JP3658185B2 - インクジェット記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを用いて記録を行うインクジェット記録装置及び記録方法に関する。特に、排紙時に擦れによるスミアを記録のスループットの低下を極力少なくしつつ防止するインクジェット記録装置及び記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(記録媒体)に画像を記録していくように構成されている。前記記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることができる。
【0003】
被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向に主走査するシリアルスキャン方式を採るシリアルタイプの記録装置においては、被記録材に沿って移動するキャリッジ上に搭載した記録手段によって画像を記録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行い、その後に再び停止した被記録材に対して、次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行われる。一方、被記録材の搬送方向の副走査のみで記録するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を行った後、所定量の紙送り(ピッチ送り)を行い、さらに、次の行の記録を一括して行うという動作を繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行われる。
【0004】
上記記録装置のうち、インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行うものである。この方式は、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安くノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。中でも、紙幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの記録手段を使用したライン型の装置は、記録の一層の高速化が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクジェット記録装置においては、多くは水性の液体のインクを用いて記録を行うためにインクの乾燥のための定着時間を設ける必要がある。
【0006】
記録速度の遅い装置においては、次の用紙に印刷され排紙されるまでに時間を比較的要するため問題とはならないが、高速な記録装置においては、排紙スミアが生じてしまうという問題が顕著になってきた。つまり、印字比率の高い部分があると、インクが乾燥しないうちに次の用紙が排出され、その部分が擦れてしまうという問題が生じるわけである。
【0007】
また、次の用紙の記録速度を遅延させるなどの制御を用いて、スミアが発生しないようにする方法が特開平7−205416号公報に記載されているが、スループットの低下を最小限に抑えることが望まれる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、排紙スミアを発生させることなく、スループットの低下も最小限に抑えることが可能なインクジェット記録装置及び記録方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、インクを用いたプリント媒体上への記録と前記プリント媒体の搬送を行うインクジェット記録装置において、記録されたプリント媒体を排出する排出手段と、先行プリント媒体上に付与される単位面積当たりのインク量に基づく判定基準によって、前記排出手段から排出される後続プリント媒体が、前記排出手段から排出された前記先行プリント媒体の所定領域に接触することを許容するまでの時間を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された時間内に、前記後続プリント媒体が前記先行プリント媒体の所定領域に接触しないよう前記後続プリント媒体への記録中に記録の遅延制御を行う制御手段であって、前記後続プリント媒体を搬送方向に所定の長さで分けたエリア毎に付与された単位面積当たりのインク量に基づいて前記遅延制御を開始する前記後続プリント媒体の搬送方向における位置を可変にする制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、インクを用いプリント媒体上への記録と前記プリント媒体の搬送を行うインクジェット記録方法において、先行プリント媒体上に付与される単位面積当たりのインク量に基づく判定基準によって、排出手段から排出される後続プリント媒体が、前記排出手段から排出された前記先行プリント媒体の所定領域に接触することを許容するまでの時間を決定し、決定された時間内に、前記後続プリント媒体が前記先行プリント媒体の所定領域に接触しないよう前記後続プリント媒体への記録中に記録の遅延制御を行うものであって、前記後続プリント媒体を搬送方向に所定の長さで分けたエリア毎に付与された単位面積当たりのインク量に基づいて前記遅延制御を開始する前記後続プリント媒体の搬送方向における位置を可変に制御することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、先行プリント媒体上の印字比率の高い部分を記憶し、インク定着時間が設定される。さらに後続プリント媒体の印字比率により、後続プリント媒体が先行プリント媒体に接触するタイミングが変化することに着目し、後続プリント媒体の記録速度を遅延する位置を、後続プリント媒体の印字比率により可変にしたことにより、排紙スミアを発生させず、かつスループットの低下も最小限におさえることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(実施例1)
図1は本発明によるインクジェット記録装置における排紙スミア制御のフローチャートである。
【0014】
本実施例ではまず、40%以上の印字比率と判定した部分に対して排紙スミアが起きない乾燥完了時間として、25秒を初期値としてメモリ上にセットする。それと同時に減算タイマカウンタをスタートさせる。また、判定された部分の位置(エリア)を示すデータ(ここでは1〜6)と、現在印字中の記録媒体であることを意味する1というデータがセットされる。
【0015】
次に、記録媒体がペーパーエンドセンサに検知されると排出するが、その時の用紙長は紙送り量で判定できるため、用紙サイズはこの時判明する。記録装置側では、2インチ毎にエリアを分割して管理し、用紙サイズが12インチであれば、図2に示すように6エリアとして管理する。
【0016】
次に、2ページ目の印字が開始され、1ページ目と同様のマーキング処理を行うと同時に、スミア制御を行うか否かの判定を行う。
【0017】
本実施例の記録装置においては、排紙口と排紙トレイの位置が十分に離れているため、印字開始時の始めの部分においては、記録媒体に先端が排紙された1ページ目の記録媒体には接しない。
【0018】
具体的に接し始めるのは、印字比率が80%の時においては、4インチの位置であり、40%の時は6インチの位置となる。
【0019】
つまり、印字比率が40%以上の時は、2インチ(エリア1エンド)から、印字比率が40%未満の時は4インチ(エリア2エンド)からスミア制御を開始することにより、排紙時のスミアを防止しながら、スループットの低下も最小に抑えることができる。即ち、2ページ目の、各印字比率において2インチおよび4インチまでは、スミアの判定無しにスループットを低下させることなく印字が可能であり、各エリアのエンドに来て初めて判定が開始される。
【0020】
2ページ目の、印字比率が40%以上であれば、2ページ目のエリア2の印字開始時から、1ページ目のエリア5を参照し、スミア制御を行うか否かの決定をし、印字比率が40%未満であれば、2ページ目のエリア3の印字開始時から、1ページ目のエリア4を参照し、スミア制御を行うか否かの決定を行う。
【0021】
以降、各エリアの先頭で、これから擦れて排紙スミアが生じるか否かを、そのエリアの定着時間カウントの残数を見て判断し、定着が完了していたらそのまま印字を続行し、完了していなければ、各ラインの印字間にウエイトタイムを設けるディレイ印字モードがセットされ実行される。
【0022】
更に印字がすすみ、2ページ目がペーパーエンドセンサを切った時点で、最終的に排紙してよいかどうかを、1ページ目のエリア6のカウント残数をみて判定する。
【0023】
図2は、用紙長12インチの用紙に割り当てられたエリアナンバーの状態を示した図である。本実施例では2インチ毎にエリアを分割して認識していく。エリア6が記録装置の排紙口側にあたる。
【0024】
図3は、図2の記録媒体の1ページ目が排紙され、2ページ目がエリア3を印字中の状態を示す。エリア3の印字中は、1ページ目のエリア4のカウント残数を参照しながら印字が行われる。
【0025】
図4はプリンタの印字機構を側面から見た図である。1はインクタンクを含むインクジェット記録ヘッドであり、2はキャリッジガイド軸、3は給紙ローラである。21はインクジェット記録ヘッドを装着するキャリッジであり、4は記録媒体を供給するための自動給紙装置である。5は記録媒体を排紙するための排紙ローラであり、6は排紙ローラに対向して設けられた排紙拍車である。9は記録紙の有無を検知するためのペーバーエンドセンサである。
【0026】
図5は記録装置が記録媒体を排紙している状態を示す図である。
【0027】
図5Aは2ページ目の記録媒体8の印字比率が80%の時、1ページ目の記録媒体7へ接地した状態を示す。この場合、2ページ目の記録媒体8のエリア3を印字中に、1ページ目の記録媒体7のエリア5に着地する。
【0028】
図5Bは2ページ目の記録媒体8の印字比率が40%の時、1ページ目の記録媒体7へ接地した状態を示す。この場合、2ページ目の記録媒体8のエリア4を印字中に、1ページ目の記録媒体7のエリア4に着地する。
【0029】
図6はプリンターの制御構成を示したブロック図である。10はインターフェイスであり、11はゲートアレイである。12はROM、13はDRAM、14はMPUである。15はヘッドドライバ、16は紙送り用のモータードライバ、19は紙送り用の搬送モータである。17はキャリッジモーター用のモータドライバ、20はキャリッジモータである。
【0030】
ホストからの印字データが10のインターフェイスを介して送られてくると、ゲートアレイ11を通してDRAM13に印字データが一時蓄えられる。その後、DRAM13のデータをゲートアレー11によって、ラスターデータから記録ヘッド18で印字するためのプリントイメージに変換し、再度DRAM13に記憶する。そのデータを再度ゲートアレイ11によって、ヘッドドライバ15を介して記録ヘッド18に送り、対応したノズル位置のインクを吐出させて印字を行う。その際にゲートアレイ11上に印字させるドットをカウントするためのカウンタを構成しておいて、高速で印字したドット数をカウント出来る構成としておく。
【0031】
17のキャリッジ用のモータードライバを介して20のキャリッジモーターを動作させ、記録ヘッド18の記録スピードにあわせて記録ヘッド18を主走査方向へ動かす。10msec毎にCPU14からゲートアレイ13に対して割り込み制御を行い、印字ドット数のカウンタ値の積算量を読みにいく。こうすることにより、単位時間の間に印字したドット数から単位面積当たりに印字した印字比率を検出することが可能となる。
【0032】
ここで、図1のフローチャートを用いて、本実施例の制御の詳細を説明する。
【0033】
まず、STEP1で記録装置の電源を入れる。STEP2で印字比率(デューティー)カウントルーチンがリセットされた後、スタートする。実際には、ただ電源を投入した状態では印字データが無いので、図6で14のMPUが11のゲートアレイのドットカウントのカウンターの積算値を10msecごとの割り込みルーチンで見にいっても、印字比率0%と計算される。
【0034】
次に、STEP3でエリアマーキングルーチンがスタートする。このルーチンでは、印字信号を受けてから実際に図6のモータードライバー16を介して記録媒体搬送モーター19が回転して記録媒体を送った量を管理し、本実施例では2インチごとにエリアナンバーを付けていく動作を開始する。
【0035】
次に、STEP20でディレイ印字モードがセットされているかどうかを検出する。ディレイ印字モードの詳細は後述するが、スミアを起こすと想定される部分の前でディレイ印字を行うようにセットされているかどうかをチェックする部分である。もしディレイ印字モードがセットされていたら、後述するSTEP18でセットされた内容に従い、ディレイ印字をSTEP21で行う。セットされていなければ、そのままSTEP22に進み通常に印字を行う。
【0036】
次に、STEP4では図4のペーパーエンドセンサー9が記録媒体のエンドを検出したかどうかを判定する。エンドを検出した場合はSTEP10へ行き、後端で必要な処理に移る。それ以外の場合はSTEP5へ行き、先ほどのSTEP3の処理でマーキングした各エリアの後端部であるかどうかを判定する。後端部であれば、定着性を判断してスミア抑制制御が必要かどうかを判断するため、STEP13へ行く。
【0037】
それ以外の場合はSTEP6に進み、STEP2でスタートした印字比率カウントルーチンを用いて印字比率を読み込み、高印字比率のスミアーを起こし易い部分かどうかの判定を10msec毎に行う。もし、印字比率が低ければSTEP20まで戻り、上記の動作を繰り返す。逆に印字比率が高いと判定された場合はSTEP7に進み、STEP3で開始したエリアマーキングルーチンからその部分がどのエリアにあるのかを判定しにいく。
【0038】
STEP8に進み、マーキング処理として3次元のディメンジョンに今印字中の記録媒体であることを示す2というマーキングを行う。更に、エリアナンバーと、排紙スミアーを起こさない為に必要な定着時間をマーキングする。この定着必要時間は、本実施例では40%の印字比率を越えた場合に25秒を一律にセットする。この状態を図1のSTEP8に示してあるが、印字比率やその他、記録媒体種や環境温度、環境湿度等に応じて、種々のパラメータをセットすることも可能である。
【0039】
次にSTEP9に進み、設定した定着必要時間を1秒毎に減算するタイマーをリセットアンドスタートする。一例として、図3の記録媒体の1ページ目のエリア1内に2つの高印字比率の部分が存在している場合を考える。
【0040】
まず、1つ目の高印字比率の部分がSTEP6で検知されると、その部分の印字比率が計算され、STEP8のマーキング処理により記憶される。次に、同じエリア内のもう一つの高印字比率の部分が検出されると、同様にSTEP8においてマーキング処理が行われる。この時点で同一エリア内に高印字比率の部分が存在していた場合には、本実施例では時間的に後から印字された方が優先され、マーキングデータがオーバーライトされる。他の例としては、同一エリア内に複数存在し、印字比率により定着必要時間の初期値を変化させている場合に於いては、その時点で先にマーキングされている部分の定着完了までの時間残数を確認し、同一エリア内の時間残数の大きい方を優先して少ない方の上にオーバーライトしてもよい。
【0041】
単純には、マーキングされた部分のすべての位置を記憶しても本実施例の思想上にあるが、基本的にはタイマーがマーキングした数だけ必要になり、プリンターで使用するようなMPUのタイマー機能では処理が重くなるので、本実施例のようにエリアという考え方をするのが有効である。エリアの究極的考えは、128ノズルのインクジェット記録ヘッドで印字するのであれば、128ノズル幅の長さとなる。言換えれば、1スキャンで印字する印字幅ということになる。そのスキャン内の印字は同一エリアとみなし、定着時間残数の多い方を選択してマーキングする等の処理も可能である。
【0042】
上述の状態を繰り返して、印字及び記録媒体の送りが進んでいく。STEP4でペーパーエンドセンサーがPEを検出した場合、STEP10に進む。ここでは、最後にほぼ印字が終了する印字中の記録媒体を、排紙口から排紙して積載して良いかの判定を行う。具体的には先に排紙されている記録媒体のエリア6の領域の定着時間残数をチェックし、0になっていたらSTEP11に進み排紙を許可する。
【0043】
0になっていなかったらSTEP10のループを回し、定着時間残数のカウント値が0になるまで排紙をウエイトする。STEP11で排紙が完了したら、STEP12で印字中の記録媒体であることを示すマーキングデータ中の“2”を、排紙された記録媒体であることを示す“1”に書き換える。それと同時に、メモリー位置を後ろ詰めに書き直す。これは、2ページ目の記録媒体が擦れ始める位置は後ろから2番目のエリアに決まっていたとすると、記録媒体の長さが変わっても後ろ基準に直しておけば、記録媒体長さが変わっても擦れ始めるメモリ上の位置を一定にできるので、ソフト上処理がしやすい為である。
【0044】
複数枚続けて印字を行う場合は、次の記録媒体が給紙されてくるわけであるが、同様に制御を続ける。
【0045】
STEP5で各エリアのエンドに達した場合のみ、STEP13に進む。電源を入れた直後や、しばらく印字を行っていなかった後の1枚目は、前に印字が行われていないので定着時間残数は0である。このため、ディレイ印字が行われることはないが、ルーチン的には1枚目も2枚目のそれ以降も同じである。
【0046】
STEP13では、まずエリア1のエンドであるかどうかの判定を行う。なぜならば、図8Aに示す様に、8の記録媒体が印字されながら排出されてきた状態に於いて排紙長さが短い場合においては、記録装置の先端は排紙口の高さがある程度高い場合、デューティーにかかわらず既に排紙された記録媒体と擦れることがない。このため、エリア1の領域ではディレイ印字をする必要がないので、元のルーチンにすぐ戻り印字を継続する。
【0047】
STEP14では、まずエリア2のエンドであるかどうかの判定を行う。エリア2のエンドであれば、STEP15では、さらにエリア1のデューティーが40%以上か否かの判定を行う。なぜならば、エリア1が高デューティーの場合、図5Aに示すように、着地するタイミングが早まるためであり、この位置からスミア制御を行う必要が生じる。また、エリア1が低デューティーであれば、STEP13同様、ディレイ印字をする必要がないので、元のルーチンに戻り印字を継続する。このSTEP14、15が本実施例の特徴である。
【0048】
40%以上であった場合は、STEP16で(1、5、**)の部分の定着時間残数をチェックしに行く。STEP17でエリア5の定着時間残数が残っている場合は、印字を遅延させる為にSTEP18に進みディレイ印字モードをセットする。定着時間残数が無い場合には、STEP19に進みディレイ印字モードをセットせず、その前にデッィレイ印字モードがセットされていたのをリセットする。
【0049】
STEP18のディレイ印字モードのセットの方法は、いくつかの方法が考えられる。一番単純なモードとしては、エリア1のエンドで排紙された記録媒体上のエリア5の定着時間残数をみて、残数があればその場でその時間残数だけ印字をストップするモードを設定する。するとSTEP20でディレイ印字モードが設定されているのをチェックして、STEP21で実際にウエイトが設定された時間だけかかり、エリア5で排紙スミアーが起こるのを防止することができる。この場合に於いてはエリア5に、印字中の記録媒体のエリア3の中で記録媒体が垂れ下がりスミアが発生するという想定で設定されている。その他のエリアは同様に制御を繰り返す。
【0050】
上述の方法ではSTEP5で各エリアのエンドを検知していたが、別の例としては、各エリアの頭を検知するようにし、STEP16でエリア2の頭を検知して、その時点でやはりエリア5の定着時間残数をチェックし、STEP17で定着時間残数があった場合、STEP18に進み、そこでディレイ印字モードをセットする。この場合に於いてはSTEP16で読み込んだ定着時間残数に対して、エリア2のエンドに到達する時点で定着時間残数が0になるように各1ライン毎の印字スキャンの間にウエイトタイムを入れる。このウエイトの方法としては、印字の為の記録周波数そのものを落とすか、1スキャンで印字するノズル数を減らして複数回に分けて印字する等が考えられる。
【0051】
以上のように、定着時間残数が多ければ多いほど各印字スキャンの間のウエイトタイムが長くなる。この様な動作を各エリアの頭で判定して繰り返し行い、定着時間残数の有るところを擦らないようにして印字を完成していく。あとは同様にSTEP4でペーパーエンドを検出したら前述の動作をし、以降は同様である。
【0052】
以上説明した様に、排紙スミアの抑制制御を行うにあたり、先に印字された印字物の中に高印字比率の部分が含まれているかどうか検出し、その部分の位置とその部分が排紙スミアーを起こさなくなるまでの定着必要時間を管理し、次のページの記録媒体がその部分を通過する前に定着が完了しているかどうかをチェックし、定着が完了している部分に関しては記録速度を落とすこと無く印字を続行することで、記録装置の最大速度で高速に印字が続行出来る。一方、定着が完了していなくて排紙スミアを起こしそうな部分に限って、その手前でディレイ印字モードをセットすることで、排紙スミアーを防止できる。さらに次の(印字中の)ページの記録媒体の印字比率を考慮し、即ち印字比率によって着地位置が変化することにも着目し、ディレイ印字モードが有効になるエリアを可変にすることにより、排紙スミア制御エリアを最小限にすることが可能となり次のページは前のページのインクの定着が完了した後の最短時間で通過出来る。
【0053】
これにより、排紙スミアーを本当に防止しなくてはならないほんの一部の部分のみスピードを落とし、その他の部分は記録装置の持つ最高速度で効率よく印字出来るようにいたものである。又、記録媒体の先端部分や後端部には記録装置の持つ構造上からスミアの起こしにくい部分があり、これらをも有効に制御してユーザーに対して最大限のメリットを与えようとするものである。
【0054】
(実施例2)
実施例2は、実施例1に対して更に記録媒体種に応じて定着時間残数の初期値を変えたものである。例えば、図1のSTEP8に於いて記録媒体Aの時は最大15秒、記録媒体Bの場合は定着性が悪いので最大45秒をセットする。更に、その定着時間残数は初期値を環境温度や湿度により変更しても良い。例えば高温高湿度の場合は記録媒体Aの場合は通常の環境で有れば15秒とセットするところを、その温湿度により30秒とか45秒にセットする事も有効である。逆に乾燥している場合は10秒というように短くする事も可能である。
【0055】
(実施例3)
記録ヘッドを交換する等により吐出量を変更した場合や、インク種が異なり定着性が大きく異なる場合に、それらの特性に合わせて自動的にIDを読みとって制御パラメーターを変更したり、プリンタードライバの設定により制御パラメーターを自動的に変更したり、ユーザーがインプットする等の方法で変更しても有効である。
【0056】
(その他)
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液的を形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを用いた記録装置において優れた効果をもたらすものである。
【0057】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出来る。
【0058】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
【0059】
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0060】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0061】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
【0062】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して2個以上の個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0063】
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0064】
なお、本発明において記録とは、文字や画像等を表現するデータに基づいて紙等の媒体にインクを付着させることのみならず、無意味なデータ、例えばランダムデータやベタデータを付着させることをも意味する。
【0065】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、定着が完了している部分に関しては記録速度を落とすことなく印字を続行することで記録装置の最大速度で高速に印字を行い、定着が完了していなくて排紙スミアを起こしそうな部分に限ってその手前でディレイ印字モードをセットしているので、排紙スミアを防止しつつ印字速度の低下を抑えることができる。
【0066】
さらに、次のページの印字比率によってディレイ印字モードが有効になるエリアを可変にしているので、排紙スミア制御エリアを最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例における記録媒体上のエリアのマーキングを示す図である。
【図3】本発明の実施例における記録媒体の1ページ目と2ページ目のマーキングの状態を示す図である。
【図4】本発明に適用可能な記録装置の側面図である。
【図5】本発明に係る記録装置が記録媒体を排紙している状態を示す。
【図6】本発明に係る記録装置を制御する回路のブロック図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
4 自動給紙装置
7 1ページ目の記録媒体
8 2ページ目の記録媒体
9 ペーパーエンドセンサ

Claims (6)

  1. インクを用いたプリント媒体上への記録と前記プリント媒体の搬送を行うインクジェット記録装置において、
    記録されたプリント媒体を排出する排出手段と、
    先行プリント媒体上に付与される単位面積当たりのインク量に基づく判定基準によって、前記排出手段から排出される後続プリント媒体が、前記排出手段から排出された前記先行プリント媒体の所定領域に接触することを許容するまでの時間を決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された時間内に、前記後続プリント媒体が前記先行プリント媒体の所定領域に接触しないよう前記後続プリント媒体への記録中に記録の遅延制御を行う制御手段であって、前記後続プリント媒体を搬送方向に所定の長さで分けたエリア毎に付与された単位面積当たりのインク量に基づいて前記遅延制御を開始する前記後続プリント媒体の搬送方向における位置を可変にする制御手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記決定手段は、プリント媒体の種類に基づいて前記後続プリント媒体が前記先行プリント媒体の所定領域に接触することを許容するまでの時間を決定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 周囲の雰囲気温度を検知するための温度センサをさらに有し、
    前記決定手段は、前記温度センサによる検出温度に基づいて前記後続プリント媒体が前記先行プリント媒体に接触することを許容するまでの時間を決定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記決定手段は、記録に用いられるインク種に基づいて前記後続プリント媒体が前記先行プリント媒体に接触することを許容するまでの時間を決定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御手段は、プリント媒体の種類に基づいて前記後続プリント媒体への記録速度の制御の搬送方向についての開始位置を可変にすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  6. インクを用いプリント媒体上への記録と前記プリント媒体の搬送を行うインクジェット記録方法において、
    先行プリント媒体上に付与される単位面積当たりのインク量に基づく判定基準によって、排出手段から排出される後続プリント媒体が、前記排出手段から排出された前記先行プリント媒体の所定領域に接触することを許容するまでの時間を決定し、
    決定された時間内に、前記後続プリント媒体が前記先行プリント媒体の所定領域に接触しないよう前記後続プリント媒体への記録中に記録の遅延制御を行うものであって、前記後続プリント媒体を搬送方向に所定の長さで分けたエリア毎に付与された単位面積当たりのインク量に基づいて前記遅延制御を開始する前記後続プリント媒体の搬送方向における位置を可変に制御することを特徴とするインクジェット記録方法。
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