JP3643948B2 - チタニア−ジルコニア系粉末およびその製造方法 - Google Patents

チタニア−ジルコニア系粉末およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタニア−ジルコニア系粉末およびその製造方法に関し、主として触媒担体ないし助触媒、特に、自動車排ガス浄化用の触媒担体ないし助触媒として好適な、また、硫黄を含んだ高温のガス中で使用される触媒担体として好適な、新規なチタニア−ジルコニア系粉末およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
触媒担体ないし助触媒として使用されているチタニア粉末の性質を改善するために、従来から、チタニアに対して、アルカリ土類金属,遷移元素,希土類元素と共にジルコニアが添加剤としてよく用いられている。
【0003】
例えば、特開昭58−143839号公報には、窒素酸化物浄化用触媒として、「チタンおよびジルコニウムからなる二元系複合酸化物をバリウム処理して得られた変成複合酸化物を触媒A成分とし、バナジウム酸化物をB成分とし、タングステン,モリブデン,スズ,クロム,マンガン,セリウムおよび鉄よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物および/または硫酸塩を触媒C成分としてなる窒素酸化物浄化用触媒」について記載されている。
このようにジルコニアを併用することによって、排ガス中の酸素,SOx,炭酸ガス,水蒸気,ハロゲン化合物,炭化水素類の影響を受けず、広範囲の温度領域および高空間速度において高活性で、煤塵にも影響されず、SO2をSO3に酸化する能力が小さい触媒を得られることは、従来より知られている。
【0004】
また、特開平8−192051号公報には、「チタンとジルコニウムの複合酸化物よりなる担体と、アルカリ金属,アルカリ土類金属および希土類元素の中から選ばれた担体に担持されたNOx吸蔵材と、担体に担持された貴金属と、からなる排ガス浄化用触媒」について記載されている。
このようにチタンとジルコニウムの複合酸化物を触媒担体として用いることによって、アルミナを担体とした場合に比べて、硫酸イオンや亜硫酸イオンが吸着しにくいため被毒されにくく、また、吸着した硫酸イオンや亜硫酸イオンにより生成したNOx吸蔵材の硫酸塩は低温で容易に分解し、かつ、担体の耐熱性がチタニア単味の状態よりも耐熱性と酸性度が向上した触媒を得ることができることは、従来より知られている。
【0005】
上記したように、チタニアの硫黄被毒防止効果を活かしつつ、ジルコニアの添加によって、耐熱性を付与し、表面の酸性度も高めるという工夫は、既に多数行われてきた。
しかし、何れも、チタニアのアナターゼ相にジルコニアが固溶すること、または、ジルコニアのテトラゴナル相にチタニアが固溶することによって、それらの効果がさらに高まり、それを担体として用いた触媒の特性が飛躍的に高まることは知られていない。
【0006】
また、特公平7−24774号公報には、「チタン化合物及びジルコニウム化合物を含有する物質を660〜900℃の温度で熱処理して得られる、TiO2として20〜90モル%およびZrO2として80〜10モル%の組成を有し、かつZrTiO4なる結晶構造を有するチタンおよびジルコニウムの複合酸化物を少なくとも20重量%含有する無機耐火性酸化物よりなる被酸化性物質および/または窒素酸化物含有排ガス処理触媒用担体」について記載されている。
これは、ZrTiO4の強い固体酸性と、チタニア単味やジルコニア単味よりも高い耐熱性によって、触媒担体に用いたときに高い浄化能と耐熱性を得ることを目的としたものである。従って、この無機耐火性酸化物よりなる被酸化性物質では、ZrTiO4を少なくとも20重量%含むことを必須要件としている。
【0007】
しかしながら、上記特公平7−24774号公報では、NOx吸蔵還元型触媒においては、硫黄被毒を防止し、かつ、NOx吸蔵材であるアルカリ性塩と高温で反応しないことの重要性には触れられておらず、その目的のために、むしろチタニア−ジルコニア系粉末の表面塩基点の無さが重要なポイントとなっていることも開示されていない。
さらに、その目的のためには、ZrTiO4が主体となる領域よりも、チタニアリッチ側のアナターゼ相主体固溶体の系、および、ジルコニアリッチ側のテトラゴナル相主体固溶体の系で高い性能が得られることは、従来より全く知られていない。
【0008】
また、特開平6−304477号公報には、「ZrO2,TiO2の重量比で5:95〜95:5の組成を有する非晶質(一部は結晶化しているものの全体としては非晶質)のジルコニウムおよびチタニウムの複合酸化物およびその製造方法」について記載されている。
しかし、前掲の特公平7−24774号公報にも記載されているように、通常の共沈法では、700℃以上の熱処理温度においては、ZrTiO4主体の組成になってしまい、後に詳記する本発明の結晶構造(ジルコニアのテトラゴナル相にチタニアが固溶し、周囲に少量のZrTiO4またはジルコニアのモノクリニック相が存在する構造)のものは、得られないことがわかっている。
【0009】
上記特開平6−304477号公報には、非晶質のジルコニウムおよびチタニウムの複合酸化物としての記載があるのみで、その製造方法についても、通常の共沈法の開示があるのみである。
従って、上記特開平6−304477号公報に記載の“非晶質(一部は結晶化しているものの全体としては非晶質)のジルコニウムおよびチタニウムの複合酸化物”は、前掲の特公平7−24774号公報に記載の“無機耐火性酸化物よりなる被酸化性物質”と同様に、NOx吸蔵還元型触媒用として用いた場合に、耐熱性,耐アルカリ性の点で問題が有るのは明らかである。非晶質であることだけでなく、熱処理後に、後記する本発明に係るチタニア−ジルコニア系粉末となること、つまり、熱処理後であっても高比表面積を保持し得るチタニア−ジルコニア系粉末となること、が重要であることは、従来より全く知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、チタニア粉末の性質、特に、表面の塩基点が少なく、酸点のみが存在するという特徴を変えずに耐熱性を向上させることを目的としたものはなく、さらに、チタニアのアナターゼ相にジルコニアが固溶している、または、ジルコニアのテトラゴナル相にチタニアが固溶している“Ti−Zr酸化物固溶体”が特に優れた耐熱性と硫黄被毒防止効果とを両立させ得ることについては、知られていない。
なお、酸化物固溶体については、例えば特開平9−221304号公報には、“Ce−Zr酸化物固溶体”について開示されているが、チタニアにジルコニア、または、ジルコニアにチタニアを固溶させた酸化物固溶体については、記載されていない。
【0011】
また、市販のチタニア粉末(アナタ−ゼ相の結晶相を有するチタニア粉末)は、耐熱性に劣るものであって、高温下での熱処理により比表面積が極端に低下するという欠点を有しており、そのため、高温の熱処理後まで所望の比表面積を保持させることができないという問題があった。なお、800℃の大気中で5時間熱処理をした後の比表面積が45m2/g以上の物性値を有するチタニアは、TiO2−SiO2の系以外では、従来より知られていない。
【0012】
また、特開平9−926号公報には、「TiとZrおよびAlの複合酸化物よりなる担体と、該担体に担持されたNOx吸蔵材および触媒貴金属とを含んでなる排ガス浄化用触媒」について記載されている。
このように、触媒担体として、チタニアにジルコニアおよびアルミナを併用することで、TiとZrの複合酸化物による硫黄被毒防止効果と耐熱性向上効果を得ると共に、Alの酸化物を複合化することにより、さらに高い耐熱性を付与し得ることが、従来より知られている。
【0013】
しかし、TiとZrおよびAlの三元系酸化物を用いる場合でも、その中に含まれるTiとZrの複合酸化物が“チタニアにジルコニア、または、ジルコニアにチタニアを固溶させた酸化物固溶体”であることが、TiとZrおよびAlの三元系酸化物とすることの硫黄被毒防止効果と耐熱性向上効果の両効果を、より一層高めることについては、知られていない。
世の中の環境保護を重視する意識は高まる一方であり、自動車等の排気ガスを浄化するための要求もまた高まる一方である。その中で、従来の技術を用いた触媒だけでは、浄化性能は全く、十分なレベルに到達していない。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑み成されたものであって、その目的とするところは、第一に、硫黄化合物などの酸性物質の耐被毒性,脱離性に優れ、かつ高温の熱処理後においても高比表面積を保持し得る、新規なチタニア−ジルコニア系粉末およびその製造方法を提供することにあり、
第二に、チタニア表面の塩基点が少ないという特徴を変えずに、耐熱性を大幅に向上させ得る、新規なチタニア−ジルコニア系粉末およびその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るチタニア−ジルコニア系粉末は、
・非晶質のチタニア−ジルコニア系粉末であって、該粉末を熱処理した後に、ジルコニアの結晶相内にチタニアの少なくとも一部が固溶して成るテトラゴナル相のチタニア−ジルコニア系粉末が形成される、チタニア−ジルコニア系粉末(請求項1)、
を特徴(発明を特定する事項)とし、前記第一,第二の目的を達成することができ、特に、自動車の排ガス浄化用触媒担体または助触媒として好適なチタニア−ジルコニア系粉末を提供すること(請求項6)ができる。
【0016】
また、本発明に係るチタニア−ジルコニア系粉末は、
・前記結晶相に共存する成分が、1)ZrTiOまたは(Ti,Zr)Oなる複酸化物,2)モノクリニック相ジルコニアおよび3)アナターゼ相チタニアの少なくとも一種であり、該1),2)および/または3)の含有率の総和が20重量%未満であるチタニア−ジルコニア系粉末(請求項2)、
を特徴(発明を特定する事項)とし、同じく、前記第一,第二の目的を達成することができ、特に、自動車の排ガス浄化用触媒担体または助触媒として好適なチタニア−ジルコニア系粉末を提供すること(請求項6)ができる。
【0017】
また、本発明に係るチタニア−ジルコニア系粉末は、
・チタニア−ジルコニア系粉末の90容量%以上が非晶質からなり、ジルコニアを60〜85重量%含み、大気中で500℃,5時間熱処理した後の比表面積が140m/g以上の物性値を有するチタニア−ジルコニア系粉末(請求項)、
・結晶相がテトラゴナル相からなり、チタニアを15〜40重量%含み、チタニアの少なくとも一部がテトラゴナル相に固溶しており、1)ZrTiOまたは(Ti,Zr)Oなる複酸化物,2)モノクリニック相ジルコニアおよび3)アナターゼ相チタニアの少なくとも一種であって、該1)2)および/または3)の含有率の総和が20重量%未満であり、800℃,5時間の熱処理後の比表面積が35m/g以上の物性値を有する、チタニア−ジルコニア系粉末(請求項)、
・請求項に記載のチタニア−ジルコニア系粉末であって、該チタニア−ジルコニア系粉末を800℃以上で5時間熱処理した後に、チタニアの少なくとも一部がテトラゴナル相に固溶しており、1)ZrTiOまたは(Ti,Zr)Oなる複酸化物,2)モノクリニック相ジルコニアおよび3)アナターゼ相チタニアの少なくとも一種であって、該1)2)および/または3)の含有率の総和が20重量%未満であり、比表面積が35m/g以上の物性値を有する、チタニア−ジルコニア系粉末(請求項)、
を特徴(発明を特定する事項)とし、同じく、前記第一,第二の目的を達成することができ、特に、自動車の排ガス浄化用触媒担体または助触媒として好適なチタニア−ジルコニア系粉末を提供すること(請求項)ができる。
【0018】
さらに、本発明に係るチタニア−ジルコニア系粉末は、
・請求項1〜請求項のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末の平均粒子径は1μm以下であり、該粉末がアルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末(請求項)、
・前記アルミナの平均粒子径が1μm以下であるチタニア−ジルコニア系粉末(請求項)、
・請求項1〜請求項のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末の平均粒子径は0.1μm以下であり、該粉末が平均粒子径0.1μm以下のアルミナ粉末に均一に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末(請求項)、
を特徴(発明を特定する事項)とし、同じく、前記第一,第二の目的を達成することができ、特に、自動車の排ガス浄化用触媒担体または助触媒として好適なチタニア−ジルコニア系粉末を提供すること(請求項10)ができる。
【0019】
一方、本発明に係る製造方法は、(A)前記請求項1〜請求項に記載のチタニア−ジルコニア系粉末を製造する方法、および、(B)前記請求項〜請求項に記載のチタニア−ジルコニア系粉末を製造する方法であって、このうち、上記(A)のチタニア−ジルコニア系粉末を製造する方法は、
・(1)チタニウム塩およびジルコニウム塩を含む原料水溶液を、該溶液から最終的に生成する酸化物に換算してジルコニアが60〜85重量%となるように調製する工程と、(2)前記原料水溶液を強力に撹拌しながら、pH調整剤を添加して沈殿を生成させる工程と、(3)得られた沈殿物を乾燥,焼成する工程と、を含むこと(請求項11)を特徴とし、そして、上記製造方法において、
・前記(1)の工程における原料水溶液中に、過酸化水素水および界面活性剤を添加すること(請求項12)、
・前記(1)の工程における原料水溶液中に、さらに、イットリウム化合物を、イットリア換算で、イットリアを含むチタニア−ジルコニア系粉末の全重量に対して、0.5〜10重量%を含むように調製すること(請求項13)、
・前記(2)の工程における強力な撹拌手段として、ホモジナイザーによる均一撹拌を行うこと(請求項14)、
・前記(3)の工程における乾燥,焼成手段として、昇温速度が100℃/h以下であること(請求項15)、
を特徴とし、これにより、前記請求項1〜請求項のチタニア−ジルコニア系粉末を製造することができ、前記第一,第二の目的を達成することができる。
【0020】
また、本発明の前記(B)のチタニア−ジルコニア系粉末を製造する方法は、
・(1)チタニウム塩,ジルコニウム塩およびアルミニウム塩を含む原料水溶液を、該原料水溶液から最終的に生成する酸化物中のチタニア,ジルコニアの各酸化物に換算して、チタニア/ジルコニアの重量比が40/60〜15/85となるように調製する工程と、(2)前記原料水溶液を強力に撹拌しながら、pH調整剤を添加して沈殿を生成させる工程と、(3)得られた沈殿物を乾燥,焼成する工程と、を含むことを特徴とし(請求項16)、または、
・(1)チタニウム塩およびジルコニウム塩を含む原料水溶液を、この溶液から最終的に生成する酸化物に換算して、ジルコニアが60〜85重量%となるように調製する工程と、(2)アルミニウム塩を含む原料水溶液を調製する工程と、(3)前記(1)および(2)の原料水溶液をそれぞれ強力に撹拌しながら、pH調整剤を添加して沈殿を生成させる工程と、(4)前記(3)の工程からそれぞれ生じた沈殿物を均一に混合する工程と、(5)得られた混合沈殿物を乾燥,焼成する工程と、を含むことを特徴とし(請求項17)、これにより、前記請求項〜請求項に記載のチタニア−ジルコニア系粉末を製造することができ、前記第一,第二の目的を達成することができる。
【0021】
ここで、本明細書中の“チタニア,ジルコニア,イットリア等の酸化物成分の存在割合を示すための重量%の値”は、プラズマ発光分光分析法(ICP:
Inductively Coupled Plasma mass spectroscopy)によって求めた値である。
また、本明細書中の“結晶相および非晶質相の存在割合を示すための容量%の値”は、粉末X線回折法により各相の存在量を定量分析して求めた値であり、“結晶相および非晶質相の存在割合を示すための重量%(wt%)の値”は、各相の密度を用いて容量%の値から換算したものである。(なお、上記の定量分析方法は、最も一般的に使用される方法である。)
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は「ジルコニアにチタニアが固溶して成るチタニア−ジルコニア系粉末」を特徴とするものであるが、参考として「チタニアにジルコニアが固溶して成るチタニア−ジルコニア系粉末」を挙げ、これについても同時に説明する。
まず、「チタニアの結晶相内にジルコニアの少なくとも一部が固溶して成る、または、ジルコニアの結晶相内にチタニアの少なくとも一部が固溶して成るチタニア−ジルコニア系粉末」について、説明する。
上記のように、チタニアの結晶相内にジルコニアの少なくとも1部が固溶している、または、ジルコニアの結晶相内にチタニアの少なくとも1部が固溶しているという事実は、後記する表2(図2),表3(図3)の測定結果における“チタニアの結晶相(アナタ−ゼ相)のピ−クシフト、および、ジルコニアの結晶相(テトラゴナル相)のピークシフト”から明らかである。(→詳細は後記参照)
【0023】
上記のように固溶させたものから成るので、高温の熱処理後においても高比表面積を保持することができ、かつ、酸性物質の耐被毒性,脱離性に優れたチタニア−ジルコニア系粉末を提供することができる。
また、チタニア表面の塩基点が少ないという特徴を変えずに、耐熱性を大幅に向上させたチタニア−ジルコニア系粉末を提供することができる。
【0024】
本発明の請求項に係る「非晶質のチタニア−ジルコニア系粉末であって、該粉末を熱処理した後に、ジルコニアの結晶相内にチタニアの少なくとも一部が固溶して成るテトラゴナル相のチタニア−ジルコニア系粉末が形成される、非晶質のチタニア−ジルコニア系粉末」については、前記したチタニア−ジルコニア系粉末と同様、高温の熱処理後においても高比表面積を保持することができ、かつ、酸性物質の耐被毒性,脱離性に優れた、しかも、チタニア表面の塩基点が少ないという特徴を変えずに、耐熱性を大幅に向上させたチタニア−ジルコニア系粉末を提供することができる。
【0025】
次に、“ジルコニアを3〜30重量%含む(参考例)、および、60〜85重量%含む(請求項〜請求項)、チタニア−ジルコニア系粉末”について、詳細に説明する。
【0026】
(ジルコニア含有量:3〜30重量%のチタニア−ジルコニア系粉末)
参考例の「結晶相がアナタ−ゼ相からなり、ジルコニアを3〜30重量%含むチタニア−ジルコニア系粉末」は、大気中で800℃,5時間熱処理をした後の比表面積が45m/g以上の物性値を有するものであり、そして、ジルコニアの少なくとも一部がアナタ−ゼ相に固溶し、固溶していないジルコニアがZrTiOまたは(Ti,Zr)Oなる複酸化物、または、ジルコニアのテトラゴナル相からなり、これらがチタニアの周囲に分散している粉末からなる。
【0027】
ジルコニアの一部がチタニアのアナターゼ相に固溶しているという事実は、後記する表2(図2)の測定結果におけるアナターゼ相のピークシフトから明らかである。ピークシフトは低角度側で格子定数が大きくなる方向であり、チタニウムイオンよりイオン半径の大きいジルコニウムイオンの固溶に対応している。
また、後記する表3(図3)より、500℃ではジルコニア含有率が20重量%までは、ほぼアナターゼ相単相からなり、ジルコニア含有率が30重量%では、2θが“30.64°”に(Ti,Zr)O2複酸化物相の(111)ピークが観察される。これは、(Ti,Zr)O2複酸化物相の第1ピークに相当する。このことより、アナターゼ相に固溶していないジルコニアは、(Ti,Zr)O2複酸化物相として存在しており、試料のサンプリング位置にかかわらず同様の相構成であることから、この(Ti,Zr)O2複酸化物相は、アナターゼ相と微細に分散していると考えられる。
ここで、(Ti,Zr)O2複酸化物相の含有率は20重量%未満である。好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下であるのが良い。
【0029】
(ジルコニア含有率:60〜85重量%のチタニア−ジルコニア系粉末)
本発明に係る「チタニア−ジルコニア系粉末の90容量%以上が非晶質からなり、ジルコニアを60〜85重量%含むチタニア−ジルコニア系粉末」は、大気中で500℃,5時間熱処理した後の比表面積が140m2/g以上の物性値を有し、また、800℃で5時間熱処理した後の比表面積が35m2/g以上の物性値を有する(後記表1および図1の(A),(B)参照)。
また、本発明に係る「結晶相がテトラゴナル相からなり、チタニアを15〜40重量%含み、チタニアの少なくとも一部がテトラゴナル相に固溶しており、▲1▼ZrTiO4または(Ti,Zr)O2なる複酸化物,▲2▼モノクリニック相ジルコニアおよび▲3▼アナターゼ相チタニアの少なくとも一種であって、該▲1▼,▲2▼および/または▲3▼の含有率の総和が20重量%未満であるチタニア−ジルコニア系粉末」は、800℃で5時間熱処理した後の比表面積が35m2/g以上の物性値を有する(後記表1および図1(B)参照)。
【0030】
ジルコニアが60〜85重量%含む本発明に係るチタニア−ジルコニア系粉末は、500℃以下の加熱条件では、主な成分が非晶質(90容量%以上が非晶質)であり、また、これを600℃以上に加熱すると、ジルコニアのテトラゴナル相(正方晶)を持ったチタニア−ジルコニア粒子が析出し、チタニアがジルコニアに固溶した粉末が得られる(後記図3参照)。
表3(図3)に示されているように、このジルコニアのテトラゴナル相の(101)ピークは、粉末全体のチタニア含有率の増加につれてシフトしており、チタニアが固溶したことを示している。ピークのシフトは高角度側で、格子定数は小さくなる方向であり、チタニウムイオンのイオン半径がジルコニウムイオンより小さいことに対応している。また、表4(図3)より、ジルコニア含有率が80重量%以上では、ジルコニアのモノクリニック相であり、ジルコニア含有率が70重量%以下では、(Ti,Zr)O2複酸化物相が微量共存している。
ここで、前記と同様、(Ti,Zr)O2複酸化物相の含有率は、20重量%未満である。好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
【0031】
(イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末)
本発明に係る上記「60〜85重量%含むチタニア−ジルコニア系粉末」は、ジルコニア以外に更にイットリアを併用することもできる。特に、900℃を超える温度で使用する場合、イットリアの併用により、チタニア−ジルコニア系粉末の比表面積を一層増加させることができる。この場合、イットリアの含有量としては、10重量%を超えても比表面積のより一層の増加が期待できないので、10重量%以下が望ましく、一方、その下限は、0.5重量%が好ましい。好ましくは0.5〜5重量%であり、より好ましくは1〜3重量%である(後記表5および図6参照)。
【0032】
(アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末)
本発明に係る「請求項1〜請求項のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末の平均粒子径は1μm以下であり、該粉末がアルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末」は、1μm以下の平均粒子径を有するチタニア−ジルコニア系粉末とアルミナ粉末とを高分散状態にすることにより、上記チタニア−ジルコニア系粉末の特性をより効果的に引き出しつつ、さらに、アルミナ分散による更なる耐熱性向上効果を与えるものである。
【0033】
すなわち、チタニア−ジルコニア系粉末は、アルミナ粉末中で高分散状態になり、硫黄などの酸性物質に対する被毒防止効果をより有効に発揮し、また、より耐熱性の高いアルミナに保持されることによって、高温まで更に高い比表面積を保つことができる。特に、「請求項1〜請求項のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末の平均粒子径は0.1μm以下であり、該粉末が平均粒子径が0.1μm以下のアルミナ粉末に均一に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末」では、その効果が顕著である。
【0034】
ここで、本発明の「アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末」における“チタニア−ジルコニア固溶体粒子とアルミナ粒子の互いに分散し合った状態”について説明する。本明細書においては、分散状態を各粒子の平均粒子径で表現している。この平均粒子径は、次のような方法で求められる。
それぞれの粒子における粒子径は、それぞれが単結晶粒子であるか、結晶粒子の集合体である多結晶粒子であるかは、どちらでも良く、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡を用いて観察される視野において、ランダムに撮影した少なくとも10視野以上で、粒子数200以上の母集団において、それぞれの写真における各粒子の最大径(該径を各粒子の直径とした)を測定し、この測定値の平均を算出して、各粒子(チタニア−ジルコニア固溶体粒子,アルミナ粒子)の“平均粒子径”とした。
【0035】
ただし、粒子径の測定方法は、前記方法に限定されるわけではなく、同等の結果が得られる方法も同様に用いることができる。例えば、レーザー回折式粒度分布測定法は、異種の粒子を機械的に混合する場合は、上記画像解析法と同様の結果を示す。動的光散乱法も同様である。但し、機械的な混合に伴って粒子が粉砕処理される場合は、粉砕後の分散状態は、画像解析法によって確認する必要がある。
また、ここでの粒子径は、粉末を構成する各成分の粒子径を言うが、ここで、粒子径が、単一の分布ではなく、明らかに粗大な粒子、または微細な粒子を含むバイモーダル以上の粒子径分布を持つ場合、主となる粒子径分布からはずれる粒子径の粒子は、上記の平均粒子径の算出の際に除外する。主となる粒子径分布とは、その粒子径分布に属する粒子の総体積が粉末全体の50体積%以上であることをいう。また、ここでいう平均値は、体積で標準化したそれぞれの単一分布の最頻径を指す。
【0036】
ここで、チタニア−ジルコニア系粉末において、チタニア−ジルコニア固溶体粒子を1μm以下の寸法で、アルミナ粒子の間に分散された構造とすることの技術的意義について、以下に詳記する。
【0037】
チタニア−ジルコニア系固溶体粒子は、前記したように、表面に塩基点が殆ど無く、そのため、硫黄等の酸性物質が吸着し難く脱離し易いやすいことから、硫黄等の酸性物質による被毒を防止する効果を持つ。一方、触媒の活性点であるところの貴金属は、チタニア−ジルコニア固溶体粒子の表面に担持されるよりも、アルミナ粒子表面に担持される方が、高温まで安定に保持される。
そこで、アルミナ粒子とチタニア−ジルコニア固溶体粒子とを機械的に混ぜ合わせていることが考えられる。両者の機械的な混合によって、貴金属を高温まで保持しつつ、かつ、硫黄被毒を低減する効果も発揮されることが確かめられている。ここで、チタニア−ジルコニア固溶体粒子の被毒防止効果の機構上、アルミナ粒子と、より微細に混合することがより好ましいことが予測される。
【0038】
しかし、通常の混合工程では、1μm以下の寸法で両者を混ぜ合わせることは極めて難しい。本発明者等は、アルミナ粉末の存在する溶液中で、チタニア−ジルコニア固溶体粒子を合成する工程等を用いてこの高分散状態を実現した。
この“チタニア−ジルコニア固溶体粒子が1μm以下の寸法で、アルミナ粒子間に分散された粉末”は、触媒担体に用いた場合、アルミナ粒子とチタニア−ジルコニア固溶体粒子とを機械的に混ぜ合わせた状態より、更に優れた被毒防止効果を発揮した。
【0039】
ここで、アルミナ粉末も1μm以下のものを用いると、さらに、両者の分散状態は改善され、したがって、アルミナ上の貴金属とチタニア−ジルコニア固溶体粒子との距離が近くなるため、更に優れた被毒防止効果が得られる。この効果は、チタニア−ジルコニア固溶体粒子とアルミナ粒子とがさらに微細な分散状態になれば、より一層顕著になる。
また、チタニア−ジルコニア固溶体粒子とアルミナ粒子との混合粉砕による分散方法や、アルミナ粉末に対して後からチタニア−ジルコニア固溶体粒子を合成する方法では達成できない“両者が0.1μm以下のサイズとなる分散状態”では、この被毒防止効果は、さらに顕著になる。更に好ましくは、“両者が0.07μm以下のサイズとなる分散状態”である。
【0040】
本発明者等は、アルミニウム塩,チタニウム塩,ジルコニウム塩の混合水溶液からpH調整によって沈殿を合成する方法、および、アルミニウム塩からの沈殿とチタニウム塩,ジルコニウム塩の混合水溶液からの沈殿を混合する方法によって、チタニア−ジルコニア固溶体粒子とアルミナ粒子の両者が“0.1μm以下のサイズとなる均一分散状態”を実現した。この均一分散状態の粉末を大気中,800℃で5時間熱処理すると、比表面積が100m/g以上のものが得られた。また、後記する参考例6に記載するような方法によれば、チタニア−ジルコニア固溶体粒子とアルミナ粒子の平均粒子径が共に“0.07μm以下”の均一分散状態の粉末が得られ、この粉末に対して、同じく800℃で5時間熱処理すると、比表面積が110m/g以上のものが得られた。このように、高温の熱処理後においても高比表面積を保持し得る理由としては、上記チタニア−ジルコニア固溶体粒子が上記アルミナ粒子に均一に分散していることも、一因として考えられる。
ここで、アルミナ粒子が、ランタン等の希土類元素酸化物,バリウム等のアルカリ土類金属酸化物を固溶しているもの、または、複合酸化物となっているものであれば、アルミナの耐熱性がさらに高まるために、より好ましい。
【0041】
本発明の「アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末」を触媒担体として使用する場合、次の(A)および(B)の実施形態を採用することができる。
(A):本発明の「アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末」を単独で触媒担体とする実施形態。
(B):他の市販アルミナ(平均粒子径が3〜7μmの粉末)と混合して用いる実施形態。
【0042】
上記(A)の実施形態の場合、特に限定するものではないが、本発明の「アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末」中のアルミナ含有量は、20〜80重量%が好ましく、より好ましくは40〜60重量%である。なお、この場合のアルミナ粒子の平均粒子径は、前記したとおり、0.1μm以下が好ましい。
また、上記(B)の実施形態の場合、これも特に限定するものではないが、市販のアルミナ(平均粒子径が3〜7μmの粉末)を例えば50重量%と、本発明の「アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末」とを混合して使用する場合(基材に塗布して使用する場合も含む)、この際の“アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末”中のアルミナ粒子の含有量は、5〜30重量%が好ましく、より好ましくは10〜20重量%である。なお、この場合のアルミナ粒子の平均粒子径も0.1μm以下が好ましい。
【0043】
(本発明に係る粉末の特性)
本発明に係る前記チタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末,アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末は、前記したとおり、いずれも高温の熱処理後においても高比表面積を保持し得る特性を有している。
また、一般に、チタニア粉末は、チタニア表面の塩基性点が少ないという特性を有しているが、本発明に係る前記チタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末,アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末は、いずれも上記特性を変えずに、耐熱性を大幅に増加させ得るという特性を有している。このように結晶表面に塩基点が殆どなく、チタニア単体の酸点と同等以上の量と強度の酸点を有するため、SO2ガス等の酸性物質が吸着し難く、また、一旦吸着しても脱離し易く、それらの被毒に強い作用効果が生じる。
【0044】
(本発明に係る粉末の用途)
本発明に係る前記チタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末,アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末は、上記した特性を有することから、自動車の排ガス浄化用触媒担体または助触媒として好適である。その理由は、自動車用排ガス浄化触媒は、貴金属担持型の触媒であり、貴金属を高分散状態に保持し、ガスと有効に接触させるために、高比表面積を持つことが望ましく、かつ、該触媒を適用する高温下においても、高比表面積を保持する特性を有することが好ましいからである。
【0045】
本発明に係るチタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末,アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末は、耐硫黄被毒性,耐アルカリ性,耐熱性を高いレベルで兼ね備えているため、特に、アルカリ金属,アルカリ土類金属からなるNOx吸蔵材を高濃度(触媒ハニカム1リットル当り0.1mol以上)に含み、硫黄が脱離し難い酸化雰囲気で、高温に曝されるNOx吸蔵還元型触媒用の触媒担体として適している。
【0046】
ここで、NOx吸蔵還元型触媒用の触媒担体として使用する場合について、具体的に説明する。
アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末を、後記する触媒“[Ba(0.2mol)+K(0.1mol)]/[Pt(2g)+Rh(0.1g)]/担体(120g)”の担体として使用すると、「チタニア−ジルコニア固溶体粒子とアルミナ粒子の両者が1μm以下の分散状態の粉末」では、後記する条件下で「NOx吸蔵能」を測定したところ、反応温度600℃で7μmol/0.5g-cat.以上であった。
また、「チタニア−ジルコニア固溶体粒子とアルミナ粒子の両者が0.1μm以下の分散状態の粉末」では、同じく後記する条件下で「NOx吸蔵能」を測定したところ、反応温度600℃で9μmol/0.5g-cat.以上であった。
【0047】
また、本発明に係るチタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末,アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末は、前記したように、チタニア表面の塩基点が少ないという特性を変えるものではなく、かつ、チタニア単体の酸点と同等以上の量および強度の酸点を持ち、このため、硫黄被毒に強い特性を有することから、しかも高耐熱性を有することから、硫黄を含んだ高温のガス中で使用される触媒担体としての一般的な用途にも好適である。
【0048】
(本発明に係る製造方法)
本発明に係る製造方法は、前記チタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末,アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末を製造する方法であって、このうち、チタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末の製造方法は、チタニウム塩及びジルコニウム塩(又は、更にイットリウム塩)を含む原料水溶液を強力に攪拌することを特徴とし、これにより、前記した優れた特性を有するチタニア−ジルコニア系粉末を製造することができる。
上記“強力な攪拌”としては、剪断速度で表現すると、1000sec-1以上が好ましく、10,000sec-1以上がより好ましい。具体的には、ホモジナイザ−(剪断速度:13,000sec-1)を、従来のプロペラ攪拌と併用して、均一攪拌を行うことが好適である。
【0049】
チタニウム塩としては、特に限定するものではなく、例えば、4塩化チタン,硫酸チタニル,シュウ酸チタニルアンモニウム,硝酸チタン,その他の水溶性のチタニウム塩などを任意に使用することができる。
また、ジルコニウム塩についても、例えば、オキシ硫酸ジルコニウム,オキシ塩化ジルコニウム,オキシ硝酸ジルコニウム,硝酸ジルコニウム,その他の水溶性のジルコニウム塩などを任意に使用することができる。イットリウム塩についても、例えば、硝酸イットリウムを使用することができる。
【0050】
さらに、本発明の製造方法において、前記原料水溶液中に過酸化水素水および界面活性剤を添加することが望ましい。
その理由は、過酸化水素の添加により、チタニウムイオンおよびジルコニウムイオンが錯イオンとなり、両者の沈澱の生成するpHが近くなるため、共沈物の中の混合が、原子レベルで行われやすくなるからである。また、界面活性剤の添加により、沈澱操作の際たまたま不均一の部分が生じても、界面活性剤のミセル中で、ジルコニアを主成分とする粒子とチタニアを主成分とする粒子とが、互いに組成が均一になる方向で粒成長して、均一な組成の固溶体粒子を形成しやすいためである。
【0051】
界面活性剤としては、陰イオン系,陽イオン系および非イオン系のいずれも使用することができるが、その中でも、形成するミセルが内面に狭い空間を形成し得る形状、例えば、球状ミセルを形成し易い界面活性剤が望ましい。また、臨界ミセル濃度が0.1mol/リットル以下のものが望ましい。より望ましくは、0.01mol/リットル以下の界面活性剤の使用が望ましい。なお、臨界ミセル濃度とは、ある界面活性剤がミセルを形成する最低の濃度のことである。
【0052】
また、本発明の製造方法は、前記原料水溶液を強力に攪拌しながら、pH調整剤を添加して生成させた沈殿物を乾燥,焼成する工程を含むものであるが、この乾燥,焼成手段として、昇温速度を100℃/h以下とするのが好ましい。
その理由は、本発明の“高比表面積を持つチタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末”を安定に製造するために有効であるからである。すなわち、これらの粉末を焼成する際に、副生成物として硝酸アンモニウム等の塩が相当量共存している。焼成工程では、これらの副生成物塩が昇温過程でチタニウムイオンの酸化触媒能によって、しばしば乾燥中の沈殿が着火ないし自己発熱し、温度が必要以上に上がりすぎ、比表面積が小さくなってしまうという現象が生ずる。この急激な自己発熱を押さえるために、昇温速度を100℃/h以下にするのが有効である。より好ましくは50℃/h以下である。
【0053】
一方、本発明の“アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末”の製造方法は、
(1a)チタニウム塩,ジルコニウム塩およびアルミニウム塩を含む原料水溶液を、該原料水溶液から最終的に生成する酸化物中のチタニア,ジルコニアの各酸化物に換算して、チタニア/ジルコニアの重量比が40/60〜15/85となるように調製する工程と、
(2a)前記原料水溶液を強力に撹拌しながら、pH調整剤を添加して沈殿を生成させる工程と、
(3a)得られた沈殿物を乾燥,焼成する工程と、
を含むこと、または、
(1b)チタニウム塩およびジルコニウム塩を含む原料水溶液を、この溶液から最終的に生成する酸化物に換算して、ジルコニアが60〜85重量%となるように調製する工程と、
(2b)アルミニウム塩を含む原料水溶液を調製する工程と、
(3b)前記(1b)および(2b)の原料水溶液をそれぞれ強力に撹拌しながら、pH調整剤を添加して沈殿を生成させる工程と、
(4b)前記(3b)の工程からそれぞれ生じた沈殿物を均一に混合する工程と、(5b)得られた混合沈殿物を乾燥,焼成する工程と、
を含むことを特徴とし、これにより、前記した優れた特性を有する“アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末”を製造することができる。
【0054】
前記(1a)の「チタニウム塩,ジルコニウム塩およびアルミニウム塩を含む原料水溶液」を調製する際に、チタニア−ジルコニア系粉末またはアルミナ粉末の耐熱性を高める元素、例えば、Y,La等の希土類元素やBa等のアルカリ土類金属を、陽イオン濃度で10mol%以下の範囲で添加しても良い。
また、前記(2b)の「アルミニウム塩を含む原料水溶液」を調製する際に、同じく、La等の希土類元素またはBa等のアルカリ土類金属を、最終的に得る粉末中の陽イオン濃度として10mol%以下の範囲で添加しても良い。
【0055】
本発明の“アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末の製造方法”においても、前記チタニア−ジルコニア系粉末の製造方法と同様、“強力な攪拌”として、1000sec-1以上の剪断速度が好ましく、10,000sec-1以上がより好ましい。具体的には、ホモジナイザ−(剪断速度:13,000sec-1)を、従来のプロペラ攪拌と併用して、均一攪拌を行うことが好適である。
また、前記チタニア−ジルコニア系粉末の製造方法と同様、原料水溶液中に過酸化水素水および界面活性剤を添加することが好ましく、また、乾燥,焼成手段として、昇温速度が100℃/h以下とすることが好ましい。(好ましいとする理由および具体的手段は、いずれも前記と同じである。)
【0056】
本発明のチタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末,アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末の前記各製造方法において、「乾燥,焼成工程」に先立って、濾過またはデカンテーションによる沈殿の濃縮、および/または、水洗処理等の副生成物除去工程を併用することもできる。
しかし、それらを併用しない場合に比して、昇温速度の制限が相対的に小さくなるが、工程増によるコスト増加のデメリットも生ずる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明のチタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末,アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末に係る実施例を参考例および比較例と共に挙げ、本発明について具体的に説明する。
【0058】
参考例1〜4,実施例1〜5,比較例1〜5:TiO-xwt%ZrO(x=0〜100)]
TiO換算で27.5wt%濃度の四塩化チタン水溶液と、ZrO換算で18wt%濃度のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液とを、表1に示す量秤取し、これを水1000gに溶解し、さらに30wt%の過酸化水素水160gおよびノニオン系界面活性剤(レオコン 1020H;ライオン社製)24gを添加して原料水溶液を調製した。
次に、この原料水溶液を、プロペラ攪拌と併用してホモジナイザ−(剪断速度:13,000sec−1)を用い、より均一に攪拌しながら、25%アンモニア水456gを1000gの水に希釈したアンモニア水を、この原料水溶液に対して添加し、沈殿を生成させた。
【0059】
得られた沈殿を150℃で乾燥し、次いで、昇温速度50℃/hで500℃まで昇温し、500℃で5時間焼成してチタニア−ジルコニア系粉末を得、比表面積を測定した。これらの粉末を更に800℃で5時間焼成して、同じく比表面積を測定した。測定結果を表1に示した。また、この測定結果を、図1にグラフ化した。なお、図1の(A)は、500℃で5時間焼成した後の比表面積の測定結果を、同(B)は、800℃で5時間焼成した後の比表面積の測定結果を、それぞれグラフ化した図である。
【0060】
【表1】
【0061】
表1および図1(A),(B)から、「ZrO;3〜30wt%」の範囲内の参考例1〜参考例4では、800℃で5時間焼成した後の比表面積が45m/g以上の物性値を有するのに対し、この範囲外の比較例1(ZrO;0wt%)では、極めて低い比表面積を示し、同じく範囲外の比較例2(ZrO;40wt%),比較例3(ZrO;50wt%)でも低い比表面積を示すことがわかる(→図1の(B)参照)。
一方、本発明の「ZrO;60〜85wt%」の範囲内の実施例〜実施例では、500℃で5時間焼成した後の比表面積が140m/g以上の物性値を有するのに対し、この範囲外のZrOが90wt%の比較例4やZrOが100wt%の比較例5では、140m/g未満のものであることがわかる(→図1の(A)参照)。また、800℃で5時間焼成した実施例〜実施例では、35m/g以上の物性値を有するのに対し、比較例1〜比較例5では、35m/g未満のものであることがわかる(→図1の(B)参照)。
【0062】
そして、800℃の高温で焼成したものでは、ZrOが10wt%組成(参考例2)が最も高比表面積を示し、一方、500℃で焼成したものでは、ZrOが70wt%の組成(実施例)において、200m/gを超える“201.3m”という高い比表面積を示すことがわかる(→図1の(A),(B)参照)。
【0063】
図2および図3に、ZrO含有率0〜100wt%のTiO-ZrO系粉末(参考例1〜,実施例,実施例,実施例,比較例1〜比較例5)の「500℃,5時間熱処理(焼成)後のTiO-ZrO系粉末」のX線回折図および「800℃,5時間熱処理(焼成)後のTiO-ZrO系粉末」のX線回折図を示す。
【0064】
500℃の熱処理後に大きな比表面積を示す“ZrO含有率:60wt%(実施例),同:70wt%(実施例),同:80wt%(実施例)”の粉末(前掲の表1参照)は、図2のX線回折図から、非晶質であることがわかる。また、同図から、ZrO含有率が50wt%以下では、TiOのアナタ−ゼ相が存在し、一方、ZrO含有率が90wt%以上では、ZrOのテトラゴナル相またはモノクリニック相が存在していることがわかる。
【0065】
一方、800℃焼成後の粉末の場合、図3のX線回折図から、ZrO2含有率が“0wt%”では、TiO2のルチル相が生成しているが、ZrO2含有率が“5wt%以上”の組成では、TiO2の結晶相はアナタ−ゼ相のみであってルチル相は見られず、結晶相的にも高耐熱化していることがわかる。
【0066】
TiO2のアナタ−ゼ相の(200)は、CuKα1で測定したX線回折図における2θが“500℃焼成”で48.04゜であるが、次の表2から明らかなように、ピ−クが低角度側にシフトしており、ZrO2がTiO2のアナタ−ゼ相に固溶していることがわかる。
また、ZrO2含有量が60wt%以上の領域では、800℃焼成後にZrO2のテトラゴナル相が主な結晶相になる。そして、このZrO2のテトラゴナル相の(101)は、CuKα1で測定したX線回折図における2θが“30.24゜”であるが、次の表3から明らかなように、TiO2の共存により高角度側にシフトしており、TiO2がZrO2のテトラゴナル相に固溶していることがわかる。
【0067】
更に、表3に示すように、ZrO2が10wt%から50wt%の範囲で、(Ti,Zr)O2複酸化物相が共存しているが、この複酸化物相の(111)ピークも、ZrO2含有率につれて変化しており、同相内のTiとZrとの比が変化していることがわかる。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
また、表4に、参考例1〜参考例4,実施例1〜実施例,比較例1〜比較例5の結晶相構成を記号で示した。“○印”は、20wt%を超える量であって、当該結晶相が多いことを示し、“△印”は、20wt%より少ない量であって、当該結晶相がわずかに存在することを示し、“×印”は、当該結晶相が極微量検出または検出されなかったことを示す。表4から、「チタニアの結晶相がアナターゼ相からなり、ジルコニアを3〜30wt%含むチタニア−ジルコニア系粉末」に係る参考例1〜参考例4のTiO-ZrO系粉末では、複酸化物[(Ti,Zr)O]の含有量が20wt%未満であることがかる。また、本発明の「結晶相がテトラゴナル相からなるジルコニアであり、ジルコニアに対してチタニアを15〜40重量%含むチタニア−ジルコニア系粉末」に係る実施例〜実施例のTiO-ZrO系粉末では、複酸化物[(Ti,Zr)O],モノクリニック相ジルコニア,アナターゼ相チタニアの含有率の総和が20重量%未満であることがわかる。
【0071】
【表4】
【0072】
前記参考例1〜参考例4,実施例1〜実施例および比較例1〜比較例5のうち、ZrO:10wt%(参考例2),ZrO:70wt%(実施例)およびZrO:0wt%(比較例1),ZrO:100wt%(比較例5)の各粉末について、アンモニア(NH),二酸化炭素(CO)の昇温脱離(TPD)試験を行い、表面の酸点,塩基点をそれぞれ測定した。この昇温脱離試験の測定結果を図4の(A),(B)および図5の(A),(B)に示す。
その結果、参考例2及び実施例のTiO-ZrO系粉末は、ZrOを含有するにもかかわらず、100wt%TiOからなる粉末(比較例1)と同様に、表面には酸点のみが存在し、塩基点は殆ど持たないことがわかった。一方、ZrOのみからなる粉末(比較例5)の表面には、酸点と塩基点の両方が存在していることがわかった。
【0073】
[実験例:「チタニアの比表面積に対するイットリアの添加量の影響」]
前記参考例2の“TiO-10wt%ZrO”に対して、YOを「0wt%,0.5wt%,1wt%,1.5wt%,2wt%,3wt%,4wt%,5wt%,10wt%」含有する粉末を作製し、900℃で5時間焼成した後の各粉末の比表面積を測定した。その結果を表5(図6)に示した。
【0074】
【表5】
【0075】
表5(図6)から明らかなように、Y2O3を添加することにより、比表面積の増加が認められた。そして、0.5wt%の添加でその効果が顕著であり、2wt%までは増加するが、3wt%を超えてもそれ以上の効果が見られないことが判明した。
【0076】
[実施例:TiO-10wt%ZrO-2wt%YO
TiO換算で27.5wt%濃度の四塩化チタン水溶液383.7gと、ZrO換算で18wt%濃度のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液66.7g、そして、YO換算で29.48wt%の硝酸イットリウム溶液8.14gとを水1000gに溶解し、さらに30wt%の過酸化水素水160gおよびノニオン系界面活性剤(レオコン 1020H;ライオン社製)24gを添加して原料水溶液を調製した。
次に、この原料水溶液をホモジナイザ−により均一に攪拌しながら、25%アンモニア水456gを1000gの水に希釈したアンモニア水を、該原料水溶液に対して添加し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を150℃で乾燥し、次いで、昇温速度50℃/hで500℃まで昇温し、500℃で5時間焼成してイットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末を得た。さらに、これを“600℃,700℃,800℃,900℃”の各温度で5時間熱処理し、各比表面積を測定した。その結果を表6(図7)に示した。
【0077】
[比較例6]
比較のため、前記参考例2における“ホモジナイザ−による攪拌”を除いて、その他は前記参考例2と同一条件で沈殿を生成させた。この沈殿物を、参考例2と同様、150℃で乾燥し、次いで、“600℃,700℃,800℃,900℃”の各温度で5時間熱処理し、各比表面積を測定した。その結果を表6(図7)に示した。
なお、参考例として、市販のアナタ−ゼ相チタニア粉末に対しても同様に比表面積を測定した。また、前記参考例2においても、“600℃,700℃,800℃,900℃”の各温度で5時間熱処理し、各比表面積を測定した結果を、同じく表6(図7)に示した。
【0078】
【表6】
【0079】
表6(図7)から明らかなように、“ホモジナイザ−による攪拌”を行った参考例2のチタニア−ジルコニア系粉末は、高温下での熱処理後においても高比表面積を保持し、特に700℃以上の800℃,900℃で5時間熱処理した後であっても、高比表面積を有するものが得られた。また、同じく“ホモジナイザ−による攪拌”を行った実施例のイットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末においても、参考例2のチタニア−ジルコニア系粉末と同様、高温下での熱処理後においても高比表面積を保持するものが得られた。
これに対し、“ホモジナイザ−による攪拌”を行わない比較例6では、高温下での熱処理後において、比表面積の低下が著しく、また、ジルコニアを含有しない市販のチタニア粉末である参考例においても同様であった。
【0080】
また、表6(図7)から、実施例のイットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末の900℃焼成品では、参考例2のチタニア−ジルコニア系粉末の900℃焼成品よりも高比表面積を保持することがわかった。
【0081】
参考例6:50wt%AlO-35wt%ZrO-15wt%TiO
AlO酸化物換算で13.6wt%の硝酸アルミニウム塩441.2gと、TiO換算で27.5wt%濃度の四塩化チタン水溶液65.4gと、ZrO換算で18wt%濃度のオキシ硝酸シルコニウム水溶液233.3gとを水1000gに溶解し、さらに30wt%の過酸化水素水160gおよびノニオン系界面活性剤(レオコン 1020H;ライオン社製)24gを添加して原料水溶液を調製した。
次に、この原料水溶液をホモジナイザーにより均一に撹拌しながら、25%アンモニア水456gを1000gの水に希釈したアンモニア水を、該原料水溶液に対して添加し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を150℃で乾燥し、次いで、昇温速度50℃/hで500℃まで昇温し、500℃で5時間焼成して“アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末”を得た。さらに、これを600℃,700℃,800℃の各温度で5時間熱処理し、各比表面積を測定した。その結果を表7(図8)に示した。
この参考例6のチタニア−ジルコニア系粉末は、平均粒子径が0.05μmのZrO-TiO粉末と平均粒子径が0.04μmのAlO粉末との混合粉末であった。
【0082】
[実施例
実施例のチタニア−ジルコニア系粉末であって、平均粒子径が5μmの粉末と、平均粒子径が2μmのアルミナ粉末とを、参考例6と同じ組成になるように配合し、乾式ボールミルで10時間混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末中のチタニア−ジルコニア系粉末は、平均粒子径が0.7μmであり、また、アルミナ粉末の平均粒子径は0.8μmであった。
得られた混合粉末を、前記参考例6と同様、“500℃,600℃,700℃,800℃”の各温度で5時間熱処理し、各比表面積を測定した。その結果を同じく表7(図8)に示した。
【0083】
[比較例7]
市販チタニア粉末であって、平均粒子径が0.5μmの粉末と、市販ジルコニア粉末であって、平均粒子径が1.1μmの粉末と、平均粒子径が2μmのアルミナ粉末とを、参考例6と同じ組成になるように配合し、乾式ボールミルで10時間混合し、混合粉末を作製した。 得られた混合粉末を、前記参考例6と同様、“500℃,600℃,700℃,800℃”の各温度で5時間熱処理し、各比表面積を測定した。その結果を同じく表7(図8)に示した。
【0084】
【表7】
【0085】
表7(図8)から、参考例6のチタニア−ジルコニア系粉末(平均粒子径が0.05μmのZrO-TiO粉末と平均粒子径が0.04μmのAlO粉末との混合粉末)は、高温下での熱処理後においても高比表面積を保持することがわかった。また、平均粒子径が5μmのZrO-TiO粉末と、平均粒子径が2μmのAlO粉末との混合粉末からなる実施例では、参考例6の上記チタニア−ジルコニア系粉末よりは、多少劣るものの、同じく高温下での熱処理後においても高比表面積を保持することがわかった。
これに対して、市販のチタニア粉末とジルコニア粉末を用いた比較例7のチタニア−ジルコニア系粉末では、平均粒子径が0.5μmのチタニア粉末と平均粒子径が1.1μmのジルコニア粉末を用いても、高温下の熱処理により、参考例6および実施例に比して、低比表面積のものが得られることがわかった。
【0086】
前記参考例6,実施例,比較例7の各粉末(500℃で焼成したもの)を担体として使用し、「[Ba(0.2mol)+K(0.1mol)]/[Pt(2g)+Rh(0.1g)]/担体(120g)」の触媒を作製した。すなわち、担体120gに対して、Ptを2gとRhを0.1g吸着担持し、さらに、酢酸バリウム0.2molと酢酸カリウム0.1molを担持して触媒とした。
各触媒に対して、“800℃耐熱試験(高温耐久試験)”を行い、さらに、“600℃硫黄被毒耐久試験”を行った後に、各触媒の“NOx吸蔵能”を測定した。その結果を表8(図9)に示した。(上記“耐熱試験(高温耐久試験)”“硫黄被毒耐久試験”“NOx吸蔵能の評価”については後記参照)
【0087】
【表8】
【0088】
前記“800℃耐熱試験(高温耐久試験)”は、各触媒1gを、800℃で5時間“リッチ2分”“リーン2分”で交互に切り換えた雰囲気下で保持することにより、耐熱試験(高温耐久試験)を行った。この場合のリーンガスの組成およびリッチガスの組成を表9に示す。
【0089】
【表9】
【0090】
また、前記“600℃硫黄被毒耐久試験”は、前記高温耐久試験後の各触媒1gを内径約10mmの石英管にプラグ状に充填したものを耐久試験装置に配置し、表10で示されるリッチとリーンのモデルガスを30秒毎に切り換えながら、室温から600℃まで30分で昇温し、600℃で4時間保持することで、硫黄被毒耐久試験を行った。触媒に供給した硫黄の量は、この耐久試験に供した1gの触媒に担持されているバリウムとカリウムの総和量に対して、モル比で1.5である。
【0091】
【表10】
【0092】
さらに、前記“NOx吸蔵能の評価”は、次の方法で行った。
前記“800℃耐熱試験(高温耐久試験)”を行い、更に前記“600℃硫黄被毒耐久試験”を行った後、各触媒を固定床流通式の反応管に0.5g詰め、毎分3リットルのリーンガスを流通させたリーン雰囲気において、NOxを硝酸塩として吸蔵させ、3秒間のリッチ雰囲気において、N2などとして還元させる試験を200℃,300℃,400℃,500℃および600℃において実施した。この際に還元されるNOxのモル数を“NOx吸蔵能(μmol/0.5−cat.)”とした。この場合のリーンガスの組成およびリッチガスの組成を表11に示す。
【0093】
【表11】
【0094】
前記表8(図9)から、参考例6,実施例の粉末を担体として用いた触媒は、反応温度(活性評価温度)が200℃の場合を除いて、これ以上の高温である300℃,400℃,500℃,600℃のいずれにおいても、比較例7の粉末を担体として用いた触媒に比して、極めて高いNOx吸蔵能を示すことがわかった。
【0095】
【発明の効果】
本発明は、以上詳記したとおり、酸性物質の耐被毒性,脱離性に優れ、かつ高温の熱処理後においても高比表面積を保持することができ、しかもチタニア表面の塩基点が少ないという特徴を変えずに耐熱性を大幅に向上させ得る、チタニア−ジルコニア系粉末,イットリア含有チタニア−ジルコニア系粉末,アルミナ粉末に分散しているチタニア−ジルコニア系粉末を提供することができる。
このため、触媒担体ないし助触媒、特に自動車排ガス浄化用の触媒担体ないし助触媒として好適な、また、硫黄を含んだ高温のガス中で使用される触媒担体として好適な上記粉末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1〜4,実施例1〜実施例および比較例1〜比較例5で得られたチタニア−ジルコニア系粉末[TiO-Xwt%ZrO(X=0〜100)]の比表面積の測定結果(表1)をグラフ化した図であって、そのうち、(A)は、500℃で5時間焼成した後の比表面積の測定結果を、(B)は、800℃で5時間焼成した後の比表面積の測定結果を、それぞれグラフ化した図である。
【図2】 “TiO-Xwt%ZrO(X=0〜100)”で得られた「500℃,5時間焼成後の粉末」のX線回折図である。
【図3】 “TiO-Xwt%ZrO(X=0〜100)”で得られた「800℃,5時間焼成後の粉末」のX線回折図である。
【図4】 アンモニア(NH)の昇温脱離試験の測定結果を示す図であって、そのうち、図4の(A)は、“試料温度”と“NH濃度”との関係をグラフ化した「アンモニア昇温脱離試験(TPD)結果」を示す図であり、図4の(B)は、“ZrO添加量”と“NH脱離量”との関係をグラフ化した「TPDによるアンモニア総脱離量」を示す図である。
【図5】 二酸化炭素(CO)の昇温脱離試験の測定結果を示す図であって、そのうち、図5の(A)は、“試料温度”と“CO濃度”との関係をグラフ化した「二酸化炭素昇温脱離試験(TPD)結果」を示す図であり、図5の(B)は、“ZrO添加量”と“CO脱離量”との関係をグラフ化した「TPDによる二酸化炭素総脱離量」を示す図である。
【図6】 「チタニアの比表面積に対するYの添加量の影響」(表4)をグラフ化した図である。
【図7】 参考例2,実施例,比較例6,参考例の各温度の熱処理後における比表面積を測定した結果(表5)をグラフ化した図である。
【図8】 参考例6,実施例,比較例7の各温度の熱処理後における比表面積を測定した結果(表7)をグラフ化した図である。
【図9】 参考例6,実施例,比較例7の各粉末を担体とした触媒の「各活性評価温度(℃)に対するNOx吸蔵能」を測定した結果(表8)をグラフ化した図である。

Claims (17)

  1. 非晶質のチタニア−ジルコニア系粉末であって、該粉末を熱処理した後に、ジルコニアの結晶相内にチタニアの少なくとも一部が固溶して成るテトラゴナル相のチタニア−ジルコニア系粉末が形成される、ことを特徴とするチタニア−ジルコニア系粉末。
  2. 前記結晶相に共存する成分が、1)ZrTiOまたは(Ti,Zr)Oなる複酸化物,2)モノクリニック相ジルコニアおよび3) アナターゼ相チタニアの少なくとも一種であり、該1),2)および/または3)の含有率の総和が20重量%未満である、ことを特徴とする請求項1に記載のチタニア−ジルコニア系粉末。
  3. 請求項1に記載のチタニア−ジルコニア系粉末であって、該チタニア−ジルコニア系粉末の90容量%以上が非晶質からなり、ジルコニアを60〜85重量%含み、大気中で500℃,5時間熱処理した後の比表面積が140m/g以上の物性値を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のチタニア−ジルコニア系粉末。
  4. チタニア−ジルコニア系粉末であって、結晶相がテトラゴナル相からなり、チタニアを15〜40重量%含み、チタニアの少なくとも一部がテトラゴナル相に固溶しており、1)ZrTiOまたは(Ti,Zr)Oなる複酸化物,2)モノクリニック相ジルコニアおよび3)アナターゼ相チタニアの少なくとも一種であって、該1),2)および/または3)の含有率の総和が20重量%未満であり、800℃,5時間の熱処理後の比表面積が35m/g以上の物性値を有する、ことを特徴とするチタニア−ジルコニア系粉末。
  5. 請求項3に記載のチタニア−ジルコニア系粉末であって、該チタニア−ジルコニア系粉末を800℃以上で5時間熱処理した後に、チタニアの少なくとも一部がテトラゴナル相に固溶しており、1)ZrTiOまたは(Ti,Zr)Oなる複酸化物,2)モノクリニック相ジルコニアおよび3)アナターゼ相チタニアの少なくとも一種であって、該1),2)および/または3)の含有率の総和が20重量%未満であり、比表面積が35m/g以上の物性値を有する、ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載のチタニア−ジルコニア系粉末。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末を、自動車の排ガス浄化用触媒担体または助触媒として使用する、ことを特徴とするチタニア−ジルコニア系粉末。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末の平均粒子径は1μm以下であり、該粉末がアルミナ粉末に分散している、ことを特徴とするチタニア−ジルコニア系粉末。
  8. 前記アルミナの平均粒子径が1μm以下である、ことを特徴とする請求項7に記載のチタニア−ジルコニア系粉末。
  9. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末の平均粒子径は0.1μm以下であり、該粉末が平均粒子径0.1μm以下のアルミナ粉末に均一に分散している、ことを特徴とするチタニア−ジルコニア系粉末。
  10. 請求項7〜請求項9のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末を、自動車の排ガス浄化用触媒担体または助触媒として使用する、ことを特徴とするチタニア−ジルコニア系粉末。
  11. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末を製造する方法であって、(1)チタニウム塩およびジルコニウム塩を含む原料水溶液を、該溶液から最終的に生成する酸化物に換算してジルコニアが60〜85重量%となるように調製する工程と、(2)前記原料水溶液を強力に撹拌しながら、pH調整剤を添加して沈殿を生成させる工程と、(3)得られた沈殿物を乾燥,焼成する工程と、を含むことを特徴とするチタニア−ジルコニア系粉末の製造方法。
  12. 前記(1)の工程における原料水溶液中に、過酸化水素水および界面活性剤を添加することを特徴とする請求項11に記載のチタニア−ジルコニア系粉末の製造方法。
  13. 前記(1)の工程における原料水溶液中に、さらに、イットリウム化合物を、イットリア換算で、イットリアを含むチタニア−ジルコニア系粉末の全重量に対して、0.5〜10重量%を含むように調製することを特徴とする請求項11または請求項12に記載のチタニア−ジルコニア系粉末の製造方法。
  14. 前記(2)の工程における強力な撹拌手段として、ホモジナイザーによる均一撹拌を行うことを特徴とする請求項11に記載のチタニア−ジルコニア系粉末の製造方法。
  15. 前記(3)の工程における乾燥,焼成手段として、昇温速度が100℃/h以下であることを特徴とする請求項11に記載のチタニア−ジルコニア系粉末の製造方法。
  16. 請求項7〜請求項9のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末を製造する方法であって、(1)チタニウム塩,ジルコニウム塩およびアルミニウム塩を含む原料水溶液を、該原料水溶液から最終的に生成する酸化物中のチタニア,ジルコニアの各酸化物に換算して、チタニア/ジルコニアの重量比が40/60〜15/85となるように調製する工程と、(2)前記原料水溶液を強力に撹拌しながら、pH調整剤を添加して沈殿を生成させる工程と、(3)得られた沈殿物を乾燥,焼成する工程と、を含むことを特徴とするチタニア−ジルコニア系粉末の製造方法。
  17. 請求項7〜請求項9のいずれかに記載のチタニア−ジルコニア系粉末を製造する方法であって、(1)チタニウム塩およびジルコニウム塩を含む原料水溶液を、この溶液から最終的に生成する酸化物に換算して、ジルコニアが60〜85重量%となるように調製する工程と、(2)アルミニウム塩を含む原料水溶液を調製する工程と、(3)前記(1)および(2)の原料水溶液をそれぞれ強力に撹拌しながら、pH調整剤を添加して沈殿を生成させる工程と、(4)前記(3)の工程からそれぞれ生じた沈殿物を均一に混合する工程と、(5)得られた混合沈殿物を乾燥,焼成する工程と、を含むことを特徴とするチタニア−ジルコニア系粉末の製造方法。
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