JP3651444B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、供給する電力を制御する電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車やハイブリッド自動車などのように搭載した電動機を駆動源とする車両において、バッテリーから電動機に供給する電力を直流電力から交流電力に変換する電力変換装置内における主回路配線の低インダクタンス化の検討が進められている。
【0003】
電力変換装置内で電力変換を担うパワー半導体素子のスイッチング速度が高速化し、スイッチングのオン、オフの際生じる電流の時間変化(di/dt)が、数kA/μsにもなる。このような電流が流れる主回路配線では、パワー半導体素子がスイッチングする際には、配線インダクタンスLによって、L(di/dt)の大きさのスパイク電圧が発生してパワー半導体素子に印加されることになり、パワー半導体素子の破壊や損失の増加、ラジオノイズ増大の原因となる。
【0004】
こうしたことから、配線インダクタンスは小さいことが望まれ、配線インダクタンスは基本的には配線寸法で決まることから、配線長を短く、配線幅を広くすることで対応している。
【0005】
また、配線インダクタンスを低減するために、2本の配線導体を隣接配置し、相互インダクタンスを用いて配線インダクタンスを減少させる方法が検討されている。この方法を電力変換装置の配線構造に適用した一例が、特開平10−304679号公報に記載されている。
【0006】
この従来技術によれば、樹脂製の配線ブロック内に主回路配線における正極側の配線導体と負極側の配線導体が近接且つ互いに平行に設置されている。前記各配線導体には、電力変換装置を構成するパワーモジュール及び電力変換装置外の直流電源からの配線を接続するための端子が設けられており、この配線ブロックの端子にパワーモジュールの外部端子及び直流電源からの配線をそれぞれねじ止めする構造である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術によれば、配線ブロック内の近接且つ平行に設置されている2本の配線導体にそれぞれ流れる方向が異なる電流を流すことで配線導体間の相互インダクタンスを配線インダクタンスを減少させる方向に働かせ、且つ前記配線導体間に生じる寄生容量成分をあわせることで、主回路の合成インダクタンスを低減している。しかしながら、パワーモジュール内のインダクタンス、つまり、パワー半導体素子からパワーモジュールの外部端子にいたるまでの配線インダクタンスに関しては配慮されていないので、パワーモジュール内配線の合成インダクタンスが配線ブロック内の配線導体の合成インダクタンスよりも大きい場合は、装置全体の主回路配線インダクタンスの低減効果は低くなる。
【0008】
また、従来の電力変換装置を電気自動車等の車両用の密閉容器内に収める場合には、密閉容器側面に突出して設ける電気コネクタ装着部内の端子と前記配線ブロックの直流電源配線接続端子間を別個の配線導体で接続することが多い。従って、密閉容器におさめる電力変換装置の組み立てには、パワーモジュールと配線ブロックのほかに、密閉容器側面のコネクタ装着部、配線ブロックとコネクタ装着部間配線導体が必要になり、各部材間のねじ締め工数が増え、電力変換装置の組み立てが複雑になる。
【0009】
本発明の1つの目的は、主回路配線の低インダクタンス化を図り、また、密閉容器へ収容する組み立てに適した電力変換装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、更に、電力変換装置からのラジオノイズの放出を低減することにある。
本発明の更に他の目的は、更に、電力変換装置の信頼性を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パワー半導体素子を配線導体によって接続したパワーモジュール部を密閉容器内に収容した電力変換装置において、前記パワーモジュール部は、一対の配線導体を相互に絶縁すると共に平行な状態に積層して一体化した導体積層体を備え、この導体積層体の外端部には、前記密閉容器側壁外に突出するように形成した電気コネクタ嵌着部と該電気コネクタ嵌着部内に前記一対の配線導体の外端部を突出させて形成した接続端子を設け、内端部には前記パワー半導体素子に近隣させて配線導体を露出させた接続電極を設けたことを特徴とする。
また、前記電気コネクタ嵌着部の外周には、前記密閉容器と接触する導電部を設けた。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
電力変換装置は、例えば電動機に供給する電力を制御するものであり、交流電力を直流電力に変換する整流装置や、直流電力を交流電力に変換するインバータ装置や、インバータ装置と整流装置を組み合わせることによって入力した直流電力を所望の直流電力に変換して出力するDC−DCコンバータ装置などがある。
【0012】
ここでは、直流蓄電装置(バッテリー)から出力される直流電力を交流電力に変換して電動機に供給するインバータ装置を例にとって説明する。
【0013】
図5は、本発明の実施の形態であるインバータ装置の回路構成を示す電気回路図である。この実施の形態におけるインバータ装置100は、バッテリー2から受電した直流電力を該インバータ装置100に内蔵したパワー半導体素子X1〜X6のスイッチング動作によって交流電力に変換して電動機1に給電する構成である。
【0014】
具体的には、バッテリー2から出力される直流電力は、インバータ装置100の正極の接続端子3aおよび負極の接続端子4aで受電する。
【0015】
インバータ装置100は、受電した直流電力を、正極配線3と負極配線4に接続されたコンデンサ22に一時的に蓄え、正極配線3と負極配線4に接続されたパワー半導体素子X1〜X6で構成した電力変換部で交流電力に変換し、電動機接続端子13から電動機1に給電して該電動機1を駆動する。制御基板20は、前記パワー半導体素子X1〜X6のスイッチング動作を制御する回路を搭載した制御回路基板(制御装置)である。なお、参照符号30は、パワーモジュール部である。
【0016】
(第1の実施の形態)
図5に示した回路構成のインバータ装置100を実現する部品構造および組み立て構造を図1,図2,図3,図4を用いて説明する。図5に示した回路構成と同一の構造部品は同一の参照符号を付して説明する。
【0017】
図1は、この第1の実施の形態のインバータ装置の縦断側面図である。図2は、図1に示したインバータ装置の横断平面図である。図3は、図1に示したインバータ装置の分解図である。図4は、配線導体および電動機接続端子とパワー半導体素子の接続構造を一部を切り欠いて示す平面図である。
【0018】
この実施の形態のインバータ装置100は、金属(アルミニウムダイカスト)製のインバータケース10と同じく金属(アルミニウム板を絞り加工)製のインバータケース蓋11で構成される密閉容器の内部空間にパワーモジュール部30を配置している。
【0019】
パワーモジュール部30は、パワー半導体素子で構成した電力変換部と密閉容器側壁に突出する電気コネクタ嵌着部および接続端子を一体構造に構成したものであり、以下に詳細に説明する。
【0020】
パワーモジュール部30は、前記正極配線3に相当する正極用の配線導体3と前記負極配線4に相当する負極用の配線導体4と3枚の絶縁シート5a,5b,5cを交互に積層し、且つ平行状態に一体化した導体積層体40を備える。配線導体3,4の板厚は、例えば、0.8mmである。導体積層体40における配線導体3,4は、両者間に絶縁シート5bを介在させることにより互いに絶縁している。導体積層体40の外端部は、配線導体3,4の各端部を露出させ、バッテリー2と接続する電気コネクタ嵌着部6aの端子形状に加工した正極の接続端子3aと負極の接続端子4aを形成する。導体積層体40の内端部も配線導体3,4の各端部を露出させ、パワー半導体素子X1〜X6を電気的に接続するための接続電極3b,4bを形成する。
【0021】
コネクタブロック6は、前記接続端子3a,4aを前記コネクタ嵌着部6aの内部空間に位置させるように前記導体積層体40を埋設し、且つ前記接続電極3b,4bを形成した導体積層体40の内側部分をベース基板7上まで導く支持部6bを形成する形状に樹脂によって一体成型する。
【0022】
電力変換部を構成するパワー半導体素子X1〜X6は、それぞれ、積層銅箔を両面に固着したセラミック基板8(81〜86)の一方の面(上面)にはんだ付けして取り付ける。そして、パワー半導体素子X1,X2を取り付けたセラミック基板81,82と、パワー半導体素子X3,X4を取り付けたセラミック基板83,84と、パワー半導体素子X5,X6を取り付けたセラミック基板85,86とを近隣させ、且つ、両者間に接続電極3b,4bを配置する間隔をあけて配列するように、他方の面(下面)をベース基板7にはんだ付けして結合する。ベース基板7は、例えば、銅板である。
【0023】
前記接続電極3b,4bは、前記セラミック基板81,82の間と、セラミック基板83,84の間と、セラミック基板85,86の間にこれらのセラミック基板81〜86の縁に沿って伸びるように前記導体積層体40の内端に形成した接続部40a,40b,40cの側縁に形成し、パワー半導体素子X1〜X6の近隣に位置するように導体積層体40の内端部を前記ベース基板7に接着剤12aで固着する。
【0024】
コネクタブロック14は、電動機1と接続する電気コネクタ嵌着部14aの接続端子を兼ねた配線導体13(13U,13V,13W)を、その各内端縁が近隣する前記セラミック基板81,82と、セラミック基板83,84と、セラミック基板85,86とに対向するように位置させてインサートし、前記電気コネクタ嵌着部14aとパワー半導体素子X内蔵部の壁部を一体成型して構成し、エポキシ樹脂などの接着剤12bによってベース基板7に固着する。
【0025】
更に、前記導体積層体40の上面にはパワー半導体Xを囲む壁16を接着剤12cで固着している。前記壁16には、パワー半導体素子Xと電気的に接続するための制御端子15を設けており、前記制御端子15の外端は壁16の上端から突出させている。制御端子15は、パワー半導体素子Xのスイッチング動作を制御する回路を搭載した制御基板20と電気的に接続するように結合して該制御基板20を支持する。
【0026】
導体積層体40の接続電極3b,4bとパワー半導体素子X1〜X6およびセラミック基板(積層銅箔)81〜86と配線導体13U〜13Wと制御端子15の間に必要な電気的接続は、接続部材である金属ワイヤー(ボンディングワイヤー)17によるワイヤーボンディング方式によって実現する。
【0027】
パワー半導体素子X1〜X6は、コネクタブロック14の内縁部(壁部)と壁16で囲んだ空間内に位置させ、シリコンゲルなどの絶縁樹脂18を充填して封止し、更に、上方に蓋19を配置して密閉する。
【0028】
前記導体積層体40の配線導体3,4上には、コンデンサ22を搭載したコンデンサ基板21と電気接続するためのコンデンサ接続端子3c,4cを、それぞれ設ける。前記コンデンサ接続端子3c,4cは、ナットを配線導体3,4上にはめ込んで設けたものであり、前記コネクタ基板21とはねじ23でそれぞれねじ止め結合し、且つ電気的接続を行う。また、正極用の配線導体3上のコンデンサ接続端子3cが負極用の配線導体4と十分な絶縁距離を取れるように、前記コンデンサ接続端子3cの周辺の負極用の配線導体4をくり抜き加工する。
【0029】
次に、パワーモジュール部30の固定方法を説明する。
コネクタブロック6,14と一体化したパワーモジュール部30は、前記ベース基板7が前記インバータケース10内に設けた冷却水通路9に対応する位置に接触するように該インバータケース10上に配置する。これにより、パワー半導体素子X1〜X6の発熱をセラミック基板81〜86,ベース基板7を介してインバータケース10の冷却水通路9に伝達して該冷却水通路9を流通する冷却水によって除去(冷却)する。なお、冷却通水路9に冷却水を流通(循環)させるために接続する循環ポンプと放熱器は、図示説明を省略する。
【0030】
電気コネクタ嵌着部6aと電気コネクタ嵌着部14aは、インバータケース10から突出する位置に設置し、それぞれ、固定ねじ貫通穴24a,24bを設けておく。そして、固定ねじ25a,25bをインバータケース蓋11の開放縁に形成したフランジ部11aから貫通穴24a,24bに貫通させてインバータケース10に螺着して両者を結合することにより、パワーモジュール部30をインバータケース10とインバータケース蓋11で形成する密閉容器内に閉じ込めるように挟持した状態に固定する。
【0031】
この実施の形態によれば、密閉容器に収容されるインバータ装置100において、バッテリー2からの配線を接続する電気コネクタ嵌着部6a内の接続端子3a,4aからパワー半導体素子X1〜X6に至るまでの主回路配線は、主として、近接して配置されている正極用の配線導体3と負極用の配線導体4で構成された導体積層体40で構成されることになる。この導体積層体40を構成する正極用の配線導体3と負極用の配線導体4は絶縁シート5bを介して等間隔に配置され、なお且つ電流の向きが正反対となるので、これらの配線導体3,4間の相互インダクタンスが主回路配線の配線インダクタンスを低減する向きに働き、インバータ装置100内の配線インダクタンスを低減することができる。従って、パワー半導体素子X1〜X6のスイッチング時にパワー半導体素子X1〜X6に印加されるスパイク電圧が低減し、パワー半導体素子X1〜X6の破壊を防止し、パワー半導体素子X1〜X6の発熱を低減することができる。
【0032】
また、この実施の形態によれば、パワーモジュール部30にインバータ装置100を収容する密閉容器の側壁に突出する電気コネクタ嵌着部6a,14aを一体化したことにより、インバータ装置100を組み立てるときの構成部品点数および接続工数が低減するので、装置の組み立てが簡便になる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図6は、この第2の実施の形態のインバータ装置の縦断側面図である。前述した第1の実施の形態のインバータ装置における構成部品に相応する構成部品には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
【0034】
この実施の形態では、電気コネクタ嵌着部6aの外周に導電性の金属筒26を配置している。この金属筒26は、図7に示すように、方形状の筒体であり、電気コネクタ接着部6aの先端からインバータケース10とインバータケース蓋11に挟持される位置まで包囲する長さに形成し、電気コネクタ嵌着部6aの貫通穴24aの位置に合わせた貫通穴26aを設けている。そして、インバータケース10とインバータケース蓋11間に金属筒26を挟んで固定ねじ25aで締め付けることで、前記金属筒26をインバータケース10およびインバータケース蓋11と電気的接続状態に取り付ける。
【0035】
このようなインバータ装置100は、磁気シールド付きコネクタを電気コネクタ装着部6aに接続することにより前記金属筒26とコネクタの磁気シールドを接続することで、インバータケース10とインバータケース蓋11で構成する密閉容器と前記磁気シールド付コネクタ間に隙間のない磁気シールドを施すことができ、インバータ装置100から放出されるラジオノイズを低減することができる。
【0036】
前記金属筒26は、例えば、抵抗率の低い銅で形成する。この金属筒26を配置する方法は、コネクタブロック6を成型するときに、導体積層体40と一緒に成型用の型にはめ込む方法が好ましい。
【0037】
前記金属筒26の代わりに、成型されたコネクタブロック6のコネクタ装着部6aの外周部の表面に金属メッキ処理を施して形成した金属メッキ層でも前記金属筒26と同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、電気コネクタ嵌着部14aにも同様にして金属筒27を配置し、電気コネクタ嵌着部14aに磁気シールド付きコネクタを接続することにより、インバータケース10とインバータケース蓋11で構成する密閉容器と前記磁気シールド付きコネクタ間に隙間のない磁気シールドを施し、前記金属筒26と同様に、インバータ装置100から放出されるラジオノイズを低減する。
【0039】
また、この実施の形態では、電気コネクタ嵌着部6aと電気コネクタ嵌着部14aの外周に、それぞれ、防水パッキン装着溝28を設け、この防水パッキン装着溝28に防水パッキン29を装着している。この防水パッキン装着溝28は、インバータ装置100を組み立てることによりインバータケース10とインバータケース蓋11が接触する位置とすることによりこの防水パッキン装着溝28に装着した防水パッキン29をインバータケース10とインバータケース蓋11で圧縮することで、パワーモジュール部30とインバータケース10で構成する密閉容器とパワーモジュール30における電気コネクタ嵌着部6a,14a間の隙間を塞ぎ、インバータ装置100の防水性を向上させることができる。
【0040】
更に、この実施の形態では、導体積層体40にクランク状の屈曲部を形成している。導体積層体40を屈曲させることで、電気コネクタ嵌着部6a内における正極の接続端子3aと負極の接続端子4aの高さ方向の位置を任意の位置に設定することができる。また、電気コネクタ嵌着部6aの形状に自由度をもたせることができるので、接続部の壁厚を厚くし、接続端子3a,4aと金属筒6間に必要な絶縁距離を確保することが容易になる。
【0041】
(第3の実施の形態)
図8は、この第3の実施の形態のインバータ装置の縦断側面図である。前述した第2の実施の形態のインバータ装置における構成部品に相応する構成部品には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
【0042】
この実施の形態では、導体積層体40の一部をインバータケース10に接触させる形状に該導体積層体40の一部を屈曲させている。導体積層体40の下部には絶縁シート5cが積層されているので、導体積層体40の下面をインバータケース10に接触させても正極用の配線導体3とインバータケース10間で短絡が発生することはない。前記絶縁シート5cは、その厚さを0.5mm程度に構成し、導体積層体40に電流が流れて発生する熱を効率良くインバータケース10に放熱することができるようにする。
【0043】
更に、インバータケース10の底壁には冷却水を通す冷却水通路31を設け、導体積層体40からインバータケース10に伝達された熱を冷却水で除去して冷却効果を高めるように構成する。なお、冷却通水路31に冷却水を流通(循環)させるために接続する循環ポンプと放熱器は、図示説明を省略する。この循環ポンプと放熱器は、前記冷却通水路9に冷却水を流通させる循環ポンプと放熱器を共用することができる。
【0044】
従って、インバータ装置100内の雰囲気の冷却性能が向上するので、インバータ装置100内に設置されている、例えば、アルミ電解型のコンデンサ22などの熱寿命を延長することができる。その結果、インバータ装置100の信頼性を向上することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、密閉容器に収容するパワーモジュール部を構成する電気コネクタ嵌着部からパワー半導体素子までにおける主回路配線を構成する配線導体を平行な状態に積層したことにより該主回路配線の配線インダクタンスを低減することができるので、スパイク電圧を低減してパワー半導体素子の破壊を防止し、パワー半導体素子の発熱を低減することができる。
【0046】
また、パワーモジュール部における主回路配線を構成する導体積層体は、層間絶縁すると共に外側も絶縁体で覆うようにして一体化し、更に、電気コネクタ嵌着部と一体化したので、パワーモジュール部の組み立て性および電力変換装置の組み立て性が向上する。
また、本発明によれば、電力変換装置の磁気シールドが強化され、電力変換装置から放出されるラジオノイズを低減することができる。
また、電力変換装置内の冷却効率が向上するので、電力変換装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるインバータ装置の縦断側面図である。
【図2】図1に示したインバータ装置の横断平面図である。
【図3】図1に示したインバータ装置の組み立て構成を示す分解図である。
【図4】図1に示したインバータ装置における配線導体および電動機接続端子とパワー半導体素子の接続構造を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図5】本発明のインバータ装置の回路構成を示す電気回路図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態であるインバータ装置の縦断側面図である。
【図7】図6に示したインバータ装置における金属筒の斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態であるインバータ装置の縦断側面図である。
【符号の説明】
X(X1〜X6)…パワー半導体素子、1…電動機、2…バッテリー、3…正極用配線導体、3a…接続端子、3b…接続電極、3c…コンデンサ接続端子、4…負極用配線導体、4a…接続端子、4b…接続電極、4c…コンデンサ接続端子、5a,5b,5c…絶縁シート、6…コネクタブロック、6a…電気コネクタ嵌着部、7…ベース基板、8(81〜86)…セラミック基板、9,31…冷却水通路、10…インバータケース、11…インバータケース蓋、11a…フランジ部、12a,12b,12c…接着剤、13(13U〜13W)…配線導体(接続端子)、14…コネクタブロック、14a…電気コネクタ嵌着部、15…制御端子、16…壁、17…金属ワイヤー、18…絶縁樹脂、19…蓋、20…制御基板、21…コンデンサ基板、22…コンデンサ、23,25a,25b…ねじ、24…ねじ穴、24a,24b…貫通穴、26,27…金属筒、28…防水パッキン装着用溝、29…防水パッキン、30…パワーモジュール部、40…導体積層体、100…インバータ装置。
Claims (17)
- パワー半導体素子を配線導体によって接続したパワーモジュール部を密閉容器内に収容した電力変換装置において、
前記パワーモジュール部は、一対の配線導体を相互に絶縁すると共に平行な状態に積層し且つ外側を絶縁体で覆うようにして一体化した導体積層体を備え、この導体積層体の外端部には、前記密閉容器側壁外に突出するように形成した電気コネクタ嵌着部と該電気コネクタ嵌着部内に前記一対の配線導体の外端部を突出させて形成した接続端子を設け、内端部には前記パワー半導体素子に近隣させて配線導体を露出させた接続電極を設けたことを特徴とする電力変換装置。 - パワー半導体素子とベース基板を有するパワーモジュール部を備え、密閉容器に収容した電力変換装置において、
前記パワーモジュール部は、一対の配線導体を相互に絶縁し且つ平行な状態で積層すると共に外側を絶縁体で覆うようにして一体化した導体積層体と、前記密閉容器の側壁に突出する電気コネクタ嵌着部を備え、前記導体積層体の各配線導体の外端部には前記電気コネクタ嵌着部内に位置する接続端子を設け、前記電気コネクタ嵌着部は前記導体積層体を埋設しつつ前記導体積層体の支持部と一体成型し、前記導体積層体の内端部は前記ベース基板に固着したことを特徴とする電力変換装置。 - パワー半導体素子とベース基板を有するパワーモジュール部を備え、密閉容器に収容した電力変換装置において、
前記パワーモジュール部は、一対の配線導体を相互に絶縁し且つ平行な状態で積層すると共に外側を絶縁体で覆うようにして一体化した導体積層体と、密閉容器の側壁に突出する電気コネクタ嵌着部を備え、前記導体積層体の各配線導体の外端部には前記電気コネクタ嵌着部内に位置する接続端子を設け、前記電気コネクタ嵌着部は前記導体積層体を内包しつつ導体積層体の支持部と一体成型し、前記電気コネクタ嵌着部の外周に前記密閉容器と接触する導電部を備え、前記導体積層体の内端部を前記ベース基板に固着したことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1〜3の1項において、前記パワーモジュール部は、電気コネクタ装着部に設けた貫通穴に貫通させた固定ねじによってインバータケースとインバータケース蓋を結合して構成した密閉容器における前記インバータケースとインバータケース蓋の間に挟持して固定したことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項3において、前記導電部は、前記電気コネクタ嵌着部の外周に設けた金属筒で構成したことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項5において、前記金属筒は、銅で構成したことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項3において、前記導電部は、前記電気コネクタ嵌着部の外周に施した金属メッキ層で構成したことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項3において、前記導電部は、前記密閉容器と固定する固定ねじを貫通させる固定ねじ貫通穴を備えたことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜3の1項において、前記導体積層体の一部を屈曲させたことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜3の1項において、前記導体積層体の一部を絶縁層を介して前記密閉容器に接触させ、前記密閉容器壁内に冷却水通路を設けたことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜3の1項において、前記導体積層体の配線導体に電気的に部品を接続する接続端子を設けたことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項11において、前記接続端子にコンデンサあるいはコンデンサを搭載した基板を接続したことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜3の1項において、前記電気コネクタ嵌着部の外周に防水パッキン溝を設け、この防水パッキン溝に防水パッキンを装着して前記密閉容器との間を防水したことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜3の1項において、前記導体積層体の配線導体と前記パワー半導体素子は、金属ワイヤーで電気的に接続したことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜3の1項において、前記導体積層体の配線導体間および外側の絶縁は、絶縁シートによって実現したことを特徴とする電力変換装置。
- パワー半導体素子を有し、密閉容器に収容した電力変換装置において、
前記密閉容器の側壁に設けた電気コネクタ嵌着部の接続端子から前記パワー半導体素子に接続するまで至る直流電圧の回路配線を、それぞれ正極配線と負極配線を担う一対の配線導体で構成し、この一対の配線導体は、流れる電流の向きが相互に逆向きになるように絶縁且つ平行な状態に積層すると共に外側を絶縁体で覆うようにして一体化したことを特徴とする電力変換装置。 - パワー半導体素子とコンデンサを有し、密閉容器に収容した電力変換装置において、
前記密閉容器の側壁に設けた電気コネクタ嵌着部の接続端子から前記パワー半導体素子に接続するまで至る直流電圧の回路配線を、それぞれ正極配線と負極配線を担う一対の配線導体で構成し、この配線導体間には前記コンデンサを電気的に接続し、前記一対の配線導体は流れる電流の向きが相互に逆向きになるように絶縁且つ平行な状態で積層すると共に外側を絶縁体で覆うようにして一体化したことを特徴とする電力変換装置。
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