JP3638850B2 - シリコーン系化合物を塗工した汚れ付着防止効果の高いシート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚れ付着防止効果を高めるためにシリコーン系化合物を塗工したシートおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは表面張力の異なるシリコーン系化合物を塗工した多層構造の汚れ付着防止効果の高いシートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レインコート、乳児または幼児のよだれかけ、エプロン、ランチマット、テーブルクロス、長靴、下着、おむつや生理用ナプキン等の衛生用品のバックシートなど、布、不織布、樹脂シートなどからなるシートに撥水性処理を施したものが種々存在している。この処理は、これらシートに汚れが付着しないようにし、またシートが汚れても洗濯することにより容易に汚れが落ちるようにしているもの、或いはシートの内側へ水分や汚れが浸出しないようにするものである。
【0003】
これら撥水処理は、例えばシートにゴムや樹脂やシリコーンオイルを塗工することによって行われている。具体例としては、特開昭60−194183号公報には、シリコーン系撥水剤で処理された繊維構造物に、シリコーンゴムからなる皮膜をコーティングした布帛が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般に汚れの付着(こびりつき)を防止するには、水をはじくだけではなく、高い撥水性が必要である。例えば血液は水を溶媒とする液体であるが、水の表面張力は標準状態で約73.0mN/mであるのに対し、血液の表面張力は約54.0mN/mである。よって、血液などの汚れの付着を防止するには、さらに高い撥水性が求められる。また、血液や食事の食べこぼしなどの蛋白質を含有する液体の場合、表面張力のみでは付着性を評価することはできない。例えば、血液中のアルブミンやグロブミン、食事の食べこぼしなどに含まれる種々の蛋白質は3次元構造を持ち、さらにアミノ基やカルボキシル基などの種々の基を持っている。したがって、水素結合の影響による高い自己凝集力を持つ水分子と比較して、蛋白質を含有する汚れは非常に付着性が高い。よって、さらに高い撥水性並びに汚れ付着性防止効果が高いシートが要求されている。
【0005】
また、従来の撥水剤は摩擦に弱いので、短期間の使用で撥水剤が脱落したり、表面に裂傷が入ることにより撥水性が低下してしまうという問題点も存在している。この基材へのアンカー性を改善するために、撥水剤そのものの分子構造を変性させたり、撥水剤へアンカー剤(ホットメルト接着剤、ウレタン系硬化剤など)を撥水剤に添加する方法もあるが、撥水剤の撥水性が低下してしまう。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、高い撥水性を持ち、且つ蛋白質を含有するような汚れの付着を防止できる処理を施したシートを提供することにある。
【0007】
本発明の更なる目的は、シリコーン系化合物で処理が施された面に対して摩擦が働いても、高い撥水性及び汚れ付着防止効果を保持できるシートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基材シートの表面に第1のシリコーン系化合物の層が形成され、さらに第1のシリコーン系化合物の層の表面に、前記第1のシリコーン系化合物より表面張力が低い第2のシリコーン系化合物の層が形成されていることを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシートである。これは基材シートの表面に第1のシリコーン系化合物の下地層を形成し、下地層の硬化後、下地層の表面に第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物の表面層を形成することを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシートの製造方法によって得ることができる。
【0009】
または、本発明は第1のシリコーン系化合物と、第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物との混合物の層が基材シート表面に形成されており、第2のシリコーン系化合物が前記層の表面に第1のシリコーン系化合物より多く現れていることを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシートである。すなわち、前記層の表面に第2のシリコーン系化合物が主として現れている。これは、第1のシリコーン系化合物と、第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物との混合物の層を基材シートの表面に形成し、第2のシリコーン系化合物が前記層の表面側へ移行し、第1のシリコーン系化合物が前記層の基材シート側へ移行した状態で、それぞれのシリコーン系化合物を架橋させることを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシートの製造方法によって得ることができる。または、第1のシリコーン系化合物と、第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物との混合物の層を基材シート表面に形成し、架橋後、ブリーディングさせることにより第2のシリコーン系化合物が前記層の表面に第1のシリコーン系化合物より多く現れることを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシートの製造方法によって得ることができる。
【0010】
このような本発明のシートは表面にシリコーンが塗工されており、撥水性が高く、また蛋白質を含んだ汚れが付着しにくい。さらに、このシートは、シリコーンが塗工された表面が摩擦されても、前記効果が低下することがない。
【0011】
なお、本発明においてシリコーン系化合物の表面張力は液体状態の表面張力を意味する。ただし、シリコーン系化合物の固定後(固体化後)においても、第1のシリコーン系化合物の表面張力が第2のシリコーン系化合物の表面張力より大きいことが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明では、基材シートに所定の表面張力を持った第1のシリコーン系化合物を基材シート側に、前記第1のシリコーン系化合物より低い表面張力をもった第2のシリコーン系化合物を表面側に位置させることにより、シート表面の汚れ付着防止効果を高くすることができる。本発明の汚れ付着防止効果の高いシートは、次の3つの方法のいずれかにより得ることができる。
【0013】
(1)基材シートの表面に第1のシリコーン系化合物を塗工して架橋させ、下地層を形成し、下地層の固定後、下地層の表面に第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物を塗工して表面層を形成する方法。
【0014】
(2)第1のシリコーン系化合物と、第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物との混合物を基材シートの表面に塗工してシリコーン層を形成し、第2のシリコーン系化合物がシリコーン層の表面側へ移行し、第1のシリコーン系化合物が基材シート側へ移行した状態でそれぞれのシリコーン系化合物を架橋させる方法。
【0015】
(3)第1のシリコーン系化合物と、第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物との混合物を基材シートの表面に塗工してシリコーン層を形成し、架橋後、ブリーディングさせることにより第2のシリコーン系化合物が主にシリコーン層の表面に現れるようにする方法。
【0016】
前記(1)では、基材シートに第1のシリコーン系化合物を塗工・固定後、第2のシリコーン系化合物系を塗工して2層構造を形成するので、第1のシリコーン系化合物と第2のシリコーン系化合物は、反応性ポリマーと非反応性化合物のどちらを使用しても良い。
【0017】
前記(2)(3)においては、第1のシリコーン系化合物として反応性ポリマーを、第2のシリコーン系化合物として非反応性化合物を好ましく使用する。前記(2)においては、第1のシリコーン系化合物と第2のシリコーン系化合物とを混合したものを塗工した状態でしばらく放置すると、第1のシリコーン系化合物が基材シート側に移行し、また第2のシリコーン系化合物が表面側に移行する。この状態で架橋処理を行ない、シリコーンを基材シートに固定する。
【0018】
また、前記(3)においては、第1と第2のシリコーン系化合物を混合したものを塗工した直後、すぐに加熱などの架橋処理を行なう。すると、第2のシリコーン系化合物が表面側にブリーディングする。これは、非反応性の第2のシリコーン系化合物の表面張力が第1のシリコーン系化合物より小さいために起こると思われる。(3)で得られる本発明のシートでは、基材シートから表面に向かって第2のシリコーン系化合物の量が徐々に多くなっている。
【0019】
次に、第1のシリコーン系化合物について説明する。シートの汚れ付着防止効果を高めるためには、第1のシリコーン系化合物は表面張力が30.0mN/m以下であることが好ましい。なお、本発明でいう表面張力は、標準状態(気温20℃)で測定されたものとする。
【0020】
例えば、第1のシリコーン系化合物はシロキサン構造を基本骨格とする反応性をもつシリコーンオイルであることが好ましい。例えば、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンジオール、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。これらは、塗工後、乾燥・加熱等の処理により、基材シートに固着する。
【0021】
また、前記(1)においては、第1のシリコーン系化合物として非反応性のシリコーン系化合物も使用できる。その場合、非反応性のシリコーン系化合物を塗工し、UV・EB照射によるラジカル重合による架橋処理を行なうことによって基材シートに固着させ、その後、第2のシリコーン系化合物を塗工する。非反応性のシリコーン系化合物としては、非反応性シリコーンオイル、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フルオロアルキル変性シリコーンオイル及び脂肪酸エステル変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
【0022】
その他、前記(1)においては、第1のシリコーン系化合物として、ポリシロキサン、シリコーンアルキドワニス、シリコーンエポキシワニス、シリコーンポリエステルワニス、シリコーンアクリルワニス、シリコーンフェノールワニス、シリコーンウレタンワニス、シリコーンメラミンワニスなどのシリコーンワニスや、ジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム及びメチルフルオロアルキルシリコーンゴムなどのシリコーンゴムも用いることができる。
【0023】
次に、第2のシリコーン系化合物について説明する。第2のシリコーン系化合物の表面張力は、第1のシリコーン系化合物の表面張力より低いことが好ましい。第2のシリコーン系化合物の表面張力は、第1のシリコーン系化合物の表面張力より、5.0mN/m以上小さいことが好ましい。また、汚れ付着防止効果を高めるため、第1のシリコーン系化合物として表面張力が30.0mN/m以下のものを使用する場合、第2のシリコーン系化合物の表面張力は21.0mN/m以下であることが好ましい。
【0024】
前記(1)においては、第2のシリコーン系化合物が非反応性シリコーンオイルであることが好ましく、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンジオール、アルキル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フルオロアルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル及びビニル変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
【0025】
また、前記(2)(3)の場合、第2のシリコーン系化合物は非反応性シリコーン系化合物であることが好ましく、例えばポリシロキサン、シリコーンアルキドワニス、シリコーンアクリルワニス、シリコーンフェノールワニス、シリコーンウレタンワニス、シリコーンメラミンワニス及びジメチルシリコーンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
【0026】
本発明においてシリコーン系化合物が塗工される基材シートは、どのようなものも使用できるが、例えばキュプラ、レーヨン、アセテートなどのセルロース系化合物、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ナイロンなどのポリアミド系化合物、ビニロンなどのポリビニルアルコール系化合物、ビニリデンなどのポリ塩化ビニリデン系化合物、ポリ塩化ビニルなどのポリ塩化ビニル系化合物、ポリエチレンテレフタレートやポリアクリレートなどのポリエステル系化合物、アクリルなどのポリアクリロニトリル系化合物、低密度系ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系化合物、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系化合物、ポリウレタンなどのポリウレタン系化合物及びベンゾエートなどのポリアルキレンパラオキシベンゾエート系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物から形成されている樹脂シートやネット、またはこれら化合物から形成されている繊維或いは天然繊維(コットン、麻、絹、パルプなど)により構成されたシート、ネット、不織布、布帛(織物、編物)など、または上記化学繊維と天然繊維を混合して形成したシート、ネット、不織布、布帛(織物、編物)などである。
【0027】
ただし、塗工されるシリコーン系化合物の架橋を阻害するものや、シリコーン系化合物に変性を生じさせるような樹脂からなる基材シート、並びに酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料などのシリコーン系化合物に変性を生じさせるような添加物を含有する基材シート以外のものを使用することが好ましい。
【0028】
また、シリコーン系化合物を均一に薄く塗工するために、基材シートは濡れ性が高いことが好ましい。また、シリコーン系樹脂の塗工に先立ち、ポリエチレンフィルムなどからなる基材シートの場合、コロナ放電処理を施して濡れ性を向上させることもできる。
【0029】
本発明では、第1のシリコーン系化合物、第2のシリコーン系化合物、または第1と第2のシリコーン系化合物の混合物を基材シートに塗工する場合、エアドクタコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコータ、含浸コータ、リバースロールコータ、トランスファロールコータ、グラビアコータ、キスロールコータ、キャストコータ、スプレーコータ、カーテンコータ、カレンダコータまたは押出コータなどの塗工方法を用いることができる。
【0030】
なお、優れた汚れ付着防止効果を得るため、前記(1)においては、第1のシリコーン系化合物で形成される下地層の厚みが少なくとも0.1μm以上であることが好ましい。さらに好ましくは0.3μmである。また、第2のシリコーン系化合物で形成される表面層の厚みが少なくとも0.1μm以上であることが好ましい。さらに好ましくは0.2μmである。なお、前記(2)(3)の場合も分離した後の各層の厚みがこの程度になることが好ましい。
【0031】
また本発明において、第1のシリコーン系化合物の基材シートへの固定や、第1と第2のシリコーン系化合物の基材シートへの固定は、シリコーン系化合物を架橋させる方法として一般に用いられている方法により行なうことができる。例えば、加熱による縮合架橋・付加架橋や、UVによるカチオン重合・ラジカル重合や、EBによるラジカル重合である。ただし、架橋剤、反応開始剤、反応停止剤、その他の添加剤の混入により、汚れ付着防止効果が低下することがあるので、これらの物質の添加は極力低量であることが好ましい。
【0032】
以上のべた本発明のシリコーン系化合物が塗工されたシートは、例えば、レインコート、乳児または幼児のよだれかけ、エプロン、ランチマット、テーブルクロス、長靴、下着、おむつや生理用ナプキン等の衛生用品のバックシートなど様々な用途に使用され、特に蛋白質を含有する汚れが付着する可能性が高いものに対して有用である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例A〕
基材シートとして、表面張力が31.0mN/mのポリエチレンフィルム23g/m2に、コロナ放電処理を施して表面の濡れ性を向上させた。また、表面張力が24.9mN/mであるラジカル重合型紫外線架橋シリコーンを第1のシリコーン系化合物とし、このシリコーンに重合開始剤に2.0重量%添加したものをIPA(イソプロピールアルコール)で希釈した。希釈率はIPA:シリコーン=3:1である。そして、この溶液を前記基材シートの表面にバーコーターを用いて2.0g/m2塗工した(厚み2μm)。塗工後、紫外線を照射して基材表面上の第1のシリコーン系化合物を硬化させて下地層を形成する。
【0034】
第2のシリコーン系化合物として、実施例1としてジメチルシリコーンオイル、また、実施例2としてメチルハイドロジエンシリコーンオイルそれぞれをIPAで希釈した。希釈率はIPA:シリコーン=3:2である。この溶液をバーコーターを用いて5.0g/m2塗工した(厚み5μm)。その後、70℃で5分間乾燥させ、IPAを蒸発させる。以上のようにして得られた本発明のシートは、第1のシリコーン系化合物の厚みがほぼ0.5μmであり、第2のシリコーン系化合物の厚みがほぼ2.0μmである。得られた実施例1及び実施例2について撥血性試験を行なった。
【0035】
(撥血性試験)
試験対象シートの表面(シリコーンが塗工された面)を、スパンレース不織布を用いて50g/m2の荷重をかけた状態にて、速度150m/minで摩擦した。この試験は生理用ナプキンの不透液性バックシートに本発明のシートを用いた場合を想定しているので、60Kg程度の体重をもつ人のお尻にかかる圧力として50g/m2の荷重を掛け、やや早足で歩いたときの脚が前後する速度として150m/minとした。なお、摩擦回数は表1に示す。シートを9mm×110mmに切断し、摩擦が施された試験対象シートの表面(シリコーンが塗工された面)に0.2mlの模擬血を滴下した。模擬血は、血清蛋白にて最も含有量の多いアルブミンを含有し、且つ表面張力を54.0mN/m程度に調整した水溶液を用いた。その後、シートを2°/secにて傾け、模擬血がシート表面を流れきった後、シート重量を測定した。模擬血を滴下する前のシート重量を、模擬血が流れきった後のシート重量から引いて、付着した模擬血の量を計算した。
【0036】
また、比較例として以下に記載のシートを実施例1と同様にして得て、実施例Aと同様にして汚れの付着防止効果について試験を行なった。
・比較例1:シリコーンを塗工していない基材シート
・比較例2:基材シートにラジカル重合型紫外線架橋シリコーン(厚さ2.0μm)を塗工したシート
・比較例3:基材シートにジメチルシリコーンオイル(厚さ2.0μm)を塗工したシート
・比較例4:基材シートにメチルハイドロジエンシリコーンオイル(厚さ2.0μm)を塗工したシート
・比較例5:基材シートに、ゴム系ホットメルトとジメチルシリコーンオイル(厚さ2.0μm)とを塗工した2層構造のシート
・比較例6:基材シートに、ゴム系ホットメルトとメチルハイドロジエンシリコーンオイル(厚さ2.0μm)とを塗工した2層構造のシート
・比較例7:基材シートに、エポキシ樹脂とジメチルシリコーンオイル(厚さ2.0μm)とを塗工した2層構造のシート
・比較例8:基材シートに、エポキシ樹脂とメチルハイドロジエンシリコーンオイル(厚さ2.0μm)とを塗工した2層構造のシート
結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1からもわかるように、本発明のシートは、他の1層構造や2層構造の撥水処理が施された比較例と比べて、撥血性が高い。また、比較例は摩擦により表面の撥水剤が裂傷・脱離して撥血性が極端に低下しているが、本発明のシートは摩擦がおきても撥血性がさほど低下していないことがわかる。よって、例えば本発明のシートを生理用ナプキンのトップシートに用いた場合、体毛を介する皮膚との摩擦が生じても撥血性の低下が起きにくいことがわかる。
【0039】
〔実施例B〕
実施例3:実施例1の第2のシリコーン系化合物として用いたジメチルシリコーンオイルの代わりに、表面張力が20.0mN/mのメチルハイドロジエンシリコーンオイルを用いて実施例1と同様にしてシートを得た。
【0040】
実施例4:実施例1の第1のシリコーン系化合物と、第2のシリコーン系化合物と、重合開始剤を、ラジカル重合型紫外線架橋シリコーン:ジメチルシリコーンオイル:重合開始剤=49:50:1の割合で混合し、実施例1と同様に基材シートの表面に塗工し、基材シートが変形・融解しない程度の温度(70℃)で30分ほど処理して架橋させてシートを得た。
【0041】
実施例5:実施例1と同様にして、基材シートの表面に、第1のシリコーン系化合物として表面張力22.0mN/mのメチルフェニルシリコーンオイルを実施例1と同様に塗工・架橋させて下地層を形成する。その下地層の表面に、表面張力19.7mN/mの第2のシリコーン系化合物としてジメチルシリコーンオイルを塗工・架橋させてシートを得た。
(結果)
上記実施例3〜5のシートについても、蛋白質を含有した汚れに対しても優れた汚れ付着防止効果が見られた。
【0042】
【発明の効果】
以上の結果からもわかるように、2層構造もしくはほぼ2層構造のシリコーン系化合物層をもつ本発明のシートでは、蛋白質を含んだ汚れが付着しにくいシートを得ることができる。また、摩擦に対しても剥離や脱離や裂傷がおきにくく、よって撥水効果並びに汚れ付着防止効果が著しく低下することがない。
Claims (18)
- 基材シートの表面に第1のシリコーン系化合物の層が形成され、さらに第1のシリコーン系化合物の層の表面に、前記第1のシリコーン系化合物より表面張力が低い第2のシリコーン系化合物の層が形成されていることを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシート。
- 第1のシリコーン系化合物の表面張力が30.0mN/m以下である請求項1記載のシート。
- 第1のシリコーン系化合物は反応性シリコーンオイルであり、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンジオール、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1または2記載のシート。
- 第1のシリコーン系化合物が非反応性シリコーンオイルであり、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フルオロアルキル変性シリコーンオイル及び脂肪酸エステル変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1または2記載のシート。
- 第1のシリコーン系化合物が、ポリシロキサン、シリコーンアルキドワニス、シリコーンエポキシワニス、シリコーンポリエステルワニス、シリコーンアクリルワニス、シリコーンフェノールワニス、シリコーンウレタンワニス、シリコーンメラミンワニス、ジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム及びメチルフルオロアルキルシリコーンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1または2記載のシート。
- 第2のシリコーン系化合物が非反応性シリコーンオイルであり、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンジオール、アルキル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フルオロアルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル及びビニル変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1〜5のいずれかに記載のシート。
- 第1のシリコーン系化合物で形成される下地層の厚みが0.1μm以上である請求項1〜6のいずれかに記載のシート。
- 第2のシリコーン系化合物で形成される表面層の厚みが0.1μm以上である請求項1〜7のいずれかに記載のシート。
- 第1のシリコーン系化合物と、第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物との混合物の層が基材シート表面に形成されており、第2のシリコーン系化合物が前記層の表面に第1のシリコーン系化合物より多く現れていることを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシート。
- 第1のシリコーン系化合物の表面張力が30.0mN/m以下である請求項9記載のシート。
- 第1のシリコーン系化合物は反応性シリコーンオイルであり、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンジオール、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項9または10記載のシート。
- 第2のシリコーン系化合物が非反応性シリコーン系化合物であり、ポリシロキサン、シリコーンアルキドワニス、シリコーンアクリルワニス、シリコーンフェノールワニス、シリコーンウレタンワニス、シリコーンメラミンワニス及びジメチルシリコーンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項9〜11のいずれかに記載のシート。
- 基材シートが、セルロース系化合物、ポリアミド系化合物、ポリビニルアルコール系化合物、ポリ塩化ビニリデン系化合物、ポリ塩化ビニル系化合物、ポリエステル系化合物、ポリアクリロニトリル系化合物、ポリエチレン系化合物、ポリプロピレン系化合物、ポリウレタン系化合物及びポリアルキレンパラオキシベンゾエート系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物から形成されている請求項1〜12のいずれかに記載のシート。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のシートの製造方法であって、基材シートの表面に第1のシリコーン系化合物の下地層を形成し、下地層の硬化後、下地層の表面に第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物の表面層を形成することを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシートの製造方法。
- 第1のシリコーン系化合物を基材シートへ固定する手段が、加熱による縮合架橋・付加架橋、UVによるカチオン重合・ラジカル重合またはEBによるラジカル重合である請求項14記載のシートの製造方法。
- 請求項9〜12のいずれかに記載のシートの製造方法であって、第1のシリコーン系化合物と、第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物との混合物の層を基材シートの表面に形成し、第2のシリコーン系化合物が前記層の表面側へ移行し、第1のシリコーン系化合物が前記層の基材シート側へ移行した状態で、それぞれのシリコーン系化合物を架橋させることを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシートの製造方法。
- 請求項9〜12のいずれかに記載のシートの製造方法であって、第1のシリコーン系化合物と、第1のシリコーン系化合物より表面張力の低い第2のシリコーン系化合物との層を基材シート表面に形成し、架橋後、ブリーディングさせることにより第2のシリコーン系化合物が前記層の表面に第1のシリコーン系化合物より多く現れることを特徴とする汚れ付着防止効果の高いシートの製造方法。
- シリコーン系化合物の層を基材シートの表面に形成する手段が、エアドクタコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコータ、含浸コータ、リバースロールコータ、トランスファロールコータ、グラビアコータ、キスロールコータ、キャストコータ、スプレーコータ、カーテンコータ、カレンダコータまたは押出コータを用いた塗工である請求項14〜17のいずれかに記載のシートの製造方法。
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