JP3600046B2 - 車両の床下監視装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の床下に設けられた床下機器を車両の走行中に監視するための車両の床下監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電車の床下には電車駆動用主電動機の制御装置や電車内で使用する電力を供給するための電源装置等の床下機器が設けられており、電車の整備や点検の際には、その床下機器についても点検する必要がある。そこで、現状では、車庫に電車を収納し、電車を停止させた状態で床下機器の動作点検を行っている。
【0003】
電車を停止させた状態での動作点検では、電車を走行させることができない等の制約条件がある。すなわち、床下機器を正確に点検するには、床下機器が通常の動作している状態で点検することが望ましい。そのためには各床下機器を動作させ、電車の走行中に点検を行う必要性が高くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電車走行中に床下機器を点検するには、地上側から非接触で床下機器を監視することが必要となる。
【0005】
一般に、電車の床下機器である制御装置や電源装置等は発熱体であり、これら床下機器に異常が発生すると、各床下機器の発する熱量は通常の発熱量と異なったものとなる。つまり、通常の発熱量も大きい発熱量となったり、逆に小さい発熱量となったりする。そこで、電車の走行中に床下機器の点検を行うには、この通常と異なる発熱量を非接触で検出して床下機器の異常と判定することが考えられる。
【0006】
走行中電車の床下機器の発熱量を非接触で検出しようとした場合、その検出は、屋外で実施することになるため、外乱に強く誤検出を少なくした検出手段が必要となる。また、どの車両のどこの床下機器が異常なのかを特定できることが望ましく、そのような床下監視装置が要請されている。
【0007】
本発明の目的は、車両の床下機器の異常をその走行中に地上側から非接触で検出することができ、さらにどこの車両のどこの床下機器が異常なのかを特定することができる車両の床下監視装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、地上に設けられ走行中列車の側面から非接触で各車両の床下温度を一定の周期で時系列的に取得し車両床下温度データとして検出する温度検出手段と、前記温度検出手段と同一周期で車両速度を時系列的に検出する速度検出手段と、光反射型センサで構成され、前記走行中列車の反射光のある部分を車両部分と認識し反射光のない部分を連結器部分と認識することにより、前記走行中列車の各車両の先端部及び後端部の通過時刻を検出する車両位置検出手段と、前記温度検出手段で検出された時系列の車両床下温度データに基づいて縦軸が車両床下温度で横軸が通過時刻である車両床下温度の熱グラフを作成する熱グラフ作成手段と、前記車両位置検出手段で検出された各車両の先端部の通過時刻及び後端部の通過時刻、並びに、前記速度検出手段で検出された時系列の車両速度に基づいて、前記熱グラフ作成手段で作成された前記熱グラフの横軸を各車両ごとに分割すると共に距離に変換し前記各車両の長さに対応した熱グラフに修正する熱グラフ修正手段と、前記各車両の長さに対応して車両形式ごとに前記車両床下の温度制限値カーブを予め記憶した温度制限値カーブ記憶手段と、前記熱グラフ修正手段で修正された熱グラフと前記温度制限値カーブ記憶手段に記憶された温度制限値カーブとを比較しその比較結果を出力する演算手段とを備えたものである。
【0009】
請求項1の発明では、列車と非接触に地上に設けられた温度検出手段は、走行中の列車の側面から一定の周期で通過車両の床下温度を検出する。温度検出手段で得られた時系列の車両床下温度は熱グラフ作成手段に入力され、縦軸が車両床下温度で横軸が各車両の通過時刻である車両床下温度の熱グラフが作成される。熱グラフ修正手段は車両位置検出手段で検出された各車両の先端部の通過時刻及び後端部の通過時刻、並びに、速度検出手段で検出された時系列の車両速度に基づいて、熱グラフ作成手段で作成された前記熱グラフの横軸を各車両ごとに分割すると共に距離に変換し前記各車両の長さに対応した熱グラフに修正する。そして、演算手段は熱グラフ修正手段で修正された熱グラフと温度制限値カーブ記憶手段に記憶された温度制限値カーブとを比較しその比較結果を出力する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、温度検出手段は、検出した車両床下温度から外気温度を減算した値を車両床下温度データとして検出するようにしたものである。
【0011】
請求項2の発明では、検出した床下温度から外気温度を減算して床下機器の発熱量に対応した車両床下温度を検出する。したがって、外気温度に影響されずに床下機器の発熱量に対応する温度を検出できる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、温度検出手段は、1周期ごとに車両の床下を垂直方向にスキャンして複数個の温度データを取得し、この複数個の温度データの加算値から外気温度に温度データの個数を乗算した値を減算し、この減算により得られた値を1周期分の車両床下温度データとして検出するようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明では、温度検出手段は車両床下垂直方向に対して複数個の温度データを取得しこれらを加算し加算個数分の外気温度を減算する。したがって、床下機器の発熱量に対応する温度を複数倍の感度で検出することが可能となり、外乱に対する温度検出精度を向上させる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すブロック構成図である。この床下監視装置は、列車の線路近くの地上側に設置され、かつ建築限界を侵さない場所に設置する。
【0017】
床下監視装置の温度検出手段1は、車両の床下温度を検出するものであり、地上に列車と非接触に設けられている。そして、走行中の列車の側面から一定の周期で通過車両の床下温度を検出する。この温度検出手段1は赤外線カメラで構成され、列車の各車両の床下を垂直方向にスキャンしながら床下機器の表面温度を検出する。
【0018】
すなわち、温度検出手段1は、1周期ごとに車両の床下を垂直方向にスキャンして複数個(N個)の温度データを取得する。つまり、床下機器に対し垂直方向の異なるN点での温度データを1周期で取得する。そして、これらN個の温度データ加算する。したがって1周期分のデータとしては実際の床下温度に対しN倍の値を示していることになり、これによりS/N比を向上させる。
【0019】
次に、その加算値から、外気温度検出手段2で検出された外気温度にNを乗算した値を減算する。これは、各々の温度データは、外気温度に床下機器の表面温度が加算された値であるので、床下機器の発熱量に対する温度を得るためである。したがって、この減算により得られた値は、床下機器の発熱量に対する床下機器温度の約N倍の温度値を示している。温度検出手段1は、この値を1周期分の車両床下温度データとして検出する。
【0020】
熱グラフ作成手段3は、温度検出手段1で得られる時系列の車両床下温度データに基づいて、縦軸が車両床下温度で横軸が各車両の通過時刻である車両床下温度の熱グラフを作成する。図2は、熱グラフ作成手段3にて作成した車両1台分の車両床下温度の熱グラフを示す。
【0021】
図2において、温度検出手段2は、車両4の床下を1周期ごとに垂直方向スキャンする。すなわち、スキャニングライン5に沿って車両床下の高さh分をスキャンして複数個(N個)の温度データを取得する。この検出したN個の温度データは、各スキャニングライン5ごとに垂直方向に加算され、外気温度分を減算(外気温度にNを乗算した値を減算)して1周期分の車両床下温度データが演算される。そして、熱グラフ作成手段3にて各周期の車両床下温度データを時系列的にプロットして熱グラフ特性曲線6が作成される。
【0022】
ここで、車両の床下には床下機器7が設けられており、床下機器7が配置された部分と配置されていない部分とでは温度差が生じているので、温度検出手段1である赤外線カメラは、その温度差を床下機器7の表面温度として検出することになる。なお、車両の床下には床下機器7の他に車輪8が配置されているので、車輪8の表面温度も検出することになる。
【0023】
このようにした作成された熱グラフ特性曲線6は、演算手段9に入力され、温度制限値記憶手段10に予め記憶された床下機器7の温度制限値と比較される。すなわち、演算手段9では熱グラフ作成手段3で作成された熱グラフ特性曲線6における床下機器7の温度データに対応する部分と温度制限値記憶手段10に記憶された温度制限値とを比較する。車両4の床下における車輪8の温度特性は既知であるので、その部分の温度データは除外して床下機器7が配置されている部分の温度データについてその温度制限値と比較する。そして、その比較結果を出力手段11に出力する。なお、車輪8の温度データを含めてその制限値と比較することも可能である。
【0024】
以上の説明では、外気温度検出手段2を設け、温度検出手段1で取得した温度データから外気温度分を減算し、床下機器7の発熱量に対する車両床下温度データを検出するようにしたが、外気温度検出手段2を省略することも可能である。この場合には、温度制限値記憶手段10に予め記憶させておく制限値として外気温度分を加算した温度制限値を設定しておく。この温度制限値は季節(外気温度の変化)に応じて複数個のものを予め用意しておき、季節に応じて任意に選択できるようにしておく。
【0025】
また、車両の形式によって、配置される床下機器7の位置や特性が異なるので、温度制限値記憶手段10には予め車両形式に応じた温度制限値を予め記憶しておく。一方、温度検出手段1において、1周期分の車両床下温度データとして車両床下の垂直方向の複数個の温度データを加算して得るようにしたが、検出精度がが許容できる場合には、1点での温度データを使用するようにしても良い。
【0026】
以上のように、この第1の実施の形態による床下監視装置は、車両の床下機器7の表面温度を垂直方向にスキャンしながら、地上側と電車側面から非接触で検出し、その検出した温度データを垂直方向に加算し、各スキャニングライン5ごとに加算して1周期分の車両床下温度データを計算する。したがって、床下機器と周囲温度との温度差はより大きな値として検出できるので、S/N比が向上する。
【0027】
そして、車両床下温度データに基づいて作成された熱グラフ特性曲線と予め設定しておいた温度制限値とを比較し、その比較結果を出力手段11に表示あるいは信号出力する。これにより、床下機器7の点検が列車の走行中に適正に行うことができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図3は本発明の第2の実施の形態を示すブロック構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、車両の速度を検出する速度検出手段12と、車両の位置を検出する車両位置検出手段13と、熱グラフ修正手段14とを追加して設け、温度制限値記憶手段10に代えて温度制限値カーブを予め記憶した温度制限値カーブ記憶手段15を設けたものである。
【0029】
本発明では、車両4の床下温度を列車の走行中に測定するため、一定周期で車両床下温度データを読み込んでも、車両4の走行速度が異なった場合には、熱グラフ作成手段3で作成した熱グラフ特性曲線は車両4ごとに長さが異なることになる。これは、熱グラフの横軸は車両の通過時刻で示されるからである。そこで、この第2の実施の形態では、熱グラフ作成手段3で作成した熱グラフを車両の長さに対応した熱グラフ特性曲線に修正する。つまり、車両4の走行速度を検出して、熱グラフ修正手段14で熱グラフ特性曲線を補正する。そして、車両4の床下のどの位置に床下機器7が設置されているかを判別し易くしたものである。
【0030】
図3において、図1に示した構成要素と同一部分には同一符号を付しその説明は省略する。速度検出手段12は光反射型センサで構成され、速度検出手段12から出力した反射光に基づいて車両の走行速度を検出する。速度検出手段12は温度検出手段1と同一周期で車両速度を時系列的に検出する。
【0031】
一方、車両位置検出手段13も同様に光反射型センサで構成される。車両位置検出手段13から出力した光は列車の車両部分では反射するため、その反射光により車両部分と認識し、車両4の連結器部分では反射光がないため連結器部分と認識する。これにより、走行中列車の各車両の先端部及び後端部の通過時刻を検出し、車両位置を検出する。
【0032】
熱グラフ修正手段14は、車両位置検出手段13で検出された各車両の通過時刻及び速度検出手段12で検出された時系列の車両速度に基づいて、熱グラフ作成手段3で作成された熱グラフの横軸を距離に変換し、各車両の長さに対応した熱グラフに修正する。そして、演算手段9は、熱グラフ修正手段14で修正された熱グラフと温度制限値カーブ記憶手段15に予め記憶された温度制限値カーブとを比較しその比較結果を出力手段11に出力する。
【0033】
図4は、複数個の車両を連結した列車に対して、熱グラフ作成手段3で作成した熱グラフ特性曲線を示すものである。図4に示すように、列車の走行速度は必ずしも一定速度であるとは限らないので、列車の走行速度が変化した場合には各車両4の長さが異なったものとなる。これは横軸を列車の通過時間としているので、同じ車両の長さであっても各車両の通過時間が異なるためである。走行速度が遅い場合には、4両目の車両のように車両4の長さは大きくなり、走行速度が速い場合には1両目や7両目のように車両4の長さは小さくなる。
【0034】
そこで、この第2の実施の形態では、横軸を車両長さにとり各車両の長さがその長さに応じた長さになるように、熱グラフを変換する。この変換は以下のようにしてなされる。
【0035】
すなわち、熱グラフ修正手段14は、まず、車両位置検出手段13によって検出された車両4の先端部の通過時刻と後端部の通過時刻に基づいて、熱グラフ作成手段3で得られた熱グラフ特性曲線を各車両ごとに分割する。そして、各車両4ごとの熱グラフ特性曲線を横軸方向に伸縮させる。
【0036】
この伸縮の度合いは、各車両4の走行速度と各車両4の通過時間の積により決定する。1車両分の長さは既知であるが、このようにして得られた熱グラフ特性曲線上での車両の長さと既知である1車両分の長さとは、検出誤差等により一致しない場合がある。そこで、車両4の先端部と後端部との間の長さと既知である1車両分の長さとの比により、再度、車両4ごとの熱グラフ特性曲線を横軸方向に伸縮させる。この様にして、車両4に対応した熱グラフ特性曲線が得られる。
【0037】
以上のように得られた熱グラフ特性曲線に対し、温度制限値カーブ記憶手段には、図5に示すような上側温度制限値カーブ16と下側温度制限値カーブ17とを予め記憶させておく。この上側温度制限値カーブ16と下側温度制限値カーブ17は、車両の形式に応じて予め定めた温度制限値カーブであり、車両の形式により異なる床下機器の配置位置や特性を予め考慮に入れて記憶しておく。
【0038】
演算手段9は、熱グラフ修正手段14で得られた車両4の長さに対応した熱グラフ特性曲線6と、温度制限値カーブ記憶手段15に予め記憶された温度制限値カーブ16、17とを比較し、熱グラフ特性曲線6が上側温度制限値カーブ16及び下側温度制限値カーブ17内であれば正常とし、逸脱した場合には異常と判定する。例えば、図5に示すように、熱グラフ特性曲線6が上側温度制限値カーブ16よりも大きい部分18を異常とする。さらに、この熱グラフ特性曲線6は車両4の長さ及び形式に対応しているため、どの車両4のどの床下機器7が異常なのかを特定することができる。
【0039】
このように、列車は電動車や付随車等の車両の形式により搭載される床下機器7が異なるので、図5に示したような上側温度制限値カーブ16及び下側温度制限値カーブを車両形式ごとに異なったパターンとして温度制限値カーブ記憶手段15に予め記憶させておき、それぞれ車両形式に応じた温度制限値カーブのパターンで熱グラフ特性曲線と比較する。この場合、1編成中の車両形式の組み合わせは固定であるので、車両位置検出手段13によって得られる車両部分の情報をカウントすることで車両形式を特定することができる。
【0040】
以上述べたように、この第2の実施の形態によれば、車両の基準位置及び車両床下温度の検出時の車両の走行速度を検出し、熱グラフ特性曲線を横軸が距離の熱グラフ特性曲線に修正するので、床下機器7が車両走行方向上のいずれの位置にあるかを判別することができる。したがって、予め床下機器7の車両走行方向の位置に対応した温度制限値カーブを記憶しておき、熱グラフ特性曲線をその温度制限値カーブと比較することで、どの車両のどの床下機器が異常なのかを特定することができ、車両形式に応じて適正に車両の床下機器を監視することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、車両の床下機器からの発熱を地上側から非接触で測定して熱データ特性曲線を作成し、予め定めた温度制限値と比較するので、車両の床下機器の異常を列車の走行中に地上側から非接触で検出することができる。
【0042】
また、熱データ特性曲線の横軸を各車両ごとに分割すると共に距離に変換するので、熱グラフ特性曲線と、車両の床下に配置された各機器の位置とを各車両について対応させることが出来る。従って、熱グラフ特性曲線に対して、予め定めた温度制限値カーブと比較することにより、各車両についてどの床下機器が異常なのかを特定することが出来る。
【0043】
また、床下機器の発熱による温度を検出するようにしているので、外気温度に影響されずに床下機器の異常を監視することできる。
【0044】
また、垂直方向にスキャンして測定した温度値を加算し、各ラインごとに加算温度値を計算し熱グラフを作成するので、S/N比が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる床下監視装置のブロック構成図である。
【図2】図2は、熱グラフ作成手段にて作成した車両1台分の車両床下温度の熱グラフ特性曲線の説明図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる床下監視装置のブロック構成図である。
【図4】図4は、複数個の車両を連結した列車に対して熱グラフ作成手段で作成した熱グラフ特性曲線の説明図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態における温度制限値カーブの説明図である。
【符号の説明】
1 温度検出手段
2 外気温度検出手段
3 熱グラフ作成手段
4 車両
5 スキャニングライン
6 熱グラフ特性曲線
7 床下機器
8 車輪
9 演算手段
10 温度制限値記憶手段
11 出力手段
12 速度検出手段
13 車両位置検出手段
14 熱グラフ修正手段
15 温度制限値カーブ記憶手段
16 上側温度制限値カーブ
17 下側温度制限値カーブ
18 異常部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の床下に設けられた床下機器を車両の走行中に監視するための車両の床下監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電車の床下には電車駆動用主電動機の制御装置や電車内で使用する電力を供給するための電源装置等の床下機器が設けられており、電車の整備や点検の際には、その床下機器についても点検する必要がある。そこで、現状では、車庫に電車を収納し、電車を停止させた状態で床下機器の動作点検を行っている。
【0003】
電車を停止させた状態での動作点検では、電車を走行させることができない等の制約条件がある。すなわち、床下機器を正確に点検するには、床下機器が通常の動作している状態で点検することが望ましい。そのためには各床下機器を動作させ、電車の走行中に点検を行う必要性が高くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電車走行中に床下機器を点検するには、地上側から非接触で床下機器を監視することが必要となる。
【0005】
一般に、電車の床下機器である制御装置や電源装置等は発熱体であり、これら床下機器に異常が発生すると、各床下機器の発する熱量は通常の発熱量と異なったものとなる。つまり、通常の発熱量も大きい発熱量となったり、逆に小さい発熱量となったりする。そこで、電車の走行中に床下機器の点検を行うには、この通常と異なる発熱量を非接触で検出して床下機器の異常と判定することが考えられる。
【0006】
走行中電車の床下機器の発熱量を非接触で検出しようとした場合、その検出は、屋外で実施することになるため、外乱に強く誤検出を少なくした検出手段が必要となる。また、どの車両のどこの床下機器が異常なのかを特定できることが望ましく、そのような床下監視装置が要請されている。
【0007】
本発明の目的は、車両の床下機器の異常をその走行中に地上側から非接触で検出することができ、さらにどこの車両のどこの床下機器が異常なのかを特定することができる車両の床下監視装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、地上に設けられ走行中列車の側面から非接触で各車両の床下温度を一定の周期で時系列的に取得し車両床下温度データとして検出する温度検出手段と、前記温度検出手段と同一周期で車両速度を時系列的に検出する速度検出手段と、光反射型センサで構成され、前記走行中列車の反射光のある部分を車両部分と認識し反射光のない部分を連結器部分と認識することにより、前記走行中列車の各車両の先端部及び後端部の通過時刻を検出する車両位置検出手段と、前記温度検出手段で検出された時系列の車両床下温度データに基づいて縦軸が車両床下温度で横軸が通過時刻である車両床下温度の熱グラフを作成する熱グラフ作成手段と、前記車両位置検出手段で検出された各車両の先端部の通過時刻及び後端部の通過時刻、並びに、前記速度検出手段で検出された時系列の車両速度に基づいて、前記熱グラフ作成手段で作成された前記熱グラフの横軸を各車両ごとに分割すると共に距離に変換し前記各車両の長さに対応した熱グラフに修正する熱グラフ修正手段と、前記各車両の長さに対応して車両形式ごとに前記車両床下の温度制限値カーブを予め記憶した温度制限値カーブ記憶手段と、前記熱グラフ修正手段で修正された熱グラフと前記温度制限値カーブ記憶手段に記憶された温度制限値カーブとを比較しその比較結果を出力する演算手段とを備えたものである。
【0009】
請求項1の発明では、列車と非接触に地上に設けられた温度検出手段は、走行中の列車の側面から一定の周期で通過車両の床下温度を検出する。温度検出手段で得られた時系列の車両床下温度は熱グラフ作成手段に入力され、縦軸が車両床下温度で横軸が各車両の通過時刻である車両床下温度の熱グラフが作成される。熱グラフ修正手段は車両位置検出手段で検出された各車両の先端部の通過時刻及び後端部の通過時刻、並びに、速度検出手段で検出された時系列の車両速度に基づいて、熱グラフ作成手段で作成された前記熱グラフの横軸を各車両ごとに分割すると共に距離に変換し前記各車両の長さに対応した熱グラフに修正する。そして、演算手段は熱グラフ修正手段で修正された熱グラフと温度制限値カーブ記憶手段に記憶された温度制限値カーブとを比較しその比較結果を出力する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、温度検出手段は、検出した車両床下温度から外気温度を減算した値を車両床下温度データとして検出するようにしたものである。
【0011】
請求項2の発明では、検出した床下温度から外気温度を減算して床下機器の発熱量に対応した車両床下温度を検出する。したがって、外気温度に影響されずに床下機器の発熱量に対応する温度を検出できる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、温度検出手段は、1周期ごとに車両の床下を垂直方向にスキャンして複数個の温度データを取得し、この複数個の温度データの加算値から外気温度に温度データの個数を乗算した値を減算し、この減算により得られた値を1周期分の車両床下温度データとして検出するようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明では、温度検出手段は車両床下垂直方向に対して複数個の温度データを取得しこれらを加算し加算個数分の外気温度を減算する。したがって、床下機器の発熱量に対応する温度を複数倍の感度で検出することが可能となり、外乱に対する温度検出精度を向上させる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すブロック構成図である。この床下監視装置は、列車の線路近くの地上側に設置され、かつ建築限界を侵さない場所に設置する。
【0017】
床下監視装置の温度検出手段1は、車両の床下温度を検出するものであり、地上に列車と非接触に設けられている。そして、走行中の列車の側面から一定の周期で通過車両の床下温度を検出する。この温度検出手段1は赤外線カメラで構成され、列車の各車両の床下を垂直方向にスキャンしながら床下機器の表面温度を検出する。
【0018】
すなわち、温度検出手段1は、1周期ごとに車両の床下を垂直方向にスキャンして複数個(N個)の温度データを取得する。つまり、床下機器に対し垂直方向の異なるN点での温度データを1周期で取得する。そして、これらN個の温度データ加算する。したがって1周期分のデータとしては実際の床下温度に対しN倍の値を示していることになり、これによりS/N比を向上させる。
【0019】
次に、その加算値から、外気温度検出手段2で検出された外気温度にNを乗算した値を減算する。これは、各々の温度データは、外気温度に床下機器の表面温度が加算された値であるので、床下機器の発熱量に対する温度を得るためである。したがって、この減算により得られた値は、床下機器の発熱量に対する床下機器温度の約N倍の温度値を示している。温度検出手段1は、この値を1周期分の車両床下温度データとして検出する。
【0020】
熱グラフ作成手段3は、温度検出手段1で得られる時系列の車両床下温度データに基づいて、縦軸が車両床下温度で横軸が各車両の通過時刻である車両床下温度の熱グラフを作成する。図2は、熱グラフ作成手段3にて作成した車両1台分の車両床下温度の熱グラフを示す。
【0021】
図2において、温度検出手段2は、車両4の床下を1周期ごとに垂直方向スキャンする。すなわち、スキャニングライン5に沿って車両床下の高さh分をスキャンして複数個(N個)の温度データを取得する。この検出したN個の温度データは、各スキャニングライン5ごとに垂直方向に加算され、外気温度分を減算(外気温度にNを乗算した値を減算)して1周期分の車両床下温度データが演算される。そして、熱グラフ作成手段3にて各周期の車両床下温度データを時系列的にプロットして熱グラフ特性曲線6が作成される。
【0022】
ここで、車両の床下には床下機器7が設けられており、床下機器7が配置された部分と配置されていない部分とでは温度差が生じているので、温度検出手段1である赤外線カメラは、その温度差を床下機器7の表面温度として検出することになる。なお、車両の床下には床下機器7の他に車輪8が配置されているので、車輪8の表面温度も検出することになる。
【0023】
このようにした作成された熱グラフ特性曲線6は、演算手段9に入力され、温度制限値記憶手段10に予め記憶された床下機器7の温度制限値と比較される。すなわち、演算手段9では熱グラフ作成手段3で作成された熱グラフ特性曲線6における床下機器7の温度データに対応する部分と温度制限値記憶手段10に記憶された温度制限値とを比較する。車両4の床下における車輪8の温度特性は既知であるので、その部分の温度データは除外して床下機器7が配置されている部分の温度データについてその温度制限値と比較する。そして、その比較結果を出力手段11に出力する。なお、車輪8の温度データを含めてその制限値と比較することも可能である。
【0024】
以上の説明では、外気温度検出手段2を設け、温度検出手段1で取得した温度データから外気温度分を減算し、床下機器7の発熱量に対する車両床下温度データを検出するようにしたが、外気温度検出手段2を省略することも可能である。この場合には、温度制限値記憶手段10に予め記憶させておく制限値として外気温度分を加算した温度制限値を設定しておく。この温度制限値は季節(外気温度の変化)に応じて複数個のものを予め用意しておき、季節に応じて任意に選択できるようにしておく。
【0025】
また、車両の形式によって、配置される床下機器7の位置や特性が異なるので、温度制限値記憶手段10には予め車両形式に応じた温度制限値を予め記憶しておく。一方、温度検出手段1において、1周期分の車両床下温度データとして車両床下の垂直方向の複数個の温度データを加算して得るようにしたが、検出精度がが許容できる場合には、1点での温度データを使用するようにしても良い。
【0026】
以上のように、この第1の実施の形態による床下監視装置は、車両の床下機器7の表面温度を垂直方向にスキャンしながら、地上側と電車側面から非接触で検出し、その検出した温度データを垂直方向に加算し、各スキャニングライン5ごとに加算して1周期分の車両床下温度データを計算する。したがって、床下機器と周囲温度との温度差はより大きな値として検出できるので、S/N比が向上する。
【0027】
そして、車両床下温度データに基づいて作成された熱グラフ特性曲線と予め設定しておいた温度制限値とを比較し、その比較結果を出力手段11に表示あるいは信号出力する。これにより、床下機器7の点検が列車の走行中に適正に行うことができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図3は本発明の第2の実施の形態を示すブロック構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、車両の速度を検出する速度検出手段12と、車両の位置を検出する車両位置検出手段13と、熱グラフ修正手段14とを追加して設け、温度制限値記憶手段10に代えて温度制限値カーブを予め記憶した温度制限値カーブ記憶手段15を設けたものである。
【0029】
本発明では、車両4の床下温度を列車の走行中に測定するため、一定周期で車両床下温度データを読み込んでも、車両4の走行速度が異なった場合には、熱グラフ作成手段3で作成した熱グラフ特性曲線は車両4ごとに長さが異なることになる。これは、熱グラフの横軸は車両の通過時刻で示されるからである。そこで、この第2の実施の形態では、熱グラフ作成手段3で作成した熱グラフを車両の長さに対応した熱グラフ特性曲線に修正する。つまり、車両4の走行速度を検出して、熱グラフ修正手段14で熱グラフ特性曲線を補正する。そして、車両4の床下のどの位置に床下機器7が設置されているかを判別し易くしたものである。
【0030】
図3において、図1に示した構成要素と同一部分には同一符号を付しその説明は省略する。速度検出手段12は光反射型センサで構成され、速度検出手段12から出力した反射光に基づいて車両の走行速度を検出する。速度検出手段12は温度検出手段1と同一周期で車両速度を時系列的に検出する。
【0031】
一方、車両位置検出手段13も同様に光反射型センサで構成される。車両位置検出手段13から出力した光は列車の車両部分では反射するため、その反射光により車両部分と認識し、車両4の連結器部分では反射光がないため連結器部分と認識する。これにより、走行中列車の各車両の先端部及び後端部の通過時刻を検出し、車両位置を検出する。
【0032】
熱グラフ修正手段14は、車両位置検出手段13で検出された各車両の通過時刻及び速度検出手段12で検出された時系列の車両速度に基づいて、熱グラフ作成手段3で作成された熱グラフの横軸を距離に変換し、各車両の長さに対応した熱グラフに修正する。そして、演算手段9は、熱グラフ修正手段14で修正された熱グラフと温度制限値カーブ記憶手段15に予め記憶された温度制限値カーブとを比較しその比較結果を出力手段11に出力する。
【0033】
図4は、複数個の車両を連結した列車に対して、熱グラフ作成手段3で作成した熱グラフ特性曲線を示すものである。図4に示すように、列車の走行速度は必ずしも一定速度であるとは限らないので、列車の走行速度が変化した場合には各車両4の長さが異なったものとなる。これは横軸を列車の通過時間としているので、同じ車両の長さであっても各車両の通過時間が異なるためである。走行速度が遅い場合には、4両目の車両のように車両4の長さは大きくなり、走行速度が速い場合には1両目や7両目のように車両4の長さは小さくなる。
【0034】
そこで、この第2の実施の形態では、横軸を車両長さにとり各車両の長さがその長さに応じた長さになるように、熱グラフを変換する。この変換は以下のようにしてなされる。
【0035】
すなわち、熱グラフ修正手段14は、まず、車両位置検出手段13によって検出された車両4の先端部の通過時刻と後端部の通過時刻に基づいて、熱グラフ作成手段3で得られた熱グラフ特性曲線を各車両ごとに分割する。そして、各車両4ごとの熱グラフ特性曲線を横軸方向に伸縮させる。
【0036】
この伸縮の度合いは、各車両4の走行速度と各車両4の通過時間の積により決定する。1車両分の長さは既知であるが、このようにして得られた熱グラフ特性曲線上での車両の長さと既知である1車両分の長さとは、検出誤差等により一致しない場合がある。そこで、車両4の先端部と後端部との間の長さと既知である1車両分の長さとの比により、再度、車両4ごとの熱グラフ特性曲線を横軸方向に伸縮させる。この様にして、車両4に対応した熱グラフ特性曲線が得られる。
【0037】
以上のように得られた熱グラフ特性曲線に対し、温度制限値カーブ記憶手段には、図5に示すような上側温度制限値カーブ16と下側温度制限値カーブ17とを予め記憶させておく。この上側温度制限値カーブ16と下側温度制限値カーブ17は、車両の形式に応じて予め定めた温度制限値カーブであり、車両の形式により異なる床下機器の配置位置や特性を予め考慮に入れて記憶しておく。
【0038】
演算手段9は、熱グラフ修正手段14で得られた車両4の長さに対応した熱グラフ特性曲線6と、温度制限値カーブ記憶手段15に予め記憶された温度制限値カーブ16、17とを比較し、熱グラフ特性曲線6が上側温度制限値カーブ16及び下側温度制限値カーブ17内であれば正常とし、逸脱した場合には異常と判定する。例えば、図5に示すように、熱グラフ特性曲線6が上側温度制限値カーブ16よりも大きい部分18を異常とする。さらに、この熱グラフ特性曲線6は車両4の長さ及び形式に対応しているため、どの車両4のどの床下機器7が異常なのかを特定することができる。
【0039】
このように、列車は電動車や付随車等の車両の形式により搭載される床下機器7が異なるので、図5に示したような上側温度制限値カーブ16及び下側温度制限値カーブを車両形式ごとに異なったパターンとして温度制限値カーブ記憶手段15に予め記憶させておき、それぞれ車両形式に応じた温度制限値カーブのパターンで熱グラフ特性曲線と比較する。この場合、1編成中の車両形式の組み合わせは固定であるので、車両位置検出手段13によって得られる車両部分の情報をカウントすることで車両形式を特定することができる。
【0040】
以上述べたように、この第2の実施の形態によれば、車両の基準位置及び車両床下温度の検出時の車両の走行速度を検出し、熱グラフ特性曲線を横軸が距離の熱グラフ特性曲線に修正するので、床下機器7が車両走行方向上のいずれの位置にあるかを判別することができる。したがって、予め床下機器7の車両走行方向の位置に対応した温度制限値カーブを記憶しておき、熱グラフ特性曲線をその温度制限値カーブと比較することで、どの車両のどの床下機器が異常なのかを特定することができ、車両形式に応じて適正に車両の床下機器を監視することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、車両の床下機器からの発熱を地上側から非接触で測定して熱データ特性曲線を作成し、予め定めた温度制限値と比較するので、車両の床下機器の異常を列車の走行中に地上側から非接触で検出することができる。
【0042】
また、熱データ特性曲線の横軸を各車両ごとに分割すると共に距離に変換するので、熱グラフ特性曲線と、車両の床下に配置された各機器の位置とを各車両について対応させることが出来る。従って、熱グラフ特性曲線に対して、予め定めた温度制限値カーブと比較することにより、各車両についてどの床下機器が異常なのかを特定することが出来る。
【0043】
また、床下機器の発熱による温度を検出するようにしているので、外気温度に影響されずに床下機器の異常を監視することできる。
【0044】
また、垂直方向にスキャンして測定した温度値を加算し、各ラインごとに加算温度値を計算し熱グラフを作成するので、S/N比が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる床下監視装置のブロック構成図である。
【図2】図2は、熱グラフ作成手段にて作成した車両1台分の車両床下温度の熱グラフ特性曲線の説明図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる床下監視装置のブロック構成図である。
【図4】図4は、複数個の車両を連結した列車に対して熱グラフ作成手段で作成した熱グラフ特性曲線の説明図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態における温度制限値カーブの説明図である。
【符号の説明】
1 温度検出手段
2 外気温度検出手段
3 熱グラフ作成手段
4 車両
5 スキャニングライン
6 熱グラフ特性曲線
7 床下機器
8 車輪
9 演算手段
10 温度制限値記憶手段
11 出力手段
12 速度検出手段
13 車両位置検出手段
14 熱グラフ修正手段
15 温度制限値カーブ記憶手段
16 上側温度制限値カーブ
17 下側温度制限値カーブ
18 異常部分
Claims (3)
- 地上に設けられ走行中列車の側面から非接触で各車両の床下温度を一定の周期で時系列的に取得し車両床下温度データとして検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段と同一周期で車両速度を時系列的に検出する速度検出手段と、
光反射型センサで構成され、前記走行中列車の反射光のある部分を車両部分と認識し反射光のない部分を連結器部分と認識することにより、前記走行中列車の各車両の先端部及び後端部の通過時刻を検出する車両位置検出手段と、
前記温度検出手段で検出された時系列の車両床下温度データに基づいて縦軸が車両床下温度で横軸が通過時刻である車両床下温度の熱グラフを作成する熱グラフ作成手段と、
前記車両位置検出手段で検出された各車両の先端部の通過時刻及び後端部の通過時刻、並びに、前記速度検出手段で検出された時系列の車両速度に基づいて、前記熱グラフ作成手段で作成された前記熱グラフの横軸を各車両ごとに分割すると共に距離に変換し前記各車両の長さに対応した熱グラフに修正する熱グラフ修正手段と、
前記各車両の長さに対応して車両形式ごとに前記車両床下の温度制限値カーブを予め記憶した温度制限値カーブ記憶手段と、
前記熱グラフ修正手段で修正された熱グラフと前記温度制限値カーブ記憶手段に記憶された温度制限値カーブとを比較しその比較結果を出力する演算手段と
を備えたことを特徴とする車両の床下監視装置。 - 前記温度検出手段は、検出した車両床下温度から外気温度を減算した値を車両床下温度データとして検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両の床下監視装置。
- 前記温度検出手段は、1周期ごとに前記車両の床下を垂直方向にスキャンして複数個の温度データを取得し、この複数個の温度データの加算値から外気温度に前記温度データの個数を乗算した値を減算し、この減算により得られた値を1周期分の車両床下温度データとして検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両の床下監視装置。
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