JP3667834B2 - 低NOxガス燃焼装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス給湯機、ガス温水暖房機等に使用されるガス燃焼装置に関し、特にNOxの発生量を低減させた低NOxガス燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の低NOxガス燃焼装置においては、例えば、特開平6−331110号公報に開示されているように、頂部に主炎孔を有する主体の両側壁に、これらの両側壁と保炎空間を保って一対の保炎板が立設された袖火タイプのバーナ体を備えている。そして、このように構成されたバーナ体を、バーナケース内に相互に通気間隔を存して複数並設し、バーナ体にやや希薄な混合ガスを供給するとともに、バーナ体に供給する混合ガスよりも更に希薄な希薄混合ガスをバーナ体間の通気間隔に供給して、この通気間隔の上方並びにバーナ体の上方で希薄混合ガス多段燃焼させることにより、NOxの発生量を低減させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来構造の低NOxガス燃焼装置では、希薄混合ガスの流出部となるバーナ体間の通気間隔の上部開放面、即ち、隣接するバーナ体の保炎板間の隙間の面積が大きいため、バーナ体間の通気間隔を流れる二次空気量が突発的に減少したり、バーナ体間の通気間隔を流れガス量が突発的に増加したりすると、希薄混合ガス状態が崩れて引火しやすい混合ガスとなり、通気間隔の上方並びにバーナ体の上方に形成される火炎が、バーナ体間の通気間隔に引き込まれ、逆火を生じる問題があった。また、着火時において、着火遅れが生じた場合でも、同様に逆火を生じる問題があった。
【0004】
そこで、発明者等はバーナ体の隣接する保炎板間に、多数の副炎孔を副炎孔形成面に有する副炎孔板を設けることにより、逆火の発生を抑制し得ることが解明できたが、副炎孔の高さ位置の設定が悪いと燃焼状態が不安定となって悪化し、COの発生量が増加する問題があった。
【0005】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、逆火の発生を抑制しつつ、COの発生量の少ない良好な低NOx燃焼を実現できる低NOxガス燃焼装置を提供できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明では、頂部の主炎孔形成面に多数の主炎孔を有する主体の両側壁に、これらの両側壁と保炎空間を保って一対の保炎板が立設されたバーナ体を備え、このバーナ体を相互に通気間隔を存してバーナケース内に複数並設し、これらバーナ体間の通気間隔には、バーナ体に供給する混合ガスよりも希薄な希薄混合ガスを供給するようにしたガス燃焼装置において、前記バーナ体の隣接する保炎板間には、左右の両側片及び長手方向に多数の副炎孔を穿った副炎孔形成面を有する断面略コ字状の副炎孔板を前記保炎板に外嵌合して架設せしめ、かつ、この副炎孔板の副炎孔形成面の高さ位置を前記バーナ体の主炎孔形成面よりも所定寸法だけ低く設定した構成である。
【0007】
請求項2に記載の本発明では、請求項1に記載の低NOxガス燃焼装置において、前記各副炎孔の幅寸法を前記隣接する保炎板間の距離と等しいかそれよれも小さく設定した構成である。
【0008】
請求項1の低NOxガス燃焼装置においては、バーナ体の隣接する保炎板間に、左右の両側片及び長手方向に多数の副炎孔を穿った副炎孔形成面を有する断面略コ字状の副炎孔板を前記保炎板に外嵌合して架設せしめたことにより、バーナ体間の通気間隔を流れる二次空気量やガス量が突発的に増減して、希薄混合ガス状態が崩れた場合、或るいは、着火時に着火遅れが生じた場合に、副炎孔板に穿った複数の副炎孔によって、希薄混合ガス噴出用の炎孔面積を狭ばめるなど、適宜調整可能となり、通気間隔内への逆火が抑制される。また、副炎孔板の副炎孔形成面の高さ位置を前記バーナ体の主炎孔形成面よりも所定寸法(例えば、1〜3mm)だけ低く設定したことにより、副炎孔板の副炎孔から噴出する希薄混合ガスは、バーナ体の主炎孔形成面上に形成される主火炎及び保炎空間上に形成される袖火炎によって確実に保炎され、NOx及びCOの発生量の少ない安定した良好な燃焼が行える。
【0009】
請求項2の低NOxガス燃焼装置においては、各副炎孔の幅寸法を前記隣接する保炎板間の距離と等しいかそれよりも小さく設定したことにより、バーナ体間の通気間隔内を流れる希薄混合ガスは、副炎孔板の副炎孔から鉛直方向に向かって噴出し、バーナ体の主炎孔形成面上に形成される主火炎や保炎空間上に形成される袖火炎を乱す心配がなく、NOx及びCOの発生量の少ない一層安定した良好な燃焼が行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態例を図1ないし図4の図面に基づいて説明する。図1ないし図4において、1は送風機、2は送風機1から燃焼用空気が送り込まれる外郭ケース、3は外郭ケース2内に収容されたバーナケースであり、このバーナケース3内には、通気間隔としての二次空気通路4、4を設けて複数(例えば、6本)のバーナ体5、5を並設している。前記バーナケース3は、それの中央部に立設した仕切壁3Aによって左右に2分割され、これら左右の部屋X、Yには前記バーナ体5、5がそれぞれ収容されている。
【0011】
前記バーナ体5、5は、内部に混合室6が形成された主体5Aの頂部の主炎孔形成面7に多数のスリット状の主炎孔8、8を設けている。そして主体5Aの左右両側壁の上部には、側壁と保炎空間イ、イを保って左右一対の保炎板9、9が立設されている。
【0012】
前記保炎空間イ、イには、前記混合室6に供給された混合ガスの一部が側壁に穿った袖火用孔10、10を通って入り込み、この入り込んだ混合ガスは保炎空間イ、イを上昇して流出し、保炎空間イ、イ上に袖火が形成されるようになっている。また、前記各保炎板9、9は、その上端が前記主炎孔形成面7よりも約2〜4mm低くなるようにその高さが設定されている。
【0013】
前記各バーナ体5の混合室6には空気比が約1〜1.3のやや希薄な混合ガスが供給され、また、各バーナ体5、5間の二次空気通路4、4にはバーナ体5の混合室6に供給される混合ガスよりも更に希薄な希薄混合ガスがそれぞれ供給されるようになっている。そして、この二次空気通路4、4に供給される希薄混合ガスの空気比は通常で約1.5〜1.9である。
【0014】
前記バーナ体5の隣接する保炎板9.9間には、断面略コ字状に形成された副炎孔板11、11がそれぞれ着脱可能に架設してある。この副炎孔板11は、図1及び図4に示すように、希薄混合ガス噴出用のスリット状や円形状の適宜な形状の副炎孔12、12をその長手方向に多数個穿った副炎孔形成面11Aと、この副炎孔形成面11Aの両縁から下向きに折り曲げられた左右の側片11B、11Cとを有し、これら両側片11B、11Cを前記保炎板9.9に外嵌合することにより、保炎板9の上方から抜き差し自在に保炎板9に取り付けられるものである。
【0015】
前記副炎孔板11は、保炎板9に取り付けられた状態で、副炎孔12、12を穿った副炎孔形成面11Aが保炎板9の上端に当接し、副炎孔形成面11Aの高さ位置が規制される。そして、この副炎孔形成面11Aの高さ位置は前記バーナ体5の主炎孔形成面7よりも約1〜3mmの所定寸法Sだけ低く設定されている。また、前記各副炎孔12、12は、それらの幅寸法Tとなる長辺の寸法を約3〜2.5mmに設定して、前記バーナ体5の隣接する保炎板9、9間の距離U(約3mm)と等しいか、それよりも小さくしている。
【0016】
また、前記副炎孔板11の両側片11B、11Cには、それぞれ外向き突出させた2〜3個の突起13、13を設けている。そして、これら突起13、13は、両側片11B、11Cの長手方向に所定間隔を存して設けられ、かつ、両側片11B、11Cを保炎板9に外嵌合した際に、バーナ体5の側壁外面にその先端が当接する高さに設定されている。
【0017】
次に図2中に示す燃料ガス供給装置14について説明する。この燃料ガス供給装置14は、燃料ガス供給経路に、元電磁弁15及び比例弁16を介装するとともに、比例弁16の下流側で第1経路17と第2経路18の2経路に分岐し、これら第1及び第2経路17、18にはそれぞれ電磁弁19、20を介装している。
【0018】
前記第1経路17は、電磁弁19の下流側で第3経路21を分岐し、この第3経路21を前記バーナケース3の左の部屋Xの二次空気通路4、4にガス燃料を供給する第1補助ノズル22に連結するとともに、第3経路21の分岐部の下流側は、バーナケース3の左の部屋Xの各バーナ体5、5にガス燃料を供給する複数の第1主ノズル23、23に連結している。
【0019】
前記第2経路18は、電磁弁20の下流側で第4経路24を分岐し、この第4経路24を前記バーナケース3の右の部屋Yの二次空気通路4、4にガス燃料を供給する第2補助ノズル25に連結するとともに、第4経路24の分岐部の下流側は、バーナケース3の右の部屋Yの各バーナ体5、5にガス燃料を供給する複数の第2主ノズル26、26に連結している。
【0020】
27は放電点火プラグ等の点火器であり、この点火器27は点火ロッド27Aを有し、この点火ロッド27Aの先端の点火部28は、前記バーナケース3の左の部屋Xに有る複数のバーナ体5、5のうちの1つのバーナ体5の主炎孔形成面7に近接対向させて、この主炎孔形成面7との間に火花放電を生じさせるようになっている。
【0021】
29は炎の有無を検出する炎検出器であり、この炎検出器29はフレームロッド29Aを有し、このフレームロッド29Aの先端の検出部30を、前記バーナケース3の左の部屋Xの複数の副炎孔板11のうちの1つの副炎孔板11に近接対向させている。そして、この炎検出器29の炎検出信号は、前記元電磁弁15、比例弁16及び電磁弁19、20の開閉を制御して燃焼を制御する制御部(図示せず)に入力され、炎検出信号の炎無しの信号が制御部に入力されると、この制御部が元電磁弁15及び電磁弁19、20を閉じて燃焼を停止させる。
【0022】
尚、図3中の31は前記各副炎孔板11、11を上から押さえ付ける押さえ板であり、この押さえ板31は前記バーナケース3の上面部にネジ等で締着している。
【0023】
上述の構成において、前記各バーナ体5の混合室6に空気比が約1〜1.3のやや希薄な混合ガスが供給され、また、各バーナ体5、5間の二次空気通路4、4に空気比が約1.5〜1.9の希薄混合ガスが供給されると、各バーナ体5の混合室6に供給された混合ガスは、その一部が袖火用孔10、10を通って保炎空間イを上昇し、残りの大部分は主炎孔8、8に向かって流れて主炎孔8、8から噴出する。一方、二次空気通路4、4に供給された希薄混合ガスは、隣接する保炎板9、9間を上昇し、副炎孔板11の副炎孔12、12から噴出する。
【0024】
上述の状態で、点火ロッド27Aの先端の点火部28とバーナ体5の主炎孔面7との間にスパークを生じさせると、主炎孔8、8から噴出する混合ガスが着火し、この着火炎が隣の副炎孔12、12から噴出する希薄混合ガスに火移りして、全体の燃焼が開始される。全体の燃焼開始により、各バーナ体5の主炎孔8上には高さの低い炎が形成され、各保炎空間イ上には袖火炎が形成され、各バーナ体5、5の上方と副炎孔板11、11の上方には、互いに連なって保炎性の高い安定した大きな炎が形成され、NOx発生量の少ない希薄混合ガス多段燃焼を行う。
【0025】
本実施形態例によれば、頂部の主炎孔形成面7に多数の主炎孔8、8を有する主体5Aの左右両側壁に、これらの両側壁と間隔を保って一対の保炎板9、9が立設されたバーナ体5を備え、このバーナ体5を相互に二次空気通路4、4(通気間隔)を存してバーナケース3内に複数並設し、これらバーナ体5、5間の二次空気通路4、4には、バーナ体5の混合室6に供給する約1〜1.3のやや希薄な混合ガス混合ガスよりも更に希薄な空気比が約1.5〜1.9の希薄混合ガスを供給するようにしたガス燃焼装置において、前記バーナ体5の隣接する保炎板6、6間には、左右の両側片11B、11C及び長手方向に多数の副炎孔12、12を穿った副炎孔形成面11Aを有する断面略コ字状の副炎孔板11を前記保炎板9、9に外嵌合して着脱自在に架設せしめた構成としているので、バーナ体5、5間の二次空気通路4、4を流れる二次空気量やガス量が突発的に増減して希薄混合ガス状態が崩れ、空気比が約1に近い引火しやすい混合ガスが二次空気通路4、4に流れた場合、或るいは、着火時に着火遅れが生じた場合に、副炎孔板11の副炎孔形成面11Aに穿った多数個の副炎孔12、12によって、希薄混合ガス噴出用の炎孔面積を従来のものよりも小さくして噴出速度を高めることが可能となり、二次空気通路4、4内への逆火を抑制できる。
【0026】
また、前記副炎孔板11の副炎孔形成面11Aの高さ位置を、前記バーナ体5の主炎孔形成面7よりも約1〜3mmの所定寸法Sだけ低く設定しているので、副炎孔板11の副炎孔12、12から噴出する希薄混合ガスは、バーナ体5の主炎孔形成面7上に形成される主火炎及び保炎空間イ上に形成される袖火炎によって確実に保炎され、NOx及びCOの発生量の少ない安定した良好な燃焼が行える。
【0027】
また、前記各副炎孔12、12は、それらの幅寸法Tとなる長辺の寸法を約3〜2.5mmに設定して、前記バーナ体5の隣接する保炎板9、9間の距離U(約3mm)と等しいか、それよりも小さくしているので、バーナ体5、5間の二次空気通路4、4を流れる希薄混合ガスは、副炎孔板11の各副炎孔12、12から鉛直方向に向かって噴出し、バーナ体5の主炎孔形成面7上に形成される主火炎や保炎空間イ上に形成される袖火炎を乱す心配がなく、NOx及びCOの発生量の少ない一層安定した良好な燃焼が行えるものである。
【0028】
また、上述の実施形態例においては、副炎孔板11はバーナ体5の隣接する保炎板9、9間に、着脱自在に架設されているので、バーナ体5の使用本数に合わせて専用の副炎孔板を作る必要がなく、バーナ体5の使用本数の異なる種々の装置に共用でき、部品の共通化を図ることができる。
【0029】
さらにまた、副炎孔板11は断面略コ字状に形成され、かつ、それの対向する両側片11B、11Cが前記保炎板9、9に外嵌めされているので、保炎板9によって副炎孔板11の設置位置を確実に決めることができ、副炎孔12を穿った副炎孔板11の副炎孔形成面11Aの高さ位置のずれを防止できる。
【0030】
また、前記副炎孔板11の両側片11B、11Cには、それぞれ外向きの複数個の突起13、13が形成されているので、バーナ体5、5間の二次空気通路4を副炎孔板11によって一定間隔に規制でき、各バーナ体5、5の位置決めが確実に行えるばかりでなく、二次空気通路4の幅寸法が長手方向において寸法誤差を生じないようにできる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の低NOxガス燃焼装置においては、バーナ体間の通気間隔を流れる二次空気量やガス量が突発的に増減して、希薄混合ガス状態が崩れた場合、或るいは、着火時に着火遅れが生じた場合に、副炎孔板に設けた複数の副炎孔によって、希薄混合ガス噴出用の炎孔面積の大きさを調整することが可能となり、そのため、通気間隔内への逆火を抑制できるのはもちろんのこと、副炎孔板の副炎孔形成面の高さ位置を前記バーナ体の主炎孔形成面よりも所定寸法だけ低く設定したことにより、副炎孔から噴出する希薄混合ガスの保炎性を高めて安定燃焼させることが可能となり、COの発生量の少ない良好な低NOx燃焼を実現できる。また、副炎孔板は断面略コ字状に形成され、かつ、それの対向する両側片が保炎板に外嵌めされているので、保炎板によって副炎孔板の設置位置を確実に決めることができるため、副炎孔板における副炎孔形成面の高さ位置のずれを防止できる。
【0032】
請求項2の低NOxガス燃焼装置においては、各副炎孔の幅寸法を前記隣接する保炎板間の距離と等しいかそれよりも小さく設定したことにより、バーナ体間の通気間隔内を流れる希薄混合ガスは、副炎孔板の副炎孔から鉛直方向に向かって噴出するため、バーナ体の主炎孔形成面上に形成される主火炎や保炎空間上に形成される袖火炎を乱さないようにでき、燃焼状態が一層安定し、COの発生量の少ない良好な低NOx燃焼を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例を示す低NOxガス燃焼装置の要部縦断面図である。
【図2】同じく全体構成を説明する説明図である。
【図3】同じく要部の平面図である。
【図4】同じく要部の斜視図である。
【符号の説明】
3 バーナケース
4 二次空気通路(通気間隔)
5 バーナ体
5A 主体
7 主炎孔形成面
8 主炎孔
9 保炎板
11 副炎孔板
11A 副炎孔形成面
12 副炎孔
イ 保炎空間
S 所定寸法
T 副炎孔の幅寸法
U 保炎板間の距離
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス給湯機、ガス温水暖房機等に使用されるガス燃焼装置に関し、特にNOxの発生量を低減させた低NOxガス燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の低NOxガス燃焼装置においては、例えば、特開平6−331110号公報に開示されているように、頂部に主炎孔を有する主体の両側壁に、これらの両側壁と保炎空間を保って一対の保炎板が立設された袖火タイプのバーナ体を備えている。そして、このように構成されたバーナ体を、バーナケース内に相互に通気間隔を存して複数並設し、バーナ体にやや希薄な混合ガスを供給するとともに、バーナ体に供給する混合ガスよりも更に希薄な希薄混合ガスをバーナ体間の通気間隔に供給して、この通気間隔の上方並びにバーナ体の上方で希薄混合ガス多段燃焼させることにより、NOxの発生量を低減させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来構造の低NOxガス燃焼装置では、希薄混合ガスの流出部となるバーナ体間の通気間隔の上部開放面、即ち、隣接するバーナ体の保炎板間の隙間の面積が大きいため、バーナ体間の通気間隔を流れる二次空気量が突発的に減少したり、バーナ体間の通気間隔を流れガス量が突発的に増加したりすると、希薄混合ガス状態が崩れて引火しやすい混合ガスとなり、通気間隔の上方並びにバーナ体の上方に形成される火炎が、バーナ体間の通気間隔に引き込まれ、逆火を生じる問題があった。また、着火時において、着火遅れが生じた場合でも、同様に逆火を生じる問題があった。
【0004】
そこで、発明者等はバーナ体の隣接する保炎板間に、多数の副炎孔を副炎孔形成面に有する副炎孔板を設けることにより、逆火の発生を抑制し得ることが解明できたが、副炎孔の高さ位置の設定が悪いと燃焼状態が不安定となって悪化し、COの発生量が増加する問題があった。
【0005】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、逆火の発生を抑制しつつ、COの発生量の少ない良好な低NOx燃焼を実現できる低NOxガス燃焼装置を提供できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明では、頂部の主炎孔形成面に多数の主炎孔を有する主体の両側壁に、これらの両側壁と保炎空間を保って一対の保炎板が立設されたバーナ体を備え、このバーナ体を相互に通気間隔を存してバーナケース内に複数並設し、これらバーナ体間の通気間隔には、バーナ体に供給する混合ガスよりも希薄な希薄混合ガスを供給するようにしたガス燃焼装置において、前記バーナ体の隣接する保炎板間には、左右の両側片及び長手方向に多数の副炎孔を穿った副炎孔形成面を有する断面略コ字状の副炎孔板を前記保炎板に外嵌合して架設せしめ、かつ、この副炎孔板の副炎孔形成面の高さ位置を前記バーナ体の主炎孔形成面よりも所定寸法だけ低く設定した構成である。
【0007】
請求項2に記載の本発明では、請求項1に記載の低NOxガス燃焼装置において、前記各副炎孔の幅寸法を前記隣接する保炎板間の距離と等しいかそれよれも小さく設定した構成である。
【0008】
請求項1の低NOxガス燃焼装置においては、バーナ体の隣接する保炎板間に、左右の両側片及び長手方向に多数の副炎孔を穿った副炎孔形成面を有する断面略コ字状の副炎孔板を前記保炎板に外嵌合して架設せしめたことにより、バーナ体間の通気間隔を流れる二次空気量やガス量が突発的に増減して、希薄混合ガス状態が崩れた場合、或るいは、着火時に着火遅れが生じた場合に、副炎孔板に穿った複数の副炎孔によって、希薄混合ガス噴出用の炎孔面積を狭ばめるなど、適宜調整可能となり、通気間隔内への逆火が抑制される。また、副炎孔板の副炎孔形成面の高さ位置を前記バーナ体の主炎孔形成面よりも所定寸法(例えば、1〜3mm)だけ低く設定したことにより、副炎孔板の副炎孔から噴出する希薄混合ガスは、バーナ体の主炎孔形成面上に形成される主火炎及び保炎空間上に形成される袖火炎によって確実に保炎され、NOx及びCOの発生量の少ない安定した良好な燃焼が行える。
【0009】
請求項2の低NOxガス燃焼装置においては、各副炎孔の幅寸法を前記隣接する保炎板間の距離と等しいかそれよりも小さく設定したことにより、バーナ体間の通気間隔内を流れる希薄混合ガスは、副炎孔板の副炎孔から鉛直方向に向かって噴出し、バーナ体の主炎孔形成面上に形成される主火炎や保炎空間上に形成される袖火炎を乱す心配がなく、NOx及びCOの発生量の少ない一層安定した良好な燃焼が行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態例を図1ないし図4の図面に基づいて説明する。図1ないし図4において、1は送風機、2は送風機1から燃焼用空気が送り込まれる外郭ケース、3は外郭ケース2内に収容されたバーナケースであり、このバーナケース3内には、通気間隔としての二次空気通路4、4を設けて複数(例えば、6本)のバーナ体5、5を並設している。前記バーナケース3は、それの中央部に立設した仕切壁3Aによって左右に2分割され、これら左右の部屋X、Yには前記バーナ体5、5がそれぞれ収容されている。
【0011】
前記バーナ体5、5は、内部に混合室6が形成された主体5Aの頂部の主炎孔形成面7に多数のスリット状の主炎孔8、8を設けている。そして主体5Aの左右両側壁の上部には、側壁と保炎空間イ、イを保って左右一対の保炎板9、9が立設されている。
【0012】
前記保炎空間イ、イには、前記混合室6に供給された混合ガスの一部が側壁に穿った袖火用孔10、10を通って入り込み、この入り込んだ混合ガスは保炎空間イ、イを上昇して流出し、保炎空間イ、イ上に袖火が形成されるようになっている。また、前記各保炎板9、9は、その上端が前記主炎孔形成面7よりも約2〜4mm低くなるようにその高さが設定されている。
【0013】
前記各バーナ体5の混合室6には空気比が約1〜1.3のやや希薄な混合ガスが供給され、また、各バーナ体5、5間の二次空気通路4、4にはバーナ体5の混合室6に供給される混合ガスよりも更に希薄な希薄混合ガスがそれぞれ供給されるようになっている。そして、この二次空気通路4、4に供給される希薄混合ガスの空気比は通常で約1.5〜1.9である。
【0014】
前記バーナ体5の隣接する保炎板9.9間には、断面略コ字状に形成された副炎孔板11、11がそれぞれ着脱可能に架設してある。この副炎孔板11は、図1及び図4に示すように、希薄混合ガス噴出用のスリット状や円形状の適宜な形状の副炎孔12、12をその長手方向に多数個穿った副炎孔形成面11Aと、この副炎孔形成面11Aの両縁から下向きに折り曲げられた左右の側片11B、11Cとを有し、これら両側片11B、11Cを前記保炎板9.9に外嵌合することにより、保炎板9の上方から抜き差し自在に保炎板9に取り付けられるものである。
【0015】
前記副炎孔板11は、保炎板9に取り付けられた状態で、副炎孔12、12を穿った副炎孔形成面11Aが保炎板9の上端に当接し、副炎孔形成面11Aの高さ位置が規制される。そして、この副炎孔形成面11Aの高さ位置は前記バーナ体5の主炎孔形成面7よりも約1〜3mmの所定寸法Sだけ低く設定されている。また、前記各副炎孔12、12は、それらの幅寸法Tとなる長辺の寸法を約3〜2.5mmに設定して、前記バーナ体5の隣接する保炎板9、9間の距離U(約3mm)と等しいか、それよりも小さくしている。
【0016】
また、前記副炎孔板11の両側片11B、11Cには、それぞれ外向き突出させた2〜3個の突起13、13を設けている。そして、これら突起13、13は、両側片11B、11Cの長手方向に所定間隔を存して設けられ、かつ、両側片11B、11Cを保炎板9に外嵌合した際に、バーナ体5の側壁外面にその先端が当接する高さに設定されている。
【0017】
次に図2中に示す燃料ガス供給装置14について説明する。この燃料ガス供給装置14は、燃料ガス供給経路に、元電磁弁15及び比例弁16を介装するとともに、比例弁16の下流側で第1経路17と第2経路18の2経路に分岐し、これら第1及び第2経路17、18にはそれぞれ電磁弁19、20を介装している。
【0018】
前記第1経路17は、電磁弁19の下流側で第3経路21を分岐し、この第3経路21を前記バーナケース3の左の部屋Xの二次空気通路4、4にガス燃料を供給する第1補助ノズル22に連結するとともに、第3経路21の分岐部の下流側は、バーナケース3の左の部屋Xの各バーナ体5、5にガス燃料を供給する複数の第1主ノズル23、23に連結している。
【0019】
前記第2経路18は、電磁弁20の下流側で第4経路24を分岐し、この第4経路24を前記バーナケース3の右の部屋Yの二次空気通路4、4にガス燃料を供給する第2補助ノズル25に連結するとともに、第4経路24の分岐部の下流側は、バーナケース3の右の部屋Yの各バーナ体5、5にガス燃料を供給する複数の第2主ノズル26、26に連結している。
【0020】
27は放電点火プラグ等の点火器であり、この点火器27は点火ロッド27Aを有し、この点火ロッド27Aの先端の点火部28は、前記バーナケース3の左の部屋Xに有る複数のバーナ体5、5のうちの1つのバーナ体5の主炎孔形成面7に近接対向させて、この主炎孔形成面7との間に火花放電を生じさせるようになっている。
【0021】
29は炎の有無を検出する炎検出器であり、この炎検出器29はフレームロッド29Aを有し、このフレームロッド29Aの先端の検出部30を、前記バーナケース3の左の部屋Xの複数の副炎孔板11のうちの1つの副炎孔板11に近接対向させている。そして、この炎検出器29の炎検出信号は、前記元電磁弁15、比例弁16及び電磁弁19、20の開閉を制御して燃焼を制御する制御部(図示せず)に入力され、炎検出信号の炎無しの信号が制御部に入力されると、この制御部が元電磁弁15及び電磁弁19、20を閉じて燃焼を停止させる。
【0022】
尚、図3中の31は前記各副炎孔板11、11を上から押さえ付ける押さえ板であり、この押さえ板31は前記バーナケース3の上面部にネジ等で締着している。
【0023】
上述の構成において、前記各バーナ体5の混合室6に空気比が約1〜1.3のやや希薄な混合ガスが供給され、また、各バーナ体5、5間の二次空気通路4、4に空気比が約1.5〜1.9の希薄混合ガスが供給されると、各バーナ体5の混合室6に供給された混合ガスは、その一部が袖火用孔10、10を通って保炎空間イを上昇し、残りの大部分は主炎孔8、8に向かって流れて主炎孔8、8から噴出する。一方、二次空気通路4、4に供給された希薄混合ガスは、隣接する保炎板9、9間を上昇し、副炎孔板11の副炎孔12、12から噴出する。
【0024】
上述の状態で、点火ロッド27Aの先端の点火部28とバーナ体5の主炎孔面7との間にスパークを生じさせると、主炎孔8、8から噴出する混合ガスが着火し、この着火炎が隣の副炎孔12、12から噴出する希薄混合ガスに火移りして、全体の燃焼が開始される。全体の燃焼開始により、各バーナ体5の主炎孔8上には高さの低い炎が形成され、各保炎空間イ上には袖火炎が形成され、各バーナ体5、5の上方と副炎孔板11、11の上方には、互いに連なって保炎性の高い安定した大きな炎が形成され、NOx発生量の少ない希薄混合ガス多段燃焼を行う。
【0025】
本実施形態例によれば、頂部の主炎孔形成面7に多数の主炎孔8、8を有する主体5Aの左右両側壁に、これらの両側壁と間隔を保って一対の保炎板9、9が立設されたバーナ体5を備え、このバーナ体5を相互に二次空気通路4、4(通気間隔)を存してバーナケース3内に複数並設し、これらバーナ体5、5間の二次空気通路4、4には、バーナ体5の混合室6に供給する約1〜1.3のやや希薄な混合ガス混合ガスよりも更に希薄な空気比が約1.5〜1.9の希薄混合ガスを供給するようにしたガス燃焼装置において、前記バーナ体5の隣接する保炎板6、6間には、左右の両側片11B、11C及び長手方向に多数の副炎孔12、12を穿った副炎孔形成面11Aを有する断面略コ字状の副炎孔板11を前記保炎板9、9に外嵌合して着脱自在に架設せしめた構成としているので、バーナ体5、5間の二次空気通路4、4を流れる二次空気量やガス量が突発的に増減して希薄混合ガス状態が崩れ、空気比が約1に近い引火しやすい混合ガスが二次空気通路4、4に流れた場合、或るいは、着火時に着火遅れが生じた場合に、副炎孔板11の副炎孔形成面11Aに穿った多数個の副炎孔12、12によって、希薄混合ガス噴出用の炎孔面積を従来のものよりも小さくして噴出速度を高めることが可能となり、二次空気通路4、4内への逆火を抑制できる。
【0026】
また、前記副炎孔板11の副炎孔形成面11Aの高さ位置を、前記バーナ体5の主炎孔形成面7よりも約1〜3mmの所定寸法Sだけ低く設定しているので、副炎孔板11の副炎孔12、12から噴出する希薄混合ガスは、バーナ体5の主炎孔形成面7上に形成される主火炎及び保炎空間イ上に形成される袖火炎によって確実に保炎され、NOx及びCOの発生量の少ない安定した良好な燃焼が行える。
【0027】
また、前記各副炎孔12、12は、それらの幅寸法Tとなる長辺の寸法を約3〜2.5mmに設定して、前記バーナ体5の隣接する保炎板9、9間の距離U(約3mm)と等しいか、それよりも小さくしているので、バーナ体5、5間の二次空気通路4、4を流れる希薄混合ガスは、副炎孔板11の各副炎孔12、12から鉛直方向に向かって噴出し、バーナ体5の主炎孔形成面7上に形成される主火炎や保炎空間イ上に形成される袖火炎を乱す心配がなく、NOx及びCOの発生量の少ない一層安定した良好な燃焼が行えるものである。
【0028】
また、上述の実施形態例においては、副炎孔板11はバーナ体5の隣接する保炎板9、9間に、着脱自在に架設されているので、バーナ体5の使用本数に合わせて専用の副炎孔板を作る必要がなく、バーナ体5の使用本数の異なる種々の装置に共用でき、部品の共通化を図ることができる。
【0029】
さらにまた、副炎孔板11は断面略コ字状に形成され、かつ、それの対向する両側片11B、11Cが前記保炎板9、9に外嵌めされているので、保炎板9によって副炎孔板11の設置位置を確実に決めることができ、副炎孔12を穿った副炎孔板11の副炎孔形成面11Aの高さ位置のずれを防止できる。
【0030】
また、前記副炎孔板11の両側片11B、11Cには、それぞれ外向きの複数個の突起13、13が形成されているので、バーナ体5、5間の二次空気通路4を副炎孔板11によって一定間隔に規制でき、各バーナ体5、5の位置決めが確実に行えるばかりでなく、二次空気通路4の幅寸法が長手方向において寸法誤差を生じないようにできる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の低NOxガス燃焼装置においては、バーナ体間の通気間隔を流れる二次空気量やガス量が突発的に増減して、希薄混合ガス状態が崩れた場合、或るいは、着火時に着火遅れが生じた場合に、副炎孔板に設けた複数の副炎孔によって、希薄混合ガス噴出用の炎孔面積の大きさを調整することが可能となり、そのため、通気間隔内への逆火を抑制できるのはもちろんのこと、副炎孔板の副炎孔形成面の高さ位置を前記バーナ体の主炎孔形成面よりも所定寸法だけ低く設定したことにより、副炎孔から噴出する希薄混合ガスの保炎性を高めて安定燃焼させることが可能となり、COの発生量の少ない良好な低NOx燃焼を実現できる。また、副炎孔板は断面略コ字状に形成され、かつ、それの対向する両側片が保炎板に外嵌めされているので、保炎板によって副炎孔板の設置位置を確実に決めることができるため、副炎孔板における副炎孔形成面の高さ位置のずれを防止できる。
【0032】
請求項2の低NOxガス燃焼装置においては、各副炎孔の幅寸法を前記隣接する保炎板間の距離と等しいかそれよりも小さく設定したことにより、バーナ体間の通気間隔内を流れる希薄混合ガスは、副炎孔板の副炎孔から鉛直方向に向かって噴出するため、バーナ体の主炎孔形成面上に形成される主火炎や保炎空間上に形成される袖火炎を乱さないようにでき、燃焼状態が一層安定し、COの発生量の少ない良好な低NOx燃焼を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例を示す低NOxガス燃焼装置の要部縦断面図である。
【図2】同じく全体構成を説明する説明図である。
【図3】同じく要部の平面図である。
【図4】同じく要部の斜視図である。
【符号の説明】
3 バーナケース
4 二次空気通路(通気間隔)
5 バーナ体
5A 主体
7 主炎孔形成面
8 主炎孔
9 保炎板
11 副炎孔板
11A 副炎孔形成面
12 副炎孔
イ 保炎空間
S 所定寸法
T 副炎孔の幅寸法
U 保炎板間の距離
Claims (2)
- 頂部の主炎孔形成面に多数の主炎孔を有する主体の両側壁に、これらの両側壁と保炎空間を保って一対の保炎板が立設されたバーナ体を備え、このバーナ体を相互に通気間隔を存してバーナケース内に複数並設し、これらバーナ体間の通気間隔には、バーナ体に供給する混合ガスよりも希薄な希薄混合ガスを供給するようにしたガス燃焼装置において、前記バーナ体の隣接する保炎板間には、左右の両側片及び長手方向に多数の副炎孔を穿った副炎孔形成面を有する断面略コ字状の副炎孔板を前記保炎板に外嵌合して架設せしめ、かつ、この副炎孔板の副炎孔形成面の高さ位置を前記バーナ体の主炎孔形成面よりも所定寸法だけ低く設定したことを特徴とする低NOxガス燃焼装置。
- 前記各副炎孔の幅寸法を前記隣接する保炎板間の距離と等しいかそれよれも小さく設定したことを特徴とする請求項1に記載の低NOxガス燃焼装置。
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