JP3602658B2 - スピーカの歪み除去装置を有する装置 - Google Patents

スピーカの歪み除去装置を有する装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ信号を再生するスピーカにおいて生じる高調波歪み及び混変調歪みを除去し、入力信号に対して高忠実再生を実現するための、歪み除去装置を有する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスピーカでは、CDプレーヤーなどからアンプを通じてスピーカに入力されるオーディオ信号を音声として再生する際に、オーディオ信号を忠実に再生する音声とともに、一般に非線形歪みと呼ばれる高調波歪みおよび混変調歪みの音声を発生していた。
【0003】
スピーカから再生された音楽信号に、これらの非線形歪みが付加されていると非常に不快に感じられるので、スピーカ設計に際しては、これらの歪みを低減することが大きな課題である。特に、2次の高調波歪みおよび混変調歪み(以下簡単のため、これらを合わせて2次歪みと呼ぶ)は不快に感じられる。そこで、本発明は2次の高調波歪み及び混変調歪みを低減することを目的としている。
【0004】
従来、これらの非線形歪みを除去するには、大きく分類すると2つの手法があった。一つは、長年に渡り取られていた手法であり、スピーカの形状、寸法、材質を工夫し、最も歪みが少なくなるように、設計するという方法である。他の一つは、近年になって提案されている方法であり、CDプレーヤなどの音源から出力されたオーディオ電気信号を、歪み除去装置によって補正してからスピーカに入力し、最終的にスピーカから放射される音を歪みの少ない音にするという方法である。発明者は後者に属する方法について研究し、図7に示す1つのシステム(未公開)の発明を本発明に先だって完成した。
【0005】
図7は、発明者がさきに完成した上記の先の発明のシステムにおける歪み除去装置705とスピーカ701をモデル化して示したブロック図である。
スピーカ701は、歪みの無いスピーカの伝達関数H1の系702と、スピーカの2次歪みを表す2次の伝達関数H2の系703と、それら2つの系の出力信号を加算器704で加算するシステムとして表すことができる。
【0006】
歪み除去装置705は、CDプレーヤなどからのオーディオ電気信号である入力信号x(t)をディジタルに変換するA/D変換器709と、伝達関数G1で1次元の畳込み演算を行う第1のフィルタ706と、2次元の伝達関数G2で2次元の畳込み演算を行う第2のフィルタ707を有している。さらに第1のフィルタ706と第2のフィルタ707の出力信号を加算する加算器708と、加算器の出力信号をアナログ信号に変換するD/A変換器709とを有している。
【0007】
このような一般的なスピーカの歪み除去装置705を有するシステムでは、入力信号x(t)と、スピーカ701からの出力信号y(t)の関係は、周波数領域における表示をすると、次の(数7)で表される。
【0008】
【数7】
Figure 0003602658
【0009】
(数7)の右辺第1項は、入力信号x(t)が第1のフィルタ706とスピーカの伝達関数H1の系702とを通過する成分を示す。(数7)の第2項の中括弧内の第2項は、入力信号x(t)が第1のフィルタ706とスピーカの歪みを表す伝達関数H2の系703とを通過する成分を示す。
【0010】
ただし、(数7)の第2項は、周波数領域に変換されたディジタル信号のアドレスを表すmについて、m=m1+m2または|m1−m2|を満たす全ての組み合わせについての和である。なお、入力信号x(t)が第2のフィルタ707とスピーカの歪みを表す伝達関数H2の系703とを通過する成分は、他の項に比べて微少であり、無視している。
【0011】
スピーカ701の歪み成分を除去するためには(数7)の第2項の中括弧内の2つの項が相殺されてその値が0になればよい。
【0012】
次に、第1のフィルタ706の伝達関数G1、および、第2のフィルタ707の伝達関数G2の決定方法について述べる。
【0013】
まず、第1のフィルタ706の伝達関数G1は、(数7)の第1項で表される成分がスピーカから出力される所望の出力信号に等しくなるように、決定すればよい。例えば、出力信号Y(m)がオーディオ電気信号X(m)に等しくなるようにするためには、(数8)より、(数9)が導かれる。
【0014】
【数8】
Figure 0003602658
【0015】
【数9】
Figure 0003602658
【0016】
また、出力信号Y(m)について、オーディオ電気信号がスピーカの伝達関数H1の影響を受けた信号になるようにしたい場合は、(数10)より、第1のフィルタ706の伝達関数G1を(数11)のようにすればよい。
【0017】
【数10】
Figure 0003602658
【0018】
【数11】
Figure 0003602658
【0019】
次に、第2のフィルタ707の伝達関数G2の決定方法について述べる。(数7)の第2項の中括弧内の2つの項が相殺されればよいので、括弧内が0に等しいとして、G2について解くと、(数12)となる。
【0020】
【数12】
Figure 0003602658
【0021】
伝達関数G2を決定するには、(数12)に、スピーカ701の1次の系702の伝達関数H1と、スピーカ701の2次の系703の2次歪みの伝達関数H2と、上記の方法で決定した第1のフィルタ706の伝達関数G1とを代入すればよい。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の歪み除去装置705においては、入力信号x(t)がCDプレーヤなどから入力される時間的に非常に長い任意のオーディオ信号である場合には、タップ数Mの第1のフィルタ706、および、タップ数M×Mの第2のフィルタ707においては、(数13)に示すような畳込み演算をリアルタイム処理する必要がある。このリアルタイム処理において、特に第2項で表されている第2のフィルタ707による2次元の畳込み演算は演算量が膨大であるために、これを実現するには演算装置の規模が極めて大きくになるという問題があった。
【0023】
【数13】
Figure 0003602658
【0024】
(数13)は時間領域における入力信号xと、出力信号wの関係を示している。また、nは離散化された信号の順番を示し、時間に相当する。(数7)より、アナログの入力信号x(t)をディジタルに変換した信号x(n)の1サンプル信号について、第1のフィルタ706において必要な乗算回数はM回、加算回数はM−1回である。また、同様に(数13)より、第2のフィルタ707で必要な乗算回数はM×M×2回、加算回数はM×(M−1)回である。
【0025】
例えば、Mが128(M=128)とすると、第2のフィルタ706において必要な乗算回数は32768回、加算回数は16368回である。すなわち、オーディオ信号x(n)の1サンプル当たりに非常に多くの演算量が必要とされ、この装置を実現するには、装置が非常に大がかりになってしまう。
【0026】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、一般的なスピーカに無限長の一般的なオーディオ信号が入力された場合でも、高調波歪みや混変調歪みを除去することが可能な、スピーカの歪み除去装置を有する装置を実現することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明のスピーカの歪み除去装置を有する装置の歪み除去装置では、オーディオ信号を、フレーム分割手段によって長さNの時間領域の信号に分割し、周波数領域で、(数14)に示す演算を行った後、時間領域の信号に再変換し、フレーム合成手段によってその一部を順次連結して出力する。これによって、著しく演算量を減らすことが可能であり、従来に比べて歪み除去装置を極めて小型化することが可能になる。以下に詳しい手段を説明する。
【0028】
まず、アナログのオーディオ信号をA/D変換手段に入力し、ディジタル信号に変換する。次に、フレーム分割手段によって、A/D変換手段から出力されるディジタル信号を、部分的に重複させながら長さNで分断して取り込む。分断されたディジタル信号を、FFT演算手段で高速フーリエ変換して時間領域の信号から周波数領域の信号へ変換する。
【0029】
第1の記憶手段はあらかじめN個の第1の係数を記憶している。ここで、第1の乗算器は、FFT演算手段の出力側および第1の記憶手段に接続されている。よって、第1の乗算器は、N個の第1の係数と、先程FFT演算手段によって周波数領域の信号へ変換された長さNの信号を、掛け合わせる。この演算を(数14)の右辺第1項に示す。
【0030】
一方、第2の記憶手段は、あらかじめN×N個の2次元の第2の係数を記憶している。ここで、乗加算器は、FFT演算手段の出力側及び第2の記憶手段に接続されている。よって、乗加算器は、第2の係数と、前記FFT演算手段によって周波数領域に変換された信号とを用いて、(数14)の右辺第2項に示すような乗算及び加算を行う。
【0031】
第1の乗算器の出力信号および乗加算器の出力信号は、それぞれ加算器に入力され、加算される。この加算が、(数14)の右辺の第1項と第2項の加算である。
【0032】
加算された信号は、(数14)の左辺であり、これをIFFT演算手段により逆フーリエ変換して、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。
【0033】
時間領域の信号に変換されたIFFTの出力信号は、フレーム合成手段によって、その一部が順次連結されて出力される。最後にD/A変換手段は、フレーム合成手段によって連結されたディジタルのオーディオ信号をアナログに変換して出力する。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明のスピーカの歪み除去装置を有する装置は、信号を入力し、前記信号を再生するともに、非線形歪みを発生するスピーカと、オーディオ信号を入力し、前記オーディオ信号をそのまま前記スピーカに入力した場合に発生する非線形歪みを除去するようにした前記オーディオ信号を生成し、前記スピーカに出力するスピーカの歪み除去装置と、を有し、前記スピーカの歪み除去装置は、前記オーディオ信号を入力しディジタルの信号に変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力信号を、部分的に重複させながら長さNで分割して取り込むフレーム分割手段と、前記フレーム分割手段で分割された時間領域の信号を高速フーリエ変換して周波数領域の信号に変換するFFT演算手段と、周波数領域において、N個の第1の係数を記憶している第1の記憶手段と、前記第1の係数と前記FFT演算手段の出力信号とを用いて、(数14)の右辺第1項の乗算を行う第1の乗算器と、
【0035】
【数14】
Figure 0003602658
【0036】
( 但しW(m)は周波数領域における歪み除去装置の出力信号のm成分、G1(m)は第1の係数、X(m)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm成分、m、m1及びm2は離散化された周波数軸上のポイントの数を表す整数値、G2(m1、m2)は第2の係数、X(m1)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm1成分、X(m2)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm2成分を表す、 )
周波数領域において、2次元のN×N個の第2の係数を記憶する第2の記憶手段と、前記第2の係数と前記FFT演算手段の出力信号とを用いて、(数14)の右辺第2項の乗算及び加算を行う乗加算器と、前記第1の乗算器の出力信号と前記乗加算器の出力信号とを加算する加算器と、前記加算器の出力信号を逆高速フーリエ変換して時間領域の信号に変換するIFFT演算手段と、前記IFFT演算手段の出力信号の一部を順次連結して出力するフレーム合成手段と、前記フレーム合成手段の出力信号をアナログのオーディオ信号に変換し、前記アナログのオーディオ信号を前記スピーカに出力するD/A変換手段と、を具備する。
【0037】
また、スピーカの歪み除去装置を有する装置は、信号を入力し、前記信号を再生するともに、非線形歪みを発生するスピーカと、オーディオ信号を入力し、前記オーディオ信号をそのまま前記スピーカに入力した場合に発生する非線形歪みを除去するようにした前記オーディオ信号を生成し、前記スピーカに出力するスピーカの歪み除去装置と、を有し、前記スピーカの歪み除去装置は、前記オーディオ信号を入力しディジタルの信号に変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力信号を、部分的に重複させながら長さNで分割して取り込むフレーム分割手段と、前記フレーム分割手段で分割された時間領域の信号を高速フーリエ変換して周波数領域の信号に変換するFFT演算手段と、前記スピーカの1次のインパルス応答の群遅延量と実質的に同等の遅延量を有するNタップの遅延器のインパルス応答をフーリエ変換して求められる周波数領域の係数を記憶した、第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段の係数を読み出して、前記高速フーリエ変換手段の出力信号との乗算を行う第1の乗算器と、周波数領域において、N個の第1の係数を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の係数と、前記第1の乗算器の出力信号とを用いて、(数15)の右辺第1項の乗算を行う第2の乗算器と、
【0038】
【数15】
Figure 0003602658
【0039】
( 但しW(m)は周波数領域における歪み除去装置の出力信号のm成分、G1(m)は第1の係数、D1(m)は第1の記憶手段に記憶された係数のm成分、X(m)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm成分、m、m1及びm2は離散化された周波数軸上のポイントの数を表す整数値、G2(m1、m2)は第2の係数、D1(m1)は第1の記憶手段から読出された係数のm1成分、X(m1)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm1成分、D1(m2)は第1の記憶手段から読出された係数のm2成分、X(m2)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm2成分を表す、 )
周波数領域において2次元のN×N個の、第2の係数を記憶する第3の記憶手段と、前記第2の係数と、前記第1の乗算器の出力信号とを用いて、(数15)の右辺第2項の乗算及び加算を行う乗加算器と、前記第2の乗算器の出力信号と前記乗加算器の出力信号とを加算する加算器と、前記加算器の出力信号を逆高速フーリエ変換して時間領域の信号に変換するIFFT演算手段と、前記IFFT演算手段の出力信号の一部を順次連結して出力するフレーム合成手段と、前記フレーム合成手段の出力信号をアナログのオーディオ信号に変換し、前記アナログのオーディオ信号を前記スピーカに出力するD/A変換手段と、を具備する。
【0040】
前記乗加算器は、周波数領域において表わされる2次元のN×N個の前記第2の係数G2(m1,m2)のうち、(数16)かつ(数17)で定義される領域および、(数18)で定義される領域のみの係数と、
【0041】
【数16】
Figure 0003602658
【0042】
【数17】
Figure 0003602658
【0043】
【数18】
Figure 0003602658
【0044】
入力される信号Xi(m)とを用いて、(数19)
【0045】
【数19】
Figure 0003602658
【0046】
に示す演算を行う。
【0047】
【実施例】
以下、図1ないし図6を参照して本発明の実施例を説明する。
《実施例1》本発明の実施例1について、図1を参照して説明する。本実施例は従来に比べて、大幅に演算量を削減する事の出来る歪み除去装置を有する装置を提供するものである。この歪み除去装置10は、オーディオ信号が入力されるA/D変換手段11と、数値を表すNとN1の関係がN>N1であって前記A/D変換手段のディジタル出力信号を(N−N1+1)個毎に長さNで分割し取り込むフレーム分割手段12とを有する。さらに前記フレーム分割手段で分割された時間領域の信号を高速フーリエ変換して周波数領域の信号に変換するFFT演算手段13と、周波数領域において、N個の、第1の係数を記憶する第1の記憶手段15と、前記第1の係数と前記FFT演算手段13の出力信号とを用いて、(数20)の第1項の乗算を行う乗算器14とを有する。
【0048】
【数20】
Figure 0003602658
【0049】
さらに、周波数領域において2次元のN×N個の第2の係数を記憶する第2の記憶手段17と、前記第2の係数と前記FFT演算手段の出力信号とを用いて(数20)の第2項の乗算と加算を行う乗加算器16と、前記第1の乗算器14の出力信号と前記乗加算器16の出力信号とを加算する加算器18とを有している。さらに前記加算器の出力信号を逆高速フーリエ変換するIFFT演算手段19と、前記IFFT演算手段の出力信号のN1個めからN個めのデータを順次連結して出力するフレーム合成手段20と、前記フレーム合成手段の出力信号をアナログのオーディオ信号に変換するD/A変換手段21と、を具備する。
【0050】
このような構成において、CDプレーヤなどからアナログのオーディオ信号x(t)が歪み除去装置10に入力されると、A/D変換手段11はオーディオ信号x(t)をディジタルの信号x(n)に変換する。フレーム分割手段12は、前記A/D変換手段の出力信号x(n)が(N−N1+1)個入力される毎に、出力信号x(n)をそれ以前に入力された長さNの信号xi(n)に分割し、出力する。ただし、ここで、N>N1であり、N1は、図7の従来の歪み除去装置705の第1のフィルタ706のタップ数Mに対応する。分割された長さNの信号は、高速フーリエ変換手段13に入力され、周波数領域の信号Xi(m)に変換される。「m」は離散化された周波数軸上のポイントの数を表す整数値である。
【0051】
信号Xi(m)は、第1の乗算器14、第1の記憶手段15、乗加算器16、第2の記憶手段17及び加算器18によって、(数21)に示す演算が施され、信号Wi(m)となる。
【0052】
【数21】
Figure 0003602658
【0053】
(数21)の演算について詳しく述べる。第1の乗算器14は、第1の記憶手段15に格納されているN個の第1の係数G1(m)と、高速フーリエ変換手段13の出力信号Xi(m)をそれぞれのmについて掛け合わせる。これが、(数21)の第1項の演算である。一方、乗加算器16は、第2の記憶手段17に格納されているN×N個の第2の係数G2(m1、m2)と、信号Xi(m1)、Xi(m2)とを用いて、(数21)の第2項の演算を行う。「m1」、「m2」はそれぞれ前記の整数値mの特定の値を表す。加算器18は、乗算器14の出力信号と、乗加算器16の出力信号とをそれぞれのmについて足し合わせて、信号Wi(m)を出力する。
【0054】
加算器18の出力信号Wi(m)は逆高速フーリエ変換を行うIFFT演算手段19に入力され、時間領域の信号wi(n)に変換される。フレーム合成手段20は、信号wi(n)のうち、信号wi(N1+1)から信号wi(N)を切り出し、w1(N1+1)、・・・w1(N)、w2(N1+1)、・・・w2(N)、w3(N1+1)、・・・、の順に連続して出力する。ここで、「i」はフレーム分割手段12で分割されたフレームの番号である。D/A変換手段21は、フレーム合成手段20の出力信号をアナログ信号w(t)に変換し、出力する。w(t)は、スピーカ22に入力される。
【0055】
入力されるオーディオ信号とともに高調波歪みおよび混変調歪みを発生するスピーカ22は、スピーカの線形の伝達関数H1の系23と、歪みを発生する非線形の2次の伝達関数H2の系24と、加算器25とによって表わされる。スピーカ22の入力信号と出力音圧の関係は、周波数領域での表示を行うと、(数22)のように表わされる。
【0056】
【数22】
Figure 0003602658
【0057】
ここで、CDプレーヤなどからのオーディオ信号x(t)と、スピーカからの出力音圧y(t)の関係を、周波数領域で表わすと、(数20)の信号W(m)を(数22)に代入して消去する事により、(数7)となる。
【0058】
(数7)の第1項は、オーディオ信号x(t)が、乗算器14とスピーカ22の伝達関数H1の系23とを通過する成分を示す。(数7)の右辺第2項の中括弧内の第1項は、オーディオ信号x(t)が乗加算器16とスピーカ22の伝達関数H1の系23とを通過する成分を示す。(数7)の右辺第2項の中括弧内の第2項は、オーディオ信号x(t)が乗算器14とスピーカ22の歪みを表わす伝達関数H2の系24とを通過する成分を示す。
【0059】
ただし、(数7)の右辺第2項のmは、m=m1+m2または|m1−m2|を満たす全ての組み合わせについての和である。なお、オーディオ信号x(t)が乗加算器16とスピーカ22の歪みを表わす伝達関数H2の系24とを通過する成分は、他の項に比べて微少であり、無視している。
【0060】
スピーカ22の歪み成分を除去するためには(数7)の第2項の括弧内の2つの項が相殺されてその値が0になれば良い。
【0061】
次に、第1の記憶手段15の係数G1(m)および、第2の記憶手段17の係数G2(m1、m2)の決定方法について述べる。
【0062】
まず、第1の記憶手段15の係数G1(m)は、(数7)の第1項で表される成分が、スピーカから出力される所望の出力音圧に等しくなるように決定すれば良い。例えば、出力信号Y(m)がオーディオ信号X(m)に等しくなるようにするためには、(数8)より、(数9)が導かれる。
【0063】
あるいはまた、出力信号Y(m)について、オーディオ信号がスピーカ22の線形の系23の伝達特性H1の影響を受けた信号になるようにしたい場合は、(数10)より、第1の記憶手段15の係数G1を(数11)のようにすればよい。
【0064】
次に、第2の記憶手段17の係数G2(m1、m2)の決定方法について述べる。(数7)の右辺第2項の中括弧内の2つの項が相殺されれば良いので、中括弧内が0に等しいとして、G2(m1、m2)について解くと、(数12)となる。
【0065】
G2(m1、m2)を決定するには、(数12)に、スピーカ22の1次の系23の伝達関数H1と、高調波歪みおよび混変調歪みを表わす2次の系24の伝達関数H2と、上記の方法で決定した第1の記憶手段15の係数G1(m)とを代入すれば良い。
【0066】
以上のように、第1の記憶手段15の係数G1(m)および、第2の記憶手段17の係数G2(m1、m2)を決定すれば、歪み除去装置10によってスピーカ22の高調波歪み及び混変調歪みを除去する事ができる。
【0067】
本発明の実施例1における歪み除去装置10の、第1の乗算器14および乗加算器16における、乗算回数および加算回数について以下に述べる。
【0068】
第1の乗算器14において必要な乗算回数は、ディジタルに変換されたオーディオ信号x(n)の1個につき(数23)に示す回数となる。
【0069】
【数23】
Figure 0003602658
【0070】
また、乗加算器16において必要な乗算回数は、ディジタルに変換されたオーディオ信号x(n)の1個につき(数24)に示す回数となり、加算回数は(数25)に示す回数となる。
【0071】
【数24】
Figure 0003602658
【0072】
【数25】
Figure 0003602658
【0073】
第1の乗算器14と乗加算器16と加算器18とを合わせた系において必要な乗算回数および加算回数をまとめると、乗算回数は(数26)に示す回数となり、加算回数は(数27)に示す回数となる。
【0074】
【数26】
Figure 0003602658
【0075】
【数27】
Figure 0003602658
【0076】
一方、従来の時間領域における畳込み演算による方法では、畳込み演算の部分で必要な乗算回数は(数28)に示す回数となり、加算回数は(数29)に示す回数となる。
【0077】
【数28】
Figure 0003602658
【0078】
【数29】
Figure 0003602658
【0079】
例えば、上記の(数26)、(数27)、(数28)、(数29)に、N=256、N1=128を代入すると、本発明による方法では、乗算回数が約1018回となり、加算回数が508回となる。一方、従来の時間領域における畳込み演算による方法では、乗算回数が32768回となり、加算回数が16511回となる。以上のように本発明によれば乗算回数、加算回数とも従来の方法の約30分の1になり本発明の有効性が分かる。
【0080】
以上より、本発明の歪み除去装置10においては演算量が大幅に削減され、装置の規模を縮小する事が出来る。
【0081】
《実施例2》
本発明の実施例2について、図2ないし図5を参照して説明する。
【0082】
実施例2の構成は、以下の点で実施例1で説明したものと異なっている。図1の第2の記憶手段は、N×N個の第2の係数G2(m1、m2)のうち、図2に斜線で示す領域201および領域202の係数のみを記憶していれば良い。図2に示した領域201を数式で表わすと(数30)かつ(数31)で定義される領域となる。また、領域202を数式で表わすと(数32)で定義される領域となる。
【0083】
【数30】
Figure 0003602658
【0084】
【数31】
Figure 0003602658
【0085】
【数32】
Figure 0003602658
【0086】
前記の実施例1の歪み除去装置10では、歪み除去装置10内部の乗加算器16における(数21)の右辺第2項の演算の乗算回数及び加算回数が装置10全体の演算量の多くを占めていたが、実施例2では、乗加算器16における演算量を減らし、装置10の規模の縮小が実現できる。
【0087】
第2の係数G2(m1、m2)の特長について述べる。第2の係数G2(m1、m2)においては、図3の斜線部の領域301の係数とそれ以外の領域302の係数がm1=m2を対称軸とする線対象の関係にある。また、図4の斜線部の領域401の係数と斜線部ではない領域402の係数が(N/2,N/2)を点対称の中心とする共役関係にある。また、図4の斜線部の領域403の係数と斜線部ではない領域404の係数が(N/2,N/2)を点対称の中心とする共役関係にある。また、図4の斜線部の領域405の係数と斜線部ではない領域406の係数が(N/2,N/2)を点対称の中心とする共役関係にある。また、サンプリング定理により考えると、(数21)の第2項の積和演算において図5の斜線部の領域501、502とそれ以外の領域503、504では積和演算の結果が共役になるので、実際の計算では斜線部の領域のみを考慮すれば良い。そこで、図3、図4、図5の積集合を取ると、図2の斜線部の領域201および202となり、(数21)の右辺第2項の演算を行う際には、乗加算器16において、図2の斜線部の領域201及び202について(数33)に示すように積和演算を行えば良い。
【0088】
【数33】
Figure 0003602658
【0089】
これにより、ディジタルに変換されたオーディオ信号の1サンプルあたりに必要な、乗加算器16における乗算回数は(数34)に示す回数となり、また、加算回数は(数35)に示す回数となる。
【0090】
【数34】
Figure 0003602658
【0091】
【数35】
Figure 0003602658
【0092】
例えば、N=256、N1=128を(数34)、(数35)に代入すると、乗算回数は約161回、加算回数は約79回となり、乗加算器16における演算量が大幅に削減され、よって、歪み除去装置10の規模を縮小する事ができる。
【0093】
《実施例3》
本発明の実施例3について図6を参照して説明する。
【0094】
図6の実施例3の構成において、実施例1と異なる部分は、高速フーリエ変換手段33の後段に第2の乗算器46を設け、係数D1(m)を格納した第1の記憶手段47を前記第2の乗算器46に設けたことである。
【0095】
スピーカ42のインパルス応答h1(t)は、一般に、入力信号x(t)に対して群遅延を含んだ特性となっている。スピーカ42の1次の系43の伝達関数H1はインパルス応答h1をフーリエ変換して求められる。しかし、インパルス応答h1に群遅延がある場合に(数9)によって第1の係数G1(m)を決定すると、時間的にランダムに変化する一般的なオーディオ信号を歪み除去装置30に入力した場合に、歪み除去装置30とスピーカ42を含めた全体の系の入出力特性の因果律が犯され、歪みが所望通りに除去されないという場合がある。
【0096】
本発明ではこの問題を解決するために、図6に示すように、前記第2の乗算器46と第1の記憶手段47を設ける。
【0097】
以上の構成において、まず、第1の記憶手段47には、インパルス応答h1の群遅延量τとほぼ同等の遅延作用のあるNタップの遅延器のインパルス応答特性をフーリエ変換した係数D1(m)を格納する。
【0098】
第2の乗算器46は、信号X(m)に対して、第1の記憶手段47より読み出した係数D1(m)を、mについてそれぞれ掛け合わせて出力する。これにより、第1の乗算器34を通過する成分には、スピーカ42の1次の系43の伝達特性の群遅延量に見合った遅延が施されたこととなる。また、乗加算器36を通る成分については、第2の乗算器46において、第1の記憶手段47より読み出された係数D1(m1)が、信号X(m1)に対して掛け合わされ、信号X(m2)に対しては第1の記憶手段47より読み出された係数D1(m2)がそれぞれ掛け合わされて出力される。その結果スピーカ42の高調波歪みや混変調歪みの群遅延量に見合った遅延が施された出力となる。これにより、第1の乗算器34、第2の乗算器46、乗加算器36、加算器38による信号X(m)と信号W(m)の関係は(数36)となる。
【0099】
【数36】
Figure 0003602658
【0100】
以上の作用により、歪み除去装置30に、周期性の無い一般的なオーディオ信号が入力された場合でも、スピーカの歪みを除去する事が可能となる。
【0101】
なお、本実施例と同様の効果を得るには、以下の構成によっても可能である。まず、第1の記憶手段47および第2の乗算器46を設けず、図1に示した実施例1あるいは実施例2と同様の構成とする。第2の記憶手段35には、前記第1の記憶手段47に格納されている係数D1(m)と、実施例3で第2の記憶手段35に格納されていた係数G1(m)とを、mについてそれぞれ掛け合わせた結果のデータG1(m)D1(m)をあらかじめ格納する。第3の記憶手段37には、前記第1の記憶手段47に格納されている係数D1(m1)と、実施例3で第3の記憶手段37に格納されていた係数G2(m1、m2)とを、m1、m2についてそれぞれ掛け合わせた結果のデータG2(m1、m2)D1(m1)D1(m2)をあらかじめ格納する。
【0102】
以上の構成により、第1の乗算器34は、第2の記憶手段35より読み出したデータG1(m)D1(m)を、信号X(m)に対して、それぞれのmについて掛け合わせて出力する。これにより、第1の乗算器34を通過する成分には、スピーカの1次の系43のインパルス応答h1の群遅延量に見合った遅延が施されたこととなる。乗加算器36は、第3の記憶手段37より読み出したデータG2(m1、m2)D1(m1)D1(m2)を、信号X(m)に対して、それぞれのm1、m2について掛け合わせて出力する。ただしここで、m、m1、m2の関係は、第1実施例あるいは第2実施例と同様に、m=m1+m2あるいはm=|m1−m2|を満たすものとする。
【0103】
これにより、第1の乗算器34、乗加算器36、加算器38による信号X(m)と信号W(m)の関係は、(数36)のようになる。
【0104】
以上の作用により、歪み除去装置42に、周期性の無い一般的なオーディオ信号が入力された場合でも、スピーカの歪みを除去する事が可能となる。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、A/D変換されたオーディオ信号を所定の長さに分割して高速フーリエ変換を行い、周波数領域の信号に変換する。そして歪み除去装置における1次元および2次元の畳込み演算を、周波数領域において乗算器と乗加算器で行うことにより、少ない乗算回数と加算回数で演算処理が可能となり規模の小さな演算装置によりスピーカの歪み除去装置を有する装置が実現できる。
【0106】
また、上記の効果に加えて、前記乗算器および乗加算器の前段にさらにそれぞれ乗算器を設け、スピーカのインパルス応答の群遅延量とほぼ同等の遅延作用を有する遅延器のインパルス応答特性をフーリエ変換した係数D1(m)の乗算を施す事により、スピーカの伝達特性に群遅延量が含まれる場合でも所望の歪み除去効果を得る事ができる。
【0107】
さらに、周波数領域において、2次元の所定領域の係数と高速フーリエ変換出力とを用いて乗算及び加算を行うことにより、さらに演算回数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における、スピーカの歪み除去装置とスピーカの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施例2において、第2の記憶手段に格納すべき係数の領域を示す図
【図3】本発明の実施例2において、第2の記憶手段に格納すべき係数の対称性を示す図
【図4】本発明の実施例2において、第2の記憶手段に格納すべき係数の共役性を示す図
【図5】本発明の実施例2において、第2の記憶手段に格納すべき係数のうち、サンプリング定理により考えられる、有効な範囲を示す図
【図6】本発明の実施例3における、スピーカの歪み除去装置とスピーカの構成を示すブロック図
【図7】従来のスピーカの歪み除去装置とスピーカの構成を示すブロック図
【符号の説明】
10、30 歪み除去装置
11、31 A/D変換手段
12、32 フレーム分割手段
13、33 高速フーリエ変換手段
14、34 第1の乗算器
15、47 第1の記憶手段
16、36 乗加算器
17、35 第2の記憶手段
18、38 加算器
19、39 逆高速フーリエ変換手段
20、40 フレーム合成手段
21、41 D/A変換手段
22、42 スピーカ
23、43 線形の伝達関数H1の系
24、44 非線形歪みの2次の伝達関数H2の系
25、45 加算器
46 第乗算
37 第3の記憶手段
201 実施例2において、第2の記憶手段に格納すべき係数の領域1
202 実施例2において、第2の記憶手段に格納すべき係数の領域2

Claims (3)

  1. 信号を入力し、前記信号を再生するともに、非線形歪みを発生するスピーカと、
    オーディオ信号を入力し、前記オーディオ信号をそのまま前記スピーカに入力した場合に発生する非線形歪みを除去するようにした前記オーディオ信号を生成し、前記スピーカに出力するスピーカの歪み除去装置と、
    を有し、
    前記スピーカの歪み除去装置は、
    前記オーディオ信号を入力しディジタルの信号に変換するA/D変換手段と、
    前記A/D変換手段の出力信号を、部分的に重複させながら長さNで分割して取り込むフレーム分割手段と、
    前記フレーム分割手段で分割された時間領域の信号を高速フーリエ変換して周波数領域の信号に変換するFFT演算手段と、
    周波数領域において、N個の第1の係数を記憶している第1の記憶手段と、
    前記第1の係数と前記FFT演算手段の出力信号とを用いて、(数1)の右辺第1項の乗算を行う第1の乗算器と、
    Figure 0003602658
    ( 但しW(m)は周波数領域における歪み除去装置の出力信号のm成分、
    G1(m)は第1の係数、
    X(m)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm成分、
    m、m1及びm2は離散化された周波数軸上のポイントの数を表す整数値、
    G2(m1、m2)は第2の係数、
    X(m1)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm1成分、
    X(m2)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm2成分を表す、 )
    周波数領域において、2次元のN×N個の第2の係数を記憶する第2の記憶手段と、
    前記第2の係数と前記FFT演算手段の出力信号とを用いて、(数1)の右辺第2項の乗算及び加算を行う乗加算器と、
    前記第1の乗算器の出力信号と前記乗加算器の出力信号とを加算する加算器と、
    前記加算器の出力信号を逆高速フーリエ変換して時間領域の信号に変換するIFFT演算手段と、
    前記IFFT演算手段の出力信号の一部を順次連結して出力する、フレーム合成手段と、
    前記フレーム合成手段の出力信号をアナログのオーディオ信号に変換し、前記アナログのオーディオ信号を前記スピーカに出力するD/A変換手段と、を具備する
    ことを特徴とする、スピーカの歪み除去装置を有する装置
  2. 信号を入力し、前記信号を再生するともに、非線形歪みを発生するスピーカと、
    オーディオ信号を入力し、前記オーディオ信号をそのまま前記スピーカに入力した場合に発生する非線形歪みを除去するようにした前記オーディオ信号を生成し、前記スピーカに出力するスピーカの歪み除去装置と、
    を有し、
    前記スピーカの歪み除去装置は、
    前記オーディオ信号を入力しディジタルの信号に変換するA/D変換手段と、
    前記A/D変換手段の出力信号を、部分的に重複させながら長さNで分割して取り込むフレーム分割手段と、
    前記フレーム分割手段で分割された時間領域の信号を高速フーリエ変換して周波数領域の信号に変換するFFT演算手段と、
    前記スピーカの1次のインパルス応答の群遅延量と実質的に同等の遅延量を有するNタップの遅延器のインパルス応答をフーリエ変換して求められる周波数領域の係数を記憶した、第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段の係数を読み出して、前記高速フーリエ変換手段の出力信号との乗算を行う第1の乗算器と、
    周波数領域において、N個の第1の係数を記憶する第2の記憶手段と、
    前記第1の係数と、前記第1の乗算器の出力信号とを用いて、(数2)の右辺第1項の乗算を行う第2の乗算器と、
    Figure 0003602658
    ( 但しW(m)は周波数領域における歪み除去装置の出力信号のm成分、
    G1(m)は第1の係数、
    D1(m)は第1の記憶手段に記憶された係数のm成分、
    X(m)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm成分、
    m、m1及びm2は離散化された周波数軸上のポイントの数を表す整数値、
    G2(m1、m2)は第2の係数、
    D1(m1)は第1の記憶手段から読出された係数のm1成分、
    X(m1)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm1成分、
    D1(m2)は第1の記憶手段から読出された係数のm2成分、
    X(m2)は入力信号を、離散化した後に高速フーリエ変換によって周波数領域へ変換した信号のm2成分を表す、 )
    周波数領域において2次元のN×N個の、第2の係数を記憶する第3の記憶手段と、
    前記第2の係数と、前記第1の乗算器の出力信号とを用いて、(数2)の右辺第2項の乗算及び加算を行う乗加算器と、
    前記第2の乗算器の出力信号と前記乗加算器の出力信号とを加算する加算器と、
    前記加算器の出力信号を逆高速フーリエ変換して時間領域の信号に変換するIFFT演算手段と、
    前記IFFT演算手段の出力信号の一部を順次連結して出力するフレーム合成手段と、
    前記フレーム合成手段の出力信号をアナログのオーディオ信号に変換し、前記アナログのオーディオ信号を前記スピーカに出力するD/A変換手段と、を具備する
    ことを特徴とする、スピーカの歪み除去装置を有する装置
  3. 前記乗加算器は、周波数領域において表わされる2次元のN×N個の前記第2の係数G2(m1,m2)のうち、(数3)かつ(数4)で定義される領域および、(数5)で定義される領域のみの係数と、
    Figure 0003602658
    Figure 0003602658
    Figure 0003602658
    入力される信号Xi(m)とを用いて、(数6)
    Figure 0003602658
    に示す演算を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載のスピーカの歪み除去装置を有する装置。
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