JP3677940B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波を吸収して発熱する高周波発熱体を備えた高周波加熱装置に関し、特に高周波発熱体の発生熱を利用して被加熱物を加熱する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジに代表される高周波加熱装置は、被加熱物である食材に対して高周波エネルギを利用して食材自身を自己発熱させる機能を有する。いわゆる電波を利用することから、熱源から離れた位置に設けた食材を加熱することができる。
【0003】
電波は陶器やガラスは透過できるが金属は透過できず、その金属面で反射するので金属容器内の被加熱物を電波で加熱するには、たとえば金属容器の上方に開口部がある場合は、その開口部から金属容器内に電波を供給させる必要がある。
【0004】
しかし、従来の電子レンジは、金属容器に入った被加熱物を加熱することは想定していない。背の低い金属容器であれば被加熱物を高周波加熱できる場合があるが、一般的には金属容器内の被加熱物を高周波加熱することは困難である。
【0005】
一方、被加熱物を直接加熱する方法として、被加熱物を載置する載置台を高周波加熱する技術がある。これを利用すれば、被加熱物はもとより、金属容器内に入っている被加熱物を加熱することが可能となる。
【0006】
これに対する先行技術の一つとして、特開平1−204386号公報がある。この公報によれば、被加熱物を載置する載置台は高誘電損失を有しマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波吸収発熱体とこの下面に一体に形成した耐熱、非熱伝導性のマイクロ波透過材料とから構成され、供給するマイクロ波により載置台を発熱させて載置台に載せられた食品の裏面に焦げ目をつけることを可能にしている。
【0007】
しかしながら、このような構成の載置台では、載置台の発熱量を制御することはできないので、食品の加熱状態を所望の状態にすることが困難である。なぜならば、被加熱物に吸収される高周波エネルギと載置台のマイクロ波吸収発熱体に吸収される高周波エネルギとの分配量を制御することができないためである。
【0008】
また、食品加熱において、輻射熱を必要としない食品もあり、そのような食品に対しての加熱においてもマイクロ波吸収発熱体にマイクロ波エネルギが消費されるので食品が消費できるマイクロ波エネルギが削減されることに伴い調理時間が長くなったり、食品の種類によっては調理が不十分になったりする不具合を有している。
【0009】
一方、この課題の解消を図るために応用される先行技術の一つとして、特開昭52−111046号公報がある。この公報によれば、加熱室の底面に設けた高周波励振手段と、加熱室内へ着脱自在に設けることができるとともに被加熱物を載置する金属製受皿とを備え、金属製受皿の底面に高周波発熱体を設けた構成としている。
【0010】
この構成によれば、金属製受皿が加熱室を二分する。そして、加熱室を形成する底面壁を含む壁面と金属製受皿とがつくる空間に供給される高周波のほとんどを閉じ込めることを可能にできる。従って、加熱室内に給電される高周波エネルギ量を制御することで高周波発熱体の発熱量を制御できる可能性を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加熱室の上下方向の中間において高周波発熱体を底面に設けた金属製受皿を着脱自在させる構成であり、被加熱物を高周波加熱する場合には、この金属製受皿を取り外す必要があり、使い勝手に課題を有していた。
【0012】
本発明は、高周波を吸収して発熱する高周波発熱体を備えた載置台の温度を高周波的視点から制御して被加熱物を効果的に加熱させることを基本課題としている。
【0013】
また、高周波加熱装置の被加熱物を収納する加熱室内に装着でき、高周波加熱時はもとより、輻射加熱や対流加熱時にも常用できる載置台を提供し、金属容器に入った被加熱物の加熱ができる高周波加熱装置を提供することを応用課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、被加熱物を載置する載置部と、前記載置部を実質的な終端とする円筒管形状の空胴共振室と、前記載置部を回転駆動する載置部駆動手段と、前記載置部と一体的に構成するとともに前記空胴共振室内に介在させ高周波を吸収して発熱する通気性を有する高周波発熱体と、前記空胴共振室に供給する高周波を発生する高周波発生手段と、前記空胴共振室内に空気を送風する送風手段と、前記載置部の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の出力信号が既定の温度信号レベルを超過すると、前記載置部駆動手段を動作させる制御部を備えたものである。
【0015】
本発明によれば、載置部の温度が所望になったことを目視でき被加熱物を載置するタイミングを知らしめることができる。また、装置使用後において載置部温度が高い場合には、載置部回転による目視効果により、やけど防止を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、被加熱物を載置する載置部と、前記載置部を実質的な終端とする円筒管形状の空胴共振室と、前記載置部を回転駆動する載置部駆動手段と、前記載置部と一体的に構成するとともに前記空胴共振室内に介在させ高周波を吸収して発熱する通気性を有する高周波発熱体と、前記空胴共振室に供給する高周波を発生する高周波発生手段と、前記空胴共振室内に空気を送風する送風手段と、前記載置部の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の出力信号が既定の温度信号レベルを超過すると、前記載置部駆動手段を動作させる制御部を備えたものである。これにより、載置部を実質的な終端とする空胴共振室内に高周波発熱体を介在させているので、空胴共振室内での高周波負荷を高周波発熱体に限定させることができる。従って、空胴共振室に供給する高周波エネルギを制御することで高周波発熱体の発熱量を制御でき、さらには載置部の温度制御を可能にし、被加熱物単体あるいは金属容器に入った被加熱物を効果的に加熱させることができる。
【0017】
また、空胴共振室に送風した空気を通気性を有する高周波発熱体に通流させることで、熱流を載置部周辺に通流排出し被加熱物周辺の雰囲気温度を高めることにより輻射熱あるいは対流熱による被加熱物の加熱を促進できる。さらには、空気の通流により高周波発熱体および載置部をすばやく冷却させることができ、装置使用後の後片付けをスピーディーに行なうことができる。
【0018】
また、高周波発生手段は、高周波発熱体と熱的に分離した構成としている。これにより、載置部からの熱伝達を断ち切り高周波発生手段の熱的破損を防止できる。
【0019】
また、空胴共振室は円筒管形状とし、円筒管中心軸上に設けた駆動軸を介して載置部を回転駆動する載置部駆動手段とを備えたものである。これにより、空胴共振室内の電界分布を乱すことなく高周波発熱体を有する載置部を回転させることができる。また、制御手段は、温度検出手段の出力信号が既定の温度信号レベルを超過すると、載置部駆動手段を動作させることとしている。これにより、載置部の温度が所望になったことを目視でき被加熱物を載置するタイミングを知らしめることができる。また、装置使用後において載置部温度が高い場合には、載置部回転による目視効果により、やけど防止を図ることができる。
【0020】
さらにまた、高周波発熱体は、ハニカム構造体としている。これにより、通気性を備えるとともに小さい熱容量の発熱部を構成でき、発熱の立ち上がりあるいは冷却をすばやく行なうことができる。
【0021】
また、高周波発熱体は、高比誘電率の部材を含有する構成としている。これにより、高周波発熱体内を伝搬する高周波の伝搬速度を遅くでき、伝搬する高周波から高周波エネルギを効果的に吸収することができる。
【0022】
また、ハニカム構造体の貫通部に高比誘電率の部材を付加した構成としている。これにより、高周波を吸収して発熱する部材からの熱負荷を大きくでき、高周波の供給停止に伴う高周波発熱体の著しい温度低下を抑制することができる。
【0023】
また、高周波発熱体は、板状構造とし、板の厚さを使用する高周波の実効波長の略1/4としたものである。これにより、高周波発熱体の形状を大きくし熱容量を増すことなく高い高周波電界領域に高周波発熱体を必ず存在させることができるので、発熱を促進させることができる。
【0024】
さらにまた、載置部の温度を検出する温度検知手段を備えている。そして、温度検知手段の出力信号に基づいて、高周波発生手段の動作を制御する制御手段を備えている。これにより、載置部の温度を所望の温度に制御でき、被加熱物を効果的に加熱することができる。
【0025】
また、温度検出手段の出力信号に基づいて、送風手段の動作を制御する制御手段を備えている。これにより、高周波発熱体への空気の通流を制御して被加熱物周辺へ高温の熱流を通流して被加熱物周辺の温度を高め被加熱物を包み込んだ状態で加熱することができるので、被加熱物の加熱も効果的に行なうことができる。また、高周波供給時における載置部の温度のすばやい低下、あるいは高周波発生手段の冷却、装置使用後における載置部のすばやい冷却をさせることで装置の使い勝手を高めることができる。
【0026】
また、載置部を収納する限定した空間と、前記空間に供給する高周波を発生する高周波発生手段とを備えたものである。これにより、載置部の温度を制御することで、被加熱物底面への焦げ目つけ、被加熱物を保温状態に維持することができる。
【0027】
また、載置部を収納する凹状絞り部を有する天板に対して、前記載置部と天板とを略フラットに組立てたものである。これにより、ドロップイン型の加熱装置を提供できる。
【0028】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0029】
本発明の高周波発熱体に用いられる高周波を吸収して発熱する部材としては、従来より周知の様々な材料が用いられる。たとえば、フェライト、ペロブスカイト構造の組成を主成分とする磁器半導体、炭化珪素、カーボンブラック、木炭などの粉末あるいは焼結物であり、粉末の粒径あるいは焼結物の気孔率は特に限定されないが、好ましくは、発熱部材が絶縁体として作用するようにし、焼成に対しては助結材を選択する。
【0030】
高比誘電率の部材の比誘電率は、高周波発熱体の板厚さにより適宜選択することができる。たとえば使用する高周波帯を電子レンジに用いられる2450MHz帯とした時には、その空間伝搬波長は約12cmであり、高比誘電率部材中を伝搬する時の実効伝搬波長がその比誘電率の平方根の逆数に比例することを考慮すると実用的な構造寸法が得られる比誘電率の値として4000以下の材料、好ましくは5以上、2000以下を用いることができる。
【0031】
この周波数帯で使用する高比誘電率の部材としては、たとえば、酸化チタン、ペロブスカイト構造の組成を主成分とする誘電体、助結材に酸化ベリウムを用いた炭化珪素があげられる。
【0032】
なお、非常に大きな熱容量を呈する高周波発熱体とする場合は、上記した比誘電率の値より小さい値の部材、たとえばアルミナ、窒化アルミ、ムライト、コージェライトなども選択できる。さらに、高周波発熱体のコンパクト化を視点とし薄型形状の発熱体構成を採りたい場合は、比誘電率が200以上の部材、たとえばペロブスカイト構造の組成を主成分とする誘電体(SrTiO3↓,PbTiO3↓,PbZrO3↓,Pb(Zr1↓−↓x↓Tix↓)O3↓など)を選択することができる。
【0033】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の高周波加熱装置の構成図、図2は図1に用いた高周波発熱体の部分拡大構成図、図3は図1に用いた空胴共振室内に生じさせた高周波電界分布図、図4は図1の装置を載置部上方からみた時の概略構成図である。
【0034】
図1において、10は載置部でありその上面には被加熱物11を載置する。載置部10の底面の略中央部には駆動軸12と連結する連結部13を設け、載置部10の底面の周辺には高周波を吸収して発熱する高周波発熱体14の一端面と面接合する凸面群15を円周方向に周期的配設している。載置部10の底部周辺には円筒形状の側壁面16を設け、この側壁面16の載置部10との付け根周辺には通気孔17を円周方向に周期配設している。高周波発熱体14は、板状構造のハニカム構造体とし高比誘電率の部材18を含有させている。19は高周波発熱体14を支持固定する支持部である。
【0035】
20は空胴共振室であり、21は高周波発生手段、22は高周波発生手段21が発生する高周波を伝送する直線状の導波管、23は空胴共振室20内に高周波を放射する開孔からなる給電手段24を有する環状導波管である。空胴共振室20は円筒管形状から構成しており、円筒管の一端は載置部10の底面を実質的な終端面とし、円筒管の側面は載置部10の側壁面16と環状導波管23の内側壁面25から形成し、円筒管形状の一方の端面は底板26で形成している。
【0036】
載置部10の側壁面16の外側周囲には高周波遮断部27を設けている。この高周波遮断部27は、断面がコの字状の凹部の底面にインピーダンス変換部28を周期的に配設している。また、高周波遮断部27の開口部であり載置部10の側壁面16に対面する領域は、耐熱性樹脂部材29で覆っている。
【0037】
30は載置部10の表面温度を検出する温度検出手段である赤外線センサである。31は送風手段であり、直線状の導波管22内に空気を送風する。32は高周波発生手段21の駆動電源、33は載置部駆動手段であるモータであり駆動軸12を回転駆動して載置部10を回転させる。
【0038】
34は制御手段であり、温度検出手段である赤外線センサ30が検出する載置部10の温度情報を取り込む。また、手動情報入力手段(図示していない)からの情報あるいは上述の温度情報に基づいて駆動電源32、載置部駆動手段であるモータ33および送風手段31に対して制御信号を出力し、それぞれを所望の動作状態に設定する。
【0039】
次に図2について説明する。図2は、図1に用いた高周波発熱体の部分拡大構成図である。
【0040】
高周波発熱体14は、図2に示すようにハニカム構造体としている。このハニカム構造の基体35は高周波を吸収して発熱する耐火耐熱の部材、たとえば炭化珪素を主体の組成とした絶縁性を備える部材の焼結体で構成している。基体35の貫通孔群36には互い違いに高比誘電率からなる部材18、たとえば酸化チタン粉末、を充填している。また充填物を基体35に保持させるために貫通孔群36の両端は、無機結合材37にて封止している。
【0041】
板状構造の高周波発熱体14はハニカム構造体の貫通孔方向を板の厚み方向として載置部10の底面に配設している。
【0042】
高周波発熱体14は図2に示したハニカム構造体からなる直方体形状の小ブロックとし、お互いを無機結合材にて接合組み立てして高周波発熱体の全体を構成している。また、このように構成した高周波発熱体14を一体的に載置部10の底面の凸部群15に接合組立した後、支持部材19にて固定支持させている。
【0043】
高周波発熱体の形状構造として、高周波加熱装置として代表される電子レンジにおいて使用される2450MHz帯の場合の1実施例を以下に示す。
【0044】
高周波発熱体14のハニカム構造は貫通孔群36の密度が200セル/平方インチ、基体35の壁厚さは0.4mmである。小ブロックの発熱体としての外形形状は、33mm角、厚さ(図1中tで示す)8.8mmとした板状構造としている。高比誘電率の充填部材18は、粉末の酸化チタンを使用した。この充填部材を充填した状態での高周波発熱体の2450MHz帯における実効比誘電率は、約12であった。高周波発熱体の厚さtは、この比誘電率に基づき、2450MHz帯の高周波の実効波長に対して略1/4の長さになるように構成している。
【0045】
次に図3について説明をする。図3は図1の空胴共振室に生じる高周波電界分布図を示している。
【0046】
図3において、高周波発生手段21が発生した高周波は直線状の導波管22と環状の導波管23とを伝送して空胴共振室20に伝搬する。各導波管22、23内および空胴共振室20内に生じる電気力線を矢印付き実線にて示す。空胴共振室20を形成するとともに環状導波管23の形成壁面である内側壁面25には、略対向する位置に給電手段24a,24bを配設している。また、直線状導波管22と環状導波管23との接続位置を起点として給電手段24a,24bのそれぞれに至る物理的寸法は、環状導波管23内を伝搬する高周波の実効波長の略1/2の長さ分だけ異ならしている。
【0047】
なお、38は載置部10を回転させる駆動軸を貫通させる穴である。
【0048】
次に図4について説明する。図4は図1の装置を載置部上方からみた時の概略構成図を示し、特に載置部10の底面への高周波発熱体14の配設構成および送風手段31から送風される空気の通流方向を示す。
【0049】
高周波発熱体14は、直方体形状の小ブロックを連結した構成からなる。図4においては、小ブロックを12個連結させた構成としている。この小ブロックの配設構成は図3に示した強く高周波加熱される領域39と載置部10の回転に伴う状態変化とを考慮して決定している。なお図4において、高周波発熱体14の中央部13は載置部10を回転駆動させる駆動軸12を介在させるために小ブロックを配さず中空としている。
【0050】
次に動作と作用を説明する。
【0051】
制御手段34の出力制御信号に基づいて、駆動電源32からの電力供給を受けて高周波発生手段21が動作し高周波を発生する。
【0052】
この高周波は直線導波管22内を伝搬して、環状導波管23に至ると二つの方向に分配される。分配された高周波は、図3中の電気力線で示したように互いの関係が逆位相にて環状導波管23内を伝搬する。給電手段24a,24bへ至る物理寸法を上述した寸法差としたことにより、給電手段24a,24bから放射される高周波は同じ位相となる。円筒管状の空胴共振室20は二つの給電手段から放射される同じ位相の高周波により、空胴共振室20内に図示した電気力線を生じさせている。この結果図3中の円状の破線39にて示す領域が強く高周波加熱される。
【0053】
また、図示したように空胴共振室20内に生じさせる電気力線を規定させたことにより空胴共振室20の中央部に駆動軸38を配設した場合でも上記の電気力線分布を維持させることができる。
【0054】
また、空胴共振室20内に生じさせた電気力線分布を強く維持させるために空胴共振室20内をこの電気力線分布を生じる共振モードにて共振させている。この共振を実現させるために、円筒管形状の空胴共振室20において、底板26から載置部10の底面に至る長さを規定している。
【0055】
円筒管形状の空胴共振室20の円筒管軸方向の長さを規定することに当たって高周波発熱体14の高周波的作用を考慮している。
【0056】
載置部10の底面には高周波発熱体14と面接合する凸面群15を設けている。
【0057】
この凸面群15を設けていない載置部10の底面は、高周波発熱体14の一端面との間にすきまが形成される。このすきまは後述する空気の通気路として用いる。
【0058】
この周期配設した凸面群15を有する載置部10の底面を空胴共振室20の実質的な終端面としている。この載置部10の底面構成と高周波発熱体14との高周波的作用により、図3に示した強く高周波加熱される領域39に該当した高周波発熱体14の領域では、高周波発熱体14内を遅く伝搬する高周波から高周波エネルギを効果的に吸収してすばやい発熱が行われる。
【0059】
また、載置部10の底面に設けた凸面群15からの高周波発熱体14の板厚さtを高周波の実効波長の略1/4の長さにしたので、空胴共振室20の円筒管軸方向においても高周波電界の強い領域に高周波発熱体14を存在させることができ、高周波エネルギによる発熱をより促進させることができる。
【0060】
高周波発熱体14は載置部10と面接合しているので、高周波発熱体14の発熱は載置部10に伝熱し載置部10の温度が上昇していく。
【0061】
この状態下において、載置部10の温度上昇の進行を赤外線センサ30を用いて把握する。図4に示した高周波発熱体14の小ブロック配置と図3に示した強く高周波加熱される領域39とは、回転する載置部10にあってはその停止状態に応じて最良の状態から若干位置ずれした状態になる場合がある。制御手段34は、空胴共振室20に生じる強い高周波加熱領域の分布に対する載置部10の停止位置状態を載置部10の温度上昇具合を把握することで判断できる。制御手段34は、温度上昇が緩やかな場合載置部10を回転させるために載置部駆動手段33を動作させる制御信号を出力することができる。
【0062】
また、制御手段34は、載置部10の温度情報に基づいて、その温度が既定の温度信号レベルを超過したと判定すると載置部駆動手段33を動作させる制御信号を出力する。これにより、載置部10が被加熱物を加熱するのに十分な温度に達したことを載置部10を回転させるという目視情報により報知させることができる。また、この制御方法は被加熱物に応じた方法の一つとして、高周波発熱体14しいては載置部10をすばやく所望の温度に立ち上げることに対応する制御方法であり、所望温度域に到達するまでは載置部10の回転を停止させることを示すものである。
【0063】
一方、送風手段31から供給される空気流40は図4に示すように直線状導波管21、環状導波管23(空気流40a,40b,40c)を経て給電手段24a,24b(空気流40b,40c)より空胴共振室20内に導かれ、図1に示したように高周波発熱体14内(空気流40d,40e)を通気して空胴共振室20外(空気流41)へ通流する。
【0064】
送風手段31を動作させることにより、高周波発熱体14内を通流して高温になった空気を載置部10の外周周辺に通気させることができる。これにより、載置部10および被加熱物11の周辺の雰囲気温度を高温にすることができ、被加熱物11の加熱を促進できる。
【0065】
またさらに、空気を通気させ高周波発熱体14を冷却させることができる。これにより、載置部10の温度をすばやく低下させることができる。これは、特に装置使用後の後片づけの際に大きな利便性を有させることができる。
【0066】
載置部10を回転駆動する構成としたことにより、載置部10からの熱伝達は回転軸12のみであり、高周波発生手段21を高周波発熱体14から熱的に分離して高周波発生手段の熱的破損を防止できる。また、送風手段31を動作させることで、熱伝達をさらに抑制できる。
【0067】
また制御手段34は赤外線センサ30の信号に基づいて載置部10の温度を所望の温度帯に維持させるために駆動電源32の動作を制御して高周波発生手段21に供給する電力を制御したり、送風手段31の送風量を制御をする。
【0068】
この制御により、載置部10の温度を被加熱物の加熱に最適な温度に維持させることができる。
【0069】
また載置部10の温度を所望の温度に上昇させたり下降させたりすることは上述した制御を用いてすばやく実行させることができる。
【0070】
また高周波発熱体14に高比誘電率の部材18を付加したことにより、高周波を吸収して発熱する部材からみた熱負荷を大きくでき、高周波の供給停止に伴う高周波発熱体14の著しい温度低下を抑制し、載置部10の温度を所望の温度に維持する制御を容易にできる。
【0071】
なお、空胴共振室20に生じさせる共振モードは上記実施例に限定されるものではなく、例えば載置部の外形をコンパクトにしたい場合には強い高周波加熱領域が4個所生じる共振モードを選択できる。この共振モードを選択した場合には、それに対応して高周波発熱体の構成および載置部への配置を最適な状態に変更する。
【0072】
(実施例2)
図5は本発明の実施例2の高周波加熱装置の構成図である。図1と相違する点は、載置部10を限定した空間42に収納したことである。
【0073】
図5において、43は空間42に供給する高周波を発生する高周波発生手段、44は高周波発生手段43が発生した高周波を伝送する導波管、45は空間42を形成する金属壁面に設け空間42内に高周波を放射する開孔、46は高周波発生手段43を駆動する駆動電源であり制御手段34が出力する信号によってその動作を制御している。また載置部10の温度を検出する赤外線センサ30は、空間42を形成する壁面に設けた視野穴47を介して載置部10の周縁をセンサが温度検出する視野として配設している。
【0074】
また空間42を形成する底壁面48は、略円形の凹部を形成しこの凹部内の周辺には高周波遮断部27を周期配設している。載置部10は、この高周波遮断部27と同心状に組込まれ、駆動軸12を介して回転する構成としている。
【0075】
なお、高周波発生手段43を冷却する冷却ファン、開孔45を遮蔽する低誘電損失で耐熱性の板、空間42を形成する壁面に配した給排気穴、あるいは装置本体筐体などは図示していないが付帯される。
【0076】
次に動作、作用について説明する。
【0077】
実施例2の構成においては、被加熱物自体を高周波加熱させることができる。この場合、高周波発生手段43を動作させ、高周波発生手段43が発生する高周波により被加熱物を加熱する。この際において、載置部10と底壁面48とのすきま領域には高周波遮断部27の存在により高周波的に極めて小さいインピーダンス領域が形成される。この高周波的作用により空間42内に放射された高周波は載置部10と底壁面48とのすきまを伝搬しない。そして載置部10は、空間42を形成する金属壁面の一つとして作用する。従って高周波発生手段43の動作中に生じる載置部10の温度上昇は被加熱物11からの熱伝達が支配的であり載置部10は実質的な発熱をしない。
【0078】
また、被加熱物の加熱方法によっては、高周波発生手段21を動作させて載置部10の温度を実質的に高めることができる。高周波発生手段43、21の動作制御は、一方のみの動作を時間的に組み合わせたり、同時動作させたりすることができる。載置部10の温度は、高周波発生手段21が発生する高周波により制御できるので被加熱物を所望の加熱状態にさせることができる。たとえば、被熱物底面への焦げ目つけ、被加熱物を保温状態に維持することができる。
【0079】
また、高周波発生手段21と送風手段31を動作させて、空間42内を高温にさせることができる。これにより、被加熱物をいわゆるオーブン加熱させることができる。
【0080】
この種の装置の特徴は、載置部10を空間42を形成する壁面として作用させたことにあり、被加熱物を高周波加熱しているときに高周波発熱体14は発熱しない。従って、載置部10は空間42内に常用配設できる。
【0081】
また、金属性容器に入った被加熱物を載置部10に載置した場合でも載置部10からの伝熱により被加熱物を間接的に加熱することができ、利便性の高い装置を提供することができる。
【0082】
(実施例3)
図6は本発明の実施例3の高周波加熱装置の配設構成図である。図において、図1および図5と相違する点は、天板49の下方に装置を格納した構成にある。
【0083】
図6において、天板49は載置部50の外形より大きい径の凹状絞り加工をしている。載置部50は、この凹状絞り部に収納し、天板49と略フラットな状態に組み立てられている。赤外線センサ30は、凹部絞り部の下方に配置し載置部50の周縁底面を温度検出する視野として配置している。
【0084】
次に動作と作用について説明する。
【0085】
載置部50の温度制御は上述した実施例と同様である。また、送風手段31を動作させて得られる高温の空気流は天板50の凹状絞り部と載置部50とのすきまを介して天板49上に通気する。
【0086】
この構成の特徴は、ドロップイン型の加熱装置を提供できることであり、載置部50を回転可能な構成としているので、加熱中であることを目視的に報知できる利便性を提供できる。また、載置部50への電力供給線の接続がないので、載置部50を取り外して水洗いなどの清掃を容易に行なうことができる。
【0087】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように本発明の高周波加熱装置によれば、載置部を実質的な終端とする空胴共振室内に高周波発熱体を介在させているので、空胴共振室内での高周波負荷を高周波発熱体に限定させることができる。従って、空胴共振室に供給する高周波エネルギを制御することで高周波発熱体の発熱量を制御でき、さらには載置部の温度制御を可能にし、被加熱物単体あるいは金属容器に入った被加熱物を効果的に加熱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の高周波加熱装置の構成図
【図2】 同高周波加熱装置の高周波発熱体の部分拡大構成図
【図3】 同高周波加熱装置の空胴共振室内の高周波電界分布図
【図4】 同高周波加熱装置の載置部上方からみた概略構成図
【図5】 本発明の実施例2の高周波加熱装置の構成図
【図6】 本発明の実施例3の高周波加熱装置の構成図
【符号の説明】
10、50 載置部
11 被加熱物
12 駆動軸
13 高周波発熱体
18 高比誘電率部材
20 空胴共振室
21 高周波発生手段
30 赤外線センサ(温度検出手段)
31 送風手段
33 載置部駆動手段
34 制御手段
35 ハニカム構造の基体
36 ハニカム構造体の貫通部
39 強い高周波加熱領域(共振モード)
t 高周波発熱体の板厚さ

Claims (7)

  1. 被加熱物を載置する載置部と、前記載置部を実質的な終端とする円筒管形状の空胴共振室と、前記載置部を回転駆動する載置部駆動手段と、前記載置部と一体的に構成するとともに前記空胴共振室内に介在させ高周波を吸収して発熱する通気性を有する高周波発熱体と、前記空胴共振室に供給する高周波を発生する高周波発生手段と、前記空胴共振室内に空気を送風する送風手段と、前記載置部の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の出力信号が既定の温度信号レベルを超過すると、前記載置部駆動手段を動作させる制御部を備えた高周波加熱装置。
  2. 被加熱物を載置する載置部と、前記載置部を実質的な終端とする円筒管形状の空胴共振室と、前記載置部と一体的に構成するとともに前記空胴共振室内に介在させ高周波を吸収して発熱する通気性を有する高周波発熱体と、前記高周波発熱体と一体に構成した前記載置部を回転駆動する載置部駆動手段と、前記空胴共振室に供給する高周波を発生する高周波発生手段と、前記空胴共振室内に前記高周波発生手段で発生した高周波を放射する2つの開口を設けた環状導波管と、前記空胴共振室内に空気を送風する送風手段と、前記載置部の温度を検出する温度検出手段を備え、2つの前記開口から放射される同じ位相の高周波により共振モードを前記空胴共振室に生じさせ、かつ前記温度検出手段を用いた前記載置部の温度上昇から、前記共振モードと前記高周波発熱体とが位置ずれが生じていると判断した場合には、前記載置部駆動手段を制御して、前記載置部を回転させることを特徴とした高周波加熱装置。
  3. 高周波発熱体は、ハニカム構造体とし、前記ハニカム構造体の貫通部に高比誘電率の部材を付加した請求項1または2記載の高周波加熱装置。
  4. 高周波発熱体は、板状構造とし、板の厚さを使用する高周波の実効波長の略1/4とした請求項1または2記載の高周波加熱装置。
  5. 前記温度検出手段の出力信号に基づいて、前記高周波発生手段および/または前記送風手段の動作を制御する制御手段を備えた請求項1記載の高周波加熱装置。
  6. 載置部を収納する限定した空間と、前記空間に供給する高周波を発生する高周波発生手段とを備えた請求項1または2記載の高周波加熱装置。
  7. 載置部を収納する凹状絞り部を有する天板に対して、前記載置部と天板とを略フラットに組立てた請求項1または2記載の高周波加熱装置。
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