JP3659335B2 - プリント基板挿抜治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路等が搭載されたプリント基板を電子機器に挿入、または電子機器から取り出すためのプリント基板挿抜治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10はプリント基板が挿入された電子機器の一構成例を示す斜視図である。
【0003】
電子機器には、要求される機能を満たすために種々の電子回路等が搭載されたプリント基板1が挿入される。このようなプリント基板1には、電源の供給や外部機器と所定の信号を送受信するためのインタフェースとして様々な形状のコネクタ2が用いられる。また、プリント基板1に搭載されたコネクタ2には、ケーブル等が取り付けられたケーブルコネクタ3が挿抜可能に固定される。
【0004】
図10に示すように、プリント基板1は所定の挿抜方向へ移動可能なようにカード支持ケージ(電子機器フレーム)4によって保持される。コネクタ2は、電子機器の形状や空きスペースに応じて、例えば、プリント基板1の表面に搭載される。このような構成では、ケーブルコネクタ3の挿抜方向がプリント基板1の挿抜方向に対して垂直方向になるため、ケーブルコネクタ3は、フレームに設けられたコネクタ案内5によりプリント基板1上のコネクタ2の位置まで導かれて挿入される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
保守点検作業等によって電子機器からプリント基板を取り出す場合、図10に示したような構造では、ケーブルコネクタがコネクタ案内によって保持されているため、ケーブルコネクタを取り外した後でプリント基板をカード支持ケージから引き出す必要がある。また、プリント基板にヒートシンクのような大きな部品が搭載されていると、該部品を取り外してからプリント基板を引き出さなければならない場合もある。
【0006】
このようなとき、ケーブルコネクタ等の部品の取り外し作業を忘れてプリント基板をカード支持ケージから引き出すと、部品を破損して当該プリント基板を再び使用することができなくなるおそれがあった。
【0007】
一方、プリント基板を電子機器内に挿入する場合、挿入位置へ意図せずに進入したケーブルコネクタ等の部品や異物に気づかずにプリント基板を押し込むと、該異物等によってプリント基板や部品を破損し、当該プリント基板を再び使用することができなくなるおそれがある。
【0008】
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、プリント基板の挿抜時に、部品等に対して必要以上の力が加わらないようにして破損を防止するプリント基板挿抜治具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のプリント基板挿抜治具は、プリント基板を電子機器から引き出すためのプリント基板挿抜治具であって、
前記プリント基板を引き出す際に該プリント基板を保持するカード保持部と、
前記カード保持部と一体に形成された可動フレームと、
前記プリント基板を引き出す際の支点となる支持点を備え、前記可動フレームを前記プリント基板の挿抜方向に移動可能に保持する固定フレームと、
前記プリント基板を引き出すのに必要な力よりも強く、かつ前記プリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で縮む弾性体を介して前記固定フレームと前記支持点間を結合する破損防止部と、
を有する構成である。
【0010】
このとき、前記弾性体の縮み量は、
前記可動フレームの移動可能距離よりも大きくすることが好ましい。
【0011】
また、前記弾性体が縮む力を調整するための調整機構を備えていてもよく、前記弾性体はバネであることが好ましい。
【0012】
また、本発明のプリント基板挿抜治具の他の構成は、プリント基板を電子機器に挿入するためのプリント基板挿抜治具であって、
前記プリント基板を挿入する際に該プリント基板を保持するカード保持部と、
前記カード保持部と一体に形成された可動フレームと、
前記プリント基板を挿入する際の支点となる支持点を備え、前記可動フレームを前記プリント基板の挿抜方向に移動可能に保持する固定フレームと、
前記プリント基板を挿入するのに必要な力よりも強く、前記プリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で伸びる弾性体を介して前記固定フレームと前記支持点間を結合する破損防止部と、
を有する構成である。
【0013】
このとき、前記弾性体の伸び量は、
前記可動フレームの移動可能距離よりも大きくすることが好ましい。
【0014】
また、前記弾性体が伸びる力を調整するための調整機構を備えていてもよく、
前記弾性体はバネであることが好ましい。
【0015】
上記のように構成されたプリント基板挿抜治具は、プリント基板を引き出すのに必要な力よりも強く、かつプリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で縮む弾性体を介して固定フレームと支持点間を結合する破損防止部を備えていることで、ケーブルコネクタがコネクタに差し込まれた状態等では、破損防止部の弾性体がプリント基板に対するコネクタ等の部品の取り付け力に負けて縮んでしまう。さらに、弾性体の縮み量を可動フレームの移動可能距離よりも大きくすることで、破損防止部の押し込み量(ストローク)が可動フレームの移動範囲以上になるため、ケーブルコネクタがコネクタに差し込まれた状態等でプリント基板が電子機器から引き出されることがない。
【0016】
同様に、プリント基板を挿入するのに必要な力よりも強く、かつプリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で伸びる弾性体を介して固定フレームと支持点間を結合する破損防止部を備えていることで、部品や異物が挿入位置に進入している状態では、破損防止部の弾性体がプリント基板に対する部品の取り付け力等に負けて伸びてしまう。さらに、弾性体の伸び量を可動フレームの移動可能距離よりも大きくすることで、破損防止部の引き出し量(ストローク)が可動フレームの移動範囲以上になるため、部品や異物が挿入位置に進入している状態でプリント基板が電子機器内に押し込まれることがない。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明について図面を参照して説明する。
【0018】
本発明では、ケーブルコネクタ等の部品の取り外し作業を忘れてプリント基板を引き出そうとした場合にプリント基板が引き抜けないような機構を提案する。また、異物等が挿入位置に進入している場合にプリント基板が挿入できないような機構を提案する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は本発明のプリント基板挿抜治具の第1の実施の形態の構造を示す平面図であり、図2は図1に示した破損防止部の一構成例を示す断面図である。図3は図1に示したプリント基板挿抜治具を用いて電子機器からプリント基板を引き出す様子を示す斜視図である。また、図4は図1に示した破損防止部の調整機構の一例を示す図であり、同図(a)が側面図、同図(b)は断面図である。
【0020】
第1の実施の形態のプリント基板挿抜治具は、電子機器内からプリント基板1を引き出すための治具であり、図1に示すように、プリント基板1を引き出す際に該プリント基板1を保持するカード保持部9と、カード保持部9と一体に形成された、挿抜方向に移動可能な可動フレーム6と、プリント基板1を引き出す際の支点となる支持点10を備え、可動フレーム6を移動可能に保持する固定フレーム7と、固定フレーム7と支持点10間に設けられた破損防止部8とを有する構成である。なお、プリント基板1には開口を備え、プリント基板1を引き出す際には、カード保持部9の先端に設けられた、例えば、ボス状の突起を該開口に挿入することでプリント基板1と可動フレーム6とを連結させる。
【0021】
図2に示すように、破損防止部8は、フレーム11内にバネ12を有し、バネ12により先端が支持点10となるロッド13を支える構造である。また、フレーム11は固定部14を介して固定フレーム7に取り付けられる。
【0022】
破損防止部8は、支持点10に所定以上の力が加わった場合にロッド13がフレーム11内に押し込まれる構造であり、バネ12の強さは、例えば、ケーブルコネクタ3が差し込まれていないときにプリント基板1が引き出せる力よりも強く、プリント基板1に対するコネクタ2の取り付け力よりも弱い力に設定される。
【0023】
また、支持点10に所定以上の力が加わっている場合、ロッド13の押し込み量(ストローク)は可動フレーム6の移動範囲以上であることが望ましい。このようにすることで、支持点10に所定以上の力が加わり、ロッド13がフレーム11内に押し込まれた際にプリント基板1が引き出されることがない。
【0024】
なお、バネ12と同様に、所定以上の力が加わった場合にロッド13が押し込まれるように設定可能であれば、バネ12の代わりにゴム等の弾性体を用いてもよい。しかしながら、ロッド13のストロークが容易に確保できる点、また後述する調整機構を容易に設けることができる点を考慮すると、弾性体としてバネ12を用いるのが最も好ましい。
【0025】
このような構成において、図1に示したプリント基板挿抜治具を用いて電子機器からプリント基板1を引き出す場合、図3に示すように、カード保持部9の先端に設けられた突起をプリント基板1の開口に挿入し、プリント基板1と可動フレーム6とを連結させる。そして、電子機器フレームに支持点10を突き当て、例えば、可動フレーム6と固定フレーム7とを一体的に握ることで可動フレーム6を固定フレーム7側に引き寄せるように移動させる。この際、固定フレーム7は支持点10によって支えられているため、支持点10を支点として可動フレーム6に連結されたプリント基板1を引き出すことができる。
【0026】
しかしながら、ケーブルコネクタ3がコネクタ2に差し込まれた状態等では、図2に示した破損防止部8のバネ12がプリント基板1に対するコネクタ2の取り付け力に負けて縮んでしまう。さらに、可動フレーム6は、固定フレーム7と重なる位置まで移動できるが、破損防止部8のロッド13の押し込み量(ストローク)が可動フレーム6の移動範囲以上であるため、プリント基板1がカード支持ケージから引き出されることがない。したがって、プリント基板1に搭載されたコネクタ2等の部品の破損を防止することができる。
【0027】
なお、図2に示した破損防止部8ではバネ12の強さを変えることができないため、プリント基板1を引き出すのに必要な力が変動したり、破損防止対象の部品が異なる場合等に用いることができないという問題がある。
【0028】
そこで、例えば、図4に示すように、破損防止部8のバネ12の一端に可動板15を取り付け、可動板15をフレーム11に設けられた調整穴17内の所望の位置でネジ16により固定できるようにする。このような調整機構を設けることで、バネ長の初期値によりロッド13が押し込まれる力を調整できるため、プリント基板1の引き出し力を最適な値に設定することができる。
【0029】
また、破損防止部は、必ずしもプリント基板挿抜治具側に備えている必要はなく、電子機器のカード支持ケージ(フレーム)4側に備えていてもよい。その場合、プリント基板挿抜治具の支持点が当接するカード支持ケージ4の部位に溝を設け、該溝内にバネで支えられた支持板を有する構成が考えられる。このような破損防止部をプリント基板1の各挿入位置毎に設け、プリント基板1を引き出す際に所定以上の力が加わった場合に当該支持板が押し下げられるように設定すれば、上記と同様にプリント基板1がカード支持ケージ4から引き出されることがなく、プリント基板1に搭載されたコネクタ等の部品の破損を防止することができる。なお、破損防止部を電子機器のカード支持ケージ(フレーム)に有する場合も、図4に示した構造と同様の調整機構を設けてもよい。
【0030】
(第2の実施の形態)
図5は本発明のプリント基板挿抜治具の第2の実施の形態の構造を示す平面図であり、図6は図5に示した破損防止部の一構成例を示す断面図である。図7は図5に示したプリント基板挿抜治具を用いて電子機器にプリント基板を挿入する様子を示す斜視図である。また、図8は図5に示した破損防止部の調整機構の一例を示す図であり、同図(a)が側面図、同図(b)は断面図である。
【0031】
第2の実施の形態のプリント基板挿抜治具は、電子機器内にプリント基板1を挿入するための治具であり、図5に示すように、プリント基板1を挿入する際に該プリント基板1を保持するためのカード保持部109と、カード保持部109と一体に形成された、挿抜方向に移動可能な可動フレーム106と、プリント基板1を挿入する際の支点となる支持点110を備え、可動フレーム106を移動可能に保持する固定フレーム107と、固定フレーム107と支持点110間に設けられた破損防止部108とを有する構成である。なお、プリント基板1には開口を備え、プリント基板1を挿入する際には、カード保持部109の先端に設けられた、例えば、ボス状の突起を該開口に挿入することでプリント基板1と可動フレーム106とを連結させる。
【0032】
図6に示すように、破損防止部108は、フレーム111内にバネ112を有し、バネ112により先端に返し部が設けられた支持点110となるロッド113を支える構造である。また、フレーム111は固定部114を介して固定フレーム107に取り付けられる。
【0033】
破損防止部108は、支持点110に所定以上の力が加わっている場合にロッド113がフレーム111から引き出される構造であり、バネ112の強さは、例えば、プリント基板1を挿入できる力よりも強く、プリント基板上に搭載された所定の部品の取り付け力よりも弱い力に設定される。
【0034】
また、支持点110に所定以上の力が加わった場合、ロッド113の引き出し量(ストローク)は可動フレーム106の移動範囲以上であることが望ましい。このようにすることで、支持点110に所定以上の力が加わり、ロッド113がフレーム111から引き出された際にプリント基板1が挿入されることがない。
【0035】
なお、バネ112と同様に、所定以上の力が加わった場合にロッド113が引き出されるように設定可能であれば、バネ112の代わりにゴム等の弾性体を用いてもよい。しかしながら、ロッド113のストロークが容易に確保できる点、また後述する調整機構を容易に設けることができる点を考慮すると、弾性体としてはバネ112を用いるのが最も好ましい。
【0036】
このような構成において、図5に示したプリント基板挿抜治具を用いて電子機器にプリント基板1を挿入する場合、図7に示すように、カード保持部109の先端に設けられた突起をプリント基板1の開口に挿入し、プリント基板1と可動フレーム106とを連結させる。そして、電子機器フレームに設けられた凹部に支持点110を係合し、例えば、可動フレーム106と固定フレーム107とを一体的に握ることで可動フレーム106を固定フレーム107側に押し出すように移動させる。この際、固定フレーム107は支持点110によって支えられているため、支持点110を支点として可動フレーム106に連結されたプリント基板1を挿入することができる。
【0037】
しかしながら、部品や異物が挿入位置に進入している状態では、図6に示した破損防止部108のバネ112がプリント基板1に対する部品の取り付け力等に負けて伸びてしまう。さらに、可動フレーム106は、固定フレーム107と重なる位置まで移動できるが、破損防止部108のロッド113の引き出し量(ストローク)が可動フレーム106の移動範囲以上であるため、プリント基板1がカード支持ケージ4内の押し込まれることがない。したがって、プリント基板1や部品の破損を防止することができる。
【0038】
なお、第1の実施の形態と同様に、図6に示した破損防止部108ではバネ112の強さを変えることができないため、プリント基板1を挿入するのに必要な力が変動したり、破損防止対象の部品が異なる場合等に用いることができないという問題がある。
【0039】
そこで、例えば、図8に示すように、破損防止部108のバネ112の一端に可動板115を取り付け、可動板115をフレーム111に設けられた調整穴117内の所望の位置でネジ116により固定できるようにする。このような機構を設けることで、バネ長の初期値によりロッド113が引き出される力を調整できるため、プリント基板1を挿入する際の力を最適な値に設定することができる。
【0040】
また、破損防止部は、必ずしもプリント基板挿抜治具側に備えている必要はなく、電子機器のカード支持ケージ(フレーム)4側に備えていてもよい。その場合、第1の実施の形態と同様に、プリント基板挿抜治具の支持点である返し部が当接するカード支持ケージ4の部位に溝を設け、該溝内にバネで支えられた支持板を有する構成が考えられる。このような破損防止部をプリント基板1の各挿入位置毎に設け、プリント基板1を挿入する際に所定以上の力が加わった場合に支持板が押し下げられるように設定すれば、上記と同様にプリント基板1がカード支持ケージに挿入できないため、プリント基板1に搭載されたコネクタ等の部品の破損を防止することができる。なお、破損防止部を電子機器のカード支持ケージ(フレーム)に有する場合も、図4に示した構造と同様の調整機構を設けてもよい。
【0041】
(第3の実施の形態)
図9は本発明のプリント基板挿抜治具の第3の実施の形態の構造を示す平面図である。
【0042】
第3の実施の形態のプリント基板挿抜治具は、図9に示すように、図1に示した第1の実施の形態のプリント基板挿抜治具と、図5に示した第2の実施の形態のプリント基板挿抜治具とが一体になった構成であり、電子機器からプリント基板1を引き出す場合、及び電子機器からプリント基板を挿入する場合の両方で用いることができる治具である。
【0043】
すなわち、図9に示すように、本実施形態のプリント基板挿抜治具は、挿抜方向に移動可能な可動フレーム206と、プリント基板1を挿入または引き出す際の支点となる支持点210を備え、可動フレーム206を移動可能に保持する固定フレーム207とを有する構成であり、可動フレーム206の先端にプリント基板1を挿入または引き出す際に該プリント基板1を保持するためのカード保持部209が設けられ、固定フレーム207と支持点210間にそれぞれ破損防止部208が設けられた構成である。なお、本実施形態のプリント基板挿抜治具が有するカード保持部209、破損防止部208、及び支持点210の構造は、図の右半分(引き出し用)では第1の実施の形態と同様の構造であり、図の左半分(挿入用)では第2の実施の形態と同様の構造である。したがって、ここではそれらの詳細な説明は省略する。
【0044】
このような構成のプリント基板挿抜治具を用い、第1の実施の形態と同様の手順でプリント基板1を引き出す、または第2の実施の形態と同様の手順でプリント基板1を挿入することで、第1の実施の形態と同様にプリント基板1を引き出す際に搭載された部品の破損を防止することが可能であり、第2の実施の形態と同様にプリント基板を挿入する際に部品やプリント基板の破損を防止することができる。また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様に、破損防止部にそれぞれ調整機構を設けてもよく、破損防止部を電子機器のカード支持ケージ(フレーム)4側に備えていてもよい。
【0045】
なお、上述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、プリント基板挿抜治具の固定フレームを2ヶ所の支持点で支え、それらの両方に破損防止部をそれぞれ設けた例を示したが、プリント基板の形状や電子機器フレームの形状によっては支持点の数はいくつであってもよい。また、破損防止部は各支持点毎に設けてもよく、複数の支持点のうちの少なくとも1ヶ所以上に設けてもよい。
【0046】
さらに、カード保持部は、プリント基板の挿抜時に該プリント基板と連結できる構造であればどのようなものでもよく、例えば、プリント基板1を把持する構造等にしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0048】
プリント基板を引き出すのに必要な力よりも強く、かつプリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で縮む弾性体を介して固定フレームと支持点間を結合する破損防止部を備えていることで、ケーブルコネクタがコネクタに差し込まれた状態等では、破損防止部の弾性体がプリント基板に対するコネクタ等の部品の取り付け力に負けて縮んでしまう。さらに、弾性体の縮み量を可動フレームの移動可能距離よりも大きくすることで、破損防止部の押し込み量(ストローク)が可動フレームの移動範囲以上になるため、ケーブルコネクタがコネクタに差し込まれた状態等でプリント基板が電子機器から引き出されることがない。したがって、プリント基板を電子機器から取り出す際に、搭載された部品の破損を防止することができる。
【0049】
同様に、プリント基板を挿入するのに必要な力よりも強く、かつプリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で伸びる弾性体を介して固定フレームと支持点間を結合する破損防止部を備えていることで、部品や異物が挿入位置に進入している状態では、破損防止部の弾性体がプリント基板に対する部品の取り付け力等に負けて伸びてしまう。さらに、弾性体の伸び量を可動フレームの移動可能距離よりも大きくすることで、破損防止部の引き出し量(ストローク)が可動フレームの移動範囲以上になるため、部品や異物が挿入位置に進入している状態でプリント基板が電子機器内に押し込まれることがない。したがって、プリント基板を電子機器に挿入する際に部品やプリント基板の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント基板挿抜治具の第1の実施の形態の構造を示す平面図である。
【図2】図1に示した破損防止部の一構成例を示す断面図である。
【図3】図1に示したプリント基板挿抜治具を用いて電子機器からプリント基板を引き出す様子を示す斜視図である。
【図4】図1に示した破損防止部の調整機構の一例を示す図であり、同図(a)が側面図、同図(b)は断面図である。
【図5】本発明のプリント基板挿抜治具の第2の実施の形態の構造を示す平面図である。
【図6】図5に示した破損防止部の一構成例を示す断面図である。
【図7】図5に示したプリント基板挿抜治具を用いて電子機器にプリント基板を挿入する様子を示す斜視図である。
【図8】図5に示した破損防止部の調整機構の一例を示す図であり、同図(a)が側面図、同図(b)は断面図である。
【図9】本発明のプリント基板挿抜治具の第3の実施の形態の構造を示す平面図である。
【図10】プリント基板が挿入された電子機器の一構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プリント基板
2 コネクタ
3 ケーブルコネクタ
4 カード支持ケージ
5 コネクタ案内
6、106、206 可動フレーム
7、107、207 固定フレーム
8、108、208 破損防止部
9、109、209 カード保持部
10、110、210 支持点
11、111 フレーム
12、112 バネ
13、113 ロッド
14、114 固定部
15、115 可動板
16、116 ネジ
17、117 調整穴
Claims (16)
- プリント基板を電子機器から引き出すためのプリント基板挿抜治具であって、
前記プリント基板を引き出す際に該プリント基板を保持するカード保持部と、
前記カード保持部と一体に形成された可動フレームと、
前記プリント基板を引き出す際の支点となる支持点を備え、前記可動フレームを前記プリント基板の挿抜方向に移動可能に保持する固定フレームと、
前記プリント基板を引き出すのに必要な力よりも強く、かつ前記プリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で縮む弾性体を介して前記固定フレームと前記支持点間を結合する破損防止部と、
を有するプリント基板挿抜治具。 - 前記弾性体の縮み量は、
前記可動フレームの移動可能距離よりも大きい請求項1記載のプリント基板挿抜治具。 - 前記弾性体が縮む力を調整するための調整機構を備えた請求項1または2記載のプリント基板挿抜治具。
- 前記弾性体はバネである請求項1乃至3のいずれか1項記載のプリント基板挿抜治具。
- プリント基板を電子機器に挿入するためのプリント基板挿抜治具であって、
前記プリント基板を挿入する際に該プリント基板を保持するカード保持部と、
前記カード保持部と一体に形成された可動フレームと、
前記プリント基板を挿入する際の支点となる支持点を備え、前記可動フレームを前記プリント基板の挿抜方向に移動可能に保持する固定フレームと、
前記プリント基板を挿入するのに必要な力よりも強く、前記プリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で伸びる弾性体を介して前記固定フレームと前記支持点間を結合する破損防止部と、
を有するプリント基板挿抜治具。 - 前記弾性体の伸び量は、
前記可動フレームの移動可能距離よりも大きい請求項5記載のプリント基板挿抜治具。 - 前記弾性体が伸びる力を調整するための調整機構を備えた請求項5または6記載のプリント基板挿抜治具。
- 前記弾性体はバネである請求項5乃至7のいずれか1項記載のプリント基板挿抜治具。
- プリント基板を引き出す際に該プリント基板を保持するカード保持部と、
前記カード保持部と一体に形成された可動フレームと、
前記プリント基板を引き出す際の支点となる支持点を備え、前記可動フレームを前記プリント基板の挿抜方向に移動可能に保持する固定フレームと、
を有するプリント基板挿抜治具を用いて前記プリント基板が引き出される、前記プリント基板を挿抜自在に保持する電子機器フレームであって、
前記プリント基板を引き出すのに必要な力よりも強く、かつ前記プリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で縮む弾性体を介して前記プリント基板挿抜治具の前記支持点を支える破損防止部を、前記プリント基板の挿入位置毎に有する電子機器フレーム。 - 前記弾性体の縮み量は、
前記可動フレームの移動可能距離よりも大きい請求項9記載の電子機器フレーム。 - 前記弾性体が縮む力を調整するための調整機構を備えた請求項9または10記載の電子機器フレーム。
- 前記弾性体はバネである請求項9乃至11のいずれか1項記載の電子機器フレーム。
- プリント基板を挿入する際に該プリント基板を保持するカード保持部と、
前記カード保持部と一体に形成された可動フレームと、
前記プリント基板を挿入する際の支点となる支持点を備え、前記可動フレームを前記プリント基板の挿抜方向に移動可能に保持する固定フレームと、
を有するプリント基板挿抜治具を用いて前記プリント基板が挿入される、前記プリント基板を挿抜自在に保持する電子機器フレームであって、
前記プリント基板を挿入するのに必要な力よりも強く、かつ前記プリント基板に対する部品の取り付け力よりも弱い力で縮む弾性体を介して前記プリント基板挿抜治具の前記支持点を支える破損防止部を、前記プリント基板の挿入位置毎に有する電子機器フレーム。 - 前記弾性体の縮み量は、
前記可動フレームの移動可能距離よりも大きい請求項13記載の電子機器フレーム。 - 前記弾性体が縮む力を調整するための調整機構を備えた請求項13または14記載の電子機器フレーム。
- 前記弾性体はバネである請求項13乃至15のいずれか1項記載の電子機器フレーム。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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