JP3654230B2 - 通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインターネット網に送出するパケットを転送する通信システムに係わり、特にATMセルを用いて転送を行なう通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
近年、インターネット網を使用して音楽の配信や、メールの送受信などのサービスを利用する者(以下、ユーザと称する。)が増加している。インターネット網ではIP(Internet Protocol)パケットと呼ばれる可変長のパケットを使用して、ユーザが情報の送受信を行なう。
【0004】
ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)ネットワークでは、転送する情報を格納する48オクテットのペイロードに、宛先などを格納する5オクテットのヘッダを付加した、固定長のATMセルを使用して、情報の転送を行なうようになっている。したがってATMネットワークでIPパケットのような可変長のパケットをそのまま転送することはできない。そこでATMセルのペイロードに送信しようとするIPパケットを分割して格納し転送するようにしている。ATMには、ATMセルを用いて転送するパケットの分割格納や、パケットの復元のためのプロトコルとして、いくつかの種類のATMアダプテーションレイヤが存在する。IPパケットをATMで転送する場合には、データの転送効率の良い、ATMアダプテーションレイヤ5と呼ばれるプロトコルを採用することが多い。
【0005】
図15は、ATMアダプテーションレイヤ5のプロトコルにしたがって、ATMネットワークを転送されるパケットと、ATMセルの構造を表わしたものである。転送の対象となる可変長のユーザのデータ11(同図(a))は、これをATMセルに分解するに先立って、CPCS(Common Part Convergence Sub-layer)パディング12、CPCS−UU(Common Part Convergence Sub-layer-User-to-User indication)13、CPI(Common Part Indicator)14、LI(Length Indication)15およびCRC(Cyclic Redundancy Check)“32”16を付加するようになっている。付加後のパケットは、ATMアダプテーションレイヤ5のプロトコルでは、CS共通部のデータユニット21(同図(b))と呼ばれている。これに対応する形で、付加前のユーザのデータ11は、CSサービス依存部(SSCS:Service Specific Convergence Sub-layer)のデータユニットと呼ばれている。
【0006】
これらの付加する情報の中で、CPCSパディング12は、このCS共通部のデータユニット21の長さが48オクテットの整数倍となるように追加される、0オクテットから47オクテットの可変長の穴埋め情報である。このCPCSパディング12によって、CS共通部のデータユニット21はATMセルとの関係で、48オクテットごとに、余りなく分割できるようにしている。また、CPCS−UU13は、CS共通部のデータユニット21を送受信する間で自由に使用する1オクテットのフィールドである。CPI14は、特に用途が定められていないため、値“0”が設定される1オクテットのフィールドである。LI15は、ユーザのデータ11の長さをオクテット単位で格納するようになっている2オクテットのフィールドである。CRC“32”16は、32ビットのCRC用の情報で、CS共通部のデータユニット21に対して、予め決められた生成多項式にしたがった演算の演算結果を格納する。このCRC“32”16をCS共通部のデータユニット21の送受信間で送受信することによって、ネットワーク内で発生した情報の欠落やビットエラーの検出に用いる。
【0007】
このような構成のCS共通部のデータユニット21は、48オクテット単位で分割すると、ATMサービスデータユニット31(同図(c))となる。これらATMサービスデータユニット31の先頭にそれぞれATMセルヘッダ32を付加することで、ATMセル41(同図(d))を作成することができる。これらのATMセル41がATMネットワークを伝送される。
【0008】
これら一連のATMセル41が送信先で受信されたとき、元のCS共通部のデータユニット21を復元できるようにする必要がある。そこで、ATMセルヘッダ32の図示しないペイロードタイプ(PTI)フィールドには、データユニット21を分割した末尾に位置するものに対しては、ATMサービスデータユニット31を格納した末尾のATMセル41であることを示す末尾情報が格納されるようになっている。ATMセル41の受信側では、この末尾情報を基準にして複数のATMセル41から1つのCS共通部のデータユニット21を組み立て、これを用いて、元の可変長のユーザのデータ11を復元することができる。
【0009】
次にこのようにして作成されたATMセルがATMネットワーク上を転送される様子を説明する。
【0010】
図16はATMネットワークにおける複数のユーザ端末とISPの関係を示したものである。ここでISP(Internet Service Provider)は、インターネットへの接続などのサービスをユーザに提供するサービス提供者である。ユーザ端末51は、ATMネットワーク53を経由してISP52に対して、インターネット網で送出したいユーザのデータをATMセルの形で送信する。ISP52はこれら受信したATMセルに格納されているユーザのデータを基にしたIPパケットを図示しないインターネット網に送出する。この場合、ISPに到達するまでのATM網ではATMコネクションを設定して、図15(d)で示したようなATMセルを転送する。
【0011】
ところで複数のユーザ端末51とISP52の間にATMコネクション54を設定する手法として、これらの間にポイント・ツー・ポイントでユーザ端末数と同数のコネクションを設定する第1の手法と、マルチポイント・ツー・ポイントのコネクションを設定する第2の手法とがある。
【0012】
図17は第1の手法として、複数のユーザ端末とISP間をポイント・ツー・ポイントでATMコネクションを設定した様子を表わしたものである。ATMネットワーク内には第1および第2のATM多重化装置61、62が配置されている。ATM多重化装置61、62の代わりにATMセル交換機能を持つATMセル交換機が配置されていてもよい。第1のユーザ端末63および第2のユーザ端末64は、第1のATM多重化装置61および第2のATM多重化装置62を順に介する形でISP65に接続されている。第3のユーザ端末66は第2のATM多重化装置62を介する形でISP65に接続されている。第1〜第3のユーザ端末63、64、66のそれぞれとISP65間にはそれぞれ独立したポイント・ツー・ポイントのATMコネクション67、68、69が設定されている。このようにATMコネクションを独自に設定することで、各ユーザ端末63、64、66とISP65間の接続が確立される。しかしながらこの手法では、ATMネットワーク53内に、ISP65と接続するユーザ端末の数と同数のポイント・ツー・ポイントのATMコネクションを設定する必要がある。
【0013】
図18は第2の手法として、複数のユーザ端末とISP間をマルチポイント・ツー・ポイントでコネクションを設定した様子を表わしている。ここでは第1のユーザ端末71と第2のユーザ端末72は、第1のATM多重化装置73にそれぞれATMコネクション74、75を設定している。これらのATMコネクション74、75は第1のATM多重化装置73で終端している。第1のATM多重化装置73には、転送されてくるATMセルを一時的に蓄積するためのバッファメモリが設けられている。また、第1のATM多重化装置73と第3のユーザ端末78は、第2のATM多重化装置76との間にATMコネクション77、79を設定している。これらのATMコネクション77、79は第2のATM多重化装置76で終端している。第2のATM多重化装置76にも、転送されてくるATMセルを一時的に蓄積するためのバッファメモリが設けられている。第2のATM多重化装置76とISP80の間には別のATMコネクション81が設定されている。
【0014】
それぞれのATM多重化装置73、76内にバッファメモリを配置している理由は次の通りである。図15で説明したように、ATMセル41(同図(d))からCS共通部のデータユニット21(同図(b))を復元する際には、ATMセルヘッダ32(同図(d))内に格納された図示しない末尾情報を参照して行なうようになっている。このために、末尾であることを示す末尾情報が、CS共通部のデータユニット21が分割格納された一連のATMセル41の最後のATMセル41のATMセルヘッダ32に格納されている。また、異なるCS共通部のデータユニット21が分割格納されているATMセル41はATMセルヘッダ32を参照するだけでは区別できないようになっている。したがって、ATM多重化装置73、76の場合には、CS共通部のデータユニット21が分割格納された一連のATMセル41単位でATMセルを送出する必要がある。そのため、これら一連のATMセル41の送出の間、他のCS共通部のデータユニット21が分割格納された一連のATMセル41をATM多重化装置73あるいは76内で待機させる必要があり、各ATM多重化装置73、76内にはバッファメモリが配置されている。
【0015】
図19は、図18に示す第2の手法を実現するATM多重化装置の一般的な構造を表わしたものである。同様の構造は、ATM交換機であっても実現可能である。ATM多重化装置91には、第1〜第Nの入力ポート921〜92Nが配置されており、それぞれ第1〜第NのATMサービスデータユニット取出部931〜93Nが接続されている。第1〜第Nの入力ポート921〜92NはN通りのATMコネクションに対応している。第1〜第NのATMサービスデータユニット取出部931〜93Nでは、入力されたATMセル41から、ATMサービスデータユニット31(図15(c))を抽出する。これら抽出したATMサービスデータユニット31は、第1〜第NのCS共通部復元部941〜94Nのうちの対応するものに入力される。第1〜第NのCS共通部復元部941〜94Nは、入力されたATMサービスデータユニット31を順に蓄積して、CS共通部のデータユニット21(同図(b))を復元するようになっている。
【0016】
第1〜第NのCS共通部復元部941〜94Nは、それぞれ第1〜第NのCRC演算部951〜95Nに接続されている。第1〜第NのCRC演算部951〜95Nは、第1〜第NのCS共通部復元部941〜94Nのうちの対応するもので復元されたCS共通部のデータユニット21に対して、CRC演算を実施する。これによって、CS共通部のデータユニット21にATMネットワークを転送中に、情報の欠落や、ビット誤りによる異常が発生していないか判別するようになっている。この判別で異常がない場合には、CS共通部のデータユニット21からユーザのデータ11(図15(a))を取り出して、それぞれ第1〜第Nのバッファメモリ961〜96Nに格納する。第1〜第Nのバッファメモリ961〜96Nは、パケット多重化部97に接続されている。パケット多重化部97は、第1〜第Nのバッファメモリ961〜96Nから1つずつユーザのデータ11を取り出して、ATMセル作成部98に出力するようになっている。ATMセル作成部98は入力されたユーザのデータ11からATMセル41を再作成し、接続された出力ポート99から、図示しない1つのATMコネクションに送出されるようになっている。
【0017】
このようなATM多重化装置91を用いることで、図示しない第1〜第NのATMコネクションを介して転送されてくるATMセル41を、出力ポート99から図示しない他のATMコネクションに対して再び送出することができる。また、入力されたATMセル41から一度パケットの元となるユーザのデータ11を復元して取得し、更に取得したユーザのデータ11からATMセル41を再作成して転送することで、ISPで終端するATMコネクションは1つで済むというメリットが生じる。
【0018】
特開2000−32004号公報にも、第2の手法を実現するATM多重化装置が提案されている。この提案では、転送された図15(d)に示したATMセル41から取得した同図(c)に示したATMサービスデータユニット31を蓄積するが、同図(a)に示したようなユーザのデータ11を復元しないようになっている。この提案では、図19に示したような第1〜第Nのバッファメモリ961〜96Nは、ATMサービスデータユニット31が格納できるバッファメモリの集合で実現することができる。つまり、少数で大型のバッファメモリよりも比較的コストの低い小型のバッファメモリを多数使用することで、ATM多重化装置のコストダウンを図っている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
以上の説明のうちの第1の手法では、ISPと接続するユーザ端末の数と同数のポイント・ツー・ポイントのATMコネクションを、ATMネットワーク内の該当する装置間に設定する。このとき、設定されたATMコネクションごとに各装置の持つ仮想チャネルと呼ばれる識別番号を割り当てる。この仮想チャネルの数は有限であり、コネクションリソースとも呼ばれている。第1の手法では、このコネクションリソースを、ATMコネクションを設定した装置間全てで、ユーザ端末の数と同数ずつ消費することになる。したがって、ユーザ数の増加に比例して、ATMネットワーク全体のコネクションリソースの消費を増加させるという問題があった。
【0021】
また、ISPは、ATMコネクションを用いて転送されるATMセル41から、ユーザのデータ11を復元するATMコネクションを終端する装置を、接続するユーザ端末と同じ数だけ導入する必要があった。このため、接続するユーザ端末の数に合わせて、ISPの装置が大型化してしまうという問題があった。
【0022】
一方、第2の手法では、ATMネットワーク内で設定するATMコネクションの数を減らし、コネクションリソースの消費を抑えることができる。しかしながら、ATM多重化装置内で一度、IPパケットとして送出しようとするユーザのデータ11を復元した後、再度ATMセル41を作成する必要がある。また、マルチポイント・ツー・ポイントでコネクションを設定しているので、次段で2系統のATMセルが混じり合わないように一方の一連のATMセルの送出を他方が終了するまで待機させる必要があった。例えば、IPパケットは可変長のパケットなので、IPパケットとして送出しようとするユーザのデータ11もその長さが数十キロオクテットのサイズになることがある。今後の通信の高速化と大容量化、さらにユーザ数の増加に伴って、インターネットでは長いパケットの送受信が増加することが予想される。これに対応してATM多重化装置内のバッファメモリには、IPパケットとして送出しようとするユーザのデータ11を復元するためと、これらがATMセルに分割して送出されるときに異なった系統のATMセルが混じり合わないように一方を待機させるために充分な蓄積容量が必要となる。したがって、バッファメモリの大型化と、これに伴うATM多重化装置のコストアップを引き起こすという問題があった。
【0023】
また特開2000−32004号公報で提案されているATM多重化装置では、転送されたATMセルから、ユーザのデータ11を復元せずに多重する技術が提案されている。しかし、この提案でも、ユーザのデータ11単位で蓄積されたATMサービスデータユニット31を出力するので、あるユーザのデータ11に相当するATMサービスデータユニット31の処理を行っている間、他のユーザのデータ11に相当するATMサービスデータユニット31を待機させる必要がある。つまり、ユーザのデータ11を復元しないので復元処理に必要となるバッファメモリを用意しなくてもよいが、転送待ちのユーザのデータ11を待機させるのに相当する蓄積容量のバッファメモリが必要になる。したがって、ユーザのデータ11が長くなった場合には、バッファメモリの大型化と、これに伴うATM多重化装置のコストアップを引き起こすという問題があった。
【0024】
そこで本発明の目的は、複数のユーザ端末からISPにパケットを転送するときに、ユーザ端末の数の増加に対応してコネクションリソースの消費が増加しないATMセルを用いた通信システムを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の通信システムでは、(イ)インターネット網に送出するために用意した任意の長さのパケットを、ヘッダと、送信するデータ以外のデータをも格納可能な余白領域を予め設けたデータ格納領域から構成されるATMセルにおけるデータ格納領域の長さ以下となるように順に分割するパケット分割手段と、このパケット分割手段によって分割して得られた分割データをそれぞれ組み込んだATMセルを生成すると共に分割データの末尾に相当するものにはその生成するATMセルに末尾であることを示す末尾情報を組み込んだATMセルを生成するATMセル生成手段と、このATMセル生成手段によって生成されたそれぞれのATMセルを、パケットを分割した順序で、このパケットをインターネット網に送出する送出先に至る最初の経路に送出するATMセル送出手段とを備えた複数の端末と、(ロ)これら複数の端末の前記した最初の経路から送られてくるATMセルのそれぞれに対して、それらの送り出された端末に対応付けられた固有の識別情報をデータ格納領域に組み込み、送出先に至る次の経路にATMセルとして送出する1または複数の多重化装置と、(ハ)インターネット網に送出する送出先であって、送られてきたATMセルのデータ格納領域に前記した固有の識別情報が組み込まれている場合にはその情報を基にして、固有の識別情報が組み込まれていないATMセルの場合には最初の経路を基にして、同一端末同士のATMセルのデータ格納領域を構成するデータをATMセルの受信順に連結すると共に末尾情報が存在したデータを連結されたデータの末尾に位置するデータとして、端末それぞれがインターネット網に送出するために用意したパケットを再生するパケット再生手段とを備えたインターネットサービスプロバイダとを備え、(ニ)多重化装置は、多重化装置を少なくとも1つ経由してインターネットサービスプロバイダにATMセルを送出する端末ごとに最初の経路と対応付けて予め割り振った固有の識別情報を格納した識別情報記憶手段と、自装置に送られてきたATMセルが前記した複数の端末の最初の経路から直接送られてきた場合には自装置とその経路との関係から固有の識別情報を識別情報記憶手段から読み出す識別情報読出手段と、この識別情報読出手段によって読み出された固有の識別情報をATMセルの余白領域に組み込むことでデータ格納領域のデータ長が変化しないように固有の識別情報の組み込みを行う識別情報組込手段と、この識別情報組込手段によって固有の識別情報を組み込んだ後のデータ格納領域にそれぞれヘッダを付けてATMセルとするセル生成手段とを更に具備することを特徴としている。
【0027】
すなわち請求項1記載の発明では、インターネット網に送出するために用意した任意の長さのパケットを、そのままではATM網に送り出すことができないので、それぞれの端末は、ヘッダとデータ格納領域から構成されるATMセルにおけるデータ格納領域の長さ以下となるように分割するようにしている。そして、これら分割した分割データの末尾に相当するものに末尾情報を組み込んでそれぞれのATMセルを、インターネットサービスプロバイダに至る最初の経路に送出するようにしている。請求項1記載の発明ではこれら端末とインターネットサービスプロバイダの間のATMネットワークに適宜1または複数の多重化装置を配置している。それぞれの多重化装置は、複数の経路から送られてくるそれぞれのATMセルを多重化して次の経路に送出するが、その際に、送られてきた経路が前記した最初の経路すなわち端末から最初に送出する経路であるときには、これらの端末に対応した固有の識別情報を次の相手先に送るATMセルのデータ格納領域に組み込むようにしている。インターネットサービスプロバイダはこれらの多重化装置を幾段か経たATMセルや場合によってはこれらと併せて端末から直接到達するATMセルを受信する。そして受信したATMセルに識別情報が組み込まれているときにはその識別情報を基にして、また識別情報が組み込まれていない場合には入力された経路を基にして、端末を特定しそのパケットを再生する。この再生過程では、同一の識別情報あるいは識別情報が組み込まれていない場合には入力された経路から送られてきた端末のATMセルを認識し、これらのATMセルのデータ格納領域を構成するデータ同士を受信順に繋いでいって、末尾情報が存在したATMセルが出現したとき、そのデータ格納領域を構成するデータを末尾に位置するデータとしてその端末のパケットを再生する。このように請求項1記載の発明では、それぞれの多重化装置は前記した最初の経路から送られてくるATMセル、すなわち各端末から直接送られてくるATMセルにこれらの端末に対応付けられた識別情報を組み込めばよい。したがって、従来のようなパケット全体を再生してから再びATMセルに変換するような処理を必要としないので、個々のATMセルを1つのパケットに相当する分となるまで多重化装置側で蓄積しておく必要がなく、バッファの容量を大幅に節約することができる。また、各端末装置あるいは多重化装置は次の宛先までの経路をATMセルによって指定してこれらを送出すればよいので、コネクションリソースの消費を抑えることができる。
しかも、この請求項1記載の発明では、受信されたATMセルが複数の端末の前記した最初の経路から直接送られてきた場合には、識別情報記憶手段における最初の経路と対応付けて予め割り振った固有の識別情報を、識別情報組込手段によってデータ格納領域に組み込む。前記した最初の経路以外から送られてきた場合には、すでに他の多重化装置で同様にして識別情報を組み込んでいるので、この作業は行われない。ここで識別情報を組み込むとは、識別情報読出手段によって読み出された固有の識別情報をATMセルの前記した余白領域に組み込むことを意味する。この結果、データ格納領域のデータ長が変化しない。これにより、本発明の場合には、識別情報を組み込んだ後のデータ格納領域にヘッダを付加することでATMセルを生成することができる。このように、データ格納領域に単純に識別情報を組み込むだけで良いので、処理を単純化することができる。
【0028】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の通信システムの多重化装置は、(イ)多重化装置を少なくとも1つ経由してインターネットサービスプロバイダにATMセルを送出する端末ごとに最初の経路と対応付けて予め割り振った固有の識別情報を格納した識別情報記憶手段と、(ロ)自装置に送られてきたATMセルが複数の端末の前記した最初の経路から直接送られてきた場合には自装置とその経路との関係から前記した固有の識別情報を識別情報記憶手段から読み出す識別情報読出手段と、(ハ)この識別情報読出手段によって読み出された前記した固有の識別情報をATMセルのデータ格納領域に組み込む識別情報組込手段と、(ニ)この識別情報組込手段によって前記した固有の識別情報を組み込んだデータ格納領域同士を連結しこれをATMセルのデータ格納領域の長さで区切る連結データ区切り手段と、(ホ)この連結データ区切り手段によって区切られた後のそれぞれのデータ格納領域にヘッダをつけてATMセルとするセル生成手段とを具備することを特徴としている。
【0029】
すなわち請求項2記載の発明では、各多重化装置でデータ格納領域に識別情報を組み込む場合の対処の仕方の1つの例を示している。この多重化装置の場合にも、受信されたATMセルが複数の端末の前記した最初の経路から直接送られてきた場合には、識別情報記憶手段における最初の経路と対応付けて予め割り振った固有の識別情報を、識別情報組込手段によってデータ格納領域に組み込む。前記した最初の経路以外から送られてきた場合には、すでに他の多重化装置で同様にして識別情報を組み込んでいるので、この作業は行われない。識別情報を組み込むとは、たとえば識別情報をデータ格納領域に付加してその全長を増加させる場合もそうでない場合もある。請求項2記載の発明の場合には、識別情報を組み込んだ後のデータ格納領域同士を連結するので、データ格納領域の元の長さがどうであれ問題ない。連結後のデータ長はATMセルの本来のデータ格納領域の長さよりも長くなっていく。そこで、連結されていくデータを多重化装置側である程度バッファリングしながら、ATMセルの本来のデータ格納領域のサイズで順に連結データ区切り手段で区切るようにしている。そして、連結データ区切り手段によって区切られた後のそれぞれのデータ格納領域にヘッダをつけてATMセルとすることで、識別情報が組み込まれた後のデータ格納領域がどのようなものでも効率的にATMセルを生成できるようにしている。もちろん、末尾情報に対応する最後のATMセルのデータ格納領域の長さは調整する必要がある。
【0030】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の通信システムでATMセル生成手段は、分割データの末尾に相当するATMセルのヘッダに末尾情報を組み込むことを特徴としている。
【0031】
すなわち請求項3記載の発明では、ATMセルのヘッダに末尾情報を組み込めるものであれば、ヘッダに組み込んでもよいことを示している。これにより、データ格納領域をより効率的に活用することができる。
【0032】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の通信システムでATMセル生成手段は、分割データの末尾に相当する前記データ格納領域に末尾情報を組み込むことを特徴としている。
【0033】
すなわち請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明と異なり、データ格納領域に末尾情報を組み込む例を示している。これにより、ヘッダ自体に末尾情報を組み込めないような場合でも本発明を適用することができる。
【0036】
請求項5記載の発明では、請求項1記載の通信システムでパケット分割手段は、インターネットサービスプロバイダのパケット再生手段によるパケットの再生時にエラーをチェックするためのチェック用データをインターネット網に送出するために用意した任意の長さのパケットに付加しており、かつチェック用データの付加された後のパケットを構成するデータの全長がATMセルにおけるデータ格納領域の整数倍となるように所定の穴埋め情報を付加していることを特徴としている。
【0037】
すなわち請求項5記載の発明では、各端末がインターネット網に送出するために用意した任意の長さのパケットはそのまま分割する必要はなく、適宜必要な情報を付加した上で分割してよいことを示している。請求項6ではこの考え方から、インターネットサービスプロバイダのパケット再生手段によるパケットの再生時にエラーをチェックするチェック用データあるいはチェックビットを付加してもよいことを示している。チェックの結果、データを再生できるようなチェック用データを使用することも可能であることは当然である。
【0042】
【発明の実施の形態】
【0043】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0044】
第1の実施例
【0045】
図1は本発明の第1の実施例で説明するパケット多重化装置が複数配置された、ATMネットワークの構成を表わしたものである。ATMネットワーク101には、第1および第2のパケット多重化装置102、103と、第1〜第Nのユーザ端末1041〜104Nならびにインターネットサービスプロバイダ105(以下、ISPと称する。)が配置されている。
【0046】
第1〜第Mのユーザ端末1041〜104Mと第1のパケット多重化装置102の間には、第1〜第MのATMコネクション1061〜106Mのうちそれぞれ対応するものが張られている。これらの第1〜第MのATMコネクション1061〜106Mは、第1のパケット多重化装置102で終端している。また、第(M+1)〜第Nのユーザ端末104(M+1)〜104Nと第2のパケット多重化装置103の間には、第(M+1)〜第NのATMコネクション106(M+1)〜106Nのうちそれぞれ対応するものが張られている。これらの第(M+1)〜第NのATMコネクション106(M+1)〜106Nは、第2のパケット多重化装置103で終端している。更に、第2のパケット多重化装置103には、第(M+1)〜第NのATMコネクション106(M+1)〜106Nの他に第1のパケット多重化装置102との間にATMコネクション107が張られ、第2のパケット多重化装置103とISP105の間には、ATMコネクション108が張られている。ATMコネクション107は第2のパケット多重化装置103で終端し、ATMコネクション108はISP105で終端している。ここで使用されているNとMは自然数であり、次の数式(1)で示される関係にある。
【0047】
1<M<N …… (1)
【0048】
このような構成のATMネットワークで、第1〜第Mのユーザ端末1041〜104Mは、それぞれが送信するユーザのデータを、それぞれ対応した第1〜第MのATMセル1091〜109Mに、分割した形で格納する。また、第(M+1)〜第Nのユーザ端末104(M+1)〜104Nは、それぞれが送信するユーザのデータを、それぞれ対応した第(M+1)〜第NのATMセル109(M+1)〜109Nに、分割した形で格納する。これらについては図15で説明した通りである。第1のパケット多重化装置102は、転送されてくる第1〜第MのATMセル1091〜109Mに格納されているユーザのデータを多重して、ATMセル110に格納する。このとき、異なるユーザのデータが格納されていない場合には多重せずに、ユーザのデータをATMセル110に格納するようになっている。第2のパケット多重化装置103は、転送されてくる第(M+1)〜第NのATMセル109(M+1)〜109N、およびATMセル110に格納されているユーザのデータを多重して、ATMセル111に格納する。ISP105は転送されてくるATMセル111に格納された、多重されたデータから、第1〜第Nのユーザ端末1041〜104Nから送信するユーザのデータを、それぞれ取り出す。
【0049】
このとき、第1のパケット多重化装置102および第2のパケット多重化装置103では、第1〜第NのATMセル1091〜109Nにそれぞれの入力経路に対応した識別情報を格納するようになっている。また、ISP105はこの識別情報を基にして、多重されたデータから、第1〜第Nのユーザ端末1041〜104Nそれぞれに対応した送信するユーザのデータを取り出すようになっている。
【0050】
このようにして、ISP105は1つのATMコネクション108を張ることで、第1〜第Nのユーザ端末1041〜104Nから送信されるユーザのデータを、それぞれ取得することができる。ここで説明したユーザのデータがIPパケットそのものの構成であれば、送られてきたATMセル111からIPパケットそのものが復元されることになる。したがってこのような場合には、これを、ISP105から、そのまま図示しないインターネット網に送信されるIPパケットとすることもできる。このような場合には、ATMネットワーク101を用いて、第1〜第Nのユーザ端末1041〜104NからISP105にIPパケットが転送されることと同じ効果が得られる。もちろん、IPパケットのデータ部分のみをユーザのデータとして第1〜第Mのユーザ端末1041〜104Mから送り出すこともでき、この場合にはISP105側でATMセル111から復元したIPパケットのデータ部分にヘッダを付けてインターネット網に送り出すことになる。
【0051】
次に、このようなATMネットワーク101に配置された、第1のパケット多重化装置102について説明する。
【0052】
図2は図1で示した第1のパケット多重化装置の構成を表わしたものである。第1のパケット多重化装置102は、図示しない第1〜第MのATMコネクション1061〜106Mに対応して配置された、第1〜第Mの入力ポート2011〜201Mを備えている。第1〜第Mの入力ポート2011〜201Mのうちのそれぞれ対応するものに供給される第1〜第MのATMセル1091〜109Mは、第1〜第Mのパケット作成部2021〜202Mのうちのそれぞれ対応するものに入力されるようになっている。これら第1〜第Mのパケット作成部2021〜202Mで作成された第1〜第Mのパケット2031〜203Mは、それぞれ対応した第1〜第Mのパケットバッファメモリ2041〜204Mに一時的に格納される。第1〜第Mのパケットバッファメモリ2041〜204Mの出力側は、パケット多重化部205の入力側に接続されている。パケット多重化部205は、第1〜第Mのパケットバッファメモリ2041〜204Mから出力される第1〜第Mのパケット2031〜203Mを多重化するようになっている。多重化されたパケット206はATMセル作成部207に入力されて、ATMセル110が作成される。ATMセル110は図示しないATMコネクション107に対応して配置された、出力ポート208から転送されるようになっている。
【0053】
この第1のパケット多重化装置102には、CPU(中央演算処理装置)やROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶媒体を備えた、図示しない制御部が配置されている。第1の実施例では、この図示しない制御部に格納されたCPUが、記憶媒体に予め格納された所定のプログラムを実行することで制御を行なっている。
【0054】
図3は、図2で示した第1のパケット作成部の構造を詳細に表わしたものである。第1のパケット作成部2021は、第1のATMセル分解部2211を備えている。第1のATMセル分解部2211は、第1の入力ポート2011から入力された第1のATMセル1091を、第1のATMセルヘッダ2221と第1のATMサービスデータユニット2231に分解するようになっている。ここで第1のATMセルヘッダ2221および第1のATMサービスデータユニット2231は、図15(c)あるいは図15(d)で説明したと同様の信号構成となっている。第1のATMセルヘッダ2221は、第1のATMセルヘッダ情報保持部2241に入力され、保持されるようになっている。また、第1のATMサービスデータユニット2231は、第1のデータ変換部2251に入力される。第1のデータ変換部2251は、第1のATMセルヘッダ情報保持部2241、第1のATMサービスデータユニット分割部2261に接続されている。第1のデータ変換部2251は、第1のATMセルヘッダ情報保持部2241から入力される情報2271を用いて、入力された第1のATMサービスデータユニット2231に格納されているデータを変換するようになっている。このデータ変換のために必要な、第1のATMサービスデータユニット2231をバッファリングするための図示しないメモリが、第1のデータ変換部2251に配置されている。
【0055】
データ変換された第1のATMサービスデータユニット2281は、第1のATMサービスデータユニット分割部2261に入力される。第1のATMサービスデータユニット分割部2261は入力された第1のATMサービスデータユニット2281を複数のブロックに分割するようになっている。このとき、第1のATMサービスデータユニット2281は予め定められた長さ以下に分割されるようになっている。これらの第1の分割されたブロック2291は、第1のATMサービスデータユニット分割部2261に接続された第1のヘッダ情報付加部2301に入力されるようになっている。このとき、それぞれのブロックの長さ情報2311も第1のヘッダ情報付加部2301に入力される。第1のヘッダ情報付加部2301は、第1のテーブルメモリ2321と、第1のCRC演算部2331と、第1のパケットバッファメモリ2041に接続されている。第1のヘッダ情報付加部2301は、第1のATMサービスデータユニット分割部2261と第1のテーブルメモリ2321から入力された情報2311および2341を基にして、ヘッダ情報を作成する。また、第1の分割されたブロック2291を第1のCRC演算部2331に入力する。その後、第1のCRC演算部2331によって演算された、分割されたブロック2351は再び第1のヘッダ情報付加部に入力され、作成したヘッダ情報をそれぞれ付加されるようになっている。ヘッダ情報を付加された分割されたブロック2351は第1のパケット2031として、第1のパケットバッファメモリ2041に格納されるようになっている。
【0056】
第1のテーブルメモリ2321は、第1〜第MのATMコネクション1061〜106Mの情報と、これらにそれぞれ対応した識別情報を内部で管理している。第1のテーブルメモリ2321は、接続されている第1のATMセルヘッダ情報保持部2241から第1のATMセルヘッダ情報2361が入力されるようになっている。この第1のATMセルヘッダ情報2361に対応して、第1のテーブルメモリ2331内部の識別情報を検索するようになっている。この検索の結果取得された識別情報が、情報2341として第1のヘッダ情報付加部2301に入力されるようになっている。この情報2341は、同じ第1のATMセル1091から分離した第1のATMサービスデータユニット2231に対応した第1の分割されたブロック2351に対して使用される情報となっている。
【0057】
第1のCRC演算部2331は、第1のヘッダ情報付加部2301に入力された分割されたブロック2291を取得して、CRC(Cyclic Redundancy Check)演算を行なうようになっている。この演算は、第1のヘッダ情報付加部2311に入力された分割されたブロック2291に対して、前の演算結果を引き継いで行われる。このため演算結果は演算途中値として第1のCRC演算部2331内で保持されるようになっている。また、特定の分割されたブロック2291は演算結果を格納するようになっている。このようにして、演算が行われた分割されたブロック2351が、再び第1のヘッダ情報付加部2301に入力されるようになっている。
【0058】
以上、図2における第1のパケット作成部2021の構造を説明した。第2〜第Mのパケット作成部2022〜202Mは、第1のパケット作成部2021と同様の構造であるので、これらの説明を省略する。
【0059】
図4は、第2のパケット多重化装置の構造を詳細に表わしたものである。ただし、図2と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。第2のパケット多重化装置103には、第1のパケット多重化装置102と同様に図示しない制御部が配置されており、この制御部によって第2のパケット多重化装置103の制御が行われている。第2のパケット多重化装置103は、図示しない第(M+1)〜第NのATMコネクション106(M+1)〜106Nに対応して配置された、第(M+1)〜第Nの入力ポート201(M+1)〜201Nを備えている。また、図示しないATMコネクション107に対応して配置された第1の入力ポート251を備えている。第1の入力ポート251に供給されるATMセル110には、第1のパケット多重化装置102に転送される第1〜第MのATMセル1091〜109Mから作成された第1〜第Mのパケット2031〜203Mが多重された後、格納されている。したがって、ATMセル110からパケットを作成する第1のパケット作成部252の構造は、第1のパケット多重化装置102に配置された第1のパケット作成部2021に機能を追加した構成となっている。第1のパケット作成部252で作成された第1のパケット253は、第1のパケットバッファメモリ254に格納されるようになっている。第1のパケットバッファメモリ254および第(M+1)〜第Nのパケットバッファメモリ204M+1〜204Nから出力されるATMセル253および第(M+1)〜第Nのパケット203(M+1)〜203Nは、パケット多重化部205で多重されるようになっている。多重されたパケット255は、ATMセル作成部207に入力されて、ATMセル111が作成される。ATMセル111は図示しないATMコネクション108に対応して配置された、出力ポート256から転送されるようになっている。次に、第1のパケット作成部252の構造について説明する。
【0060】
図5は、図4に示した第1のパケット作成部の構造を詳細に表わしたものである。図3と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0061】
第1のパケット作成部252には、第1のATMセル分解部2211が備えられている。この第1のATMセル分解部2211は、第1の入力ポート251から入力されたATMセル110を、第1のATMセルヘッダ261と第1のATMサービスデータユニット262に分解するようになっている。第1のATMセルヘッダ261は、第1のATMセルヘッダ情報保持部2241に入力され、保持されるようになっている。また、第1のATMサービスデータユニット262は、第1のデータ変換部2251に入力される。第1のテーブルメモリ263は、第1のATMセルヘッダ情報保持部2241に接続されていて、第1のATMセルヘッダ情報保持部2241から、第1のATMセルヘッダ情報2361が入力されるようになっている。
【0062】
第1のテーブルメモリ263は、図3で説明した第1のテーブルメモリ2321に対応するものであり、同様の構成を持っている。ただし、第1のテーブルメモリ263には、第1のテーブルメモリ2321で説明した対応する識別情報の他に、ATMコネクション107に対応する第1のATMサービスデータユニット262へのデータの格納手法に関する情報が保持されている。このデータの格納手法に関する情報は、第1のATMセルヘッダ情報2361に対応して、第1のテーブルメモリ263内部の情報が検索されたときに取得されるようになっている。図示しない制御部はこのデータの格納手法に関する情報を基にして、第1のデータ変換部2251から第1のパケット取出部264に、第1のATMサービスデータユニット262を出力するか否か判別するようになっている。ここでは、出力すると判別したとして説明を続ける。第1のパケット取出部264は、入力された第1のATMサービスデータユニット262から、第1のパケット253を取り出すようになっている。取り出された第1のパケット253は、第1のパケットバッファメモリ254に一時的に蓄積されるようになっている。
【0063】
次に、出力しないと判別された場合の説明を行なう。第1のパケット作成部252には、図3で説明した第1のATMサービスデータユニット分割部2261、第1のヘッダ情報付加部2301および第1のCRC演算部2331が配置されている。これらの動作については図3で説明した第1のパケット作成部2021で説明したと同様である。したがって、図3で説明したと同様にして第1のヘッダ情報付加部2301から出力されるパケットが、パケット253として第1のパケットバッファメモリ254に一時的に蓄積されるようになっている。
【0064】
以上、図5における第1のパケット作成部の構造について説明を行った。以上の説明で図示しない制御部が出力しないと判別した場合には、第1のATMサービスデータユニット262からパケット253として、第1のパケット多重化装置102(図3)で作成された第1〜第Mのパケット2031〜203Mが取り出されるようになっている。
【0065】
ところで、図1に示した第1〜第Nのユーザ端末1041〜104Nにおいて、転送するATMセルにユーザのデータを分割して格納する際のプロトコルとして、ATMアダプテーションレイヤ5を使用するようになっている。図15で説明したように、このATMアダプテーションレイヤ5では、ATMセルヘッダに格納された図示しない末尾情報を参照して、ユーザのデータを復元するようになっている。第1および第2のパケット多重化装置102、103では、ATMセルのATMサービスデータユニットに格納されている情報を用いてユーザのデータを復元するプロトコルによって、ユーザのデータを転送するATMセルに格納するようになっている。このようなプロトコルとして第1の実施例では、ATMアダプテーションレイヤ2を用いる。したがって第1の実施例では、パケット多重化装置が、あたかもATMアダプテーションレイヤ5からATMアダプテーションレイヤ2へのプロトコル変換を行うような処理動作を行っている。ATMアダプテーションレイヤ2のプロトコルは、ITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication sector)の勧告I.363.2により規定されている。次に、ATMアダプテーションレイヤ2のプロトコルについて、更に説明を行う。
【0066】
ATMアダプテーションレイヤ2のプロトコルでは、送信するユーザのデータに情報を付加した可変長のCPS(Common Part Sub-layer)パケットを、転送するATMセルに格納する。また、ATMセルのデータ効率を上げるために、異なるユーザのデータを格納したCPSパケットを、1つのATMコネクションを介して転送するATMセル内に、論理多重して格納するようになっている。
【0067】
図6はCPSパケットのフィールド構造を表わしたものである。CPSパケット301(同図(a))は、CPSパケットヘッダ(CPS−PH)302とCPSパケットペイロード(CPS−PP)303から構成されている。同図(b)は、CPSパケットヘッダ302と、CPSパケットペイロード303のフィールド構成を詳細に表わしたものである。CPSパケットヘッダ302はチャネル識別子(CID)304と、LI(Length Indication)305と、UUI(User to User Indication)306と、HEC(Header Error Control)307から構成されている。また、CPSパケットペイロード303はそのまま、CPSパケット・インフォメーション(CPS−INFO)308として、送信するユーザのデータを格納する可変長のフィールドとなっている。このCPSパケットペイロード303は、ATMアダプテーションレイヤ2の規定により、最大長が定められている。この最大長は45オクテット、あるいは65オクテットのいずれかであって、どちらかを選択して使用できるようになっている。
【0068】
ここで、チャネル識別子304は、8ビットの固定長のフィールドであり、“0”〜“255”の“256”の異なる論理チャネルを設定できるようになっている。つまり、最大で256種類までの異なる送信するユーザのデータをそれぞれ格納したCPSパケットを、同一のATMコネクションで転送することができる。また、LI305は、CPSパケット・インフォメーション308の長さを、オクテット単位で格納する6ビットのフィールドである。UUI306は、CPSパケット301を送受信する間で、自由に使用する5ビットのフィールドである。HEC307は、CPSパケットヘッダ302に対して、予め定められた演算を行った結果を格納する5ビットのフィールドである。
【0069】
図2および図3で説明した第1〜第Mのパケット2031〜203Mは、以上説明したようなCPSパケット301(図6(a))と同じ構造である。説明を簡単にするために、以下、第1のパケット2031についてのみ説明を行う。CPSパケット・インフォメーション308(同図(b))は、第1のCRC演算部2341から第1のヘッダ情報付加部2311に入力される分割されたブロック2361の、それぞれと同じ構造である。また、第1のヘッダ情報付加部2311に入力される情報2321はLI305と、情報2351はチャネル識別子304として、それぞれのフィールドに格納される値と同じである。
【0070】
図6に示したCPSパケットペイロード303の最大長は65オクテットと規定されているので、例えば可変長のIPパケットを送信するユーザのデータとするような場合には、1つのCPSパケットペイロード303に格納できない可能性がある。このような場合、ATMアダプテーションレイヤ2のプロトコルでは、まず、送信するユーザのデータに所定の情報を付加してSSTED(Service Specific Transmission Error Detection Sub-layer)のデータユニットを作成する。次に、作成されたSSTEDのデータユニットを分割して、それぞれCPSパケットペイロード303に格納するようになっている。これらのCPSパケットペイロード303に付加される、CPSパケットヘッダ302のチャネル識別子304には、図6で説明した範囲内の同じ番号を示す値が格納されるようになっている。SSTEDのデータユニットは、サービス依存コンバージェンス・サブレイヤ(SSCS:Service Specific Convergence Sub-layer)の規定、ITU−Tの勧告I.366.1に従ったものである。
【0071】
図7はSSTEDのデータユニットのフィールド構造を表わしたものである。SSTEDのデータユニット311(同図(a))は、SSTED−PDUペイロード(SSTED−SDU)312と、この末尾に付加されるSSTED−PDU Trailer313から構成されている。SSTED−PDU Trailer313(同図(b))には、SSTED−UU(SSTED-User-to-User indication)314と、R(Reserved field)315と、CI(Congestion Indication)316と、LP(Loss Priority)317と、Length318と、CRC(Cyclic Redundancy Check)319が順に配置されている。
【0072】
ここで、SSTED−PDUペイロード312は、送信するユーザのデータを格納するもので、送信するユーザのデータと同じ長さのフィールドである。SSTED−UU314は、SSTEDのデータユニット311を送受信する間で自由に使用する1オクテットのフィールドである。R315は、現在使用用途が未定のフィールドであり、値“0”が設定されるようになっている、6ビットのフィールドである。また、CI316は、輻輳の有無を示す1ビットのフィールドであり、LP317は、輻輳などが発生した場合の送信情報の優先度を示す1ビットのフィールドである。Length318は、SSTED−PDUペイロード312の長さを、オクテット単位で格納する2オクテットのフィールドである。
【0073】
また、CRC319は、32ビットの情報で、SSTEDのデータユニット311の所定の範囲に対して、予め決められた生成多項式に従った演算の演算結果を格納する4オクテットのフィールドである。(1オクテットは、8ビットと等しい長さである。)このCRC319を、SSTEDのデータユニット311の送受信間で送受信することによって、ATMネットワーク内で発生した情報の欠落やビットエラーの検出に用いるようになっている。
【0074】
逆に、CPSパケット301からSSTEDのデータユニット311を復元するための情報は、CPSパケットヘッダ302に格納されるようになっている。CPSパケットヘッダ302は、CPSパケットペイロード303に格納するSSTEDのデータユニット311を分割したブロックが、末尾か否かを判別する情報を、UUI306に格納するようになっている。例えば、末尾のブロックの場合には“11011”を、それ以外のブロックの場合には“11010”を格納する。したがって、CPSパケットヘッダ302のチャネル識別子304とUUI306を基にして、CPSパケット301からSSTEDのデータユニット311を復元する。このように、復元されたSSTEDのデータユニット311のSSTED−PDUペイロード312からは、送信するユーザのデータを取得することができる。
【0075】
以上で説明したように、ATMアダプテーションレイヤ2のプロトコルでは、送信するユーザのデータの末尾に情報を付加して、SSTEDのデータユニット311を作成するようになっている。また、ATMアダプテーションレイヤ5のプロトコルでも、図15で説明したように、送信するユーザのデータの末尾に情報を付加して、CS共通部のデータユニット21(図15(b))を作成するようになっている。したがって、CS共通部のデータユニット21のユーザのデータ11(図15(a))の末尾に付加された情報を変換することで、CS共通部のデータユニット21からSSTEDのデータユニット311に変換することができる。図3に示した第1のデータ変換部2251では、このCS共通部のデータユニット21のユーザのデータ11(図15(a))の末尾に付加される情報が格納されているATMサービスデータユニット2231だけに、処理を行うようになっている。
【0076】
ここで、変換対象となるCS共通部のデータユニット21のフィールドは、CS共通部のデータユニット21を作成する際に、ユーザのデータ11の末尾に追加された8〜55オクテットの長さのフィールドである。このフィールドの長さが可変長なのは、0〜47オクテットの範囲で可変長のCPCSパディング12(図15(b))が含まれているためである。ATMサービスデータユニット2231の長さは48オクテットであり、変換対象となるフィールドが55オクテットであった場合には、CS共通部のデータユニット21を分割した末尾と、その1つ前のATMサービスデータユニット2231が変換対象となる。変換対象となるフィールドの長さは、ユーザのデータ11の長さ(図15(b):LI15)から求めることができる。このLI15は、末尾のATMサービスデータユニット2231に格納されているため、末尾のATMサービスデータユニット2231を取得するまで、変換対象となるフィールドを知ることができない。したがって、図3に示した第1のデータ変換部2251は、1つだけATMサービスデータユニット2231を蓄積するようになっている。また、ATMサービスデータユニット2231に、CS共通部のデータユニット21を分割した末尾が格納されているか否かは、同一のATMセル1091から分離されたATMセルヘッダ2221に格納された図示しない末尾情報で判別するようになっている。SSTEDのデータユニット311(図7(a))で、SSTED−PDUペイロード312の末尾に付加されるSSTED−PDU Trailer313には、このような可変長のフィールドは存在しない。したがって、CPCSパディング12に該当するフィールドは、変換時に削除されるようになっている。これ以外のデータについては適宜データ変換が行われるが、この変換については後で説明を行う。
【0077】
次に、図6で示したようなCPSパケットと、このCPSパケットを格納するATMセルの関係について説明する。
【0078】
図8は図6で示したCPSパケットと、このCPSパケットが格納されるATMセルの構造を表わしたものである。図6と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。CPSパケットペイロード303(図8(a))にCPSパケットヘッダ302が付けられて、CPSパケット301(同図(b))が作成される。第1の実施例では、CPSパケットペイロード303は、図3で示した第1の分割されたブロック2351それぞれと同じ構成である。また、CPSパケットヘッダ302は、第1のヘッダ情報作成部2301で作成されて、第1の分割されたブロック2351それぞれに付加されるヘッダ情報と同じ構成である。さらに、CPSパケット301は同様の構成である第1のパケット2031として、第1のパケットバッファメモリ2041に蓄積されるようになっている。
【0079】
CPSパケット301の多重化は、CPSプロトコルデータユニット(CPS−PDU)322(図8(c)、(d)、(e))に、CPSパケット301を順番に格納することによって行なう。CPSプロトコルデータユニット322は、その先頭に1オクテットのSTF(STart Field)323が格納されるようになっていて、残りの領域にCPSパケット301が格納されるようになっている。CPSプロトコルデータユニット322の長さは、ATMサービスデータユニット331(同図(f))の長さ48オクテットと、等しくなっている。1つのCPSパケット301を、同じCPSプロトコルデータユニット322に格納することができない場合には、格納できる部分324だけを格納する。残りの部分325は、次のCPSプロトコルデータユニット322に格納するようになっている。STF323は、CPSプロトコルデータユニット322の先頭に格納されているCPSパケット301の終了位置を示す情報が格納されている。このようにして作成されたCPSプロトコルデータユニット322を、ATMサービスデータユニット331(同図(f))とする。このATMサービスデータユニット331の先頭にATMセルヘッダ332を付加してATMセル333(同図(g))を作成するようになっている。
【0080】
第1の実施例では、図2に示したパケット多重化部205が、第1〜第Mのパケットバッファメモリ2041〜204Mにそれぞれ蓄積されている第1〜第MのCPSパケット2031〜203Mを1つずつ取り出して多重するようになっている。多重されたパケット206は、ATMセル作成部207に出力され、CPSプロトコルデータユニット322が作成されるようになっている。この後、ATMセル作成部207はCPSプロトコルデータユニット322に、ATMコネクション107(図1)を転送するための情報を含んだ図示しないATMセルヘッダを作成して、付加するようになっている。
【0081】
以上説明した第1および第2のパケット多重化装置102、103の動作を、次に説明する。
【0082】
図9は、図1に示した第1のパケット多重化装置が第1〜第Mのユーザ端末から転送されるATMセルを処理する流れを表わしたものである。ここでは、説明を簡単にするために、第1のユーザ端末1041から転送される第1のATMセル1091を対象として説明を行うようにする。まず、第1のパケット多重化装置102に配置された図示しない制御部は、第1のATMセル1091が第1の入力ポート2011に入力されたか否か確認する(ステップS101)。第1のATMセル1091が入力されていない場合(N)には、入力されるまで待機する(ステップS101)。
【0083】
入力された場合には(ステップS101:Y)、第1のATMセル1091が第1のパケット作成部2021に配置された、第1のATMセル分解部2211に入力される。第1のATMセル分解部2211は、入力された第1のATMセル1091を第1のATMセルヘッダ2221と、第1のATMサービスデータユニット2231に分解する(ステップS102)。この後、第1のATMセルヘッダ2221は、第1のATMセルヘッダ情報保持部2241内部で保持する。また、第1のATMサービスデータユニット2231は第1のデータ変換部2251内部で、蓄積する(ステップS103)。さらに、第1のATMセルヘッダ情報保持部2241に入力された第1のATMセルヘッダ2221内の図示しない仮想パス識別子と、仮想チャネル識別子に格納されている情報を、情報2361として、第1のテーブルメモリ2321に入力する。第1のテーブルメモリ2321は、この情報を基にして検索取得した情報2341を情報第1のヘッダ情報付加部2301に送るようになっている。
【0084】
その後、ステップS102で分離された第1のATMセルヘッダ2221の図示しないペイロードタイプフィールドに格納された末尾情報を参照する。図示しない制御部はこの末尾情報を基にして、第1のデータ変換部2251に蓄積されている第1のATMサービスデータユニット2231が、図15に示すCS共通部のデータユニット21を分割した末尾のATMサービスデータユニット31であるか否か判別する(ステップS104)。末尾ではない場合(N)には、第1のデータ変換部2251内部に蓄積されている第1のATMサービスデータユニット2231の数を判別する(ステップS105)。蓄積数が“2”でない場合(N)には、次の第1のATMセル1091の入力を監視する(ステップS101)。蓄積数が“2”である場合(ステップS105:Y)には、先に蓄積されていた第1のATMサービスデータユニット2231を、第1のATMサービスデータユニット2281として、第1のATMサービスデータユニット分割部2261へ出力する(ステップS106)。
【0085】
蓄積された第1のATMサービスデータユニット2231が末尾である場合(ステップS104:Y)に、図示しない制御部は、第1のデータ変換部2251に蓄積されている第1のATMサービスデータユニット2231内の削除する範囲を取得する(ステップS107)。この削除する範囲は、図15に示すCPCSパディング12が格納されているフィールドに該当する範囲である。その後、第1のデータ変換部2251に蓄積されている第1のATMサービスデータユニット2231から、ステップS107で取得した範囲を削除する(ステップS108)。また、その他のデータを所定のフィールドに格納(ステップS109)する。CPCSパディング12が存在しない場合には、該当する範囲が存在しないので、ステップS108では削除は行われない。これにより、CS共通部のデータユニット21(図15(b))からSSTEDのデータユニット311(図7(a))と同様のフィールド構成を持つデータへの変換が、一部を除いて行われたことになる。この後、蓄積されている第1のATMサービスデータユニット2231を蓄積された順に1つずつ、第1のATMサービスデータユニット2281として、第1のATMサービスデータユニット分割部2261へ出力する(ステップS110)。
【0086】
図10は、図9に示すステップS107で、削除する範囲を取得する処理の流れの一例について、詳細に表わしたものである。この削除する範囲とは、CPCSパディング(図15(b))が格納されているフィールドに該当する範囲である。まず、図示しない制御部は、ユーザのデータ11(図15(a))の長さを取得する(ステップS121)。ユーザのデータ11の長さは、対応する第1のデータ変換部2251に入力された、末尾の第1のATMサービスデータユニット2231に格納されている、LI15(図15(b))に該当するフィールドから取得する。次に、取得した長さを48で除算して余りを求め、この余りが“40”であるか否か判別する(ステップS122)。余りが“40”であった場合(Y)には、CPCSパディング12は存在しないと判別(ステップS123)して、処理を終了する(エンド)。余りが“40”ではない場合(ステップS122:N)には、余りが“40”以上であるか否か判別する(ステップS124)。“40”以上である場合(Y)には、CPCSパディング12の格納されている開始位置を、第1のデータ変換部2251に先に蓄積された第1のATMサービスデータユニット2231の、先頭から余りに“1”加算した位置と判別する(ステップS125)。例えば、余りが“42”の場合には、先に蓄積された第1のATMサービスデータユニット2231の先頭から43オクテット目から、CPCSパディング12が格納されている。“40”以上ではない場合(ステップS124:N)には、CPCSパディング12の格納されている開始位置を、対応する第1のデータ変換部2251に蓄積された末尾の第1のATMサービスデータユニット2231の、先頭から余りに“1”加算した位置と判別する(ステップS126)。CPCSパディング12の格納されている終了位置は、CPCS−UU13、CPI14、LI15、CRC“32”16が、合わせて8オクテットの固定長であるので、末尾の第1のATMサービスデータユニット2231の後ろから9オクテット目となる。このようにして、CPCSパディング12の範囲を取得(ステップS127)して、処理を終了する(エンド)。例えば、以上に説明したような処理によって、図示しない制御部はCPCSパディング12の範囲を取得する。
【0087】
図9に示すステップS109の処理で、データを所定のフィールドに格納にする処理について、詳細に説明する。この処理で格納するデータは、図7(b)に示すR315、CI316、LP317である。SSTED−UU314、Length318は、図15(b)に示す図示しないCS共通部のデータユニット21の対応したフィールドCPCS−UU13、LI15に格納された値をそのまま用いる。CRC319については、この後の処理で格納するため、ここでは説明を行わない。図示しない制御部は、CS共通部のデータユニット21を分割格納した末尾の第1のATMサービスデータユニット2231に格納されている、CS共通部のデータユニット21のCPI14のフィールドに、R315、CI316、LP317の順にデータを格納する。これらCI316、LP317に格納するデータは、それぞれ第1のATMセルヘッダ情報保持部2241に保持された、第1のATMセルヘッダ2221から、情報2271として取得する。情報2271は、第1のATMセルヘッダ2221内の図示しないPTI(Payload Type Identifier)、CLP(Cell Loss Priority)フィールドにそれぞれ格納されている情報である。
【0088】
図11は、図9で示したステップS106、あるいはS110の続きの処理を表わしたものである。図示しない制御部は、第1のATMサービスデータユニット分割部2261に入力された第1のATMサービスデータユニット2281を、複数のブロックに分割する(ステップS201)。このとき、ATMアダプテーションレイヤ2で規定されているCPSパケットペイロード303(図6(a))の最大長以下となるように、第1のATMサービスデータユニット2281を分割する必要がある。また、この最大長以下の長さであれば分割後の長さを自由に定めることもできる。すなわち分割する長さを48オクテットと定めれば、第1のATMサービスデータユニット2281は分割されないことになる。第1の実施例では、45オクテット以下に分割するものとする。その後、分割したブロック2291を、それぞれ第1のヘッダ情報付加部2301に、第1のATMサービスデータユニット2281単位で出力する。第1のヘッダ情報付加部2301では、入力された分割したブロック2291を第1のCRC演算部2331出力する。第1のCRC演算部2331は、入力された分割したブロック2291に対して、CRCの演算を行う(ステップS202)。
【0089】
このとき、図示しない制御部は、CRCの演算を行なった分割したブロック2291の基となる第1のATMサービスデータユニット2231が、ステップS104で末尾と判別された(図9ステップS104:Y)か否か判別する(ステップS203)。末尾である場合(Y)には、CRCの演算結果を、分割したブロック2291に格納する(ステップS204)。CRCの演算結果は、図7(b)に示すCRC319のフィールドに該当する4オクテットの長さがある。したがって、分割したブロック2291の末尾から4オクテットの長さの範囲に上書書き込みする。この後、第1のCRC演算部2331に保持されているCRCの演算途中値を初期化する(ステップS205)。末尾ではない場合(ステップS203:N)には、CRCの演算結果を演算途中値として、第1のCRC演算部2331に保持する(ステップS206)。ステップS205あるいは、ステップS206終了後、分割したブロック2291は、分割したブロック2351として、第1のヘッダ情報付加部2301に戻される。
【0090】
この後、図示しない制御部は、第1のヘッダ情報付加部2301に戻された分割したブロック2351に対して、ヘッダ情報を作成する。図示しない制御部は、分割したブロック2351が、SSTEDのデータユニット311(図7(a))を分割して作成されたCPSパケット・インフォメーション308(図6(b))としたときに、末尾のCPSパケット・インフォメーション308に該当するか否か判別する。(ステップS207)。末尾である場合(Y)には、CPSパケットヘッダ302(図6(a))と同様の構造を持つヘッダ情報を作成する(ステップS208)。UUI306に該当するフィールドに、末尾であることを示す情報を格納する。また、対応した第1のテーブルメモリ2321から取得した情報2341をチャネル識別子304に該当するフィールドに格納する。さらに、第1のATMサービスデータユニット分割部2261から取得した情報2311をLI305に該当するフィールドに格納する。これらチャネル識別子304、LI305、UUI306に該当するフィールドに格納された値に所定の演算を行なった演算結果を、HEC307に該当するフィールドに格納する。このようにして、ヘッダ情報を作成する。末尾ではない場合(ステップS207:N)には、UUI306に該当するフィールドに、末尾ではないことを示す情報を格納する以外は、ステップS208と同様にして、CPSパケットヘッダ302(図6(a))と同様の構造を持つヘッダ情報を作成する(ステップS209)。
【0091】
図12は、図3に示す第1のテーブルメモリに格納されている情報テーブルの一例を表わしたものである。情報テーブル401には、仮想パス識別子402(VPI)と仮想チャネル識別子403(VCI)の組み合わせに対して、それぞれ1つのチャネル識別子404(CID)が設定されている。これらの仮想パス識別子402と仮想チャネル識別子403の組み合わせは、図1に示した第1〜第MのATMコネクション1041〜104Mにそれぞれ対応して、第1の多重化装置102(図1)に入力するATMセルの経路を表わしたものである。このチャネル識別子404は、仮想パス識別子402と仮想チャネル識別子403の組み合わせに対して、それぞれが重複しない番号として予め設定されている。この情報テーブル401の設定は、例えばパケット多重化装置102の管理者が、図示しないキーボードなどの入力手段を用いて設定するようになっている。
【0092】
図11に戻って説明を続ける。ステップS208、あるいはステップS209でヘッダ情報を作成後、それぞれ対応する分割したブロック2351に付加して、CPSパケット301(図6(a))と同様の構造を持つパケット2031を作成する(ステップS210)。作成されたパケット2031は、第1のパケットバッファメモリ2041に蓄積(ステップS211)する。
【0093】
第1の多重化装置102に供給される第2〜第MのATMセル1092〜109Mに対しても、以上説明したような処理によって、第2〜第Mのパケット2032〜203Mを作成する。これらの処理については第1のATMセル1091に対する処理と同様であるために、説明を省略する。作成されたこれらの第2〜第Mのパケット2032〜203Mは、それぞれ対応する第2〜第Mのパケットバッファメモリ2042〜204Mに蓄積する。
【0094】
この後、パケット多重化部205は、第1〜第Mのパケットバッファメモリ2041〜204Mから、第1〜第Mのパケット2031〜203Mを取り出して、多重する(ステップS212)。パケット多重化部205は、多重したパケット206をATMセル作成部207に入力する。ATMセル作成部207は、多重したパケット206から、CPSプロトコルデータユニット322(図8(c)、(d)、(e))と同様の構造を持つ、ATMサービスデータユニット331(同図(f))を作成する。これに、ATMセルヘッダ332(同図(g))を付加してATMセル333(同図(g))と同様の構造を持つATMセル110(図2)を作成する(ステップS213)。この後、出力ポート208から図示しないATMコネクション107を介して、ATMセル110を転送(ステップS214)して、処理を終了する(エンド)。
【0095】
次に第2のパケット多重化装置103の動作を説明する。ただし、転送される第(M+1)〜第NのATMセル109(M+1)〜109Nから作成された第(M+1)〜第Nのパケット203(M+1)〜203Nを第(M+1)〜第Nのパケットバッファメモリ204(M+1)〜204Nに蓄積する処理は、以上で説明した第1のパケット多重化装置102の動作と同様であるので説明を省略する。したがって、ここでは、第1の多重化装置102から転送されるATMセル110を処理する、図4に示す第2のパケット多重化装置103に配置された第1のパケット作成部252の動作の説明を行う。
【0096】
図示しない制御部は、図5に示した第1のATMセル分解部に入力されたATMセル110を、第1のATMセルヘッダ261と第1のATMサービスデータユニット262に分解する。第1のATMセルヘッダ261は、第1のATMセルヘッダ情報保持部2241に入力され、保持される。また、第1のATMサービスデータユニット262は第1のデータ変換部2251に入力され蓄積される。さらに、第1のATMセルヘッダ保持部2241に入力された第1のATMセルヘッダ261内の図示しない仮想パス識別子と、仮想チャネル識別子に格納されている情報を、情報2361として、第1のテーブルメモリ263に入力する。
【0097】
図13は、図5に示す第1のテーブルメモリに格納されている情報テーブルの一例を表わしたものである。情報テーブル501には、仮想パス識別子502(VPI)と仮想チャネル識別子503(VCI)の組み合わせに対して、それぞれチャネル識別子504(CID)とATMアダプテーションレイヤ(AAL)の種別を識別する情報505が設定されている。このATMアダプテーションレイヤの種別を識別する情報505は、仮想パス識別子502と仮想チャネル識別子503の組み合わせで示されるATMコネクションで転送されるATMセルにデータを格納する際のプロトコルに対応している。また、この仮想パス識別子502と仮想チャネル識別子503の組み合わせは第2のパケット多重化装置103に張られた、図1に示す第(M+1)〜第NのATMコネクション106(M+1)〜106NとATMコネクション107に対応している。図13では、ATMコネクション107は、仮想パス識別子502が値“0”、仮想チャネル識別子503が値“10”の組み合わせで表わしている。このとき、ATMアダプテーションレイヤの種別を識別する情報505には、ATMアダプテーションレイヤ2(AAL2)が設定される。したがって、仮想パス識別子502が値“0”、仮想チャネル識別子503が値“10”の組み合わせでは、複数のチャネル識別子が設定されており、これは既にそのチャネル識別子が使用されていることを示している。この情報テーブル501の設定は、例えばパケット多重化装置103の管理者が、図示しないキーボードなどの入力手段を用いて設定するようになっている。
【0098】
図示しない制御部は、第1のテーブルメモリ263に入力された情報2361を基にして、図13に示した情報テーブル501を検索する。ATMコネクション107に対しては、ATMアダプテーションレイヤの種別を識別する情報505として、ATMアダプテーションレイヤ2を示す情報が取得される。図示しない制御部は、ATMアダプテーションレイヤの種別を識別する情報505が、ATMアダプテーションレイヤ2を示す情報と判別し、蓄積された第1のATMサービスデータユニット262を、第1のパケット取出部264に入力する。ATMアダプテーションレイヤの種別を識別する情報505が、ATMアダプテーションレイヤ5を示す情報と判別した場合には、図9で説明したステップS103以降の処理と同様の処理を行なうようになっているが、ここでは説明を省略する。
【0099】
第1のパケット取出部264は入力された、第1のATMサービスデータユニット262を、CPSプロトコルデータユニット322(図8(c)、(d)、(e))と同様の構造を持つデータとして扱う。そして、第1のATMサービスデータユニット262から、図8で説明したCPSパケット301(同図(b))からATMセル331(同図(f))を作成するのと逆の手順で、CPSパケット301と同様の構造を持つ第1のパケット253を取り出す。この第1のパケット253は、第1のパケット多重化装置102(図2)で作成された第1〜第Mのパケット2031〜203Mのいずれかである。取り出された第1のパケット253は、第1のパケットバッファメモリ254に蓄積する。
【0100】
以上説明した第1のパケット作成部252によって、第1のパケットバッファメモリ254に蓄積された第1のパケット253は、第(M+1)〜第Nのパケットバッファメモリ204(M+1)〜204Nに蓄積された第(M+1)〜第Nのパケット203(M+1)〜203Nとパケット多重化部205によって多重化される。この処理は図11で説明したステップS212の処理と同様であり、これ以降の処理も図11で説明した処理に対応する。ATMセル作成部207は、この多重化されたパケット255からATMセル111を作成(図11:ステップS213)し、出力ポート256から図示しないATMコネクション108を介してこのATMセル111を転送(同図:ステップS214)する。
【0101】
以上説明したように、第1および第2のパケット多重化装置は、転送される第1〜第NのATMセル1091〜109Nに格納されたユーザのデータに識別情報と末尾情報を組み込んだそれぞれ対応した第1〜第Nのパケット2031〜203Nを多重して、最終的にATMセル111に格納するようになっている。ISP105は、図8で説明したCPSパケット301(同図(b))からATMセル333(同図(g))を作成するのと逆の手順で、転送されてくるATMセル111から第1〜第Nのパケット2031〜203Nを取り出すようになっている。取り出された第1〜第Nのパケット2031〜203Nは、CPSパケット301(図6(a)、(b))と、同様の構造として扱われる。また、これらのパケットにそれぞれ格納されているチャネル識別子304(CID)(図6(b))とUUI306(図6(b))に該当する情報から、第1〜第Nのユーザ端末1041〜104Nそれぞれに対応したユーザのデータを復元して取得するようになっている。このとき、チャネル識別子304に該当する情報は識別情報として、UUI306に該当する情報は末尾情報としてそれぞれ扱われるようになっている。
【0102】
ここで第1〜第Nのパケット2031〜203Nは、ATMアダプテーションレイヤ2で規定されているCPSパケット301(図6(a))と、同様の構造を持っていて、同一のATMコネクションを複数の独立したATMコネクションのように扱うことができる。また、各パケット多重化装置内ではCPSパケットを作成あるいは復元して、これらを多重するようになっているので、これらに必要なバッファメモリを設ければよい。これにより、CPSパケットに格納するユーザのデータとは関わりなくバッファメモリの容量が決まるので、多重化装置内にユーザのデータの長さに応じたバッファメモリを必要としないことになる。
【0103】
第1の実施例では、CPSパケット(図6(b))のチャネル識別子314(同図(b))を、同一のATMコネクション内で多重された複数の異なる経路から到達したユーザのデータを識別する情報として使用している。したがって、(1)式で示した自然数Nの最大値は“256”となる。しかし、これ以外のフィールドを用いて識別情報を設定する場合には、自然数Nの最大値はこれに限定されるものではない。
【0104】
第1の実施例の変形例
【0105】
図14は本発明の第1の実施例の変形例における、第1のパケット多重化装置に配置された第1のパケット作成部の構成を表わしたものである。図14で図3と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。第1のパケット作成部6011では、第1のデータ変換部2251に接続された、第1の入力データCRC演算部6021が配置されている。また、第1の入力データCRC演算部6021は、接続されている第1のCRC演算部6031に、情報6041を入力するようになっている。これ以外の構成については、図5で説明した第1のパケット作成部2021の構成と同一であるので、説明を省略する。ここでは、説明を簡単にするために第1のパケット作成部6011の説明のみを行なったが、図2に示す第2〜第Mのパケット作成部2022〜202Mに対しても、同様にして第2〜第Mのパケット作成部6012〜601Mを配置してもよい。
【0106】
第1の実施例で説明した第1のパケット多重化装置102(図1)は、装置内部に転送されたATMセルから、ユーザのデータを復元することなく更に転送を行なう。つまり、復元する場合に行なわれる第1〜第MのATMコネクション1061〜106M上で発生した情報欠落やビットエラーの有無を検出するチェックを行なわない。また、図3に示したような第1のCRC演算部2331は、入力されたデータに対してそのままCRCの演算を行い、その結果をCRC319(図7(b))の値として格納する。ISP105は取得したATMセル108から復元した、SSTEDのデータユニット311(図7(a))の、CRC319に格納された演算結果を基にして、情報欠落やビットエラーが発生しているか否か判別をする。ここで否と判別されても、これは第1のパケット多重化装置102とISP105間で、情報欠落やビットエラーが発生していないことを示しているだけであり、第1のパケット多重化装置102に入力されるまでの間の情報欠落やビットエラーをISP105は知ることができない。
【0107】
そこで、第1の実施例の変形例では、第1のパケット多重化装置102にATMセルを用いて転送される、CS共通部のデータユニット21(図15(b))に、情報欠落やビットエラーが生じていないかチェックを行なう。このチェックの結果を、CRC319に格納する値に反映することで、第1のパケット多重化装置102に入力されるまでの情報欠落やビットエラーの有無を示す情報を、引き継ぐようになっている。
【0108】
図示しない制御部は、図14に示す第1の入力データCRC演算部6021を用いて、第1のデータ変換部2251に入力されたATMサービスデータユニット2231を取得して、CRCの演算を行なうようになっている。この演算は、第1のデータ変換部2251に入力されたATMサービスデータユニット2231に対して、前の演算結果を引き継いで行われる。このため演算結果は演算途中値として第1の入力データCRC演算部6021内で保持されるようになっている。
【0109】
CS共通部のデータユニット21(図15(b))が分割格納された末尾の第1のATMサービスデータユニット2231が入力されたときに、演算結果とCRC“32”16(同図(b))のフィールドに格納されている値が等しいか否か判別する。等しくない場合には、第1のCRC演算部6031に、転送されたデータに情報欠落やビットエラーが発生していること示す情報6041を入力する。第1のCRC演算部6031は入力された情報6041に基づいて、図11のステップS204で格納するCRCの演算結果の値として、演算値とは異なる値を格納するようになっている。この後、または第1の入力データCRC演算部6021の演算結果と、CRC“32”16のフィールドに格納されている値が等しい場合には、第1の入力データCRC演算部6021に保持されている演算途中値を初期化する。
【0110】
これによって、第1のパケット多重化装置102で情報欠落やビットエラーの発生を検出した場合には、SSTEDのデータユニット311に格納するCRC319に、異常なCRCの演算結果の値を格納することができる。したがって、SSTEDのデータユニット311を復元したISP105は、CRC319に格納された演算結果を基準にして、情報欠落やビットエラーが発生しているか否かを判別することができる。
【0111】
発明の変形の可能性
【0112】
以上説明した第1の実施例および変形例では、図示しない第1〜第Nのコネクション1061〜106Nから供給される第1〜第NのATMセル1091〜109Nは、それぞれ対応する第1〜第Nの入力ポート2011〜201Nに入力されていた。そこで、第1〜第Nのパケット作成部2021〜202Nを複数のコネクションに対応させることで、1つの入力ポートに対して複数のATMコネクションから供給されるATMセルが入力される場合に対応できる。この場合には、第1〜第NのATMセルヘッダ情報保持部2241〜224Nと、第1〜第Nのデータ変換部2251〜225Nには、入力するATMコネクション毎に、ATMセルヘッダの情報およびATMサービスデータユニットを保持するのに必要なバッファメモリを用意する。また、第1〜第NのCRC演算部2331〜233Nは、ATMコネクション毎にCRC演算の演算途中値を保持するのに必要なバッファメモリを用意した第1〜第Nのパケット作成部2021〜202Nを用いることで対応する。
【0113】
また、第1の実施例および変形例においては、第1および第2のパケット多重化装置102と103の間で、それぞれ入力された経路に対応してデータ格納領域に付加する識別情報の重複を避ける必要がある。このために、各多重化装置に予め重複しない複数の識別情報を割り当てておいて、それぞれの多重化装置が入力される経路に対して、この中から割り当てる手法が考えられる。ただし、この場合には、一方の多重化装置で使用されてい識別情報を、他方の多重化装置で使用することはできないので、識別情報の数が限定されている場合には、識別情報を有効に使用できないことが考えられる。そこで、識別情報の管理を行う装置をATMネットワーク101内に配置し、この装置にATMネットワーク101内に配置されたパケット多重化装置がそれぞれアクセスする。識別情報の管理を行う装置はこれらのアクセスに対して、まだ割り当てていない識別情報を送信する。これによって、付加する識別情報の重複を避けることができ、また識別情報を無駄なく有効に使用することができる。
【0114】
また、第1の実施例では識別情報をATMセルのデータ格納領域に付加するようにしている。前記した最初の経路から送られてくるATMセルのデータ格納領域に識別情報を付加しようとする多重化装置では、このデータ格納領域が識別情報の付加分だけ長くなるので、効率的な通信を行うためにこれら識別情報の付加されたデータ格納領域同士を繋いでいって、本来のデータ格納領域の長さで切断するといった処理を行っている。このような処理も効率的なデータ通信のために有効であるが、ATMセルのデータ格納領域に予め余白を設けておく等によって、識別情報を組み込んだ後のデータ長がデータ格納領域の長さを超過しないように考慮することも可能である。このような手法をとると、多重化装置は識別情報を組み込んだ後にこのデータ格納領域にそのままヘッダを付けて次の経路に送出することができ、データ格納領域を結合し、その後にこれを分割するといった処理を必要としない。
【0115】
更に、第1の実施例では、多重化装置が入力されたATMセルのデータ格納領域を複数に分割してから、分割したそれぞれに識別情報を付加するようになっている。これは、第1の実施例では識別情報をATMアダプテーションレイヤ2で規定されているCPSパケットのヘッダ情報の一部として格納するようになっていて、このCPSパケットのヘッダ部分を除いた領域の最大長が45オクテットに設定された場合に備えたものである。この最大長が45オクテットに設定されている場合には、48オクテットの長さを持つATMセルのデータ格納領域は、1つのCPSパケットに格納することができないので、分割して複数のCPSパケットに格納することになる。ただし、ATMアダプテーションレイヤ2の規定では、CPSパケットのヘッダ部分を除いた領域の最大長は45オクテットあるいは、65オクテットのいずれかとなっている。したがって、最大長が65オクテットに設定されている場合には、入力されたATMセルのデータ格納領域を分割することなく、識別情報を含んだヘッダ情報を付加してCPSパケットを作成することができ、この場合にはデータ格納領域を分割する処理を必要としない。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1〜請求項5記載の発明によれば、各端末は従来と同様にインターネットに送出するパケットを分割してATMセルを生成して送出すればよく、これらの端末に何等特別の処理回路あるいは処理のプログラムを付加する必要がない。各多重化装置は端末に対応した固有の識別情報を付加することになるが、これは端末から直接送られてくるATMセルに対してだけでよいので、処理の負担が少ない。しかも各多重化装置は送られてきたATMセルからパケットを再生する必要がないので、バッファの容量を大幅に軽減させることができるだけでなく、バッファの容量が少なくて済む分だけ信号の遅延が生じにくいという利点がある。
また、識別情報組込手段はATMセルのデータ格納領域にこのデータ長が変化しないように識別情報を組み込むことにしたので、多重化装置側では識別情報を組み込んだATMセルを連結したりデータの分割を行う必要がない。したがって、ATMセルの送出処理を単純化することができるという効果もある。
【0117】
また、請求項2記載の発明によれば、識別情報を付加した後のデータがATMセルのヘッダ以外の領域としてのデータ格納領域のデータ長を越えるような場合でも、これらのデータを順に連続させて行ってデータ格納領域のデータ長で分割してヘッダを付加するようにしたので、データ格納領域のデータ長を超過したデータごとに2つ等に分割して個々のATMセルを生成する場合と比べるとATMセルの送出個数を最小限に抑えることができるという利点がある。
【0118】
更に請求項3記載の発明によれば、ATMセルのヘッダに末尾情報を組み込むことにしたので、データ格納領域を有効に活用することができる。
【0119】
また、請求項4記載の発明によれば、ATMセルのデータ格納領域に末尾情報を組み込むことにしたので、ヘッダに組み込む場合よりも設計の自由度を高めることができる。
【0121】
また、請求項5記載の発明によれば、インターネット網に送出するためのパケットにチェック用データを付加することにしたので、このパケットを分割してATMセルとして送り出し、インターネットサービスプロバイダ側で再びパケットを再生したとき、データの誤りをチェックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における複数のユーザ端末と、複数のパケット多重化装置と、ISPをATMコネクションで接続する様子を表わした説明図である。
【図2】第1の実施例における第1のパケット多重化装置の構造を表わしたブロック図である。
【図3】第1のパケット多重化装置の第1のパケット作成部の構造を表わしたブロック図である。
【図4】第1の実施例における第2のパケット多重化装置の構造を表わしたブロック図である。
【図5】第2のパケット多重化装置の第1のパケット作成部の構造を表わしたブロック図である。
【図6】ATMアダプテーションレイヤ2のCPSパケットの構造を説明する説明図である。
【図7】ATMアダプテーションレイヤ2のSSTEDのデータユニットの構造を説明する説明図である。
【図8】CPSパケットをATMセルに格納する様子を説明する説明図である。
【図9】第1の実施例におけるパケット多重化装置の処理の流れを表わした流れ図である。
【図10】図8に示すCPCSパディング範囲取得処理の流れを詳細に表わした流れ図である。
【図11】図8に示す第1の実施例のパケット多重化装置の処理の流れの続きを表わした流れ図である。
【図12】図3に示す第1のテーブルメモリ内に格納されている情報を表わした説明図である。
【図13】図5に示す第1のテーブルメモリ内に格納されている情報を表わした説明図である。
【図14】第1の実施例の第1の変形例における第1のパケット作成部の構造を表わしたブロック図である。
【図15】ATMアダプテーションレイヤ5の手法にしたがってユーザ情報をATMセルに格納する様子を表わした説明図である。
【図16】ATMネットワークを用いて複数のユーザ端末が、それぞれISPに接続する様子を表わした説明図である。
【図17】複数のユーザ端末がそれぞれISPにポイント・ツー・ポイントのコネクションを用いて接続する様子を表わした説明図である。
【図18】複数のユーザ端末がISPとマルチポイント・ツー・ポイントのコネクションを用いて接続する様子を表わした説明図である。
【図19】従来のパケット多重化装置の構成の一例を表わしたブロック図である。
【符号の説明】
102 第1のパケット多重化装置
103 第2のパケット多重化装置
1041〜104N 第1〜第Nのユーザ端末
105 インターネットサービスプロバイダ
2011〜201N 第1〜第Nの入力ポート
2021〜202N 第1〜第Nのパケット作成部
2031〜203N 第1〜第Nのパケット
2041〜204N 第1〜第Nのパケットバッファメモリ
205 パケット多重化部
207 ATMセル作成部
2241〜224N 第1〜第Nのヘッダ情報記憶部
2251〜225N 第1〜第Nのデータ変換部
2261〜226N 第1〜第NのATMサービスデータユニット分割部
2301〜230N 第1〜第Nのヘッダ情報付加部
2321〜232N 第1〜第Nのテーブルメモリ
2331〜233N 第1〜第NのCRC演算部
251 第1の入力ポート
252 第1のパケット作成部
253 第1のパケット
254 第1のパケットバッファメモリ
263 第1のテーブルメモリ
264 第1のCPSパケット取出部
6021 第1の入力データCRC演算部
6031 第1のCRC演算部

Claims (5)

  1. インターネット網に送出するために用意した任意の長さのパケットを、ヘッダと、送信するデータ以外のデータをも格納可能な余白領域を予め設けたデータ格納領域から構成されるATMセルにおけるデータ格納領域の長さ以下となるように順に分割するパケット分割手段と、このパケット分割手段によって分割して得られた分割データをそれぞれ組み込んだATMセルを生成すると共に分割データの末尾に相当するものにはその生成するATMセルに末尾であることを示す末尾情報を組み込んだATMセルを生成するATMセル生成手段と、このATMセル生成手段によって生成されたそれぞれのATMセルを、前記パケットを分割した順序で、このパケットをインターネット網に送出する送出先に至る最初の経路に送出するATMセル送出手段とを備えた複数の端末と、
    これら複数の端末の前記最初の経路から送られてくるATMセルのそれぞれに対して、それらの送り出された端末に対応付けられた固有の識別情報を前記データ格納領域に組み込み、前記送出先に至る次の経路にATMセルとして送出する1または複数の多重化装置と、
    前記インターネット網に送出する送出先であって、送られてきたATMセルの前記データ格納領域に前記固有の識別情報が組み込まれている場合にはその情報を基にして、固有の識別情報が組み込まれていないATMセルの場合には前記最初の経路を基にして、同一端末同士の前記ATMセルのデータ格納領域を構成するデータをATMセルの受信順に連結すると共に前記末尾情報が存在したデータを連結されたデータの末尾に位置するデータとして、前記端末それぞれがインターネット網に送出するために用意した前記パケットを再生するパケット再生手段とを備えたインターネットサービスプロバイダ
    とを備え、
    前記多重化装置は、多重化装置を少なくとも1つ経由して前記インターネットサービスプロバイダにATMセルを送出する端末ごとに前記最初の経路と対応付けて予め割り振った前記固有の識別情報を格納した識別情報記憶手段と、自装置に送られてきたATMセルが前記複数の端末の前記最初の経路から直接送られてきた場合には自装置とその経路との関係から前記固有の識別情報を識別情報記憶手段から読み出す識別情報読出手段と、この識別情報読出手段によって読み出された固有の識別情報をATMセルの前記余白領域に組み込むことで前記データ格納領域のデータ長が変化しないように前記固有の識別情報の組み込みを行う識別情報組込手段と、この識別情報組込手段によって固有の識別情報を組み込んだ後のデータ格納領域にそれぞれヘッダを付けてATMセルとするセル生成手段とを更に具備する
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 前記多重化装置は、多重化装置を少なくとも1つ経由して前記インターネットサービスプロバイダにATMセルを送出する端末ごとに前記最初の経路と対応付けて予め割り振った前記固有の識別情報を格納した識別情報記憶手段と、自装置に送られてきたATMセルが前記複数の端末の前記最初の経路から直接送られてきた場合には自装置とその経路との関係から前記固有の識別情報を識別情報記憶手段から読み出す識別情報読出手段と、この識別情報読出手段によって読み出された固有の識別情報をATMセルの前記データ格納領域に組み込む識別情報組込手段と、この識別情報組込手段によって固有の識別情報を組み込んだデータ格納領域同士を連結しこれを前記ATMセルのデータ格納領域の長さで区切る連結データ区切り手段と、この連結データ区切り手段によって区切られた後のそれぞれのデータ格納領域にヘッダをつけてATMセルとするセル生成手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
  3. 前記ATMセル生成手段は、分割データの末尾に相当するATMセルのヘッダに末尾情報を組み込むことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
  4. 前記ATMセル生成手段は、分割データの末尾に相当する前記データ格納領域に末尾情報を組み込むことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
  5. 前記パケット分割手段は前記インターネットサービスプロバイダのパケット再生手段によるパケットの再生時にエラーをチェックするためのチェック用データを前記インターネット網に送出するために用意した任意の長さのパケットに付加しており、かつチェック用データの付加された後のパケットを構成するデータの全長がATMセルにおけるデータ格納領域の整数倍となるように所定の穴埋め情報を付加していることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
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