JP3661636B2 - Vdt障害危険性定量化装置および方法 - Google Patents

Vdt障害危険性定量化装置および方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視覚的な刺激を受けることにより生じる過度な緊張や疲労などのVDT(Video Display Terminal)障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビ受像機に代表されるように、人間に対して情報を視覚的に提示するための画像表示装置があり、この画像表示装置を使用することによって生じる様々な身体的症状は、いわゆるVDT(Video Display Terminal)障害として知られている。これまでに一般に知られているVDT障害としては、画像表示装置上に表示された画像を長時間連続して見続けることによる眼精疲労や視力低下などがある。これらの障害は、映像の内容そのものとは関係がなく、主として画像表示装置の使用形態に依存して生じるものである。
【0003】
これに対し、近年、コンピュータグラフィックスなどの技術進歩に伴って映像表現が多様化し、新たなVDT障害として、映像の内容に依存して生じる内容依存型のVDT障害の危険性が指摘されている。この種のVDT障害を引き起こす映像内容としては、映像内容に含まれる10Hzから30Hz程度の周波数でフレーム画像が激しく明滅するフレーム間フリッカーがある。この内容依存型のVDT障害によれば、脳神経系などに過度の緊張や疲労を生じたり、乗り物酔いに類似した症状や、場合によっては痙攣を引き起こすことが報告されている。
【0004】
また、NTSCやPALなどのインターレース方式の画像表示装置では、走査線の方向の縞パタン(横縞)を走査線間隔に等しい間隔で提示した場合に、フレーム周波数の時間周波数(NTSCでは30Hz、PALでは25Hz)を有するフリッカー(明滅)が例外的に発生し、結果的に上述の内容依存型VDT障害と同様の障害を引き起こす場合がある。
【0005】
すなわち、インターレース方式では、1フレームを構成する2つのフィールドが、フレーム周波数の2倍の周波数で走査され、1フレーム内の2つのフィールド画像が時分割されて順次表示されるため、例えば後述する図2に示すように、縞パタンの図形部分(黒部分)と下地部分とが別々のフィールドに属する場合に、これら図形部分と下地部分とが交互に表示され、フレーム周波数の時間周波数を有するフリッカーが発生する。
このように、インターレース方式の画像表示装置により表示される画像には、意図的ではないにしても、VDT障害の危険性が存在する場合がある。
【0006】
この種のVDT障害を効果的に防止するための技術として、例えば特願平−101977号「VDT障害緩和方法および画像周波数減衰装置およびVDTアダプタ」に開示されているように、VDT障害を引き起こす頻度が最も高い10Hz付近の時間周波数成分を適応的に減衰する技術が知られている。しかしながら、この技術によれば、VDT障害を防止することはできるが、画像信号に対してフィルタリング処理などを施すため、少なからず画像の劣化が生じる。
【0007】
そこで、VDT障害を引き起こす画像信号を予め特定(検出)できれば、この信号領域に対してのみVDT障害を防止するための上述の技術を適用することが可能となり、画像の劣化を必要最小限に抑えることが可能となる。また、この画像信号を特定できれば、アラームを発するなどして、視聴者に注意を促すことが可能となり、したがって上述のVDT障害を防止するための技術を適用するまでもなく、VDT障害を回避することが可能となる。
このようにVDT障害を引き起こす画像信号を特定するためには、VDT障害の危険性を定量的に把握するための技術が有用となる。
【0008】
図12に、このVDT障害の危険性を定量化するための技術の一例として、従来技術にかかるVDT障害危険性定量化装置を示す。
同図において、符号10は、A/D変換部であり、インターレース方式に準拠したアナログ量のビデオ信号P1を、フィールドを単位として外部から順次取り込み、これをA/D変換して画像データD1に変換するものである。符号20は、危険性定量化部であり、1フィールド分の画像データD1を取り込んで一時的に保持するフィールドメモリ21と、画像データD1に対して時間フィルタリング処理を施すローパスフィルタ22と、時間フィルタリング処理の前と後の各画像データを用いてリスク指標値e(t)を計算するリスク指標計算器23とから構成される。
【0009】
以下、このVDT障害危険性定量化装置の動作を説明する。
A/D変換部10は、図示しない外部の画像信号出力装置から、インターレース方式のアナログ量のビデオ信号P1を順次取り込んで、フィールドを単位として量子化し、各フィールドのビデオ信号をディジタル量の画像データD1にA/D変換する。この画像データD1は危険性定量化部20に転送される。フィールドメモリ21は、A/D変換部10により変換された1フィールド分の画像データD1を順次取り込んで一時的に保持する。このフィールドメモリ21の内容は、A/D変換部10から取り込まれる新たなフィールドの画像データに順次更新される。
【0010】
画像データD1が転送された危険性定量化部20では、ローパスフィルタ22が、画像データD1に対し、人間の視覚特性に応じた時間フィルタリング処理を施す。このとき、ローパスフィルタ22は、1フレームを構成する第1フィールドと第2フィールドとを区別せずに、各フィールドの時間順序を保持したまま、時間フィルタリング処理を施す。これにより、画像データD1が形成する画像に含まれる所定の周波数成分を減衰させ、画像信号を人間の視覚特性に即して時間的に平均化(積分)し、VDT障害が緩和された画像データが得られる。
【0011】
リスク指標計算器23は、ローパスフィルタ22から時間フィルタリング処理後の画像データを入力すると共に、フィールドメモリ21から、この画像データに対応する時間フィルタリング処理前の画像データをフィールドメモリ21から読み出し、これら時間フィルタリング処理前の画像データと処理後の画像データとの差分に基づきリスク指標値e(t)をフィールドの全域にわたって累積して算出する。
【0012】
このVDT障害危険性定量化装置によれば、時間フィルタリング処理後の画像データ(VDT障害が緩和された画像データ)と、時間フィルタリング処理前の画像データ(実際の画像データ)との差分に基づきVDT障害の危険性を定量化しているので、VDT障害が緩和された画像データを基準にして、VDT障害の危険性が定量化される。なお、以上の説明は、インターレース方式のビデオ信号に対する処理についてのものであるが、ノンインターレース方式(プログレッシブ方式)のビデオ信号を処理する場合についても、処理の基本は同様である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のVDT障害危険性定量化装置によれば、フィールドの全域にわたって、時間フィルタリング処理前の画像データと処理後の画像データとの差分を累積してリスク指標値を算出しているので、VDT障害の危険性のない例えばホワイトノイズや画像の輪郭部によりリスク指標値が異常に高くなり、VDT障害の危険性を人間の視覚特性に即して適切に評価することが困難になる場合がある。
【0014】
すなわち、ホワイトノイズが発生した場合、時間フィルタリング処理前の画像データと処理後の画像データとの差分値が大きくなる頻度が高まり、これによりリスク指標値が異常に高くなる。また、画像の輪郭部では、第1フィールドと第2フィールドのとの間で互いに対応する画素の画像データが急激に変化する。この結果、同様に時間フィルタリング処理前の画像データと処理後の画像データとの差分値が大きくなり、リスク指標値が異常に高くなる。なお、ホワイトノイズの存在によりリスク指標値が異常に高くなる問題は、インターレース方式のビデオ信号だけでなく、ノンインターレース方式のビデオ信号でも同様に起こり得る。
【0015】
また、全てのフリッカーがVDT障害をもたらすとは言えず、身体的症状に実質的な影響を及ぼさないフリッカーも多く存在する。すなわち、VDT障害の危険性の度合いは、フリッカーの表示領域(空間的要素)や表示時間(時間的要素)に依存し、フリッカーの表示領域が大きく、しかもフリッカーの表示時間がながい程、身体的症状に与える影響は顕著になり、VDT障害の危険性が高くなる傾向がある。したがって、局所的あるいは一時的なフリッカーは、かならずしもVDT障害を引き起こすとは限らず、VDT障害を適正に定量化して、人間の身体的症状に与える影響を正しく評価するためには、空間的要素を考慮する必要がある。
【0016】
しかしながら、上述のVDT障害危険性定量化装置によれば、空間的要素が考慮されることなくVDT障害の危険性が定量化され、フィールドまたはフレームの全域にわたって累積的にリスク指標値が算出されるため、人間の視覚では識別できない程の局所的な領域でフリッカーが発生した場合であっても、リスク指標値が異常に高くなることがあり、VDT障害の危険性を人間の視覚特性に即して適切に評価することができない場合がある。
【0017】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を、人間の視覚特性に即して適切に定量化することができるVDT障害危険性定量化装置および方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
第1の発明にかかるVDT傷害危険性定量化装置は、インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化装置であって、第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、前記画像信号から各フィールドの画像信号を順次抽出する信号抽出手段と、前記信号抽出手段により抽出された画像信号に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的周波数成分を減衰させるフィルタ手段と、前記信号抽出手段により抽出された画像信号を順次取り込んで一時的に保持する信号保持手段と、前記信号抽出手段により抽出された各フィールドの画像信号に含まれる空間周波数を算出する空間周波数算出手段と、前記空間周波数算出手段により算出された空間周波数を反映させて、前記時間フィルタリング処理が施された画像信号と前記信号保持手段に保持された画像信号との差分に基づき前記VDT障害の危険性を表す指標値を演算する指標値演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
前記第1の発明にかかるVDT傷害危険性定量化装置において、前記空間周波数算出手段は、前記信号保持部に保持された画像信号を入力して前記空間周波数を算出することを特徴とする。
前記第1の発明にかかるVDT傷害危険性定量化装置において、前記空間周波数算出手段は、前記信号抽出手段から画像信号を入力して前記空間周波数を算出することを特徴とする。
前記第1の発明にかかるVDT傷害危険性定量化装置において、前記空間周波数算出手段は、前記フィルタ手段から画像信号を入力して前記空間周波数を算出することを特徴とする。
【0023】
第2の発明にかかるVDT障害危険性定量化装置は、インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化装置であって、第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、前記画像信号から各フィールドの画像信号を順次抽出する信号抽出手段と、前記信号抽出手段により抽出された画像信号に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的周波数成分を減衰させるフィルタ手段と、前記信号抽出手段により抽出された画像信号を順次取り込んで一時的に保持する信号保持手段と、前記時間フィルタリング処理が施された画像信号と前記信号保持手段に保持された画像信号との差分に基づき前記VDT障害の危険性を表す指標値を演算する指標値演算手段と、前記指標値に対してダンピング処理を施すダンピング手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
前記第2の発明にかかるVDT障害危険性定量化装置において、前記ダンピング手段は、前記指標値を表す信号を前記指標値演算手段から入力し、この信号に含まれる高域側の周波数成分を減衰させるローパスフィルタからなることを特徴とする。
前記第2の発明にかかるVDT障害危険性定量化装置において、前記ダンピング手段は、前記指標値を表す信号から、所定の時間にわたって所定のレベルを超える信号領域を検出し、この信号領域に属する前記指標値を出力することを特徴とする。
【0028】
第3の発明にかかるVDT障害危険性定量化方法は、インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化方法であって、(a)第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、前記画像信号から各フィールドの画像信号を順次抽出する信号抽出ステップと、(b)前記信号抽出ステップで抽出された画像信号に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的周波数成分を減衰させるフィルタリングステップと、(c)前記信号抽出ステップで抽出された画像信号を順次取り込んで一時的に保持する信号保持ステップと、(d)前記信号抽出ステップで抽出された各フィールドの画像信号に含まれる空間周波数を算出する空間周波数算出ステップと、(e)前記空間周波数算出ステップで算出された空間周波数を反映させて、フィルタリングステップで時間フィルタリング処理が施された画像信号と前記信号保持ステップで保持された画像信号との差分に基づき前記VDT障害の危険性を表す指標値を演算する指標値演算ステップとを含むことを特徴とする。
【0029】
前記第3の発明にかかるVDT障害危険性定量化方法において、前記空間周波数算出ステップでは、前記信号保持ステップで保持された画像信号を入力して前記空間周波数を算出することを特徴とする。
前記第3の発明にかかるVDT障害危険性定量化方法において、前記空間周波数算出ステップでは、前記フィルタリングステップで時間フィルタリング処理が施された画像信号から前記空間周波数を算出することを特徴とする。
前記第3の発明にかかるVDT障害危険性定量化方法において、前記空間周波数算出ステップでは、前記信号抽出ステップで抽出された画像信号から前記空間周波数を算出することを特徴とする。
【0030】
第4の発明にかかるVDT障害危険性定量化方法は、インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化方法であって、(a)第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、前記画像信号から各フィールドの画像信号を順次抽出する信号抽出ステップと、(b)前記信号抽出ステップで抽出された画像信号に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的周波数成分を減衰させるフィルタリングステップと、(c)前記信号抽出ステップで抽出された画像信号を順次取り込んで一時的に保持する信号保持ステップと、(d)前記フィルタリングステップで時間フィルタリング処理が施された画像信号と前記信号保持ステップで保持された画像信号との差分に基づき前記VDT障害の危険性を表す指標値を演算する指標値演算ステップと、前記指標値に対してダンピング処理を施すダンピングステップと、を含むことを特徴とする。
【0031】
前記第4の発明にかかるVDT障害危険性定量化方法において、前記ダンピングステップでは、前記指標値を表す信号に含まれる高域側の周波数成分を減衰させることを特徴とする。
前記第4の発明にかかるVDT障害危険性定量化方法において、前記ダンピングステップでは、前記指標値を表す信号から、所定の時間にわたって所定のレベルを超える信号領域を検出し、この信号領域に属する前記指標値を出力することを特徴とする。
【0032】
上述の発明は、以下のように換言することができる。
すなわち、この発明は、インターレース走査方式のビデオ信号の表示装置に於いて、走査線方向と平行でピッチの等しい縞模様画像の表示によって生じるフレームスキャン周波数に等しいフリッカーによって生じるVDT障害の危険性を定量化するVDT障害危険性定量化装置/方法であって、前記インターレース画像信号の、各フレームを構成する二つのフィールドを同一のフィールドメモリに送りフレーム周波数の倍の時間周波数で時間周波数ローパスフィルタ処理を行うことによって、インターレース方式のビデオ信号の画像に対して高い時間周波数のパワー成分と高い空間周波数のパワー成分とを、同時に減衰させた画像に変換し、この変換の前後の画像信号の差分から、VDT障害の危険性を定量化するものである。
【0033】
この構成によれば、各フィールドを区別することなく、その時間順序を保持したまま、各フィールドの画像信号に対して時間フィルタリング処理および空間フィルタリング処理を施し、走査線方向と直交する方向の最も高い空間周波数成分のパワーや、インターレース走査方式ビデオ信号のフレームスキャン周波数に等しい時間周波数成分のパワーを減衰させる。これにより、走査線方向と直交する方向の細かい縞模様や、走査線と平行でピッチの等しい細かい縞模様によって発生するフリッカーに起因する内容依存型VDT障害が緩和され、人間の視覚特性に即した画像信号が得られる。
【0034】
また、上述の処理と並行して、各フィールドの画像信号に対し空間フィルタリング処理を施す。そして、時間フィルタリング処理および空間フィルタリング処理が施された画像信号と、空間フィルタリング処理のみが施された画像信号との差分から、VDT障害の危険性を表す指標値を演算し、走査線方向と直交する方向の最も高い空間周波数成分のパワーや、フレームスキャン周波数に等しい時間周波数成分のパワーによって生じるVDT障害の危険性を定量化する。
【0035】
このとき、各フィールドの画像信号に対して空間フィルタリング処理が施されることにより、各フィールドの画像が局所的に平均化される。この結果、VDT障害の危険性を表す指標値が局所的に異常な値を示すことがなくなり、空間的要素が反映される。したがって、この発明によれば、フリッカーが発生する表示領域の大きさに応じて、VDT障害の危険性が定量化され、人間の視覚特性に即してVDT障害の危険性を適切に把握することが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
図1に、この発明の実施の形態1にかかるVDT障害危険性定量化装置であって、インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化装置の構成を示す。
【0037】
同図において、符号100は、A/D変換部であり、インターレース方式に準拠したアナログ量のビデオ信号P1を、フィールドを単位として外部から順次取り込み、これをA/D変換して画像データD100に変換するものである。符号110は、フィールド画像信号抽出部であり、第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、画像データD100から各フィールドの画像データを順次抽出するものである。
【0038】
符号120は、空間的ローパスフィルタであり、フィールド画像信号抽出部110により抽出された画像データD110に対し空間フィルタリング処理を施して高域側の空間的周波数成分を減衰させ、画像信号D120として出力するものである。符号130は、時間的ローパスフィルタであり、空間的ローパスフィルタ120により空間フィルタリング処理が施された画像データD120に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的周波数成分を減衰させ、画像データD130として出力するものである。
【0039】
符号140は、フィールド/フレームメモリであり、空間的ローパスフィルタ120により空間フィルタリング処理が施された画像データD120を順次取り込んで一時的に保持し、これを画像データD140として出力するものである。符号150は、リスク指標値演算部であり、時間的ローパスフィルタ130から出力された画像データD130と、フィールド/フレームメモリ140から出力された画像データD14との差分に基づき、VDT障害の危険性を表すリスク指標値eを演算するものである。
【0040】
以下、このVDT障害危険性定量化装置の動作を説明する。
まず、A/D変換部100は、図示しない外部の画像信号出力装置から、インターレース方式のアナログ量のビデオ信号P1を順次取り込んで、フィールドを単位として量子化し、各フィールドのビデオ信号をディジタル量の画像データD100にA/D変換する。
【0041】
NTSC方式のビデオ信号の場合、フレーム単位の時間周波数は毎秒30フレームであり、1フレームは第1フィールドおよび第2フィールドの2つのフィールドから構成されるので、フィールド単位の画像信号の時間周波数は2倍の毎秒60フィールドとなる。したがって、この場合、1秒間に60フィールド分の画像信号P1が取り込まれて画像データD100に変換される。
【0042】
続いて、フィールド画像信号抽出部110は、画像データD100から各フィールドの画像データを順次抽出する。このとき、フィールド画像信号抽出部110は、各フレームを構成する第1フィールドと第2フィールドとを区別せずに、各フィールドの時間順序を保持したまま、各フィールドの画像データを抽出するすなわち、各フィールドの画像は、互いに区別されないフィールド画像として取り扱われ、その時間順序に従って抽出される。
【0043】
ここで、第1フィールドと第2フィールドとを区別しないことの意味内容について、図2を参照して説明する。
図2に模式的に示すように、1フレームは、奇数ラインL11〜L14を含む第1フィールドと偶数ラインL21〜L24を含む第2フィールドからなり、1フレーム内の各フィールドはライン位置が異なる。このように第1フィールドと第2フィールドは、ライン位置が異なる点で区別されるものであるが、フィールド画像信号抽出部110は、時間フィルタリング処理において、このライン位置の違いを無視し、奇数ラインL11〜L14と偶数ラインL21〜L24とを同一視することによって、第1フィールドと第2フィールドとを区別せず、各フィールドの画像を、互いに区別されないフィールド画像として取り扱う。
【0044】
すなわち、第1フィールドと第2フィールドとを区別しないということは、第1フィールドと第2フィールドとが、共に仮想的な同一ライン上の画像を表すものとして取り扱われることを意味し、図2に示す例えば奇数ラインL11と偶数ラインL21が同一ラインとして扱われ、各フィールド間で対応する順位のライン同士が同一視される。このようにフィールドを区別しないことにより、1フレームを構成する各フィールドに対して、後述の時間的ローパスフィルタ130による時間フィルタリング処理を共通に施すことが可能となる。
【0045】
次に、各フィールドの時間順序を保持することの意味内容について、図3を参照して説明する。
図3において、符号F1〜Fn(n:自然数)はフレームを表し、符号f11,f12,〜,fn1,fn2は各フレームに属するフィールドを表す。ここで、インターレース方式では、フレームF1〜Fnは、その時間順序に従って走査され、各フレームは、第1フィールドが走査された後に第2フィールドが走査される。
【0046】
図3に示す例では、各フィールドの時間順序は、先頭のフレームF1に属する第1フィールドf11、同じくフレームF1に属する第2フィールドf12、次のフレームF2に属する第1フィールドf21、同じくフレームF2に属する第2フィールドf22、さらに次のフレームF3に属する第1フィールドf31、同じくフレームF3に属する第2フィールド 32、…、最後のフレームFnに属する第1フィールドfn1、同じくフレームFnに属する第2フィールド n2の順となっている。すなわち、各フィールドの時間順序を保持するということは、各フレームの時間順序を保持し、かつ、各フレームを構成する第1フィールドと第2フィールドとの時間順序を保持することを意味する。
【0047】
このように、第1フィールドと第2フィールドを区別せず、各フィールドの時間順序に従って各フィールドの画像データが抽出され、フィールド画像信号抽出部110から画像データD110が出力される。
【0048】
続いて、空間的ローパスフィルタ120は、画像データD110に対し、空間フィルタリング処理を施し、高域側の周波数成分を減衰させ、局所的に画像データを平均化する。これにより、画像が空間的に急峻な変化を示すことがなくなり、したがって、VDT障害を引き起こすまでに至らない局所的なフリッカーの周波数成分が抑制される。逆に言えば、空間的ローパスフィルタ120は、VDT障害を引き起こす程に広い表示領域にわたって発生するフリッカーの周波数成分を含む画像信号を通過させ、人間の視覚で識別可能な表示領域にわたって発生するフリッカーが弁別される。
【0049】
続いて、時間的ローパスフィルタ130は、画像データD120に対して時間フィルタリング処理を施し、画像データD120により形成される画像に含まれる所定の時間的周波数成分を減衰させる。これにより、VDT障害を緩和する画像データD130を得る。
【0050】
以下、時間的ローパスフィルタ130による時間フィルタリング処理について説明する。
この時間的ローパスフィルタ130は、下式(1)に示す関数Fδを用いて、A/D変換部10から出力される画像データIi(t)から、時間フィルタリング処理後のフィールド画像データ1Ii(t)を積和演算により算出する。
Figure 0003661636
【0051】
ただし、式(1)において、iは各フィールド画像データ内の画素の座標を表す。Δtは逐次入力する2つのフィールドの時間間隔を表し、NTSC方式ビデオ信号の場合、Δtは60分の1秒である。またδはローパスフィルタの特性を定める定数であって、0より大きく1より小さい定数であり、例えば0.7に設定される。後述するように、この定数δに応じて画像に視覚上のボケが生じることから、δをボケ定数と称する。
【0052】
ここで、上述の時間フィルタリング処理とVDT障害との関係を説明する。
上式(1)によれば、現在のフィールドの画像データIi(t)と1フィールド前の画像データIi(t−Δt)とが、ボケ定数δに応じた重み付けがなされて加算(畳み込み演算)され、過去の画像データが現在の画像データに対して累積的に反映される。この結果、各フィールド画像の時間周波数成分のうち、インターレース方式に起因するフリッカーの周波数(即ちフレームスキャン周波数)を含む高域側が減衰され、この周波数でのフリッカーが抑制される。このとき、視覚的には、第1フィールドと第2フィールドとの間で画像にボケが生じ、フィールド間での画像の変化の度合いが抑制される。よって、このフリッカーに起因したVDT障害が緩和される。
【0053】
上述のように、時間的ローパスフィルタ130は、空間的ローパスフィルタ120から出力された画像データD120に対して時間フィルタリング処理を施し、VDT障害に関与する所定の周波数成分(フレームスキャン周波数成分や、走査線方向と直交する方向の最も高い空間周波数成分)を減衰させ、VDT障害が緩和された画像データD130を出力する。
【0054】
この時間フィルタリング処理と並行して、フィールド/フレームメモリ140は、空間的ローパスフィルタ120により空間的フィルタリング処理が施された1フィールド分の画像データD120を取り込んで一時的に保持する。このフィールド/フレームメモリ140の内容は、空間的ローパスフィルタ120から取り込まれる新たなフィールドの画像データに順次更新される。
【0055】
続いて、リスク指標値演算部150は、時間的ローパスフィルタ130から時間フィルタリング処理が施された画像データD130を入力すると共に、フィールド/フレームメモリ140から、この画像データD130に対応する時間フィルタリング処理前の画像データD130を画像データD140として読み出す。そして、時間フィルタリング処理後の画像データD130と処理前の画像データD140(すなわち画像データD120)との差分に基づき、リスク指標値e(t)を演算する。
【0056】
以下に、この実施の形態1による効果をまとめる。
(1)この実施の形態1によれば、フリッカーが発生する空間情報(表示領域)を反映させて、画像表示装置に表示可能な走査線方向と直交する方向の最も高い空間周波数成分(例えば細かい縞模様のような規則的空間パタンの空間周波数成分)を有する規則的空間パタンに起因する内容依存型のVDT障害の危険性を定量化することができる。
(2)また、水平走査線と平行でピッチの等しい縞模様の画像、すなわち縞パタンを表示する際にフレーム周波数の1/2の時間周波数で発生するフリッカーによる内容依存型VDT障害の危険性を定量化することができる。
【0057】
(3)さらには、映像内容に含まれる10Hz程度の時間周波数成分をも減衰させることができ、10Hz程度の周波数で明滅する映像によるVDT障害の危険性を定量化することができる。
(4)さらにまた、時間フィルタリング処理をフィールド単位で行うので、時間的ローパスフィルタ130おいて画像データを格納するために必要とされるメモリ容量を、フレーム単位で処理を行う方法の2分の1に抑えることができる。
【0058】
なお、この実施の形態1では、1段の時間的ローパスフィルタ130を採用したが、段数を2以上に増やすことは任意であり、必要とするフィルタ特性に応じてこのローパスフィルタの段数を適宜設定すればよい。
また、この実施の形態1では、A/D変換器100によりアナログ量のビデオ信号P1をディジタル量の画像データD100に変換するものとしたが、ディジタル画像信号を入力する場合には、A/D変換部100は不要である。
【0059】
さらにまた、この実施の形態1では、時間的ローパスフィルタ130により、現在のフィールドの画像データIi(t)と、1フィールド前の画像データIi(t−Δt)とから、時間フィルタリング処理後のフィールド画像データ1Ii(t)を算出するものとしたが、これに限定されることなく、そのさらに前のフィールドの画像データを考慮して時間フィルタリング処理を施すようにしてもよい。この場合、各フィールドに属する画像データに対する重み係数を選択することにより、フィルタの特性を細かく制御することが可能となり、より適切にリスク指標値e(t)を算出することが可能となる。
【0060】
<実施の形態2>
次に、この発明の実施の形態2を説明する。
図4に、この実施の形態にかかるVDT障害危険性定量化装置の構成を示す。同図において、符号200は、A/D変換部であり、上述の実施の形態1にかかるA/D変換部100に相当する。符号210は、フィールド画像信号抽出部であり、上述のフィールド画像信号抽出部110に相当する。
【0061】
符号230は、時間的ローパスフィルタであり、フィールド画像信号抽出部210により抽出された画像信号D210に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的高周波成分を減衰させるものである。符号221は、空間的ローパスフィルタであり、時間的ローパスフィルタ230により時間フィルタリング処理が施された画像信号D230に対し空間フィルタリング処理を施し、高域側の空間的高周波成分を減衰させるものである。
【0062】
符号240は、フィールド/フレームメモリであり、フィールド画像信号抽出部210により抽出された画像信号D210を順次取り込んで一時的に保持するものである。符号222は、空間的ローパスフィルタであり、フィールド/フレームメモリ240に保持された画像信号D240に対し空間フィルタリング処理を施し、高域側の空間的周波数成分を減衰させるものである。
【0063】
符号250は、リスク指標値演算部であり、空間的ローパスフィルタ221から出力された画像データD221と、空間的ローパスフィルタ222から出力された画像データD222との差分に基づき、VDT障害の危険性を表すリスク指標値eを演算するものである。
【0064】
以下、この実施の形態2の動作を説明する。
上述の実施の形態1にかかるA/D変換部100およびフィールド画像信号抽出部110と同様に、A/D変換部200およびフィールド画像信号抽出部210により、画像信号P1を画像データD200にA/D変換した後、第1フィールドと第2フィールドとを区別せずに、各フィールドの時間順序を保持したまま、各フィールドの画像データを抽出する。
【0065】
時間的ローパスフィルタ230は、上述の時間的ローパスフィルタ130と同様に、画像データD210に対して時間フィルタリング処理を施し、所定の時間的周波数成分を減衰させる。これにより、VDT障害を緩和する画像データD230を得る。
【0066】
空間的ローパスフィルタ221は、上述の空間的ローパスフィルタ120と同様に、画像データD230に対し空間フィルタリング処理を施し、高域側の空間周波数成分を減衰させ、局所的に画像データを平均化する。これにより、VDT障害を緩和する画像データD230の周波数成分のうち、VDT障害を引き起こす程に広い表示領域にわたって発生するフリッカーの周波数成分を含む周波数成分の画像信号が通過され、人間の視覚で識別可能な表示領域にわたって発生するフリッカーが弁別される。
【0067】
この時間フィルタリング処理および空間フィルタリング処理と並行して、フィールド/フレームメモリ240は、フィールド画像信号抽出部210により抽出された画像データD210を取り込んで一時的に保持する。このフィールド/フレームメモリ240の内容は、フィールド画像信号抽出部210から取り込まれる新たなフィールドの画像データに順次更新される。
【0068】
空間的ローパスフィルタ222は、上述の空間的ローパスフィルタ120と同様に、画像データD240に対し空間フィルタリング処理を施し、高域側の空間周波数成分を減衰させ、局所的に画像データを平均化する。これにより、時間フィルタリング処理前の実際の画像データD210の周波数成分のうち、VDT障害を引き起こす程に広い表示領域にわたって発生するフリッカーを含む周波数成分の画像信号が通過され、人間の視覚で識別可能な表示領域にわたって発生するフリッカーが弁別される。
【0069】
リスク指標値演算部250は、時間フィルタリング処理および空間フィルタリング処理が施された画像データD221と、空間フィルタリング処理が施された画像データD222とを入力し、これら画像データD221と画像データD222との差分に基づきリスク指標値e(t)を演算する。
【0070】
この実施の形態2によれば、画像データD230と画像データD240とに対し、個別に空間的ローパスフィルタを設けたので、各データに対して最適なフィルタリング処理を施すことが可能になる。なお、この実施の形態2に比較すれば、前述の実施の形態1は、空間的ローパスフィルタの個数を必要最小限に抑えることができるという効果を有することになる。
【0071】
<実施の形態3>
次に、この発明にかかる実施の形態3を説明する。
図5に、この実施の形態にかかるVDT障害危険性定量化装置の構成を示す。
同図において、符号300は、A/D変換部であり、上述の実施の形態1にかかるA/D変換部100に相当する。符号310は、フィールド画像信号抽出部であり、上述のフィールド画像信号抽出部110に相当する。
【0072】
符号330は、時間的ローパスフィルタであり、フィールド画像信号抽出部310により抽出された画像信号D310に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的高周波成分を減衰させるものである。符号340は、フィールド/フレームメモリであり、フィールド画像信号抽出部310により抽出された画像信号D310を順次取り込んで一時的に保持するものである。
【0073】
符号360は、フィールド画像信号抽出部310により抽出された各フィールドの画像信号に含まれる空間周波数を算出する空間周波数算出部であって、フィールド/フレームメモリ340に保持された画像信号D340を入力して前記空間周波数を算出するものである。符号350は、リスク指標値演算部であり、空間周波数算出部360により算出された空間周波数を反映させて、画像データD330と画像データD340との差分に基づき、VDT障害の危険性を表すリスク指標値eを演算するものである。
【0074】
以下、この実施の形態3の動作を説明する。
上述の実施の形態1にかかるA/D変換部100およびフィールド画像信号抽出部110と同様に、A/D変換部300およびフィールド画像信号抽出部310により、画像信号P1を画像データD300にA/D変換した後、第1フィールドと第2フィールドとを区別せずに、各フィールドの時間順序を保持したまま、各フィールドの画像データを抽出する。続いて、時間的ローパスフィルタ330は、上述の時間的ローパスフィルタ130と同様に、画像データD210に対して時間フィルタリング処理を施し、所定の時間的周波数成分を減衰させる。これにより、VDT障害を緩和する画像データD230を得る。
【0075】
この時間フィルタリング処理と並行して、フィールド/フレームメモリ340は、フィールド画像信号抽出部310により抽出された画像データD310を取り込んで一時的に保持する。このフィールド/フレームメモリ340の内容は、フィールド画像信号抽出部310から取り込まれる新たなフィールドの画像データに順次更新される。
【0076】
空間周波数算出部360は、特定の複数の画素について、その周辺の空間周波数を算出し、その空間周波数に応じた係数a1をリスク指標値演算部350に出力する。この係数a1は、0≦a1≦1の範囲の値をとり、図10に示すように、高域側の周波数領域で小さな値をとる。
【0077】
リスク指標値演算部350は、時間フィルタリング処理後の画像データD330と、時間フィルタリング処理後の画像データD340とを入力し、これら画像データD330と画像データD340との差分に基づきリスク指標値e(t)を演算する。このとき、リスク指標値eは、上述の空間周波数算出部360からの係数a1による重みづけが施されて出力される。
【0078】
ここで、上述のように、空間周波数が高い程、係数a1の値は小さく、リスク指標値eの値は小さくなる。したがって、特定の画素でのリスク指標値が異常に高くなっても、この画素の周辺の空間周波数が高ければ、リスク指標値eは小さくなり、局所的なリスク指標値の異常が排除される。また、この画素の周辺の空間周波数が低ければ、係数a1の値は「1」に近い値となり、リスク指標値eはほぼそのまま出力される。これにより、VDT障害を引き起こすまでに至らない局所的なフリッカーの周波数成分が抑制され、VDT障害を引き起こす程に広い表示領域にわたって発生するフリッカーが弁別される。
【0079】
なお、この実施の形態3では、空間周波数算出部360により、フィールド/フレームメモリ340から画像データD340を入力して空間周波数を算出するものとしたが、これに限定されない。例えば、図6に示すように、空間周波数算出部361により時間的ローパスフィルタ330から画像データD330を入力して空間周波数を算出し、この空間周波数に応じた係数a2をリスク指標値演算部350に出力するものとしてもよい。また、図7に示すように、上述の空間周波数算出部360と空間周波数算出部361とを併用するものとしてもよい。さらに、図8に示すように、空間周波数算出部362によりフィールド画像信号抽出部310から画像データD310を入力して空間周波数を算出するものとしてもよい。
【0080】
<実施の形態4>
次に、この発明にかかる実施の形態4を説明する。
図9に、この実施の形態にかかるVDT障害危険性定量化装置の構成を示す。
同図において、符号400は、A/D変換部であり、上述の実施の形態1にかかるA/D変換部100に相当する。符号410は、フィールド画像信号抽出部であり、上述のフィールド画像信号抽出部110に相当する。
【0081】
符号430は、時間的ローパスフィルタであり、フィールド画像信号抽出部410により抽出された画像信号D410に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的高周波成分を減衰させるものである。符号440は、フィールド/フレームメモリであり、フィールド画像信号抽出部410により抽出された画像信号D410を順次取り込んで一時的に保持するものである。
【0082】
符号450は、リスク指標値演算部であり、時間フィルタリング処理後の画像データD430と、時間フィルタリング処理前の画像データD440との差分に基づき、VDT障害の危険性を表すリスク指標値eを演算するものである。符号460は、リスク指標値算出部450により算出されたリスク指標値eを表す信号に含まれる高域側の周波数成分を減衰させるためのローパスフィルタであり、このリスク指標値eに対してダンピング処理を施すものである。
【0083】
以下、この実施の形態4の動作を説明する。
上述の実施の形態1にかかるA/D変換部100およびフィールド画像信号抽出部110と同様に、A/D変換部400およびフィールド画像信号抽出部410により、画像信号P1を画像データD400にA/D変換した後、第1フィールドと第2フィールドとを区別せずに、各フィールドの時間順序を保持したまま、各フィールドの画像データを抽出し、これを画像データD410として出力する。続いて、時間的ローパスフィルタ430は、上述の時間的ローパスフィルタ130と同様に、画像データD410に対して時間フィルタリング処理を施し、所定の時間的周波数成分を減衰させる。これにより、VDT障害を緩和する画像データD430を得る。
【0084】
この時間フィルタリング処理と並行して、フィールド/フレームメモリ440は、フィールド画像信号抽出部410により抽出された画像データD410を取り込んで一時的に保持する。このフィールド/フレームメモリ440の内容は、フィールド画像信号抽出部410から取り込まれる新たなフィールドの画像データに順次更新される。
【0085】
リスク指標値算出部450は、時間フィルタリング処理後の画像データD430と、時間フィルタリング処理前の画像データD440とを入力し、これら画像データD430と画像データD440との差分に基づきリスク指標値e(t)を演算する。続いて、ローパスフィルタ460は、リスク指標値eに対してダンピング処理を施す。
【0086】
具体的には、時間的ローパスフィルタリング処理を施し、高域側の周波数成分を減衰させる。これにより、図11(a)に例示するように、リスク評価値eが短期的にしきい値RTを大幅に超える信号領域Aと、リスク指標値eが長期的にしきい値RTをわずかながらに超える信号領域Bとが存在する場合、図11(b)に示すように、時間的ローパスフィルタリング処理を施した後では、しきい値RTを超える信号領域が、信号領域Bのみとなる。すなわち、VDT障害を引き起こすまでに至らない短期的なフリッカーの周波数成分が抑制され、VDT障害を引き起こす長期的なフリッカーが弁別される。
【0087】
なお、この実施の形態4では、ローパスフィルタ460によりリスク指標値eに対してダンピング処理を施すものとしたが、これに限定されることなく、例えば、リスク指標値eを表す信号から、所定の時間にわたって所定のレベルを超える信号領域(パルス幅)を検出し、この信号領域に属するリスク指標値eをリスク指標値Eとして出力するものとしてもよい。
【0088】
以上、この発明の実施の形態1ないし4を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述の各実施の形態では、フィールドを単位として時間フィルタリング処理および時間フィルタリング処理を施すものとしたが、これに限定されることなく、フレームを単位として各フィルタリング処理を施すように構成することも可能である。
【0089】
また、上述の各実施の形態では、フィールド画像信号抽出部を設けるものとしたが、フィルタの機能として実現してもよい。
さらに、上述の各実施の形態では、ハードウェアとして装置を実現するものとしたが、ソフトウェアとして実現してもよい。この場合、この装置の機能を記述したプログラムを記録媒体に記録すれば、この発明にかかるVDT障害危険性定量化装置をコンピュータ上に構築することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、以下の効果を得ることができる。
すなわち、第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、前記画像信号から各フィールドの画像信号を順次抽出し、抽出された画像信号に対し時間フィルタリング処理および空間フィルタリング処理を施して第1の画像信号を生成し、前記抽出された画像信号に対し空間フィルタリング処理を施して第2の画像信号を生成し、前記第1の画像信号と前記第2の画像信号との差分に基づきVDT障害の危険性を表す指標値を演算するように構成したので、インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を、人間の視覚特性に即して適切に定量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかるVDT障害危険性定量化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1にかかるフィールド画像信号抽出部の動作(フィールドを区別しないことの意味)を説明するための図である。
【図3】 この発明の実施の形態1にかかるフィールド画像信号抽出部の動作(フィールドの時間順序を保持することの意味)を説明するための図である。
【図4】 この発明の実施の形態2にかかるVDT障害危険性定量化装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態3にかかるVDT障害危険性定量化装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態3にかかる他の構成例(時間フィルタリング処理された画像データから空間周波数を算出)を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態3にかかる他の構成例(時間フィルタリング処理の前後の各画像データから空間周波数を算出)を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態3にかかる他の構成例(フィールド画像信号抽出部の画像データから空間周波数を算出)を示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態4にかかるVDT障害危険性定量化装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態3にかかるVDT障害危険性定量化装置の動作を説明するための図である。
【図11】 この発明の実施の形態4にかかるVDT障害危険性定量化装置の動作を説明するための図である。
【図12】 従来技術にかかるVDT障害危険性定量化装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100,200,300,400:A/D変換部
110,210,310,410:フィールド画像信号抽出部
120,221,222,:空間的ローパスフィルタ
130,230,330,430:時間的ローパスフィルタ
140,240,340,440:フィールド/フレームメモリ
150,250,350,450:リスク指標値演算部
360,361,362:空間周波数算出部
460:ローパスフィルタ(時間的ローパスフィルタ)
F,F1〜Fn: フレーム
L11〜L14,L21〜L24:ライン
f11,f12,f21,f22,f31,f32,fn1,fn2:フィールド

Claims (14)

  1. インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化装置であって、
    第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、前記画像信号から各フィールドの画像信号を順次抽出する信号抽出手段と、
    前記信号抽出手段により抽出された画像信号に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的周波数成分を減衰させるフィルタ手段と、
    前記信号抽出手段により抽出された画像信号を順次取り込んで一時的に保持する信号保持手段と、
    前記信号抽出手段により抽出された各フィールドの画像信号に含まれる空間周波数を算出する空間周波数算出手段と、
    前記空間周波数算出手段により算出された空間周波数を反映させて、前記時間フィルタリング処理が施された画像信号と前記信号保持手段に保持された画像信号との差分に基づき前記VDT障害の危険性を表す指標値を演算する指標値演算手段と、
    を備えたことを特徴とするVDT障害危険性定量化装置。
  2. 前記空間周波数算出手段は、前記信号保持部に保持された画像信号を入力して前記空間周波数を算出することを特徴とする請求項1に記載のVDT障害危険性定量化装置。
  3. 前記空間周波数算出手段は、前記信号抽出手段から画像信号を入力して前記空間周波数を算出することを特徴とする請求項1に記載のVDT障害危険性定量化装置。
  4. 前記空間周波数算出手段は、前記フィルタ手段から画像信号を入力して前記空間周波数を算出することを特徴とする請求項1に記載のVDT障害危険性定量化装置。
  5. インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化装置であって、第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、前記画像信号から各フィールドの画像信号を順次抽出する信号抽出手段と、前記信号抽出手段により抽出された画像信号に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的周波数成分を減衰させるフィルタ手段と、前記信号抽出手段により抽出された画像信号を順次取り込んで一時的に保持する信号保持手段と、前記時間フィルタリング処理が施された画像信号と前記信号保持手段に保持された画像信号との差分に基づき前記VDT障害の危険性を表す指標値を演算する指標値演算手段と、前記指標値に対してダンピング処理を施すダンピング手段と、を備えたことを特徴とするVDT障害危険性定量化装置。
  6. 前記ダンピング手段は、前記指標値を表す信号を前記指標値演算手段から入力し、この信号に含まれる高域側の周波数成分を減衰させるローパスフィルタからなることを特徴とする請求項5に記載のVDT障害危険性定量化装置。
  7. 前記ダンピング手段は、前記指標値を表す信号から、所定の時間にわたって所定のレベルを超える信号領域を検出し、この信号領域に属する前記指標値を出力することを特徴とする請求項5に記載のVDT障害危険性定量化装置。
  8. インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化方法であって、
    (a)第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、前記画像信号から各フィールドの画像信号を順次抽出する信号抽出ステップと、
    (b)前記信号抽出ステップで抽出された画像信号に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的周波数成分を減衰させるフィルタリングステップと、
    (c)前記信号抽出ステップで抽出された画像信号を順次取り込んで一時的に保持する信号保持ステップと、
    (d)前記信号抽出ステップで抽出された各フィールドの画像信号に含まれる空間周波数を算出する空間周波数算出ステップと、
    (e)前記空間周波数算出ステップで算出された空間周波数を反映させて、フィルタリングステップで時間フィルタリング処理が施された画像信号と前記信号保持ステップで保持された画像信号との差分に基づき前記VDT障害の危険性を表す指標値を演算する指標値演算ステップと、を含むことを特徴とするVDT障害危険性定量化方法。
  9. 前記空間周波数算出ステップでは、前記信号保持ステップで保持された画像信号を入力して前記空間周波数を算出することを特徴とする請求項8に記載のVDT障害危険性定量化方法。
  10. 前記空間周波数算出ステップでは、前記フィルタリングステップで時間フィルタリング処理が施された画像信号から前記空間周波数を算出することを特徴とする請求項8に記載のVDT障害危険性定量化方法。
  11. 前記空間周波数算出ステップでは、前記信号抽出ステップで抽出された画像信号から前記空間周波数を算出することを特徴とする請求項8に記載のVDT障害危険性定量化方法。
  12. インターレース方式に準拠した画像信号によるVDT障害の危険性を定量化するためのVDT障害危険性定量化方法であって、
    (a)第1フィールドと第2フィールドとを区別することなく、これらフィールドの時間順序を保持したまま、前記画像信号から各フィールドの画像信号を順次抽出する信号抽出ステップと、
    (b)前記信号抽出ステップで抽出された画像信号に対し時間フィルタリング処理を施して所定の時間的周波数成分を減衰させるフィルタリングステップと、
    (c)前記信号抽出ステップで抽出された画像信号を順次取り込んで一時的に保持する信号保持ステップと、
    (d)前記フィルタリングステップで時間フィルタリング処理が施された画像信号と前記信号保持ステップで保持された画像信号との差分に基づき前記VDT障害の危険性を表す指標値を演算する指標値演算ステップと、前記指標値に対してダンピング処理を施すダンピングステップと、を含むことを特徴とするVDT障害危険性定量化方法。
  13. 前記ダンピングステップでは、前記指標値を表す信号に含まれる高域側の周波数成分を減衰させることを特徴とする請求項12に記載のVDT障害危険性定量化方法。
  14. 前記ダンピングステップでは、前記指標値を表す信号から、所定の時間にわたって所定のレベルを超える信号領域を検出し、この信号領域に属する前記指標値を出力することを特徴とする請求項12に記載のVDT障害危険性定量化方法。
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