JP3597324B2 - 不織布の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は不織布の製造方法に関する。より詳細には、分割性繊維を分割して極細繊維を発生させる不織布の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、分割性繊維を含む繊維ウエブに対して高圧水流ジェットを作用させて極細繊維を発生させる場合、水平方向に移動する通水性のネットで繊維ウエブを支持した状態で高圧水流ジェットを作用させていた。この方法によると、分割性繊維の分割が進行するにつれて通水性が低下し、排水を十分に行なうことが困難になるため、繊維ウエブ上又は繊維ウエブ中に、排水されていない余剰水が滞留するという現象が生じていた。このような現象が生じると、余剰水のないところでは高圧水流ジェットの十分なエネルギーを作用させることができるが、余剰水のあるところでは余剰水によって高圧水流ジェットのエネルギーが吸収され、高圧水流ジェットのエネルギーを十分に作用させることができないため、分割性繊維の分割が不均一になり、結果として、均一な地合いを有する不織布を製造することが困難であった。
【0003】
なお、一般的な水流絡合不織布の製造方法として、特開昭53−14874号公報には、余剰水を効率的に除去できるように、特殊形状を有する支持体を使用すること開示している。しかしながら、このような支持体によって分割性繊維を含む繊維ウエブを支持し、高圧水流ジェットを作用させることにより分割性繊維を分割しようとしても、繊維の融通性が高いために、分割性繊維が分割して極細繊維を発生する前に、繊維ウエブがバラバラになりやすく、不織布を製造すること自体が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、均一な地合いを有する不織布を製造することのできる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の不織布の製造方法は、分割性繊維を含む繊維ウエブを結合した後、この結合した繊維ウエブを湾曲部を有し、かつ非通水性の支持体で支持した状態で、この結合した繊維ウエブに対して、上述した支持体の最下部で高圧水流ジェットを作用させ、少なくともこの分割性繊維を分割する方法である。このように、本発明においては、湾曲部を有する支持体の最下部で高圧水流ジェットを作用させているため、水は重力によって速やかに流れ落ち、余剰水の滞留が生じず、高圧水流ジェットを均一に作用させることができるので、均一な地合いの不織布を形成することができる。また、分割性繊維を含む繊維ウエブを結合して、繊維の融通性を低くした後に高圧水流ジェットを作用させているので、分割性繊維を確実に分割して極細繊維を発生させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で使用できる分割性繊維としては、外力によって2本以上の繊維に分割可能なものや、フィブリル化可能なものを使用できる。前者の外力によって2本以上の繊維に分割可能な分割性繊維としては、例えば、繊維断面形状が海島型、多重バイメタル型、オレンジ型、或は少なくとも1つの島成分が海島型、多重バイメタル型、オレンジ型である海島型、少なくとも1つの樹脂成分が海島型、多重バイメタル型、オレンジ型である多重バイメタル型又はオレンジ型の分割性繊維を使用できる。これらの中でも、後述のように、分割性繊維の樹脂成分を融着したとしても分割しやすい、樹脂成分が繊維表面に露出している多重バイメタル型又はオレンジ型の分割性繊維を好適に使用できる。
【0007】
この外力によって2本以上の繊維に分割可能な分割性繊維は、2種類以上の樹脂成分からなるが、例えば、2種類の樹脂成分からなる場合の樹脂成分の組み合わせとしては、ポリアミド系樹脂とポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂などの異種の樹脂成分の組み合わせや、ポリプロピレンとポリエチレンのように、同種(溶解度パラメーターが近似する)の樹脂成分のみの組み合わせがある。
【0008】
本発明においては、溶解度パラメーターが近似する同種の樹脂成分のみの組み合わせという、相溶性が高く、分割しにくい分割性繊維であっても、後述のように、繊維ウエブを予め結合しておくことにより、分割可能になるという特長がある。なお、後述のように、分割性繊維を構成する樹脂成分を融着する場合には、分割性繊維全体が融着しないように、融着する樹脂成分と融着しない樹脂成分との間に10℃以上の融点差があるのが好ましい。
【0009】
他方、フィブリル化可能な分割性繊維としては、溶剤抽出法により紡糸したセルロース繊維(テンセル繊維)、特開平2−175915号公報などに記載されているようなアクリル繊維、部分鹸化ポリビニルアルコールとセルロースアセテートとを混合紡糸した繊維、紡糸後に熱処理をしていない液晶ポリエステル繊維(例えば、(株)クラレ製、商標名;ベクトランNT)などがある。
【0010】
また、このような化学繊維や合成繊維の他に、特に湿式法により繊維ウエブを形成する場合においては、吸水性を生かす目的などのために、木材や植物からなるパルプのような、高圧水流ジェットの剪断力によってフィブリル化可能な分割性繊維を配合することができる。従来製紙用途において、このようなパルプは予めレファイナーなどのメカニカルな剪断力によってフィブリル化した後に抄造しており、湿式不織布の製造工程においては、濾水抵抗が大きすぎて応用しにくいのであるが、本発明においては、濾水抵抗の少ないフイブリル化前のパルプを配合することにより抄紙を容易にし、しかも繊維ウエブの結合により強度を一旦もたせた後に、高圧水流ジェットの剪断力を作用させることにより、フィブリル化すると同時に、配合した他の繊維との絡み合いも起こるので、工程的な面と強度的な面において好適である。
【0011】
このような分割性繊維は分割して発生する極細繊維の特性を引き出せるように、繊維ウエブ中、20mass%以上含まれているのが好ましく、40mass%以上含まれているのがより好ましい。
【0012】
なお、分割性繊維以外の繊維としては、例えば、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ガラス繊維などの無機繊維、綿や麻などの植物繊維、羊毛などの動物繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維、或は2種類以上の樹脂成分からなる芯鞘型、偏芯型、貼り合わせ型などの熱融着性繊維などの合成繊維を使用できる。
【0013】
これらの中でも、熱融着性繊維は繊維ウエブを結合することができるので、好適に使用できる。この熱融着性繊維を含む場合には、分割性繊維の分割性を妨げないように、熱融着性繊維の樹脂成分として、分割性繊維を構成する樹脂成分のうち、最も高い融点を有する樹脂成分よりも10℃以上低い融着成分を含んでいるのが好ましい。また、この熱融着性繊維は繊維ウエブを結合でき、分割性繊維の分割性を妨げないように、10〜40mass%含まれているのが好ましい。
【0014】
なお、この熱融着性繊維の融着成分の融点が分割性繊維を構成するいずれの樹脂成分の融点よりも低い場合、熱融着性繊維の融着成分のみを融着させたり、熱融着性繊維の融着成分及び分割性繊維の樹脂成分を融着させることにより、必要とする強度や風合などを調節できるという特長がある。前者の結合した繊維ウエブに高圧水流ジェットを作用させると、分割性繊維の分割及び絡合が生じやすく、後者の結合した繊維ウエブに高圧水流ジェットを作用させると、主として分割性繊維の分割が生じる。
【0015】
より具体的には、融点が215℃のナイロン6と融点が257℃のポリエステルとからなる分割性繊維と、融点が170℃の変性ポリアミドからなる鞘成分と融点が257℃のポリエステルを芯成分とする芯鞘型の熱融着性繊維とからなる繊維ウエブを、170℃程度の温度で処理した場合には、熱融着性繊維の鞘成分しか融着しないので、比較的繊維の融通性が高く、高圧水流ジェットを作用させると、分割性繊維の分割及び絡合が生じ、より風合の柔らかい不織布を形成することができ、210℃程度の温度で処理した場合には、熱融着性繊維の鞘成分及び分割性繊維のナイロン6成分の融着が生じているので、繊維の融通性が低く、高圧水流ジェットを作用させると、主として分割性繊維の分割が生じ、より強度的に優れた不織布を形成することができる。
【0016】
このような繊維を使用して繊維ウエブを形成するが、繊維ウエブの形成方法としては、乾式法、湿式法のいずれの方法であっても良い。湿式法で形成した繊維ウエブの方が均一な地合いを有するため好適であるが、湿式法で使用できる繊維の長さが乾式法で使用できる繊維よりも短いために、高圧水流ジェットを作用させると繊維ウエブが崩れやすいものであり、また、繊維ウエブが崩れないように、通気性のある支持体を使用し、サクションしながら高圧水流ジェットを作用させたとしても、繊維の融通性が高いために繊維が移動して、容易に絡合及び/又は分割できず(特に同種の樹脂成分からなる場合)、湿式法で形成した繊維ウエブに対して、高圧水流ジェットを作用させることは不可能であった。しかしながら、本発明においては、予め繊維ウエブを結合しておくことにより、この問題は解決された。
【0017】
本発明においては、繊維ウエブを予め結合することにより、高圧水流ジェットの作用下における構成繊維の融通性を抑えて、繊維ウエブの形態を維持しながら、繊繊の分割が可能となるような工程強度を付与している。本発明においては、分割性繊維の融通性を抑えるために結合していることから、分割性繊維同士、又は他の構成繊維を含んでいる場合には、分割性繊維と他の構成繊維との絡合はあまり生じず、主として分割性繊維の分割が生じる。そのため、高圧水流ジェットを作用させることにより、結合した繊維ウエブ(以下、「結合ウエブ」という)の強度の低下が生じるが、工程中に破断しないように、引張強さが500N/m以上、より好ましくは1,000N/m以上となるように結合する。
【0018】
この繊維ウエブの結合方法としては、例えば、繊維ウエブにおける熱融着性成分を融着する方法、バインダーで接着する方法、ニードルパンチや高圧水流ジェットにより絡合する方法、ステッチする方法などを、単独で又は組み合わせることにより結合できる。これらの中でも繊維ウエブにおける熱融着性成分を融着する方法であると、高圧水流ジェットの作用により構造が緩んだり破壊されにくく、しかも容易に前記引張強さを有する結合ウエブを形成できるため、好適である。
【0019】
この熱融着性成分としては、一般的には繊維ウエブ中に混合した熱融着性繊維の融着成分である。しかしながら、本発明においては、分割性繊維の融通性をできるだけ抑えることができるように、また、できるだけ引張強さを大きくするのが好ましいので、分割性繊維を構成する樹脂成分のうち、最も高い融点を有する樹脂成分以外の、少なくとも1種類の樹脂成分を融着するのが好ましい。分割性繊維全体を融着させると、フィルム状になってしまい、繊維ウエブが収縮したり、風合いが硬くなるうえに、分割が困難になるためである。そのため、熱融着性繊維も融着する場合には、熱融着性繊維の融着成分の融点が、分割性繊維を構成する樹脂成分のうち、最も高い融点を有する樹脂成分の融点よりも10℃以上低いのが好ましい。
【0020】
次いで、この結合ウエブ1を湾曲部を有する支持体2で支持し、この支持体の最下部で、結合ウエブ1に高圧水流ジェット3を作用させて、分割性繊維を分割する。このように、湾曲部を有する支持体2を使用することにより、作用した高圧水流ジェット3は重力によって速やかに落下するため、余剰水による弊害をなくすことができる。また、重力によって作用した水を除去でき、真空発生装置、サクションボックス、或はコンベヤー駆動装置などの大掛かりな装置を必要としないので、装置が単純な分だけ安定して生産することができ、エネルギー的にも優れている。
【0021】
この湾曲部を有する支持体2とは、図1に支持体2の断面模式図を示すように、支持体2の断面において、曲線である部分rを有するものである。本発明の湾曲部を有する支持体2はどのようなものであっても良いが、ロール形状であると、結合ウエブ1の移動と同調して回転することにより、結合ウエブ1に不要な張力をかけて巾引きを生じさせたり、切断を生じさせるということがないので、好適に使用できる。
【0022】
本発明の湾曲部を有する支持体2が通水性であると、通水することによって開口部分における結合ウエブ1を斑状態にしやすいため地合いが悪くなりやすく、また、分割した繊維が開口部に絡み付きやすく、支持体2から不織布を引き剥がす際に毛羽立ったり、巾引きが生じるなどの問題が発生しやすいので、非通水性とする必要がある。また、同様の理由から、支持体表面は平滑(凹凸がない)であるのが好ましい。
【0023】
なお、支持体表面はどのような材質から構成されていても良いが、耐水性の硬質樹脂からなるものや、剛性の高いステンレススチールのような錆びないものからなると、長期にわたり安定して高圧水流ジェット3を作用させることができ、生産が安定するので、好適に使用できる。
【0024】
また、支持体断面において曲線である部分(湾曲部)rの曲率半径は、水はけ性に優れるように、また、安定して高圧水流ジェット3を作用させることができるように、5〜500mmであるのが好ましく、より好ましくは50〜250mmである。
【0025】
このような支持体2で結合ウエブ1を支持した状態で、当該支持体の最下部で高圧水流ジェット3を作用させて、少なくとも分割性繊維を分割する。一般的に、分割性繊維を含む繊維ウエブに対して高圧水流ジェット3を作用させると、分割性繊維を分割すると同時に絡合するが、本発明においては、繊維自由度をおさえるように予め結合したウエブ1に対して高圧水流ジェット3を作用させているため、絡合はあまり生じず、主として分割性繊維の分割が生じる。この傾向は、本発明において好適である分割性繊維の樹脂成分を融着した場合に大きい。
【0026】
また、繊維ウエブを結合することにより、骨格構造をほぼ形成した後に高圧水流ジェット3を作用させて分割性繊維の分割を行なっているため、腰や剛性の優れた不織布を形成することができるという特長がある。そのため、本発明の不織布は腰や剛性を必要とする用途、例えば、電池用のセパレータ用として好適に使用することができる。
【0027】
なお、本発明においては結合ウエブ1を使用しているため、重力により結合ウエブ1を支持できない箇所(図2のgの領域)において、別の支持体によって結合ウエブ1を下側から支える必要がないので、図2のように、結合ウエブ1を重力により支持できない箇所(図2のgの領域)に配したとしても、別の支持体の影響を受けず、地合いのより優れた不織布を製造できる。また、この重力により結合ウエブ1を支持できない箇所(図2のgの領域)は、重力による排水を効率的に行なうことができる箇所であるため、製造上も好適である。なお、この重力により結合ウエブ1を支持できない箇所(図2のgの領域)においては、高圧水流ジェット3の圧力が別の支持体としての働きもすることになる。
【0028】
本発明において、結合ウエブ1を重力により支持できない箇所(図2のgの領域)に高圧水流ジェットを作用させるのが好ましく、水流が最も落下しやすい、支持体2の最下部(図2参照)に作用させる。
【0029】
高圧水流ジェット3の噴出角度は特に限定するものではないが、結合ウエブ1の地合いを乱さないように、支持体2の作用箇所に対して直角に噴出するのが好ましい。この高圧水流ジェット3による作用は結合ウエブ1の片面又は両面から作用させれば良いが、両面とも作用(特に交互に作用)させるのが好ましく、また、1つの支持体2に対して2箇所以上で高圧水流ジェット3を作用させても良い。2箇所以上で高圧水流ジェット3を作用させる場合も、いずれの高圧水流ジェット3も支持体2の作用箇所に対して直角に噴出するのが好ましい。
【0030】
なお、高圧水流ジェット3を噴出するノズルプレートとしては、孔径0.05〜3mmのノズルを、ピッチ0.2〜5mmで配置したノズル列を1列以上有するものが好ましい。
【0031】
本発明における「高圧」とは1MPa以上であることをいう。より具体的には、ポリアミド系樹脂とポリエステル系樹脂などの、分割しやすい異種の樹脂成分の組み合わせからなる分割性繊維を含む繊維ウエブに対して水流ジェットを作用させる場合には、2〜10MPa程度の水流ジェットを作用させ、ポリプロピレンとポリエチレンのように、分割しにくい同種の樹脂成分のみの組み合わせからなる分割性繊維を含む繊維ウエブに対して水流ジェットを作用させる場合には、5〜15MPa程度の水流ジェットを作用させる。なお、ノズルプレートと結合ウエブ1との距離は、水流噴出時の形状(例えば、柱状)を維持できるように、また、エネルギー効率の点から10〜50mmであるのが好ましい。
【0032】
また、支持体2から反射した高圧水流ジェット3(反射流4)が周囲に飛散しないように、反射板5を設け、更に反射板5の下方に回収用の容器を設置するのが好ましい。このような構成にすることにより、この反射板5によって下方に落下し、容器によって回収した水を再度使用することができる。
0033
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、分割性繊維の分割性は不織布表面及び断面を電子顕微鏡で観察して評価したものであり、地合いの均一性は反射光,透過光による目視の方法により評価したものである。
0034
【実施例】
(実施例1)ポリエステル樹脂(融点;260℃、断面扇形状)とナイロン6樹脂(融点;217℃、断面扇形状)とが互いに分離したオレンジ状の断面形状を有し、16本の繊維に分割可能な分割性繊維(線密度0.22mg/m、繊維長38mm)80mass%と、ナイロン66樹脂を変性ナイロン樹脂(融点;170℃)で被覆した芯鞘型の熱融着性繊維(線密度0.22mg/m、繊維長38mm)20mass%とを混綿し、カード機により繊維ウエブを形成した。
0035
次いで、この繊維ウエブを熱風温度170℃のエアースルードライヤーにより、熱融着性繊維の変性ナイロン樹脂のみを融着させて、引張強さ840N/mの結合ウエブを形成した。
0036
そして、この結合ウエブを、非通水性であり、平滑な表面を有するステンレススチールからなる半径100mmのロール状支持体で支持しながら、支持体の最下部に対して直角で、15mm離れた所に位置する、孔径0.13mm、ピッチ0.6mmで一列に配置したノズルプレートから圧力5Mpaの水流ジェットを噴出して、結合ウエブの両面交互に処理した。
0037
次いで、同様のノズルプレートから同様にして圧力8MPaの水流ジェットを噴出して、結合ウエブの両面を交互に処理し、更に、同様のノズルプレートから同様にして圧力10MPaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面を交互に処理した。なお、結合ウエブの移動速度は20m/minであり、これに同調してロール状支持体も回転させた。また、それぞれのロール状支持体の周囲には反射板を設けて、反射した水流を下方に位置する容器に導き、再度利用した。
0038
その後、高圧水流ジェットを作用させた結合ウエブを熱風温度168℃のエアースルードライヤーにより乾燥し、面密度75g/mの不織布を製造した。この不織布は、分割性繊維がほぼ完全に分割して極細繊維を発生しており、部分的には絡合しているものの、基本骨格構造は高圧水流ジェット処理前の結合ウエブと同じで、しかも分割ムラのない地合いの均一なものであった。
0039
(比較例1)実施例1と全く同様にして得た結合ウエブを、線径0.112mmのステンレススチールワイヤーからなる、目の開きが0.14×0.17mmで線密度100×90メッシュの長尺メッシュ状支持体で支持しながら、支持体の上側に対して直角で、15mm離れた所に位置する、孔径0.13mm、ピッチ0.6mmで一列に配置したノズルプレートから圧力5Mpaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面を交互に処理した。
0040
次いで、同様のノズルプレートから同様にして圧力8MPaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面交互に処理し、更に、同様のノズルプレートから同様にして圧力10MPaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面交互に処理した。なお、結合ウエブの移動速度は20m/minであった。また、長尺メッシュ状支持体直下に20mm幅のスリットからなるサクションボックスを設置することにより、各高圧水流ジェットによる処理中、1,200〜2,800mmAqの真空を形成してジェット水を回収し、再度利用した。
0041
その後、水流ジェットを作用させた結合ウエブを熱風温度168℃のエアースルードライヤーにより乾燥し、面密度75g/mの不織布を製造した。この不織布は、分割性繊維の分割が不完全で結束した状態で残っている箇所があり、しかもムラのある、地合い均一性の悪いものであった。
0042
(実施例2)ポリプロピレン樹脂(融点;160℃、断面扇形状)と高密度ポリエチレン樹脂(融点;132℃、断面扇形状)とが互いに分離したオレンジ状の断面形状を有し、16本の繊維に分割可能な分割性繊維(線密度0.22mg/m、繊維長10mm)80mass%と、ポリプロピレン樹脂を低密度ポリエチレン樹脂(融点;110℃)で被覆した芯鞘型の熱融着性繊維(線密度0.22mg/m、繊維長10mm)20mass%とを湿式法により繊維ウエブを形成した。
0043
次いで、この繊維ウエブを熱風温度136℃のエアースルードライヤーにより、熱融着性繊維の低密度ポリエチレン樹脂及び分割性繊維の高密度ポリエチレンを融着させて、引張強さ2,560N/mの結合ウエブを形成した。
0044
そして、この結合ウエブを、非通水性であり、平滑な表面を有するステンレススチールからなる半径100mmのロール状支持体で支持しながら、支持体の最下部に対して直角で、13mm離れた所に位置する、孔径0.13mm、ピッチ0.6mmで一列に配置したノズルプレートから圧力8Mpaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面を交互に処理した。
0045
次いで、同様のノズルプレートから同様にして圧力13MPaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面を交互に2回づつ処理し、更に、同様のノズルプレートから同様にして圧力8MPaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面を交互に処理した。なお、結合ウエブの移動速度は15m/minであり、これに同調してロール状支持体も回転させた。また、それぞれのロール状支持体の周囲には反射板を設けて、反射した水流を下方に位置する容器に導き、再度利用した。
0046
その後、水流ジェットを作用させた結合ウエブを熱風温度120℃のエアースルードライヤーにより乾燥し、面密度60g/mの不織布を製造した。この不織布は、分割性繊維の80%前後が分割して極細繊維を発生しており、また、ムラのない地合いの均一なものであった。
0047
(比較例2)実施例2と全く同様にして得た結合ウエブを、線径0.112mmのステンレススチールワイヤーからなる、目の開きが0.14×0.17mmで線密度100×90メッシュの長尺メッシュ状支持体で支持しながら、支持体の上側に対して直角で、15mm離れた所に位置する、孔径0.13mm、ピッチ0.6mmで一列に配置したノズルプレートから圧力8Mpaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面交互に処理した。
0048
次いで、同様のノズルプレートから同様にして圧力13MPaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面交互に2回づつ処理し、更に、同様のノズルプレートから同様にして圧力8MPaの水流ジェットを噴出し、結合ウエブの両面交互に処理した。なお、結合ウエブの移動速度は15m/minであった。また、長尺メッシュ状支持体直下に20mm幅のスリットからなるサクションボックスを設置することにより、各高圧水流ジェットによる処理中、1,000〜2,600mmAqの真空を形成してジェット水を回収し、再度利用した。
0049
その後、水流ジェットを作用させた結合ウエブを熱風温度120℃のエアースルードライヤーにより乾燥し、面密度60g/mの不織布を製造した。この不織布は、分割性繊維が50%前後が分割して極細繊維を発生した状態であり、また、ムラの多い地合いの悪いものであった。
0050
【発明の効果】
本発明の不織布の製造方法は、分割性繊維を含む繊維ウエブを結合した後、この結合した繊維ウエブを湾曲部を有し、かつ非通水性の支持体で支持した状態で、この結合した繊維ウエブに対して、上述した支持体の最下部で高圧水流ジェットを作用させ、少なくともこの分割性繊維を分割する方法である。このように、本発明においては、湾曲部を有する非通水性の支持体を使用し、かつ当該支持体の最下部に高圧水流ジェットを作用させているため、水は重力によって速やかに流れ落ち、余剰水の滞留が生じず、高圧水流ジェットを均一に作用させることができるので、均一な地合いの不織布を形成することができる。また、分割性繊維を含む繊維ウエブを結合して、繊維の融通性を低くした後に高圧水流ジェットを作用させているので、分割性繊維を確実に分割して極細繊維を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 支持体の模式的断面図
(b) 支持体の別の模式的断面図
(c) 支持体の別の模式的断面図
(d) 支持体の別の模式的断面図
(e) 支持体の別の模式的断面図
【図2】結合した繊維ウエブに対して高圧水流ジェットを作用させる模式的断面図
【符号の説明】
1 結合した繊維ウエブ(結合ウエブ)
2 支持体
3 高圧水流ジェット
4 反射流
5 反射板
r 曲線である部分
g 重力により支持できない箇

Claims (8)

  1. 分割性繊維を含む繊維ウエブを結合した後、該結合した繊維ウエブを湾曲部を有し、かつ非通水性の支持体で支持した状態で、該結合した繊維ウエブに対して、前記支持体の最下部で高圧水流ジェットを作用させ、少なくとも該分割性繊維を分割することを特徴とする不織布の製造方法。
  2. 前記支持体がロール形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の不織布の製造方法。
  3. 前記分割性繊維が同種の樹脂成分のみからなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の不織布の製造方法。
  4. 前記繊維ウエブが分割性繊維を20mass%以上含む繊維ウエブであることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載の不織布の製造方法。
  5. 前記繊維ウエブが湿式法により得られた繊維ウエブであることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載の不織布の製造方法。
  6. 前記結合した繊維ウエブの引張強さが、500N/m(ニュートン毎メートル)以上であることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載の不織布の製造方法。
  7. 前記繊維ウエブが熱融着性繊維を含、該熱融着性繊維の融着により結合した繊維ウエブであることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載の不織布の製造方法。
  8. 前記分割性繊維を構成する樹脂成分のうち、最も高い融点を有する樹脂成分以外の、少なくとも1種類の樹脂成分の融着により結合した繊維ウエブであることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載の不織布の製造方法。
JP24433696A 1996-08-27 1996-08-27 不織布の製造方法 Expired - Fee Related JP3597324B2 (ja)

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