JP3672896B2 - ロータリー型粉剤充填包装機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺樹脂フィルムから熱シールにより袋を形成して粉剤を充填し分包する水平ロータリー型の粉剤充填包装機に関する。
【0002】
【従来の技術】
連続自動粉剤包装機は、長尺の熱可塑性樹脂フィルムに多数の袋部を連続に形成し、各袋部に所定量の粉剤を充填し、各袋部を熱シールにより密封して、粉剤を包装するものである。
【0003】
従来のロータリー型の粉剤包装機は、図8及び図9に示すように、コイル状の長尺フィルム90が、巻き戻し装置8により巻き戻して連続的にシーリング充填機構に移送され、シーリング充填機構では、長尺フィルム90を水平に移送しながら、先ず、フィルムガイド84を通して、U字形のトラフ状に折り曲げ、次いで、ターンテーブル上に配設された多数のシュート3の下端部を順次、二つ折りのフィルム91の間に入れ、次いで、同様に配設されたシーリングバーのシールバー20a、20bがフィルムの両縁を合わせて挟持して、同時にフィルムの幅方向に狭幅の熱シールをして、幅シール部を長手方向に一定間隔で形成している。
【0004】
多数の幅シール部92で区切られた二重のフィルムの内側が袋部となり、多数の袋部93が長手方向に連続して形成される。袋部93の上縁部は開口しており、粉剤供給手段6から、枡開口部を通じ粉剤が定量切り出されて、シュート3により、各袋部93に充填される。
【0005】
各袋部93内に粉剤が装入されたフィルム91は、シーリング充填機構から連続的に上縁シーリング装置87に移送されて、連続的に袋部の上縁部が熱シールされて、縁シール部94が形成され、袋部内が密封にされる。さらに、フィルムは、切断装置89に移送され、幅シール部92をカットされて、各袋部93が切り離されて製品9となる。
【0006】
ロータリー型の充填装置の例として、特開2001−122208 号には、ターンテーブルの周縁に等間隔で配置した開閉可能な多数のシーリングバー20と、隣接シーリングバー20の間に昇降可能に配置する粉部材投入用の多数のシュート3と各シュートを昇降するように保持するシュート軸34とを備えたフィルムのシーリング充填機構を開示している。シュート軸34は、ターンリングに貫通するようにされ、シーリングバー20は、ロータリードラム13の上縁部に固定されている。
【0007】
この従来機は、ロータリードラムは、固定基台の回りに回転可能に軸受機構131により支持されており、ロータリードラムの外周に固定したターンリングの一つの外周をギヤ18bとし、駆動軸19のギヤ18aと係合して、回転駆動される。ロータリードラムの回転に従って、シーリングバー20は、その開閉動作により二つ折りにしたフィルム91を挟持してターンテーブル回りに回送案内させながらシーリングバーが加熱してフィルムに等間隔に幅シール部形成し、袋にする。同時に、シュートの降下上昇の動作により、シュートの下端部を袋に挿入と、袋への粉剤の充填と、次いで袋からのシュートの引き抜きとを行ない、充填後は、フィルムは、シーリングバーから開放されて,前述の如く、上縁シーリング装置87へ移送される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の粉剤供給装置では、回転容器を回転させるのに、基台の中空部を貫通した回転軸の上端に回転容器の底部を固定して、支持した。これは、回転容器を支持し且つ回転制御するには、簡便な構造であり、好都合ではあるが、しかし、回転容器の直下には、上記のように、シーリング充填機構の多数のシーリングバーとシュートとが配置されるので、特に、これらのシーリングバーとシュート等の交換や調節作業には、回転容器の回転軸は、邪魔になっていた。
【0009】
また、回転容器底部には、底部に取り付けた多数の枡と、各枡の下端開口部を開閉するシャッターが設けているが、シャッターの開閉動作に応じて枡を通じて落下する粉剤が多数のシーリングバーやそれを支持するターンテーブル等を汚すので、その清掃を頻繁にする必要があった。
【0010】
さらに、従来の粉剤充填包装機は、シーリングバーとこれに対応するシュートとは、上記のシーリング充填機構のターンテーブルの周縁部に、所定位置に固定されていたので、隣合うシーリングバーの間隔で、隣合う袋のピッチ、即ち、切断後の袋の横幅、が固定されてしまい、袋ピッチを自由に変更することは、実質的に困難であった。
【0011】
これに対して、単一の機械で袋ピッチを比較的容易に可変調節できるような機構を備えた粉剤充填包装機が考えられるが、この場合には、交換可能なロータリードラムに所要数のシュートとシーリングバーを配置して、ロータリードラムごと交換することにより、シュートとシーリングバーの配置数を変更して、袋ピッチを変更することが可能である。
【0012】
また、別の機構は、1個のシーリングバーとこれに対応する1個のシュートとをユニット化して、これらシーリングユニットを、所望数だけ、シーリング充填機構の本体に固定したロータリードラムに、取着するものがあるが、これによっても、袋ピッチを変更することが可能である。
【0013】
然しながら、シーリングバーの交換に際しては、交換を容易にするようなロータリードラムの駆動軸と、さらに、回転容器の回転軸との配置が必要であり、ロータリードラムを短時間で交換するには、粉剤供給装置自体を、直上から退避できるような構造にする必要があった。
【0014】
本発明は、上記の課題に鑑み、シーリングバー等の交換その他保守点検において、シーリング充填機構の上方位置から、随時に退避することができる支持機構を有する粉剤充填包装機を提供しようとするものである。
【0015】
本発明の目的は、さらに、容易に退避でき且つ下部に作業に支障をきたさず且つ、容易に回転容器を回転駆動できる粉剤供給装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の粉剤充填包装機において、粉剤供給装置は、ホッパーからの粉剤を受容して底板に設けた枡に充填し、枡内の粉剤をシュートに投入する回転容器と、回転容器を回転可能に支持する支持体と、回転容器を回転させる回転機構とから成っており、支持体が、適当な固定部材から旋回可能に設けた水平アームと、該水平アームに固定して回転容器の外周を回転自在に支持する枠体とから成り、上記の回転機構が、回転容器の周囲に設けた容器ギヤと、該容器ギヤに噛み合い且つモータにより回転容器を回転させる伝動部材を含むものである。
【0017】
上記の粉剤供給装置は、回転容器を枠体により支持され、枠体がアームの旋回によって旋回可能とし、シーリング充填機構の直上の位置と、この位置から退避位置まで旋回することができる。枠体は、適当な手段により回転容器を回転自在に支持し、回転容器の周囲には容器ギヤを設けて、適当な伝動部材により回転容器を回転させる。
【0018】
この回転容器の支持機構は、従って、従来の如く、シーリング充填機構の基台から回転軸により支持される必要がないので、回転容器を含む粉剤供給装置の下部に適当な空間を形成して、シュートないしシーリングバーなどの交換その他の作業に便利であり、粉剤供給装置の旋回・退避を容易にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の粉剤充填包装機において、粉剤供給装置は、上記シーリング充填機構の直上に配置され、旋回中の各シュートに粉剤を定量供給する装置であり、上記のように支持体と、回転機構により、シーリング充填機構の直上の位置で、回転容器を回転させながら支持するものである。
【0020】
詳しくは、支持体は、上記の如く、適当な固定部材から旋回可能に設けた水平アームと、該水平アームに固定して回転容器の外周を回転自在に支持する枠体とを含むが、さらに、上記の支持体は、立設された固定の支柱を含み、この支柱の上部に上記の水平アームを水平旋回可能に配置したものが利用できる。水平アームが、上記支柱から旋回可能に取着されるので、粉体供給装置を支柱廻りに旋回させることができ、シーリング充填機構の上部から、退避することができる。
【0021】
他方の回転機構は、回転容器の周囲に設けた容器ギヤと、該容器ギヤに噛み合い且つモータにより回転容器を回転させる伝動部材を含むものである。回転機構は、さらに、下部側で上記モータと接続されて上記支柱の内部を貫通した回転軸を含み、伝動部材が、回転軸上部に固定した上部ギヤと上記の回転容器の容器ギヤとを接続する構造が採用できる。
【0022】
伝動部材は、上記の回転軸と上記回転容器回りの容器ギヤとを伝動させる部材であるが、伝動部材は、回転軸の上部ギヤと噛み合う中継ギヤを含み、該中継ギヤが直接若しくは間接に上記の容器ギヤを回転させることができる。
【0023】
別の伝動部材には、単に、回転軸と上記回転容器回りのギヤとを接続する回転シャフトであってもよい。アームの旋回に追随することができて、上部ギヤの回転を容器ギヤに伝動できる部材であればよく、シャフトは、自在軸継手を含むことができる。
【0024】
上記モータは、回転軸を通して、回転容器を回転させる動力源であるが、好ましくは、モータは、回転容器の速度を可変調節できることが好ましく、これには、サーボモータを利用することができる。モータは、また、変速機を介して、上記の回転軸に接続されて、回転容器の回転速度を可変とすることができる。このように、回転容器の回転速度を可変制御することにより、シーリング充填機構のシュート及びシーリングバーの回転位置と速度に同期付けるように制御して、袋ピッチの変更のためにシュート及びシーリングバーの間隔を変更した場合にも、上記の同期付けを容易に制御できる利点がある。
【0025】
回転用のモータは、シーリング充填機構のターンテーブルないしロータリードラムを回転駆動させる駆動用モータと共用することもできる。単一のモータのモータ軸から、それぞれ個別の変速機構を介して、ロータリードラムの駆動軸と、上記粉剤供給装置の回転容器の回転軸と、に接続されてもよい。変速機構のギヤ等の変更により、シュート及びシーリングバーの間隔を変更した場合にも、シュート及びシーリングバーの回転位置と速度に機械的に同期付けることができる。
【0026】
水平アームは、好ましくは、水平アームが、上側アームと下側アームとから成り、好ましくは上側アームと下側アームの双方で上記回転容器の枠体を支持することができる。この場合、伝動部材は、上側アームと下側アームとの間に軸支されて回転軸の上部ギヤと噛み合う中継ギヤを含み、該中継ギヤに上記の容器ギヤを回転させるようにする。
【0027】
この実施形態の支持体には、上記の立設固定した支柱を下部支柱として、下部支柱の上端部よりさらに上方には、装置上部から下方に向けて懸垂固定した上部支柱を含み、下部支柱の上端部には下側ブラケットを、上部支柱の下端部には上側ブラケットを、それぞれ旋回可能に設け、下側ブラケットと上側ブラケットとにそれぞれ一端を固定した一対の案内軸が取り付けられて、上側アームと下側アームとには、これらのアームを上下に貫通して上記案内軸を上下移動可能に案内する案内管を固定するものが採用できる。この上側ブラケット又は下側ブラケットには、水平アームを引き上げ又は押し上げ可能に係合した昇降手段を固定するのが好ましく、昇降手段により、上記の水平アームを、上記の案内軸に沿って上下移動させ、水平アームを上方に引き上げた状態で、同時に、上部及び下部の支柱の軸廻りに旋回可能にされる。
【0028】
さらに、回転軸の上部ギヤと噛合う上記の中継ギヤを、上部ギヤと上下方向に摺動可能に且つ伝動可能にする。このために、上部ギヤは、中継ギヤの上下移動のストロークを含めて、噛合可能にギヤを縦長にする。
【0029】
上記枠体は、回転容器を回転自在に支持するが、このために、枠体と、回転容器の外周とを、軸受、例えば、転がり軸受で、支持することができる。好ましい態様は、枠体から内向きに突設した少なくとも3個の転動ロールを含み、該転動ロールが、回転容器の外周に設けた転動溝の内面ないしフランジの下面に転動して、該枠体の内側に回転容器を回転自在に支持する。これは、構造が簡単であり、枠体からの転動ロールの突設距離を調節することにより、枠体に対して回転容器の取りつけと取外しを簡単に行なうことができる。また、枠体中央には、回転中心の位置決めのための軸受を設け、他方の回転容器の下面中央には上記の軸受に嵌り合う突起部を設けて、これにより、各シュートに対する回転容器の枡の位置決めを確実に行なうことができる。
【0030】
本発明の粉剤供給装置は、特に、シーリング充填機構のシーリングバー及びシュートの数を簡便に調節して、袋ピッチを変更することのできる粉剤充填包装機に好適に適用することができる。このような粉剤充填包装機の形態は、1つのシーリングバーと1つのシュートとを一体化したシーリングユニットにして、多数のシーリングユニットをロータリードラム回りに自由に但し等間隔に固定するようにして、ロータリードラム回りのシーリングユニットの数を変更することにより、袋ピッチを変更調節する。
【0031】
本発明の粉剤供給装置を適用することができる別の粉剤充填包装機の形態には、ロータリードラム本体に予め所要数のシーリングバー及びシュートとを取着して一体化したロータリーユニットを準備し、粉剤充填包装機の本体に対してロータリーユニット自体を交換することにより、シーリングユニットの数を変更して、袋ピッチを変更調節するようにしたものがある。
【0032】
粉剤充填包装機においては、ロータリードラムを駆動させる駆動軸を、ロータリードラムを支持する基台の中空部を貫通して、基台の上部側でロータリードラムと直接又は間接に係合して回転させる配置を採用することができる。
【0033】
【実施例】
図1と図2には、この実施例の粉剤供給装置6の縦断面を示すが、粉剤供給装置6は、上部にホッパー7と、ホッパー下端開口を入れて粉剤を受容する平坦な底板62を有する回転容器61と、底板62の周縁に下方に向けて貫通した定容積の複数の筒状の枡64と、各枡64の下端開口面を開閉するシャッター65と、上記底板62上に固定されて枡64の上端開口面に近接して枡孔に粉剤をすり切り充填するための垂直なすり切り板63と、を含んでいる。
【0034】
この回転容器61内には、ホッパー7を通じて、底板62上に粉剤が常に供給されており、回転容器61を回転することにより、すり切り板63の下端部で、回転中に通過する底板62に開口する枡64内に粉剤をすり切り充填し、シャッター65が、特定の枡64が特定の位置に来たときに開いて、粉剤を落下させて、直下のシュート3に投入するものである。
【0035】
粉剤供給装置6は、回転容器61を回転可能に支持する支持体を含むが、支持体は、この例は、固定部材から旋回可能に設けた水平アーム74、741と、該水平アーム74、741に固定して回転容器の外周を回転自在に支持する枠体60とから成っている。
【0036】
この支持体は、垂直な支柱を含み、この実施例では、図1及び図4に示すように、支柱は、この機械の基盤101に立設した下側支柱70と、この機械の上部機体801に固定した上側支柱71とが、同軸状で、且つ、端部を互いに離間して構成している。
【0037】
水平アームについては、下側アーム74がその下側支柱70と、上側アーム741が上側の上側支柱71とに、適当な部材を介して接続されて横方に延びており、その水平アーム74、741の先側に枠体60を介して、回転容器61が支持されている。
【0038】
枠体60は、回転容器61の周囲を取り囲むように配置され、枠体60の側面より内側に且つ横方向に突設した3個のローラ66が、ローラ軸661を介して三方に配置してある。他方の回転容器61の外周には、フランジないし転動溝としての周溝67を設けて、これらのローラ66が、周溝ないしフランジの下面を転動可能に支持して、これにより、回転容器61をローラ66上で、垂直軸回りに自由に回転できるようにして支持している。
【0039】
枠体60は、さらに、回転容器61の上部開口を覆う上カバーと、下部に回転容器61の下部を覆う下カバー68と、を備え、下カバー68には、粉剤投入位置での枡の直下に、開口部を設けて、枡からの落下する粉剤を通過させる。
【0040】
このような構造の回転容器61の配置において、図5に示すように、回転容器61の各枡64の下端開口の軌跡が、上記各シュート3の上部開口部31と垂直方向に一致するように、回転容器61を位置付けて、各シュート3と各枡64の下端開口とが一致する位置で、枡64から粉剤がシュート3に投入される。
【0041】
この実施例の回転機構は、回転容器61に、その外周側にギヤ69を配置してこの容器ギヤ69をモータM2により駆動するように、回転容器を回転させる伝動部材を配置している。
【0042】
この例の伝動部材は、下側支柱70内部に回転軸79が嵌挿され、その回転軸79の下端側がモータM2に接続されて回転軸が駆動され、この回転軸79の上端部701には、下側支柱70の上端部において、ギヤ791が固定され、このギヤ791と回転容器61の容器ギヤ69とが、複数のギヤ792、796により伝動可能に接続されている。回転軸79の回転により、回転容器61が垂直軸回りに回転する。
【0043】
このような伝動部材により、回転容器61は、ロータリーユニット5の回転により移動して充填位置に来ている各シュート3の直上に、対応する枡64の下端開口を正確に位置付けして、シャッター65を開いて、枡内に計量された粉剤をシュート3内に正確に投入し、袋内に挿入するように同期付ける。
【0044】
上記伝動部材の複数のギヤ792、796は、水平アーム74、741に配置され、水平アームの支柱廻りの旋回によっても、ギヤ792は、下側支柱上部の回転軸79のギヤ791と噛合して、回転軸79の回転により、回転容器61を回転させることができる。
【0045】
上記の支持体について、図1ないし図3において、水平アームは、枠体60を、支柱70、71廻りに旋回可能に支持するが、水平アームは、下側アーム74と上側アーム741と、から構成され、この例では、上側アーム741が、粉剤供給装置の枠体60を固定して支持している。
【0046】
他方、下側支柱70の上部には、水平アームの下側アーム74を固定する下側ブラケット73が下側支柱回りに回動可能に軸支されている。図1及び図2において、下側ブラケット73は、下側支柱70の外周に貫挿された管状部材702の上部に接続され、管状部材の下端に突設したフランジ703が、下側支柱70の外面に固定した固定フランジ704上に摺動可能に支持されて、スラスト軸受部をなしている。このようにして、下側ブラケット73は、下側支柱70回りに旋回できる。他方、上側支柱71の下端部には、上側ブラケット75が、上側支柱71に回動可能に貫挿された管状部材712の下端に固定されて、支柱軸廻りに回動可能に、軸支されている。下側及び上側ブラケット73、75には、垂直に向けた左右一対の案内軸76、76のそれぞれの端部が、固定されて、下側及び上側ブラケット73、75が一体化されており、上下のブラケット75、73が、支柱70、71回りに旋回可能に当該支柱70、71に支持されている。
【0047】
上記の水平アームを成す上側アーム741と下側アーム74との間には、上記一対の案内軸76、76に沿って案内されるブッシング762を内包する案内管761、761が接合されている。こうして、水平アーム74、741は、案内軸76、76に沿って上下移動可能に、且つ、上側ブラケット75と下側ブラケットを介して、支柱70、71廻りに旋回可能に支持されている。
【0048】
さらに、図1ないし図3において、上側ブラケット75には、昇降用の駆動手段、この例では、空圧シリンダ751が、固定され、そのピストン軸752が、上側アーム741に係合して、空圧シリンダ751のピストン軸の伸縮により、上側ブラケット75に対する水平アームを昇降し、これにより、上記の粉剤供給装置6が昇降することができる。回転容器61の定位置から、空圧シリンダ751のピストン軸752の上昇により、案内軸76、76に沿って案内管761が摺動して、上下のアーム741、74を上に引き上げて、上下のアーム741、74を上側に移動させることができ、図4(A,B)に粉剤供給装置6の枠体60の動きを示すように、上下のブラケット75、73と共に、上下の支柱70、71の中心軸廻りに回転させて、アームの先の粉剤供給装置6を旋回して、シーリング充填機構の直上位置から横方に退避することができる。
【0049】
粉剤供給装置6を退避させることにより、シーリング充填機構上部におけるシーリングバーやシュートの交換や、特に、ロータリドラムごとシーリング充填機構を上方に引き抜き、上方から嵌め入れるなどの交換作業を容易に行なう空間を形成することができる。これは、シーリングバーとシュートとをユニット化したり、シーリングバーとシュートとを予めロータリドラムに一体化する場合のユニットを交換する作業を容易にすることができる利点がある。
【0050】
これら上下の水平アーム74、741は、「アーム」の語にも拘わらず、実質的には、図2と図3に示すような平板から成るものを含むが、上下の水平アームの間に上記の伝動部材のギヤ792、796が配置されて、下側支柱70の上端のギヤ791と回転容器61のギヤ69とを接続している。伝動部材のギヤ792は、上下の水平アームに両端を固定した軸794を介して軸支され、これにかみ合う回転軸上端のギヤ791は、ギヤの歯部が縦長に延長されているので、空圧シリンダ751の作動により上下の水平アーム74、741が案内軸76に沿って上下移動しても、水平アーム側のギヤ792は、回転軸70の上端のギヤ791に上下に摺動して噛合いを保持することができ、水平アームの旋回中でも、常に、回転力を伝動することができる。
【0051】
図1及び図7に示す例には、回転容器用の回転軸79を駆動するモータM2には、サーボ機構により制御されるサーボモータを用いている。この場合には、シーリング充填機構のロータリドラム回転用の駆動軸19には、駆動モータM1として、別体のサーボモータを利用することができる。これらのサーボモータは、袋間ピッチ、即ち、袋ピッチを変更するためにロータリードラムに取り付けられるシーリングバー2(20aと20b)とシュート3の数を変更した時も、これらサーボモータM1、M2による回転速度の設定を行なうことにより、投入位置における回転容器60の枡64とロータリードラムのシュート3との会合のタイミングを簡便に調節することができる。
【0052】
図6に示す他の例は、回転軸79の駆動源に、上記の駆動軸19の駆動用のモータM3を共用して、それぞれ別体の変速機構を介して、回転速度を同期させる。回転容器用の変速機構は、モータM3からの軸193に固定したギヤ781と、中間のギヤ782、783を介して回転軸79下端に固定したギヤ784に接続して伝動している。他方の駆動軸19側の変速機構は、モータM3からの軸193に固定したギヤ194と駆動軸19下端のギヤ197との間を中間のギヤ195、196、及び197により接続して、伝動している。これらの中間のギヤを交換することにより、回転軸79と駆動軸19との相対な回転速度を変更することができる。この変速機構は、袋ピッチを変更するためにロータリードラムに取り付けられるシーリングバー2(20aと20b)とシュート3の数を変更する場合に、変速機構の歯車の交換をすることにより、投入位置における回転容器の枡とロータリードラムのシュート3との会合のタイミングを図ることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の粉剤充填包装機において、粉剤供給装置は、ホッパーからの粉剤を受容して底板に設けた枡に充填し、枡内の粉剤をシュートに投入する回転容器を回転可能に支持する支持体と、回転容器を回転させる回転機構と、を含み、支持体が、装置本体から旋回可能に設けた水平アームと、該水平アームに固定して回転容器の外周を回転自在に支持する枠体とから成り、上記の回転機構が、回転容器の周囲に設けた容器ギヤと、該容器ギヤに噛み合い且つモータにより回転容器を回転させる伝動部材を含むようにしたので、回転容器の下部には、シーリング充填機構と関連付けるための特別の部材を設ける必要がないので、回転容器を含む粉剤供給装置を昇降し旋回させることができる。特に、シーリングバー及びシュートの数を変更する作業の際には、本発明の粉剤充填包装機の粉剤供給装置は、シーリング充填機構の上方から横方向に旋回退避させることができるので、シーリング充填機構のシーリングバー等の変更調節する作業が容易になし得る。
【0054】
また、同様に、回転容器の下部には、シーリングの充填機構と関連付けるための特別の部材を設けないので、回転容器の下部は、下部カバーを設けて、粉剤の不要落下を防止して、シーリング充填機構の上の汚れを防止することができる。
【0055】
本発明の粉剤充填包装機の粉剤供給装置は、上記の支持体には、固定の支柱を含み、支柱の上部に上記のアームを水平旋回可能に配置すれば、粉剤供給装置を支柱廻りに旋回させて、上記のシーリングの充填機構の上方から容易に退避できる。これは、シーリングバーなどの交換作業や、その他シーリング充填機構と粉剤供給装置の点検調節修理作業に便利である。
【0056】
支柱の内部を貫通した回転軸と、回転軸上部に固定した上部ギヤと上記の回転容器のギヤとを接続する伝動部材を設ければ、支柱を介して回転容器の支持とその回転容器の回転とを行なうことができ、支柱廻りの粉剤供給装置の旋回が可能になる。また、この回転軸は、シーリング充填機構から離すことになるので、ロータリードラムの回転駆動用の駆動軸を、シーリング充填機構の内部の、特に、ロータリードラムを支持する円筒状基台の内部を貫通するように配置して、ロータリードラムを直接又は間接的に駆動するようにでき、従って、ロータリードラムの外側に駆動軸を配置しないので、ロータリードラムの交換、ないし、ロータリードラムの廻りのシーリングバーとシュートの交換の作業が容易になる利点がある。
【0057】
上記の水平アームを上側アームと下側アームとから構成し、上記の伝動部材が、上側アームと下側アームとの間に軸支されて、回転軸の上部ギヤと噛み合う中継ギヤを含み、該中継ギヤが直接若しくは間接に上記の容器ギヤを回転させるようにすれば、中継ギヤを水平アームと一体化して、簡便に配置でき、水平アームの旋回に伴なって、伝動部材の旋回も容易になし得る利点がある。
【0058】
上記モータを、サーボモータにより回転容器の回転速度を可変とすれば、袋間ピッチを変更するためにシーリング充填機構におけるシーリングバー及びシュートの配置数を変更する 際には、これに伴なって必要な回転容器の回転速度の変更の調節をサーボモータにより容易に実行することができる。
【0059】
上記モータが、変速機構を介して上記の支柱の回転軸に接続されて、変速機構により、回転容器の回転速度を可変とすれば、シーリングバー及びシュートの数の変更に伴なって、回転容器の回転速度の変更調節を容易に行なうことができ、袋間ピッチを変更するためにシーリング充填機構におけるシーリングバー及びシュートの配置数を変更する際には、これに伴なって必要な回転容器の回転速度の変更の調節を変速機構により容易に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る粉剤充填包装機の粉剤供給装置の断面図を示す。
【図2】 本発明の実施例に係る粉剤充填包装機の粉剤供給装置に用いる支持体の部分断面図を示す。
【図3】 本発明の実施例に係る粉剤充填包装機の粉剤供給装置の支持体を含む上面図を示す。
【図4】 本発明の実施例に係る粉剤充填包装機の粉剤供給装置の支柱回りの旋回の態様を示す上面図(A)と側面図(B)を示す。
【図5】 本発明の実施例に係る粉剤充填包装機の粉剤供給装置とその下に配置したシーリング充填機構とを含む粉剤充填包装機の正面から見た断面図。
【図6】 本発明の別の実施例に係る粉剤供給装置を含む粉剤充填包装機の側面から見た縦断面図。
【図7】 本発明の別の実施例に係る粉剤充填包装機を側面から見た縦断面図。
【図8】 従来の粉剤充填包装機の側面から見た縦断面図。
【図9】 従来の粉剤充填包装機の全体正面図(A)と充填包装過程をフィルムの流れで示す概念的上面図(B)。
【符号の説明】
11 基台
13 回転円筒体
19 駆動軸
2、20 シーリングバー
20a 固定加熱バー
20b 傾動シールバー
3 シュート
34 シュート軸
42 案内孔
5 ロータリードラム
6 粉剤供給装置
60 枠体
61 回転容器
64 枡
67 周溝
68 カバー
69 容器ギヤ
7 ホッパー
70 下側支柱
71 上側支柱
74 下側アーム
741 上側アーム
751 空圧シリンダ
79 回転軸
791 上部ギヤ
90 長尺フィルム
Claims (12)
- 基台に回転可能に備えられたロータリードラムと、該ドラムの外周上部に装着されて垂直軸回りに旋回して幅方向に二つ折りに曲げたフィルムを挟持して且つ所定間隔で幅シール部を形成して長手方向に連なる袋となす多数のシーリングバーと、互いに隣合うシーリングバー間の各袋に出し入れ可能に挿入して粉剤を充填するシュートとを含むシーリング充填機構と、各シュートに粉剤を定量供給する粉剤供給装置と、を含む粉剤充填包装機において、
上記の粉剤供給装置が、ホッパーからの粉剤を受容して底板に設けた枡に充填し、枡内の粉剤をシュートに投入する回転容器と、回転容器を回転可能に支持する支持体と、回転容器を回転させる回転機構と、から成り、
上記の支持体が、装置本体に水平旋回可能に設けた水平アームと、該水平アームに固定して回転容器の外周を回転自在に支持する枠体と、を含み、
上記の回転機構が、回転容器の周囲に設けた容器ギヤと、該容器ギヤに噛み合い且つモータにより回転容器を回転させる伝動部材を含む粉剤充填包装機。 - 上記の支持体が、固定の下部支柱を含み、下部支柱の上部に上記の水平アームを水平旋回可能に配置した請求項1に記載の粉剤充填包装機。
- 回転機構が、下部側で上記モータと接続されて上部にギヤを接続して上記下部支柱の内部を貫通する回転軸を含み、伝動部材が、該回転軸上部の該上部ギヤと上記の回転容器の容器ギヤとを接続する請求項1に記載の粉剤充填包装機。
- 上記の水平アームが、上側アームと下側アームとから成り、上側アームと下側アームとが上記回転容器の枠体を支持し、上記の伝動部材が、上側アームと下側アームとの間に軸支されて回転軸の上部ギヤと噛み合う中継ギヤを含み、該中継ギヤに上記の容器ギヤを回転させるようにした請求項3に記載の粉剤充填包装機。
- 上記支持体が、さらに、上記の下部支柱の上部ギヤの上方に、同軸状に固定した上部支柱と、下部支柱の上方の端部に旋回可能に設けた下側ブラケットと、上部支柱の下方の端部に旋回可能に設けた上側ブラケットと、上記ブラケットにそれぞれ一端を固定した一対の案内軸と、上側アームと下側アームとを貫通して固定されて上記案内軸を上下移動可能に案内する案内管と、上記のブラケットに固定して、水平アームを引き上げ可能に係合した昇降手段と、を含み、上記の水平アームを上部及び下部の支柱の軸廻りに旋回可能にした請求項4に記載の粉剤充填包装機。
- 上記の上部ギヤと噛合う上記の中継ギヤが、上部ギヤと上下方向に摺動可能に且つ伝動可能にした請求項4又は5に記載の粉剤充填包装機。
- 上記枠体が、内向きに突設した少なくとも3個の転動ロールを含み、該転動ロールが、回転容器の外周に設けた転動溝に係合して、該枠体の内側に回転容器を回転自在に支持するようにした請求項1ないし6いずれかに記載の粉剤充填包装機。
- 上記モータが、サーボモータであって、回転容器の回転速度を可変とした請求項1ないし7に記載の粉剤充填包装機。
- 上記モータが、変速機構を介して、上記の回転軸に接続されて、回転容器の回転速度を可変とした請求項1ないし7に記載の粉剤充填包装機。
- 基台に回転可能に備えられたロータリードラムと、該ドラムの外周上部に装着されて垂直軸回りに旋回して幅方向に二つ折りに曲げたフィルムを挟持して且つ所定間隔で幅シール部を形成して長手方向に連なる袋となす多数のシーリングバーと、互いに隣合うシーリングバー間の各袋に出し入れ可能に挿入して粉剤を充填するシュートとを含むシーリング充填機構と、各シュートに粉剤を定量供給する粉剤供給装置と、を含む粉剤充填包装機において、
上記の粉剤供給装置が、ホッパーからの粉剤を受容して底板に設けた枡に充填し、枡内の粉剤をシュートに投入する回転容器と、回転容器を回転可能に支持する支持体と、回転容器を回転させる回転機構とから成り、
上記の支持体が、垂直方向に配置された支柱と、上記支柱に該支柱の回りを水平旋回可能に設けられたブラケットと、上記ブラケットに連結され、上記回転容器の外周を回転自在に支持する枠体を備えており、
上記回転機構が、上記支柱に回転自在に嵌挿された回転軸と、上記回転軸を回転するモータと、上記回転軸の回転を上記回転容器に伝達する伝動部材を備えていることを特徴とする粉剤充填包装機。 - 基台に回転可能に備えられたロータリードラムと、該ドラムの外周上部に装着されて垂直軸回りに旋回して幅方向に二つ折りに曲げたフィルムを挟持して且つ所定間隔で幅シール部を形成して長手方向に連なる袋となす多数のシーリングバーと、互いに隣合うシーリングバー間の各袋に出し入れ可能に挿入して粉剤を充填するシュートとを含むシーリング充填機構と、各シュートに粉剤を定量供給する粉剤供給装置と、を含む粉剤充填包装機において、
上記の粉剤供給装置が、ホッパーからの粉剤を受容して底板に設けた枡に充填し、枡内の粉剤をシュートに投入する回転容器と、回転容器を回転可能に支持する支持体と、回転容器を回転させる回転機構とから成り、
上記の支持体が、垂直方向に同軸状に配置された下側支柱及び上側支柱と、上記下側支柱に該下側支柱の回りを水平旋回可能に設けられた下側ブラケット及び上記上側支柱に該上側支柱の回りを回転自在に設けられた上側ブラケットと、上記下側ブラケットと上側ブラケットを連結する案内軸と、上記案内軸に沿って上下移動可能に設けられた下側アーム及び上側アームと、上記下側アームと上側アームに固定され、上記回転容器の外周を回転自在に支持する枠体を備えており、
上記回転機構が上記下側支柱に回転自在に嵌挿された回転軸と、上記回転軸を回転するモータと、上記回転軸の回転を上記回転容器に伝達する伝動部材を備えていることを特徴とする粉剤充填包装機。 - 上記上側ブラケットに固定され、上記下側アーム及び上側アームを上記枠体と共に昇降する駆動手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載の粉剤充填包装機。
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