JP3589382B2 - 楽音信号生成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波形データに基づいて楽音信号を生成する楽音信号生成装置に関し、特に時間の経過に伴って音色が変化する楽音信号を生成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、波形メモリに記憶された波形データに基づいて楽音信号を生成する楽音信号生成装置が知られている。この楽音信号生成装置においては、波形データは、例えば、楽器音をマイクロフォンを用いてアナログ波形信号に変換し、このアナログ波形信号を例えばパルスコード変調(PCM)することによって作成される。より詳しくは、波形データは、アナログ波形信号を所定周波数でサンプリングし、量子化し、更に符号化することによって作成される。従って、波形データは、デジタルのサンプリングデータの集合で構成されている。そして、楽音信号生成装置は、発音指示に応じて波形メモリから波形データを読み出し、この波形データに基づいて楽音信号を生成する。
【0003】
ところが、この楽音信号生成装置では、発音時間に応じた量の波形データを波形メモリに記憶しておく必要があるので、波形データの量が膨大になるという問題がある。そこで、楽器音波形の一部分に対応する波形データ(以下、「ループ波形データ」という)だけを用意しておき、このループ波形データを繰り返し読み出すことにより楽音信号を生成する方法が開発されている。この方法によれば、従来の楽音信号生成装置に較べ、波形メモリに記憶すべき波形データの量を大幅に少なくできる。
【0004】
しかしながら、上記方法では、ループ波形データの読み出しが、その最後尾から先頭に移る際に波形の連続性が阻害される場合が多い。そこで、この連続性を確保するために、従来、種々の工夫がなされている。例えば、特公昭64−7399号公報には、クロスフェードミックスという技術が開示されている。この技術は、波形データから所定範囲αの波形データを切り出し、この切り出された波形データの最後尾から所定範囲β(β<α)の波形データに減衰特性の関数で重み付けを施し、これと、該切り出された波形データに先行する波形データであって上記所定範囲βと同じ範囲の波形データに増加特性の関数で重み付けしたものを合成してループ波形データを作成するというものである。
【0005】
また、特公平8−23753号公報には、波形データから所定範囲の波形データを切り出し、その前半部を増加関数で重み付けし、後半部を減少関数で重み付けし、これらを合成してループ波形データを作成する技術が開示されている。この技術によれば、リピート波形での先頭と最後尾が常に同じ振幅になるので、ループ波形データの読み出しが、その最後尾から先頭に移る際であっても連続性が確保される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記何れの技術においても、発音開始から終了までの間は同一のループ波形データが繰り返して読み出されるだけであるので、発音の途中で音色を変化させることはできない。一方、ユーザは発音途中で音色を変化させたいという要望を持っている。このような要望に応えるために、従来の楽音信号生成装置はフィルタを有している。そして、上記ループ波形データの繰り返し読み出しによって生成された楽音信号を、このフィルタでフィルタリングすることにより音色を変化させるようになっている。
【0007】
ところで、フィルタによる音色変化は、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ等といったフィルタのタイプを選択したり、カットオフ周波数、レゾナンス等といったフィルタに供給するパラメータを変化させることにより実現できる。しかし、フィルタのタイプやパラメータの種類には限度があるので、実現可能な音色変化にも限界がある。また、フィルタを構成するためのハードウェア及び/又はソフトウェアが必要であるので、楽音信号生成装置の構成が複雑になり、しかも高価になる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、フィルタを用いなくてもバラエティに富んだ音色変化を行わせるための楽音信号を簡単に生成でき、しかも安価な楽音信号生成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の楽音信号生成装置は、
複数の音色の夫々に対応する複数の元波形データを記憶する波形データメモリと、
該波形データメモリに記憶された複数の元波形データの中から、楽音信号の生成に使用するための複数の元波形データを加工用波形データとして選択する選択手段と、
該選択手段で選択された複数の加工用波形データを、それらの混合比率を時間の経過に連れて順次変化させながら混合することにより混合波形データを生成する混合手段と、
該混合手段から順次得られる混合波形データにクロスフェード処理を行い、以てループ波形データを生成するループ波形データ生成手段と、
該ループ波形データ生成手段で順次生成されたループ波形データに基づき楽音信号を生成する楽音信号生成手段、とを備えている。
【0010】
上記波形データメモリは、例えばリードオンリメモリ(以下、「ROM」という)で構成できる。また、上記選択手段、混合手段、ループ波形データ生成手段及び楽音信号生成手段は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(以下、「DSP」という)や中央処理装置(以下、「CPU」という)といったプロセッサの処理によって構成することができる。なお、これらは、ハードウェアで構成することができることは勿論である。
【0011】
本発明の楽音信号生成装置は、複数の元波形データの中から選ばれた複数の加工用波形データを、それらの混合比率を時間の経過に連れて順次変化させながら混合し、この混合された波形データにクロスフェード処理を行ってループ波形データを生成し、この生成されたループ波形データに基づいて楽音信号を生成する。従って、時間の経過に伴って混合比率が変化することにより音色が変化するので、フィルタを用いなくても音色を変化させることができる。
【0012】
前記選択手段は、外部からの楽音データに基づいて、前記波形データメモリに記憶された複数の元波形データの中から、楽音信号の生成に使用するための複数の元波形データを加工用波形データとして選択するように構成できる。上記「外部からの楽音データ」には、例えば発音又は消音及びその際の音高を指定するための音高データ、音の強さを指定するためのタッチデータ、音色を選択するための音色データ、エフェクトの種類を指定するためのエフェクトデータ等が含まれる。
【0013】
なお、上記選択手段に加えて、データ入力手段を更に設け、このデータ入力手段から複数の加工用波形データを直接選択するように構成してもよい。この構成によれば、複数の加工用波形データは、外部からの楽音データによって選択される他、ユーザが直接選択することもできるので、より使い勝手に優れた楽音信号生成装置を提供できる。
【0014】
また、前記混合手段は、外部からの楽音データに基づいて、前記選択手段で選択された複数の加工用波形データの混合形態を決定するように構成できる。ここで、「混合形態」とは、例えば図5(A)〜(E)に示すような、複数の加工用波形データの混合の仕方をいう(詳細は後述する)。この構成によれば、単純に或る音色から他の音色に変化するのではなく、外部からの楽音データに応じて音色変化の仕方が変わるので、音色変化に多様性を持たせることができる。なお、図5には2つの加工用波形データA及びBを混合する場合の例が示されているが、本発明は3つ以上の加工用波形データを混合するように構成してもよい。
【0015】
また、前記混合手段は、外部からの楽音データに基づいて、前記選択手段で選択された複数の加工用波形データの混合形態を決定するように構成できる。ここで「混合比率を変化させる速度」とは、所定の割合で混合された混合波形データに基づく音色から他の割合で混合された混合波形データに基づく音色に変化するまでの時間をいう。この構成によれば、外部からの楽音データに応じて音色の変化速度が変わるので、独特の音楽効果が得られる。
【0016】
また、本発明に係る楽音信号生成装置は、
前記選択手段によって選択された複数の加工用波形データの夫々について、楽音信号の生成に使用される範囲を指定する範囲指定手段と、
該範囲指定手段で指定された範囲の波形データを各加工用波形データの中から抽出する抽出手段、とを更に備え、
前記混合手段は、該抽出手段で抽出された複数の波形データを、それらの混合比率を時間の経過に連れて順次変化させながら混合することにより混合波形データを生成するように構成できる。
【0017】
上記範囲指定手段は、上記選択手段で選択された複数の加工用波形データの夫々の一部分を指定する。従って、この範囲指定手段の指定により音色及びループ波形データの長さが決定される。この範囲指定手段は、例えばユーザが直接操作することによって範囲を指定するデータ入力装置によって構成できる。この構成によれば、波形データメモリに記憶されている各元波形データの任意の一部分の波形データに基づいてループ波形データを作成することができるので、音づくりの自由度が増大する。
【0018】
また、本発明に係る楽音信号生成装置は、クロスフェードカーブ設定手段を更に有し、前記ループ波形データ生成手段は、該クロスフェードカーブ設定手段で設定されたクロスフェードカーブを用いてクロスフェード処理を行うように構成できる。ここでクロスフェードカーブとは、上掲した特公平8−23753号公報に示されているように、波形データを増加関数で重み付けするフェードイン処理及び波形データを減少関数で重み付けするフェードアウト処理を行う際の振幅の変化を表すカーブをいう。このクロスフェードカーブとしては、例えば直線、2次曲線、その他の種々の曲線を用いることができる。
【0019】
この構成によれば、混合手段で複数の加工用波形データを混合する際のみならず、ループ波形データ生成手段でクロスフェード処理を行う際にも波形データの混合形態を変化させることができるので、更に音色変化に多様性を持たせることができる。
【0020】
また、本発明に係る楽音信号生成装置は、
前記混合手段で生成された混合波形データに基づいて生成される波形の特性を設定する波形特性設定手段と、
該波形特性設定手段で設定された特性を有するように該混合波形データに所定の処理を施す波形処理手段、とを更に備えて構成できる。
【0021】
上記波形特性設定手段としては、例えばフィルタパラメータを設定するパラメータ設定装置を用いることができる。また、波形処理手段としては混合波形データにフィルタ処理を施すためのプロセッサを用いることができる。この構成によれば、フィルタ処理が施された波形データに基づいて楽音信号が生成されるので、この楽音信号生成装置で生成される楽音信号に、更にフィルタをかけなくてもフィルタをかけたのと同様の効果が生じる。また、楽音信号をフィルタリングするフィルタ手段を設ける必要がないので、装置を安価に構成できる。
【0022】
更に、本発明に係る楽音信号生成装置は、
ノイズ波形データを生成するノイズ波形生成手段と、
前記ループ波形データ生成手段で生成されたループ波形データに該ノイズ波形生成手段で生成されたノイズ波形データを混合するノイズ混合手段、とを更に有し、
前記楽音信号生成手段は、該ノイズ混合手段によってノイズ波形データが混合されたループ波形データに基づき楽音信号を生成するように構成できる。この構成によれば、ループ波形データの繰り返し読み出しに起因する聴感上の音色の周期性を減少させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る楽音信号生成装置について、図面を参照しながら説明する。なお、この楽音信号生成装置では、選択手段、混合手段、ループ波形データ生成手段及び楽音信号生成手段は夫々DSPの処理により構成されているものとする。
【0024】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る楽音信号生成装置の構成を示すブロック図である。この楽音信号生成装置は、DSP10、波形データメモリ11、制御データ生成部12及びデータ入力装置13により構成されている。なお、データ入力装置13はオプションである。また、DSP10は、元波形データ選択部100、抽出部101、混合部102、ループ波形データ生成部103及び楽音信号生成部104により構成されている。
【0025】
波形データメモリ11は、例えばROMで構成されている。なお、この波形データメモリ11は、ROMに限らずランダムアクセスメモリ(以下、「RAM」という)で構成できる。波形データメモリ11としてRAMを用いる場合は、初期状態、例えば電源投入やリセット操作の直後に、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、ICメモリ等といった外部記憶装置から元波形データを波形データメモリ11にロードするように構成すればよい。
【0026】
この波形データメモリ11に記憶される元波形データは、音の波形信号を例えばPCM方式を用いて符号化することにより作成される。この場合、各元波形データは、複数のサンプリングデータP(但し、i=0,1,2,・・・,n)で構成される。なお、上記符号化は、PCM方式に限らず、DPCM方式、ADPCM方式、その他種々の符号化方式によって行うことができる。
【0027】
また、波形データメモリ11には、複数の異なる楽器の音及び各楽器の異なる音域の音に対応する複数の元波形データが記憶される。更に、波形データメモリ11には、上記楽器音の元波形データに加えて、ノイズ、動物の鳴き声、自然界で発生される音、人工的に生成された音、その他の種々の音に対応する複数の元波形データを記憶することができる。この波形データメモリ11の中の各元波形データは、DSP10からの波形アドレスによって指定される。
【0028】
DSP10は、外部からの楽音データに基づいて、波形データメモリ11から元波形データを読み出し、これに基づいてデジタル楽音信号を生成する。外部からの楽音データには、上述したように、音色データ、音高データ、タッチデータ、エフェクトデータ等が含まれる。この楽音データは、例えば、この楽音信号生成装置が適用された装置(例えば電子楽器の鍵盤や操作パネル、MIDI機器、シーケンサ、コンピュータ等)から供給される。
【0029】
このDSP10で生成されたデジタル楽音信号は、例えば図示しないD/A変換器へ供給される。そして、D/A変換器でアナログ楽音信号に変換され、更に増幅器で増幅されてスピーカに供給される。これにより、スピーカから楽音が生成される。DSP10の各構成要素については後に詳述する。
【0030】
制御データ生成部12は、外部からの楽音データに基づいて、DSP10の各構成要素を制御するための制御データを生成する。この制御データ生成部12は、入力された楽音データの全ての組み合わせに対する制御データを記憶したテーブルで構成されている。
【0031】
図2は、上記テーブルの入力として使用される楽音データの一例を示す。図2中、音色データは、例えばピアノ、オルガン、ギター、シンセサイザ等といった楽器音の音域毎の音色を表す音色番号により構成されている。音高データは、C、C♯、D等といった各音名に対応するノートナンバ及び該ノートナンバの発音又は消音を指示するデータにより構成されている。タッチデータは、例えば最強打、中強打、中打等を表すベロシティ値により構成されている。エフェクトデータは、例えばホールリバーブ、コーラス、トレモロ等といった音響効果の種類を表すデータにより構成されている。
【0032】
図3は、上記テーブルから出力される制御データの一例を示す。この制御データには、音色指定データDT、波形位置指定データDP、波形幅指定データDW、混合制御データDM、クロスフェード制御データDC、ループ回数制御データDR、変化スピード制御データDV及びキーオフ制御データDKが含まれる。
【0033】
音色指定データDTは、複数の音色の夫々に対応する複数の元波形データの種類と音色変化の順番を指定するために使用される。以下では、元波形データを英大文字で、この元波形データに対応する音色を英小文字で夫々表す。例えば、図3中の「1.A→B」は、元波形データA及びBを指定し、音色aから音色bに変化させることを表す。同様に、「4.A→B→C→A」は、元波形データA、B及びCを指定し、音色a、音色b、音色cと変化させ、最後に音色aに戻ることを表す。音色指定データDTは、当該音色に対応する元波形データが記憶されている波形メモリ11の先頭アドレス及び最後尾アドレスで構成されている。この音色指定データDTは、DSP10の元波形データ選択部100に供給される。
【0034】
波形位置指定データDPは、ループ波形データの作成に使用される元波形データの中心位置を指定するために使用される。例えば、図3中の「1.1/10」は、元波形データ全体の1/10の位置を中心位置として元波形データを抽出することを表し、「2.2/10」は、元波形データ全体の2/10の位置を中心位置として元波形データを抽出することを表す。波形位置指定データDPは、波形データメモリ11の波形アドレスで構成されている。この波形位置指定データDPは、DSP10の抽出部101に供給される。
【0035】
波形幅指定データDWは、楽音信号の生成に使用される元波形データの範囲(一部分)を指定するために使用される。例えば、図3中の「1.50」は、上記元波形データの中心位置から前後50個のサンプリングデータを抽出することを表し、「2.100」は、上記元波形データの中心位置から前後100個のサンプリングデータを抽出することを表す。この抽出されたサンプリングデータを、以下「加工用波形データ」という。このように、波形幅指定データDWは、サンプリングデータ数で構成されている。この波形幅指定データDWは、DSP10の抽出部101に供給される。
【0036】
混合制御データDMは、混合形態を決定するために使用される。例えば、図3中の「1.Y=X」は、2つの加工用波形データを混合する際に、式Y=Xで表される直線で各加工用波形データに重み付けすることを表し、「2.Y=2X」は、2つの加工用波形データを混合する際に、式Y=2Xで表される直線で各加工用波形データに重み付けすることを表す。この混合制御データDMは、DSP10の混合部102に供給される。
【0037】
クロスフェード制御データDCは、ループ波形データを生成する際のクロスフェードカーブを指定するために使用される。例えば、図3中の「1.Y=aX」は、クロスフェードカーブを直線とすることを表し、「2.Y=bX」は、クロスフェードカーブを2次曲線とすることを表す。このクロスフェード制御データDCは、DSP10のループ波形データ生成部103に供給される。
【0038】
ループ回数制御データDRは、ループ波形データ生成部103で生成された混合波形データの繰り返し読み出し回数を決定するために使用される。例えば、図3中の「1.無限」は、ループ波形データを無限回読み出して楽音信号の生成を継続することを表し、「2.1回」は、ループ波形データを1回だけ読み出して楽音信号生成を終了することを表す。このループ回数制御データDRは、楽音信号生成部104に供給される。
【0039】
変化スピード制御データDVは、音色変化のスピード、即ち、音色指定データDTで指定された音色変化が完了するまでの時間を指定するために使用される。例えば、図3中の「1.1msec」は、1ミリ秒で音色変化が完了することを表し、「2.5msec」は、5ミリ秒で音色変化が完了することを表す。この変化スピード制御データDVは、楽音信号生成部104に供給される。
【0040】
キーオフ制御データDKは、キーオフのイベントが発生した場合に、消音するまでのループ波形データの読み出し回数を指定するために使用される。例えば、図3中の「1.ループ4回でキーオフ」は、キーオフイベントが発生してからループ波形データを4回読み出した後に消音するすることを表し、「2.ループ6回でキーオフ」は、キーオフイベントが発生してからループ波形データを6回読み出した後に消音するすることを表す。このキーオフ制御データDKは、楽音信号生成部104に供給される。
【0041】
図1において、データ入力装置13は、ユーザが任意のデータを入力するための装置であり、例えばテンキー、アップダウンスイッチ、ジョグダイヤル等で構成される。なお、この楽音信号生成装置が電子楽器その他の装置に適用される場合は、該電子楽器等の操作パネルに設けられたデータ入力装置を、このデータ入力装置13として用いることができる。このデータ入力装置13は、ユーザが上述した制御データを直接入力するために使用される。この場合、上記テーブルからの制御データは使用されない。
【0042】
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本発明の実施の形態1に係る楽音信号生成装置の動作について説明する。以下では、音色aから音色bに変化する場合を主体に考える。
【0043】
楽音信号生成装置は、図示しない外部装置から発音指令を受け取ると、先ず、初期化処理を行う(ステップS10)。この初期化処理では、変化スピード制御データDVで指定された時間内に音色変化を完了するためには、各混合波形データ(図5に示したt、t、t、t及びtの各混合波形データ)を何回繰り返して実行したらよいかが算出される。この算出結果は、DSP10内部に設けられたリピート回数レジスタ(図示しない)に記憶される。
【0044】
次いで、楽音信号発生に使用するための元波形データが選択される(ステップS11)。この処理は元波形データ選択部100において行われる。即ち、元波形データ選択部100は、制御データ生成部12からの音色指定データDTに従って、波形データメモリ11から複数の元波形データを選択する。
【0045】
例えば、音色指定データDTが「1」(図3参照)であれば、この元波形データ選択部100は、変更前の音色aに対応する元波形データAと変更後の音色bに対応する元波形データBとを選択する。より具体的には、この音色指定データDTに含まれる、元波形データAが記憶されている波形メモリ11の先頭アドレス及び最後尾アドレス、並びに元波形データBが記憶されている波形メモリ11の先頭アドレス及び最後尾アドレスがDSP10内部に設けられた波形アドレスレジスタ(図示しない)に記憶される。
【0046】
次いで、楽音信号生成に使用される加工用波形データが抽出される(ステップS12)。この処理は抽出部101において行われる。即ち、抽出部101は、上記元波形データ選択部100で選択された各元波形データから、制御データ生成部12からの波形位置指定データDP及び波形幅指定データDWに従って、楽音信号生成に使用される範囲の波形データ(具体的にはサンプリングデータ)を抽出する。この抽出された波形データは、以下、加工用波形データとして使用される。
【0047】
より詳しくは、上記波形アドレスレジスタに格納されている元波形データAの先頭アドレスから最後尾アドレスまでが波形位置指定データDPに従って按分され、中心位置アドレスが求められる。次いで、該中位置アドレスから波形幅指定データDWで指定された範囲内に在るサンプリングデータが取り出され、DSP10内部に設けられた波形データバッファ(図示しない)に格納される。元波形データBについても、同様にしてサンプリングデータが取り出され、波形データバッファに格納される。
【0048】
次いで、波形混合処理が行われる(ステップS13)。この処理は混合部102において行われる。即ち、混合部102は、上記波形データバッファに格納された複数の加工用波形データを入力し、制御データ生成部12からの混合制御データDMに従って、混合波形データを生成する。この混合波形データは、DSP10内部に設けられた混合波形データバッファ(図示しない)に記憶される。この混合波形データの生成については、後に、幾つかの混合形態を例に挙げながら詳細に説明する。
【0049】
次いで、クロスフェード処理が行われる(ステップS14)。この処理はループ波形データ生成部103において行われる。即ち、ループ波形データ生成部103は、制御データ生成部12からのクロスフェード制御データDCに従って、混合部102からの混合波形データにクロスフェード処理を施し、ループ波形データを生成する。このクロスフェード処理は、上掲した特公平8−23753号公報に示された方法で行うことができる。この際、クロスフェードカーブは、制御データ生成部12からのクロスフェード制御データに従って決定される。このループ波形データ生成部103で生成されたループ波形データは、DSP10内部に設けられたループ波形データバッファ(図示しない)に記憶され、実際の楽音信号生成に供される。
【0050】
次いで、楽音信号生成処理が行われる(ステップS15)。この処理は、楽音信号生成部104において行われる。即ち、楽音信号生成部104は、上記ループ波形データバッファに記憶されているループ波形データを読み出し、以てデジタル楽音信号を生成する。この楽音信号生成部104の構成及び動作は周知である。
【0051】
次いで、リピート回数は終了したかどうかが調べられる(ステップS16)。即ち、上記初期化処理(ステップS10)で算出され、リピート回数レジスタに格納されているリピート回数分だけの楽音信号生成処理(ステップS15の処理)が終了したかどうかが調べられる。ここで、終了していないことが判断されると、シーケンスはステップS15に戻って上述したと同様の処理が行われる。
【0052】
一方、終了したことが判断されると、次いで、全ての混合波形データに基づく楽音信号生成処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS17)。即ち、図5のtからtまでの混合波形データに基づく楽音信号生成処理が終了したかどうかが調べられる。ここで、終了していないことが判断されると、混合比率が変更され(ステップS18)、シーケンスはステップS13へ戻る。これにより、t→t→t→t→tといった具合に各混合波形データに基づく楽音信号生成が順次行われる。これにより、時間の経過に連れてその混合比率を順次変化させながら元波形データを混合し、この混合された元波形データに基づいて楽音信号を生成するという機能が実現されている。
【0053】
上記ステップS17で、全ての混合波形データに基づく楽音信号生成処理が終了したことが判断されると、次いで、全ての音色変化に対応する処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS19)。例えば、音色指定データDTが「1」の場合は、音色aから音色bへ変更する処理が終了したかどうかが調べられる。音色指定データDTが「4」の場合は、音色a→音色b→音色c→音色aと順次変更する処理が終了したかどうかが調べられる。
【0054】
このステップS19で、全ての音色変化に対応する処理が完了していないことが判断されると、シーケンスはステップS11に戻り、次の音色変化を行わせるための元波形データが選択される(ステップS11)。例えば、音色指定データDTが「4」の場合は、音色a→音色bの音色変更処理が終了したら、音色b→音色cの音色変更を行うために、音色b及び音色cに対応する元波形データが選択される。そして、以下同様の処理が繰り返される。
【0055】
上記ステップS19で、音色変化数に対応する処理が終了したことが判断されると、指定ループ回数の処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS20)。即ち、制御データ生成部12からのループ回数制御データDRで指定された回数の処理が終了したかどうかが調べられる。ここで、指定ループ回数の処理が終了していないことが判断されると、ステップS11へ戻り、再度同様の処理が行われる。一方、指定ループ回数の処理が終了したことが判断されると、楽音信号生成処理は終了する。
【0056】
なお、ループ回数制御データDRで「1.無限」が指定されると、このステップS20の処理でYESと判断されることはない。この場合、図示は省略したが、キーオフ制御データDKによって楽音信号生成処理の終了が制御される。即ち、ステップS11〜S20の繰り返し実行中に消音を指定する音高データが外部から制御データ生成部12に供給されると、キーオフ制御データDK中のループ回数が、上記ステップS20における指定ループ回数として用いられる。その他の処理内容は、上述した処理と同じである。これにより、消音指示に伴って楽音信号生成が終了する機能が実現されている。
【0057】
次に、上記ステップS13で行われる波形混合処理、つまり混合部102における混合波形データの生成の様子を、図5を参照しながら更に詳細に説明する。ここで、各混合波形データが生成される順序は、t→t→t→t→tとする。また、図5中の矩形で囲った部分は元波形データが混合される様子を概念的に示しており、1つの矩形の横軸(X軸)はサンプリングポイントi(時間と考えることもできる)、縦軸(Y軸)はサンプリングデータの振幅である。
【0058】
混合部102は、制御データ生成部12からの混合制御データDMに従って、図5(A)〜(E)の何れかを選択する。図5(A)は、全サンプリングポイントにおいて同じ割合で2つの加工用波形データA及びBが混合される場合の例である。即ち、tでは全てが加工用波形データAで成る混合波形データが生成される。tでは全サンプリングポイントにおいて75%の振幅を有する加工用波形データAと全サンプリングポイントにおいて25%の振幅を有する加工用波形データBとで成る混合波形データが生成される。以下同様に、tでは50%の加工用波形データAと50%の加工用波形データBとで成る混合波形データが生成され、tでは25%の加工用波形データAと75%の加工用波形データBとで成る混合波形データが生成される。最後に、tでは全てが加工用波形データBで成る混合波形データが生成される。
【0059】
各混合波形データの生成は、更に具体的には、次のような演算を行うことにより実現されている。例えば図5(A)のtの場合を例にとると、先ず加工用波形データAに含まれる最初のサンプリングデータに定数0.75が乗算されると共に、加工用波形データBに含まれる最初のサンプリングデータに定数0.25が乗算され、各乗算結果が加算されて混合波形データの最初のサンプリングデータが生成される。以下同様の処理が全サンプリングデータに対して行われる。
【0060】
これより、最初は全てが加工用波形データAであるが、時間の経過に連れて加工用波形データAの混合比率が増加すると共に加工用波形データBの混合比率が減少し、最終的には全てが加工用波形データBになるように変化する混合波形データが生成される。この場合、加工用波形データA及び加工用波形データBは、常に一定の割合で混合されるので、これらに基づいて作成されたループ波形データを繰り返し読み出すことにより音を生成しても、聴感上の音色の周期性は発生しない。
【0061】
また、図5(B)は、サンプリングポイントが大きくなるに連れて加工用波形データAの割合をリニアに増加させ、加工用波形データBの割合をリニアに減少させながら、両加工用波形データA及びBを混合する場合の例である。即ち、tでは全てが加工用波形データAで成る混合波形データが生成される。tではサンプリングポイントが増加するに連れて100%から50%にリニアに減少する振幅を有する加工用波形データAとサンプリングポイントが増加するに連れて0%から50%にリニアに増加する振幅を有する加工用波形データBとで成る混合波形データが生成される。以下同様に、tでは振幅が75%から25%にリニアに減少する加工用波形データAと25%から75%にリニアに増加する加工用波形データBとで成る混合波形データが生成され、tでは振幅が50%から0%にリニアに減少する加工用波形データAと50%から100%にリニアに増加する加工用波形データBとで成る混合波形データが生成される。最後に、tでは全てが加工用波形データBで成る混合波形データが生成される。
【0062】
各混合波形データの生成は、更に具体的には、次のような演算を行うことにより実現されている。例えば図5(B)のtの場合を例にとると、各サンプリングポイントを変数Xとする式Y=−αX+βにより求められる係数Yと加工用波形データAに含まれる最初のサンプリングデータとが乗算されると共に、式Y=αXにより求められる係数Yと加工用波形データBに含まれる最初のサンプリングデータとが乗算され、各乗算結果が加算される。これにより、混合波形データの最初のサンプリングデータが生成される。以下同様の処理が全サンプリングデータに対して行われる。ここで、αは加工用波形データAの減少率(加工用波形データBの増加率)であり、βは加工用波形データの初期振幅である。
【0063】
これより、上記と同様に、加工用波形データAから加工用波形データBに徐々に変化する混合波形データが生成される。この場合、各加工用波形データに基づいて作成されたループ波形データを繰り返し読み出すことにより音を発生すると、聴感上の音色の周期性が発生する。
【0064】
上記図5(B)に示した例におけるαは正の所定値である。βは混合波形データの種類(時刻)により変化し、tでは「0」、tでは「0.25」、tでは「0.5」である。上式におけるαは任意の値とすることができる。例えば、図2(C)は、αを上記図2(B)より大きい値にした場合の例を示す。また、図2(D)は、αを負の値にした場合の例を示す。これらの場合、βの値も任意に決定できる。
【0065】
また、以上は加工用波形データAと加工用波形データBとの混合比率をリニアに変化させる場合の例であるが、この混合比率は、例えば図2(E)に示すように、任意の曲線に従って変化するように構成できる。
【0066】
ループ波形データ生成部103で生成されたループ波形データは、上記楽音信号生成部104によって繰り返し読み出される。従って、時間が経過するに連れて、読み出されるループ波形データはt→t→t→t→tと変化し、加工用波形データAの成分が多い混合波形データから加工用波形データBの成分が多い混合波形データに順次変化するので、該楽音信号生成手段によって生成される楽音信号も、音色aの成分が多い信号から音色bの成分が多い信号に変化することになる。
【0067】
なお、以上では、制御データは全てテーブルから得られるものとして説明したが、上記各制御データは、データ入力装置13から入力することもできる。この場合、ユーザは、自分の感性に合致する音色変化を直接指示することができるという利点がある。
【0068】
また、以上では、1つの音色から他の1つの音色へ変化させる場合について説明したが、1つの音色から他の1つの音色へ変化し、該音色から更に他1つの音色に変化するように構成できる。更に、複数の音色が混合された混合音色から他の1つの音色又は他の混合音色に変化するように構成することもできる。
【0069】
(実施の形態2)
この実施の形態2に係る楽音信号生成装置は、上述した実施の形態1に係る楽音信号生成装置の機能に加え、混合波形データをフィルタリング処理する機能を更に備えている。
【0070】
図6は本発明の実施の形態2に係る楽音信号生成装置の構成を示すブロック図である。この楽音信号生成装置は、DSP10に特性変更部105が更に設けられている点、制御データとして波形特性制御データDFが追加されている点、及びDSP10の処理としてフィルタ処理(ステップS30)が追加されている点が、実施の形態1と異なっている。なお、上記実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付し、説明は省略又は簡略化する。
【0071】
特性変更部105は、混合波形データバッファに格納されている混合波形データに、制御データ生成部12からの波形特性制御データDFに従って、フィルタ処理を施す。この特性変更部105でフィルタ処理が施された混合波形データは、ループ波形データ生成部103に供給される。
【0072】
制御データ生成部12を構成するテーブルには、音色指定データDT、波形位置指定データDP、波形幅指定データDW、混合制御データDM、クロスフェード制御データDC、ループ回数制御データDR、変化スピード制御データDV及びキーオフ制御データDKの他に、波形特性制御データDFが含まれている。
【0073】
波形特性制御データDFの一例を図6に示す、この波形特性制御データDFは、混合波形データに施すフィルタリング処理の種類を指定するためのに使用される。例えば、図6中の「1.ハイパスフィルタ」は、混合波形データから低周波成分を除去する処理を施すことを表し、「2.ローパスフィルタ」は、混合波形データから高周波成分を除去する処理を施すことを表し、「3.バンドパスフィルタ」は、混合波形データから低周波成分及び高周波成分を除去する処理を施すことを表す。なお、波形特性制御データDFには、上記フィルタの種類の他に、各フィルタのカットオフ周波数やレゾナンスを指定するためのデータを含むように構成することもできる。
【0074】
次に、図8のフローチャートを参照しながら、本発明の実施の形態2に係る楽音信号生成装置の動作について説明する。
【0075】
ステップS10〜S13の各処理は、実施の形態1のそれと同じである。ステップS13で波形混合処理が行われることにより混合波形データバッファに混合波形データが得られると、次いで、フィルタ処理が行われる(ステップS30)。この処理は、特性変更部105において行われる。即ち、特性変更部105は、混合波形データバッファに格納されている混合波形データに、波形特性制御データDFに従ったフィルタ処理を行う。これにより、フィルタリングされた混合波形データが混合波形データバッファに得られる。次いで、ステップS14〜S20の処理が行われる。これらの各処理は、実施の形態1のそれらと同じである。
【0076】
以上説明したように、この実施の形態2に係る楽音信号生成装置によれば、フィルタ処理が施された混合波形データに基づいて楽音信号が生成されるので、本楽音信号生成装置で生成された楽音信号に更にフィルタをかける必要がない。
【0077】
(実施の形態3)
この実施の形態3に係る楽音信号生成装置は、上述した実施の形態1に係る楽音信号生成装置の機能に加え、ループ波形データにノイズを加える機能を備えている。
【0078】
図9は本発明の実施の形態3に係る楽音信号生成装置の構成を示すブロック図である。この楽音信号生成装置は、DSP10にノイズ波形生成部106及びノイズ混合部107が更に設けられている点、制御データとしてノイズ種類指定データDN及び混合レベル制御データDLが追加されている点、並びにDSP10の処理としてノイズ混合処理(ステップS40)が追加されている点が、実施の形態1と異なっている。なお、上記実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付し、説明は省略又は簡略化する。
【0079】
ノイズ波形生成部106は、ノイズ種類指定データDNに従ってノイズ波形データを生成する。このノイズ波形生成部106は、所定の計算式に従ってノイズ波形データを生成するように構成してもよいし、ノイズ波形を例えばPCM方式を用いて符号化することによりノイズ波形データを生成するように構成してもよい。更には、所定の音の特定の帯域だけを通過させることによりノイズ波形データを生成するように構成してもよい。本実施の形態3では、PCM方式を用いて符号化することにより作成されたノイズ波形データが波形データメモリ11に格納されており、このノイズ波形生成部106は、波形データメモリ11からノイズ波形データを取り出す機能を有するものとする。このノイズ波形生成部106で生成されたノイズ波形データは、ノイズ混合部107に供給される。
【0080】
ノイズ混合部107は、ループ波形データバッファに格納されているループ波形データと、上記ノイズ波形生成部106で生成されたノイズ波形データとを混合する。ループ波形データとノイズ波形データとの混合比率は、制御データ生成部12からの混合レベル制御データDLによって決定される。
【0081】
制御データ生成部12を構成するテーブルには、音色指定データDT、波形位置指定データDP、波形幅指定データDW、混合制御データDM、クロスフェード制御データDC、ループ回数制御データDR、変化スピード制御データDV及びキーオフ制御データDKの他に、ノイズ種類指定データDN及び混合レベル制御データDLが含まれている。
【0082】
ノイズ種類指定データDNの一例を図10に示す。このノイズ種類指定データDNは、ノイズ波形の種類を指定するために使用される。例えば、図10中の「1.ホワイトノイズ」は、ホワイトノイズを生成することを表し、「2.ピンクノイズ」は、ピンクノイズを生成することを表す。このノイズ種類指定データDNは、ノイズ波形生成部106に供給される。
【0083】
混合レベル制御データDLは、ループ波形データに混合するノイズ波形データの割合を指定するために使用される。例えば、図10中の「1.1:2」は、ループ波形データのレベルを2/3、ノイズ波形データのレベルを1/3に調整して混合することを表し、「2.1:4」は、ループ波形データのレベルを4/5、ノイズ波形データのレベルを1/5に調整して混合することを表す。
【0084】
次に、図11のフローチャートを参照しながら、本発明の実施の形態3に係る楽音信号生成装置の動作について説明する。なお、この実施の形態2では、ホワイトノイズをPCM方式で符号化したノイズ波形データ及びピンクノイズをPCM方式で符号化したノイズ波形データが、予め波形データメモリ11に格納されているものとする。
【0085】
楽音信号生成装置は、図示しない外部装置から発音指令を受け取ると、先ず、初期化処理を行う(ステップS10)。この初期化処理では、実施の形態1の場合と同様に、各混合波形データの繰り返し実行回数が算出され、リピート回数レジスタに記憶される。加えて、ノイズ種類指定データDNに対応するノイズ波形データが波形データメモリ11から読み出され、DSP10内部に設けられたノイズ波形データバッファ(図示しない)に格納される。
【0086】
以下、ステップS11〜S14の各処理は、実施の形態1のそれと同じである。ステップS14でクロスフェード処理が行われることにより、ループ波形データバッファにループ波形データが得られると、次いで、ノイズ混合処理が行われる(ステップS40)。この処理は、ノイズ混合部107において行われる。即ち、ノイズ混合部107は、ループ波形データバッファに格納されているループ波形データのレベルとノイズ波形データバッファに格納されているノイズ波形データのレベルとを、制御データ生成部12からの混合レベル制御データDLに従った割合となるように調整し、その後これら両波形データを混合する。これにより、ノイズが混合されたループ波形データがループ波形データバッファに得られる。次いで、ステップS15〜S20の処理が行われる。これらの各処理は、実施の形態1のそれらと同じである。
【0087】
以上説明したように、この実施の形態3に係る楽音姿勢性装置によれば、複数の元波形データの混合形態によってはループ波形データの繰り返し読み出しに原因する聴感上の音色の周期性が生じるが、この聴感上の音色の周期性を目立たなくさせることができる。
【0088】
なお、この実施の形態3に係る楽音信号生成装置に、上述した実施の形態2のフィルタリング機能を付加してもよい。
【0089】
以上説明した各実施の形態では、ループ波形データの長さは波形位置指定データDP及び波形幅指定データDWによって一意的に決定されるように構成されているが、例えば図12に示すように、時間の経過に伴ってループ波形データの長さが変化するように構成できる。この構成によれば、音色が小刻みに変化するので、ピッチ変化によるビブラートのような音楽効果が、音色変化によって実現される。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、フィルタを用いなくても音色が変化する楽音信号を簡単に生成できる楽音信号生成装置を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る楽音信号生成装置の電気回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る楽音信号生成装置で使用される楽音データの種類を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る楽音信号生成装置で使用される制御データの種類を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る楽音信号生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に係る楽音信号生成装置における波形データの混合の様子を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る楽音信号生成装置の電気回路の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る楽音信号生成装置で使用される制御データの種類を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る楽音信号生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態3に係る楽音信号生成装置の電気回路の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る楽音信号生成装置で使用される制御データの種類を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る楽音信号生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施の形態を説明するための図である。
【符号の説明】
10 DSP
11 波形データメモリ
12 制御データ生成部
13 データ入力装置
100 元波形データ選択部
101 抽出部
102 混合部
103 ループ波形データ生成部
104 楽音信号生成部
105 特性変更部
106 ノイズ波形生成部
107 ノイズ混合部

Claims (8)

  1. 複数の音色の夫々に対応する複数の元波形データを記憶する波形データメモリと、
    該波形データメモリに記憶された複数の元波形データの中から、楽音信号の生成に使用するための複数の元波形データを加工用波形データとして選択する選択手段と、
    該選択手段で選択された複数の加工用波形データをサンプリングポイントに対応する混合比率でサンプリングポイント毎に混合することにより混合波形データを生成し、かつ、前記サンプリングポイントと前記混合比率との対応を時間の経過に連れて変化させる混合手段と、
    該混合手段から順次得られる混合波形データにクロスフェード処理を行い、以てループ波形データを生成するループ波形データ生成手段と、
    該ループ波形データ生成手段で順次生成されたループ波形データに基づき楽音信号を生成する楽音信号生成手段、
    とを備えた楽音信号生成装置。
  2. 前記選択手段は、外部からの楽音データに基づいて、前記波形データメモリに記憶された複数の元波形データの中から、楽音信号の生成に使用するための複数の元波形データを加工用波形データとして選択する請求項1に記載の楽音信号生成装置。
  3. 前記混合手段は、外部からの楽音データに基づいて、前記選択手段で選択された複数の加工用波形データの混合形態を決定する請求項1又は請求項2に記載の楽音信号生成装置。
  4. 前記混合手段は、外部からの楽音データに基づいて、前記混合比率を変化させる速度を決定する請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の楽音信号生成装置。
  5. 前記選択手段によって選択された複数の加工用波形データの夫々について、楽音信号の生成に使用される範囲を指定する範囲指定手段と、
    該範囲指定手段で指定された範囲の波形データを各加工用波形データの中から抽出する抽出手段、とを更に備え、
    前記混合手段は、該抽出手段で抽出された複数の波形データを、前記サンプリングポイントと前記混合比率との対応が時間の経過に連れて変化する混合比率でサンプリングポイント毎に混合することにより混合波形データを生成する請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の楽音信号生成装置。
  6. クロスフェードカーブ設定手段を更に有し、前記ループ波形データ生成手段は、該クロスフェードカーブ設定手段で設定されたクロスフェードカーブを用いてクロスフェード処理を行う請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の楽音信号生成装置。
  7. 前記混合手段で生成された混合波形データに基づいて生成される波形の特性を設定する波形特性設定手段と、
    該波形特性設定手段で設定された特性を有するように該混合波形データに所定の処理を施す波形処理手段、
    とを更に備えた請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の楽音信号生成装置。
  8. ノイズ波形データを生成するノイズ波形生成手段と、
    前記ループ波形データ生成手段で生成されたループ波形データに該ノイズ波形生成手段で生成されたノイズ波形データを混合するノイズ混合手段、とを更に有し、
    前記楽音信号生成手段は、該ノイズ混合手段によってノイズ波形データが混合されたループ波形データに基づき楽音信号を生成する請求項1乃至7の何れか1項に記載の楽音信号生成装置。
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