JP3648904B2 - 防振パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、物品の輸送の際や荷役作業等の際に用いられる防振パレットに係り、特に輸送時や荷役作業時等に衝撃や振動等が物品に伝達するのを防止できる機能を備えた防振パレット及びその段積み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より物品の輸送時や荷役作業時には、これらの物品を輸送手段に積載し、また、固定し、あるいは、フォークリフト等での作業を容易にするため、パレットが使用されている。また、近年においては、複写機等のOA機器を始めとして精密機器が組み込まれた物品の輸送や荷役作業に用いるものとして、輸送や荷役作業時の衝撃や振動等が物品に伝達するのをできるだけ防止できるようにした防振パレットも提案されている(実開平2−124,822号公報、特開平7−291,289号公報等)。
【0003】
そして、この従来の防振パレットは、基本的には、フォークリフトのフォーク挿入空間を形成するために上部プレートと下部プレートとの間に介装されるスペーサをゴム等の弾性体で形成し、例えば輸送時に車両側から伝達される衝撃や振動を弾性体で吸収し、これら衝撃や振動が上部プレート上に積載された物品に伝達するのを防止できる構造になっている。
【0004】
しかしながら、従来のこの種の防振パレットにおいては、上部プレートと下部プレートとが同じ形状で同じ大きさに形成されており、このため、例えばこの防振パレットを用いて物品を貨車やトラック等の車両で輸送中、その上下方向の衝撃や振動については効果的に吸収できるが、例えば車両の連結時、急停車時、段差の乗り越え時等に物品に水平方向の慣性モーメントが作用すると、上部プレートと下部プレートとはこれらの間に介装された弾性体が伸縮して相対的に移動し、上部プレートの周辺部が下部プレートの周辺部より外方に突出し、物品の積載状況によっては車両の前壁や側壁に衝突したり、あるいは、防振パレットの上部プレートどうしが衝突し合うことになり、弾性体の衝撃吸収性能が発揮し得なくなったり、場合によっては弾性体によりかえって衝撃や振動が増幅されて物品の損傷や破損を引き起こすことも考えられる。
【0005】
そこで、従来のこの種の防振パレットにおいては、実際の使用に際しては、上述した水平方向の衝撃や振動に対する対策をしておく必要があり、例えば、パレットとパレットの間、パレットと車両の前壁や側壁との間等に衝撃吸収のための別の手段を挟み込むこと等が行われていた。
【0006】
また、このような防振パレットの複数個を上下方向に段積みするための装置についてみても、特に工夫されたものはなく、例えば図23に示すように、上部プレートb、下部プレートc及びこれらの間に介装されたゴム等の弾性体dからなる防振パレットaを、物品Wを収納するスペースを確保しながら、収納できる保管棚(若しくは保管箱)eが知られているにすぎず、その前後方向及び左右方向のサイズが必然的に防振パレットaよりも大幅に大きくならざるを得ず、輸送効率や保管効率等を大幅に低下させる大きな原因になっている。
【0007】
そこで、例えば図24に示すように、下段に位置する防振パレットaの上部プレートbと上段に位置する防振パレットaの下部プレートcとの間に、前後方向及び左右方向のサイズが防振パレットaよりも大きくならないように、支柱(若しくは側壁材)fを立設することも考えられるが、このような方法を採用すると、上段の防振パレットa及びこれに積載された上段の物品Wの荷重がそのまま下段の防振パレットaの上部プレートbに作用し、結果として下段の防振パレットaの弾性体dには単に下段の防振パレットaに積載された物品の荷重だけでなく、上段の防振パレットa及び物品Wの荷重をも負荷することになり、この下段の防振パレットaの弾性体dにおける衝撃吸収や防振の性能が著しく低下し、更に、この下段の防振パレットaの弾性体dに作用する荷重の重心の位置が上方に移動してますます水平方向の衝撃や振動に弱くなるという問題が生じる。
【0008】
そして、このように防振パレットaの弾性体dに作用する荷重の重心の位置が高くなると、例えば輸送時に急停止されたような場合、物品Wに水平方向の慣性モーメントが強く作用し、輸送の進行方向前方に位置する弾性体dに対してはこれを圧縮する方向に圧縮力が作用すると共に輸送の進行方向後方に位置する弾性体dに対してはこれを伸長する方向に引張力が作用し、時にはこの弾性体dが防振パレットaの上部プレートbや下部プレートcに取り付けられている部分で破断するという事故も発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる観点に鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、たとえ車両の連結時、急停車時、段差の乗り越え時等に防振パレット上に積載された物品に水平方向の衝撃や振動が作用しても、その上部プレートの周辺部が車両の前壁や側壁、更には近隣の防振パレットの上部プレートに衝突するようなことがなく、これによって物品に作用する水平方向の衝撃や振動をも吸収し、また、抑制することができる新しい構造の防振パレットを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、上記防振パレットの複数個(すなわち、2個以上)を上下方向に段積みする際に、下段の防振パレットの衝撃振動吸収体に上段の防振パレットや物品の荷重が作用することがなく、上段及び下段に位置する各防振パレットの衝撃振動吸収体がいずれも効率良くその機能を発揮することができるように段積みすることができる防振パレットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明(第1発明)は、方形に形成された上部プレートと、少なくともこの上部プレートより前後方向及び/又は左右方向に長い2辺を有する下部プレートと、上面側が上部プレートに固定されると共に下面側が下部プレートに固定され、これら上部プレートと下部プレートとの間を連結すると共に上部プレートと下部プレートとの間に作用する衝撃や振動を吸収する複数の衝撃振動吸収体を有する防振手段とで構成されており、かつ、上部プレートには、この上部プレート上に積載される物品に係止するフック部及びこのフック部に接続されたワイヤー部からなる少なくとも3本以上の締結ワイヤーと、これら締結ワイヤーのフック部を上部プレート上の所定の周辺位置に配置する周辺配置具及びこれら締結ワイヤーのワイヤー部を上部プレート上の略中央部に集める中央配置具と、この中央配置具で集められた締結ワイヤーのワイヤー部をまとめて牽引するワイヤー牽引具とからなる物品固定具が設けられている、防振パレットである。
【0012】
また、本発明(第2発明)は、少なくとも積載される物品の高さよりも高い3つ以上の支持具を介して上下方向に積み重ね可能な防振パレットであって、物品が積載される、方形に形成された上部プレートと、少なくともこの上部プレートより前後方向及び/又は左右方向に長い2辺を有する下部プレートと、これら上部プレートと下部プレートとの間を連結すると共に上部プレートと下部プレートとの間に作用する衝撃や振動を吸収する複数の衝撃振動吸収体を有する防振手段と、上部プレートよりも外側に突出する下部プレートの突出部に、その上部プレートとは間隔をあけた状態で取り付けられ、前記各支持具の下端を保持するための保持具とで構成されている、防振パレットである。
【0013】
本発明において、上部プレートと下部プレートとは、それが木製であっても、樹脂製であっても、また、金属製であってもよいが、下部プレートの大きさは、水平方向の衝撃や振動が作用する方向に沿ってその前後方向や左右方向に上部プレートよりも長い辺を有する必要があり、従って少なくともその2辺が上部プレートよりも前後方向及び/又は左右方向に長い辺を有するものであり、防振パレット使用の際にその方向性が制限されないように、好ましくは防振パレットに組み立てられている状態で下部プレートの4辺が共に同じ長さで上部プレートの前後左右方向に突出した形状となっているのがよい。
【0014】
また、これら上部プレートと下部プレートとの間に介装される防振手段は、基本的には上面側が上部プレートに固定されると共に下面側が下部プレートに固定され、これら上部プレートと下部プレートとの間を連結すると共に上部プレートと下部プレートとの間に作用する衝撃や振動を吸収する少なくとも3個以上の複数の衝撃振動吸収体で構成され、同時にこれら上部プレートと下部プレートとの間にフォークリフトのフォーク挿入空間を形成する。
【0015】
防振手段となる各衝撃振動吸収体は、一般的には従来と同様にゴム等の弾性体で形成されるが、例えば、防振パレットに積載される物品の高さが高くてその重心の位置が高いような場合には、引張力や圧縮力に対する強度を高くするために、必要により複数の金属板と複数のゴム板等の弾性板材とを交互に積層して形成された弾性体積層アッセンブリで構成してもよい。なお、使用する弾性板材としては、積載する物品に対する反撥衝撃を考慮して、反撥係数の比較的小さなものを用いるのがよい。
【0016】
ここで、下部プレートの各辺の長さを上部プレートの各辺の長さよりどの程度長くし、また、どのような性能を有する衝撃振動吸収体を使用する必要があるかについての設計は、防振パレットに積載される物品の水平方向脆弱性や重量等を考慮し、水平方向の衝撃や振動が作用する際に想定される水平方向速度や、衝撃振動吸収体として使用するゴム等の弾性体の形状剪断バネ定数、みかけ剪断弾性係数、受圧面積、高さ(上部プレートと下部プレートとの間の距離)、使用する衝撃振動吸収体の数等のファクターを検討し、物品をその物品の水平方向脆弱性限界値以内で停止させるために必要な水平方向最小移動距離を求め、この水平方向最小移動距離に基づいて行う。
【0017】
更に、上部プレートには、その上に物品を固定するために、例えば固定金具とボルトナット等のような種々の物品固定具を設ける場合があるが、底面に丈夫なフレームを有する物品を積載するためには、上記第1発明の防振パレットのように、この物品の底面フレームに係止するフック部及びこのフック部に接続されたワイヤー部からなる少なくとも3本以上、好ましくは4本の締結ワイヤーと、これら締結ワイヤーのフック部を上部プレート上の所定の周辺位置に配置するアイボルト等の周辺配置具及びこれら締結ワイヤーのワイヤー部を上部プレート上の略中央部に集めるアイボルト等の中央配置具と、この中央配置具で集められた締結ワイヤーのワイヤー部をまとめて牽引するラチェットハンドル等のワイヤー牽引具とからなる物品固定具を設けるがよい。このような物品固定具によれば、物品の底部フレームに設けられる係止孔の位置が物品の種類によって上下前後左右方向に異なっていても、自在に対応することができる。
【0018】
そして、このような防振パレットを段積みするために用いる段積み装置は、少なくとも上部プレート上に積載される物品の高さよりも高い少なくとも3つ以上、好ましくは4本の支柱又は4枚の側壁材等からなる支持具と、下部プレートと略同じ形状及び大きさに形成され、上記支持具の上に取り付けられる天板と、上部プレートより外側に突出する下部プレートの突出部、好ましくは方形の下部プレートの四隅に位置する突出部にその上部プレートとは間隔をあけた状態で取り付けられ、上記各支持具の下端が保持される保持具とで構成される。また、上記第2発明の防振パレットを段積みするに際しては、その防振パレットを上記3つ以上の支持具を介して上下方向に積み重ねるとともに、その各支持具の下端を保持具に保持させる。
【0019】
この段積み装置については、好ましくは各支持具を各保持具及び天板に対して着脱可能に形成すると共に各保持具と天板とを接続可能に形成し、より好ましくは各支持具を接続して延長可能な複数の接続支柱で構成すると共に天板の下面には例えばブラケットや固定ベルト等の収納手段を設けてこれら接続支柱をまとめて収納できるようにし、物品の輸送や荷役等の作業終了後には各支持具を取り外して小さくまとめ、使用後の段積み装置を回収し易いようにするのがよい。
【0020】
更に、第1発明の防振パレットの段積み装置や第2発明の防振パレットにおいては、その各保持具には上部プレートの周辺部上面上方に所定の間隔を維持して突出する上部プレート受け部を設け、上下に段積みされた下段の防振パレットの上部プレートを持って複数の上下段の防振パレットを持ち上げた際にこの下段の防振パレットの上部プレートの周辺部が上部プレート受け部に当接するようにし、これによってこれら各保持具を介して下段の防振パレットの下部プレートに作用する上段の防振パレットの重量を支持するように構成するのがよい。このように構成することにより、上下方向に積載された下段の防振パレットの衝撃振動吸収体には上段の防振パレットの重量が作用することがなく、上下段の各防振パレットの衝撃振動吸収体はこれら各防振パレットに積載された物品の重量が作用するだけになり、各防振パレットの衝撃振動吸収体が略均等な重量を支持してバランスのとれた段積みを行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0022】
実施例1
図1から図3に、この発明の実施例1に係る防振パレットPが示されている。この防振パレットPは、正方形に形成された木製の上部プレート1と、この上部プレート1よりもその前後左右方向に長さlだけ長い4辺を有する木製の下部プレート2と、上面側が上部プレート1に固定されると共に下面側が下部プレート2に固定され、これら上部プレート1と下部プレート2との間を連結すると共に上部プレート1と下部プレート2との間に作用する衝撃や振動を吸収する9個の防振手段が互いに等間隔で設けられている。
【0023】
この実施例1において、各防振手段は、図4から図6に示すように、ゴム製円柱状の衝撃振動吸収体3と、その上面に固着されて締結ボルト部4aを有する金属製の取付プレート4と、衝撃振動吸収体3の下面に固着されて一対の取付孔5aを有する金属製の取付プレート5とで構成されている。そして、衝撃振動吸収体3の取付プレート4と上部プレート1との間は、上部プレート1側に穿設された透孔1aに取付プレート4の締結ボルト部4aを貫通し、上部プレート1の上面側からワッシャ7及び座金8を介してナット6で締め付けて締結されており、また、衝撃振動吸収体3の取付プレート5と下部プレート2との間は、この下部プレート2に透孔2aを穿設すると共にこの透孔2aの下部プレート2下面側に埋め込みナット9を取付け、締結ボルト10を座金8を介して取付プレート5の取付孔5aから下部プレート2の透孔2a内に差し込み、埋め込みナット9に螺着させて締め付けることにより締結されている。
【0024】
この実施例1の防振パレットPにおいて、その上部プレート1の上に物品Wを固定するための物品固定具は、L字状の固定金具11とこの固定金具11を上部プレート1側及び物品W側にそれぞれ固定するボルトナット12とで構成されている。
【0025】
上記実施例1の防振パレットPによれば、図8及び図9に示すように、トラックTの荷台に防振パレットPを介して物品Wを積載し、例えば搬送中に急停車したような場合、物品Wが軽量で低重心であると(図8の場合)物品Wの水平方向慣性モーメントにより物品WがトラックTの進行方向に若干移動するが、この時に防振パレットPの上部プレート1の前縁部はトラックTの前壁に当たることなく水平な状態を維持したまま停止し、また、物品Wが重量物で低重心であると(図9の場合)物品Wの水平方向慣性モーメントにより物品WがトラックTの進行方向に若干移動する際に、前方の防振パレットPの衝撃振動吸収体3は圧縮力を受け、また、後方の防振パレットPの衝撃振動吸収体3は引張力を受けながら、上部プレート1の前縁部はトラックTの前壁に当たることなく停止する。
【0026】
次に、図10は防振パレットPに用いる衝撃振動吸収体3の変形例を示すものであり、複数の金属板3aと複数のゴム板(弾性板材)3bとを交互に積層して形成された積層ゴムアッセンブリ(弾性体積層アッセンブリ)で形成されており、例えば物品Wが重量物で高重心であって、搬送中の急停車等の際に衝撃振動吸収体3に強い圧縮力と引張力とが作用するような場合に好適に用いられる。
【0027】
更に、図11から図13は、例えば複写機の搬送に用いられる防振パレットPの上部プレート1に設けられる物品固定具の他の例を示すものであり、物品の底面に位置するベースフレームB(図13参照)に係止するフック部13a及びこのフック部13aに接続されたワイヤー部13bを有する4本の締結ワイヤー13と、これら締結ワイヤー13のフック部13aを上部プレート1上の所定の周辺位置に配置するアイボルト(周辺配置具)14a及びこれら締結ワイヤー13のワイヤー部13bを上部プレート1上の略中央部に集めるアイボルト(中央配置具)14bと、これらのアイボルト14a,14bで集められた締結ワイヤー13のワイヤー部13bをまとめて牽引するラチェットハンドル(ワイヤー牽引具)15とで構成されている。
【0028】
この変形例の物品固定具において、上記締結ワイヤー13のフック部13aは、図12及び図13に示すように、基端側にワイヤー部13bが連結された平板状の本体部16aと、この本体部16aの終端から表面側又は裏面側に略直角に延びる折曲部16bと、上記本体部16aの裏面側又は表面側に設けられて折曲部16bとは反対側に位置すると共にこの折曲部16bの位置からベースフレームBのほぼ板厚に等しい距離だけ基端側に位置し〔図13(b)参照〕、本体部16aと相俟って略コ字状の鉤部を形成する鉤形成部16cとで形成されており、ベースフレームBに穿設された係止孔17aが水平方向に向けて開口している場合には、図13(a)に示すように、鉤形成部16cをこの係止孔17aに係止して固定し、また、ベースフレームBに穿設された係止孔17bが垂直方向に向けて開口している場合には、図13(b)に示すように、折曲部16bをこの係止孔17bに差し込んでこの折曲部16bと鉤形成部16cとで係止して固定するようになっている。
【0029】
従って、この変形例の物品固定具によれば、物品の底部に位置するベースフレームBに適当な係止孔17a,17bを開設しておき、各締結ワイヤー13のフック部13aをベースフレームBの各係止孔17a,17bに係止し、上記ラチェットハンドル15を用いて各締結ワイヤー13のワイヤー部13bを牽引するだけで、物品を強固にかつ容易に、しかも、所定の位置に位置決めしながら固定することができる。
【0030】
実施例2
図14から図17に、本発明の防振パレットPを段積みする場合の構成が示されている。この実施例2では、実施例1における防振パレットPを、2本1組で接続することにより上部プレート1上に積載される物品の高さよりも高くなる4組の接続支柱(支持具)18a,18bを介して上下方向に積み重ね可能にしており、その上部プレート1より外側に突出する下部プレート2の突出部の四隅に、下方に位置する各接続支柱18aの下端が保持される保持具20をその下部プレート2とは間隔をあけた状態で取り付けている。また、この実施例2では、このような保持具20を取り付けた防振パレットPを段積みするに際して、下部プレート2と略同じ形状及び大きさに形成され、上記接続支柱18a,18bの上に取り付けられる天板19を使用して段積み装置Hを構成している。
【0031】
この実施例2において、各接続支柱18a,18bは、図15に示すように、中空パイプ21aの一端にその外径と略同じ内径を有する短寸の接続パイプ21bを溶接して形成されており、中空パイプ21aの他端を接続パイプ21b内に嵌合することにより、2本の接続支柱18a,18bを容易に連結できるようになっている。
【0032】
また、上記天板19は、図16に示すように、木製の天板本体19aの四隅に、上方に位置する各接続支柱18bの接続パイプ21b内に嵌合して連結される連結部22aを有する連結ブラケット22が取り付けられており、また、これら各連結ブラケット22の連結部22a間にはこれら連結部22aを補強する補強梁23が架設されている。そして、この天板19の内面側には、物品の輸送や荷役等の作業終了後に各接続支柱18a,18bをまとめて収納するための一対のブラケット24aと固定ベルト24bからなる収納手段が設けられている。
【0033】
そして、上記下部プレート2の四隅に取り付けられる各保持具20は、図17に示すように、下部プレート2の四隅に固定される固定部20aと、この固定部20aに立設され、下方に位置する各接続支柱18aの下端が挿入されて連結される連結部20bと、この連結部20bの上方位置に設けられ、上部プレート1の周辺部上面上方に所定の間隔を維持して突出する上部プレート受け部20cが形成されている(図14、図18)。
【0034】
従って、この実施例2の防振パレットP及び段積み装置Hによれば、図18に示すように、防振パレットP及び段積み装置Hを、その使用後に分解し、図16に示すように各接続支柱18a,18bをまとめてブラケット24a及び固定ベルト24bで天板19の下面側に格納し、次いで天板19の各連結ブラケット22の連結部22aを下部プレート2の四隅に取り付けられた各保持具20の連結部20bに差し込み、防振パレットP及び段積み装置Hの高さを接続支柱18a,18bの分だけ低くした状態を示すものであり、このように防振パレットP及び段積み装置Hの高さを低くすることにより、物品の輸送や荷役等の作業終了後における防振パレットP及び段積み装置Hの回収作業の作業性が顕著に向上する。
【0035】
そして、例えば図19及び図20に示すように、例えば3段に段積みした場合であっても、各防振パレットPの衝撃振動吸収体3には各防振パレットPに積載された物品の荷重が作用するだけであるほか、平面状態において段積み装置Hが防振パレットPの下部プレート2より外方に張り出すことがなく、輸送及び保管の効率を低下させることがない。
【0036】
しかも、これら各防振パレットP及び段積み装置Hは、輸送等の作業終了時には、それぞれ図20に示すようにその高さを低くして段積みすることができ、これら防振パレットP及び段積み装置Hの回収作業が極めて容易になり、輸送・保管用の車両の出荷場所への返送が容易になって流通管理を容易にすることができる。
【0037】
更に、図21及び図22に示すように、フォークリフトFにより荷役作業を行う際に、上下に段積みされた下段の防振パレットPの上部プレート1を持って上下段の防振パレットPを持ち上げた際には、この下段の防振パレットPの上部プレート1の周辺部が上部プレート受け部20cに当接し、これによって下段の防振パレットPの下部プレート1に作用する上段の防振パレットPの荷重を各保持具20を介して支持できるようになっている。
【0038】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の防振パレットによれば、車両の連結時、急停車時、段差の乗り越え時等に積載された物品に水平方向の衝撃や振動が作用しても、その上部プレートの周辺部が車両の前壁や側壁、更には近隣の防振パレットの上部プレートに衝突することがなく、これによって物品に作用する水平方向の衝撃や振動をも吸収し、また、抑制することができる。
【0039】
また、本発明の防振パレットによれば、複数個の防振パレットを上下方向に段積みする際に、下段の防振パレットの衝撃振動吸収体に上段の防振パレットや物品の荷重が作用することがなく、上段及び下段に位置する各防振パレットの衝撃振動吸収体がいずれも効率良くその機能を発揮することができるように段積みすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1に係る防振パレットを示す斜視説明図である。
【図2】 図2は、図1の平面説明図である。
【図3】 図3は、図1の側面説明図である。
【図4】 図4は、図1の上部プレートと下部プレートとの間に介装される衝撃振動吸収体の取付け状態を示す部分断面説明図である。
【図5】 図5は、図4に示された衝撃振動吸収体の正面図である。
【図6】 図6は、図5の平面図である。
【図7】 図7は、図1の上部プレートに物品が固定される状態を示す部分説明図である。
【図8】 図8は、図1の防振パレットがトラックの急停止時に水平方向の衝撃を吸収する状態を示す説明図である。
【図9】 図9は、図8と同様の説明図である。
【図10】 図10は、衝撃振動吸収体の変形例を示す断面説明図である。
【図11】 図11は、上部プレート上に設けられた物品固定具の変形例を示す斜視説明図である。
【図12】 図12は、図11の物品固定具の締結ワイヤーを示す斜視説明図である。
【図13】 図13は、図12の締結ワイヤーが物品の底部に位置するベースフレームに係止した状態を示す断面説明図である。
【図14】 図14は、本発明の実施例2に係る防振パレットとこれに適用された段積み装置を示す斜視説明図である。
【図15】 図15は、図14の接続支柱を示す部分断面説明図である。
【図16】 図16は、図14の段積み装置の天板の下面側を示す斜視説明図である。
【図17】 図17は、図14の保持具を示す斜視説明図である。
【図18】 図18は、図14の段積み装置の格納状態を示す斜視説明図である。
【図19】 図19は、図14の防振パレット及び段積み装置を3段に段積みした状態を示す斜視説明図である。
【図20】 図20は、図19の防振パレット及び段積み装置を格納した状態を示す斜視説明図である。
【図21】 図21は、2段に段積みされた図14の防振パレット及び段積み装置をフォークリフトで荷役する際のリフト準備状態を示す説明図である。
【図22】 図22は、図21のリフト準備状態から2段に段積みされた防振パレット及び段積み装置をリフトした状態を示す説明図である。
【図23】 図23は、従来の防振パレット及び段積み装置を示す説明図である。
【図24】 図24は、図23と同様に、従来の防振パレット及び段積み装置を示す説明図である。
【符号の説明】
P…防振パレット、H…段積み装置、W…物品、T…トラック、B…ベースフレーム、F…フォークリフト、1…上部プレート、2…下部プレート、3…衝撃振動吸収体(防振手段)、3a…金属板、3b…ゴム板(弾性板材)、4,5…取付プレート(防振手段)、11…固定金具(物品固定具)、12…ボルトナット(物品固定具)、13…締結ワイヤー(物品固定具)、13a…フック部、13b…ワイヤー部、14a…アイボルト(周辺配置具)、14b…アイボルト(中央配置具)、15…ラチェットハンドル(ワイヤー牽引具)、18a,18b…接続支柱(支持具)、19…天板、20…保持具、24a…ブラケット(収納手段)、24b…固定ベルト(収納手段)。
Claims (4)
- 方形に形成された上部プレートと、
少なくともこの上部プレートより前後方向及び/又は左右方向に長い2辺を有する下部プレートと、
上面側が上部プレートに固定されると共に下面側が下部プレートに固定され、これら上部プレートと下部プレートとの間を連結すると共に上部プレートと下部プレートとの間に作用する衝撃や振動を吸収する複数の衝撃振動吸収体を有する防振手段とで構成されており、
かつ、上部プレートには、この上部プレート上に積載される物品に係止するフック部及びこのフック部に接続されたワイヤー部からなる少なくとも3本以上の締結ワイヤーと、これら締結ワイヤーのフック部を上部プレート上の所定の周辺位置に配置する周辺配置具及びこれら締結ワイヤーのワイヤー部を上部プレート上の略中央部に集める中央配置具と、この中央配置具で集められた締結ワイヤーのワイヤー部をまとめて牽引するワイヤー牽引具とからなる物品固定具が設けられていることを特徴とする防振パレット。 - 少なくとも積載される物品の高さよりも高い3つ以上の支持具を介して上下方向に積み重ね可能な防振パレットであって、
物品が積載される、方形に形成された上部プレートと、
少なくともこの上部プレートより前後方向及び/又は左右方向に長い2辺を有する下部プレートと、
これら上部プレートと下部プレートとの間を連結すると共に上部プレートと下部プレートとの間に作用する衝撃や振動を吸収する複数の衝撃振動吸収体を有する防振手段と、
上部プレートよりも外側に突出する下部プレートの突出部に、その上部プレートとは間隔をあけた状態で取り付けられ、前記各支持具の下端を保持するための保持具と
で構成されていることを特徴とする防振パレット。 - 上部プレートには、この上部プレート上に積載される物品に係止するフック部及びこのフック部に接続されたワイヤー部からなる少なくとも3本以上の締結ワイヤーと、これら締結ワイヤーのフック部を上部プレート上の所定の周辺位置に配置する周辺配置具及びこれら締結ワイヤーのワイヤー部を上部プレート上の略中央部に集める中央配置具と、この中央配置具で集められた締結ワイヤーのワイヤー部をまとめて牽引するワイヤー牽引具とからなる物品固定具が設けられている請求項2に記載の防振パレット。
- 各保持具には上部プレートの周辺部上面上方に所定の間隔を維持して突出する上部プレート受け部が形成されており、上下に段積みされた下段の防振パレットの上部プレートを持って複数の上下段の防振パレットを持ち上げた際に、この下段の防振パレットの上部プレートの周辺部が上部プレート受け部に当接し、これら各保持具を介して下段の防振パレットの下部プレートに作用する上段の防振パレットの荷重を支持する請求項2に記載の防振パレット。
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