JP3656616B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関において流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときにNOXを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比がリッチとなると吸蔵しているNOXを放出して排気ガス中の還元剤によりNOXを浄化することができるNOX触媒が公知である。
【0003】
上記NOX触媒はNOXだけでなく、排気ガス中に硫黄酸化物SOXの形で含まれている硫黄成分までも吸蔵してしまう。そしてNOX吸蔵剤に吸蔵されたSOXが多くなるとNOX触媒のNOX吸蔵能力が低下する。このようにNOX吸蔵能力が低下するとNOX触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンである間にNOX触媒はもはやNOXを吸蔵することができなくなってしまうことがある。この場合、NOXがNOX触媒から下流へと流出し、排気エミッションが悪化する。
【0004】
ところでNOX触媒に吸蔵されている硫黄成分はNOX触媒の温度が或る一定温度以上となり且つNOX触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチとなるとNOX触媒から放出される。そこでNOX触媒に吸蔵されている硫黄成分を放出させるべきときにはNOX触媒の温度を或る一定温度以上に上昇させ且つNOX触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチとすれば吸蔵されている硫黄成分がNOX吸蔵剤から放出され、斯くしてNOX触媒のNOX吸蔵能力が回復せしめられる。
【0005】
ところでNOX触媒からSOXを放出させると放出されたSOXの一部が排気ガス中のHCやCOと反応して硫化水素H2Sを生成する。このH2Sは短時間に大量に発生すると強い臭気を放つ。したがってこのことを回避するためには単位時間当たりのH2Sの発生量を或る一定量以下に維持しつつNOX触媒からSOXを放出させる必要がある。このようにH2Sの発生量を或る一定量以下に維持しようとした技術が特開2000−274232号に開示されている。上記公報に記載の技術ではNOX触媒に流入する排気ガスのリッチ度合が大きくなるとH2S発生量が多くなることから排気ガスの空燃比のリッチ度合を予め定められた間隔にて周期的に増減することにより単位時間当たりにNOX触媒から放出されるSOXの量が平均して一定量以下となるようにし、これによりH2Sが一時に大量に発生しないようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したように上記公報に記載の技術ではH2Sが一時に大量に発生しないように排気ガスの空燃比のリッチ度合を予め定められた間隔にて周期的に増減する。云い換えれば排気ガスの空燃比の平均のリッチ度合は予め定められた値に設定されており、H2S発生量に基づいて制御されるわけではない。すなわち排気ガスの空燃比の平均のリッチ度合はH2Sの発生量とは無関係に設定されている。ところがH2S発生量は排気ガスの空燃比のリッチ度合以外の要因によっても変化する。したがって排気ガスの平均空燃比が予め定められたリッチ度合となるように排気ガスの空燃比のリッチ度合を予め定められた間隔にて周期的に増減しても機関運転状態によってはH2Sが大量に発生する可能性がある。
このことはNOX触媒のみならず排気ガス中の硫黄成分を吸蔵してしまうことによってその浄化機能が低下してしまう排気浄化触媒において該排気浄化触媒から硫黄成分を放出させるために排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチとする場合にも等しく当てはまる問題である。
【0007】
こうした事情に鑑み本発明の目的は排気浄化触媒から硫黄成分を放出させるときに単位時間当たりに発生する硫化水素の量を一定量以下に確実に維持することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明では、排気ガス中の成分を浄化するための排気浄化触媒と、該排気浄化触媒に排気ガス中の硫黄成分が吸蔵され、該吸蔵された硫黄成分を排気浄化触媒から放出させるべきときには排気浄化触媒の温度を所定温度以上とすると共に該排気浄化触媒に流入させる排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチとする硫黄成分放出処理を実行するための硫黄成分放出処理手段と、硫黄成分放出処理中に排気浄化触媒から放出された硫黄成分から生成される硫化水素の量を一定量以下に維持するための硫化水素量制御手段とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、排気浄化触媒から流出している硫化水素の量または排気浄化触媒から流出すると予想される硫化水素の量を検出するための硫化水素量検出手段を具備し、硫化水素量検出手段の出力に基づいて硫化水素量制御手段の作動を制御する。
【0009】
上述したように従来では、製造時に予め設定された硫黄成分放出制御によって硫化水素が一時に大量に発生しないようにしていた。ところが、硫化水素の発生量は内燃機関の運転状態等の様々な要因によって変化するにも関わらず、上記予め設定された硫黄成分放出制御ではこれら要因が考慮されておらず、硫化水素が大量に発生してしまう可能性があった。これに対して第1の発明の排気浄化装置では、硫化水素量検出手段により検出された硫化水素の量、すなわち上記様々な要因によって変化した硫化水素の量に基づいて硫化水素量制御手段の作動が制御される。したがって、排気浄化触媒から流出する硫化水素の量に無関係に硫化水素量制御手段の作動が制御されるわけではない。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、上記硫化水素量検出手段は硫化水素センサによって排気浄化触媒から流出している実際の硫化水素の量を直接検出する。すなわち第2の発明の排気浄化装置では、実際に発生した硫化水素の量が検出されるため、排気浄化触媒から流出している硫化水素の量が正確に検出される。
【0011】
第3の発明では、第1または第2の発明において、上記硫化水素量制御手段が排気浄化触媒の温度を制御することにより硫黄成分放出処理中に排気浄化触媒から流出する硫化水素の量を一定量以下に維持する。
【0012】
第4の発明では、第1〜第3のいずれか一つの発明において、上記硫化水素量制御手段が排気浄化触媒に流入する排気ガスの特性を制御することにより硫黄成分放出処理中に排気浄化触媒から流出する硫化水素の量を一定量以下に維持する。
【0013】
第5の発明では、第1〜第4のいずれか一つの発明において、上記硫化水素量検出手段が硫黄成分放出処理中に一定量以上の量の硫化水素を検出したときに硫化水素量制御手段を作動する。
【0014】
第6の発明では、第1〜第4のいずれか一つの発明において、上記硫化水素量制御手段は硫黄成分放出処理中に排気浄化触媒から流出する硫化水素の量を一定量以下に維持することができる排気浄化触媒の温度を硫化水素量検出手段の出力に基づいて目標温度として設定し、排気浄化触媒の温度が該目標温度となるように排気浄化触媒の温度を制御する。
【0015】
第7の発明では、第6の発明において、上記硫化水素量制御手段は硫化水素量検出手段が一定量以上の量の硫化水素を検出したときに目標温度を下げる。
【0016】
第8の発明では、第1の発明において、上記硫化水素量制御手段は、硫黄成分放出処理中に硫化水素量検出手段により検出された硫化水素の量が一定量以上となる場合には排気浄化触媒の少なくとも最も高温な部分の温度を下げることにより排気浄化触媒から流出する硫化水素の量を一定量以下に維持する。
【0017】
第9の発明では、第8の発明において、上記硫化水素量制御手段は、排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量と排気ガスが排気浄化触媒を通過するときの通過方向とのうち少なくともいずれか一方を変えることにより排気浄化触媒の少なくとも最も高温な部分の温度を下げる。
【0018】
第10の発明では、第8または第9の発明において、上記排気浄化触媒をバイパスするためのバイパス通路と、排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量とバイパス通路に流入する排気ガスの流量とを調整するための流量調整弁と、排気浄化触媒に流入する排気ガス中に燃料を添加するための還元剤添加装置とをさらに具備し、上記硫黄成分放出処理手段は排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量が内燃機関から排出された排気ガスの流量よりも少なく設定されるように流量調整弁を調整すると共に排気浄化触媒に流入する排気ガス中に燃料を添加し、上記硫化水素量制御手段は、硫化水素量検出手段によって検出された硫化水素の量が上記一定量以上となる場合には排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量が上記硫黄成分放出処理手段によって設定された流量よりも多くなるように流量調整弁を調整して排気浄化触媒の温度を下げるようにする。
【0019】
通常、硫黄成分放出処理を行う場合には、排気浄化触媒の温度を所定温度以上とし且つ排気浄化触媒に流入させる排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチとするために内燃機関の運転パラメータ(例えば点火時期、燃料噴射量、吸気弁や排気弁の開弁時期等)が変更される。また硫黄成分放出処理中に排気浄化触媒の温度を下げるにも同様に内燃機関の運転パラメータが変更される。ところが、このように内燃機関の運転パラメータが変更されてしまうと運転パラメータが内燃機関の運転状態に対して最適な値とは異なった値になってしまう。これに対して第10の発明によれば、還元剤添加装置(例えば燃料添加装置)により還元剤(例えば燃料、HC、CO)を添加することによって硫黄成分放出処理が行われるため、硫黄成分放出処理を実行するにあたって内燃機関の運転パラメータを変更する必要がない。さらに、硫化水素量制御手段も内燃機関の運転パラメータや燃料添加装置からの燃料添加量を変えることなく、流量調整弁を調整するだけで排気浄化触媒から流出する硫化水素の量を一定量以下に維持することができる。よって、内燃気化の運転パラメータが内燃機関の運転状態に対して最適な値とは異なった値になってしまうことが防止される。
【0020】
また、燃料添加装置から燃料を添加し且つ排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量を減らすことによって排気浄化触媒の温度を上げるようにした排気浄化装置では、排気浄化触媒の硫黄成分放出処理中に、燃料添加装置からの燃料添加を停止することによっても排気浄化触媒の温度が下げられる。ところがこの場合、排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量が少なくなっているため排気浄化触媒の熱は排気ガスに伝達されにくく、よって排気浄化触媒の温度は下がりにくい。これに対して第10の発明によれば、排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量が多くなるため排気浄化触媒の熱は排気ガスに伝達されやすくなり、よって排気浄化触媒の温度が迅速に下げられる。
【0021】
第11の発明では、第10の発明において、上記バイパス通路上にもさらに排気ガス中の成分を浄化するための排気浄化触媒が配置される。
第11の発明によれば、硫黄成分放出処理中に排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量が内燃機関から排出された排気ガスの流量よりも少なく設定されるように流量調整弁を調整されたときにバイバス通路に流れた排気ガスも浄化される。
【0022】
第12の発明では、第8または第9の発明において、排気ガスが排気浄化触媒を通過するときの通過方向を順方向と該順方向とは反対方向の逆方向との間で切り換えることができ、上記硫化水素量制御手段は、排気ガスの通過方向が上記順方向と逆方向とのうち一方の方向へ流れているときに硫化水素量検出手段によって検出された硫化水素の量が上記一定量以上となる場合には排気ガスの通過方向をその時の通過方向とは反対方向となるように切り換えることによって排気浄化触媒の少なくとも最も高温な部分の温度を下げるようにした。
【0023】
通常、硫黄成分放出処理を実行するときのように排気浄化触媒を空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチの排気ガスが流れる場合、排気浄化触媒内で発熱反応が起こるため、排気浄化触媒の排気下流側部分の温度が高くなる。したがって、硫黄成分放出処理によって排気浄化触媒から硫化水素が流出する場合には硫化水素は排気下流側の排気浄化触媒の部分に発生する。一方、排気浄化触媒の排気上流側部分の温度は比較的低く、この部分においては硫化水素は発生していない。第11の発明の排気浄化装置によれば、排気ガスの通過方向を切り換える前に排気下流側であった排気浄化触媒の部分の温度は高温となっており、硫化水素の量が上記一定量以上となる場合にこの排気浄化触媒の部分は排気ガスの通過方向を切り換えることによって排気上流側となり徐々に降温せしめられる。一方、排気ガスの通過方向を切り換える前に排気上流側であった排気浄化触媒の部分の温度は触媒内において低温となっており、この排気浄化触媒の部分は排気ガスの通過方向を切り換えることによって排気下流側となり昇温せしめられる。このような制御を行うことによって排気ガスの流れ方向を切り換えるだけで流出する硫化水素の量を一定量以下に維持することができるため、流出する硫化水素の量を一定量以下に維持するために内燃機関の運転パラメータや燃料添加装置からの燃料添加量を変える必要がない。
【0024】
第13の発明では、第8〜第12のいずれか一つの発明において、上記硫化水素量検出手段は、排気浄化触媒から流出する実際の硫化水素の量以外の内燃機関の運転に関するパラメータおよび排気浄化触媒に流入する排気ガスの特性に関するパラメータおよび排気浄化触媒の状態に関するパラメータのうち少なくとも一つのパラメータを検出するためのパラメータ検出手段を具備し、該パラメータ検出手段によって検出されたパラメータの値から排気浄化触媒から流出すると予想される硫化水素の量を推定する。
第13の発明の排気浄化装置によれば、排気浄化触媒から流出すると予想される硫化水素の量を推定することができるため、実際に排気浄化触媒から流出する硫化水素の量が上記一定量に到達する前に硫化水素量制御手段を作動させることができる。なお、内燃機関の運転に関するパラメータとは例えば点火時期、燃料噴射量、吸・排気弁の開弁時期を意味し、排気ガスの特性に関するパラメータとは例えば排気ガスの空燃比、温度、流量を意味し、また排気浄化触媒の状態に関するパラメータとは例えば排気浄化触媒の温度、硫黄成分の堆積量を意味する。
【0025】
第14の発明では、第13の発明において、上記パラメータ検出手段は排気浄化触媒近傍における排気ガスの温度を検出するための排気温センサを少なくとも具備する。
【0026】
第15の発明では、第8〜第14の発明において、上記一定量が零である。
通常、排気浄化触媒から硫黄成分が放出される排気浄化触媒の温度よりも硫化水素が流出する排気浄化触媒の温度の方が高温である。したがって、第15の発明の排気浄化装置によれば、排気浄化触媒から硫黄成分を放出しながらも硫化水素の発生量を零にすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1に概略的に示した機関本体1は筒内噴射型火花点火式内燃機関を示す。しかしながら、本発明を別の火花点火式内燃機関や圧縮着火式内燃機関に適用してもよい。
【0028】
図1に示したように、本発明の第一の実施例では機関本体1はシリンダブロック2と、シリンダブロック2内で往復動するピストン3と、シリンダブロック2上に固定されたシリンダヘッド4とを具備する。ピストン3とシリンダヘッド4との間には燃焼室5が形成される。シリンダヘッド4には各気筒毎に吸気弁6と、吸気ポート7と、排気弁8と、排気ポート9とが配置される。さらに、図1に示したようにシリンダヘッド4の内壁面の中央部には点火プラグ10が配置され、シリンダヘッド4内壁面周辺部には燃料噴射弁11が配置される。またピストン3の頂面には燃料噴射弁11の下方から点火プラグ10の下方まで延びるキャビティ12が形成されている。
【0029】
各気筒の吸気ポート7は夫々対応する吸気枝管13を介してサージタンク14に連結され、サージタンク14は吸気ダクト15およびエアフロメータ16を介してエアクリーナ(図示せず)に連結される。吸気ダクト15内にはステップモータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置される。一方、各気筒の排気ポート9は排気マニホルド19に連結され、この排気マニホルド19は酸化触媒または三元触媒20を内蔵した触媒コンバータ21および排気管22を介してNOX吸蔵剤23を内蔵したケーシング24に連結される。排気マニホルド19とサージタンク14とは再循環排気ガス(以下、EGRガスと称す)導管26を介して互いに連結され、このEGRガス導管26内にはEGRガス制御弁27が配置される。
【0030】
電子制御ユニット(ECU)31はディジタルコンピュータからなり、双方向性バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36および出力ポート37を具備する。エアフロメータ16は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、この出力電圧が対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。排気マニホルド19には空燃比を検出するための空燃比センサ28が取付けられ、この空燃比センサ28の出力信号が対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。またNOX吸蔵剤23を内蔵したケーシング24の出口に接続された排気管25内にはH2Sセンサ29と、排気ガス中のNOX濃度を検出可能な従来型のNOXセンサ30とが配置され、これらH2Sセンサ29およびNOXセンサ30の出力信号が対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。
【0031】
またアクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。クランク角センサ42は例えばクランクシャフトが30度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート36に入力される。CPU35ではこのクランク角センサ42の出力パルスから機関回転数が計算される。一方、出力ポート37は対応する駆動回路39を介して点火プラグ10、燃料噴射弁11、ステップモータ17およびEGRガス制御弁27に接続される。
【0032】
次に、図2を参照してH2Sセンサ29の構造について簡単に説明する。H2Sセンサ29は酸素イオン導電性固体電解質51の一方の面に貴金属製電極からなる参照極52を配置し、他方の面に貴金属製電極からなる検出極53を配置し、これら電極52、53を焼結し、さらに検出極53表面を金属酸化物半導体層54で被覆して焼成して形成される。両電極52、53には貴金属製の導線55が接続され、これら導線55には電圧計56が接続される。酸素イオン導電性固体電解質51は酸化イットリウムY23や酸化カルシウムCaOで安定化した酸化ジルコニウムZrO2や酸化セリウムCeO2からなり、その形状はチューブ状または平板状である。参照極52および検出極53は貴金属、例えば白金Pt、ロジウムRh、パラジウムPd、イリジウムIr、ルテニウムRu、オスミウムOsまたはこれらの合金からなる。金属酸化物半導体層54は酸化タングステンWO3、酸化スズSnO2、酸化インジウムIn23からなる。
【0033】
上述したH2SセンサのH2S濃度の検出メカニズムについて説明する。酸素イオン導電性個体電解質51の一方の面に配置された貴金属製の検出極53において酸素O2が酸素イオンO2-へとイオン化される。この検出極53における酸素O2のイオン化反応により電位が発生する。さらに金属酸化物半導体層54においてH2Sがこの酸素イオンO2-により酸化され、水蒸気H2Oや酸化硫黄SO2等に変化する。この金属酸化物半導体54におけるH2Sの酸化反応によっても電位が発生する。これら酸素のイオン化反応に起因する電位とH2Sの酸化反応に起因する電位との混成電位はH2Sの濃度に依存した電位であり、また参照極52はこれら酸素のイオン化反応およびH2Sの酸化反応には寄与しない。したがってこの混成電位を参照極52の参照電位との電位差として電圧計56で検出すればH2Sの濃度を直接検出することができる。
【0034】
次に図3(A)を参照しつつ図1に示した内燃機関の燃料噴射制御について説明する。なお図3(A)において縦軸は機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機関回転数N)を表しており、横軸は機関回転数Nを表している。
【0035】
図3(A)において実線X1よりも低負荷側の運転領域では成層燃焼が行われる。すなわちこのときには図1に示したように圧縮行程末期に燃料噴射弁11からキャビティ12内に向けて燃料Fが噴射される。この燃料はキャビティ12の内周面により案内されて点火プラグ10周りに混合気を形成し、この混合気が点火プラグ10によって着火燃焼せしめられる。このとき燃焼室5内における平均空燃比はリーンとなっている。
【0036】
一方、図3(A)において実線X1よりも高負荷側の領域では吸気行程中に燃料噴射弁11から燃料が噴射され、このときには均一混合気燃焼が行われる。なお実線X1と鎖線X2との間ではリーン空燃比のもとで均一混合気燃焼が行われ、鎖線X2と鎖線X3との間では理論空燃比のもとで均一混合気燃焼が行われ、鎖線X3よりも高負荷側ではリッチ空燃比のもとで均一混合気燃焼が行われる。
【0037】
本発明では空燃比を理論空燃比とするのに必要な基本燃料噴射量TAUが図3(B)に示したように機関負荷Q/Nおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM34内に記憶されており、基本的にはこの基本燃料噴射量TAUに補正係数KAを乗算することによって最終的な燃料噴射量TAUO(=KA・TAU)が算出される。この補正係数KAは図3(C)に示したように機関負荷Q/Nおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM34内に記憶されている。
【0038】
この補正係数KAの値はリーン空燃比のもとで燃焼が行われる図3(A)の鎖線X2よりも低負荷側の運転領域では1.0よりも小さく、リッチ空燃比のもとで燃焼が行われる図3(A)の鎖線X3よりも高負荷側の運転領域では1.0よりも大きくなる。またこの補正係数KAは鎖線X2と鎖線X3との間の運転領域では1.0とされ、このとき空燃比は理論空燃比となるように空燃比センサ28の出力信号に基づいてフィードバック制御される。
【0039】
機関排気通路内に配置されたNOX吸蔵剤23は例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されている。この場合、ケーシング24内に例えばコージライトからなるパティキュレートフィルタを配置し、このパティキュレートフィルタ上にアルミナを担体とするNOX吸蔵剤23を担持させることもできる。
【0040】
いずれの場合であっても機関吸気通路、燃焼室5およびNOX吸蔵剤23上流の排気通路内に供給された燃料(炭化水素)の量に対する空気の量の比をNOX吸蔵剤23への流入排気ガスの空燃比と称すると、このNOX吸蔵剤23は流入排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOXを吸蔵し、流入排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチになると吸蔵したNOXを放出するNOXの吸放出作用を行う。
【0041】
ところでNOX吸蔵剤23のNOX吸蔵能力には限界があり、したがってNOX吸蔵剤23のNOX吸蔵能力が飽和する前にNOX吸蔵剤23からNOXを放出させる必要がある。ところがNOX吸蔵剤23はNOX吸蔵能力が十分なうちは排気ガス中に含まれるほとんど全てのNOXを吸蔵するがNOX吸蔵能力の限界に近づくと一部のNOXを吸蔵しえなくなり、斯くしてNOX吸蔵剤23がNOX吸蔵能力の限界に近づくとNOX吸蔵剤23から下流へ流出するNOX量が増大しはじめる。
【0042】
そこでNOX吸蔵剤23に吸蔵されているトータルのNOX吸蔵量を推定し、このNOX吸蔵量が最大NOX吸蔵量に近づいたときにNOX吸蔵剤23に流入する排気ガスの空燃比(以下、排気空燃比と称す)を一時的にリッチにしてNOX吸蔵剤23からNOXを放出させる。この場合、NOX吸蔵剤23に流入する排気空燃比をリッチにするには種々の方法がある。例えば燃焼室5内における混合気の平均空燃比をリッチにすることにより排気空燃比をリッチにすることもできるし、膨張行程末期または排気行程中に追加の燃料を噴射することによって排気空燃比をリッチにすることもできるし、またはNOX吸蔵剤23上流の排気通路内に追加の燃料を添加することによって排気空燃比をリッチにすることもできる。
【0043】
このNOX吸蔵剤23を機関排気通路内に配置すればNOX吸蔵剤23は実際にNOXの吸放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムについては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸放出作用は図4に示したようなメカニズムで行われているものと考えられる。次にこのメカニズムについて担体上に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例にとって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0044】
図1に示した内燃機関では使用頻度の高い大部分の運転状態において空燃比がリーンの状態で燃焼が行われる。このように空燃比がリーンの状態で燃焼が行われている場合には排気ガス中の酸素濃度は高く、このときには図4(A)に示したようにこれら酸素O2がO2 -またはO2-の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガス中のNOは白金Ptの表面上でO2 -またはO2-と反応し、NO2となる(2NO+O2→2NO2)。次いで生成されたNO2の一部は白金Pt上で酸化されつつ吸蔵剤内に吸蔵されて酸化バリウムBaOと結合しながら図4(A)に示したように硝酸イオンNO3 -の形で吸蔵剤内に拡散する。このようにしてNOXがNOX吸蔵剤23内に吸蔵される。流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Ptの表面でNO2が生成され、吸蔵剤のNOX吸蔵能力が飽和しない限りNO2が吸蔵剤内に吸蔵されて硝酸イオンNO3 -が生成される。
【0045】
一方、流入排気空燃比がリッチにされると流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、その結果、白金Ptの表面でのNO2の生成量が低下する。NO2の生成量が低下すると反応が逆方向(NO3 -→NO2)に進み、斯くして吸蔵剤内の硝酸イオンNO3 -がNO2の形で吸蔵剤から放出される。このときNOX吸蔵剤23から放出されたNOXは図4(B)に示したように流入排気ガス中に含まれる多量の未燃HC,COと反応して還元せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にNO2が存在しなくなると吸蔵剤から次から次へとNO2が放出される。したがって流入排気空燃比がリッチにされると短時間のうちにNOX吸蔵剤23からNOXが放出され、しかもこの放出されたNOXが還元されるために大気中にNOXが排出されることはない。
【0046】
なおこの場合、流入排気空燃比を理論空燃比にしてもNOX吸蔵剤23からNOXが放出される。しかしながら流入排気空燃比を理論空燃比にした場合にはNOX吸蔵剤23からNOXが徐々にしか放出されないためにNOX吸蔵剤23に吸蔵されている全NOXを放出させるには若干長い時間を要する。
ところで排気ガス中には硫黄成分が主にSOXの形で含まれており、NOX吸蔵剤23にはNOXばかりでなくSOXも吸蔵される。このNOX吸蔵剤23へのSOXの吸蔵メカニズムはNOXの吸蔵メカニズムと同じであると考えられる。すなわちNOXの吸蔵メカニズムを説明したときと同様に担体上に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例にとって説明すると前述したように流入排気空燃比がリーンのときには酸素O2がO2 -またはO2-の形で白金Ptの表面に付着しており、流入排気ガス中のSO2は白金Ptの表面上でO2 -またはO2-と反応してSO3となる。次いで生成されたSO3の一部は白金Pt上でさらに酸化されつつ吸蔵剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硫酸イオンSO4 2-の形で吸蔵剤内に拡散し、安定した硫酸塩BaSO4を生成する。
【0047】
しかしながらこの硫酸塩BaSO4は安定していて分解しづらく、流入排気空燃比を単にリッチにしただけでは硫酸塩BaSO4は分解されずにそのまま残る。したがってNOX吸蔵剤23内には時間が経過するにつれて硫酸塩BaSO4が増大することになり、斯くして時間が経過するにつれてNOX吸蔵剤23が吸蔵しうるNOX量が低下することになる。すなわち時間が経過するにつれてNOX吸蔵剤23が劣化することになる。
【0048】
ところがこの場合、NOX吸蔵剤23の温度が一定温度、例えば600℃以上になるとNOX吸蔵剤23内において硫酸塩BaSO4が分解し、このときNOX吸蔵剤23に流入する排気空燃比をリッチにするとNOX吸蔵剤23からSOXを放出させることができる。そこで本発明の実施例ではNOX吸蔵剤23からSOXを放出すべきときにはNOX吸蔵剤23の温度を上昇させると共にNOX吸蔵剤23に流入する排気空燃比をリッチにしてNOX吸蔵剤23から硫黄成分またはSOXを放出させるSOX放出処理を実行するようにしている。
【0049】
次に図5を参照して第一の実施例のSOX放出処理について説明する。図5においてΣSOXはNOX吸蔵剤23に吸蔵されているトータルのSOX量(以下、総SOX吸蔵量と称す)、SOXmaxはNOX吸蔵剤23に吸蔵される最大のSOXの量(以下、限界値と称す)、A/Fは排気空燃比、TcatはNOX吸蔵剤23の温度(以下、吸蔵剤温度と称す)、T1はSOXをNOX吸蔵剤23から放出させることができる温度(以下、SOX放出温度と称す)、H2Sは単位時間当たりにNOX吸蔵剤23にて発生するH2S発生量を示す。
図5に示したように排気空燃比A/FがリーンR1である間はSOXがNOX吸蔵剤23に吸蔵され続けるので総SOX吸蔵量ΣSOXは徐々に増大する。そして本実施例では総SOX吸蔵量ΣSOXが限界値SOXmaxよりも僅かに小さい値(以下、判定値と称す)SOXlowを超えたときに排気空燃比をリーンR1から理論空燃比よりも僅かにリッチである弱リッチR2へ切り換える。このように排気空燃比がリーンR1から弱リッチR2に切り換えられると排気ガス中の未燃の燃料がNOX吸蔵剤23において燃焼し、これにより吸蔵剤温度Tcatが上昇する。吸蔵剤温度TcatがSOX放出温度T1に達するまではSOXはNOX吸蔵剤23に吸蔵され続けるが吸蔵剤温度TcatがいったんSOX放出温度T1に達するとSOXがNOX吸蔵剤23から放出され始めるので総SOX吸蔵量ΣSOXが減少し始める。
【0050】
その後、排気空燃比A/Fは吸蔵剤温度TcatがSOX放出温度T1以上に維持されると共にH2S発生量が許容範囲内に収まるように制御される。この排気空燃比A/Fの制御については後述する。このように吸蔵剤温度TcatがSOX放出温度T1以上に維持されているとSOXはNOX吸蔵剤23から放出され続け、したがって総SOX吸蔵量ΣSOXは徐々に減少する。そして総SOX吸蔵量ΣSOXが零となったところで排気空燃比A/FがリーンR1に戻され、これによりSOX放出処理が終了せしめられる。斯くして本実施例によればNOX吸蔵剤23から全てのSOXが放出され、これによりNOX吸蔵剤23のNOX吸蔵能力が回復せしめられる。
【0051】
ところでSOX放出処理の実行中においてはNOX吸蔵剤23からSOXが放出されるが、この放出されたSOXの一部は下記化学反応式に従って排気ガス中に含まれるHCやCOと反応し、硫化水素(H2S)を生成する。
SO2+3H2→H2S+2H2O…(1)
SO2+2CO+H2→H2S+2CO2…(2)
3SO2+C36→3H2S+3CO2…(3)
これら反応式(1)〜(3)から分かるようにH2S発生量は単位時間当たりにNOX吸蔵剤23から放出されるSOXの量(以下、SOX放出量と称す)に比例し、SOX放出量が多いほどH2S発生量は多い。そしてSOX放出量はNOX吸蔵剤23の温度に比例し、NOX吸蔵剤23の温度が高いほどSOX放出量は多い。すなわちH2S発生量はNOX吸蔵剤23の温度が高いほど多くなる。H2Sは短時間に大量に発生すると大気中で異臭の原因となるので、このことを防止するためにはH2S発生量を一定量以下に抑制することが必要である。
排気空燃比A/Fのリッチ度合を大きくすれば余分な燃料が燃焼室内にて気化するときに燃焼室内の混合気から熱を奪い、このため排気ガスの温度が低下するので結果としてNOX吸蔵剤23の温度を低下させることができる。したがって基本的には排気空燃比A/Fのリッチ度合を弱リッチよりも大きい強リッチにすることによりNOX吸蔵剤23の温度を低下させればSOX放出量が少なくなり、斯くしてH2S発生量が少なくなるはずである。
【0052】
ところが上記反応式(3)から分かるようにH2S発生量は単位時間当たりにNOX吸蔵剤23に流入する未燃炭化水素C36の量に比例し、NOX吸蔵剤23に流入する未燃炭化水素C36が多くなるほどH2S発生量が多くなる。したがって単に排気空燃比A/Fのリッチ度合を弱リッチよりも大きくしただけでは却ってSOX放出量が多くなり、斯くしてH2S発生量が所定量以下に抑えられない可能性がある。すなわち図6に示したようにH2S発生量はNOX吸蔵剤23の温度と排気空燃比A/Fのリッチ度合Drとの関数であり、吸蔵剤温度Tcatが高いほどH2S発生量は多くなり、排気空燃比A/Fのリッチ度合Drが大きいほどH2S発生量は多くなる傾向にある。しかしながら排気空燃比A/Fのリッチ度合Drが大きくなるほど吸蔵剤温度Tcatが低くなるので、結果として図7に示したようにリッチ度合Drを大きくすればH2S発生量は少なくなる傾向もある。
したがってH2S発生量を所定量以下に抑えるためには排気空燃比A/Fのリッチ度合を大きくしたときにNOX吸蔵剤23の温度低下によるH2S発生量の減少値がNOX吸蔵剤に流入する未燃炭化水素の増大によるH2S発生量の増大値を上回るように排気空燃比A/Fのリッチ度合を選択することが必要である。
【0053】
次にH2S発生量を少なくすることができるリッチ度合の選択方法について図7を参照して説明する。図7の横軸は排気空燃比のリッチ度合Drであり、縦軸はH2S発生量であり、線Taは吸蔵剤温度が第一の温度Taであるときにおけるリッチ度合DrとH2S発生量との関係を示し、線Tbは吸蔵剤温度が第二の温度Tbであるときにおけるリッチ度合DrとH2S発生量との関係を示し、線Tcは吸蔵剤温度が第3の温度Tcであるときにおけるリッチ度合DrとH2S発生量との関係を示す。なお第一の温度Ta、第二の温度Tb、および第三の温度Tcの関係はTa<Tb<Tcである。また以下の説明ではリッチ度合が第一の度合Dr1とされているときにはNOX吸蔵剤23の温度は第一の温度Taとなり、リッチ度合が第二の度合Dr2とされているときにはNOX吸蔵剤23の温度は第二の温度Tbとなり、リッチ度合が第三の度合Dr3とされているときにはNOX吸蔵剤23の温度は第三の温度Tcとなると仮定する。
【0054】
初めにリッチ度合Drが第一の度合Dr1であるときには吸蔵剤温度Tcatが第一の温度TaとなるのでこのときのH2S発生量を表す点は点Xである。
ここでリッチ度合Drが第一の度合Dr1から第二の度合Dr2に切り換えられたとするとH2S発生量を表す点は点Xから点Y1に移行する。すなわちH2S発生量は増大する。ところがリッチ度合Drが第二の度合Dr2とされると吸蔵剤温度Tcatは第一の温度Taから第二の温度Tbへと低下するのでH2S発生量を表す点は点Y1から点Z1に移行する。すなわちH2S発生量は減少する。ところがこの場合、点Z1におけるH2S発生量は点XにおけるH2S発生量よりも多い。したがってリッチ度合Drを第一の度合Dr1から第二の度合Dr2に切り換えたとしても結局のところH2S発生量は少なくならない。
【0055】
一方、リッチ度合Drが第一の度合D1から第三の度合Dr3に切り換えたとするとH2S発生量を表す点は点Xから点Y2に移行する。すなわちH2S発生量は増大する。しかも第三の度合Dr3が第二の度合Dr2よりも大きいので点Y2におけるH2S発生量は点Y1におけるH2S発生量よりも多い。ところが第三の度合Dr3は第二の度合Dr2よりも大きいので吸蔵剤温度Tcatは第二の温度Tbよりも低い第三の温度Tcにまで低下し、H2S発生量を表す点は点Y2から点Z2へと移行する。ここで点Z2におけるH2S発生量は点XにおけるH2S発生量よりも少ない。したがってこの場合にはリッチ度合を大きくしたことによりH2S発生量が抑制される。
【0056】
このようにH2S発生量はリッチ度合Drの増大と共に多くなるがその増大率は吸蔵剤温度Tcatが低いほど小さくなり、且つ吸蔵剤温度Tcatはリッチ度合Drの増大と共に低くなる。このためリッチ度合を適切に選択すればH2S発生量を少なくすることができる。本実施例ではH2S発生量を少なくすることができるリッチ度合を予め実験により求め、マップの形でROMに記憶しておく。
【0057】
次に排気空燃比のリッチ度合を上述したように選択されたリッチ度合に増大することによりH2S発生量を所定量以下に抑制したときの現象について図5を参照して説明する。上述したように本実施例のSOX放出処理によれば総SOX吸蔵量ΣSOXが判定値SOXlowに達したときに排気空燃比がリーンから弱リッチに切り換えられる。その後、吸蔵剤温度TcatがSOX放出温度T1に達するとSOXがNOX吸蔵剤23から放出され始める。そしてこれと同時にH2S発生量H2Sが上昇し始める。
その後、排気空燃比が弱リッチに維持されるので吸蔵剤温度Tcatが上昇し続ける。このためH2S発生量が増大し、やがて判定値H2Slowに達する。このときに本実施例では吸蔵剤温度Tcatを低下させるために排気空燃比のリッチ度合が大きくされる。すなわち排気空燃比が弱リッチのリッチ度合よりもリッチ度合が大きい強リッチとされる。このときH2S発生量H2Sは一時的に増大するがその後は吸蔵剤温度Tcatが低下するのでH2S発生量は徐々に低下する。
【0058】
NOX吸蔵剤23の温度を必要以上に低下させるとNOX吸蔵剤23の温度がSOX放出温度T1よりも低くなってしまうことがあるので排気空燃比は予め定められた期間に亘って強リッチとされた後に弱リッチに戻される。これにより吸蔵剤温度Tcatは再び上昇し、これに伴ってH2S発生量H2Sも再び増大し、やがて判定値H2Slowに達する。このときにも本実施例では吸蔵剤温度Tcatを低下させるために排気空燃比のリッチ度合が大きくされる。このときにも一時的にH2S発生量H2Sは増大するが吸蔵剤温度Tcatが低下するのでH2S発生量H2Sは徐々に低下する。
ここでも排気空燃比は予め定められた期間に亘って強リッチとされた後に弱リッチに戻される。これにより吸蔵剤温度Tcatは再び上昇し、これに伴ってH2S発生量H2Sも増大する。しかしながら今度は総SOX吸蔵量ΣSOXが少なくなっており、したがってSOX放出量が少なく、このため吸蔵剤温度Tcatが上昇したとしてもH2S発生量H2Sは判定値H2Slowには達せず、或る時期を過ぎると総SOX吸蔵量ΣSOXの減少に伴って徐々に減少し始め、最終的には最小値H2Sminに達する。
【0059】
ところでNOX吸蔵剤23の温度TcatがSOX放出温度T1よりも高いにもかかわらずH2S発生量H2Sが最小値H2Sminに達したことはNOX吸蔵剤23からのSOX放出量が極めて少ないことを意味する。そこで本実施例ではH2S発生量H2Sが最小値H2Sminに達したときに排気空燃比がリーンに戻され、斯くしてSOX放出処理が終了せしめられる。すなわち本実施例によればH2Sセンサの出力によってSOX放出処理の終了タイミングが決定される。
斯くして本実施例によればH2S発生量を或る一定量以下に抑制しつつSOXをNOX吸蔵剤から放出させることができる。
【0060】
ところで本実施例ではSOX放出処理の実行を開始するタイミングを決定するために総SOX吸蔵量を以下のように推定し、上述したようにこの総SOX吸蔵量が判定値に達したときにNOX吸蔵剤23からSOXを放出すべきであると判断する。燃料中にはほぼ一定割合の硫黄成分が含まれており、したがってNOX吸蔵剤23にその時々で吸蔵されるSOX量は最終的な噴射燃料量TAUOの関数である。また燃料中に含まれる硫黄成分の割合は燃料毎に異なり、したがってNOX吸蔵剤23にその時々で吸蔵されるSOX量は燃料毎に定まる硫黄含有量の関数でもある。さらにNOX吸蔵剤23に吸蔵されるSOXの量は排気空燃比によって異なり、したがってNOX吸蔵剤23にその時々で吸蔵されるSOX量は排気空燃比の関数でもある。またNOX吸蔵剤23への吸蔵され易さはNOX吸蔵剤23の温度によって異なり、したがってNOX吸蔵剤23にその時々で吸蔵されるSOX量はNOX吸蔵剤23の温度の関数でもある。
【0061】
そこで燃料毎に定まる硫黄含有量に関する係数をKBaとし、排気空燃比およびNOX吸蔵剤23の温度に関する係数をKBbとすると、NOX吸蔵剤23にその時々で吸蔵されるSOX量は最終的な噴射燃料量TAUOと係数KBaと係数KBbとの積TAUO・KBa・KBbとして表すことができる。したがって総SOX吸蔵量ΣSOXは最終的な噴射燃料量TAUOと係数KBaと係数KBbとの積TAUO・KBa・KBbを積算した積算値Σ(TAUO・KBa・KBb)として算出される。
なお係数KBbは予め実験により求められ、排気空燃比とNOX吸蔵剤23の温度との関数として図8に示すようにマップの形で予めROM34内に記憶されている。また総SOX吸蔵量を算出するために上述した三つのパラメータ(硫黄含有量、排気空燃比、およびNOX吸蔵剤の温度)以外に例えば排気再循環(EGR)を行う割合であるEGR率等をパラメータとして用いてもよい。
【0062】
ところで総SOX吸蔵量ΣSOXが判定値SOXlowに達したときに排気空燃比がリーンR1から弱リッチR2に切り換えられたとしてもその直後においてはNOX吸蔵剤23の温度はSOX放出温度T1よりも低いので総SOX吸蔵量ΣSOXは増大し続ける。そこで上記判定値SOXlowは排気空燃比がリーンR1から弱リッチR2に切り換えられてからNOX吸蔵剤23の温度がSOX放出温度T1に達するまでに総SOX吸蔵量が限界値SOXmaxを超えないように設定される。このように判定値SOXlowを設定することにより総SOX吸蔵量ΣSOXが限界値SOXmaxを超える前にNOX吸蔵剤23からSOXが放出され始める。
【0063】
また上述したように排気空燃比が弱リッチR2から強リッチR3へと切り換えられるとH2S発生量が一時的に大きく増大するので本実施例では上記判定値H2Slowは排気空燃比が弱リッチR2から強リッチR3へと切り換えられ、H2S発生量が一時的に増大したとしてもH2S発生量が許容値H2Smaxを超えないように設定される。また排気空燃比が弱リッチR2から強リッチR3へと切り換えられたときのH2S発生量の増大量はNOX吸蔵剤23の温度が高いほど大きくなるので予め設定されている判定値H2Slowを後述する第二の実施例の温度センサにより検知されたNOX吸蔵剤23の温度により補正するようにしてもよい。
【0064】
また第一の実施例では総SOX吸蔵量ΣSOXの値からSOX放出処理を行うタイミングを決定しているが、このタイミングを別の方法で決定してもよい。例えば排気空燃比をリーンからリッチへと切り換え、これによりNOX吸蔵剤23に吸蔵されているNOXを放出するいわゆるリッチスパイクの実行間隔からSOX放出処理を行うタイミングを決定してもよい。すなわち上述したようにNOX吸蔵剤23に吸蔵されたSOX吸蔵量が増加するとNOX吸蔵剤23に吸蔵することができるNOXの量が減少し、リッチスパイク実行間隔が徐々に短くなるのでリッチスパイク実行間隔が予め定められた間隔よりも短くなったときに総SOX吸蔵量が判定値を超えたと判断することができる。
この他にも機関本体とNOX吸蔵剤23との間の排気管にSOXセンサを設け、このSOXセンサがNOX吸蔵剤から流出するSOXの量が予め定められた量よりも多くなったときに総SOX吸蔵量が判定値を超えたと判断することもできる。
【0065】
また第一の実施例では排気空燃比をリーンR1から弱リッチR2に切り換えることによってNOX吸蔵剤23の温度を上昇させているが、これ以外の方法によりNOX吸蔵剤23の温度を上昇させるようにしてもよい。
例えば一つ目の方法としては点火時期を遅角させるという方法がある。点火時期を遅角させると一部の燃料が燃焼室内にて燃焼せずに未燃の燃料として燃焼室から排出され、この未燃の燃料が機関排気通路内にて燃焼し、斯くして排気ガスの温度が上昇する。したがってこれによりNOX吸蔵剤23の温度を上昇させることができる。なおこの方法においては点火時期を遅らせるほどNOX吸蔵剤23の温度を大きく上昇させることができる。またこの方法を採用してNOX吸蔵剤の温度を上昇させるようにしている場合、H2S発生量が判定値を超えたときに点火時期を進角させればNOX吸蔵剤の温度を低下させることができる。
また二つ目の方法としては吸気行程または圧縮行程において燃料が噴射された後に膨張行程において追加の燃料を噴射するという方法がある。膨張行程において噴射された追加の燃料は燃焼室内にて燃焼せずに未燃の燃料として燃焼室から排出され、この未燃の燃料が機関排気通路内にて燃焼し、斯くして排気ガスの温度が上昇する。したがってこれによりNOX吸蔵剤23の温度を上昇させることができる。なおこの方法においては追加の燃料の量が多いほどNOX吸蔵剤23の温度を大きく上昇させることができる。またこの方法を採用してNOX吸蔵剤の温度を上昇させるようにしている場合、H2S発生量が判定値を超えたときに噴射する追加の燃料の量を少なくすればNOX吸蔵剤の温度を低下させることができる。
【0066】
また三つ目の方法としては内燃機関が多気筒内燃機関である場合において膨張行程が行われる順番に従って気筒毎に機関空燃比をリッチとリーンとで交互に切り換えるという方法がある。例えば内燃機関が4気筒内燃機関である場合にはクランクシャフトが180°回転する毎に各気筒において燃焼行程が順次行われていくが、この場合にこの方法によれば例えば1番目に膨張行程が行われる気筒と3番目に膨張行程が行われる気筒とにおいて機関空燃比がリッチとされ、2番目に膨張行程が行われる気筒と4番目に膨張行程が行われる気筒とにおいては機関空燃比がリーンとされる。これによれば機関空燃比がリッチとされた気筒からは未燃の燃料を含む排気ガスが排出され、機関空燃比がリーンとされた気筒からは多量の酸素を含む排気ガスが排出され、これら排気ガスを機関排気通路で合流させることで未燃の燃料が燃焼し、斯くして排気ガスの温度が上昇する。したがってこれによりNOX吸蔵剤23の温度を上昇させることができる。なおこの方法においては各気筒においてリッチ空燃比とリーン空燃比との差が大きいほどNOX吸蔵剤の温度を大きく上昇させることができる。またこの方法を採用してNOX吸蔵剤の温度を上昇させるようにしている場合、H2S発生量が判定値を超えたときにリッチ空燃比とリーン空燃比との差を小さくすればNOX吸蔵剤の温度を低下させることができる。
【0067】
図9は第一の実施例のSOX放出処理を実行するための制御ルーチンを示している。図9を参照するとまず初めにステップ100において最終的な燃料噴射量TAUOと補正係数KB(=KBa・KBb)とが算出される。次いでステップ101においてステップ100で算出された最終的な噴射燃料量TAUOと補正係数KBとから総SOX吸蔵量ΣSOXが算出される。次いでステップ102においてNOX吸蔵剤23からSOXを放出すべきことを示すSOX放出フラグがセットされているか否かが判別される。SOX放出フラグがセットされていないときにはステップ103に進んでNOX吸蔵剤23の総SOX吸蔵量ΣSOXが判定値SOXlowを超えているか否かが判別される。
ステップ103においてΣSOX≦SOXlowであると判別されたときには制御ルーチンの処理サイクルが完了する。一方、ステップ103においてΣSOX>SOXlowであると判別されたときにはステップ104に進む。ステップ104ではSOX放出フラグがセットされ、そして制御ルーチンの処理サイクルが完了する。
【0068】
ステップ104においてSOX放出フラグがセットされると次の処理サイクルではステップ102からステップ105に進む。ステップ105では排気空燃比A/FがリーンR1から弱リッチR2へと切り換えられる。次いでステップ106においてH2S発生量が最小値H2Sminを越えているか否かが判別される。すなわちステップ106ではNOX吸蔵剤23からSOXが放出され始めたか否かが判別される。ステップ106においてH2S≦H2Sminであると判別されている間はステップ106が繰り返される。一方、ステップ106においてH2S>H2Sminであると判別されるとステップ107に進む。
ステップ107ではH2S発生量が最小値H2Sminより少ないか否かが判別される。ステップ107においてH2S<H2Sminであると判別されたときにはステップ108に進んでSOX放出フラグがリセットされ且つΣSOXがゼロとされ、制御ルーチンの処理サイクルが完了する。
【0069】
ステップ107においてH2S≧H2Sminであると判別されたときにはステップ109に進む。ステップ109ではH2S発生量が判定値H2Slowより少ないか否かが判別される。ステップ109においてH2S≦H2Slowであると判別されたときにはステップ107に戻される。ステップ109においてH2S>H2Slowであると判別されたときにはステップ110に進む。ステップ110では、排気空燃比A/Fが弱リッチR2から予め定められた期間に亘って強リッチR3へと切り換えられ、その後再び弱リッチR2に戻される。そして再びステップ107に戻る。
なお排気空燃比をリーンから弱リッチにしたときに一時的に増大するH2S発生量はNOX吸蔵剤の温度に応じて異なるのでNOX吸蔵剤の温度を検出することができる手段を内燃機関が備えている場合にはステップ106を実行する前にNOX吸蔵剤の温度から判定値H2Slowを設定するようにしてもよい。
【0070】
次に本発明の第二の実施例について説明する。本発明の第二の実施例を図10に示す。第二の実施例においてはNOX吸蔵剤23の温度を検出するための温度センサ43がNOX吸蔵剤23に取り付けられる。温度センサ43はA/D変換器38を介して電子制御ユニット31の入力ポート36に接続される。
【0071】
次に図11を参照して第二の実施例のSOX放出処理について説明する。図11は図5と同様なタイムチャートである。第二の実施例においてもNOX吸蔵剤23に吸蔵されているトータルのSOX量(総SOX吸蔵量)ΣSOXが判定値SOXlowを超えたときに排気ガスの空燃比がリーンから弱リッチに切り換えられる。NOX吸蔵剤23の温度TcatがSOX放出温度T1に達するとSOXがNOX吸蔵剤23から放出され始め、これと同時にH2S発生量が増大する。
NOX吸蔵剤23の温度がそのときの目標温度Tcatlに達すると排気ガスの空燃比が弱リッチと強リッチとの間で切り換えられ、これによりNOX吸蔵剤23の温度が目標温度Tcatlに維持される。
【0072】
ところでH2S発生量が増大し続け、許容値H2Sbmaxに達すると本実施例によればNOX吸蔵剤23の目標温度Tcatlが下げられる。このため排気ガスの空燃比が予め定められた期間に亘って強リッチとされ、NOX吸蔵剤23の温度が低い目標温度Tcatlとされる。これによりH2S発生量は少なくなる。
さらにNOX吸蔵剤23の温度が低い目標温度Tcatlに到達すると排気ガスの空燃比が弱リッチと強リッチとの間で切り換えられ、これによりNOX吸蔵剤23の温度が低い目標温度Tcatlに維持される。
さらにNOX吸蔵剤23の温度が低い目標温度Tcatlに維持されている間においてH2S発生量が許容値H2Sbmaxに達しないときには本実施例では目標温度Tcatlが高くされる。このときには排気ガスの空燃比が弱リッチに維持され、NOX吸蔵剤23の温度が上昇せしめられる。このためH2S発生量が上昇し、再び許容値H2Sbmaxに達する。このときにも同様に目標温度Tcatlが低くされるので排気ガスの空燃比が予め定められた期間に亘って強リッチとされ、NOX吸蔵剤23の温度が低い目標温度Tcatlとされる。
【0073】
さらにNOX吸蔵剤23の温度が低い目標温度Tcatlに維持されている間においてH2S発生量が許容値H2Sbmaxに達しないときには上述したように本実施例では目標温度Tcatlが高くされる。しかしながらこのときには既に総SOX吸蔵量ΣSOXが少なくなっており、目標温度Tcatlが徐々に高められたとしてもH2S発生量は許容値H2Sbmaxに達することはない。
【0074】
ところで本実施例ではH2S発生量が許容値H2Sbmaxよりも少ないときには目標温度Tcatlが高められる。しかしながら目標温度Tcatlが過度に高くなるとNOX吸蔵剤23が熱により劣化する可能性がある。そこで本実施例では目標温度TcatlはNOX吸蔵剤23を熱劣化させることのない或るガード値TcatlGにガードされる。
本実施例によればH2S発生量を或る一定量以下に抑えつつ全てのSOXを短期間のうちにNOX吸蔵剤23から放出されることができる。
【0075】
次に図12を参照して第二の実施例のSOX放出処理を実行するための制御ルーチンについて説明する。図12においてステップ200〜ステップ204は図9に示した制御ルーチンのステップ100〜ステップ104と同一であるので説明は省略する。図12のステップ202においてSOX放出フラグがセットされていると判別されたときにはステップ205に進む。ステップ205では排気空燃比A/FがリーンR1から弱リッチR2へと切り換えられる。次いで、ステップ206ではH2S発生量が最小値H2Sminを超えているか否かが判別される。ステップ206においてH2S≦H2Sminであると判別されている間はステップ206が繰り返される。一方、H2S>H2Sminであると判別されたときにはステップ207に進む。
【0076】
ステップ207では後述する目標温度を設定するためのルーチンにおいて設定される目標温度Tcatlを取得し、NOX吸蔵剤23の温度がこの目標温度TcatlとなるようにNOX吸蔵剤23の温度が制御される。具体的にはNOX吸蔵剤23に流入する排気ガスの空燃比を弱リッチと強リッチとの間で切り換えることによりNOX吸蔵剤23の温度が目標温度Tcatlに制御される。次いでステップ208においてH2S発生量が最小値H2Sminを超えているか否かが判別される。ステップ208においてH2S≧H2Sminであると判別されるとステップ207に戻される。一方、H2S<H2Sminであると判別されたときにはステップ209に進む。ステップ209ではSOX放出フラグがリセットされ且つΣSOXがゼロに戻される。こうしてSOX放出処理が完了する。
【0077】
次に図13を参照して目標温度を設定するためのルーチンについて説明する。図13においては始めにステップ301においてH2S発生量が許容値H2Sbmaxを超えているか否かが判別される。ステップ301においてH2S>H2Sbmaxであると判別されたときにはNOX吸蔵剤23の目標温度が高すぎると判断し、ステップ303に進んで目標温度Tcatlが所定値ΔTだけ下げられる。一方、ステップ301においてH2S≦H2Sbmaxであると判別されたときにはNOX吸蔵剤23の温度をさらに上昇させてもH2Sが大量に発生することはないと判断し、ステップ303に進んで目標温度Tcatlが所定値ΔTだけ上げられる。次いで、ステップ304では目標温度Tcatlが過度に高くならないように目標温度Tcatlが或る一定温度にガードされる。
【0078】
なお初めて図13のルーチンが実行されるときにおいてステップ302またはステップ303では目標温度Tcatlは前回のSOX放出処理時の最後の目標温度Tcatlとする。もちろんこのときの目標温度は前回のSOX放出処理時に設定された目標温度とは関係のない予め定められた温度であってもよい。
また上述したようにH2Sセンサは排気ガス中のH2Sを同様に排気ガス中の酸素をイオン化して生成された酸素イオンにて酸化させてH2S濃度を直接検出する。すなわちH2SセンサがH2S濃度を検出するためには排気ガス中に酸素が十分に含まれている必要がある。ところがSOX放出処理中においてNOX吸蔵剤23から流出する排気ガス中の酸素濃度は比較的低い。そこで上述した二つの実施例においてSOX放出処理中にH2SセンサによりH2S濃度を確実に検出するためにNOX吸蔵剤23下流側に排気ガス中に空気を供給するための手段を設け、SOX放出処理中に当該手段により排気ガス中に空気を供給するようにしてもよい。
【0079】
次に第三の実施例について説明する。本発明の第三の実施例の排気浄化装置を図14に示す。第三の実施例の排気浄化装置の構成は第一の実施例の排気浄化装置の構成とほぼ同一であるが、第一の実施例とは異なりケーシング24の代わりにバイパス型排気浄化部50が設けられる。
【0080】
バイパス型排気浄化部50の拡大図を図15に示す。図15に示したように、バイパス型排気浄化部50は排気管22に連結される上流側排気管50aと、概上流側排気管50a上に位置する分岐部50bと、NOx吸蔵剤23を内蔵したケーシング50cと、バイパス管50dと、下流側排気管50eとを具備する。上流側排気管50aとケーシング50cとは互いに連結され、且つケーシング50cと下流側排気管50eとは互いに連結され、これら上流側排気管50aとケーシング50cと下流側排気管50eとはほぼ一直線に延びる。上流側排気管50aの分岐部50bからはバイパス管50dが分岐し、分岐したバイパス管50dは下流側排気管50eに連結される。上流側排気管50aにはNOx吸蔵剤23の直ぐ上流においてNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ53が設けられ、NOx吸蔵剤23の下流側端部にはNOx吸蔵剤23の温度を検出するための温度センサ54が設けられる。これらセンサの出力信号は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。また、分岐部50bには流量調整弁51が設けられる。
【0081】
流量調整弁51は上流側排気管50aを流れる排気ガスの方向に対して角度を変えるように回動せしめられることができ、この流量調整弁51の角度に応じて、ケーシング50cに収容されたNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの流量とバイパス管50dに流入する排気ガスの流量とを調整することができる。言い換えると、流量調整弁51を回動させることによって、上流側排気管50aを介して分岐部50bに到来する排気ガスのうちNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの割合を調整することができる。特に、流量調整弁51が図15に実線で示した位置にあるときには分岐部50bに到来する排気ガスの全てがNOx吸蔵剤23に流入しており、よって分岐部50bに到来する排気ガスの流量とNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの流量は等しい。一方、流量調整弁51が図15に鎖線で示した位置にあるときには分岐部50bに到来する排気ガスの全てがバイパス管50dに流入しており、よってNOx吸蔵剤23を通る排気ガスの流量は零である。
【0082】
さらに、上流側排気管50aの分岐部50bとNOx吸蔵剤23との間には燃料添加装置52が設けられる。この燃料添加装置52は、上流側排気管50aを介して分岐部50bに到来する排気ガスのうちNOx吸蔵剤23に流入する排気ガス中にのみ燃料を添加することができる。NOx吸蔵剤23に流入する排気ガス中に燃料添加装置52から燃料を添加すると、NOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの排気空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにすることができるだけでなく、燃料添加装置52から添加された燃料がNOx吸蔵剤23の上流やNOx吸蔵剤23内で燃焼するのでNOx吸蔵剤23の温度も上昇する。特に、NOx吸蔵剤に流入する排気ガスの流量が同一であれば燃料添加装置52から添加される燃料の量が多いほどNOx吸蔵剤23の温度を大きく上昇させることができる。したがって、第三の実施例では、NOx吸蔵剤23からSOxを放出するには燃料添加装置52からNOx吸蔵剤23に流入する排気ガス中に燃料が添加され、これによりNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの排気空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチにされると共にNOx吸蔵剤23の温度が上昇せしめられる。
【0083】
このとき内燃機関から排出された排気ガスが全てNOx吸蔵剤23に流入すると、この排気ガスをほぼ理論空燃比またはリッチにするためには燃料添加装置52から多量の燃料を添加しなければならない。またこのように多量の燃料が添加されるとこの多量の燃料がNOx吸蔵剤23の上流やNOx吸蔵剤23内で燃焼して発熱し、これによりNOx吸蔵剤23が必要以上に高温になってしまう。このため、本実施例では硫黄成分処理手段として、NOx吸蔵剤23からSOxを放出する場合にはNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの流量が減少するように流量調整弁51を回動させ、且つNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの流量に応じて燃料添加装置52からの燃料の添加量を調整する。これによりNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの排気空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチになると共にNOx吸蔵剤23の温度が必要以上に高温にならないながらもSOx放出温度以上になり、NOx吸蔵剤23からSOxが放出される。
【0084】
ところで、上記実施例においてH2Sの発生量は単位時間当たりにNOx吸蔵剤23から放出されるSOx放出量に比例し、あたかもNOx吸蔵剤23からSOxが放出されるとH2Sが必ず発生するように説明したが、詳細にはSOxが放出され始める条件(以下、SOx放出開始条件と称す)とH2Sが発生し始める条件(以下、H2S発生開始条件と称す)は異なる。すなわち、NOx吸蔵剤23からSOxが放出されながらも、H2Sが発生しない場合がある。
【0085】
また、上述した実施例では図6において示したようにH2Sの発生量はNOx吸蔵剤23の温度と排気空燃比との関数であるとしたが、例えば、NOx吸蔵剤23を流れる排気ガスの流量が少ないときには、NOx吸蔵剤23内に滞留するH2Sの量が多く、したがって、NOx吸蔵剤23内のH2S濃度が高く、結果的に、H2S発生量が少なくなることから、H2S発生量は、NOx吸蔵剤23を流れる排気ガスの流量にも依存すると言える。また、上記実施例では、S堆積量はSOx放出処理の開始タイミングを決定するためにのみ利用されているが、H2S発生量は、SOx放出処理中に刻々と変化するS堆積量にも依存し、詳細には、H2S発生量はS堆積量が多いほど多くなる。したがって、H2S発生開始条件は上述した四つのパラメータ、すなわちNOx吸蔵剤23の温度、排気空燃比、排気ガスの流量、S堆積量から定まる。
【0086】
そこで、本実施例のSOx放出処理では、NOx吸蔵剤23からSOxを放出するときに、上記四つのパラメータをSOxが放出されながらもH2Sが発生しないような値に制御することによって、H2Sを発生させずにNOx吸蔵剤23からSOxを放出させる。なお、SOx放出開始条件も同様に上記四つのパラメータから定まる。特に、NOx吸蔵剤23の温度以外のパラメータが同一である場合、H2Sが発生し始めるときのNOx吸蔵剤23の温度(以下、H2S発生開始温度と称す)TcatmはSOxが放出し始めるときのNOx吸蔵剤23の温度(以下、SOx放出開始温度と称す)Tcatsよりも高い。
【0087】
これら四つのパラメータをこのような値に制御するために、第三の実施例では上記実施例とは異なる態様にて総SOx吸蔵量ΣSOXを推定し、詳細には、SOx放出処理が実行されていないときには、上記実施例と同様に、燃料噴射量TAUOと補正係数KB(=KBa・KBb)との積を積算して総SOx吸蔵量ΣSOXを算出し、SOx放出処理中においては、こうして算出された総SOx吸蔵量ΣSOXからSOx放出処理によってNOx吸蔵剤23から放出されるSOx量を引いて総SOx吸蔵量ΣSOXを算出する。ここでNOx吸蔵剤23から放出されるSOx量は上記四つのパラメータの各値毎に予め実験的に求められ、これら四つのパラメータの関数としてマップの形で予めROM34に記憶されている。また、第サインの実施例では、排気空燃比A/Fおよび吸蔵剤温度Tcatに加えて、NOx吸蔵剤23を流れる排気ガスの流量Fが測定される。排気空燃比A/Fおよび吸蔵剤温度Tcatはそれぞれ空燃比センサ53および温度センサ54によって検出される。排気ガスの流量Fは内燃機関の回転数から算出される。さらに、SOx放出開始温度Tcatsが温度以外の三つのパラメータの関数として予め実験的に求められてマップの形で予めROM34に記憶され、また、H2S発生開始温度Tcatmが温度以外の三つのパラメータの関数として予め実験的に求められてマップの形で予めROM34に記憶される。
【0088】
次に第三の実施例のSOx放出処理について説明する。第三の実施例では、第一の実施例と同様に総SOx吸蔵量ΣSOXが判定値SOXlowを越えたときにNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの流量が減少する方へと流量調整弁51が回動せしめられ、NOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの流量がNOx吸蔵剤23からSOxを放出するのに適した流量になるような位置(以下、SOx放出位置と称す)に位置決めされる。例えばSOx放出位置とはNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの流量が内燃機関から排出された排気ガスの流量の一割程度となるような位置である。そしてNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの排気空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチとなり且つNOx吸蔵剤23の温度が上昇するように、燃料添加装置52から排気ガス中へ一定量の燃料が添加せしめられる。
【0089】
こうしてNOx吸蔵剤23は徐々に温度が高くなってSOx放出開始温度へと到達し、SOxが放出され始める。SOxが放出され始めても燃料添加装置52から排気ガス中へ燃料が添加され続けていると、NOx吸蔵剤23の温度は徐々に上昇し、H2S発生開始温度Tcatmに到達してしまう。そこで、本実施例では、NOx吸蔵剤23の温度がH2S発生開始温度Tcatmに到達したときに、SOx放出位置よりもNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの流量が多くなる位置(以下、吸蔵剤冷却位置と称す)へと流量調整弁51が回動せしめられる。例えば、流量調整弁51の吸蔵剤冷却位置とは分岐部50bに到来する排気ガスの流量とNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの流量とが同一となる位置である。さらに、流量調整弁51の回動と同時に燃料添加装置52からの燃料の添加が停止せしめられる。通常内燃機関から排出されてNOx吸蔵剤23に到達する排気ガスの温度はNOx吸蔵剤23のH2S発生開始温度よりも低く、また燃料添加装置52からの燃料の添加が停止せしめられることにより燃料添加装置52から添加された未燃燃料が燃焼して排気ガスの温度が高くなることもなくなるため、NOx吸蔵剤23は冷却せしめられる。
【0090】
NOx吸蔵剤23が冷却されてSOx放出開始温度Tcats以下になってしまうときには、再び流量調整弁51がSOx放出位置へと戻され、燃料添加装置52から燃料が排気ガス中に添加せしめられる。これにより再びNOx吸蔵剤23の温度が上昇し始める。このような制御を繰り返すことにより、H2Sを発生させずにNOx吸蔵剤23からSOxを放出させることができる。そして総SOx吸蔵量ΣSOXがほぼ零である判定値ΣSOXmin以下になったときSOx放出処理が終了せしめられる。
【0091】
次に、図16を参照して第三の実施例のSOx放出処理を実行するための制御ルーチンについて説明する。ステップ400〜ステップ404は図9に示したステップ100〜ステップ104と同様であるので説明を省略する。ステップ405では、燃料添加装置52からの一定量の燃料添加が開始され、ステップ406へと進む。ステップ406では流量調整弁51がSOx放出位置へと回動せしめられる。次いで、ステップ407では推定または測定された総SOx吸蔵量ΣSOX、排気空燃比A/Fおよび流量Fから、SOx放出開始温度TcatsとH2S発生開始温度TcatmとがROM34に記憶されたマップから算出される。ステップ408では吸蔵剤温度TcatがH2S発生開始温度Tcatm以上であるか否かが判定される。吸蔵剤温度TcatがH2S発生開始温度Tcatm以上であると判定された場合にはステップ409へと進む。ステップ409では流量調整弁51が吸蔵剤冷却位置へと回動せしめられると共に燃料添加装置52からの燃料添加が停止せしめられ、ステップ412へと進む。
【0092】
一方、ステップ408において吸蔵剤温度TcatがH2S発生開始温度Tcatmより低いと判定された場合にはステップ410へと進む。ステップ410では吸蔵剤温度TcatがSOx放出開始温度Tcats以下であるか否かが判定される。ステップ410において吸蔵剤温度TcatがSOx放出開始温度Tcats以下であると判定された場合にはステップ411へと進む。ステップ411では、流量調整弁51がSOx放出位置へと回動せしめられると共に燃料添加装置52から一定量の燃料が添加せしめられ、ステップ412へと進む。一方、ステップ410において吸蔵剤温度TcatがSOx放出開始温度Tcatsより高いと判定された場合にはステップ412へと進む。ステップ412では総SOx吸蔵量ΣSOXが判定値ΣSOXmin以下であるか否かが判定され、総SOx吸蔵量ΣSOXが判定値ΣSOXminよりも大きい場合にはステップ407へと戻される。一方、ステップ412において総SOx吸蔵量ΣSOXが判定値ΣSOXmin以下である場合には、ステップ413へと進む。ステップ413ではSOx放出フラグがリセットされると共に燃料添加装置52からの燃料添加が終了せしめられ、制御ルーチンが完了する。
【0093】
次に、第3の実施例の利点について説明する。従来、上述したような構成ではNOx吸蔵剤の温度を下げるときには、燃料添加装置から添加する燃料の量を減らすだけであった。ところが、NOx吸蔵剤に流入する排気ガスの流量が少ない場合に燃料添加装置から添加する燃料の量を減らしてNOx吸蔵剤を冷却するには、NOx吸蔵剤の周囲環境、すなわち大気中への自然放熱により冷却されるのを待たなければならなかった。しかしながら、単位時間当たりに大気中へ放熱される熱量は大きくなく、NOx吸蔵剤が冷却されるまでには時間がかかってしまっていた。これに対して本発明では、NOx吸蔵剤に流入する排気ガスの流量を調整可能な構成であるため、NOx吸蔵剤にH2S発生条件である温度より通常低い排気ガスを多く供給して迅速にNOx吸蔵剤の温度を下げることができる。
【0094】
なお、排気ガスの流量FはNOx吸蔵剤23の直ぐ上流に配置された流量センサ(図示せず)によって検出されてもよい。
【0095】
次に図17を参照して第三の実施例の変更例について説明する。図17に示したように第三の実施例の変更例では、第三実施例のバイパス型排気浄化部50が二分岐型排気浄化部55に変更されている。二分岐型排気浄化部55は排気管22に連結された上流側排気管56aと、この上流側排気管56aから分岐部56bにおいて二つに分岐した第一排気管56cおよび第二排気管56dと、分岐した二つの排気管56c、56dが合流した排気管56eとを有する。第一排気管56cおよび第二排気管56dにはそれぞれNOx吸蔵剤23が内蔵されている。分岐部56bには流量調整弁57が設けられる。この流量調整弁57は、第三の実施例の流量調整弁51と同様に第一排気管56cに流入する排気ガスの流量と第二排気管56dに流入する排気ガスの流量とを調整する。また、燃料添加装置52、空燃比センサ53、温度センサ54が各NOx吸蔵剤23毎に配置される。
【0096】
このような構成の第三の実施例の変更例の排気浄化装置では、NOx吸蔵剤23のSOx放出処理を実行するときに、第三の実施例ではバイパス通路50dを通っていた排気ガスがもう一方のNOx吸蔵剤23を通過する。第三の実施例において排気ガスがバイパス通路50dを通過する場合、バイパス通路50dを通過する排気ガスは浄化されず、よって大気を汚染してしまっていた。これに対して、本変更例ではバイパス通路50dの代わりにNOx吸蔵剤23が配置されるため、一方のNOx吸蔵剤23のSOx放出処理を実行して排気ガスを全て一方のNOx吸蔵剤23に流入させることができなくても、他方のNOx吸蔵剤23で排気ガスを浄化することができる。
【0097】
次に第四の実施例について説明する。本発明の第四の実施例の排気浄化装置の構成は第三の実施例の排気浄化装置の構成とほぼ同一であるが、第三の実施例のバイパス型排気浄化部50の代わりに方向切替型排気浄化部60が設けられる。
【0098】
方向切替型排気浄化部60を図18に示す。図18に示したように、方向切替型排気浄化部60は排気管22に連結される上流側排気管60aと、分岐部60bと、NOx吸蔵剤23を内蔵したケーシング60dと、分岐部60bとケーシング60dの一方の端部を接続する第一分岐管60cと、分岐部60bとケーシング60dの上記一方の端部とは反対側の端部とを接続する第二分岐管60eと、下流側排気管60fとを具備する。NOx吸蔵剤23は第一分岐管60c側に第一端部23aを有し、第二分岐管60e側に第二端部23bを有する。第一分岐管60cにはNOx吸蔵剤23の第一端部23aに近接して第一温度センサ62が設けられ、第二分岐管60eにはNOx吸蔵剤23の第二端部23bに近接して第二温度センサ63が設けられる。これら温度センサの出力信号は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。また、分岐部60bには切替弁61が設けられる。
【0099】
切替弁61は図18に実線で示した第一の位置と図18に鎖線で示した第二の位置との間で切り換えられる。切替弁61が第一の位置にあるときには上流側排気管60aを介して分岐部60bに到来する排気ガスは第一分岐管60cへと流入し、NOx吸蔵剤23を第一端部23aから第二端部23bへ向かう方向に通過し、そして第二分岐管60eを介して再び分岐部60bへ戻り、下流側排気管60fへと流出する。このときのNOx吸蔵剤23における排気ガスの流れ方向を順方向と称する。一方、切替弁61が第二の位置にあるときには上流側排気管60aを介して分岐部60bに到来する排気ガスは第二分岐管60eへと流入し、NOx吸蔵剤23を第二端部23bから第一端部23aへ向かう方向に通過し、そして第一分岐管60cを介して再び分岐部60bへと戻り、下流側排気管60fへと流出する。したがってこのときのNOx吸蔵剤23における排気ガスの流れ方向は上記順方向とは反対向きの逆方向である。
【0100】
ところで、NOx吸蔵剤23のSOx放出処理を行う場合等、NOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチである場合、NOx吸蔵剤23における温度分布は均一ではなく、特にNOx吸蔵剤23を排気ガスが通過する方向に温度差ができる。一般的に、SOx放出処理を行う場合には排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチにされているため、NOx吸蔵剤23に流入する排気ガス中には未燃燃料が含まれ、この未燃燃料がNOx吸蔵剤23上で燃焼する。したがって、SOx放出処理を行う場合、例えば切替弁61が第一の位置にあってNOx吸蔵剤23を排気ガスが順方向に流れていると、NOx吸蔵剤23は図19(a)に示したように第一端部23aから第二端部23bに向かうにつれて徐々に温度が高くなる。言い換えると、NOx吸蔵剤23では排気上流側から下流側に向かうにつれて徐々に温度が高くなる。すなわち、最も排気下流側のNOx吸蔵剤23の部分である第二端部23bの温度が最も高く、最初にH2S発生開始温度に到達する。一方、最も排気下流側のNOx吸蔵剤23の部分である第二端部23bの温度がH2S発生開始温度に到達しても、NOx吸蔵剤23の上流側の温度は比較的低く、場合によっては最も排気上流側のNOx吸蔵剤23の部分である第一端部23aの温度はSOx放出開始温度よりも低いこともある。
【0101】
そこで、本発明の第四の実施例では、SOx放出処理中において例えば切替弁61が第一の位置にあるときに排気下流側のNOx吸蔵剤23の部分である第二端部23bの温度がH2S発生開始温度Tcatmに到達した場合、すなわち第二温度センサ63によって測定された温度がH2S発生開始温度Tcatmになった場合に、切替弁61を第二の位置へと切り換える。これによりNOx吸蔵剤23を流れる排気ガスの方向が逆転し、切替弁61を切り換えるまで排気上流側であったNOx吸蔵剤23の第一端部23aが排気下流側となり、切替弁61を切り換えるまで排気下流側であったNOx吸蔵剤23の第二端部23bが排気上流側となる。このため切替弁61を切り換えるまで排気下流側であった高温になっているNOx吸蔵剤23の第二端部23bの温度は下がり、逆に切替弁61を切り換えるまで排気上流側であった吸蔵剤23内において低温となっているNOx吸蔵剤23の第一端部23aの温度は上がり、図19(b)に示したように一時的にNOx吸蔵剤23の温度がほぼ均一となる。もちろん、硫黄成分放出処理中に切替弁61をこのまま第二の位置に維持すると、やがて排気下流側のNOx吸蔵剤23の部分である第一端部23aの温度がH2S発生開始温度Tcatmに到達して、第一温度センサ62によって測定される温度がH2S発生開始温度Tcatmとなる。この場合、再び切替弁61を第一の位置へと切り換える。第四の実施例では、SOx放出処理中に上述したように切替弁61が切り換えられ、これによりH2Sを発生させることなくNOx吸蔵剤23全体から硫黄成分を放出することができる。
【0102】
図20を参照して第四の実施例のSOx放出処理を実行するための制御ルーチンについて説明する。ステップ500〜ステップ504は図9に示したステップ100〜ステップ104と同様であるので説明を省略する。ステップ505では、第一の実施例に示した様々な方法によって排気ガスを昇温し且つNOx吸蔵剤23に流入する排気ガスの排気空燃比をリッチにするための昇温・リッチ制御が開始せしめられる。次いで、ステップ506において、図16のステップ407と同様に、推定または測定された総SOx吸蔵量ΣSOX、排気空燃比A/Fおよび流量Fから、H2S発生開始温度TcatmがROM34に記憶されたマップから算出される。ステップ507では第一温度センサ62および第二温度センサ63によってそれぞれ検出された二つの吸蔵剤温度Tcat1およびTcat2がH2S発生開始温度Tcatmより低いか否かが判定される。吸蔵剤温度Tcat1およびTcat2がH2S発生開始温度Tcatmよりも低いと判定された場合にはステップ509へと進む。
【0103】
一方、ステップ507において吸蔵剤温度Tcat1またはTcat2がH2S発生開始温度Tcatm以上であると判定された場合にはステップ508へと進む。ステップ508では切替弁61が第一の位置と第二の位置との間で切り換えられ、ステップ509へと進む。ステップ509では総SOx吸蔵量ΣSOXが判定値ΣSOXmin以下であるか否かが判定され、総SOx吸蔵量ΣSOXが判定値ΣSOXminよりも大きい場合にはステップ506へと戻される。一方、ステップ509において総SOx吸蔵量ΣSOXが判定値ΣSOXmin以下である場合には、ステップ510へと進む。ステップ510ではSOx放出フラグがリセットされると共に昇温・リッチ制御が終了せしめられ、制御ルーチンが完了する。
【0104】
なお、第四の実施例では切替弁61は二つの位置間で切り換えられる弁でなく、例えば上流側排気管55aから流入する排気ガスの流れ方向に対して連続的に角度調整が可能な弁であってもよい。この場合、NOx吸蔵剤23を通過する排気ガスの方向だけでなく流量をも変更することができる。
【0105】
また、本発明のNOx吸蔵剤23は排気ガス中の微粒子を捕集することができるパティキュレートフィルタにNOx吸蔵機能をもたせたものであってもよい。この場合、パティキュレートフィルタがNOxを吸蔵するときや吸蔵したNOxを放出するときに生成される活性酸素によってパティキュレートフィルタに捕集された微粒子を酸化することによって、排気ガスを浄化することができる。
【0106】
また、本明細書においてNOxおよび硫黄成分に関する「吸蔵」という語は「吸収」及び「吸着」の両方の意味を含む。したがって、「NOx吸蔵剤」は、「NOx吸収剤」と「NOx吸着剤」との両方を含み、前者はNOxを硝酸塩等の形で蓄積させることによってNOxを保持し、後者はNO2等の形で吸着させることによってNOxを保持する。また、NOx保持剤からの「放出」という語についても、「吸収」に対応する「放出」の他、「吸着」に対応する「脱離」の意味も含む。
【0107】
【発明の効果】
第1〜15の発明によれば、硫化水素量検出手段により検出された硫化水素の量に基づいて硫化水素量制御手段の作動が制御されるので、排気浄化触媒から硫黄成分を放出させるときに単位時間当たりに発生する硫化水素の量が一定量以下に確実に維持される。
【0108】
また、第15の発明によれば、排気浄化触媒から硫黄成分を放出しながらも硫化水素の発生量が零にされることにより、排気浄化触媒から硫黄成分を放出するときにも排気ガスの臭気が強くなってしうことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施例の内燃機関の全体図である。
【図2】H2Sセンサの構造を示す図である。
【図3】基本燃料噴射量、補正係数等を示す図である。
【図4】NOX吸蔵剤のNOX吸放出作用を説明するための図である。
【図5】第一の実施例のSOX放出処理を説明するためのタイムチャートである。
【図6】NOX吸蔵剤の温度と排気ガスのリッチ度合とH2S発生量との間の関係を示した図である。
【図7】排気ガスのリッチ度合とH2S発生量とNOX吸蔵剤の温度との関係を示した図である。
【図8】補正係数のマップを示す図である。
【図9】第一の実施例のSOX放出処理を行うためのフローチャートである。
【図10】第二の実施例の内燃機関の全体図である。
【図11】第二の実施例のSOX放出処理を説明するためのタイムチャートである。
【図12】第二の実施例のSOX放出処理を行うためのフローチャートである。
【図13】目標温度を設定するためのフローチャートである。
【図14】第三の実施例の内燃機関の全体図である。
【図15】第三の実施例の排気浄化部の拡大図である。
【図16】第三の実施例のSOx放出処理を行うためのフローチャートである。
【図17】第三の実施例の変更例の排気浄化部の拡大図である。
【図18】第四の実施例の排気浄化部の拡大図である。
【図19】NOx吸蔵剤の温度分布を示す図である。
【図20】第四の実施例のSOx放出処理を行うためのフローチャートである。
【符号の説明】
11…燃料噴射弁
23…NOX吸蔵剤
28…空燃比センサ
29…H2Sセンサ
31…電子制御ユニット

Claims (6)

  1. 排気ガス中の成分を浄化するための排気浄化触媒と、該排気浄化触媒に排気ガス中の硫黄成分が吸蔵され、該吸蔵された硫黄成分を排気浄化触媒から放出させるべきときには排気浄化触媒の温度を所定温度以上とすると共に該排気浄化触媒に流入させる排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチとする硫黄成分放出処理を実行するための硫黄成分放出処理手段と、硫黄成分放出処理中に排気浄化触媒から放出された硫黄成分から生成される硫化水素の量を一定量以下に維持するための硫化水素量制御手段と、排気浄化触媒から流出している硫化水素の量または排気浄化触媒から流出すると予想される硫化水素の量を検出するための硫化水素量検出手段とを具備し、硫化水素量検出手段の出力に基づいて硫化水素量制御手段の作動を制御するようにした内燃機関の排気浄化装置において、
    上記硫化水素量制御手段は、硫黄成分放出処理中に排気浄化触媒に高温な部分と低温な部分とが形成された場合であって且つ硫化水素量検出手段により検出された硫化水素の量が一定量以上となる場合には、排気浄化触媒の高温な部分のみの温度を下げることにより排気浄化触媒から流出する硫化水素の量を一定量以下に維持する内燃機関の排気浄化装置
  2. 排気ガスが排気浄化触媒を通過するときの通過方向を順方向と該順方向とは反対方向の逆方向との間で切り換えることができ、上記硫化水素量制御手段は、排気ガスの通過方向が上記順方向と逆方向とのうち一方の方向へ流れているときに硫化水素量検出手段によって検出された硫化水素の量が上記一定量以上となる場合には排気ガスの通過方向を順方向と逆方向とのうち上記一方の方向とは別の方向となるようにすることによって上記排気浄化触媒の高温な部分のみの温度を下げるようにした請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 排気ガス中の成分を浄化するための排気浄化触媒と、該排気浄化触媒に排気ガス中の硫黄成分が吸蔵され、該吸蔵された硫黄成分を排気浄化触媒から放出させるべきときには排気浄化触媒の温度を所定温度以上とすると共に該排気浄化触媒に流入させる排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチとする硫黄成分放出処理を実行するための硫黄成分放出処理手段と、硫黄成分放出処理中に排気浄化触媒から放出された硫黄成分から生成される硫化水素の量を一定量以下に維持するための硫化水素量制御手段と、排気浄化触媒から流出している硫化水素の量または排気浄化触媒から流出すると予想される硫化水素の量を検出するための硫化水素量検出手段とを具備し、硫化水素量検出手段の出力に基づいて硫化水素量制御手段の作動を制御するようにした内燃機関の排気浄化装置において、
    上記硫化水素量制御手段は、硫黄成分放出処理中に硫化水素検出手段により検出された硫化水素の量が一定量以上となる場合には、排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量と排気ガスが排気浄化触媒を通過するときの通過方向とのうち少なくともいずれか一方を変えることにより上記排気浄化触媒の少なくとも最も高温な部分の温度を下げることで、排気浄化触媒から流出する硫化水素の量を一定量以下に維持する内燃機関の排気浄化装置。
  4. 上記排気浄化触媒をバイパスするためのバイパス通路と、排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量とバイパス通路に流入する排気ガスの流量とを調整するための流量調整弁と、排気浄化触媒に流入する排気ガス中に燃料を添加するための還元剤添加装置とをさらに具備し、上記硫黄成分放出処理手段は排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量が内燃機関から排出された排気ガスの流量よりも少なく設定されるように流量調整弁を調整すると共に排気浄化触媒に流入する排気ガス中に燃料を添加し、上記硫化水素量制御手段は、硫化水素量検出手段によって検出された硫化水素の量が上記一定量以上となる場合には排気浄化触媒に流入する排気ガスの流量が上記硫黄成分放出処理手段によって設定された流量よりも多くなるように流量調整弁を調整して排気浄化触媒の温度を下げるようにする請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 上記バイパス通路上にもさらに排気ガス中の成分を浄化するための排気浄化装置が配置される請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 排気ガスが排気浄化触媒を通過するときの通過方向を順方向と該順方向とは反対方向の逆方向との間で切り換えることができ、上記硫化水素量制御手段は、排気ガスの通過方向が上記順方向と逆方向とのうち一方の方向へ流れているときに硫化水素量検出手段によって検出された硫化水素の量が上記一定量以上となる場合には排気ガスの通過方向を順方向と逆方向とのうち上記一方の方向とは別の方向となるようにすることによって上記排気浄化触媒の少なくとも最も高温な部分の温度を下げるようにした請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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