JP3642236B2 - 計時装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、針を備えた多機能の計時装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、針を備えた多機能の計時装置としては、例えばアナログ表示式のクロノグラフ機能を有する腕時計がある。このような腕時計が電子時計である場合には、本体内には、通常時刻を表示する針に駆動力を伝達する輪列と、クロノグラフを表示する針、例えば時クロノグラフ針、分クロノグラフ針及び秒クロノグラフ針に駆動力を伝達する輪列と、通常時刻を表示する針の駆動力を発生するモータと、クロノグラフを表示する針の駆動力を発生するモータと、各部の制御を行う電子回路と、モータ等の駆動電源として、例えばボタン型の電池等とが内蔵されている。そして、腕時計に設けられているスタート/ストップボタンが押されることにより、電子回路が作動して時間の計測を開始し、時クロノグラフ針、分クロノグラフ針及び秒クロノグラフ針が回動する。そして、再びスタート/ストップボタンが押されることにより、電子回路が作動して時間の計測を終了し、時クロノグラフ針、分クロノグラフ針及び秒クロノグラフ針が停止して計測時間を表示する。さらに、腕時計に設けられているリセットボタンが押されることにより、電子回路が作動して計測時間をリセットし、時クロノグラフ針、分クロノグラフ針及び秒クロノグラフ針が零位置に戻る(以下、帰零という)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アナログ表示式のクロノグラフ機能を有する腕時計の帰零手段としては、上述した電子式の帰零手段の他に、機械式の帰零手段(帰零機構)が有るが、従来のアナログ表示式のクロノグラフ機能を有する電子時計にこの帰零機構を組み込むと、時計本体の特に平面(横)方向のサイズが大型化してしまうという問題があり、従来は実用化されていなかった。
【0004】
また、近年、モータ等の駆動電源として、機械的エネルギを電気的エネルギに変換する発電装置を備えた電子時計が有るが、従来のアナログ表示式のクロノグラフ機能を有する電子時計にこの発電装置を組み込むと、上記と同様に時計本体の特に平面(横)方向のサイズが大型化してしまうと共に、導通の信頼性が得られなかったり発電磁界の影響が防止できないという問題があり、従来は実用化されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解消して、小型であって、発電装置との導通の信頼性が高いと共に、発電磁界の影響を防止できる計時装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、通常時刻を計時するための通常時刻計時部と、前記通常時刻以外の時刻情報を計時するための時刻情報計時部と、機械的エネルギを電気的エネルギに変換し、前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部を駆動するための駆動電圧を発生する発電装置とを備えた計時装置であって、装置本体が複数の層からなり、前記発電装置が前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部が配設されている層とは断面的な高さが異なる層に配設され、前記発電装置が、前記通常時刻計時部に対し平面的に重なって配置されていることを特徴とする計時装置である。
【0010】
この本発明によれば、計時装置の本体内を側面(厚さ)方向に層状に仕切り、通常時刻計時部及び時刻情報計時部をある層に配設したら、この層とは別の層に発電装置を配設するように構成しているので、占有面積が大きい機械構造部を含む通常時刻計時部及び時刻情報計時部と発電装置とを積層配置させて、本体の平面(横)方向のサイズを小型化することができ、発電装置と通常時刻計時部とを平面的に重ねて配置しているので、本体の平面(横)方向のサイズを小型化することができる。
【0011】
また、本発明は、通常時刻を計時するための通常時刻計時部と、前記通常時刻以外の時刻情報を計時するための時刻情報計時部と、前記通常時刻以外の時刻情報の計時を機械的に帰零させるための帰零機構と、機械的エネルギを電気的エネルギに変換し、前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部を駆動するための駆動電圧を発生する発電装置とを備えた計時装置であって、装置本体が複数の層からなり、前記帰零機構及び発電装置が前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部が配設されている層とは断面的な高さが異なる層に配設され、前記帰零機構が、前記時刻情報計時部に対し平面的に重なって配置されていることを特徴とする計時装置である。
【0012】
本発明によれば、計時装置の本体内を側面(厚さ)方向に層状に仕切り、通常時刻計時部及び時刻情報計時部をある層に配設したら、この層とは別の層に帰零機構及び発電装置を配設するように構成しているので、占有面積が大きい機械構造部を含む通常時刻計時部及び時刻情報計時部と帰零機構及び発電装置とを積層配置させて、本体の平面(横)方向のサイズを小型化することができ、帰零機構と時刻情報計時部とを平面的に重ねて配置しているので本体の平面(横)方向のサイズを小型化することができ、このため帰零機構と近接配置された時刻情報計時部との連携機構スペースが小さく、かつその連携が確実になされ、信頼性が向上する。
【0015】
加えて本発明は、前記発電装置が、前記通常時刻計時部に対し平面的に重なって配置されている計時装置である。
【0016】
本発明では、発電装置と通常時刻計時部とを平面的に重ねて配置しているので、本体の平面(横)方向のサイズを小型化することができる。
【0017】
また、本発明は、前記帰零機構及び発電装置が、同層に配設されている計時装置である。
【0018】
本発明では、通常時刻計時部及び時刻情報計時部を配設した層とは別の同層に帰零機構及び発電装置を配設するように構成しているので、本体の平面(横)方向のサイズのみならず、本体の側面(厚さ)方向のサイズも小型化することができる。
【0019】
本発明は、前記帰零機構及び発電装置が、異層に配設されている計時装置である。
【0020】
本発明では、通常時刻計時部及び時刻情報計時部を配設した層とは別の層であって、それぞれ異なる層に帰零機構と発電装置を別個に配設するように構成しているので、本体の平面(横)方向のサイズをさらに小型化することができる。
【0021】
本発明は、前記発電装置と前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部との間が、弾性部材により導通されている計時装置である。
【0022】
本発明では、積層配置されている発電装置と通常時刻計時部及び時刻情報計時部とに密着するように弾性部材を弾性変形させた状態で配置しているので、発電装置で発電された電圧を弾性部材を介して通常時刻計時部及び時刻情報計時部の制御回路に導電する際の信頼性を高めることができる。
【0023】
本発明は、耐磁部材が、前記発電装置の上層側及び下層側の少なくとも一方の側に配設されている計時装置である。
【0024】
本発明では、発電装置で発生する磁界が外部に漏れないように発電装置を耐磁部材で覆っているので、通常時刻計時部及び時刻情報計時部への磁界の影響を防止することができる。
【0025】
本発明は、前記発電装置が、発電用ロータと、発電用コイルとから成る計時装置である。
【0026】
本発明では、発電用ロータを回転させ、電磁誘導により発電用コイルにモータの駆動電圧を発生させている。
【0027】
本発明は、前記発電用ロータが、回転錘により回転する計時装置である。
【0028】
本発明では、発電用ロータを回転錘により回転させているので、モータの駆動電圧の蓄電を自動化させることができる。
【0029】
本発明は、前記通常時刻以外の時刻情報が、クロノグラフである計時装置である。
【0030】
本発明では、通常時刻以外の時刻情報の表示部をクロノグラフとしているので、通常時刻を表示させながら任意の時間を計測することができる。
【0031】
本発明は、前記通常時刻以外の時刻情報が、2種類以上の時間単位の表示手段を有する計時装置である。
【0032】
本発明では、通常時刻以外に例えば1/10秒や12時間といった時間単位を表示させることができる。
【0033】
本発明は、前記2種類以上の時間単位の表示手段が、輪列を有する計時装置でもよい。
【0034】
このようにすれば、2種類以上の時間単位の表示手段を輪列で動作させているので、スムーズな動作をさせることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
図1は、本発明の計時装置の実施形態を示す概略ブロック構成図である。
【0041】
図1に示す計時装置1000は、クロノグラフ機能を有するアナログの電子時計である。この計時装置1000の特徴的な部分としては、装置本体1000Bが側面(厚さ)方向に複数の層(この図では、2層)に分割されており、第1層には、通常時刻を計時するための通常時刻計時部1100と、通常時刻以外の時刻情報を計時するための時刻情報計時部1200が配設され、第2層には、通常時刻以外の時刻情報の計時を帰零させるための帰零機構1200Rと、機械的エネルギを電気的エネルギに変換し、通常時刻計時部1100及び時刻情報計時部1200を駆動するための駆動電圧を発生する発電装置1600が配設されている。
【0042】
このように2層に装置本体1000Bを分割し、各層に各構成部1100、1200、1200R、1600を振り分けて配設することにより、計時装置1000の平面(横)方向のサイズを小型化することができる。
【0043】
さらに、この計時装置1000の別の特徴的な部分としては、発電装置1600周りの構造があるが、この点については後述(図11及び図14)する。
【0044】
図2は、図1に示す計時装置1000の装置本体1000Bの内部の詳細例を示す構成図である。
【0045】
ここで、通常時刻計時部1100の構成部としては、通常時刻を針で表示するための通常時刻表示部1110、通常時刻表示部1110の針を駆動するためのモータ1300、モータ1300の駆動力を通常時刻表示部1110の針に伝達するための通常時刻輪列1100G及び通常時刻表示部1110の時刻やカレンダの修正状態に切り換える切換部1100Cを備えている。時刻情報計時部1200の構成部としては、12時間を針で表示するための12時間表示部1210、60秒間を針で表示するための60秒間表示部1220、1秒間を針で表示するための1秒間表示部1230、各表示部1210、1220、1230の針を駆動するためのモータ1400及びモータ1400の駆動力を各表示部1210、1220、1230の針に伝達するためのクロノグラフ輪列1200Gを備えている。そして、通常時刻計時部1100及び時刻情報計時部1200の共通構成部としては、各モータ1300、1400を駆動するための電力を供給する2次電源1500及び全体を制御する制御回路1800を備えている。発電装置1600の構成部としては、機械的エネルギを得るための回転錘1605及びこの機械的エネルギを電気的エネルギに変換して2次電源1500に蓄電するための発電機構1601を備えている。
【0046】
この計時装置1000は、発電装置1600で発電された電力を用いて2台のモータ1300、1400を別々に駆動し、通常時刻計時部1100及び時刻情報計時部1200の運針を行う。尚、帰零機構1200Rによる各表示部1210、1220、1230の針の帰零は、後述するようにモータ駆動によらず機械的に行われる。
【0047】
以上の各構成部の配置について図2を参照して説明する。
【0048】
図2において、第1層と第2層は、平面(横)方向に配置された第1中間受板2001、第2中間受板2002及び第3中間受板2003で仕切られており、第1層側には、地板1701が各中間受板2001、2002、2003と間隔をあけて配設され、第2層側には、上部受板2010が各中間受板2001、2002、2003と間隔をあけて配設されている。
【0049】
先ず、第1層側を説明すると、各中間受板2001、2002、2003と地板1701の間には、いわゆるムーブメント1700が配設されている。即ち、第1中間受板2001と地板1701の間には、通常時刻輪列1100Gが配設され、第2中間受板2002と地板1701の間には、切換部1100C、モータ1300及び制御回路1800が配設され、第3中間受板2003と地板1701の間には、2次電源1500、モータ1400及びクロノグラフ輪列1200Gが配設されている。そして、モータ1300、制御回路1800、2次電源1500及びモータ1400上には、回路基板1704が配設されている。さらに、地板1701には、通常時刻表示部1110が配設され、図3に示す文字板1002には、各表示部1210、1220、1230が配設されている。
【0050】
次に、第2層側を説明すると、第2中間受板2002と上部受板2010の間には、発電機構1601が配設され、第3中間受板2003と上部受板2010の間には、帰零機構1200Rが配設されている。そして、上部受板2010には、回転錘1605が配設されている。
【0051】
以上のような構成の計時装置1000の第1層及び第2層の各構成部の具体例について以下に説明する。
【0052】
先ず、第1層について、図3〜図10を参照して説明する。
【0053】
図3は、図1及び図2に示す計時装置1000の第1層を構成する各表示部1110、1210、1220、1230を計時装置1000の表側から見た平面図である。
【0054】
図3において、この計時装置1000は、ムーブメント1700に文字板1002が組み込まれ、外装ケース1001の内側に透明なガラス1003がはめ込まれている。外装ケース1001の4時位置には、外部操作部材であるりゅうず1101が配置され、略2時位置及び略10時位置には、クロノグラフ用のスタート/ストップボタン1201及びリセットボタン1202が配置されている。また、文字板1002の略6時位置には、通常時刻用の指針である時針1111、分針1112及び秒針1113を備えた通常時刻表示部1110が配置され、略3時位置、略12時位置及び略9時位置には、クロノグラフ用の副針を備えた表示部1210、1220、1230が配置されている。即ち、略3時位置には、時分クロノグラフ針1211、1212を備えた12時間表示部1210が配置され、略12時位置には、1秒クロノグラフ針1221を備えた60秒間表示部1220が配置され、略9時位置には、1/10秒クロノグラフ針1231を備えた1秒間表示部1230が配置されている。
【0055】
図4は、図1及び図2に示す計時装置1000の第1層を構成する回路基板1704を除くムーブメント1700を計時装置1000の裏側から見た平面図である。
【0056】
図4に示すムーブメント1700は、地板1701上の6時方向側に通常時刻輪列1100G、モータ1300、切換部1100C及び制御回路1800を構成するIC1702、音叉型水晶振動子1703、大容量コンデンサ1814等が配置され、12時方向側にクロノグラフ輪列1200G、モータ1400及びリチウムイオン電源等の2次電源1500が配置されている。
【0057】
図4において、通常時刻輪列1100Gは、五番車1121、四番車1122、三番車1123、二番車1124、日の裏車1125、筒車1126の輪列を備えており、これらの輪列構成により通常時刻の秒表示、分表示及び時表示を行っている。
【0058】
図4において、モータ1300、1400は、ステップモータであり、高透磁材より成る磁心をコアとするコイルブロック1302、1402、高透磁材より成るステータ1303、1403、ロータ磁石とロータかなより成るロータ1304、1404により構成されている。
【0059】
ここで、図5は、上記通常時刻輪列1100Gの輪列とモータ1300の係合状態の概略を示す斜視図である。
【0060】
ロータ1304を構成するロータかな1304aは五番歯車1121aとかみ合い、五番かな1121bは四番歯車1122aとかみ合っている。ロータかな1304aから四番歯車1122aまでの減速比は1/30となっており、ロータ1304が1秒間に半回転するように、IC1702から電気信号を出力することにより、四番車1122は60秒に1回転し、四番車1122先端に嵌合された秒針1113により通常時刻の秒表示が可能となる。
【0061】
また、四番かな1122bは三番歯車1123aとかみ合い、三番かな1123bは二番歯車1124aとかみ合っている。四番かな1122bから二番歯車1124aまでの減速比は1/60となっており、二番車1124は60分に1回転し、二番車1124先端に嵌合された分針1112により通常時刻の分表示が可能となる。
【0062】
また、二番かな1124bは日の裏歯車1125aとかみ合い、日の裏かな1125bは筒車1126とかみ合っている。二番かな1124bから筒車1126までの減速比は1/12となっており、筒車1126は12時間に1回転し、筒車1126先端に嵌合された時針1111により通常時刻の時表示が可能となる。
【0063】
図4において、切換部1100Cは、一端に図3に示すりゅうず1101が固定され、他端につづみ車1127が嵌合されている巻真1128と、小鉄車1129、おしどり1131、おしどり押え1132、かんぬき1133、規正レバー1130を備えている。
【0064】
巻真1128は、外部からの時刻等の修正部材であり、りゅうず1101による引き出しによって3つの状態、即ち巻真1128が一番押し込まれた状態(0段目)と1段引き出した状態(1段目)と2段引き出した状態(2段目)になる。0段目は、通常時刻表示部1110が通常運針する状態であり、1段目は、0段目と同様に通常時刻表示部1110は通常運針しており、カレンダを修正する状態であり、2段目は、通常時刻表示部1110は運針が停止しており、時刻を修正する状態である。
【0065】
巻真1128は、円柱状の長い棒であり、その一部に切り欠きが設けられており、その部分におしどり1131の先端部が係合している。巻真1128を引き出し操作すると、おしどり1131はおしどり回転軸1131aを中心に反時計方向に回転する。おしどり1131の一部にクリックピン1131bが設けられており、そのクリックピン1131bにおしどり押え1132のクリック形状部1132aが係合しており、おしどり1131が回転動作したときにそのクリック形状部1132aによりクリック力を発生させると共に、0、1、2段目の位置決めを行っている。
【0066】
おしどり1131には、クリックピン1131b及びおしどり回転軸1131aと対向してもう1本の動作ピン1131cが設けられている。この動作ピン1131cには、かんぬき1133と規正レバー1130の形状内に設けられたかんぬき長穴部1133aと規正レバー長穴部1130aが係合している。また、つづみ車1127は、その中心穴が巻真1128に案内されており、巻真1128の回転と共に回転駆動が可能である。
【0067】
かんぬき1133は、かんぬき回転軸1133bを中心に回転可能である。また、その先端は、つづみ車1127に設けられた切り欠き部と係合している。このかんぬき1133の働きは、つづみ車1127を前後に動作させてカレンダ修正状態及び時刻修正状態を作り出す。かんぬき1133は、ばね部を有しており、常におしどり1131のおしどり回転軸1131a方向に力が働いている。おしどり1131が回転すると、おしどり1131の動作ピン1131cも回転し、その動作ピン1131cに係合しているかんぬき長穴部1133aにより、かんぬき1133先端は、1段目においてはつづみ車1127を外形側に、2段目においてはつづみ車1127を中心側に動作させる。1段目においてはつづみ車1127に設けられた歯車が裏側のカレンダ部品とかみ合い、カレンダ修正が可能となる。2段目においてはつづみ車1127の先端の歯車が小鉄車1129とかみ合い、時刻修正が可能となる。
【0068】
規正レバー1130の働きは、時刻修正時に四番車1122を規正すると共に、リセット信号を入力し運針パルスを停止する。動作はかんぬき1133と同様におしどり1131の動作ピン1131cの回動により係合している規正レバー長穴部1130aに沿って規正レバー回転軸1130bを中心に回転動作し、四番車1122を規正すると共に、リセットパターンに接触する。規正レバー1130の作用は2段目のみでよいため、規正レバー長穴部1130aの形状は0段目〜1段目まではおしどり1131の動作ピン1131cの回転軌跡をそのまま逃げている。
【0069】
以上のような構成において、りゅうず1101を引っ張って巻真1128を2段目に引き出すと、規正レバー1130に設けたリセット信号入力部1130bが、IC1702を実装した回路基板1704のパターンに接触し、モータパルスの出力が停止され運針が停止する。このとき、規正レバー1130に設けた四番規正部1130aにより四番歯車1122aの回転が規正されている。この状態でりゅうず1101と共に巻真1128を回転させると、つづみ車1127から小鉄車1129、日の裏中間車1125aを介して日の裏車1125に回転力が伝わる。ここで、二番歯車1124aは一定の滑りトルクを有して二番かな1124bと結合されているため、四番車1122が規正されていても小鉄車1129、日の裏車1125、二番かな1124b、筒車1126は回転する。従って、分針1112及び時針1111は回転するので、任意の時刻が設定できる。
【0070】
図4において、クロノグラフ輪列1200Gは、1/10秒CG(クロノグラフ)中間車1231、1/10秒CG車1232の輪列を備えており、1/10秒CG車1232が1秒間表示部1230のセンタ位置に配置されている。これらの輪列構成により、時計体の9時位置にクロノグラフの1/10秒表示を行っている。
【0071】
また、図4において、クロノグラフ輪列1200Gは、1秒CG第1中間車1221、1秒CG第2中間車1222、1秒CG車1223の輪列を備えており、1秒CG車1223が60秒間表示部1220のセンタ位置に配置されている。これらの輪列構成により、時計体の12時位置にクロノグラフの1秒表示を行っている。
【0072】
さらに、図4において、クロノグラフ輪列1200Gは、分CG第1中間車1211、分CG第2中間車1212、分CG第3中間車1213、分CG第4中間車1214、時CG中間車1215、分CG車1216及び時CG車1217の輪列を備えており、分CG車1216及び時CG車1217が同心で12時間表示部1210のセンタ位置に配置されている。これらの輪列構成により、時計体の3時位置にクロノグラフの時分表示を行っている。
【0073】
ここで、図6は、上記クロノグラフ輪列1200Gの1/10秒表示のための輪列の係合状態を示す断面側面図である。
【0074】
ロータかな1404aは1/10秒CG中間歯車1231aとかみ合い、1/10秒CG中間歯車1231aは1/10秒CG歯車1232aとかみ合っている。ロータかな1404aから1/10秒CG歯車1232aまでの減速比は1/5となっており、ロータ1404が1/10秒間に半回転するように、IC1702から電気信号を出力することにより、1/10秒CG車1232は1秒に1回転し、1/10秒CG車1232先端にかん合された1/10秒クロノグラフ針1231によりクロノグラフの1/10秒表示が可能となる。
【0075】
図7は、上記クロノグラフ輪列1200Gの1秒表示のための輪列の係合状態を示す断面側面図である。
【0076】
1/10秒CG中間歯車1231aは1秒CG第1中間歯車1221aとかみ合い、1秒CG第1中間かな1221bは1秒CG第2中間歯車1222aとかみ合っている。また、1秒CG第2中間かな1222bは1秒CG歯車1223aとかみ合っている。1/10秒CG中間歯車1231aは前述の通り、ロータかな1404aとかみ合っており、ロータかな1404aから1秒CG歯車1223aまでの減速比は1/300となっている。従って、1秒CG車1223は60秒で1回転し、1秒CG車1223先端にかん合された1秒クロノグラフ針1221によりクロノグラフの1秒表示が可能となる。
【0077】
図8は、上記クロノグラフ輪列1200Gの時分表示のための輪列の係合状態を示す断面側面図である。
【0078】
1秒CG第2中間歯車1222aは分CG第1中間歯車1211aとかみ合い、分CG第1中間歯車1211aは分CG第2中間歯車1212aとかみ合っている。また、分CG第2中間かな1212bは分CG第3中間歯車1213aとかみ合い、分CG第3中間かな1213bは分CG第4中間歯車1214aとかみ合っている。さらに、分CG第4中間かな1214bは分CG歯車1216aとかみ合っている。また、分CGかな1216bは時CG中間歯車1215aとかみ合い、時CG中間かな1215bは時CG歯車1217aとかみ合っている。なお、図5、6、7において、ロータ1404から分CG歯車1216aまでの減速比は1/18000となっており、分CG車1216は60分で1回転し、分CG車1216先端にかん合された分クロノグラフ針1212によりクロノグラフの分表示が可能となる。また、分CGかな1216bから時CG歯車1217aまでの減速比は1/12となっており、時CG車1217は12時間で1回転し、時CG車1217先端にかん合された時クロノグラフ針1211によりクロノグラフの時表示が可能となる。
【0079】
図9は、図1及び図2に示す計時装置1000の第1層を構成する回路基板1704を計時装置1000の裏側から見た平面図であり、回路基板1704に電気的に接続された部品のみを示している。
【0080】
図9に示す回路基板1704は、例えばフレキシブルプリント基板であり、図4に示すムーブメント1700の上に配設されている。回路基板1704には、IC1702、音叉型水晶振動子1703、大容量コンデンサ1814等が実装されている。そして、通常時刻及びクロノグラフの駆動パルスは、IC1702より発生し、図示しない銅箔パターンに接続されている各モータ1300、1400のコイルブロック1302、1402に伝達される。
【0081】
2次電源1500のプラスと回路基板1704との接続は、ボタン型の2次電源1500の側面に、金属より成る地板1701に打ち込まれたピン1501により案内されているプラス端子1502の先端ばね部が一定のばね力を持って接し、上記ピン1501の先端に、プラスリード板1503が接し、さらにプラスリード板1503の先端ばね部が、一定のばね力を持って回路基板1704のプラスパターンに接することにより取られている。従って、2次電源1500からIC1702へプラスが供給される経路は、2次電源1500→プラス端子1502→ピン1501→プラスリード板1503→回路基板1704のプラスパターン→IC1702となる。また、2次電源1500のマイナスと回路基板1704との接続は、2次電源1500の端面に溶接されて導通がとられているマイナス端子1504の外周部に設けられているばね部が、一定のばね力を持って回路基板1704のマイナスパターンに接することにより取られている。従って、2次電源1500からIC1702へマイナスが供給される経路は、2次電源1500→マイナス端子1504→回路基板1704のマイナスパターン→IC1702となる。尚、マイナス端子1504上には、第3中間受板2003との短絡を防止するため、絶縁板1505が取り付けられている。
【0082】
図10は、図1及び図2に示す計時装置1000の第1層と第2層を分割するための第1中間受板2001、第2中間受板2002及び第3中間受板2003を計時装置1000の裏側から見た平面図である。
【0083】
図10に示す第1中間受板2001、第2中間受板2002及び第3中間受板2003は、図9に示す回路基板1704の上に配設されている。第1中間受板2001は、モータ1300、切換部1100C及び制御回路1800を構成する音叉型水晶振動子1703、大容量コンデンサ1814等を覆うように、6時方向側の最外郭側に配置されている。第2中間受板2002は、通常時刻輪列1100G及び制御回路1800を構成するIC1702等を覆うように、第1中間受板2001の内側に配置されている。第3中間受板2003は、クロノグラフ輪列1200G、モータ1400及びリチウムイオン電源等の2次電源1500等を覆うように、12時方向側に配置されている。
【0084】
次に、第2層側について、図11〜図24を参照して説明する。
【0085】
図11は、図1及び図2に示す計時装置1000の第2層を構成する回転錘1605を除く発電装置1600(発電機構1601)及び帰零機構1200Rを計時装置1000の裏側から見た平面図である。
【0086】
図11に示す発電機構1601は、図10に示す第2中間受板2002の上に配設され、帰零機構1200Rは、図10に示す第2中間受板2002と第3中間受板2003の上にまたがって配設されている。
【0087】
ここで、図12及び図13を参照して発電装置1600の概略構成を説明する。
【0088】
図12及び図13に示す発電装置1600は、高透磁材に巻かれた発電コイル1602、高透磁材より成る発電ステータ1603、永久磁石とかな部より成る発電ロータ1604、上部受板2010上に配置される片重りの回転錘1605等により構成されている。
【0089】
回転錘1605及び回転錘1605の下方に配置されている回転錘車1606は、上部受板2010に固着された軸に回転可能に軸支され、回転錘ネジ1607で軸方向の外れを防止している。回転錘車1606は、発電ロータ伝え車1608のかな部1608aとかみ合い、発電ロータ伝え車1608の歯車部1608bは、発電ロータ1604のかな部1604aとかみ合っている。この輪列は、30倍から200倍程度に増速されている。この増速比は、発電装置の性能や時計の仕様により自由に設定することが可能である。
【0090】
このような構成において、使用者の腕の動作等により回転錘1605が回転すると、発電ロータ1604が高速に回転する。発電ロータ1604には永久磁石が固着されているので、発電ロータ1604の回転のたびに、発電ステータ1603を通して発電コイル1602を鎖交する磁束の方向が変化し、電磁誘導により発電コイル1602に交流電圧が発生する。この交流電圧は、回路基板1704に実装されている整流回路1609によって整流されて2次電源1500に充電される。
【0091】
続いて、この計時装置1000の別の特徴的な部分である発電装置1600周りの構造について図11及び図14を参照して説明する。
【0092】
図11及び図14において、発電コイル1602は、コイルリード基板1610に設けられているリードパターンを介して導通基板1611に設けられている導通パターンに接続されている。この導通基板1611の両面は、上部受板2010側に配置されている導通押え板1612と、第2中間受板2002上に配置されている導通案内座1613に挟持されている。そして、この導通案内座1613から第2中間受板2002にかけて貫通孔が設けられており、この貫通孔内に挿入されている導通ばね(圧縮コイルばね)1614により、導通基板1611に設けられている導通パターンと回路基板1704に設けられている電源用パターンが接続されている。従って、発電装置1600から2次電源1500へ交流電圧が供給される経路は、発電コイル1602→コイルリード基板1610のリードパターン→導通基板1611の導通パターン→導通ばね1614→回路基板1704の電源用パターン→2次電源1500となる。
【0093】
このように導通ばね1614は、導通基板1611と回路基板1704に挟持されて圧縮された状態にあるので、導通ばね1614の両端が、導通基板1611の導通パターンと回路基板1704の電源用パターンにそれぞれ密着することになり、導通の信頼性を高めることができる。
【0094】
また、図11及び図14において、発電機構1601は、上部受板2010側に配置されている耐磁板1615により覆われている。
【0095】
このように、発電機構1601を耐磁板1615で覆うことにより、発電による通常時刻用モータ1300への磁界の影響を減少することができる。尚、この耐磁板1615を第2中間受板2002側あるいは上部受板2010側及び第2中間受板2002側に配置して発電機構1601を覆うようにしても同様あるいはそれ以上の効果を奏する。
【0096】
図15は、帰零機構1200Rの主要部の概略構成例を示す断面側面図である。尚、図11に示す帰零機構1200Rは、リセット状態を示し、図15に示す帰零機構1200Rは、ストップ状態を示している。
【0097】
図11及び図15において、帰零機構1200Rは、略中央部に配置されている作動カム1240の回転により、スタート/ストップ及びリセットが機械式に行われる構成となっている。作動カム1240は、円筒状に形成されており、側面には円周に沿って一定ピッチの歯1240aが設けられ、一端面には円周に沿って一定ピッチの柱1240bが設けられている。作動カム1240は、歯1240aと歯1240aの間に係止してしている作動カムジャンパ1241により静止時の位相が規正されており、作動レバー1242の先端部に設けた作動カム回転部1242dにより反時計回りに回転される。
【0098】
スタート/ストップの作動機構は、図16に示すように、作動レバー1242、スイッチレバーA1243及び伝達レバーばね1244により構成されている。
【0099】
作動レバー1242は、略L字の平板状に形成されており、一端部には曲げ形状で構成された押圧部1242a、楕円状の貫通孔1242b及びピン1242cが設けられ、他端部の先端部には鋭角の押圧部1242dが設けられている。このような作動レバー1242は、押圧部1242aをスタート/ストップボタン1201に対向させ、貫通孔1242b内に第3中間受板2003に固定されているピン1242eを挿入し、ピン1242cに伝達レバーばね1244の一端を係止させ、押圧部1242dを作動カム1240の近傍に配置することにより、スタート/ストップの作動機構として構成される。
【0100】
スイッチレバーA1243は、一端部はスイッチ部1243aとして形成され、略中央部には平面的な突起部1243bが設けられ、他端部は係止部1243cとして形成されている。このようなスイッチレバーA1243は、略中央部を第3中間受板2003に固定されているピン1243dに回転可能に軸支し、スイッチ部1243aを回路基板1704のスタート回路の近傍に配置し、突起部1243bを作動カム1240の軸方向に設けた柱部1240bに接触するように配置し、係止部1243cを第3中間受板2003に固定されているピン1243eに係止させることにより、スタート/ストップの作動機構として構成される。即ち、スイッチレバーA1243のスイッチ部1243aは、回路基板1704のスタート回路と接触してスイッチ入力となる。尚、地板1701等を介して2次電源1500と電気的に接続されているスイッチレバーA1243は、2次電源1500の正極と同じ電位を有している。
【0101】
以上のような構成のスタート/ストップの作動機構の動作例を、クロノグラフをスタートさせる場合について、図16〜図18を参照して説明する。
【0102】
クロノグラフがストップ状態にあるときは、図16に示すように、作動レバー1242は、押圧部1242aがスタート/ストップボタン1201から離れ、ピン1242cが伝達レバーばね1244の弾性力により図示矢印a方向に押圧され、貫通孔1242bの一端がピン1242eに図示矢印b方向に押圧された状態で位置決めされている。このとき、作動レバー1242の先端部1242dは、作動カム1240の歯1240aと歯1240aの間に位置している。
【0103】
スイッチレバーA1243は、突起部1243bが作動カム1240の柱1240bにより、スイッチレバーA1243の他端に設けたばね部1243cのばね力に対抗するように押し上げられ、係止部1243cがピン1243eに図示矢印c方向に押圧された状態で位置決めされている。このとき、スイッチレバーA1243のスイッチ部1243aは、回路基板1704のスタート回路から離れており、スタート回路は電気的に遮断状態にある。
【0104】
この状態からクロノグラフをスタート状態に移行させるために、図17に示すように、スタート/ストップボタン1201を図示矢印a方向に押すと、作動レバー1242の押圧部1242aがスタート/ストップボタン1201と接触して図示矢印b方向に押圧され、ピン1242cが伝達レバーばね1244を押圧して図示矢印c方向に弾性変形させる。従って、作動レバー1242全体は、貫通孔1242bとピン1242eをガイドとして図示矢印d方向に移動する。このとき、作動レバー1242の先端部1242dは、作動カム1240の歯1240aの側面と接触して押圧し、作動カム1240を図示矢印e方向に回転させる。
【0105】
同時に、作動カム1240の回転により柱1240bの側面と、スイッチレバーA1243の突起部1243bの位相がずれ、柱1240bと柱1240bの隙間まで達すると、突起部1243bはばね部1243cの復元力により上記隙間に入り込む。従って、スイッチレバーA1243のスイッチ部1243aは、図示矢印f方向に回転して回路基板1704のスタート回路に接触するので、スタート回路は電気的に導通状態となる。
【0106】
尚、このとき、作動カムジャンパ1241の先端部1241aは、作動カム1240の歯1240aにより押し上げられている。
【0107】
そして、上記動作は、作動レバー1242の歯1240aが1ピッチ分送られるまで継続される。
【0108】
その後、スタート/ストップボタン1201から手を離すと、図18に示すように、スタート/ストップボタン1201は、内蔵されているばねにより自動的に元の状態に復帰する。そして、作動レバー1242のピン1242cが、伝達レバーばね1244の復元力により図示矢印a方向に押圧される。従って、作動レバー1242全体は、貫通孔1242bとピン1242eをガイドとして、貫通孔1242bの一端がピン1242eに接触するまで図示矢印b方向に移動し、図16と同位置の状態に復帰する。
【0109】
このときは、スイッチレバーA1243の突起部1243bは、作動カム1240の柱1240bと柱1240bの隙間に入り込んだままであるので、スイッチ部1243aは回路基板1704のスタート回路に接触した状態となり、スタート回路は電気的に導通状態が維持される。従って、クロノグラフはスタート状態が維持される。
【0110】
尚、このとき、作動カムジャンパ1241の先端部1241aは、作動カム1240の歯1240aと歯1240aの間に入り込み、作動カム1240の逆回転を規正している。
【0111】
一方、クロノグラフをストップさせる場合は、上記スタート動作と同様の動作が行われ、最終的には図16に示す状態に戻る。
【0112】
以上のように、スタート/ストップボタン1201の押し込み動作により、作動レバー1242を揺動させて作動カム1240を回転させ、スイッチレバーA1243を揺動させてクロノグラフのスタート/ストップを制御することができる。
【0113】
リセットの作動機構は、図11に示すように、作動カム1240、伝達レバー1251、復針伝達レバー1252、復針中間レバー1253、復針起動レバー1254、伝達レバーばね1244、復針中間レバーばね1255、復針ジャンパ1256及びスイッチレバーB1257により構成されている。さらに、リセットの作動機構は、ハートカムA1261、帰零レバーA1262、帰零レバーAばね1263、ハートカムB1264、帰零レバーB1265、帰零レバーBばね1266、ハートカムC1267、帰零レバーC1268、帰零レバーCばね1269、ハートカムD1270、帰零レバーD1271及び帰零レバーDばね1272により構成されている。
【0114】
ここで、クロノグラフのリセットの作動機構は、クロノグラフがスタート状態においては作動せず、クロノグラフがストップ状態になって作動するように構成されている。このような機構を安全機構といい、先ず、この安全機構を構成している伝達レバー1251、復針伝達レバー1252、復針中間レバー1253、伝達レバーばね1244、復針中間レバーばね1255、復針ジャンパ1256について図19を参照して説明する。尚、図では復針中間レバーばね1255及び復針ジャンパ1256は省略されている。
【0115】
伝達レバー1251は、略Y字の平板状に形成されており、一端部には押圧部1251aが設けられ、二股の一端部には楕円状の貫通孔1251bが設けられ、押圧部1251aと貫通孔1251bの中間部にはピン1251cが設けられている。このような伝達レバー1251は、押圧部1251aをリセットボタン1202に対向させ、貫通孔1251b内に復針伝達レバー1252のピン1252cを挿入し、二股の他端部をムーブメント側に固定されているピン1251dに回転可能に軸支させ、ピン1251cに伝達レバーばね1244の他端を係止させることにより、リセットの作動機構として構成される。
【0116】
復針伝達レバー1252は、略矩形平板状の第1復針伝達レバー1252aと第2復針伝達レバー1252bとが、重ね合わされて略中央部で相互に回転可能な軸1252gに軸支されて成る。第1復針伝達レバー1252aの一端部には上記ピン1252cが設けられ、第2復針伝達レバー1252bの両端部にはそれぞれ押圧部1252d、1252eが形成されている。このような復針伝達レバー1252は、ピン1252cを伝達レバー1251の貫通孔1251b内に挿入し、第1復針伝達レバー1252aの他端部を第3中間受板2003に固定されているピン1252fに回転可能に軸支させ、さらに押圧部1252dを復針中間レバー1253の押圧部1253cに対向させ、押圧部1252eを作動カム1240の近傍に配置することにより、リセットの作動機構として構成される。
【0117】
復針中間レバー1253は、略矩形の平板状に形成されており、一端部及び中間部にはそれぞれピン1253a、1253bが設けられ、他端部の一方の角部は押圧部1253cとして形成されている。このような復針中間レバー1253は、ピン1253aに復針中間レバーばね1255の一端を係止させ、ピン1253bに復針ジャンパ1256の一端を係止させ、押圧部1253cを第2復針伝達レバー1252bの押圧部1252dに対向させ、他端部の他方の角部を第3中間受板2003に固定されているピン1253dに回転可能に軸支させることにより、リセットの作動機構として構成される。
【0118】
以上のような構成の安全機構の動作例を、図19〜図22を参照して説明する。
【0119】
クロノグラフがスタート状態にあるときは、図19に示すように、伝達レバー1251は、押圧部1251aがリセットボタン1202から離れ、ピン1251cが伝達レバーばね1244の弾性力により図示矢印a方向に押圧された状態で位置決めされている。このとき、第2復針伝達レバー1252bの押圧部1252eは、作動カム1240の柱1240bと柱1240bの隙間の外側に位置している。
【0120】
この状態で、図20に示すように、リセットボタン1202を図示矢印a方向に押すと、伝達レバー1251の押圧部1251aがリセットボタン1202と接触して図示矢印b方向に押圧され、ピン1251cが伝達レバーばね1244を押圧して図示矢印c方向に弾性変形させる。従って、伝達レバー1251全体は、ピン1251dを中心に図示矢印d方向に回転する。そして、この回転に伴って、第1復針伝達レバー1252aのピン1252cは、伝達レバー1251の貫通孔1251bに沿って移動するので、第1復針伝達レバー1252aは、ピン1252fを中心に図示矢印e方向に回転する。
【0121】
このとき、第2復針伝達レバー1252bの押圧部1252eは、作動カム1240の柱1240bと柱1240bの隙間に入り込むので、押圧部1252dは、復針中間レバー1253の押圧部1253cと接触しても、第2復針伝達レバー1252bが、軸1252gを中心に回転してストロークが吸収されるため、押圧部1253cが押圧部1252dに押されることはない。従って、リセットボタン1202の操作力は、復針伝達レバー1252で途切れて後述する復針中間レバー1253以降のリセットの作動機構に伝達されないので、クロノグラフがスタート状態にあるときに、誤ってリセットボタン1202を押してもクロノグラフがリセットされることを防止することができる。
【0122】
一方、クロノグラフがストップ状態にあるときは、図21に示すように、伝達レバー1251は、押圧部1251aがリセットボタン1202から離れ、ピン1251cが伝達レバーばね1244の弾性力により図示矢印a方向に押圧された状態で位置決めされている。このとき、第2復針伝達レバー1252bの押圧部1252eは、作動カム1240の柱1240bの側面に接触している。
【0123】
この状態で、図22に示すように、リセットボタン1202を手で図示矢印a方向に押すと、伝達レバー1251の押圧部1251aがリセットボタン1202と接触して図示矢印b方向に押圧され、ピン1251cが伝達レバーばね1244を押圧して図示矢印c方向に弾性変形させる。従って、伝達レバー1251全体は、ピン1251dを中心に図示矢印d方向に回転する。そして、この回転に伴って、第1復針伝達レバー1252aのピン1252cを、貫通孔1251bに沿って移動させるので、第1復針伝達レバー1252aは、ピン1252fを中心に図示矢印e方向に回転する。
【0124】
このとき、第2復針伝達レバー1252bの押圧部1252eは、作動カム1240の柱1240bの側面で止められるので、第2復針伝達レバー1252bは、軸1252gを回転中心として図示矢印f方向に回転することになる。この回転により、第2復針伝達レバー1252bの押圧部1252dは、復針中間レバー1253の押圧部1253cと接触して押圧するので、復針中間レバー1253は、ピン1253dを中心に図示矢印g方向に回転することになる。従って、リセットボタン1202の操作力は、後述する復針中間レバー1253以降のリセットの作動機構に伝達されるので、クロノグラフがストップ状態にあるときは、リセットボタン1202を押すことによりクロノグラフをリセットすることができる。尚、このリセットがかかると、スイッチレバーB1257の接点が回路基板1704のリセット回路に接触して、クロノグラフを電気的にリセットする。
【0125】
次に、図11に示すクロノグラフのリセット作動機構の主要機構を構成している復針起動レバー1254、ハートカムA1261、帰零レバーA1262、帰零レバーAばね1263、ハートカムB1264、帰零レバーB1265、帰零レバーBばね1266、ハートカムC1267、帰零レバーC1268、帰零レバーCばね1269、ハートカムD1270、帰零レバーD1271及び帰零レバーDばね1272について図23を参照して説明する。
【0126】
復針起動レバー1254は、略I字の平板状に形成されており、一端部には楕円状の貫通孔1254aが設けられ、他端部にはレバーD抑え部1254bが形成され、中央部にはレバーB抑え部1254c及びレバーC抑え部1254dが形成されている。このような復針起動レバー1254は、中央部を回転可能となるように固定し、貫通孔1254a内に復針中間レバー1253のピン1253bを挿入することにより、リセットの作動機構として構成される。
【0127】
ハートカムA1261、B1264、C1267、D1270は、1/10秒CG車1232、1秒CG車1223、分CG車1216及び時CG車1217の各回転軸にそれぞれ固定されている。
【0128】
帰零レバーA1262は、一端がハートカムA1261を叩くハンマ部1262aとして形成され、他端部には回転規正部1262bが形成され、中央部にはピン1262cが設けられている。このような帰零レバーA1262は、他端部を第3中間受板2003に固定されているピン1253dに回転可能に軸支させ、ピン1262cに帰零レバーAばね1263の一端を係止させることにより、リセットの作動機構として構成される。
【0129】
帰零レバーB1265は、一端がハートカムB1264を叩くハンマ部1265aとして形成され、他端部には回転規正部1265b及び押圧部1265cが形成され、中央部にはピン1265dが設けられている。このような帰零レバーB1265は、他端部を第3中間受板2003に固定されているピン1253dに回転可能に軸支させ、ピン1265dに帰零レバーBばね1266の一端を係止させることにより、リセットの作動機構として構成される。
【0130】
帰零レバーC1268は、一端がハートカムC1267を叩くハンマ部1268aとして形成され、他端部には回転規正部1268b及び押圧部1268cが形成され、中央部にはピン1268dが設けられている。このような帰零レバーC1268は、他端部をムーブメント側に固定されているピン1268eに回転可能に軸支させ、ピン1268dに帰零レバーCばね1269の一端を係止させることにより、リセットの作動機構として構成される。
【0131】
帰零レバーD1271は、一端がハートカムD1270を叩くハンマ部1271aとして形成され、他端部にはピン1271bが設けられている。このような帰零レバーD1271は、他端部を第3中間受板2003に固定されているピン1271cに回転可能に軸支させ、ピン1271bに帰零レバーDばね1272の一端を係止させることにより、リセットの作動機構として構成される。
【0132】
以上のような構成のリセットの作動機構の動作例を、図23及び図24を参照して説明する。
【0133】
クロノグラフがストップ状態にあるときは、図23に示すように、帰零レバーA1262は、回転規正部1262bが帰零レバーB1265の回転規正部1265bに係止され、ピン1262cが帰零レバーAばね1263の弾性力により図示矢印a方向に押圧された状態で位置決めされている。
【0134】
帰零レバーB1265は、回転規正部1265bが復針起動レバー1254のレバーB抑え部1254cに係止されていると共に、押圧部1265cが作動カム1240の柱1240bの側面に押圧され、ピン1265dが帰零レバーBばね1266の弾性力により図示矢印b方向に押圧された状態で位置決めされている。
【0135】
帰零レバーC1268は、回転規正部1268bが復針起動レバー1254のレバーC抑え部1254dに係止されていると共に、押圧部1268cが作動カム1240の柱1240bの側面に押圧され、ピン1268dが帰零レバーCばね1269の弾性力により図示矢印c方向に押圧された状態で位置決めされている。
【0136】
帰零レバーD1271は、ピン1271bが、復針起動レバー1254のレバーD抑え部1254bに係止されていると共に、帰零レバーDばね1272の弾性力により図示矢印d方向に押圧された状態で位置決めされている。
【0137】
従って、各帰零レバーA1262、B1265、C1268、D1271の各ハンマ部1262a、1265a、1268a、1271aは、各ハートカムA1261、B1264、C1267、D1270から所定距離離れて位置決めされている。
【0138】
この状態で、図22に示したように、復針中間レバー1253が、ピン1253dを中心に図示矢印g方向に回転すると、図24に示すように、復針中間レバー1253のピン1253bが、復針起動レバー1254の貫通孔1254a内で貫通孔1254aを押しながら移動するので、復針起動レバー1254は図示矢印a方向に回転する。
【0139】
すると、帰零レバーB1265の回転規正部1265bが、復針起動レバー1254のレバーB抑え部1254cから外れ、帰零レバーB1265の押圧部1265cが、作動カム1240の柱1240bと柱1240bの隙間に入り込む。これにより、帰零レバーB1265のピン1265dが、帰零レバーBばね1266の復元力により図示矢印c方向に押圧される。同時に、回転規正部1262bの規正が解除され、帰零レバーA1262のピン1262cが、帰零レバーAばね1263の復元力により図示矢印b方向に押圧される。従って、帰零レバーA1262及び帰零レバーB1265は、ピン1253dを中心に図示矢印d方向及びe方向に回転し、各ハンマ部1262a及び1265aが、各ハートカムA1261及びB1264を叩いて回転させ、1/10秒クロノグラフ針1231及び1秒クロノグラフ針1221をそれぞれ帰零させる。
【0140】
同時に、帰零レバーC1268の回転規正部1268bが、復針起動レバー1254のレバーC抑え部1254dから外れ、帰零レバーC1268の押圧部1268cが、作動カム1240の柱1240bと柱1240bの隙間に入り込み、帰零レバーC1268のピン1268dが、帰零レバーCばね1269の復元力により図示矢印f方向に押圧される。さらに、帰零レバーD1271のピン1271bが、復針起動レバー1254のレバーD抑え部1254bから外れる。これにより、帰零レバーD1271のピン1271bが、帰零レバーDばね1272の復元力により図示矢印h方向に押圧される。従って、帰零レバーC1268及び帰零レバーD1271は、ピン1268e及びピン1271cを中心に図示矢印i方向及びj方向に回転し、各ハンマ部1268a及び1271aが、各ハートカムC1267及びD1270を叩いて回転させ、時分クロノグラフ針1211、1212をそれぞれ帰零させる。
【0141】
以上の一連の動作により、クロノグラフがストップ状態にあるときは、リセットボタン1202を押すことによりクロノグラフをリセットすることができる。
【0142】
図25は、図1の計時装置1000の機構的な部分を除いたシステム全体の構成例を示す概略ブロック図である。
【0143】
音叉型水晶振動子1703を含む水晶発振回路1801から出力される例えば発振周波数32kHzの信号SQBは、高周波分周回路1802に入力されて16kHzから128Hzの周波数まで分周される。高周波分周回路1802で分周された信号SHDは、低周波分周回路1803に入力されて64Hzから1/80Hzの周波数まで分周される。尚、この低周波分周回路1803の発生周波数は、低周波分周回路1803に接続されている基本時計リセット回路1804によりリセット可能となっている。
【0144】
低周波分周回路1803で分周された信号SLDは、タイミング信号としてモータパルス発生回路1805に入力され、この分周信号SLDが例えば1秒又は1/10秒毎にアクティブになるとモータ駆動用のパルスとモータの回転等の検出用のパルスSPWが生成される。モータパルス発生回路1805で生成されたモータ駆動用のパルスSPWは、通常時刻部1100のモータ1300に対して供給され、通常時刻部1100のモータ1300が駆動され、また、これとは異なるタイミングでモータの回転等の検出用のパルスSPWは、モータ検出回路1806に対して供給され、モータ1300の外部磁界及びモータ1300のロータの回転が検出される。そして、モータ検出回路1806で検出された外部磁界検出信号及び回転検出信号SDWは、モータパルス発生回路1805に対してフィードバックされる。
【0145】
発電装置1600で発電される交流電圧SACは、充電制御回路1811を介して整流回路1609に入力され、例えば半波整流され直流電圧SDCとされて2次電池1500に充電される。2次電池1500の両端間の電圧SVBは、電圧検出回路1812により常時あるいは随時検出されており、2次電池1500の充電量の過不足状態により、対応する充電制御指令SFCが充電制御回路1811に入力される。そして、この充電制御指令SFCに基づいて、発電装置1600で発電される交流電圧SACの整流回路1609への供給の停止・開始が制御される。
【0146】
一方、2次電源1500に充電された直流電圧SDCは、昇圧用コンデンサ1813aを含んでいる昇圧回路1813に入力されて所定の倍数で昇圧される。そして、昇圧された直流電圧SDUは、大容量コンデンサ1814に蓄電される。
【0147】
ここで、昇圧は、2次電源1500の電圧がモータや回路の動作電圧を下回った場合でも確実に動作させるための手段である。即ち、モータや回路は共に大容量コンデンサ1814に蓄えられている電気エネルギで駆動される。但し、2次電源1500の電圧が1.3V近くまで大きくなると、大容量コンデンサ1814と2次電源1500を並列に接続して使用している。
【0148】
大容量コンデンサ1814の両端間の電圧SVCは、電圧検出回路1812により常時あるいは随時検出されており、大容量コンデンサ1814の電気量の残量状態により、対応する昇圧指令SUCが昇圧制御回路1815に入力される。そして、この昇圧指令SUCに基づいて、昇圧回路1813における昇圧倍率SWCが制御される。昇圧倍率とは、2次電源1500の電圧を昇圧し大容量コンデンサ1814に発生させる場合の倍率のことで、(大容量コンデンサ1814の電圧)/(2次電源1500の電圧)で表すと3倍、2倍、1.5倍、1倍等といった倍率で制御される。
【0149】
スタート/ストップボタン1201に付随しているスイッチA1821及びリセットボタン1202に付随しているスイッチB1822からのスタート信号SSTあるいはストップ信号SSP又はリセット信号SRTは、スタート/ストップボタン1201が押されたか否かを判断するスイッチ入力回路1823又はリセットボタン1202が押されたか否かを判断するスイッチ入力回路/チャタリング防止回路1823を介して、クロノグラフにおける各モードを制御するモード制御回路1824に入力される。尚、スイッチA1821には、ス イッチ保持機構であるスイッチレバーA1243が備えられ、スイッチB1822には、スイッチレバーB1257が備えられている。
【0150】
また、高周波分周回路1802で分周された信号SHDも、モード制御回路1824に入力される。そして、スタート信号SSTにより、モード制御回路1824よりスタート/ストップ制御信号SMCが出力され、このスタート/ストップ制御信号SMCによりクロノグラフ基準信号発生回路1825で生成されたクロノグラフ基準信号SCBが、モータパルス発生回路1826に入力される。
【0151】
一方、クロノグラフ基準信号発生回路1825で生成されたクロノグラフ基準信号SCBは、クロノグラフ用低周波分周回路1827にも入力され、高周波分周回路1802で分周された信号SHDが、このクロノグラフ基準信号SCBに同期して64Hzから16Hzの周波数まで分周される。そして、クロノグラフ用低周波分周回路1827で分周された信号SCDが、モータパルス発生回路1826に入力される。
【0152】
そして、クロノグラフ基準信号SCB及び分周信号SCDは、タイミング信号としてモータパルス発生回路1826に入力される。例えば1/10秒又は1秒毎のクロノグラフ基準信号SCBの出力タイミングから分周信号SCDがアクティブとなり、この分周信号SCD等によりモータ駆動用のパルスとモータの回転等の検出用のパルスSPCが生成される。モータパルス発生回路1826で生成されたモータ駆動用のパルスSPCは、クロノグラフのモータ1400に対して供給され、クロノグラフのモータ1400が駆動され、また、これとは異なるタイミングでモータの回転等の検出用のパルスSPCは、モータ検出回路1828に対して供給され、モータ1400の外部磁界及びモータ1400のロータの回転が検出される。そして、モータ検出回路1828で検出された外部磁界検出信号及び回転検出信号SDGは、モータパルス発生回路1826に対してフィードバックされる。
【0153】
さらに、クロノグラフ基準信号発生回路1825で生成されたクロノグラフ基準信号SCBは、例えば16bitの自動停止カウンタ1829にも入力されてカウントされる。そして、このカウントが所定の値、即ち測定限界時間に達したとき、自動停止信号SASがモード制御回路1824に入力される。このときは、ストップ信号SSPが、クロノグラフ基準信号発生回路1825に対して入力され、クロノグラフ基準信号発生回路1825がストップされると共にリセットされる。
【0154】
また、モード制御回路1824にストップ信号SSPが入力されると、スタート/ストップ制御信号SMCの出力が停止し、クロノグラフ基準信号SCBの生成も停止されてクロノグラフのモータ1400の駆動が停止される。そして、クロノグラフ基準信号SCBの生成停止後、つまり、後述するスタート/ストップ制御信号SMCの生成停止後に、モード制御回路1824に入力されたリセット信号SRTは、リセット制御信号SRCとしてクロノグラフ基準信号発生回路1825及び自動停止カウンタ1829に入力され、クロノグラフ基準信号発生回路1825及び自動停止カウンタ1829がリセットされると共に、各クロノグラフ針がリセット(帰零)される。
【0155】
本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
【0156】
例えば、上記実施形態では、通常時刻の駆動用のモータ1300とクロノグラフの駆動用のモータ1400をそれぞれ別個独立に2台備えているが、クロノグラフの駆動用モータを2台以上設けた場合にも適用可能であり、小型化を図ることが可能となる。
【0157】
また、計時装置として、アナログ表示式のクロノグラフ機能を有する電子時計について説明したが、特にこれに限定されるものではなく、アナログ表示式の多機能の計時装置に対して適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の計時装置の実施形態を示す概略ブロック構成図。
【図2】図1に示す計時装置の装置本体の内部の詳細例を示す構成図。
【図3】図1及び図2に示す計時装置の第1層を構成する各表示部を計時装置の表側から見た平面図。
【図4】図1及び図2に示す計時装置の第1層を構成する回路基板を除くムーブメントを計時装置の裏側から見た平面図。
【図5】図4に示すムーブメント内の通常時刻輪列の係合状態を示す斜視図。
【図6】図4に示すムーブメント内のクロノグラフの1/10秒表示のための輪列の係合状態を示す断面側面図。
【図7】図4に示すムーブメント内のクロノグラフの1秒表示のための輪列の係合状態を示す断面側面図。
【図8】図4に示すムーブメント内のクロノグラフの時分表示のための輪列の係合状態を示す断面側面図。
【図9】図1及び図2に示す計時装置の第1層を構成する回路基板を計時装置の裏側から見た平面図。
【図10】図1及び図2に示す計時装置の第1層と第2層を分割するための第1中間受板、第2中間受板及び第3中間受板を計時装置の裏側から見た平面図。
【図11】図1及び図2に示す計時装置の第2層を構成する回転錘を除く発電装置(発電機構)及び帰零機構を計時装置の裏側から見た平面図。
【図12】図11に示す発電装置の一例の斜視図。
【図13】図1及び図2に示す計時装置の第2層を構成する回転錘を計時装置の裏側から見た平面図。
【図14】図11に示す発電装置周りの断面側面図。
【図15】図11に示す帰零機構の主要部の概略構成例を示す断面側面図。
【図16】図11に示す帰零機構のスタート/ストップの作動機構の動作例を示す第1の平面図。
【図17】図11に示す帰零機構のスタート/ストップの作動機構の動作例を示す第2の平面図。
【図18】図11に示す帰零機構のスタート/ストップの作動機構の動作例を示す第3の平面図。
【図19】図11に示す帰零機構の安全機構の動作例を示す第1の斜視図。
【図20】図11に示す帰零機構の安全機構の動作例を示す第2の斜視図。
【図21】図11に示す帰零機構の安全機構の動作例を示す第3の斜視図。
【図22】図11に示す帰零機構の安全機構の動作例を示す第4の斜視図。
【図23】図11に示す帰零機構のリセット作動機構の主要機構の動作例を示す第1の平面図。
【図24】図11に示す帰零機構のリセット作動機構の主要機構の動作例を示す第2の平面図。
【図25】図1の計時装置に用いられている制御回路の構成例を示す概略ブロック図。
【符号の説明】
1000 計時装置
1000B 装置本体
1100 通常時刻計時部
1200 クロノグラフ計時部
1200R 帰零機構
1300 モータ
1400 モータ
1500 2次電源
1600 発電装置
1700 ムーブメント
1800 制御回路
2001 第1中間受板
2002 第2中間受板
2003 第3中間受板
Claims (11)
- 通常時刻を計時するための通常時刻計時部と、
前記通常時刻以外の時刻情報を計時するための時刻情報計時部と、
機械的エネルギを電気的エネルギに変換し、前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部を駆動するための駆動電圧を発生する発電装置とを備えた計時装置であって、
装置本体が複数の層からなり、前記発電装置が前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部が配設されている層とは断面的な高さが異なる層に配設され、
前記発電装置が、前記通常時刻計時部に対し平面的に重なって配置されているていることを特徴とする計時装置。 - 通常時刻を計時するための通常時刻計時部と、
前記通常時刻以外の時刻情報を計時するための時刻情報計時部と、
前記通常時刻以外の時刻情報の計時を機械的に帰零させるための帰零機構と、
機械的エネルギを電気的エネルギに変換し、前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部を駆動するための駆動電圧を発生する発電装置とを備えた計時装置であって、
装置本体が複数の層からなり、前記帰零機構及び発電装置が前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部が配設されている層とは断面的な高さが異なる層に配設され、
前記帰零機構が、前記時刻情報計時部に対し平面的に重なって配置されていることを特徴とする計時装置。 - 前記発電装置が、前記通常時刻計時部に対し平面的に重なって配置されている請求項2に記載の計時装置。
- 前記帰零機構及び発電装置が、同層に配設されている請求項2に記載の計時装置。
- 前記帰零機構及び発電装置が、異層に配設されている請求項2に記載の計時装置。
- 前記発電装置と前記通常時刻計時部及び時刻情報計時部との間が、弾性部材により導通されている請求項1〜5のいずれかに記載の計時装置。
- 耐磁部材が、前記発電装置の上層側及び下層側の少なくとも一方の側に配設されている請求項1〜6のいずれかに記載の計時装置。
- 前記発電装置が、発電用ロータと、発電用コイルとから成る請求項1〜7のいずれかに記載の計時装置。
- 前記発電用ロータが、回転錘により回転する請求項8に記載の計時装置。
- 前記通常時刻以外の時刻情報が、クロノグラフである請求項1〜9のいずれかに記載の計時装置。
- 前記通常時刻以外の時刻情報が、2種類以上の時間単位の表示手段を有する請求項1〜10のいずれかに記載の計時装置。
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