JP3661392B2 - 偏光照明装置および投写型表示装置 - Google Patents

偏光照明装置および投写型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光方向を揃えた偏光光を用いて矩形の照明領域などを均一に照明する偏光照明装置、及び該偏光照明装置を用いた投写型表示装置に関するものである。さらに詳しくは、2つの光源部から出射された光の偏光方向を揃えながら合成するための構造技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶素子のように特定の偏光光を変調するタイプの変調素子を用いた液晶表示装置では、光源から出射される光が有する2種類の偏光成分のうち、一方の偏光成分しか利用できない。よって、明るい投写画像を得るには光の利用効率を高める必要がある。しかしながら、唯一の光源を用いた投写型表示装置で光の利用効率を高めるには限度があるため、複数の光源を用いて光量を増やすことも明るい投写画像を得るための1つの手段である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単に光源を複数並べただけでは、光源像の面積が複数倍になり、被照明領域を照明する光の角度分布も拡大する(照明角の増大)のみであり、ある一定の面積における光量は唯一の光源を用いた場合と同じである。よって、この場合は複数の光源を用いても実質的に一定面積当たりの光量は増えていないことになる。
【0004】
また、光源を複数用いて光量を増やしたとしても、光源から出射される光が有する2種類の偏光成分のうち、一方の偏光成分しか利用できなければ、その光量の半分は無駄になってしまい、その効果は半減してしまう。
【0005】
そこで、本発明の課題は、複数の光源を用いながらも照明角を大きくすることなく、かつ、両方の偏光成分を利用することが可能な偏光照明装置を提供し、また、極めて明るい投写画像を投写することが可能な投写型表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、
第1の面側から入射した光を2種類の偏光光に分離して、一方を第3の面側に出射し、他方を第4の面側に出射する第1の偏光分離膜と、第2の面側から入射した光を2種類の偏光光に分離して、一方を第4の面側に出射し、他方を第5の面側に出射する第2の偏光分離膜とを有する略6面体形状の偏光分離・合成光学素子と、
前記偏光分離・合成光学素子の第1、第2の面にそれぞれ光を入射させる第1、第2の光源部と、
前記偏光分離・合成光学素子の第3の面側に配置され、各々入射光の進行方向を略反転させるとともに集光像を形成する複数の微小集光反射素子を備えた第1の集光反射光学素子と、
前記偏光分離・合成光学素子の第4の面側に配置され、各々入射光の進行方向を略反転させるとともに集光像を形成する複数の微小集光反射素子を備えた第2の集光反射光学素子と、
前記偏光分離・合成光学素子の第5の面側に配置され、各々入射光の進行方向を略反転させるとともに集光像を形成する複数の微小集光反射素子を備えた第3の集光反射光学素子と、
前記偏光分離・合成光学素子の第3の面と前記第1の集光反射光学素子との間に配置された第1の偏光状態変換光学素子と、
前記偏光分離・合成光学素子の第4の面と前記第2の集光反射光学素子との間に配置された第2の偏光状態変換光学素子と、
前記偏光分離・合成光学素子の第5の面と前記第3の集光反射光学素子との間に配置された第3の偏光状態変換光学素子と、
前記偏光分離・合成光学素子の第6の面側に配置され、前記偏光分離・合成光学素子から出射された光の偏光方向を揃える偏光変換光学素子と、を備えた偏光照明装置であって、
前記第1の集光反射光学素子及び前記第3の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子によって反射されて前記偏光変換光学素子に入射する光の主光線と、前記第2の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子によって反射されて前記偏光変換光学素子に入射する光の主光線とは、互いに平行であり、かつ重なり合わないことを特徴とする。
【0007】
本発明の偏光照明装置では、偏光分離・合成光学素子の第1、第2の面に光を入射させる第1及び第2の光源部から出射されたランダムな偏光光を、偏光分離・合成光学素子により2種類の偏光光、すなわちP偏光光、S偏光光に分離する。そして、各偏光光を、偏光分離・合成光学素子の第3、第4、第5の面側にそれぞれ配置された第1、第2、第3の集光反射光学素子によって、複数の中間光束に分離する。さらに、それぞれの中間光束の偏光方向を、偏光分離・合成光学素子の第6の面側に配置された偏光変換光学素子により揃える。従って、2つの光源部を用いているにもかかわらず、照明光の被照明領域に対する入射角度(照明角)を大きくすることなく、照明する面積をほぼ1つの光源部が照明する面積と同じにすることができる。このため、一定面積当たりの光量を1つの光源部を用いた場合と比較して約2倍とすることができるので、照明領域を大変明るく照明することが可能となる。また、各集光反射光学素子によって分離された中間光束を、1ヶ所の被照明領域上で重畳するようにすれば、被照明領域を均一に照明することが可能となる。したがって、本発明の偏光照明装置を表示装置の光源として用いれば、極めて均一な画像を得ることができる。さらにまた、本発明の偏光照明装置では、第1及び第2の光源部から出射されたランダムな偏光光をほとんど損失を伴うことなくP偏光光やS偏光光などに揃えて合成することができる。したがって、液晶素子のような特定の偏光光を変調するタイプの変調素子を用いた表示装置に本発明の偏光照明装置を採用すれば、極めて明るい画像を得ることが可能となる。さらにまた、第1の集光反射光学素子及び第3の集光反射光学素子の微小集光反射素子によって反射されて偏光変換光学素子に入射する光の主光線と、第2の集光反射光学素子の微小集光反射素子によって反射されて偏光変換光学素子に入射する光の主光線とが、互いに平行である、ということは、第1〜第3の集光反射光学素子の微小集光反射素子によって反射された光が、ほぼ同じ角度で偏光分離・合成素子に入射することを意味する。従って、偏光分離・合成素子の偏光分離・合成特性が光の入射角度に依存しやすい場合であっても、安定した偏光分離・合成を行うことが可能であり、むらの少ない照明光を得ることが可能となる。
【0008】
本発明において、第1の集光反射光学素子が偏光分離・合成光学素子の第3の面と略平行に配置され、第2の集光反射光学素子が偏光分離・合成光学素子の第4の面と略平行に配置され、第3の集光反射光学素子が偏光分離・合成光学素子の第5の面と略平行に配置されている場合には、
第1の集光反射光学素子、第2の集光反射光学素子、第3の集光反射光学素子を、第1の集光反射光学素子及び第3の集光反射光学素子の微小集光反射素子によって反射されて偏光変換光学素子に入射する光の主光線と、第2の集光反射光学素子の微小集光反射素子によって反射されて偏光変換光学素子に入射する光の主光線とが、互いに平行であり、かつ重なり合わないように配置すれば良い。このように第1、第2、第3の集光反射光学素子を配置すれば、集光反射光学素子を構成する微小集光反射素子によって、P偏光光およびS偏光光によるそれぞれの2次光源像を空間的に異なった所定の位置に形成することができる。
【0009】
但し、上記の第1ないし第3の集光反射光学素子を配置する位置については、明確に規定される性質のものではない。要するに、第1及び第2の光源部のそれぞれからの出射光に含まれているP偏光光による2次光源像とS偏光光による2次光源像とが、それぞれ空間的に分離された位置に形成されると共に、第1の光源部の出射光に含まれているP偏光光による2次光源像と第2の光源部の出射光に含まれているP偏光光による2次光源像とが重なり合うように、また、第1の光源部の出射光に含まれているS偏光光による2次光源像と第2の光源部の出射光に含まれているS偏光光による2次光源像とが重なり合うように、第1ないし第3の集光反射光学素子を配置すればよい。
【0010】
本発明において、前記微小集光反射素子の開口形状は、被照明領域の形状と相似形とすることができる。光源部からの光は集光反射光学素子によって複数の光の分割され、最終的に被照明領域で重畳されるため、上記のような構成を採用することによって、光源部からの光を無駄なく被照明領域に導くことが可能である。
【0011】
本発明において、前記偏光変換光学素子の入射面側或いは出射面側には、前記偏光分離・合成光学素子から出射された光を集光するために、複数の集光素子を備えた集光光学素子を配置することができる。このように集光光学素子を配置することによって、集光反射光学素子によって分割形成された複数の光のそれぞれを集光しながら偏光変換光学素子の所定の場所に効果的に導くことが可能となるため、偏光変換光学素子における偏光変換効率を向上できる効果がある。尚、第1ないし第3の集光反射光学素子を構成する微小集光反射素子の数がそれぞれ異なる場合には、最も多くの反射光学素子によって構成される集光反射光学素子において、そこに使用されている反射光学素子の数の2倍の数の集光素子によって集光光学素子を構成すればよい。
【0012】
本発明において、前記偏光変換光学素子の出射面側には、前記偏光変換光学素子から出射された光を被照明領域上に重畳する重畳光学素子を配置することができる。このように重畳光学素子を配置することによって、集光反射光学素子によって分割形成された複数の光のそれぞれを被照明領域に効果的に導くことが可能となるため、照明効率を向上できる効果がある。
【0013】
本発明において、前記偏光変換光学素子の出射面側には、前記偏光変換光学素子から出射された光の光路を変更する光路変更光学素子を配置することができる。寸法が比較的大きな2つの光源部の光軸によって規定される平面と平行な方向に照明光を出射できるように光路変更光学素子を配置すれば、偏光照明装置の一方方向の厚みを薄くすることができ、薄型の偏光照明装置を実現できる。従って、この偏光照明装置を投写型表示装置等の光源として用いた場合には、コンパクトな投写型表示装置を得ることも可能となる。
【0014】
本発明において、前記第1ないし第3の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子は、いずれも複数の曲面反射ミラーで構成することができる。また、前記第1ないし第3の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子は、レンズと、前記レンズの前記偏光分離・合成光学素子とは反対側の面に設けられた反射面で構成することもできる。このように構成すると、光源部からの光を複数の中間光束に容易に分離することができる。ここで、曲面反射ミラーを偏心ミラーとしたり、或いは、レンズを偏心レンズとすれば、上述した偏光変換光学素子や集光光学素子を小型化できると共に、上述した重畳光学素子を用いなくとも、効果的に光を被照明領域に導くことができる。
【0015】
本発明に係わる偏光照明装置は、偏光照明装置から出射された光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光を投写する投写光学系とを有する投写型表示装置に用いることができる。
【0016】
さらに、本発明に係る偏光照明装置は、偏光照明装置から出射された光を複数の色光に分離する色光分離光学素子と、前記色光分離光学素子によって分離された色光をそれぞれ変調する複数の光変調素子と、前記複数の光変調素子によって変調された光を合成する色光合成光学素子と、前記色光合成光学素子によって合成された光を投写する投写光学系とを有するカラー画像を表示できる投写型表示装置に用いることもできる。
【0017】
また、本発明に係る偏光照明装置は、偏光照明装置から出射された光を変調する反射型光変調素子と、前記偏光照明装置から出射された光、及び、前記反射型光変調素子によって変調された光に含まれる複数の偏光成分を分離する偏光分離光学素子と、前記反射型光変調素子によって変調され、前記偏光分離光学素子を介して出射された光を投写する投写光学系とを有する投写型表示装置に用いることもできる。
【0018】
さらにまた、本発明に係る偏光照明装置は、偏光照明装置から出射された光を複数の色光に分離する色光分離光学素子と、前記色光分離光学素子によって分離された色光をそれぞれ変調する複数の反射型光変調素子と、前記色光分離光学素子によって分離された各色光、及び、前記複数の反射型光変調素子によって変調された各色光に含まれる複数の偏光成分を分離する複数の偏光分離光学素子と、各々の前記反射型光変調素子によって変調され、各々の前記偏光分離光学素子を介して出射された光を合成する色光合成光学素子と、前記色光合成光学素子によって合成された光を投写する投写光学系とを有する投写型表示装置に用いることもできる。
【0019】
このようにして、本発明の偏光照明装置を用いた投写型表示装置を構成すると、明るく、かつ、明るさが均一な投写画像を得ることができる。なお、本発明の偏光照明装置は、偏光方向の揃った光束を出射するので、光変調素子として液晶素子を用いた投写型表示装置に適している。
【0020】
上記投写型表示装置では、前記第1、第2の光源部のうち、少なくとも一方が着脱可能に構成されていることが好ましい。このように構成すると、投写型表示装置を持ち運びする際にいずれか一方の光源部を取り外すことが可能となり、可搬性が向上する。
【0021】
また、上記投写型表示装置では、前記第1、第2の光源部のうち、少なくとも一方が選択点灯可能となっていることが好ましい。このように構成すると、例えば、投写型表示装置をバッテリ駆動する際に一方の光源のみを選択点灯することによりバッテリの寿命時間を延ばすことができる。また、周囲が明るい場所で投写画像を観察する場合には、2つの光源部を点灯させ、周囲が暗い場所で投写画像を観察する場合には一方のみを選択点灯させるというように投写画像の明るさを環境や観察者の好みに応じて適宜変化させることが可能となる。
【0022】
さらに、上記投写型表示装置では、前記第1、第2の光源部から出射される光の分光特性や輝度特性を互いに異なった特性とすることもできる。このように構成すると、照明光の色合いを所定の色合いに容易に設定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
なお、以下の各実施例の説明及び添付図面においては、相互に対応する部分には同一の符号を付して、それらの説明の重複を回避している。また、互いに直交する3つの空間軸をx軸、y軸、z軸とし、x軸に平行な2つの方向をそれぞれ+x方向及び−x方向、y軸に平行な2つの方向をそれぞれ+y方向及び−y方向、z軸に平行な2つの方向をそれぞれ+z方向及び−z方向とする。
【0025】
[実施の形態1]
図1は本発明の偏光照明装置の第1の実施形態を示す斜視図である。本実施形態では、偏光方向がランダムな光(以下、「ランダムな偏光光」と称す。)を出射する第1の光源部101と第2の光源部102の2つの光源部が設けられている。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態に係る偏光照明装置1は、xy平面内において直角に交わるシステム光軸L1とLに沿って、第1の光源部101、偏光分離・合成光学素子201、第1のλ/4位相差板351(第1の偏光状態変換光学素子)と第2のλ/4位相差板352(第2の偏光状態変換光学素子)、第1の集光ミラー板301(第1の集光反射光学素子)と第2の集光ミラー板302(第2の集光反射光学素子)、集光レンズ部401(集光光学素子、偏光変換光学素子及び重畳光学素子)、及び折り返し反射ミラー501(光路変更光学素子)を有している。第1の光源部101から出射されたランダムな偏光光は、後で説明するとおり、偏光分離・合成光学素子201において2種類の偏光光に分離された後、第1のλ/4位相差板351、第1の集光ミラー板301、第2のλ/4位相差板352、第2の集光ミラー板302、偏光分離・合成光学素子201、及び集光レンズ部401により再び1種類の偏光光として合成され、折り返し反射ミラー501を経て、矩形状の被照明領域601に至るようになっている。
【0027】
また、yz平面内において直角に交わるシステム光軸L2、Lに沿って、第2の光源部102、前記の偏光分離・合成光学素子201、第3のλ/4位相差板353(第3の偏光状態変換光学素子)と前記の第2のλ/4位相差板352、第3の集光ミラー板303(第3の集光反射光学素子)と前記の第2の集光ミラー板302、前記の集光レンズ部401、及び前記の折り返し反射ミラー501が配置された構成になっている。第2の光源部102から出射されたランダムな偏光光は、後で説明するとおり、偏光分離・合成光学素子201において2種類の偏光光に分離された後、第3のλ/4位相差板353、第3の集光ミラー板303、第2のλ/4位相差板352、第2の集光ミラー板302、偏光分離・合成光学素子201、及び集光レンズ部401により再び1種類の偏光光として合成され、同様に折り返し反射ミラー501を経て、矩形状の被照明領域601に至るようになっている。尚、折り返し反射ミラー501によってその進行方向を略90度曲げられた照明光の出射方向は、第1及び第2の光源部101、102を含む平面に対してほぼ平行である。
【0028】
第1及び第2の光源部101、102は、それぞれ光源ランプ111、112と、放物面リフレクター121、122とから大略構成されており、光源ランプ111、112から放射されたランダムな偏光光は、それぞれ放物面リフレクター121、122によって一方向に反射され、略平行な光束となって偏光分離・合成光学素子201に入射する。ここで、放物面リフレクター121、122に代えて、楕円面リフレクター、球面リフレクターなども用いることができる。
【0029】
偏光分離・合成光学素子201は略6面体形状の偏光ビームスプリッタであり、誘電体多層膜からなる第1及び第2の偏光分離膜211、212をガラス製のプリズム202に内蔵した構造となっている。第1の偏光分離膜211は、第1の光源部101からの出射光に対して斜め配置され、偏光分離・合成光学素子201の第1の面221に対して角度α1=45度をなすように形成されている。また、第2の偏光分離膜212は、第2の光源部102からの出射光に対して斜め配置され、偏光分離・合成光学素子201の第2の面222に対して角度α2=45度をなすように形成されている。
【0030】
図2は、この偏光分離・合成光学素子201の詳細な構造を説明するための図である。図2に示すように、偏光分離・合成光学素子201は、2つの三角錐プリズム291、295と2つの四角錐プリズム292、294とで構成されている。
【0031】
第1の三角錐プリズム291の側面BDHと第1の四角錐プリズム292の側面BDHとの間、及び、第2の四角錐プリズム294の側面BFHと第2の三角錐プリズム295の側面BFHとの間には、それぞれ第1の偏光分離膜211が形成されている。この第1の偏光分離膜211は、例えば、第1の三角錐プリズム291の側面BDHと第1の四角錐プリズム292の側面BDHとのうちのいずれか一方と、第2の四角錐プリズム294の側面BFHと第2の三角錐プリズムの側面BFHとのうちのいずれか一方とに、それぞれ誘電体多層膜を蒸着することによって形成される。ここで、第1の偏光分離膜211を形成する面は、第1の三角錐プリズム291の側面BDHと第1の四角錐プリズム292の側面BDHのどちらであっても良く、また、第2の三角錐プリズム294の側面BFHと第2の四角錐プリズム295の側面BFHのどちらであっても良い。しかしながら、2つのプリズムに形成される第1の偏光分離膜211は平坦であることが望ましいため、第1の三角錐プリズム291の側面BDHと第2の四角錐プリズム294の側面BFHとに形成するか、あるいは、第1の四角錐プリズム292の側面BDHと第2の三角錐プリズム295の側面BFHとに形成することが好ましい。
【0032】
一方、第1の三角錐プリズム291の側面ABHと第2の四角錐プリズム294の側面ABHとの間、及び、第1の四角錐プリズム292の側面BGHと第2の三角錐プリズム295の側面BGHとの間には、それぞれ第2の偏光分離膜212が形成されている。この第2の偏光分離膜212は、第1の三角錐プリズム291の側面ABHと第2の四角錐プリズム294の側面ABHとのうちのいずれか一方と、第1の四角錐プリズム292の側面BGFと第2の三角錐プリズム295の側面BGHとのうちのいずれか一方とに、それぞれ誘電体多層膜を蒸着することによって形成される。ここで、第2の偏光分離膜212を形成する面は、第1の三角錐プリズム291の側面ABHと第2の四角錐プリズム294の側面ABHのどちらであっても良く、また、第1の四角錐プリズム292の側面BGHと第2の三角錐プリズム295の側面BGHのどちらであっても良い。しかしながら、2つのプリズムに形成される第2の偏光分離膜212は平坦であることが望ましいため、第1の三角錐プリズム291の側面ABHと第1の四角錐プリズムの側面BGHとに形成するか、あるいは、第2の四角錐プリズム294の側面ABHと第2の三角錐プリズム295の側面BGHとに形成することが好ましい。
【0033】
さらに、第1の三角錐プリズム291と第1の四角錐プリズム292の第1の偏光分離膜211が形成された面BDHが貼り合わされることにより、第1のプリズム合成体293が形成される。また、第2の四角錐プリズム294と第2の三角錐プリズム295の偏光分離膜211が形成された面BFHが貼り合わされることにより、第2のプリズム合成体296が形成される。最後に、2つのプリズム合成体293、296の第2の偏光分離膜212が形成された面ABGHが貼り合わされることにより、偏光分離・合成光学素子201が完成する。勿論、上記に示した4つのプリズムの組み上げ順序は一例に過ぎないため、上記の順序に限定されるものではない。
【0034】
再び、図1に基づいて説明する。偏光分離・合成光学素子201の第3の面側231には、これと対向して第1のλ/4位相差板351が、さらにその位相差板の外側には第1の集光ミラー板301が配置されている。そして、本例では、第1のλ/4位相差板351と第1の集光ミラー板301とが、第3の面231とほぼ平行に配置されている。また、偏光分離・合成光学素子201の第4の面232側には、これと対向して第2のλ/4位相差板352が、さらにその位相差板の外側には第2の集光ミラー板302が配置されている。そして、本例では、第2のλ/4位相差板352と第2の集光ミラー板302とが、第4の面232とほぼ平行に配置されている。さらに、偏光分離・合成光学素子201の第5の面233側には、これと対向して第3のλ/4位相差板353が、さらにその位相差板の外側には第3の集光ミラー板303が配置されている。そして、本例では、第3のλ/4位相差板353と第3の集光ミラー板303とが、第5の面233とほぼ平行に配置されている。第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303の構成の詳細については後述する。尚、図1では、見やすさを優先して、第1ないし第3のλ/4位相差板351、352、353は偏光分離・合成光学素子201から離して描かれているが、偏光分離・合成光学素子201に密着させて配置する方が望ましい。
【0035】
偏光分離・合成光学素子201の第6の面234の側には、後で詳しく説明する集光レンズ板411、λ/2位相差板421(偏光変換光学素子)、及び重畳レンズ431(重畳光学素子)により構成された集光レンズ部401がシステム光軸Lに対して垂直な向きに設置されている。
【0036】
以上のように構成された偏光照明装置1において、第1の光源部101から出射されたランダムな偏光光がその偏光方向に応じて2種類の偏光光に分離される過程について説明する。図3は、図1のxy平面における断面図を示したものである。ここで、上記過程の説明には直接関係がないため、折り返し反射ミラー501は省略され、従って、集光レンズ部401から被照明領域601に至る光路は直線的に表現されている。尚、この点に関しては、後述する図9及び図10においても同様である。
【0037】
第1の光源部101から出射されたランダムな偏光光は、P偏光光とS偏光光との混合光として考えることができる。第1の光源部101から出射され、偏光分離・合成光学素子201の第1の面221に入射した混合光は、第1の偏光分離膜211によってP偏光光とS偏光光の2種類の偏光光に分離される。すなわち、ランダムな偏光光に含まれるP偏光光は、第1の偏光分離膜211をそのまま透過し第3の面231へと向かうが、S偏光光は第1の偏光分離膜211で反射されて偏光分離・合成光学素子201の第4の面232へと進行方向を変える。
【0038】
偏光分離・合成光学素子201により分離された2種類の偏光光は、第1及び第2のλ/4位相差板351、352を通過し、第1及び第2の集光ミラー板301、302によりそれぞれ反射される。
【0039】
これらの集光ミラー板301、302は、その外観図を図4に示すように、被照明領域601とほぼ相似関係にあるような、いずれも矩形状の外形を有する同一の微小集光ミラー311をマトリックス状に複数配列し、その表面にアルミニウムの蒸着膜や誘電体多層膜などからなる反射面312を形成してなるものである。本実施の形態では、微小集光ミラー311の反射面312は球面状に形成されている。但し、この反射面312の曲率形状は、放物面状、楕円面状、或いは、トーリック面状であってもよく、それらは、第1及び第2の光源部101、102からの入射光の特性に応じて設定することが出来る。なお、後述する第3の集光ミラー板303も同様である。
【0040】
第1の偏光分離膜211により分離されたP偏光光及びS偏光光は、それぞれ第1及び第2のλ/4位相差板351、352を通過し、第1及び第2の集光ミラー板301、302により反射され、再度λ/4位相差板351、352を通過する間に、偏光光の進行方向を略180度反転されると同時に偏光方向が90度回転する。この偏光光の変化の様子を図5により説明する。尚、この図では説明の簡略化のために、集光ミラー板301、302を平面状のミラー板321として描いてある。λ/4位相差板351、352に入射したP偏光光322は、λ/4位相差板により右回りの円偏光光323(但し、λ/4位相差板の設置の仕方によっては左回りの円偏光光となる。)に変換されミラー板321へと達する。ミラー板321により光は反射されると同時に偏光面の回転方向も変化する。すなわち、右回りの円偏光光は左回りの円偏光光へと(左回りの円偏光光は右回りの円偏光光へと)変化する。ミラー板321により光の進行方向を略180度反転され、同時に左回りの円偏光光324となった偏光光は、再度λ/4位相差板351、352を通過する際にS偏光光325へと変換される。また、同様の過程を経て、S偏光光325はP偏光光322へと変換される。
【0041】
再び、図3に基づいて説明する。したがって、第3の面231に達したP偏光光は、第1のλ/4位相差板351及び第1の集光ミラー板301により偏光光の進行方向を略180度反転されると同時にS偏光光へと変換され、第1の偏光分離膜211で反射され進行方向を変えて、第6の面234へと向かう。他方、第4の面232に達したS偏光光は、第2のλ/4位相差板352及び第2の集光ミラー板302により偏光光の進行方向を略180度反転されると同時にP偏光光へと変換され、今度は第1の偏光分離膜211をそのまま透過し、第6の面234へと向かう。すなわち、第1の偏光分離膜211は偏光合成膜としても機能していることになるので、偏光分離・合成光学素子201は偏光分離・合成光学素子として機能する。
【0042】
第1及び第2の集光ミラー板301、302は集光作用を有する微小集光ミラー311により構成されているため、偏光光の進行方向は略反転させると同時に、各々の集光ミラー板301、302を構成する微小集光ミラー311と同数の複数の集光像を形成する。これらの集光像は光源像に他ならないため、以下では2次光源像と呼ぶ。
【0043】
集光レンズ板411は、その外観を図6に示すように、矩形状の微小レンズ412からなる複合レンズ体であり、第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303を構成する微小集光ミラー311の数の2倍の数の微小レンズ412によって集光レンズ板411は構成されている。但し、第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303を構成する微小集光ミラー311の数がそれぞれ異なる場合には、最も多くの微小集光ミラー311によって構成される集光ミラー板において、その集光ミラー板を構成する微小集光ミラーの数の2倍の数の微小レンズ412によって集光レンズ板411は構成される。
【0044】
ここで、第1の集光ミラー板301は、x軸に対して集光ミラー板301の略中心がβ1だけ+y方向にシフトした状態で配置されている。また、第2の集光ミラー板302は、y軸に対して集光ミラー板302の略中心がβ2だけ−x方向にシフトした状態でそれぞれ配置されている。
【0045】
上記のように各々の集光ミラー板はその位置がx軸或いはy軸に対してずらしてあるので、第1の集光ミラー板301の微小集光ミラー311によって反射されて集光レンズ部401に入射するS偏光光の主光線と、第2の集光ミラー板302の微小集光ミラー311によって反射されて集光レンズ部401に入射するP偏光光の主光線とは、互いに平行であり、かつ重なり合わない。すなわち、第1の集光ミラー板301によって形成されるS偏光光による2次光源像と第2の集光ミラー板302によって形成されるP偏光光による2次光源像とは、x軸方向に僅かに異なった位置に形成されることになる。本実施の形態の場合には、P偏光光による2次光源像とS偏光光による2次光源像との配列間隔はβ1+β2に等しい。すなわち、被照明領域601側から集光レンズ板411を見た場合に2種類の偏光光が形成する2次光源像を第7図に示すと、P偏光光が形成する2次光源像C1(円形の像のうち、右上がりの斜線を付した領域)と、S偏光光が形成する2次光源像C2(円形の像のうち、左上がりの斜線を付した領域)の2つの2次光源像がβ1+β2の間隔を隔ててx軸方向に並ぶ状態で形成されることになる。これに対して、集光レンズ板411の被照射領域601側の面には、P偏光光による2次光源像C1の形成位置に対応して位相差層422が選択的に形成されたλ/2位相差板421が設けられている。したがって、P偏光光は、位相差層422を通過する際に偏光面の回転作用を受け、P偏光光はS偏光光へと変換される。一方、S偏光光は、位相差層422を通過しないので、偏光面の回転作用を受けずにそのままλ/2位相差板421を通過する。それ故、集光レンズ部401から出射される光のほとんどは、S偏光光に揃えられる。
【0046】
このようにしてS偏光光に揃えられた光は、λ/2位相差板421の被照射領域601側の面に配置された重畳レンズ431によって、一ヶ所の被照明領域601上で重畳される。この場合、図3では省略されているが、先に図1に示されているように、重畳レンズ431と被照明領域601との間に配置された折り返し反射ミラー501によって、照明光はその進行方向を約90度曲げられ、被照明領域601に達する。すなわち、第1及び第2の集光ミラー板301、302の微小集光ミラー311によって切り出された複数のイメージ面は、集光レンズ板411と重畳レンズ431によって一ヶ所に重畳されると共に、λ/2位相差板421を通過する際に1種類の偏光光に変換されてほとんど全ての光が被照明領域601へと達するので、被照明領域601はほとんど1種類の偏光光で照明される。同時に、被照明領域601は複数の2次光源像によって照明されるため、照明強度のむらが非常に少なく、被照明領域601は均一に照明される。
【0047】
再び、図1に基づいて説明する。第1の光源部101から出射されたランダムな偏光光の場合と原理的には同様な過程を経て、第2の光源部102から出射されたランダムな偏光光も、偏光分離・合成光学素子201、第2及び第3の集光ミラー板302、303、第2及び第3のλ/4位相差板352、353等によって偏光方向に応じてわずかに異なる位置に集光された後、集光レンズ部401で1種類の偏光光に変換されて一ヶ所の被照明領域601を均一に照明する。
【0048】
すなわち、第2の光源部102から出射されたランダムな偏光光のうち、P偏光光は偏光分離・合成光学素子201の第2の偏光分離膜212をそのまま透過し第5の面233へと向かうが、S偏光光は第2の偏光分離膜212で反射されて第4の面232へと進行方向を変える。このように分離されたP偏光光及びS偏光光は、それぞれ第3及び第2のλ/4位相差板353、352を通過し、第3及び第2の集光ミラー板303、302により反射され、再度λ/4位相差板353、352を通過する。したがって、第5の面233に達したP偏光光は、第3のλ/4位相差板353及び第3の集光ミラー板303により偏光光の進行方向を略180度反転されると同時にS偏光光へと変換され、第2の偏光分離膜212で反射され進行方向を変えて、第6の面234へと向かう。他方、第4の面232に達したS偏光光は、第2のλ/4位相差板352及び第2の集光ミラー板302により偏光光の進行方向を略180度反転されると同時にP偏光光へと変換され、第2の偏光分離膜212をそのまま透過し、第6の面234へと向かう。
【0049】
ここで、第3の集光ミラー板303も、第1及び第2の集光ミラー板301、302と同様に、集光作用を有する微小集光ミラー311により構成され、z軸に対して集光ミラー板303の略中心がβ3だけ+x方向にシフトした状態で配置されている。従って、第2の集光ミラー板302の微小集光ミラー311によって反射されて集光レンズ部401に入射するP偏光光の主光線と、第3の集光ミラー板303の微小集光ミラー311によって反射されて集光レンズ部401に入射するS偏光光の主光線とは、互いに平行であり、かつ重なり合わない。すなわち、第2の集光ミラー板302によって形成されるP偏光光による2次光源像と、第3の集光ミラー板303によって形成されるS偏光光による2次光源像とは僅かに異なった位置に形成されることになる。但し、このとき形成される2種類の2次光源像(P偏光光による2次光源像とS偏光光による2次光源像)は、第1の光源部101から出射された光によって形成される2種類の2次光源像と、それぞれ偏光方向が一致するように重なる。すなわち、第1の光源部101からの出射光に含まれているP偏光光による2次光源像と、第2の光源部102からの出射光に含まれているP偏光光による2次光源像とは、重なるように同じ位置に形成されるという具合である。そのため、第3の集光ミラー板のシフト量β3はβ1と等しくなるように設定されている。以上により、第2の光源部102からの出射光も、第1の光源部101からの出射光と同様にS偏光光に揃えられる。その結果、第1及び第2の光源部101、102からの出射光はS偏光光として合成され、折り返し反射ミラー501を経て被照明領域601に達する。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態の偏光照明装置1によれば、第1及び第2の光源部101、102から出射されたランダムな偏光光を偏光分離・合成光学素子201で2種類の偏光光に分離した後、各偏光光をλ/2位相差板421の所定の領域に導いてP偏光光をS偏光光に変換する。したがって、第1及び第2の光源部101、102から出射されたランダムな偏光光を損失することなく、ほとんどS偏光光に揃えた状態で合成できるため、被照明領域601を明るく照明できるという効果を奏する。また、2つの光源部101、102を用いているにもかかわらず、照明光の被照明領域に対する入射角度(照明角)を大きくすることなく、2つの光源部101、102からの照明光を合成できるため、照明光の断面積は1つの光源部を用いた場合と同じであり、従って、一定面積当たりの光量を1つの光源部を用いた場合と比較して2倍にすることができる。さらに、第1及び第2の光源部101、102からなる2つの光源部を設けるといっても、双方をxz平面上に配置できる。この場合、集光レンズ部401から出射された照明光の進行方向を変える折り返し反射ミラー501が配置されているので、2つの光源部が配置されているxz平面と照明光の出射方向とを平行にすることが出来る。それ故、照明装置の薄型化や低背化に適している。つまり、集光レンズ部401の後段に配置された折り返し反射ミラー501によって偏光照明装置の小型化のための設計の自由度はさらに向上する。
【0051】
しかも、2種類の偏光光をそれぞれλ/2位相差板421の所定の領域に導くには、偏光分離・合成光学素子201の偏光分離性能が高いことが必要であるが、本実施の形態においては、ガラス製のプリズムと、無機材料からなる誘電体多層膜とを利用して偏光分離・合成光学素子201を構成してあるので、偏光分離・合成光学素子201の偏光分離性能は、熱的に安定である。それ故、大きな光出力が要求される照明装置においても常に安定した偏光分離性能を発揮できるので、満足の得られる性能を有する偏光照明装置を実現できる。
【0052】
さらに、本実施の形態では、横長の矩形形状である被照明領域601の形状に合わせて、第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303の微小集光ミラー311を横長の矩形形状(被照明領域の形状とほぼ相似形)とし、同時に偏光分離・合成光学素子201から出射された2種類の偏光光の分離の方向(2種類の偏光光によって形成される2次光源像が並ぶ方向)も被照明領域601の形状に合わせて横方向(x方向)に設定されている。このため、横長の矩形形状を有する被照明領域601を形成する場合でも、光量を無駄にすることなく、照明効率を高めることができる。
【0053】
さらにまた、第1の集光ミラー板301及び第3の集光ミラー板303の微小集光反射素子によって反射されて集光レンズ部401に入射するS偏光光の主光線と、第2の集光反射光学素子の微小集光反射素子によって反射されて集光レンズ部401に入射するP偏光光の主光線とが、互いに平行である、ということは、第1〜第3の集光反射光学素子の微小集光反射素子によって反射された光が、ほぼ同じ角度で偏光分離・合成素子201に入射することを意味する。従って、偏光分離・合成素子201の偏光分離・合成特性が光の入射角度に依存しやすい場合であっても、安定した偏光分離・合成を行うことが可能であり、むらの少ない照明光を得ることが可能となる。
【0054】
本実施の形態において説明してきた第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303のx軸、y軸、z軸からのシフト量β1、β2、β3とそれらのシフトの方向は、本実施の形態に限定されるものではない。要するに、第1及び第2の光源部101、102のそれぞれからの出射光に含まれているP偏光光による2次光源像とS偏光光による2次光源像とが、それぞれ空間的に分離された位置に形成されると共に、第1の光源部101の出射光に含まれているP偏光光による2次光源像と第2の光源部102の出射光に含まれているP偏光光による2次光源像とが重なり合うように、また、第1の光源部101の出射光に含まれているS偏光光による2次光源像と第2の光源部102の出射光に含まれているS偏光光による2次光源像とが重なり合うように、第1ないし第3の集光ミラー板のシフト量β1、β2、β3とそれらのシフトの方向を各々設定すればよい。
【0055】
従って、第1ないし第3の集光ミラー板の全てを対応するそれぞれの軸(x軸、y軸、z軸)に対して平行シフトさせる必要は必ずしもない。例えば、第2の集光ミラー板302のみを平行シフトさせ、第1及び第3の集光ミラー板301、303は平行シフトさせずに、それぞれの集光ミラー板の略中心をx軸或いはz軸が通過するように配置しても良い。逆に、第1及び第3の集光ミラー板301、303のみを平行シフトさせ、第2の集光ミラー板302は平行シフトさせずに、第2の集光ミラー板302の略中心をy軸が通過するように配置しても良い。但し、第1ないし第3の集光ミラー板のシフト量とそれらのシフトの方向によっては、集光レンズ部401をy軸に対して同様にシフトさせる必要がある場合もある。
【0056】
なお、本実施の形態においては、λ/2位相差板421を集光レンズ板411の被照明領域側に配置したが、2次光源像が形成される位置近傍ならば他の位置でもよく、限定がない。例えば、λ/2位相差板421を集光レンズ板411の光源部側に配置してもよい。
【0057】
また、集光レンズ板411を構成する微小レンズ412を偏心レンズとすれば、それぞれの微小レンズ412を出射する光の方向を被照明領域601に向けることが出来るため、集光レンズ板411に重畳レンズ431の機能を合わせ持たせることができる。或いは、第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303を構成する微小集光ミラー311を偏心ミラーとすれば、微小集光ミラー311を出射する光の方向を被照明領域601に向けることが出来るため、同様に第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303に重畳レンズ431の機能を合わせ持たせることも可能である。それらの場合には、重畳レンズ431を省略できるため、偏光照明装置の低コスト化が可能となる。但し、後者の場合には、図7で示したP偏光光によって形成される2次光源像とS偏光光によって形成される2次光源像との間隔はβ1+β2よりも狭くなる。
【0058】
また、第1及び第2の光源部101、102から出射される光の平行性が高い場合には、集光レンズ板411を省略することも可能である。
【0059】
さらに、集光レンズ板411を構成する微小レンズ412は横長の矩形レンズとしたが、その形状については特に限定がない。但し、図7に示すように、P偏光光が形成する2次光源像C1とS偏光光が形成する2次光源像C2は横方向に並ぶ状態で形成されるので、それぞれの2次光源像の形成位置に対応させて、集光レンズ板411を構成する微小レンズ412の形状は決定されることが望ましい。
【0060】
また、特性の異なる2種類の位相差層を、P偏光光による2次光源像の形成位置とS偏光光による2次光源像の形成位置のそれぞれに配置し、ある特定の偏光方向を有する1種類の偏光光に揃えてもよいし、位相差層422をS偏光光による2次光源像C2の形成される位置に配置して、照明光をP偏光光とする構成としてもよい。
【0061】
[実施の形態2]
図1に示す偏光照明装置1では、P偏光光が形成する2次光源像とS偏光光が形成する2次光源像とがx軸にほぼ平行に並ぶ様に、第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303を配置したが、図8に示す偏光照明装置2のように、P偏光光が形成する2次光源像とS偏光光が形成する2次光源像とがz軸に平行に並ぶ様に、第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303を配置してもよい。この場合には、例えば、第1の集光ミラー板301はその略中心がx軸に対してγ1だけ−z方向に、第2の集光ミラー板302はその略中心がy軸に対してγ2だけ+z方向に、第3の集光ミラー板303はその略中心がz軸に対してγ3だけ+y方向に、それぞれ平行シフトした状態に設定すればよい。尚、この場合においても、偏光照明装置としての基本的な原理については、偏光照明装置1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0062】
[実施の形態3]
図9(xy平面における断面図を示している。)に示す偏光照明装置3では、各光学系の配置は、実施の形態1とほぼ同じであるが、壁面を構成する6枚の透明板252でプリズム構造体251を構成し、その内部に第1の偏光分離膜211が形成されている平板状の第1の偏光分離板253と第2の偏光分離膜(図示せず)が形成されている平板状の第2の偏光分離板(図示せず。また、第2の偏光分離板は第1の偏光分離板253によって分離されるため、正確には2枚必要。)とを配置し、さらに液体254を充填してなる構造体を偏光分離・合成光学素子201として用いている点に特徴がある。ここで、透明板、第1及び第2の偏光分離板、及び液体のそれぞれの屈折率をほぼ一致させておくことが必要である。これにより、偏光分離・合成光学素子201の低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【0063】
さらに、偏光照明装置3では、実施の形態1で説明したように、集光レンズ部401の集光レンズ板411を構成する微小レンズを偏心系のレンズすることによって、集光レンズ板411に重畳レンズの機能を合わせ持たせ、重畳レンズを省略した構成としている。これによって、偏光照明装置の低コスト化を及び軽量化を図ることができる。
【0064】
[実施の形態4]
図10に示す偏光照明装置4では、各光学系の配置は、実施の形態1と同一であるが、偏光分離・合成光学素子201を平板状の構造体としているところに特徴がある。すなわち、偏光分離膜262を2枚のガラス基板263で挟持した構造の2枚(一方の偏光分離板は他方の偏光分離板によって分離されるため、正確には3枚)の偏光分離板261をシステム光軸L(L1、L2)に対してα=45度の角度をなすように配置することによって、6面体形状のプリズムを用いた偏光分離・合成光学素子201(図1参照。)とほぼ同一の機能を発揮させている。これにより、偏光分離・合成光学素子201の低コスト化及び軽量化を図ることができる。なお、本例の偏光分離・合成光学素子201では、第1ないし第3の実施形態における偏光分離・合成光学素子201のごとく、第1ないし第6の面は実在しない。しかしながら、図中点線で示したように、仮想的に第1ないし第6の面を有すると考えることができる。従って、この仮想的な第1ないし第6の面に対して、前述した第1ないし第3の実施形態のごとく、光源部201、202、λ/4位相差板351、352、353、集光ミラー板301、302、303、集光レンズ部401等を配置すれば良い。
【0065】
[実施の形態5]
以上説明した偏光照明装置1ないし4において、第1ないし第3の集光ミラー板301、302、303の一部または全部を図11に示すような集光ミラー板304としてもよい。集光ミラー板304は、複数の微小レンズ305と反射ミラー板306とから構成されたものである。
【0066】
さらに、この構成において、複数の微小レンズ305のそれぞれを偏心レンズとすれば、微小レンズ305を出射する光の方向を被照明領域601に向けることが出来るため、第1ないし第3の集光ミラー板に重畳レンズ431の機能を合わせ持たせることが可能である。その場合には、重畳レンズ431を省略できるため、偏光照明装置の低コスト化が可能となる。
【0067】
[実施の形態6]
図12、図13には、実施の形態1ないし5に係る偏光照明装置のうち、実施の形態1に係る偏光照明装置1を用いて、その投写画像の明るさを向上させた投写型表示装置の一例を示してある。本実施の形態の投写型表示装置5においては、光変調素子として透過型の液晶ライトバルブを使用すると共に、偏光照明装置1の2つの光源部に発光スペクトルが異なる2種類の光源ランプを用い、それらの光源ランプを選択的に点灯可能としている。尚、図12は投写型表示装置5のxz平面における断面図であり、図13は投写型表示装置5のyz平面における断面図である。また、図12においては、集光レンズ部401や光路変更光学素子である折り返し反射ミラー501等は省略されて描かれている。
【0068】
図12、図13において、本実施の形態の投写型表示装置5に組み込まれた偏光照明装置1は、ランダムな偏光光を一方向に出射する第1の光源部101、及び第2の光源部102を有し、これらの光源部から出射されたランダムな偏光光は、偏光分離・合成光学素子201において2種類の偏光光に分離されると共に、分離された各偏光光のうち、P偏光光については集光レンズ部401のλ/2位相差板421によってS偏光光に変換され、ほぼ1種類の偏光状態(S偏光状態)となって集光レンズ部から出射される。集光レンズ部から出射された偏光光は、折り返し反射ミラー501によって出射方向を−z方向に変えられ、青色緑色反射ダイクロイックミラー701に入射するようになっている。
【0069】
この偏光照明装置1から出射された照明光は、まず、青色光緑色光反射ダイクロイックミラー701(色光分離光学素子)において赤色光が透過し、青色光及び緑色光が反射される。赤色光は、反射ミラー702で反射され、平行化レンズ716を経て、第1の液晶ライトバルブ703に達する。尚、液晶ライトバルブの入射側及び出射側には偏光板が配置されているが、図12には図示されていない。一方、青色光及び緑色光のうちの緑色光は、緑色光反射ダイクロイックミラー704(色光分離光学素子)によって反射されて、平行化レンズ716を経て、第2の液晶ライトバルブ705に達する。第1及び第2の液晶ライトバルブ703、705の入射側に配置された平行化レンズ716は、液晶ライトバルブを照明する光の広がりを抑え照明効率の向上を図ると共に、液晶ライトバルブから後述する投写レンズに入射する光を投写レンズに効果的に導く機能を有する。尚、第3の液晶ライトバルブ711の入射側には、後述するように導光手段750を構成する出射側レンズ710が配置されており、そこでは出射側レンズ710が平行化レンズ716の機能も担っている。但し、これらの平行化レンズは省略することも可能である。
【0070】
ここで、青色光は他の2色光に比べて光路の長さが長いので、青色光に対しては、入射側レンズ706、リレーレンズ708、及び出射側レンズ710からなるリレーレンズ系で構成した導光手段750を設けてある。すなわち、青色光は、緑色光反射ダイクロイックミラー704を透過した後に、まず、入射側レンズ706及び反射ミラー707を経てリレーレンズ708に導かれ、このリレーレンズ708で集束された後に、反射ミラー709によって出射側レンズ710に導かれる。しかる後に、第3の液晶ライトバルブ711に達する。
【0071】
第1ないし第3の液晶ライトバルブ703、705、711は、それぞれの色光を変調し、各色に対応した画像情報を含ませた後に、変調した色光をクロスダイクロイックプリズム713(色光合成光学素子)に入射する。クロスダイクロイックプリズム713は、その内部に赤色光反射の誘電体多層膜と、青色光反射の誘電体多層膜とが十字状に形成された構成を有しており、それぞれの変調された色光を合成する。合成された光は、投写レンズ714(投写光学系)を通過してスクリーン715上に画像を形成する。
【0072】
このように構成した投写型表示装置5では、1種類の偏光光を変調するタイプの液晶ライトバルブが用いられている。したがって、従来の照明装置を用いてランダムな偏光光を液晶ライトバルブに導くと、ランダムな偏光光のうちの半分以上(約60%)の光は、偏光板で吸収されて熱に変わってしまうため、光の利用効率が低いとともに、偏光板の発熱を抑える大型で騒音が大きな冷却装置が必要であるという問題点があったが、本実施の形態の投写型表示装置5では、かかる問題点が大幅に解消されている。
【0073】
すなわち、本実施の形態の投写型表示装置5では、偏光照明装置1において、一方の偏光光(たとえば、P偏光光)のみに対して、λ/2位相差板421によって偏光面の回転作用を与え、他方の偏光光(たとえば、S偏光光)と偏光面が揃った状態とする。それゆえ、偏光方向の揃った偏光光が第1ないし第3の液晶ライトバルブ703、705、711に導かれるので、光の利用効率が向上し、明るい投写画像を得ることができる。また、偏光板における光吸収量が低減されるので、偏光板での温度上昇が抑制される。それ故、冷却装置の小型化や低騒音化を実現できる。さらに、第1及び第2の光源部101、102からなる2つの光源部を有し、かつ、いずれの光源部からの出射光についても損失することなく偏光方向を揃えているので、明るい投写画像を得ることができる。しかも、偏光照明装置1では、偏光分離膜として熱的に安定な誘電体多層膜を用いているため、偏光分離・合成光学素子201の偏光分離性能は熱的に安定である。それ故、大きな光出力が要求される投写型表示装置5においても常に安定した偏光分離性能を発揮できる。
【0074】
さらに、2つの光源部101、102を用いているにもかかわらず、照明光の被照明領域に対する入射角度(照明角)を大きくすることなく、2つの光源部101、102からの照明光を合成できるため、照明光の断面積は1つの光源部を用いた場合と同じであり、従って、一定面積当たりの光量を1つの光源部を用いた場合と比較して2倍にすることができる。従って、より明るい投写画像を実現できる。
【0075】
さらにまた、偏光照明装置1では、被照明領域である液晶ライトバルブの横長の表示領域に対応させて、偏光分離・合成光学素子201から出射された2種類の偏光光は横方向に分離されていることから、光量を無駄にすることなく、横長の矩形形状を有する被照明領域を効率的に照明することが出来る。それゆえに、偏光照明装置1は、見やすくて、かつ、迫力のある画像を投写できる横長の液晶ライトバルブ用に適している。
【0076】
これに加えて、本実施の形態では、色光合成光学素子としてクロスダイクロイックプリズム713を用いているので、小型化が可能であると共に、液晶ライトバルブ703、705、711と投写レンズ714との間の光路の長さを短く出来る。したがって、比較的小口径の投写レンズを用いても、明るい投写画像を実現できる特徴がある。また、各色光は、3光路の内の一光路のみ、その光路の長さが異なるが、本実施の形態においては、光路の長さが最も長い青色光に対しては、入射側レンズ706、リレーレンズ708、及び出射側レンズ710からなるリレーレンズ系で構成した導光手段750を設けてあるため、色ムラなどが生じない。
【0077】
さらに、本実施の形態では、偏光変換光学素子である集光レンズ部401と青色光緑色光反射ダイクロイックミラー701との間に、光路変更光学素子である折り返し反射ミラー501を配置しているので、偏光変換光学素子から出射された偏光光の進行方向を変えることができる。これによって、色光分離光学素子、色光合成光学素子、光変調素子及び投写光学系等が配置される平面と、寸法が比較的大きい2つの光源部を有する偏光照明装置1を含む平面とを、平行な状態で配置することができ、一方向の厚みを薄くした薄型の投写型表示装置を実現することが出来る。
【0078】
また、本実施の形態の投写型表示装置5に組み込まれた偏光照明装置1において、第1、第2の光源部101、102のうち、いずれか一方を着脱可能としてもよい。このように構成することによって、例えば投写型表示装置5を持ち運びする際に、いずれか一方の光源部を取り外すことが可能となり、可搬性が向上する。
【0079】
本例の投写型表示装置5に組み込まれた偏光照明装置1の2つの光源部101、102には、発光スペクトルや輝度特性の異なる2種類の光源ランプが用いられ、さらに、それらの光源ランプは選択的に点灯できる構成となっている。この様な構成を採用することによって、以下の様な効果を得ることが出来る。
【0080】
1)発光スペクトルの異なる2種類の光源ランプを組み合わせて使用することにより、理想的な照明装置、或いは、投写型表示装置に理想的な照明装置を実現できる。この点について一例を挙げて説明する。例えば、投写型表示装置に使用される光源ランプに対しては、青色光、緑色光、赤色光の全ての波長域において光出力が大きく、且つ、それらの割合がバランスしていることが理想的であるが、現状では、そのような理想的な光源ランプは殆どない。第14図は、光源ランプと偏光照明装置から出射される光のスペクトルについて示す説明図である。例えば、光源ランプとしては、(A)に示すように、発光効率は比較的高いが赤色光の強度が相対的に低いランプ(一般的な高圧水銀ランプがこの場合に相当する)とか、(B)に示すように、赤色光の発光強度は比較的大きいが全体の発光効率が相対的に低いランプ(ある種のメタルハライドランプがこの場合に相当する)などが一般的に多く存在する。この様な光源ランプの現状において、(A)と(B)に示した発光スペクトルを有する2種類の光源ランプを本例の投写型表示装置5の偏光照明装置1に用い同時点灯した状態で使用すれば、偏光照明装置1から出射される光のスペクトルは(C)に示すような理想的なものとすることができ、明るく高品位の投写画像を得られる投写型表示装置を容易に実現することが可能となる。
【0081】
2)発光スペクトルの異なる2種類の光源ランプを選択的に点灯可能にすることにより、投写画像の色合いを観察者の好みに応じて適宜変化させることが可能となる。
【0082】
3)2つの光源ランプを選択的に点灯可能にすることにより、投写型表示装置を使用する周辺環境に応じて、或いは、観察者の好みに応じて投写画像の明るさを適宜変化させることが可能となる。例えば、周囲が明るい場所で投写画像を観察する場合には2つの光源部を点灯させ、周囲が暗い場所で投写画像を観察する場合には一方のみを選択点灯させるという具合である。
【0083】
4)2つの光源ランプを選択的に切り替えて使用する形態とすれば、光源ランプ自体の寿命を延ばすことができると共に、例えば、一方の光源ランプが寿命や故障などで点灯できなくなった場合にも、他方の光源ランプを使用することによって、投写画像を引き続き表示することが可能となるなど、使い勝手が向上する。さらには、例えば投写型表示装置5をバッテリ駆動する際に、一方の光源ランプのみを選択点灯することによりバッテリの寿命時間を長く持たせることもできる。
【0084】
なお、偏光照明装置1の代りに、前に述べた偏光照明装置2〜4を用いても良いことは勿論である。
【0085】
[実施の形態7]
本発明の偏光照明装置は、光変調素子として反射型の液晶ライトバルブを用いた投写型表示装置に対しても、適用することが可能である。
【0086】
すなわち、図15(投写型表示装置のxz平面における断面図)に示す投写型表示装置6では、実施の形態1に示した偏光照明装置1が用いられており、第1及び第2の光源部101、102から出射されたランダムな偏光光は、偏光分離・合成光学素子201において、2種類の偏光光に分離されると共に、分離されたそれぞれの偏光光のうちのP偏光光については、集光レンズ部(図示せず)のλ/2位相差板(図示せず)によってS偏光光に変換され、3ヶ所の反射型液晶ライトバルブ801、802、803を照明する構成となっている。
【0087】
かかる偏光照明装置1(本実施の形態においても、先の投写型表示装置5の場合と同様に、集光レンズ部や光路変更光学素子である折り返し反射ミラー等を備えているが、それらは省略されて描かれている。)から出射された光は、まず、青色光緑色光反射の誘電体多層膜と赤色光反射の誘電体多層膜とが十字状に形成されて成る色光分離用クロスダイクロイックプリズム804(色光分離光学素子)において、赤色光と、青色光及び緑色光とに分離される。赤色光は反射ミラー805と平行化レンズ716を経て第1の偏光ビームスプリッタ808に入射する。一方、青色光及び緑色光は反射ミラー806で反射された後に、緑色光反射ダイクロイックミラー807(色光分離光学素子)によって緑色光(反射光)と青色光(透過光)とに分離され、それぞれの色光は平行化レンズ716を経て、対応する第2及び第3の偏光ビームスプリッタ809、810に入射する。3ヶ所の偏光ビームスプリッター808、809、810(偏光分離光学素子)は、その内部に偏光分離面811を備え、入射する光のうちのP偏光光を透過させ、S偏光光を反射させることで、P偏光光とS偏光光とを分離する偏光分離機能を有している光学素子である。偏光照明装置1から出射された光はその大部分がS偏光光であるため、第1ないし第3の偏光ビームスプリッタ808、809、810に入射したそれぞれの色光の大部分は、偏光分離面811で反射され進行方向を略90度変えられ、隣接する第1ないし第3の反射型液晶ライトバルブ801、802、803に入射する。但し、第1ないし第3の偏光ビームスプリッタ808、809、810に入射したそれぞれの色光の中には、S偏光光と偏光方向が異なる偏光光(例えば、P偏光光)が僅かながら混入している場合がある。その様な偏光方向が異なる偏光光は偏光分離面811をそのまま通過し、偏光ビームスプリッタの内部で進行方向を変えられることなく出射されるため、反射型液晶ライトバルブを照明する光とはならない。尚、偏光ビームスプリッタの入射側に配置されている平行化レンズ716の機能は、実施の形態6で説明した投写型表示装置5に使用されている平行化レンズ716と同様である。従って、本実施の形態に代えて、偏光ビームスプリッタと反射型液晶ライトバルブとの間に平行化レンズを配置しても良い。また、これらの平行化レンズを省略することも可能である。
【0088】
反射型液晶ライトバルブに入射した光(S偏光光)は、それぞれの液晶ライトバルブにおいて外部からの画像情報に応じた光変調を受け、具体的にはそれぞれの反射型液晶ライトバルブから出射される光の偏光方向を表示情報に対応させて変化させ、且つ、光の進行方向を略反転されて、反射型液晶ライトバルブから出射される。反射型液晶ライトバルブから出射された光は、再び偏光ビームスプリッタに入射するが、この時、それぞれの反射型液晶ライトバルブからの出射光は表示情報に応じて部分的にP偏光光となっているため、偏光ビームスプリッタの偏光選択機能により、P偏光光のみが偏光ビームスプリッタを通過して(この段階で表示画像が形成される。)色光合成用クロスダイクロイックプリズム812へと達する。色光合成用クロスダイクロイックプリズム812(色光合成光学素子)に入射したそれぞれの色光は一つの光学像に合成され、投写レンズ714(投写光学系)によってカラー画像としてスクリーン715上に投写される。
【0089】
このように、反射型液晶ライトバルブを用いて構成した投写型表示装置6においても、1種類の偏光光を変調するタイプの反射型液晶ライトバルブが用いられているため、従来の照明装置を用いてランダムな偏光光を反射型液晶ライトバルブに導くと、ランダムな偏光光のうちの半分以上(約60%)は、偏光板で吸収されて熱に変わってしまう。従って、従来の照明装置では光の利用効率が低いとともに、偏光板の発熱を抑える大型で騒音の大きな冷却装置が必要であるという問題点があったが、本実施の形態の投写型表示装置6では、かかる問題点が大幅に解消されている。
【0090】
すなわち、本実施の形態の投写型表示装置6では、偏光照明装置1において、一方の偏光光(たとえば、P偏光光)のみに対して、λ/2位相差板(図示せず)によって偏光面の回転作用を与え、他方の偏光光(たとえば、S偏光光)と偏光面が揃った状態とする。それゆえ、偏光方向の揃った偏光光が第1ないし第3の反射型液晶ライトバルブ801、802、803に導かれるので、光の利用効率が向上し、明るい投写画像を得ることができる。また、偏光板による光吸収量が低減するので、偏光板での温度上昇が抑制される。それ故、冷却装置の小型化や低騒音化を実現できる。さらに、第1及び第2の光源部101、102からなる2つの光源部を有し、かつ、いずれの光源部からの出射光についても損失することなく偏光方向を揃えているので、明るい投写画像を得ることができる。しかも、偏光照明装置1では、偏光分離膜として熱的に安定な誘電体多層膜を用いているため、偏光分離・合成光学素子201の偏光分離性能は、熱的に安定である。それ故、大きな光出力が要求される投写型表示装置6においても常に安定した偏光分離性能を発揮できる。
【0091】
さらに、2つの光源部101、102を用いているにもかかわらず、照明光の被照明領域に対する入射角度(照明角)を大きくすることなく、2つの光源部101、102からの照明光を合成できるため、照明光の断面積は1つの光源部を用いた場合と同じであり、従って、一定面積当たりの光量を1つの光源部を用いた場合と比較して2倍にすることができる。従って、より明るい投写画像を実現できる。
【0092】
また、本実施の形態の投写型表示装置6においても、偏光変換光学素子である集光レンズ部(図示せず。)と色光分離用クロスダイクロイックプリズム804との間に、光路変更光学素子である折り返し反射ミラー(図示せず。)を配置しているので、実施の形態6で述べたように、一方向の厚みを薄くした薄型の投写型表示装置を実現することが出来る。
【0093】
さらにまた、本実施の形態の投写型表示装置6においても、前述したように、第1及び第2の光源部101、102のうち、いずれか一方を着脱可能としたり、第1及び第2の光源部101、102に発光スペクトルや輝度特性が互いに異なる2種類の光源ランプを用いたり、2つの光源ランプを選択的に点灯可能とする構成とすることが可能であり、前述したような効果を得ることができる。
【0094】
尚、それぞれの偏光ビームスプリッタ808、809、810の入射側と、それぞれの偏光ビームスプリッタ808、809、810の出射側或いは色光合成用クロスダイクロイックプリズムの出射側の何れかに、偏光板を配置してもよく、その場合には、表示画像のコントラスト比を向上できる可能性がある。
【0095】
また、偏光照明装置1の代りに、前に述べた偏光照明装置2〜4を用いても良いことは勿論である。
【0096】
[その他の実施形態]
透過型液晶ライトバルブを用いた投写型表示装置においては、実施の形態6の投写型表示装置5で用いたクロスダイクロイックプリズム713に代えて、2枚のダイクロイックミラーによって色光合成光学素子を構成した、いわゆるミラー光学系に対しても、本発明の偏光照明装置を適用することが出来る。ミラー光学系の場合には、3ヶ所の液晶ライトバルブと偏光照明装置との間の光路の長さを等しくできるため、実施の形態1に示したような導光手段750を用いなくとも、明るさムラや色ムラの少ない効果的な照明を行える特徴がある。
【0097】
上記の何れの実施の形態においても、集光レンズ部401においてはP偏光光をS偏光光に変換し、S偏光状態の光を照明光として用いているが、逆にS偏光光をP偏光光に変換し、P偏光状態の光を照明光として用いてもよい。この場合にはλ/2位相差板421の位相差層422をS偏光光による2次光源像が形成される位置に配置すればよい。また、P偏光光及びS偏光光の双方に対して偏光面の回転作用を与えることにより、偏光面を揃えてもよい。この場合には双方の偏光光による2次光源像が形成される位置に位相差層を配置すればよい。
【0098】
また、上記の例では、λ/2位相差板、λ/4位相差板として一般的な高分子フィルムからなるものを想定している。しかし、これらの位相差板をツイステッド・ネマチック液晶(TN液晶)を用いて構成してもよい。TN液晶を用いた場合には、位相差板の波長依存性を小さくできるので、一般的な高分子フィルムを用いた場合に比べて、λ/2位相差板及びλ/4位相差板の偏光変換性能を向上させることができる。
【0099】
【発明の効果】
本発明の偏光照明装置では、第1及び第2の光源部から出射されたランダムな偏光光を偏光分離・合成光学素子でそれぞれ2種類の偏光光に方向分離した後、各偏光光を所定の領域に導いて偏光方向を揃える。したがって、第1及び第2の光源部から放射されたランダムな偏光光のほとんど全てをP偏光光またはS偏光光に揃え、かつ、合成した状態で被照明領域に照射できるため、被照明領域を明るく照明できるという効果を奏する。また、2つの光源部を用いているにもかかわらず、照明光の被照明領域に対する入射角度(照明角)を大きくすることなく、2つの光源部からの照明光を合成できるため、照明光の断面積は1つの光源部を用いた場合と同じであり、従って、一定面積当たりの光量を1つの光源部を用いた場合と比較して2倍にすることができるので、この点からも被照明領域をより一層明るく照明できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る偏光照明装置に構成した光学系の概略構成図である。
【図2】 偏光分離・合成光学素子201の詳細な構造を説明するための図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る偏光照明装置に構成した光学系の基本構成を示す概略構成図である。
【図4】 図1に示す偏光照明装置の集光ミラー板の斜視図である。
【図5】 図1に示す偏光照明装置での偏光動作を示す説明図である。
【図6】 図1に示す偏光照明装置のレンズ板の斜視図である。
【図7】 図1に示す偏光照明装置の集光レンズ板における2次光源像の形成位置を示す説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係る偏光照明装置に構成した光学系の概略構成図である。
【図9】 本発明の実施の形態3に係る偏光照明装置に構成した光学系の基本構成を示す概略構成図である。
【図10】 本発明の実施の形態4に係る偏光照明装置に構成した光学系の基本構成を示す概略構成図である。
【図11】 実施の形態5として、実施の形態1ないし4に係る偏光照明装置に用いることのできる集光ミラー板の斜視図である。
【図12】 図1、図3に示す偏光照明光学系を備えた投写型表示装置の例の光学系のxz平面における概略構成図である。
【図13】 図12に示す投写型表示装置の光学系のyz平面における概略構成図である。
【図14】 偏光照明装置の光源ランプの発光スペクトルについて示す説明図である。
【図15】 図1、図3に示す偏光照明光学系を備えた投写型表示装置の別の例の光学系のxz平面における概略構成図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 偏光照明装置
5、6 投写型表示装置
L、L1、L2 システム光軸
101 第1の光源部
102 第2の光源部
111、112 光源ランプ
121、122 放物面ランプ
201 偏光分離・合成光学素子
202 プリズム構造体
211 第1の偏光分離膜
212 第2の偏光分離膜
221 第1の面
222 第2の面
231 第3の面
232 第4の面
233 第5の面
234 第6の面
251 プリズム構造体
252 透明板
253 第1の偏光分離板
254 液体
261 偏光分離板
262 偏光分離膜
263 ガラス基板
291 第1の三角錐プリズム
292 第1の四角錐プリズム
293 第1のプリズム合成体
294 第2の四角錐プリズム
295 第2の三角錐プリズム
296 第2のプリズム合成体
301 第1の集光ミラー板
302 第2の集光ミラー板
303 第3の集光ミラー板
304 集光ミラー板
305 微小レンズ
306 反射ミラー板
311 微小集光ミラー
312 反射面
321 平板状のミラー板
322 P偏光光
323 右回りの円偏光光
324 左回りの円偏光光
325 S偏光光
351 第1のλ/4位相差板
352 第2のλ/4位相差板
353 第3のλ/4位相差板
401 集光レンズ部
411 集光レンズ板
412 微小レンズ
421 λ/2位相差板
422 位相差層
431 重畳レンズ
501 折り返し反射ミラー
601 被照明領域
701 青色光緑色光反射ダイクロイックミラー
702、707、709 反射ミラー
703 第1の液晶ライトバルブ
704 緑色光反射ダイクロイックミラー
705 第2の液晶ライトバルブ
706 入射側レンズ
708 リレーレンズ
710 出射側レンズ
711 第3の液晶ライトバルブ
713 クロスダイクロイックプリズム
714 投写レンズ
715 スクリーン
716 平行化レンズ
750 導光手段
801 第1の反射型液晶ライトバルブ
802 第2の反射型液晶ライトバルブ
803 第3の反射型液晶ライトバルブ
804 色光分離用クロスダイクロイックプリズム
805、806 反射ミラー
807 緑色光反射ダイクロイックミラー
808 第1の偏光ビームスプリッタ
809 第2の偏光ビームスプリッタ
810 第3の偏光ビームスプリッタ
811 偏光分離面
812 色光合成用クロスダイクロイックプリズム
C1 P偏光光による2次光源像
C2 S偏光光による2次光源像

Claims (14)

  1. 第1の面側から入射した光を2種類の偏光光に分離して、一方を第3の面側に出射し、他方を第4の面側に出射する第1の偏光分離膜と、第2の面側から入射した光を2種類の偏光光に分離して、一方を第4の面側に出射し、他方を第5の面側に出射する第2の偏光分離膜とを有する略6面体形状の偏光分離・合成光学素子と、
    前記偏光分離・合成光学素子の第1、第2の面にそれぞれ光を入射させる第1、第2の光源部と、
    前記偏光分離・合成光学素子の第3の面側に配置され、各々入射光の進行方向を略反転させるとともに集光像を形成する複数の微小集光反射素子を備えた第1の集光反射光学素子と、
    前記偏光分離・合成光学素子の第4の面側に配置され、各々入射光の進行方向を略反転させるとともに集光像を形成する複数の微小集光反射素子を備えた第2の集光反射光学素子と、
    前記偏光分離・合成光学素子の第5の面側に配置され、各々入射光の進行方向を略反転させるとともに集光像を形成する複数の微小集光反射素子を備えた第3の集光反射光学素子と、
    前記偏光分離・合成光学素子の第3の面と前記第1の集光反射光学素子との間に配置された第1の偏光状態変換光学素子と、
    前記偏光分離・合成光学素子の第4の面と前記第2の集光反射光学素子との間に配置された第2の偏光状態変換光学素子と、
    前記偏光分離・合成光学素子の第5の面と前記第3の集光反射光学素子との間に配置された第3の偏光状態変換光学素子と、
    前記偏光分離・合成光学素子の第6の面側に配置され、前記偏光分離・合成光学素子から出射された光の偏光方向を揃える偏光変換光学素子と、を備えた偏光照明装置であって、
    前記第1の集光反射光学素子及び前記第3の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子によって反射されて前記偏光変換光学素子に入射する光の主光線と、前記第2の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子によって反射されて前記偏光変換光学素子に入射する光の主光線とは、互いに平行であり、かつ重なり合わないことを特徴とする偏光照明装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の集光反射光学素子は、前記偏光分離・合成光学素子の前記第3の面と略平行に配置され、
    前記第2の集光反射光学素子は、前記偏光分離・合成光学素子の前記第4の面と略平行に配置され、
    前記第3の集光反射光学素子は、前記偏光分離・合成光学素子の前記第5の面と略平行に配置され、
    前記第1の集光反射光学素子、前記第2の集光反射光学素子、前記第3の集光反射光学素子は、前記第1の集光反射光学素子及び前記第3の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子によって反射されて前記偏光変換光学素子に入射する光の主光線と、前記第2の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子によって反射されて前記偏光変換光学素子に入射する光の主光線とは、互いに平行であり、かつ重なり合わないように配置されてなることを特徴とする偏光照明装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記微小集光反射素子の開口形状は、被照明領域の形状と相似形であることを特徴とする偏光照明装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記偏光変換光学素子の入射面側或いは出射面側には、前記偏光分離・合成光学素子から出射された光を集光するために、複数の集光素子を備えた集光光学素子が配置されていることを特徴とする偏光照明装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記偏光変換光学素子の出射面側には、前記偏光変換光学素子から出射された光を被照明領域上に重畳する重畳光学素子が配置されていることを特徴とする偏光照明装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記偏光変換光学素子の出射面側には、前記偏光変換光学素子から出射された光の光路を変更する光路変更光学素子が配置されていることを特徴とする偏光照明装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記第1ないし第3の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子は、曲面反射ミラーからなることを特徴とする偏光照明装置。
  8. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記第1ないし第3の集光反射光学素子の前記微小集光反射素子は、レンズと、前記レンズの前記偏光分離・合成光学素子とは反対側の面に設けられた反射面とからなることを特徴とする偏光照明装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の偏光照明装置と、
    前記偏光照明装置から出射された光を変調する光変調素子と、
    前記光変調素子によって変調された光を投写する投写光学系とを有することを特徴とする投写型表示装置。
  10. 請求項1ないし8のいずれかに記載の偏光照明装置と、
    前記偏光照明装置から出射された光を複数の色光に分離する色光分離光学素子と、
    前記色光分離光学素子によって分離された色光をそれぞれ変調する複数の光変調素子と、
    前記複数の光変調素子によって変調された光を合成する色光合成光学素子と、前記色光合成光学素子によって合成された光を投写する投写光学系とを有することを特徴とする投写型表示装置。
  11. 請求項1ないし8のいずれかに記載の偏光照明装置と、
    前記偏光照明装置から出射された光を変調する反射型光変調素子と、
    前記偏光照明装置から出射された光、及び、前記反射型光変調素子によって変調された光に含まれる複数の偏光成分を分離する偏光分離光学素子と、
    前記反射型光変調素子によって変調され、前記偏光分離光学素子を介して出射された光を投写する投写光学系とを有することを特徴とする投写型表示装置。
  12. 請求項1ないし8のいずれかに記載の偏光照明装置と、
    前記偏光照明装置から出射された光を複数の色光に分離する色光分離光学素子と、
    前記色光分離光学素子によって分離された色光をそれぞれ変調する複数の反射型光変調素子と、
    前記色光分離光学素子によって分離された各色光、及び、前記反射型光変調素子によって変調された各色光に含まれる複数の偏光成分を分離する複数の偏光分離光学素子と、
    各々の前記反射型光変調素子によって変調され、各々の前記偏光分離光学素子を介して出射された光を合成する色光合成光学素子と、
    前記色光合成光学素子によって合成された光を投写する投写光学系とを有することを特徴とする投写型表示装置。
  13. 請求項9ないし12のいずれかにおいて、
    前記第1、第2の光源部のうち、少なくとも一方が着脱可能に構成されていることを特徴とする投写型表示装置。
  14. 請求項9ないし12のいずれかにおいて、
    前記第1、第2の光源部のうち、少なくとも一方が選択点灯可能となっていることを特徴とする投写型表示装置。
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