔壁部3を貫通して形成され、その上縁部に開放している。この溝6により、試料収納空間4と試薬供給空間5とが連通している。すなわち、溝6が連通手段を構成する。
【0040】
これにより、マイクロプレート1に後述する蓋体10を装着した状態においても、試薬供給空間5に供給された試薬Rは、その一部または全部が揮発(気化)し、この揮発(気化)した試薬Rは、溝6を介して試料収納空間4へ移動することができる。すなわち、試薬Rを試薬供給空間5から試料収納空間4へ供給することができる。
【0041】
そして、試料収納空間4において、サンプルS中の検出対象物と試薬Rとを反応させることができる。この反応結果は、例えば、発光、蛍光、吸光等を測定することにより、解析することができる。
【0042】
ここで、本発明における検出対象物としては、特に限定されないが、例えば、核酸、タンパク質、脂質またはホルモン類等が挙げられる。
【0043】
一方、試薬Rは、検出対象物の種類や反応結果の測定方法の種類等に応じて、適宜選択されるものであり、特に限定されない。また、試薬Rとしては、サンプルSの処理に際し、少なくとも一部が気化するものであればよい。
【0044】
前述したように、本発明では、試薬Rを試薬供給空間5から試料収納空間4へ溝6を介して供給すること、すなわち、サンプルSに対して、試薬Rを間接的に(揮発性分として)供給することができる。このため、サンプルSとして、特に、生物試料または生物試料を含むものを用いる場合には、生物試料への損傷(ダメージ)を低減(抑制)して、その延命を図ることができ有利である。換言すれば、本発明においてサンプルSとしては、特に限定されないが、例えば、微生物、生体組織または細胞等の生物試料、または、このような生物試料を含むものが好適に使用される。
【0045】
ここで、生物試料を含むものとしては、例えば、前記生物試料を、これを培養するための培養液等の溶液に分散(懸濁)して、調製した分散液(懸濁液)等を用いることができる。
【0046】
また、本実施形態では、図2に示すように、各溝6(6a、6b、6c)は、それぞれ、各隔壁部3(3a、3b、3c)の周方向において、ほぼ同位置に設けられている。すなわち、各溝6は、それぞれ、互いに対向しないように配置されている。これにより、このマイクロプレート1では、1つの試薬供給空間5(5a、5b、5c)が、対応する1つの試料収納空間4(4a、4b、4c)と連通している。
【0047】
このような構成にすると、各試料収納空間4(4a、4b、4c)に収納するサンプルS(Sa、Sb、Sc)、および、各試薬供給空間5(5a、5b、5c)に供給する試薬R(Ra、Rb、Rc)として、それぞれ、互いに異なる種類のものを同時に用いることができるという利点がある。
【0048】
また、このような構成にすると、サンプルS(Sa、Sb、Sc)中の検出対象物と、試薬R(Ra、Rb、Rc)との反応結果を解析するのに際し、光学的な測定を行なう場合(例えば、発光を測定する場合)には、次のような効果も得られる。すなわち、例えば試料収納空間4b(サンプルSb)からの光(発光光)を、例えば光検出器(図示せず)により測定している際に、かかる光検出器へ、隣接する試料収納空間4a、4c(サンプルSa、Sc)からの光(発光光)が混入(進入)して、その測定結果に悪影響を及ぼすこと(以下、「クロストーク」と言う。)を抑制(防止)することができる。
【0049】
このようなマイクロプレート1は、底部21、側壁部22および各隔壁部3が、例えば射出成形等により、一体的に形成されているのが好ましい。これにより、マイクロプレート1をより容易に製造することができ、その製造コストを削減することができる。
【0050】
なお、底部21、側壁部22および各隔壁部3は、それぞれ別体として製造し、例えば融着(熱融着、超音波融着、高周波融着等)、接着剤による接着等により固着するようにしてもよい。また、この場合、隔壁部3としては、有底筒状のもの(底部を有するもの)を用いるようにしてもよい。
【0051】
マイクロプレート1の構成材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリカーボネートのような各種樹脂材料、アルミナ、チタニアのような各種セラミックス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
また、マイクロプレート1は、透明であっても、不透明(光遮断性を有するもの)であってもよい。
【0053】
マイクロプレート1を透明にすると、内部の視認性を確保することができるという利点がある。
【0054】
また、マイクロプレート1を不透明にすることで、検出対象物と試薬Rとの反応結果を解析するのに際し、光学的な測定を行なう場合(例えば、発光を測定する場合)には、その測定を正確に行なうことができる。なお、この場合、マイクロプレート1は、少なくとも隔壁部3が不透明(光遮断性を有するもの)であれば、その他の部分は、不透明でなくてもよい。
【0055】
このようなマイクロプレート1は、その上部開口23を封止するように装着(設置)される蓋体10を有している(図1および図2参照)。以下、蓋体10について、図2を参照しつつ説明する。
【0056】
この蓋体10は、天板部11と脚部12とを有し、全体形状がトレー状をなしている。
【0057】
天板部11は、蓋体10をマイクロプレート1に装着した状態で、上部開口23を覆うようにして塞ぐ部分である。天板部11は、底部21とほぼ対応する形状をなす平板状の部材で構成されている。
【0058】
この天板部11の縁部には、各辺に沿って、下方に向って突出する脚部12が一体的に形成されている。蓋体10をマイクロプレート1に装着した状態では、この脚部12は、側壁部22の外方に位置し、側壁部22に嵌合する。これにより、蓋体10は、マイクロプレート1に固定される。
【0059】
蓋体10(天板部11、脚部12)の構成材料としては、前記マイクロプレート1で挙げた構成材料と同様のものを用いることができる。
【0060】
また、天板部11の内面(マイクロプレート1側の面)には、シート状の封止部材111が設置されている。この封止部材111は、好ましくは弾性を有する材料で構成されており、蓋体10をマイクロプレート1に装着したとき、側壁部22の上縁部、および、各隔壁部3の上縁部に密着する。
【0061】
これにより、マイクロプレート1の上部開口23が封止され、試薬Rがマイクロプレート1の外部に散逸(流出)するのを、より確実に防止することができる。
【0062】
また、これにより、各試料収納空間4同士が連通するのを防止して、特定の試薬供給空間5に供給された試薬Rが、本来供給されてはいけない試料収納空間4へ供給されるのを抑制(防止)することができる。例えば試薬供給空間5aに供給された試薬Raが、試料収納空間4b、4cへも供給されるのを、より確実に抑制(防止)することができる。すなわち、本実施形態では、この蓋体10は、各試料収納空間4同士が連通するのを防止する連通防止手段(空間隔離手段)を構成する。
【0063】
このような弾性材料としては、例えば、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0064】
このような蓋体10(封止部材111を含む)は、透明であっても、不透明であってもよい。
【0065】
検出対象物と試薬Rとの反応結果を解析するのに際し、光学的な測定を行なう場合(例えば、発光を測定する場合)には、蓋体10は、透明とされる。
【0066】
なお、この場合、蓋体10は、上方から見たとき、少なくとも各試料収納空間4に対応する領域(部分)が透明であれば、かかる領域以外の領域(すなわち、各試薬供給空間5に対応する領域)は、透明でなくてもよい。このような構成にすることにより、前述したようなクロストークを抑制(防止)する効果をより向上することができる。また、このように、不透明な(光遮断性を有する)領域を設ける場合には、かかる領域に対応する天板部11および封止部材111の少なくとも一方を不透明とすればよい。
【0067】
なお、連通防止手段としては、このような蓋体10の一部(例えば、脚部12を省略したもの等)を用いることや、蓋体10に代わり、同様の機能を発揮するフィルム状のシート部材を用いることもでき、また、その他の構成のものであってもよい。
【0068】
次に、マイクロプレート1の使用方法について説明する。
なお、以下では、ラン藻(微生物:生物試料)中での特定遺伝子Xの発現を解析する場合を一例に説明する。
【0069】
前提として、ラン藻が有するDNA(ラン藻のゲノム)には、特定遺伝子Xのプロモータの下流側に、ルシフェラーゼをコードする遺伝子(以下、「ルシフェラーゼ遺伝子」と言う。)が組み込まれているものとする。
【0070】
この場合、ラン藻中では、特定遺伝子Xの発現に伴い、ルシフェラーゼ遺伝子が発現(すなわち、ルシフェラーゼが産生)される。このルシフェラーゼ(タンパク質:検出対象物)は、例えば、デカナール(デシルアルデヒド)のような試薬(基質)Rと反応して発光する。これにより、ラン藻から光が発せられる。
【0071】
したがって、この発光光を測定することにより、間接的に特定遺伝子Xの発現の有無を解析することが可能となる。
【0072】
[1] まず、各試料収納空間4にラン藻(サンプルS)を収納する。また、この場合、各試料収納空間4には、必要に応じて、例えば、ラン藻を培養するための培地等が収納されていてもよい。
【0073】
なお、ラン藻は、予め、ラン藻を培養するための培養液に分散しておき、かかる分散液をサンプルSとして用いるようにしてもよい。
【0074】
[2] 次に、例えば分注装置(図示せず)等により、各試薬供給空間5に、それぞれ、デカナール(試薬R)を供給する。
【0075】
[3] 次に、マイクロプレート1に蓋体10を装着する。このとき、蓋体10の封止部材111は、マイクロプレート1の側壁部22の上縁部および各隔壁部3の上縁部に密着する。これにより、マイクロプレート1の上部開口23を封止して、デカナールがマイクロプレート1の外部に散逸するのを、より確実に防止することができる。また、これにより、1つの試料収納空間4と1つの試薬供給空間5とが、より確実に連通するようになる。
【0076】
[4] 次に、蓋体10が装着された状態のマイクロプレート1に対して、光を照射しつつ、ラン藻を培養する。このとき、ラン藻が特定遺伝子Xを発現すると、ルシフェラーゼも産生される。
【0077】
また、試料収納空間4には、揮発(気化)したデカナールが、徐々に試薬供給空間5から供給されており、ラン藻中でルシフェラーゼが産生された場合には、このルシフェラーゼとデカナールとが順次反応して、ラン藻から光が発せられる。
【0078】
[5] 次に、発光検出器(図示せず)を蓋体10の上方より接近させ、各試料収納空間4(各ラン藻)からの発光光を、それぞれ測定する。
【0079】
このとき、マイクロプレート1では、各溝6が対向しないように配置されているので、クロストークが好適に抑制(防止)され、反応結果を正確に測定することができる。
【0080】
また、マイクロプレート1、および、蓋体10の各試薬供給空間5に対応する領域を不透明にすることにより、前記効果をより向上することができる。
【0081】
ここで、前記試薬Rのデカナールは、強い細胞毒性を有する物質である。仮に、従来のマイクロプレートを用いた場合には、この強い細胞毒性を有するデカナールを、直接かつ急激に、ラン藻に接触させる必要がある。このため、ラン藻に極めて大きなダメージ(損傷)を与えてしまい、その延命を図ることが困難である。これに対し、マイクロプレート1を用いる場合には、デカナールを、直接、ラン藻に接触させることを回避することができる。これにより、ラン藻へのダメージ(損傷)を軽減(抑制)することができ、その結果、ラン藻の延命を図ること、すなわち、ラン藻を長期にわたって生存させることができる。
【0082】
このため、特に、解析する特定遺伝子Xとして、例えば、時計遺伝子のように、その発現(産生)が周期的(例えば、日周期等)に変化するものを選択する場合には、長期(長時間)に渡って、その変化をより正確に追跡(観察)することができる。
【0083】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のマイクロプレートについて説明する。
【0084】
図3は、第2実施形態のマイクロプレートの構成を示す部分断面図(一部拡大して示す)である。以下、図3に示すマイクロプレート1について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、以下の説明では、図3中の上側を「上方」、下側を「下方」と言う。
【0085】
第2実施形態のマイクロプレート1では、隔壁部の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0086】
第2実施形態では、隔壁部3には、連通手段として、ほぼ円状(楕円状)をなす孔(連通部)6’が、その上下方向の途中に貫通して形成されている。
このような構成によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0087】
なお、孔6’の形状は、図示のものに限定されず、例えば、三角形、四角形、菱形、六角形のような多角形であってもよい。また、孔6’は、隔壁部3の上下方向に沿って、複数個設けられていてもよい。
【0088】
さらに、隔壁部3には、孔6’および前記第1実施形態の溝6の双方を設けるようにすることもできる。
【0089】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態のマイクロプレートについて説明する。
【0090】
図4は、第3実施形態のマイクロプレートの構成を示す斜視図(一部切り欠いて示す)である。以下、図4に示すマイクロプレート1について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、以下の説明では、図4中の上側を「上方」、下側を「下方」と言う。
【0091】
第3実施形態のマイクロプレート1では、隔壁部の設置数および配置が異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0092】
第3実施形態では、マイクロプレート1(筐体2)の底部21には、4個の隔壁部3が列状をなし、かつ3列(3組)で合計12個、上方に向かって突出形成(立設)されている。
【0093】
そして、各列において、隣接する隔壁部3同士が、さらに、各列の両端に位置する隔壁部3(側壁部22に隣接する隔壁部3)が側壁部22と連結されている。これにより、隔壁部3の各列(各組)同士の間には、それぞれ、試薬供給空間5が形成されている。
【0094】
すなわち、このマイクロプレート1(筐体2)の内部には、それぞれ、4個の列状に配置された試料収納空間4が3列と、3個の試薬供給空間5とが形成されている。
【0095】
また、各隔壁部3は、それぞれ、前記第1実施形態と同様の構成の溝6を有しており、これにより、1つの試薬供給空間5が、複数(本実施形態では、4個)の試料収納空間4に連通している。
【0096】
これにより、例えば、ある程度纏まった個数のサンプルSに対して、同一の試薬Rを供給する場合には、試薬Rの試薬供給空間5への供給に要する時間と手間とを削減することができる。
【0097】
なお、1つの試薬供給空間5が連通する試料収納空間4の数は、4個に限定されるものではなく、2または3個でも、5個以上であってもよい。
【0098】
また、第3実施形態のマイクロプレート1も、その上部開口23を封止するように装着(設置)される前記第1実施形態と同様の蓋体10(図示せず)を有している。
【0099】
これにより、マイクロプレート1の上部開口23が封止され、試薬Rがマイクロプレート1の外部に散逸(流出)するのを、より確実に防止することができる。
【0100】
また、これにより、同一の試薬供給空間5に連通する試料収納空間4同士が連通するのを許容しつつ、各試薬供給空間5同士が連通するのを防止して、特定の試薬供給空間5に供給された試薬Rが、本来供給されてはいけない試料収納空間4へ供給されるのを抑制(防止)することができる。すなわち、本実施形態では、この蓋体10は、各試薬供給空間5同士が連通するのを防止する連通防止手段(空間隔離手段)を構成する。
【0101】
以上、本発明の試料処理容器を図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、試料処理容器を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0102】
例えば、本発明の試料処理容器は、前記第1〜第3実施形態のうちの、任意の2以上の構成を組み合わせることもできる。
【0103】
また、図示の構成では、隔壁部は、その横断面における外形形状がほぼ円形をなすものであるが、これに限定されることはなく、例えば、楕円形、あるいは、三角形、四角形、菱形、六角形のような多角形等であってもよい。
【0104】
また、本発明では、1つの試薬供給空間が、全ての試料収納空間と連通するような構成であってもよい。
【0105】
また、本発明では、試料として、前述したような検出対象物を溶液(例えば、緩衝液等)に溶解または懸濁し、調整したものを用いることもできる。
【0106】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、試料に試薬を間接的に供給することができる。このため、試料として、例えば生物試料または生物試料を含むものを用いる場合には、生物試料へのダメージを軽減(抑制)して、その延命を図ることができる。
【0107】
また、検出対象物として、その発現量(産生量)が周期的に変化するものを選択する場合には、その変化をより正確に追跡することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試料処理容器をマイクロプレートに適用した場合の第1実施形態の構成を示す斜視図(一部切り欠いて示す)である。
【図2】図1中のA−A線断面図(マイクロプレートに蓋体を装着した状態)である。
【図3】第2実施形態のマイクロプレートの構成を示す部分断面図(一部拡大して示す)である。
【図4】第3実施形態のマイクロプレートの構成を示す斜視図(一部切り欠いて示す)である。
【符号の説明】
1 マイクロプレート
2 筐体
21 底部
22 側壁部
23 上部開口
3 隔壁部
4 試料収納空間
5 試薬供給空間
6 溝
6’ 孔
10 蓋体
11 天板部
111 封止部材
12 脚部
S サンプル
R 試薬
3a、3b、3c 隔壁部
4a、4b、4c 試料収納空間
5a、5b、5c 試薬供給空間
6a、6b、6c 溝
Sa、Sb、Sc サンプル
Ra、Rb、Rc 試薬

Claims (21)

  1. 筒状をなす隔壁部が複数並べられた試薬処理容器であって、
    前記各隔壁部の内周面側の空間を、試料を収納する試料収納空間とし、
    複数の前記隔壁部の外周面で囲まれた空間を、前記試料中の検出対象物と反応し得る試薬を供給する試薬供給空間とし、
    前記試料収納空間と前記試薬供給空間とが、前記隔壁部に設けられた連通手段により連通しており、前記試薬供給空間から前記連通手段を介して、前記試料収納空間へ前記試薬を供給するよう構成されていることを特徴とする試料処理容器。
  2. 前記隔壁部は、その形状がほぼ円筒状をなすものである請求項1に記載の試料処理容器。
  3. 底部と、該底部に立設された側壁部とを備える筐体を有し、
    前記試料収納空間と前記試薬供給空間とは、それぞれ、前記筐体の内部に形成されている請求項1または2に記載の試料処理容器。
  4. さらに、前記側壁部と前記隔壁部の外周面とで囲まれた空間を前記試薬供給空間とした請求項3に記載の試料処理容器。
  5. 前記連通手段は、前記隔壁部を貫通して形成された連通部で構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の試料処理容器。
  6. 前記連通部は、前記隔壁部の上縁部に開放する溝である請求項5に記載の試料処理容器。
  7. 前記連通部は、前記隔壁部の途中に貫通する孔である請求項5に記載の試料処理容器。
  8. 前記隔壁部は、光遮断性を有している請求項1ないし7のいずれかに記載の試料処理容器。
  9. 前記試料収納空間と前記試薬供給空間とを、それぞれ、複数有する請求項1ないし8のいずれかに記載の試料処理容器。
  10. 前記試料収納空間は、マトリックス状または列状に配置されている請求項9に記載の試料処理容器。
  11. 1つの前記試薬供給空間が、1つの前記試料収納空間に連通している請求項9または10に記載の試料処理容器。
  12. 1つの前記試薬供給空間が、複数の前記試料収納空間に連通している請求項9または10に記載の試料処理容器。
  13. 前記試料収納空間同士、または、前記試薬供給空間同士が連通するのを防止する連通防止手段を有する請求項9ないし12のいずれかに記載の試料処理容器。
  14. 前記連通防止手段は、前記試料処理容器に装着される蓋体またはその一部である請求項13に記載の試料処理容器。
  15. 前記蓋体は、天板部と、該天板部に立設された脚部とを有し、
    前記天板部の内面に封止部材が設置されている請求項14に記載の試料処理容器。
  16. 前記蓋体は、前記試料処理容器に装着したとき、前記試料収納空間に対応する部分が透明である請求項14または15に記載の試料処理容器。
  17. 前記試料は、生物試料または生物試料を含むものである請求項1ないし16のいずれかに記載の試料処理容器。
  18. 前記生物試料は、微生物、生体組織または細胞である請求項17に記載の試料処理容器。
  19. 前記検出対象物は、核酸、タンパク質、脂質またはホルモン類である請求項1ないし18のいずれかに記載の試料処理容器。
  20. 前記試料の処理に際し、前記試薬は、少なくとも一部が気化し、この気化した試薬が前記連通手段を介して、前記試薬供給空間から前記試料収納空間へ移動する請求項1ないし19のいずれかに記載の試料処理容器。
  21. マイクロプレートである請求項1ないし20のいずれかに記載の試料処理容器。
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