JP3645970B2 - 粘着テープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粘着テープに関し、さらに詳しくは、例えばダンボール箱などの包装容器の封緘作業を大量に実施している梱包現場において好適に使用される粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダンボール箱などの包装容器を封緘するために、例えば2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などのプラスチックフィルムを基材とした粘着テープが使用されている。通常、このような粘着テープの背面には粘着テープ巻回体からの巻き戻しを容易にするため、長鎖アルキル系離型剤(一般的に、炭素数12以上の長鎖アルキルアクリレートの重合物や、長鎖アルキルアクリレートと他のビニルモノマーとの共重合物、あるいはポリビニルアルコールに長鎖アルキルイソシアネートなどの長鎖アルキル成分を反応させて得られる反応物を言う。)からなる離型剤層が設けられている。
しかしながら、離型剤層に長鎖アルキル系離型剤を使用した上記の粘着テープは、粘着テープを巻回体から巻き戻す時にビリビリ音が発生するため、このような粘着テープを大量に使用している梱包現場などでは、作業環境を悪化させる原因となっていた。
一方、粘着テープ背面に設けられる離型剤層としてシリコーン系離型剤を用いると、粘着テープ巻き戻し時の音の発生は防止することができるが、巻き戻し力が非常に小さくなり過ぎ、必要以上に粘着テープが巻き戻されたり、自動貼り合わせ機を使用する際、切断時に粘着テープがスムーズに切れなかったりするなどの作業上の問題があった。また、粘着テープ背面が滑りやすく、粘着テープを貼り合わせたダンボール箱等を重ね合わせて輸送する場合などに荷崩れが起こりやすいこと、さらには、離型剤層表面に油性インク等で筆記ができないなどの問題があった。
【0003】
また、シリコーン系離型剤を使用した場合の滑り性や筆記性の問題点を解決するため、特公昭60−1899号公報には、(イ)側鎖にフェニル基を有する分子鎖末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサン、(ロ)側鎖にアルコキシ基を有する有機けい素化合物、(ハ)エチルセルロース、(ニ)硬化触媒からなるシリコーン組成物が開示されている。しかしながら、上記のシリコーン組成物を離型剤層に使用した粘着テープは、粘着テープが使用される雰囲気温度や巻き戻し速度によって、剥離音が大きくなることがあり、巻き戻し時の剥離音を安定化させるという点においては満足できるものではなく、さらなる改良が要望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、従来から主として包装用途などの粘着テープに要求されていた機能(離型剤層表面の滑り性の抑制、筆記性の付与、軽すぎない適度な巻き戻し力)を保持したままで、粘着テープ巻回体から粘着テープを巻き戻す際の剥離音を、使用条件によって変動することなく低くすることができる粘着テープを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題点を解決するために鋭意研究した結果、粘着テープの離型剤層として、側鎖にフェニル基を有する分子鎖末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンと、滑り性を減少させたり、筆記性を付与するための成分であるセルロース誘導体を主成分とする組成物に、特定の物性を有する分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンを配合し、架橋処理を行うことにより、筆記性や滑り性あるいは適度な巻き戻し力などの特性バランスを失うことなく、粘着テープ巻回体から粘着テープを巻き戻す際の剥離音を使用条件によって変動することなく低くすることができることを見出し、本発明に至ったものである。
【0006】
即ち、本発明は、基材の片面に粘着剤層と他面に離型剤層が設けられた粘着テープにおいて、前記離型剤層が、
a)一般式(1)
【化3】
(式中、R1 およびR2 はメチル基またはフェニル基を表し、このR1 およびR2 の内の2〜80モル%はフェニル基である。mは正数)で示される分子鎖末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサン45〜85重量%、b)アルコキシ基含有ポリシロキサン10〜20重量%、c)セルロース誘導体5〜35重量%からなる組成物100重量部に対して、
d)一般式(2)
【化4】
(式中、nは正数で、n=200〜700である。)で示される分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン0.05〜40重量部、e)硬化触媒を必須成分として含有するシリコーン系離型剤からなることを特徴とする粘着テープに係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着テープの離型剤として使用されるa)成分としての分子鎖末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンは、後述するb)成分のアルコキシ基含有ポリシロキサンと反応することにより、硬化皮膜を形成するものであり、下記の一般式(1)で表されるものである。
【0008】
【化5】
【0009】
上記式(1)においてR1 及びR2 は、メチル基またはフェニル基であることが必須とされ、さらにフェニル基は、全体で2〜80モル%、好ましくは2〜50モル%、さらに好ましくは5〜20モル%であることが必要である。フェニル基の含有量が2モル%より少なくなると、セルロース誘導体との相溶性が低下し均一な分散構造の離型剤層が得られず、離型剤層に要求される各種特性のバランスをとることができなくなる。一方、80モル%よりも多くなると剥離力が大きくなり、巻き戻し時に剥離音が発生するようになる。
また、a)成分の分子鎖末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンは、基材への塗工性の観点から、25℃における粘度が1000〜200000 cSt ( 0.001〜0.2 m2/s ) 、好ましくは10000〜150000 cSt ( 0.01 〜0.15 m2/s ) であることが望ましい。粘度が1000 cSt ( 0.001m2/s ) よりも低い場合は、離型剤をプラスチックフィルム上に塗布するときにハジキが発生し、均一に塗布することが困難になる場合がある。一方、200000 cSt (0.2 m2/s ) よりも高い場合は離型剤を薄く均一に塗布することが困難になる場合がある。
【0010】
上記a)成分の配合量は、a)成分と後述するb)及びc)成分から構成される組成物全体に対して45〜85重量%、好ましくは、60〜80重量%である。a)成分の配合量が85重量%よりも多くなると離型剤をプラスチックフィルム上に塗布するときにハジキが発生し、均一に塗布することが困難になる場合がある。一方、a)成分の配合量が45重量%よりも少ないと剥離力が大きくなり、巻き戻し時に剥離音が発生するようになる。
【0011】
本発明の粘着テープの離型剤として使用されるb)成分としてのアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンは、上記a)成分と反応し、硬化皮膜を形成するためのものである。オルガノポリシロキサンに結合するアルコキシ基は特に限定されるものではなく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等がある。
【0012】
b)成分の配合量は、b)成分と前述したa)成分及び後述するc)成分から構成される組成物全体に対して10〜20重量%、好ましくは、12〜16重量%である。b)成分の配合量が10重量%よりも少なくなると離型剤を硬化させる際の硬化性が低下する。一方、b)成分の配合量が20重量%よりも多くなると離型剤層に要求される各種特性のバランスをとることができなくなる。
【0013】
本発明の粘着テープの離型剤として使用されるc)成分としてのセルロース誘導体は、離型剤層の滑り性を減少させたり、筆記性を付与させるための成分である。かかるセルロース誘導体の種類は特に限定されるものではなく、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース誘導体を適宜使用することができる。中でも本発明においてはグルコース単位当たりの平均エトキシ基置換度が2.25〜2.58で、融点が130〜160℃であるエチルセルロースが特性上好ましく使用される。
【0014】
c)成分の配合量は、c)成分と前述したa)成分及びb)成分から構成される組成物全体に対して5〜35重量%、好ましくは、7〜25重量%である。c)成分の配合量が5重量%よりも少ないと離型剤層の滑り性を減少させたり、筆記性を付与する効果が不十分となる。一方、c)成分の配合量が35重量%よりも多くなると剥離力が大きくなり、粘着テープの巻き戻し性が悪くなる。
【0015】
上記a)〜c)成分を所定量配合した組成物は、例えば信越化学工業株式会社から市販されている商品名:KS−723A/Bなどを使用することにより得ることができる。
【0016】
上記a)〜c)成分からなる組成物に配合する、d)成分の分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンは、粘着テープ巻回体から粘着テープを巻き戻す際の剥離音を使用条件によって変動することなく低くするために必要な成分であり、下記の一般式(2)で表されるものである。
【0017】
【化6】
【0018】
本発明においては、上記d)成分として使用される、分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンの重合度nが200〜700、好ましくは250〜650であることが必要である。
重合度nが200よりも小さいと、粘着テープ巻回体から粘着テープを巻き戻す際の剥離音が、粘着テープ使用時の雰囲気温度の上昇と共に大きくなる傾向があり、巻き戻し時の剥離音を使用条件によって変動することなく低くすることができない。
一方、重合度nが700よりも大きくなると、離型剤層の筆記性が損なわれ、さらに、離型剤を基材に塗布する際に離型剤のはじき現象が発生し、基材に離型剤を均一に塗布することが困難になる。
【0019】
また、d)成分の分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンは、その分子鎖(主鎖)の末端にシラノール基を有していることが必要である。d)成分が上記の如く構造を有することにより、シラノール基を介して、d)成分の分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンが、a)成分の分子鎖末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンと反応し、分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンをa)成分に固定化させることができる。
d)成分がその分子鎖の末端にシラノール基を有していないとa)成分に固定化されず、離型剤層の表面にジメチルポリシロキサンがブリードし易くなり、ブリードしたジメチルポリシロキサンが粘着剤に移行して粘着特性を低下させることがある。
【0020】
さらに、本発明で使用するd)成分の分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンは25℃における粘度が100〜100000 cSt ( 0.0001 〜0.1 m2/s ) 、好ましくは500〜50000 cSt ( 0.00005〜0.05m2/s ) であることが望ましい。粘度が100 cSt ( 0.0001 m2/s ) よりも低くなると、剥離性が低下して粘着テープの巻き戻し力が高くなったり、巻き戻し時の剥離音のバラツキが大きくなることがある。一方、100000 cSt ( 0.1m2/s ) よりも高くなると他の離型剤成分との相溶性が低下し、均一な分散構造の剥離剤層を得ることができなくなり、離型剤層に要求される各種特性のバランスをとることができなくなることがある。
【0021】
また、本発明で使用するd)成分の分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンは、a)成分である側鎖にフェニル基を有する分子鎖末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンよりも分子量が低いことが好ましい。d)成分とa)成分を上記の如く選択することによって、離型剤を構成する各々の成分が均一に分散し易くなり、離型剤を硬化させた後の離型剤皮膜の状態においても各成分が均一に分散し、剥離特性をより安定化させることができる。
【0022】
d)成分の分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンの配合量は、前記a)〜c)成分から構成される組成物100重量部に対して0.05〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部である。
d)成分の配合量が40重量部を超えると、均一な分散構造の剥離剤層を得ることができなくなり、離型剤層に要求される各種特性のバランスをとることができなくなる。一方、0.05重量部よりも少なくなると粘着テープを巻き戻す際の剥離音が使用条件によってバラツキ易くなり好ましくない。
【0023】
本発明の粘着テープの離型剤として使用されるe)成分としての硬化触媒は、従来から縮合反応型シリコーンの触媒として使用されてきたものを適宜選択して使用することができる。硬化触媒としては例えば、ジブチルすずジラウレート、ジブチルすずジアセテート、ジブチルすずジオクテート、オクチル酸亜鉛などがあげられる。
【0024】
上記、e)成分の硬化触媒は、分子鎖末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンや分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンの硬化特性、基材と離型剤層との密着性等に応じて必要量が配合される。
【0025】
また、本発明のシリコーン系離型剤には任意成分として種々の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては例えば、架橋剤として作用するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、剥離力調整剤として作用する、三次元化オルガノポリシロキサン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などがある。
【0026】
本発明において使用するシリコーン系離型剤は、必須成分である前記a)〜e)成分に、必要に応じてオルガノハイドロジェンポリシロキサン等の任意成分を配合し、均一に混合することにより得ることができる。シリコーン系離型剤を基材に塗布するにあたっては、シリコーン系離型剤を溶剤などで希釈することなくそのまま塗布する方法(所謂、無溶剤型)や、あるいは、上記シリコーン系離型剤をトルエン、ヘキサン、ヘプタン、ブタノール、酢酸エチルなどの溶剤に溶解させて塗布する方法(所謂、溶剤型)を適宜選択して使用することができる。
【0027】
シリコーン系離型剤は、スムージングバー、グラビアコーター、オフセットコーター、ロールコーター等の塗工装置を使用して基材に塗布され、加熱乾燥処理させて、基材表面に離型剤層を形成する。
【0028】
基材に形成される離型剤層の厚さは、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜3μmである。
【0029】
本発明の粘着テープの基材としてはその材質は特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、セロハン、ナイロン等のプラスチックフィルム、紙、布、金属箔、あるいはプラスチック繊維からなる不織布を重ねて手切れ性を向上させたフィルムなど従来から粘着テープの基材として使用されているものをいずれも使用することができる。
中でも、本発明の粘着テープを包装用途に使用する場合には、フィルム強度や経済性の観点から延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)が特に好ましく使用される。
【0030】
基材の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、10〜300μm、好ましくは25〜100μmである。
【0031】
本発明の粘着テープに使用される粘着剤は、特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム系粘着剤や、SBR、SIS、SBS、SEBS、SEPS、PIB、IIRなどを主成分とする合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを適宜選択して使用することができる。
【0032】
基材に塗布される粘着剤の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、10〜100μm、好ましくは20〜60μmである。
【0033】
本発明の粘着テープの製造方法は、公知の方法を用いてもよく特に限定されないが、例えば基材の一方の面に離型剤を塗布後、熱オーブン中で離型剤を硬化させた後、基材の反対面に粘着剤を塗布し、熱オーブン中で乾燥させ、紙管に巻き取って作製する方法等が例示される。
【0034】
本発明の粘着テープは、粘着テープ巻回体を、30m/min の速度で巻き戻したときに発生する剥離音の音圧レベルが75dB以下、好ましくは60dB以下であることが望ましい。剥離音の音圧レベルが75dBよりも大きくなれば、粘着テープ巻き戻し時に発生する剥離音が大きくなり、特に粘着テープを大量に使用する梱包現場などでは作業環境を悪化させる原因となる。
【0035】
また本発明の粘着テープは、粘着テープ巻回体を巻き戻す時の作業性の点から、粘着テープ巻回体を、30m/min の速度で巻き戻したときの巻き戻し力が、200〜1000g/50mm、好ましくは200〜600g/50mmであることが望ましい。巻き戻し力が200g/50mmよりも小さいと、粘着テープを巻き戻すときに必要以上に粘着テープが巻き戻されることがある。一方、1000g/50mmよりも大きくなると、粘着テープを巻き戻すときに大きな力が必要となり、作業効率を低下させることになる。
【0036】
さらに本発明の粘着テープにおいては、粘着テープで封緘したダンボール箱等を積み重ねて輸送する場合の、粘着テープ背面の滑り性に起因する荷崩れを防止する点から、離型剤層表面の動摩擦係数が0.20以上、好ましくは0.25〜0.5であることが望ましい。
【0037】
本発明の粘着テープの用途は特に限定されるものではないが、例えば、包装用途や事務用途などの他、使い捨てオムツの止着テープ(ファスニングテープ)など、粘着テープ剥離時の音が問題となるあらゆる用途に好適に使用することができる。
【0038】
【実施例】
つぎに本発明の粘着テープを実施例に基づきさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に部と記載したものは全て重量部を表す。
【0039】
〔実施例および比較例〕
離型剤、基材、粘着剤を表1に示す条件で設定し、粘着テープを作製した。
なお、表1においてKS−723A/B(商品名、信越化学工業株式会社製)は、本発明において規定するa)〜c)成分からなる組成物である。同じくCAT−PS3(商品名、信越化学工業株式会社製)は、本発明において規定するe)成分の硬化触媒である。同、BP−110(日東電工株式会社製)は長鎖アルキル系離型剤である。
また、粘着テープは以下の製造方法で作製した。
基材の片面に、トルエンで希釈した離型剤溶液(固形分1%)を、乾燥後の塗布量が0.2g/m2(厚み、0.2μm)となるようにグラビアコーターで塗布した後、雰囲気温度100℃に設定した熱風オーブンで2分間乾燥硬化処理を行って離型剤層を形成した。引き続き、基材の反対面に、粘着剤を乾燥後の厚みが30μmとなるようにリバースコーターで塗布した後、雰囲気温度100℃に設定した熱風オーブンで2分間乾燥処理を行い、紙管(ボール芯)に50m巻き取り、50mm幅に切断して粘着テープ巻回体を作製した。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例および比較例で得られた粘着テープについて下記の特性を調べた結果を表2に示した。
【0042】
1)巻き戻し音
50mm幅の粘着テープ巻回体を、高速巻き戻し試験機を使用して、30m/min の速度で巻き戻したときに発生する剥離音(巻き戻し音)を、音源から1mの距離で積分型精密騒音計を使用して測定した。この時、発生する音圧が75dB以下であった場合を○、75dBよりも大きかった場合を×として評価を行った。
測定は、雰囲気温度23℃と35℃の2点で行った。なお、この時、周囲の音圧(ブランク値)は45dBであった。
【0043】
2)テープ巻き戻し力
23℃の雰囲気下で、50mm幅の粘着テープ巻回体を、高速巻き戻し試験機を使用して、30m/min の速度で巻き戻したときの巻き戻し力を測定した。この時、剥離抵抗を記録するチャートにおける振幅の中心点を巻き戻し力とした。
【0044】
3)滑り性試験
縦25cm×横75cm×高さ50cmのダンボール箱の内部に、重さ12kgの荷重を入れ、ダンボール箱の上面部と底面部を実施例・比較例で得られた粘着テープを使用して封緘した。
木製のパレットに、上記と同様に作製したダンボール箱40箱を、1段につき8箱、合計5段となるように積み重ねた。
ダンボール箱を積み重ねたパレットをフォークリフトを使用して100m走行させた時のダンボール箱の滑り性を評価した。
この時、ダンボール箱が全く滑らず問題がなかった場合を○、ダンボール箱が滑って積み荷に少しズレが生じた場合を△、ダンボール箱が滑って荷崩れを起こした場合を×として評価を行った。
【0045】
4)印字性
市販の油性インクペン(溶剤:エチルセルソルブ系)を使用して、粘着テープの離型剤層表面に文字を書き、油性インクのハジキが全くなかった場合を○、インクのはじきが著しかった場合を×として評価した。
【0046】
5)離型剤層の外観
プラスチックフィルムに離型剤を塗布したときに、離型剤のハジキが発生しなかった場合を○、ハジキが発生した場合を×として評価した。
【0047】
【表2】
【0048】
表2から明らかなように、本発明において規定した特定の分子鎖末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンを配合したシリコーン系離型剤を使用した実施例1〜7の粘着テープは、巻き戻し音がいずれも75dB以下であり、さらに使用時の雰囲気温度が変化しても巻き戻し音が変動することがない。また、実施例の粘着テープは、粘着テープの巻き戻し力、滑り性、印字性等の他の要求特性も満足していることがわかる。
一方、比較例の粘着テープの場合は、巻き戻し音が大きかったり、使用時の雰囲気温度によって巻き戻し音が変動することがわかる。さらに比較例の粘着テープの場合、全ての特性を満足するものは得られていない。
【0049】
【発明の効果】
本発明の粘着テープは、上記の構成を有することにより、粘着テープ巻回体から粘着テープを巻き戻す際の剥離音を使用条件によって変動することなく低くすることができる。従って、例えば、大量の封緘作業を行う梱包現場や、静かな場所で粘着テープを使用する場合に、巻き戻し時の剥離音で作業環境を悪化させたり、周囲の人に不快感を与えることのない信頼性の高い粘着テープを提供することができる。また、本発明の粘着テープは、離型剤層表面に筆記性が付与されており、さらに滑り性や巻き戻し力が適度に調整されているため、例えば、ダンボール箱などの封緘に使用される包装用途の粘着テープとしても好適に使用することができる。
Claims (4)
- 基材の片面に粘着剤層と他面に離型剤層が設けられた粘着テープにおいて、前記離型剤層が、
a)一般式(1)
b)アルコキシ基含有ポリシロキサン10〜20重量%
c)セルロース誘導体5〜35重量%
からなる組成物100重量部に対して、
d)一般式(2)
e)硬化触媒
を必須成分として含有するシリコーン系離型剤からなることを特徴とする粘着テープ。 - 基材がプラスチックフィルムである請求項1記載の粘着テープ。
- セルロース誘導体がエチルセルロースである請求項1記載の粘着テープ。
- 粘着テープ巻回体を、30m/min の速度で巻き戻したときに発生する剥離音の音圧レベルが75dB以下である請求項1記載の粘着テープ。
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