JP3602116B2 - ヒートポンプ給湯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヒートポンプ給湯機に係り、詳しくは年間を通じて効率よく安定した給湯を可能ならしめる給湯システムで使用される炭酸ガス冷媒を使用したヒートポンプ給湯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヒートポンプ給湯機は主としてフロン冷媒が用いられて来たが、近時、フロンの地球環境に対する有害が取り上げられ、環境にやさしい冷媒として炭酸ガス(CO2)の使用が急速に促進されると共に、炭酸ガス冷媒を用いたヒートポンプ給湯機が検討されて来た。
【0003】
この炭酸ガス冷媒は前記従来のフロン冷媒に比し臨界点が低く、圧力が数倍高いものであり、従来のフロン冷媒における高圧空間をそのまま使用するときには、冬季、圧力が上昇し、高圧側存在量が大きくなるような場合、破壊時エネルギーが大きくなる危険を有している。
勿論、その高圧に耐える構造として、例えば管厚を厚くすることも考えられるが、コストが大になり好ましくない。
そこで、低圧側はとも角、高圧空間を安全性の面から出来るだけ減らし、狭くすることが考究された。
しかし、高圧側空間を狭くすれば低圧側空間の影響をより受け易くなり、気温の影響を受ける。
【0004】
そこで、炭酸ガス冷媒使用の超臨界蒸気圧縮サイクルにおいて、循環冷媒量を調節することにより、高サイド圧力を制御し、冷却能力を調整することが、例えば特公平7−18602号公報などに開示されている。しかし、これらの技術は冷却能力に着目して論じられているが、高圧側のガスクーラ放熱を水加熱として用いる給湯に着目したものではなく、気温に応じた出湯温度などは論じられていない。
【0005】
特に圧縮機もしくは冷媒熱交と蒸発器の間に設ける低圧側の冷媒レシーバ方式では、圧縮機へ吸い込まれる冷媒ガスの過熱度が低くなったり湿り気味となり、低めの吐出ガス温度となりやすく適切な吐出ガス温度,出湯温度は得られず、効率の良い給湯を行うことができない。
【0006】
また、特許2804944号では高圧側の冷媒空間は全体の70%以上が好適とされているが、運転中の高圧側冷媒量(重量)はガス密度が大きいので70%より遙かに大きくなると考えられる。つまり、高圧側空間と冷媒充填量が大きいので破壊エネルギーも大きくなり安全性の面から好ましくない。
【0007】
本出願人らは上述の如き実状に鑑み、これに対処すべく冷凍サイクル中の冷媒量が一定である場合において、低圧側空間で冬季,夏季に応じ存在ガス量が変わるのに着目し、当該ガス量の差をクッションとしてプールすることを見出すことにより、特に高圧側の冷媒空間が少なく、冷凍サイクルで夏季と冬季とで必要冷媒量を異にする炭酸ガス用ヒートポンプ給湯機において安価な冷媒サイクルにより最適な冷媒量を保持せしめ、年間を通じて安全に、安定した一定温度の給湯を可能ならしめる回路構成をさきに提案した。(特願2001−112350号など)
【0008】
この回路構成は図2に示す如く圧縮機1,ガスクーラー2,冷媒熱交換器3,バッファ9,ストレーナー8,冷媒膨張弁4,蒸発器5を冷媒配管T1,T2により順次、接続し、かつ冷媒熱交換器3において、高圧側配管T1と低圧側配管T2を向流熱交換させると共に、圧縮機吸入側にアキュムレータ7を配することによって基本的な一連の冷凍サイクルが形成されており、蒸発器にはこれに空気を流し、冷媒熱交換器の熱源とするための送風機6が付設され、ガスクーラー2は向流状態で内挿し、水入口の給水配管T3にポンプ14と比例弁15を設置することによって給湯経路を形成していると共に、圧縮機吐出側よりガスクーラー2に至る配管と途中より分岐してデフロスト電磁弁11より冷媒膨張弁4下流に至る配管T4が設けられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案に係るヒートポンプ給湯機は、前記従前のものに比較し、冬季と夏季の高圧側冷媒量の差をバッファに吸収することにより高圧側冷媒空間を少なくしても異常高圧による爆発などの破壊エネルギーを少なくし、安全性を高めることができると共に、季節(気温)変動による低圧側冷媒量の変動により高圧が変動することを防止し、季節変動に応じ目標とする最適な冷媒量調整と、最適な出湯温度とが簡単な構成で実現できる点で利点を有しているが、バッファは主回路上に設けられておれば流体温度の影響を受けて起動時などには急激に高圧側に冷媒が増加し、そのため特に主回路流体の温度が高く流体が膨張してバッファの空間効果が少なくなることが分かった。
【0010】
そこで本発明は上記の如き実状に鑑み、特にバッファを主回路上でなく、枝分かれした枝管で接続することにより、起動時、高温流体の進入を受けるが次第にバッファ周囲温度により冷却吸収させ、ヒートポンプ給湯機の高圧圧力のより安定化をはかることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、上記目的に適合し、その課題を達成する本発明の特徴は、圧縮機,ガスクーラ,冷媒熱交換器,冷媒膨張弁,蒸発器を冷媒配管により順次、接続し、圧縮機吸入側にアキュムレータを配し、かつ圧縮機吐出側よりガスクーラに至る配管途中より分岐してデフロスト電磁弁より冷媒膨張弁下流に至る冷媒制御回路を設けると共に、水を向流型ガスクーラへ通水せしめて昇温させるヒートポンプ給湯機において、運転する最低気温と最高気温を設定し、あらかじめ設計された高圧側の冷媒空間をヒータ付設バッファとして高圧側のガスクーラ出口部を含み、冷媒膨張弁入口までの経路間で枝分かれした枝管により接続して配設し、高圧圧力を安定化させた点にある。
【0012】
請求項2〜4は上記のヒートポンプ給湯機におけるより具体的な態様であり、請求項2の発明は圧縮機吸入側にアキュムレータを配し冷媒熱交換器の高圧側がガスクーラ出口に、低圧側が空気熱交換器とアキュムレータの間となるように設置したことを特徴とする。
【0013】
また請求項3の発明は向流型ガスクーラとして二重方式の熱交換器の如き高圧側冷媒量が少なくなる向流型熱交換器を用いること、請求項4の発明は出湯温度の調節を流量調節弁もしくは可変流量ポンプの調節により給水流量を調節することにより行うようにしたことを夫々特徴としている。
【0014】
【作用】
上記本発明ヒートポンプ給湯機は、運転する最低気温と最高気温を設定し、これにもとづきあらかじめ設計された高圧側の冷媒空間をヒータ付設バッファとして高圧側のガスクーラ出口部を含み、冷媒膨張弁入口までの間で細い枝管で接続して設置しているため、これが冬季と夏季の高圧冷媒量の差に対応するレシーバとなって年間を通じて下流の冷媒膨張弁に低温液冷媒として供給することができると共に、ガスクーラ内部に存在する冷媒量は上記レシーバで吸収されうる冷媒量を含む必要がなくなることになり、高圧異常となったり、不必要に大きな高圧圧力となることなく、年間を通じて安定した運転を行うことが可能となる。
【0015】
なお、バッファは少し大きくして将来の漏れ分まで含めることが好適であり、かつ漏れてくると、高圧圧力が低下してくるので、そのときヒータを作動させ加熱することにより、追い出し圧力のバランスを保持する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、更に添付図面に示す冷凍サイクルを参照し、本発明ヒートポンプ給湯機の具体的態様を説明する。
【0017】
図1は本発明ヒートポンプ給湯機の冷凍サイクル図であり、図2に示す構成と同じく1は圧縮機,2はガスクーラ,3は冷媒熱交換器,4は冷媒膨張弁,5は蒸発器(空気熱交換器),6は送風機,7はアキュムレータ,8はストレーナー,9は本発明の特徴をなすバッファであって、これらの圧縮機1,ガスクーラ2,冷媒熱交換器3,ストレーナ8,冷媒膨張弁4,蒸発器5を冷媒配管T1,T2により順次、接続し、かつ冷媒熱交換器3において、高圧側配管T1と低圧側配管T2を向流熱交換させると共に、圧縮機吸入側にアキュムレータ7を配することによって基本的な一連の冷凍サイクルが形成されており、蒸発器5にはこれに空気を流し、冷媒熱交換器の熱源とするための送風機6が付設され、ガスクーラ2は向流型ガスクーラとして水入口12より給湯水出口13に至る給水配管T3を向流状態で内挿し、水入口側の給水配管T3に水ポンプ14と比例弁15を設置することによって給湯系路を形成している。
そして、圧縮機吐出側よりガスクーラ2に至る配管途中より分岐してデフロスト電磁弁11より冷媒膨張弁4下流に至る配管T4が設けられている。
【0018】
以上の構成において、本発明の特徴をなすバッファ9は運転する最低気温と最高気温を設定して、あらかじめ設計された高圧側の冷媒空間、通常、冬季と夏季の高圧側冷媒量の差に相当する空間であり、高圧側のガスクーラー出口部より冷媒膨張弁4に至る間において主回路より枝分かれした細い枝管T5により接続されて設けられて気温とバランスさせている。
【0019】
このバッファ9はサイズを少し大きくして将来の冷媒漏れ分まで含めることが好ましく、また、通常時あるいは停止中は低圧側と高圧側がバランスしているが、急激に高圧側に冷媒が増加し、圧力が上昇するときはクッションとなる一方、冷媒が漏れて高圧が上がらなくなったときは冷媒を追い出し得るように通常時は作動しないが、ヒーターが付設具備されている。
【0020】
なお、上記構成中、アキュムレータ7は蒸発器5の冷媒流が冷媒熱交換器3によって加熱蒸発できなかった場合に、圧縮機1が瞬時に液として吸い込めば、液圧縮となり破損することがあることから設けられる低圧側保護空間で、通常、内部は液を含まない過熱ガスである。
【0021】
また、図中、8,10は弁にごみ,異物が噛み込まないようにするフィルタの役割をもつストレーナであり、デフロスト電磁弁11は蒸発器5に霜が付着した場合に高温吐出ガスにより霜を融かすとき開く弁である。
【0022】
次に、以上のような冷凍サイクルを備えたヒートポンプ給湯機により給湯を行う場合について説明する。
通常は蒸発器での冷媒蒸発温度は気温より10〜15℃低くなる。つまり。気温により蒸発温度(定圧圧力)がほぼ決まるので、圧縮機に吸い込まれ循環される冷媒の密度が決まり冷媒循環量が決まる。
【0023】
適正な吸入過熱度、つまり、通常は蒸発温度より5〜10℃高い温度のガスで圧縮機に吸い込まれると、圧縮機より吐出されるガス温度は適正であり、そのときの高圧圧力により安定した一定値に決まる。高圧圧力が高いほど吐出ガス温度が上昇する。吐出ガス温度と高圧が決まると吐出側のエンタルピが決定できる。圧縮機の吐出側はガスクーラ入口に連結されているので、ガスクーラ入口エンタルピは圧縮機吐出部のエンタルピとほぼ等しいものである。
【0024】
ガスクーラ出口の冷媒温度は給水温度により、通常給水温度より5〜10℃高くなるように調節できる。
このように冷媒のガスクーラ出口温度と入口圧力にほぼ等しい高圧が定まり、ガスクーラ出口エンタルピも決定できる。
加熱能力はガスクーラの出入口エンタルピ差に冷媒循環量を掛けたものである。従って冷媒循環量が大きい程、また、エンタルピ差が大きいほど、加熱能力も大きくなる。ガスクーラで冷媒と熱交換し加熱された水の熱量は、この加熱能力にほぼ等しいものとなる。給水温度は通常、季節・気温によりほぼ一定なので、出湯温度は水流量により変化する。
つまり、少ない水量を供給すれば出湯温度が上昇し、水量を増やせば出湯温度は低下する。このように出湯温度の調節は、流量調節弁もしくは可変流量ポンプの調節により、給水流量を調節することにより可能となる。
このように、気温が決まると、圧縮機吸入ガス温度が適正過熱度になるように膨張弁で冷媒供給量を調節制御できるので、ほとんど自動的に給湯加熱能力が決まってくる。
【0025】
ところで、上記の論理は、適正な高圧圧力と低圧圧力が前提である。
低圧圧力は適正な設計を行えば上述のとおり気温によって蒸発温度(低圧圧力)を決めることができる。
蒸発可能な冷媒量は膨張弁によって適正な過熱度となるような自動制御が可能である。
【0026】
高圧圧力はガスクーラの放熱能力と関係する。前述のとおり、この放熱能力は冷媒循環量と高圧側エンタルピ差の積である冷媒の加熱能力とバランスするものである。バランスを維持するためには熱交換面を介して冷媒側温度と水側温度との間に温度差が必要となる。この温度差は冷媒ガス側の伝熱性能や水側の伝熱性能,熱交換器としての伝熱面積などにより基本的には決まってくる。
しかし、適正な冷媒量が閉サイクル内に充填されていなければ、冷凍サイクルとして成り立たなくなる。過大な冷媒量が高圧側に存在すると、熱交換以前に異常高圧となるので、設計圧力以下に設定された保護装置により運転停止することとなったり、不必要な高圧上昇となり、成績係数低下の原因となる。冷媒量が少なすぎると蒸発器に適正な冷媒量を膨張弁によって自動供給できなくなり、蒸発温度(低圧圧力)が異常に低下することとなり、成績係数低下の原因となる。
【0027】
前述のように、通常は蒸発器での冷媒蒸発温度は気温より10〜15℃低くなる。つまり、気温により蒸発温度(低圧圧力)がほぼ決まるので、蒸発器,冷媒熱交換器の低圧側、アキュムレータ、圧縮機内部の低圧チャンバに存在する冷媒量は、その圧力や温度における冷媒の密度より求めることができる。
高圧側のガスクーラ、冷媒熱交換器の高圧側についても、目標とする適正な圧力や温度における冷媒量を求めることができる。
【0028】
以下の表1は、試験されたCO2ヒートポンプ給湯機の冷凍サイクルの、季節(気温)変動による低圧側と高圧側の冷媒分布量の一例である。
ガスクーラは二重管方式の向流型熱交換器としたので、高圧側空間は低圧側空間より遙かに少ないものとなっている。
その空間明細は次の通りである。
試験機のガスクーラは、内径が4.8mmで、長さ23mの銅管を伝熱管としており、冷媒空間は約0.4リットル、圧縮機の高圧部は約0.2リットル、冷媒熱交換器と配管は0.2リットル未満の容積であり、合計の高圧空間は約0.8リットルとなっている。
一方、圧縮機の低圧部は5リットル、蒸発器となる空気熱交換器は1.1リットル、アキュムレータは1.9リットルであり、合計の低圧空間は約8リットルとなっている。
【0029】
【表1】
【0030】
これらの気温で運転する場合の最適冷媒量は、この表の通りと考えられる。
冬季(気温−8℃)と夏季(気温+35℃)とでは、最適冷媒量が異なっており、表より1.568kg−1.110kg=0.458kgの差がある。また、表1のとおり、試験のCO2ヒートポンプ給湯機では、高圧側の空間は全体空間の9%であり、残りの91%が低圧空間となっているので、高圧空間としては無視できるほど小さいと云える。
また、高圧側の冷媒量は低圧側の冷媒量より少ないものと成っている。このようなヒートポンプ給湯システムは、高圧による爆発などの破壊エネルギーも少なくすることができる。
【0031】
しかし、上記の如く高圧空間が少ない場合、夏季のヒートポンプ運転中の冷媒分布は、気温が高く蒸発温度(低圧圧力)が上昇するために低圧空間の冷媒密度が上がり、低圧空間に存在する冷媒重量比率が上がるため、その分、高圧側の冷媒量が不足してきて、高圧が低めとなりやすい。
【0032】
また、膨張弁は高圧と低圧との差圧により冷媒を流す能力が変化するので、夏季は差圧も少なくなり、全開になっても冷媒流量が不足する場合がある。つまり、蒸発器に適正な冷媒量を膨張弁によって自動供給できなくなり、蒸発温度(低圧圧力)が異常に低下することとなり、やはり、成績係数低下の原因となる。この場合は圧縮機の吸入ガスも吐出ガス温度も大きすぎることとなり、圧縮機や冷凍機油の寿命を損なうこともある。このような不都合が発生する。
【0033】
一方、夏季の運転のために最適な冷媒量を閉サイクル内に充填すれば、冬季に高圧が上昇しすぎて冷凍サイクルとして成立しなくなる場合がある。つまり、過大な冷媒量が高圧側に存在することとなり、熱交換以前に異常高圧となるので、設計圧力以下に設定された保護装置により運転停止することとなったり、不必要な高圧上昇となり、成績係数低下の原因となる。給湯負荷は冬季の方が大きく、運転時間も長い。
貯湯する場合でも高温貯湯が要求されるのが普通であり、高圧は自然と高くなりやすいので、消費電力も大きくなる。年間を通じた成績係数を考えると、冬季主体の冷媒充填量とすることが好ましく、やむなく夏季の運転効率(成績係数COP)が低下してしまう。
【0034】
試験機としたCO2ヒートポンプ給湯機の場合、前記表1のとおり使用最低気温と最高気温での最適冷媒量の差を制御すれば、目標とする高圧や低圧が得られ、年間を通じて安定した運転ができる。
この試験機の例のように、高圧側空間の少ないCO2ヒートポンプ給湯機 の場合は、一般的に、同様の設計が可能である。
試験機の場合は冷媒充填量を夏季の最適量1.586kg(100%)として、冬季の最適量である1.110kg(71%)との差である0.458kg(29%)を高圧側空間のガスクーラ出口部から、膨張弁の間の空間のどこかで吸収できれば良いこととなる。
【0035】
通常CO2ヒートポンプ給湯機の場合、ガスクーラ出口部の冷媒ガス温度を液体となる約31℃以下となるまで冷却し、給水温度に接近させるとガスクーラ出入口エンタルピ差が大きくなるので冷媒加熱能力も大きくなる。同一の高圧圧力で運転すれば圧縮機動力は変化しないので成績係数COPが大きくなり好ましいし、実際にそのように制御され運転できる。冷媒ガスの密度としては液が最大であり、圧縮機吐出チャンバに近い高温吐出ガスであるほど冷媒ガスの密度が低い。
従って吸収効率としては、液となるガスクーラ出口部を含み、冷媒熱交換器高圧側を経由して冷媒膨張弁4に至る空間で吸収するのが好ましい。
【0036】
本発明において、運転する最低気温と最高気温を設定し、これにもとづきあらかじめ設計された高圧側冷媒空間(バッファ)を高圧側のガスクーラ出口部を含み、冷媒膨張弁入口までの間に設置したことは、かかる理由によるものである。これを更に例えば図で説明すると、冷媒熱交換器3の高圧側がガスクーラ2出口側に配置されると冷媒熱交換器3の低圧側は蒸発器5である空気熱交換器の出口低温冷媒により冷却が可能となる。
【0037】
蒸発温度は夏季の最高気温でも通常15℃以下であるし、冬季は0℃以下で運転されるので、高圧側の冷媒は冷媒熱交換器出口において最低温度となる。従って31℃より充分に低い温度とすることができるので高圧における低温液冷媒として高密度で効率よく、最も少ない空間(バッファ)での吸収が可能となる。
このように、冬季と夏季の高圧側冷媒量の差に相当する空間に等しい冷媒空間(バッファ)を設置すれば、年間を通じてバッファ下流の膨張弁に低温液冷媒として供給できる。この場合、ガスクーラ内部に存在する冷媒量は、バッファで吸収されうる冷媒量を含む必要がなくなるので、高圧異常となったり、不必要に大きな高圧圧力となることなく、安定した運転を年間を通じて行うことができる。
【0038】
かくして、以上のようにして、本発明ヒートポンプ給湯機においては、給湯加熱のための目標とする冷凍サイクル上の高圧側ガスクーラ出入口の状態(圧力・温度)が最適となるように調整することが可能となり、課題とした季節(気温)変動による低圧側冷媒量の変動により目標とする高圧が変動することを防止して、年間を通じて効率よく安定した給湯を可能ならしめる。
なお、以上の説明においては、CO2を冷媒に用いたCO2ヒートポンプ給湯機について説明したが、本発明は特にCO2冷媒に適応し、好結果をもたらすが、同効な地球環境にやさしい冷媒の使用を妨げるものではない。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上のように圧縮機,ガスクーラ,冷媒熱交換器,冷媒膨張弁,蒸発器を冷媒配管により順次接続し、圧縮機吸入側にアキュムレータを配し、水を向流型ガスクーラへ通水させて昇温させるヒートポンプ給湯機において、運転する最低気温と最高気温を設定し、これにもとづきあらかじめ設定された高圧側の冷媒空間(バッファ)を主回路より枝分かれして細い枝管で接続して設けたものであり、冬季と夏季の高圧側冷媒量の差をバッファに吸収することにより高圧側冷媒空間を少なくしても異常高圧による爆発などの破壊エネルギーを少なくし、安全性を高めることができると共に、季節(気温)変動による低圧側冷媒量の変動により高圧が変動することを防止し、季節変動に応じ目標とする最適な冷媒量調整と、最適な出湯温度とが簡単な構成で実現でき、成績係数も高く、極めて経済性に富み、年間を通じ効率よく安定した給湯を可能ならしめる顕著な効果を有する。
しかも、本発明においてはバッファを主回路より枝管により分岐して接続していることから、起動時に稍温度の影響を受け、流体の進入を受けるが次第に冷却吸収し、効果的にクッション機能を奏することができる。
また、冷媒漏れに際しては高圧圧力が低下するが、バッファ付設のヒーターを作動させることにより、高圧圧力を安定させることができる効用を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒートポンプ給湯機の冷凍サイクルの1例を示す図である。
【図2】本出願人がさきに提案した冷凍サイクル例を示す図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 ガスクーラ
3 冷媒熱交換器
4 冷媒膨張弁
5 蒸発器(空気熱交換器)
7 アキュムレータ
9 高圧側の冷媒空間(バッファ)
11 デフロスト電磁弁
12 水入口
13 給湯水出口
Claims (4)
- 圧縮機,ガスクーラ,冷媒熱交換器,冷媒膨張弁,蒸発器を冷媒配管により順次、接続し、圧縮機吸入側にアキュムレータを配し、かつ圧縮機吐出側よりガスクーラに至る配管途中より分岐してデフロスト電磁弁より冷媒膨張弁下流に至る冷媒制御回路を設けると共に、水を向流型ガスクーラへ通水せしめて昇温させるヒートポンプ給湯機において、運転する最低気温と最高気温を設定し、あらかじめ設計された高圧側の冷媒空間をヒータ付設バッファとして高圧側のガスクーラ出口部を含み、冷媒膨張弁入口までの経路間で枝分かれした枝管により接続して設け高圧圧力を安定化させたことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
- 圧縮機吸入側にアキュムレータを配し冷媒熱交換器の高圧側がガスクーラ出口に、低圧側が空気熱交換器とアキュムレータの間となるように設置された請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
- 向流型ガスクーラが二重管方式など、高圧側冷媒量が少なくなる熱交換器である請求項1又は2記載のヒートポンプ給湯機。
- 出湯温度の調節を給水流量を調節することにより行う請求項1,2又は3記載のヒートポンプ給湯機。
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