JP3596692B2 - 作業車の操向装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は作業車の操向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、左右の走行装置に各々独立した系統のハイドロスタティックトランスミッション(以下、HST という)を連動連結して、ハンドルの操向操作によって左右HST の出力回転数を異ならせて、左右走行装置の走行駆動速度を異ならせることにより操舵を行うようにした作業車がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記作業車では、操縦者は上記HST の変速比を変更するだけであるからハンドル操作が極めて軽いので、手ごたえではハンドルの中立位置がわかりにくく、そのため、機体を直進させるのに格別の注意を要するという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明では、左右一対の左右走行装置ごとに独立した系統のハイドロスタティックトランスミッションを連動連結し、ハンドルの回動操作によって左右ハイドロスタティックトランスミッションの出力回転数を異ならせることにより操舵を行うべく構成した作業車において、上記ハンドルにカムを連動連結し、スプリングの付勢により上記カムのカム作動面に圧接されたローラを設け、ハンドルの中立位置における上記カム作動面のローラの当接位置に、同ローラが陥入可能の陥入凹部を形成し、しかも、同陥入凹部のローラ陥入長さを、前記左右ハイドロスタティックトランスミッションの変速作動の非作動範囲に対応する長さに設定したことを特徴とする作業車の操向装置を提供せんとするものである。
【0005】
【実施例】
本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0006】
図1〜図3に示すAは、本発明に係る操向装置を具備する作業車としての農業用トラクタであり、同農業用トラクタAは、後方にロータリ耕耘作業機B等の各種作業機を三点リンク式の昇降機構Cにより昇降自在に連結して、各種作業機による作業が行なえるようにしている。
【0007】
農業用トラクタAは、図1〜図3に示すように、左右一対のクローラ式の左右走行装置1L,1R の走行フレーム2,2 間に車体フレーム3を横架し、同車体フレーム3上の前部に原動機部4を載設し、後部にはキャビン5を載設しており、キャビン5の内部後方に座席6を配設しており、同座席6前方の床部F上に操作部Mを設けて左右HST を操作するようにしている。
【0008】
原動機部4は、エンジンEと一体のユニットとして構成された左右HST の左右走行用油圧ポンプPL,PR が配設されている。
【0009】
原動機部4と左右走行装置1L,1R との間には、走行用トランスミッションTが介在しており、同走行用トランスミッションTは、図3に示すように、左右走行装置1L,1R を独立して駆動する左右駆動系DL,DR と、左右駆動系DL,DR を連結して強制的に左右走行装置1L,1R の走行駆動速度を一致させる油圧式多板クラッチ装置CLとで構成されている。
【0010】
左駆動系DLは、走行用トランスミッションTの左側部に配設した左走行用油圧モータMLの出力軸を、等速ギヤ連動機構7を介してクラッチ軸8に連動連結し、同クラッチ軸8から左ギヤ連動機構9Lを介して左車軸10L に嵌着した左走行装置1Lのスプロケット11L を駆動するようにしている。
【0011】
右駆動系DRは左駆動系DLとほぼ対称的に構成されており、前記クラッチ軸8と同一軸線上に配設した右走行用油圧モータMRの出力軸を、右ギヤ連動機構9Rとを介して右車軸10R に嵌着した右走行装置1Rのスプロケット11R を駆動するようにしている。
【0012】
そして、クラッチ軸8に油圧式多板クラッチ装置CLを介設して、同クラッチ装置CLを接続することによって、左右走行用油圧モータML,MR の回転数を強制的に一致させることにより、これらにそれぞれ連動連結した左右走行装置1L,1R の走行駆動速度を強制的に一致させるようにしている。図3中、PBは駐車ブレーキである。
【0013】
次に、図4を参照して、HST 及び油圧回路について説明する。
【0014】
左右HST は、左走行用油圧ポンプPLと左走行用油圧モータML、及び右走行用油圧ポンプPRと右走行用油圧モータMRとはそれぞれ独立した閉回路K1,K2 にて接続しており、各閉回路K1,K2 の往路側流路同士又は復路側流路側同士をそれぞれバイパス流路12a,12b を介して接続し、各バイパス流路12a,12b の中途部にそれぞれパイロット油圧作動型のバイパス弁13a,13b を設けている。
【0015】
そして、直進操作時、例えば、前進操作時には、一方のバイパス弁13a を開弁して両閉回路K1,K2 の往路側流路同士を連通させると共に、バイパス弁13b を閉弁して両閉回路K1,K2 の復路側流路同士の連通を遮断することにより、左右走行用油圧ポンプPL,PR を並列接続状態にするようにしている。
【0016】
また、後進操作時には、上記とは反対に他方のバイパス弁13b を開弁して両閉回路K1,K2 の往路側流路同士を連通させると共に、バイパス弁13a を閉弁して両閉回路K1,K2 の復路側流路同士の連通を遮断することにより、左右走行用油圧ポンプPL,PR を並列接続状態にできるようにして、油圧式多板クラッチ装置CLをクラッチ接続状態にした際に、左右走行用油圧ポンプPL,PR を並列接続状態にすることによって、左右走行用油圧ポンプPL,PR の斜板操作系統の左右不揃いや、同ポンプの個体差が原因で各油圧ポンプPL,PR の吐出量が相違していても、油圧回路に無理な負荷が作用しないようにすることができる。
【0017】
また、操向操作時には、各バイパス弁13a,13b がバイパス流路12a,12b をそれぞれ閉弁して、各閉回路K1,K2 を独立状態にすることにより、左・右走行用油圧ポンプPL,PR より左・右走行用油圧モータML,MR に圧送する圧油の量を異ならせて、各油圧モータML,MR の回転数を独立して変化させることができるようにしている。
【0018】
また、第1チャージポンプP3を油路14を介し上記閉回路K1,K2 に接続して、同閉回路K1,K2 に負圧が発生しないようすると共に、同第1チャージポンプP3をバイパス作動切換弁15にバイパスパイロット弁16を介し接続して、バイパス弁13a,13b を開閉するようにしている。
【0019】
また、クラッチ作動用油圧ポンプP1を、吐出油路17、クラッチ切換電磁弁18及び油路19を介し油圧式多板クラッチ装置CLの油室に接続している。
【0020】
そして、機体が直進状態の時にはクラッチ切換電磁弁18を励磁し、油圧式多板クラッチ装置CLの油室から圧油を走行用トランスミッションT内に排出して、上記クラッチ装置CL内に設けたスプリング22によりクラッチ接続状態にする。
【0021】
また、機体が操向状態の時にはクラッチ切換電磁弁18を励磁せず、前記クラッチ作動用油圧ポンプP1からの圧油を油圧式多板クラッチ装置CLの油室に送給して同クラッチ装置CLをクラッチ切断状態にするようにしている。
【0022】
また、第1チャージポンプP3の圧油は、モータ斜板角切換用電磁弁23にも供給されており、同モータ斜板角切換用電磁弁23の切換えにより左右走行用油圧モータML,MR の斜板操作シリンダ24L,24R が伸縮して各モータML,MR の斜板の角度が変更し、モータ回転速度を高低二段階に変更することができる。なお、このモータ斜板角切換用電磁弁23は、操作部Mの運転席近傍に設けた副変速スイッチ(図示せず)に接続している。
【0023】
P2はエンジンEに連動連結した可変容量型の作業機用油圧ポンプであって、作業機としてのロータリ耕耘作業機Bの駆動系に配設した作業機用油圧モータM2に閉回路K3を介して接続しており、同作業機用油圧ポンプP2の容量変更操作により、同作業用油圧モータM2を無段階に変速できるようにしている。P4は第2チャージポンプである。図中、25は作動油タンク、26はフィルタ、27はオイルクーラーである。
【0024】
上記のように、左走行用油圧ポンプPLと左走行用油圧モータML、及び右走行用油圧ポンプPRと右走行用油圧モータMRとを具備して、機体を直進させる場合には、油圧式多板クラッチ装置CLをクラッチ接続状態として、左右走行装置1L,1R を等速で駆動することにより直進性を向上させ、また、機体を左右いずれかの方向に操向操作する場合には、上記クラッチ装置CLを接続解除状態とし、次に説明する操作部Mの作用により、ハンドル29の回転角度に略比例して左走行用油圧モータMLと右走行用油圧モータMRとの回転数を相違させることにより機体を旋回させることができる。
【0025】
次に、操作部Mについて図5〜図8を参照しながら説明する。
【0026】
操作部Mは、ステアリングギヤボックス40上にハンドルコラム28を立設し、同ハンドルコラム28の上端部に円形状のハンドル29を配設し、同ハンドル29の左側近傍位置に変速レバー30を取付ける一方、右側近傍位置にアクセルレバー81を取付け、同アクセルレバー81の直下方位置にPTO入切レバー82を取付け、ステアリングギヤボックス40の右側方位置にブレーキペダル31を配設している。83はブレーキペダルロック機構、83a はロック用フック、83b はロック用フック回動操作レバー、84はエンジンスタータスイッチ、85はスイッチ作動板である。
【0027】
ハンドルコラム28内には、ステアリングギヤボックス40の天井壁に下端を連通連設した支持軸挿通管32を直上方へ向けて立上げ、その中途部から斜め後上方に伸延させて、同支持軸挿通管32中にハンドル軸33を挿通し、同ハンドル軸33の下端を、後述するHST 増減速機構Nの一部を構成するスライド作用体45に連動連結している。
【0028】
そして、コンドルコラム28内には、上記支持軸挿通管32の上部に上下方向に軸線を向けた支持筒34を取付ブラケット35,35 を介して取付け、同支持筒34中にレバー支軸36を挿通して、同レバー支軸36の下端を、後述するステアリングギヤボックス40内に横架した変速軸41に連動機構37を介して連動連結する一方、レバー支軸36の上端に左右走行装置1L,1R を変速操作するための変速レバー30を取付けている。
【0029】
連動機構37は、図5及び図7に示すように、レバー支軸36の下端にアーム65を取付ける一方、支持軸挿通管32に後端を固定して前端を前方へ向けて突出させた固定板68に、三角プレート67の中途部を左右幅方向に軸線を向けた枢支軸69により枢支し、同三角プレート67の一方の頂部と、上記アーム65との間に連結ロッド66を介設し、三角プレート67の他方の頂部と、同三角プレート67の直下方位置に配設したカム板71の一端との間に連結ロッド70を介設しており、同カム板71は略扇型形状に形成して、その中心部に設けた支点ボス部71b を介して支軸72に枢支し、同カム板71には支軸72の近傍より半径方向へ伸びると共に、次第に接線方向へ湾曲する円弧状のカム溝71c を開口させ、同カム溝71c に摺動ローラ73を係合して、カム溝71c に沿って摺動可能とする一方、摺動ローラ73はアーム74に支持され、同アーム74の他端は前記ステアリングギヤボックス40の上部に回転自在に横架した横軸75に固設され、同アーム74の回転方向はカム板71の回転方向と直角方向となるように配設している。つまり、摺動ローラ73の回転軌跡は支軸72を中心とした略半径方向となるようにしている。前記横軸75上にはアーム79を固設し、同アーム79に連結ロッド80の一端を枢支して連結し、同連結ロッド80の他端を前記変速軸41の端部に設けたボス部41a から突出したアーム78に枢支して連結している。
【0030】
このように構成することによって、変速レバー30を回動操作することによって、レバー支軸36が回動されて、アーム65、連結ロッド66を介して三角プレート67を回動し、その回動は連結ロッド70を介してカム板71を回動し、同カム板71の回転により摺動ローラ73がカム溝71c に沿って摺動し、アーム74を回動して、アーム79、連結ロッド80、アーム78を介して主変速軸41を回動するものである。
【0031】
また、ハンドル29をステアリングホイール式とし、その回動量に対応して左右のポンプの吐出量を変更することにより、左右走行装置1L,1R の各クローラーの回転数や回転方向を変更して機体の旋回を可能とし、更に、変速レバー30の操作により左右走行用油圧モータML,MR の回転数を2段階に変速して、変更走行速度を2段階に変更できるようにしている。
【0032】
そして、変速レバー30とハンドル29は別々に操作できるように構成しており、ステアリングギヤボックス40内において、変速レバー30とハンドル29とを、左右一対のHST 増減速機構N,Nに連動連結し、同HST 増減速機構N,Nを、図4に示すHST の左右走行用油圧ポンプPL,PR の左右斜板98,99 に連動連結し、各油圧ポンプPL,PR にそれぞれ左右走行用油圧モータML,MR を接続して、各油圧モータML,MR の左右斜板101,102 をそれぞれ制御して、左右走行装置1L,1R をそれぞれ前進・後進・停止させることができるようにしている。
【0033】
すなわち、ステアリングギヤボックス40の内部構成は、図9及び図10に示すように、略左右対称に構成されているので片側について説明すると、断面視三角形状の変速軸41の前方に変速軸41と平行にスライド軸44が横架されている。同変速軸41には操舵切替体としての左右一対のスライド体43,43 を軸線方向に摺動可能に外嵌し、同スライド体43,43 の間にハンドル29と連動連結したスライド作用体45を配設して、各スライド体43,43 にそれぞれHST 増減速機構N,Nを連動連結しており、同HST 増減速機構Nは、ガイド体50と回転子51と回転子支持アーム52と斜板作動用アーム55と第一連結ロッド56と第一アーム86と中間軸87と第二アーム88と第二ロッド89とを具備している。
【0034】
スライド作用体45は、スライド軸44に軸線方向に摺動可能に取付けた基部45b と、同基部45b に一体的に取付けて、同変速軸41の直下方に配置した本体45c とで形成され、同本体45c は同主変速軸41の側方から下方へ屈曲した断面視略L字型の形状であり、その下面には左右方向にラック45a が固定されている。
【0035】
そして、ラック45a にはピニオンギア46が噛合している。同ピニオンギア46はピニオン軸46a に固定され、同ピニオン軸46a は前記ハンドル軸33の下端に取付けている。したがって、ハンドル29を回転させると同ピニオンギア46が回動し、ラック45a が連動して左右方向に摺動し、それに伴いスライド作用体45が摺動し、ガイド支持アーム47を介してスライド体43,43 の一方を押動する。
【0036】
前記スライド体43の外周面の内側にはガイド支持アーム47のアーム支持部47a が遊嵌され、同アーム支持部47a の前側外周面部よりスライド軸44へ向けて廻止め体47b を伸延させ、同廻止め体47b をスライド軸44に左右方向にスライド自在に遊嵌する。一方、アーム支持部47a の後部より後下方へ向けて伸延させて、その先端にボス部47c を取付けて、同ボス部47c には前後方向に軸線を持つ枢支ピン47d を回動自在に内装し、同枢支ピン47d の後端にガイド体50の前壁中央部を固設している。同ガイド体50は左右方向に伸延し、後面を開放した断面視コ字状に形成している。
【0037】
また、前記スライド体43の外周より後方に向かって揺動アーム48が伸延され、同揺動アーム48の先端に伸縮調節自在の揺動リンク48c の上端を連結ピン48a を介して連結し、同揺動リンク48c の下端は前記ガイド体50の前壁一側端部を連結ピンを介して枢支している。
【0038】
また、前記ガイド体50の凹部内には、回転自在の回転子51が挿入されて、左右方向に摺動自在に嵌合しており、同回転子51の軸芯は左右方向に伸延する回転子支持アーム52の一側端部に取付けられ、同回転子支持アーム52の他側端部が前記ステアリングギヤボックス40の後壁に固設するボス部53を介し、前後方向に軸線を持つアーム支軸54により上下揺動自在に枢支され、同ステアリングギヤボックス40の外側において、同アーム支軸54の端部に上下方向に伸延する斜板作動用アーム55の端部が固定ボルト55a により固定され、他端に第一連結ロッド56の一端が連結ピン56a を介して連結され、同第一連結ロッド56の他端に、中途部がステアリングギヤボックス40の底部に枢支されたL字状レバー105 の一端が連結され、同L字状レバー105 の他端に第二連結ロッド106 の一端が連結され、同第二連結ロッド106 の他端に第一アーム86の先端が連結され、同第一アーム86の基端がHST に軸線を上下方向に向けて取付けられた中間軸87の上端に取付けられ、同中間軸87の下端に第二アーム88の基端が取付けられ、同第二アーム88の先端に第三連結ロッド89の一端が連結され、同第三連結ロッド89の他端がHST の斜板連結アーム100 に連結されている。107 はL字状レバー支軸である。
【0039】
このような構成において、ハンドル29の回転により、スライド作用体45がスライドされて、ガイド支持アーム47を介してスライド体43,43 の一方がスライド軸44及び変速軸41に沿って押動され、同スライド体43と一体的に設けられたガイド体50が、図10に示す矢印a・a方向にスライド移動される。
【0040】
そして、変速レバー30により変速軸41が回動されると、スライド体43に連結した揺動リンク48c を介してガイド体50が前記枢支ピン47d を中心に矢印b・bの如く上下揺動され、斜板作動用アーム55がアーム支軸54を中心に矢印c・cの如く揺動される。
【0041】
次に、ハンドル29及び変速レバー30を操作した時のガイド体50の状態を図11〜図14を参照しながら説明する。すなわち、変速レバー30を中立状態にし、同時に回転式のハンドル29も中立状態にした場合には、左右のガイド体50,50 、回転子支持アーム52,52 及び斜板作動用アーム55,55 は、図11に示すように、水平姿勢を保っている。この状態より変速レバー30を前進側変速位置に変速操作すると、変速軸41が回動し、左右のスライド体43,43 、揺動アーム48,48 、揺動リンク48c,48c が連動し、左右のガイド体50,50 を枢支ピン47d,47d を中心に回動させ、さらに、左右の回転子51,51 を介して回転子支持アーム52,52 、アーム支軸54,54 、斜板作動用アーム55,55 は、図12に示すように、傾斜姿勢になる。この場合は、左右走行用油圧モータML,MR を制御する左右斜板101,102 が同一傾斜角度となって、左右走行装置1L,1R は同一速度にて前進走行して、機体は直進する。
【0042】
次に、上記直進状態から、ハンドル29を右回転させて右旋回操作させると、ピニオン軸46a が回動して、ピニオンギア46に噛合するラック45a が右方向に移動し、同ラック45a と共にスライド作用体45がスライド体43を左側へ押動し摺動させる。そして、右側のガイド体50がスライド体43と共に一体的に右方向に移動し、同ガイド体50は前記傾斜姿勢のまま右側へスライド移動する。そして、右側の同ガイド体50に嵌合していた回転子51は、図13に示すように、下方に押し下げられて右側のガイド体50の略中央部位置に嵌合した状態となって、右側の回転子支持アーム52及び斜板作動用アーム55が回動されて水平姿勢に近づき、右走行用油圧モータMRを制御する右斜板102 を中立状態に近づける。この場合は、右側の走行部1が直進状態から減速又は停止し、左側の走行部1が前進走行を持続するために、機体はゆっくり右旋回する。
【0043】
次に、上記右旋回状態においてハンドル29をさらに右旋回方向に回転操作すると、右側のガイド体50は、前記傾斜姿勢のままさらに右側へスライド移動して、図14に示すように右の回転子51はガイド体50の左側部位に嵌合した状態となって、回転子支持アーム52と同斜板作動アーム55は左高右低の傾斜姿勢となり、右斜板102 を後進制御側に傾斜させる。この場合は、右側の走行部1は後進走行する一方、左側の走行部1は前進走行するので、信地旋回(ピボットターン)を行うことができる。
【0044】
かかる作業車において、本発明では、直進状態感知手段Sを設けて、直進時のハンドル操作を容易にしている。
【0045】
直進状態感知手段Sは、図5、図7及び図15で示すように、ハンドル軸33の下端部にステアリングギヤボックス40の上面に近接して、略円盤状のカム150 をハンドル軸33と軸芯を一致させ、しかも、カム150 に形成した長孔170 を挿通した取付ボルト171 を介し、ハンドル軸33に対し回動位置調整自在に取付ける一方、ステアリングギヤボックス40の上面に枢軸151 を立設して、同枢軸151 に圧接レバー152 の基端を回動自在に枢着し、同圧接レバー152 の基端から先端に向けて順に、スプリング係止孔153 、ローラ支持軸154 及びスイッチ押圧体取付部155 を形成している。
【0046】
そして、上記スプリング係止孔153 とステアリングギヤボックス40の上面に形成したスプリング係止体156 との間に、スプリング157 を所定の引張り付勢力を付与しながら張設している。
【0047】
また、ローラ支持軸154 にローラ158 を回動自在に軸支し、同ローラ158 をスプリング157 の引張り付勢によって前記カム150 のカム作動面159 に圧接可能としており、カム作動面159 には、ハンドル29を直進状態に操作したとき、上記ローラ158 が当接する位置に、同ローラ158 が陥入できる陥入凹部160 を凹設している。
【0048】
また、前記スイッチ押圧体取付部155 に、ボルト161 及びロックナット162 よりなるスイッチ押圧体163 を進退自在に螺着すると共に、ステアリングギヤボックス40の上面に前記バイパスパイロット弁16と接続したロックアップスイッチ164 を取付けて、同ロックアップスイッチ164 の作動体165 先端に軸支した小ローラ166 を上記スイッチ押圧体163 の先端に対向させて,上記ローラ158 の陥入凹部160 への陥入動作によって、ロックアップスイッチ164 を切り、バイパスパイロット弁16を作動させるようにしている。
【0049】
かかる構成によって、ハンドル29の回動操作に伴ってカム作動面159 上を転動しているローラ158 が、上記陥入凹部160 にさしかかるとスプリング157 の付勢によって急激に陥入凹部160 に陥入するため急にハンドル操作の抵抗が減じ、ローラ158 が陥入凹部160 から通常のカム作動面159 に移行するときは、急にハンドル操作の抵抗が増加するため、それまでとは異なるハンドル29の感触が発生し、この感触によって運転者がハンドル29の中立位置を手ごたえで感知することができ、しかも、カム150 に形成した長孔170 を挿通した取付ボルト171 を介し、ハンドル軸33に対し回動位置調整自在に取付けたことによって、機体の直進状態とハンドル29の直進状態とを正確に一致させることができる。
【0050】
更に、ハンドル29が直進位置のときは、ローラ158 の陥入凹部160 への陥入動作によって、ロックアップスイッチ164 が切れて、クラッチ切換電磁弁18が作動し、前記油圧式多板クラッチ装置CLを接続状態として、左右走行装置1L,1R の走行駆動速度を強制的に一致させて、機体の直進性を良好に確保すると共に、バイパスパイロット弁16を作動させて、バイパス弁13a,13b を介し、左右HST の左走行用油圧ポンプPLと左走行用油圧モータML、及び右走行用油圧ポンプPRと右走行用油圧モータMRとをそれぞれ接続する閉回路K1,K2 の往路側流路同士又は復路側流路側同士をそれぞれ連通させることにより、各ポンプ及び各モーターに無理な負荷がかからないようにすることができる。
【0051】
なお、ハンドル29が中立位置を離れて回動操作されると、ローラ158 が陥入凹部160 から通常のカム作動面159 に移行して、ロックアップスイッチ164 を導通させ、油圧式多板クラッチ装置CLを非接続状態として、左右走行装置1L,1R を相異なる速度で走行駆動することにより機体を旋回させることができる。
【0052】
また、ロックアップスイッチ164 を作動させるスイッチ押圧体163 を、ボルト161 及びロックナット162 で構成して、スイッチ押圧体取付部155 に進退自在に螺着したことにより、ロックアップスイッチ164 のストロークにスイッチ押圧体163 のストロークを合わせたり、ロックアップスイッチ164 作動のタイミングを調整することができ、更に、ロックアップスイッチ164 の小ローラ166 が、直接カム作動面159 を摺動していないので作動体165 に横向きの力が作用せず破損が防止され、また、小ローラ166 の磨耗を防止されるので、ロックアップスイッチ164 の寿命を延長することができる。
【0053】
なお、左右斜板98,99 操作系統の不揃いや、左右HST の個体差等により、図16で示すように、ハンドル回動角度と左右HST の変速動作開始時期が相違している場合、中立位置からハンドルを左右いずれかの方向へ回動していく途中で、変速動作開始時期が遅れていない方のHST だけが走行装置を駆動することになって、急激に機体が旋回したり、瞬間的ではあるが機体の向きがハンドル操作の反対に振れたりするという不具合が生ずるのであるが、上記カム作動面159 の陥入凹部160 のローラー陥入長さLを、図16で示す左右HST の変速作動の非作動範囲ZL,ZR に対応する長さに設定し、かつ、前記長孔170 によってハンドル軸33に対するカム150 の回動位置を調整することにより、左右HST の油路の連通及び左右走行装置の駆動速度の強制的一致解除のタイミングを、左右HST の出力特性に一致させて、ハンドル操作に忠実に追従した円滑な旋回を行わせることができる。
【0054】
また、図4で示すように、前記油圧回路のクラッチ切換電磁弁18と油圧式多板クラッチ装置CLの油室との間の油路19に、操作部Mに設けたロックアップ指示ランプ178 と接続した油圧スイッチ179 を連通連結して、油圧低下時にロックアップ指示ランプ178 を点灯させることにより、油圧式多板クラッチ装置CLの接続状態を運転者に報知して、誤作動による破損や事故を防止することができる。
【0055】
図17は、前記ステアリングギヤボックス40のラック45a にフレキシブルワイヤ180 の一端を連結し、他端を操作部Mに配設したインジケータ181 に連結して、ハンドル29の操作回動角度を表示するようにしたものを示している。
【0056】
【発明の効果】
左右一対の左右走行装置ごとに独立した系統のハイドロスタティックトランスミッションを連動連結し、ハンドルの回動操作によって左右ハイドロスタティックトランスミッションの出力回転数を異ならせることにより操舵を行うべく構成した作業車において、上記ハンドルにカムを連動連結し、スプリングの付勢により上記カムのカム作動面に圧接されたローラを設け、ハンドルの中立位置における上記カム作動面のローラの当接位置に、同ローラが陥入可能の陥入凹部を形成し、しかも、同陥入凹部のローラ陥入長さを、前記左右ハイドロスタティックトランスミッションの変速作動の非作動範囲に対応する長さに設定したことにより、ハンドルが中立位置を通過する際にカムとローラとの間にクリック動作が発生し、このクリック動作の手ごたえにより、ハンドルが中立位置にあることを運転者に感知させることができることから、直進時のハンドル操作を容易にすることができる。更に、左右ハイドロスタティックトランスミッションの油路の連通及び左右走行装置の駆動速度の強制的一致解除のタイミングを、左右ハイドロスタティックトランスミッションの出力特性に一致させて、ハンドル操作に忠実に追従した円滑な旋回を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る操向装置を具備する作業車の側面図。
【図2】同作業車の平面図。
【図3】走行用トランスミッションの模式説明図。
【図4】油圧回路図。
【図5】操作部の左側面図。
【図6】操作部の右側面図。
【図7】操作部の正面図。
【図8】操作部の平面図。
【図9】ステアリングギヤボックスの内部構造を示す断面平面図。
【図10】ステアリングギヤボックスの内部構造を示す部分斜視図。
【図11】中立状態でのステアリングギヤボックスの部分正面図。
【図12】直進状態でのステアリングギヤボックスの部分正面図。
【図13】右旋回状態でのステアリングギヤボックスの部分正面図。
【図14】ピボットターン状態でのステアリングギヤボックスの部分正面図。
【図15】直進状態感知手段の平面図。
【図16】HST の出力特性を示すグラフ。
【図17】ハンドル操作回動角度インジケーターの斜視図。
【符号の説明】
A 作業車
HST ハイドロスタティックトランスミッション
1L 左右走行装置
1R 右走行装置
29 ハンドル
150 カム
157 スプリング
158 ローラ
159 カム作動面
160 陥入凹部

Claims (1)

  1. 左右一対の左右走行装置(1L)(1R)ごとに独立した系統のハイドロスタティックトランスミッション(HST)を連動連結し、ハンドル(29)の回動操作によって左右ハイドロスタティックトランスミッション(HST)の出力回転数を異ならせることにより操舵を行うべく構成した作業車において、
    上記ハンドル(29)にカム(150)を連動連結し、スプリング(157)の付勢により上記カム(150)のカム作動面(159)に圧接されたローラ(158)を設け、ハンドル(29)の中立位置における上記カム作動面(159)のローラ(158)の当接位置に、同ローラ(158)が陥入可能の陥入凹部(160)を形成し、しかも、同陥入凹部 (160) のローラ陥入長さ (L) を、前記左右ハイドロスタティックトランスミッション (HST) の変速作動の非作動範囲( ZL)(ZR) に対応する長さに設定したことを特徴とする作業車の操向装置。
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