JP3642948B2 - 射出成形用金型のゲート部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形用金型のゲート部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、射出成形用金型について図面に基づき説明する。
【0003】
図4(a)に示すように、射出成形用金型は、固定型1と可動型2で構成され、固定型1と可動型2との間に、製品部3と、ゲート部4と、ランナ部5とを成形するための樹脂充填領域が連通して形成され、ランナ部5に連通するように固定型1にスプル部6が形成される。可動型2には、製品部押出しピン7とランナ部押出しピン8とが設けられる。
【0004】
射出成形において、溶融樹脂は、樹脂充填領域のスプル部6、ランナ部5、ゲート部4を通って製品部3に射出され、一体となって固化する。そして、成形品を取出す時にゲート部4を切断し、製品部3とランナ部5を切離するゲートカットが行われる。
【0005】
ゲートカットは、射出後、溶融樹脂が樹脂充填領域で固化した状態で型開きし、離型する際において、図5(a)に示すように、まず製品部3のみを製品部押出しピン7で離型方向に押出し、製品部3とランナ部5を繋いでいるゲート部4を引きちぎり、その後、ランナ部5をランナ部押出しピン8で押出す方法によって行われる(2段押出し法)。
【0006】
なお、ゲート部4は、図4(b)に示すように、成形品の離型方向に型抜き可能な断面形状を有し、また、ゲートカット跡が目立たないように、製品部3の裏面に設定されることが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した2段押出し法は、生産性、コスト面等で有利な方法であるが、図5(b)に示すように、ゲートカットの際、製品部3に突起状のゲートカット跡3aが残る場合がある。
【0008】
このような突起状のゲートカット跡は、製品に他の部品を取付ける等、その後の作業の妨げとなる場合があるので、後加工で切取る必要があり、そのために生産性が悪化してコストアップの原因となる。
【0009】
そこで、本発明は、製品部における突起状のゲートカット跡の発生を抑制することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の射出成形用金型のゲート部構造は、開閉自在な一対の金型間に製品部、ゲート部及びランナ部を成形するための樹脂充填領域を備え、かつ、一方の金型に製品部押出し部材とランナ部押出し部材が摺動自在に配設されてなる射出成形用金型において、製品部、ゲート部及びランナ部は前記一対の金型間に順に連通しており、ゲート部の製品部側端部と製品部がパーティング面を境界にして離型方向に連通し、かつ、ゲート部の製品部側端部が製品部に臨んで先細りした形状で形成されており、製品部押出し部材とランナ部押出し部材は、ゲート部の製品部側端部が製品部に臨んで先細りした形状で形成されている側の金型に、それぞれ成形品の離型方向に摺動するように配設されており、型開き後の離型の際に、製品部押出し部材で製品部を離型方向に押し出すことによりゲートカットが行なえ、その後、ランナ部押出し部材でランナ部を離型方向に押出すことによりランナ部の脱型が行なえることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の射出成形用金型のゲート部構造の一実施形態を図面に基づき説明する。
【0012】
図1(a)は、本発明の一実施形態における射出成形用金型の樹脂充填領域の断面図である。図1(a)において、10は固定型、11は可動型である。固定型10内には、スプル部12が形成される。固定型10と可動型11との境界部には、樹脂充填領域として、スプル部12から順にランナ部13、ゲート部14、製品部15が連通して形成される。
【0013】
スプル部12は、固定型10の外側面に開口する射出口12aを有する。溶融樹脂は、射出機(図示省略)等によりスプル部12の射出口12aから注入されて樹脂充填領域に充填される。
【0014】
ランナ部13は、スプル部12から導入される溶融樹脂を製品部15へ導くための分配流路として形成される。ゲート部14は、ランナ部13と製品部15とを繋ぐ流路として形成される。製品部15は、製品形状に対応する成形領域として形成される。
【0015】
ゲート部14は、図1(b)に示すように、パーティング面Pより可動型側に形成され、ゲートカット跡が目立たないように製品部15の裏面15aにおいて離型方向に連通している。ゲート部14の製品部側端部14aは、製品部15の裏面に臨んでくさび状の先細形状となっている。
【0016】
なお、ゲート部14の大きさは、ゲートカット時にゲート部14が製品部15やランナ部13より切断されやすく、また樹脂流動を妨げない程度の大きさに設定される。
【0017】
可動型11内には、製品部押出しピン16とランナ部押出しピン18が設けられる。製品部押出しピン16は、製品部15に当接し、成形品の離型方向に摺動し、ランナ部押出しピン18は、ランナ部13に当接し、成形品の離型方向に摺動するものである。
【0018】
以下、この金型のゲートカット方法を説明する。
【0019】
溶融樹脂は、射出機(図示省略)から射出されて金型内のスプル部12、ランナ部13、ゲート部14、製品部15内で一体となって固化する。
【0020】
この状態から型開きし、離型する際において、図2(a)に示すように、まず、製品部押出しピン16を離型方向に摺動させることによって製品部15を押出し、その後、図3(a)に示すように、型に残ったランナ部13を、ランナ部押出しピン18によって離型方向に押出す。
【0021】
製品部押出しピン16によって製品部15を離型方向に押出すとき、図1(b)に示すように、ゲート部14の製品部側端部14aが、製品部15に臨んで先細形状となっているので、可動型11がゲート部14の製品部側端部14aと係合し、製品部15とゲート部14の製品部側端部14aとの間に引張り荷重が作用する。そして、最も断面形状が小さいゲート部14の製品部側端部14aと製品部15との境界部分に、応力集中が生じる。このため、図2(b)に示すように、ゲート部14の製品部側端部14aと製品部15は、境界面に沿って破断され易くなる。これによって、製品部15のゲートカット跡15aの突出量は0.5mm程度に抑制される。
【0022】
また、ランナ部押出しピン18によってランナ部13を離型方向に押出すとき、可動型11がゲート部14に係合しているので、ランナ部13はそのまま離型方向には抜けないが、図3に示すように、ランナ部13はゲート部14を基点として離型方向に回転し脱型される。
【0023】
このように、本実施形態の射出成形用金型は、離型の際に製品部15に、前述したような突起状のゲートカット跡がなくなるので、後加工が簡易となりまたは省略でき、生産速度の向上、加工コストの低減が図られる。
【0024】
以上、本発明の射出成形用金型のゲート部構造の一実施形態について説明したが、本発明はその構造等に種々の変更が可能である。
【0025】
例えば、上記実施形態においては、ゲート部の製品部側端部の断面形状を製品部に臨んでくさび形状に先細りする形状としたが、本発明のゲート部構造は、これに限らず、ゲート部が可動型と離型方向に係合し、かつ、ゲート部と製品部との境界部分に応力集中が生じるように、ゲート部の製品部側端部が、製品部に臨んだ先細形状を有して製品部と連通していれば良い。なお、型開きの際に、ランナ部や製品部等が固定側に残る場合は、ゲート部は、固定型側に設けるものとする。
【0026】
【発明の効果】
本発明の射出成形用金型は、ゲート部の製品部側端部が製品部に臨んで先細形状を有しているので、型開き後の離型の際に、ゲート部の製品部側端部に金型が喰い付き、製品部とゲート部の製品部側端部との境界部分に応力集中が生じ、製品部とゲート部の製品部側端部との境界面に沿ってゲートカットが行われる。
【0027】
これにより、製品部における突起状のゲートカット跡の発生が抑制されるので、後加工が簡易となるか省略でき、生産速度の向上、加工コストの低減が図られる。また、不良品の発生率も少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る射出成形用金型の縦断面図、(b)は(a)におけるA−A矢視図。
【図2】(a)は本発明の一実施形態に係る射出成形用金型の製品部押出し時の縦断面図、(b)は(a)におけるB−B矢視図。
【図3】(a)は本発明の一実施形態に係る射出成形用金型のランナ部押出し時の縦断面図。
【図4】(a)は従来の射出成形用金型の縦断面図、(b)は(a)におけるC−C矢視図。
【図5】(a)は従来の射出成形用金型における離型時の縦断面図、(b)は、(a)におけるD−D矢視図。
【符号の説明】
10 固定型
11 可動型
12 スプル部
12a 射出口
13 ランナ部
14 ゲート部
14a ゲート部の製品部側端部
15 製品部
15a 製品部のゲートカット跡
16 製品部押出しピン
18 ランナ押出しピン
Claims (1)
- 開閉自在な一対の金型間に製品部、ゲート部及びランナ部を成形するための樹脂充填領域を備え、かつ、一方の金型に製品部押出し部材とランナ部押出し部材が摺動自在に配設されてなる射出成形用金型において、
前記製品部、ゲート部及びランナ部は前記一対の金型間に順に連通しており、
前記ゲート部の製品部側端部と製品部がパーティング面を境界にして離型方向に連通し、かつ、前記ゲート部の製品部側端部が製品部に臨んで先細りした形状で形成されており、
前記製品部押出し部材とランナ部押出し部材は、ゲート部の製品部側端部が製品部に臨んで先細りした形状で形成されている側の金型に、それぞれ成形品の離型方向に摺動するように配設されており、
型開き後の離型の際に、製品部押出し部材で製品部を離型方向に押し出すことによりゲートカットが行なえ、その後、ランナ部押出し部材でランナ部を離型方向に押出すことによりランナ部の脱型が行なえることを特徴とする射出成形用金型のゲート部構造。
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JP11260998A JP3642948B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 射出成形用金型のゲート部構造 |
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JPH11300801A JPH11300801A (ja) | 1999-11-02 |
JP3642948B2 true JP3642948B2 (ja) | 2005-04-27 |
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ID=14591025
Family Applications (1)
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JP11260998A Expired - Fee Related JP3642948B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 射出成形用金型のゲート部構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3642948B2 (ja) |
-
1998
- 1998-04-23 JP JP11260998A patent/JP3642948B2/ja not_active Expired - Fee Related
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