JP3585824B2 - 目地部材及び目地部材を備える壁構造体及び壁組立て体 - Google Patents

目地部材及び目地部材を備える壁構造体及び壁組立て体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、隣接するパネル間の隙間に目地部材を設ける技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の外装が外装パネル等で構成される場合、隣接するパネルの間の隙間には、シーリングのため、あるいは外観を向上させたり意匠を施すために、目地部材が装着されることがある。目地部材は、パネルの端縁に沿って延びる長尺状部材であり、隣接するパネルの間の隙間に挿入される脚部と、この隙間を閉塞して外表面を構成する頭部とを備えているのが一般的である。そして、目地部材の頭部の幅は、想定されるパネルの最大の隙間幅よりも大きく形成されて、パネルの隙間に合わせて弾性変形できるように形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、目地部材の頭部がパネル間の隙間の幅に合わせて変形することにより、隙間ごとに目地部材の幅が異なって見え、見栄えが悪くなっている。
【0004】
そこで、本発明では、パネル間の隙間の幅が異なっていても長手方向で略同一の幅を有するように視認される目地部材を提供することを課題とする。
また、パネル間の隙間の幅が異なっていても目地部材が長手方向で略同一の幅を有するように視認される、目地部材を備えた壁構造体を提供することを課題とする。
同時に、パネル間の隙間の幅が異なっていても目地部材が長手方向で略同一の幅を有するように視認される壁構造体を提供できる目地部材を備えた壁組立て体を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、隣接するパネルの側面間の隙間に沿って取り付けられる長尺状の目地部材であって、目地部材は弾性を有するゴム又は合成樹脂から長尺状に押出し成形され、所定位置に取り付けられたとき前記隙間を塞ぐように隙間内に嵌り込む頭部と、前記頭部の裏面側から一体に突出して形成され前記隙間に挿入される基部を持つ脚部とを有し、前記頭部の表面には、長手方向に沿って延び、前記頭部の幅方向の中央に形成される第二意匠部と、前記第二意匠部の幅方向両側に配置される第一意匠部とがそれぞれ設けられ、前記頭部の第二意匠部が設けられる部分は、頭部の裏面に向けて幅が徐々に大きくなるように形成された前記基部の上部と一体成形され前記第一意匠部が形成されている部分と比較して実質的に厚肉に形成されることで前記第一意匠部が設けられる部位と比較して変形が抑制される構成とされ、第一意匠部は、第二意匠部が設けられる部分よりも薄肉で且つ容易に弾性変形する薄肉状に形成されており、第二意匠部は頭部に略帯状に押出し成形で一体的に設けられ、第一意匠部は頭部の幅方向の端部分の側面及び裏面を形成するように頭部に略帯状に押出し成形で一体的に設けられ、前記第一意匠部は、前記パネルの外表面と同一又は類似の色に形成されるとともに、第二意匠部は、第一意匠部とは異なる色に形成されており、当該目地部材がパネル間の隙間の所定位置に取り付けられたとき、第一意匠部が前記隙間に応じて弾性変形して前記パネルの側面に弾接し、第二意匠部は変形せず、取付前と略同一幅を維持するようになっている、目地部材を提供する。
【0006】
この目地部材は、頭部に第一意匠部と第二意匠部の二つの意匠部を有し、第二意匠部が設けられる部分は、変形が抑制される構成とされている。このため、この目地部材がパネルの間の隙間に取付けられた状態では、第一意匠部が弾性変形するが第二意匠部はほとんど変形せず、取付前と略同一の幅を有する。ここで、第一意匠部は、パネルの外表面と同一又は類似の色に形成されているため、目立たず、パネルの外表面に略同化して見える。一方、第二意匠部は、第一意匠部とは異なる色、すなわち目地部材が装着されるパネルの外表面とは異なる色に形成されているため、パネルの外表面と区別して視認される。したがって、この目地部材が異なる幅の種々のパネル間の隙間に装着された場合でも、第二意匠部が目地幅の変動に左右されず、取付前と略同一の幅で視認され、整った外観が形成される。
また、第二意匠部が頭部の幅方向の中央に形成され、第一意匠部が第二意匠部の幅方向両側に配置されており、且つ頭部の幅方向の端部分の側面及び裏面を形成することにより 、頭部、すなわち第一意匠部が変形された状態で外側から頭部の側面や裏面部分が視認される場合でも外観が損なわれない。また、第二意匠部は、前記第二意匠部が設けられる頭部の裏面に、頭部の裏面に向けて幅が徐々に大きくなるように形成された前記基部の上部と一体成形されて厚肉に形成されているため、合理的に変形が抑制されている。更に、目地部材が長尺状に押出し成形されるとともに、第一意匠部と第二意匠部とは略帯状に頭部と押出し成形で一体的に設けられるため、第一意匠部と第二意匠部とは、頭部に融着あるいは加硫接合などの種々の接合形態によって固着されるため、剥離するおそれがない。
【0007】
また、本発明では、上記いずれかの目地部材と、複数枚のパネルとを有する壁構造体であって、前記複数枚のパネルは互いに隣接して配設され、前記目地部材は、前記隣接するパネル間の隙間に、前記脚部が挿入された状態で取付けられている壁構造体を提供する。
この壁構造体では、隣接するパネルの間の隙間に目地部材が挿入されて、目地部材の頭部によって隙間が閉塞されている。目地部材の頭部に設けられた第二意匠部は、種々の幅のパネル間の隙間に設けられた場合でも、略同一の幅に保持されているため、取付状態の目地部材の第二意匠部の幅は取付前と略同一の幅に形成されているように視認される。
【0008】
また、上記壁構造体であって、第一の隣接するパネルと、該第一の隣接するパネルの間の隙間に略一直線上に連通する隙間を有する第二の隣接するパネルとを備え、前記第一のパネルの間の隙間と前記第二のパネルの間の隙間にわたって前記目地部材が装着されている壁構造体を提供する。
この壁構造体では、略一直線上に連通する複数の隙間にわたって目地部材が取付られている。このため、複数の隙間の幅が異なっていたり、幅の中心線がずれていたりした場合にも、各隙間にわたって直線状に延びる第二意匠部が取付前と略同一の幅に形成されて、一直線状に視認される。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第一の実施形態)
本発明の目地部材は、壁構造体における外装用のパネルとパネルとの間の隙間に設けられる部材である。図1に本発明の一実施の形態に係る目地部材を示す。目地部材1は、ゴム又は合成樹脂で一体成形することによって形成されている。目地部材1は長尺状部材で、長手方向に沿って延びる頭部2と脚部4とを有する。
なお、目地部材1は、パネル間の隙間に取付(本発明において「装着」と言うこともある)された状態で、頭部2がパネル間の隙間に入り込む落し目地部材である。
【0010】
脚部4は、パネル間の隙間に挿入されて、この隙間を構成する両側面部に圧接されて、固定される部分である。脚部4は、典型的には、頭部2の裏面から下方へ延びる基部6と、複数の可撓片8とを有する。
なお、図1では、脚部4の基部6内部に、目地部材1の長手方向に延びる芯材5が設けられている。芯材5は、成形直後の収縮を抑制するとともに、脚部4の剛性や直線性を増大させている。芯材5としては、金属板や、金属線、グラスファイバー糸等を使用することができる。
【0011】
可撓片8は弾性変形可能とされており、この変形によってパネル間の隙間などの溝状部を構成する両側面部に圧接される部分である。可撓片8は、隣接するパネルの互いに対向する両側面部に圧接されることによって密着し、パネル間の隙間をシールできる構成とすることができる。本実施形態の脚部4では、図1に示すように、基部6の両側に薄板状の可撓片8が、二枚ずつ設けられている。各可撓片8は、基部6の下部から斜め上方に向かって延びるように形成されており、隙間に入り込みやすく、且つパネル側面に密着しやすい形状に形成されている。
【0012】
頭部2は、パネル間の隙間を閉塞する部分で、その外表面で壁構造体の外装の一部を構成する部分である。頭部2は略板状で、想定されるパネル間の隙間の幅より大きい幅に形成されている。頭部2は、本実施形態では、弾性変形可能な部分を有し、種々の幅のパネル間の隙間に対応できるように変形可能に形成されている。
【0013】
頭部2の表面には、第一意匠部10と第二意匠部12とが形成されている。第一意匠部10及び第二意匠部12は、それぞれ目地部材1の長手方向に沿う略帯状に形成された部分で、互いに異なる色又は模様、あるいはその両方を備えている。
【0014】
第一意匠部10は、頭部2の少なくとも変形可能な部分、好ましくは弾性変形可能な部分の表面に形成される。変形可能な部分は、典型的には、頭部2の他の部位と比較して薄肉状に形成された部分である。
第一意匠部10は、目地部材1が外装用のパネル間の隙間に装着された状態で、視覚的に目立たないように形成されていると、好ましい。したがって、第一意匠部10は、目地部材1が装着される隙間を構成するパネルの外表面と同一又は類似の色及び/又は模様に形成されていることが好ましい。また、パネルの外表面の質感等と同一又は類似の意匠を備えるように形成しても良い。
【0015】
第二意匠部12は、第一意匠部10部分に設けられる変形可能な部分より変形が抑制された部分に形成される。このような部分は、第一意匠部10が設けられる部分より厚肉に形成されたり、頭部2の内部又は表面に剛性の高い部材が付加されたりしている部分である。例えば、内部に金属板等を挿入することで、変形しにくく形成することができる。なお、変形が抑制された部分は、変形できないように形成されていても良い。第二意匠部12は、落し目地部材では、想定されるパネル間の隙間の最小幅以下の幅に形成されている。
【0016】
なお、第二意匠部12が形成される部分を第一意匠部10が設けられる部分より変形が抑制される構成とするために、異なる材料、材質を用いて成形しても良い。例えば、第二意匠部12部分を剛性の高い材料で形成したり、熱処理等で硬化させたりしても良い。また、第一意匠部10又は第二意匠部12と第一意匠部10との間に変形しやすい応力集中部位を形成して、力を受けた際に、応力集中部位が変形し、実質的に第二意匠部12が変形し難い形状としても良い。この場合、第一意匠部10が設けられている部分に第二意匠部12より変形し難い部分が形成されていても良い。このように、本発明の目地部材1では、頭部2に力が加えられた際に、第二意匠部12が設けられる頭部2部分以外の部分が変形し、第二意匠部12が変形し難い構成とされていれば良い。好ましくは、第一意匠部が設けられる部位又は第一意匠部と第二意匠部との境界部分に、弾性変形容易な部分が形成されていると、パネル間の隙間を良好に閉塞できる。
【0017】
第二意匠部12は、外装パネルの外表面とは異なって見えるように形成される意匠部である。第二意匠部12は、種々の色、模様、質感の意匠を備えるように形成することができる。例えば、モルタル様の色、典型的にはグレーに形成することで、モルタルのような外観とすることができる。
【0018】
第一意匠部10及び第二意匠部12は、目地部材1に種々の形態で設けることができる。
目地部材1は、合成樹脂又はゴムによって一体成形され、好ましくは、押し出し成形によって成形される。したがって、例えば、目地部材1の脚部4及び頭部2を押し出し成形し、同時に又は後続して、第一意匠部10及び第二意匠部12を構成する合成樹脂又はゴムを押し出し成形することによって形成することができる。一体的に押し出し成形されて形成された意匠部10,12は、頭部2に融着又は加硫接合など種々の接合形態によって固着されるため、剥離するおそれがない。また、樹脂が軟化した状態において、シボ模様など立体的な模様を形成することができる。
【0019】
図1に示す目地部材は、頭部と、第一意匠部及び/又は第二意匠部とが、ゴム又は合成樹脂によってそれぞれ押し出し成形されるとともに、一体に接合されて成る目地部材である。目地部材1では、目地部材全体が、カーボンブラックが混入された黒色のEPDM(エチレンプロピレンジエン共重合体)によって押し出し成形されている。目地部材1は、少なくとも頭部2がゴム状弾性を有するように形成されるのが好ましい。目地部材の脚部及び頭部を構成する材料としては、熱可塑性エラストマー樹脂(TPE樹脂)が好ましく、例えば、オレフィン系TPE樹脂、塩化ビニル系TPE樹脂、スチレン系TPE樹脂、あるいはこれらの混合材料を用いるのが好ましい。
【0020】
そして、第一意匠部構成材料10aが頭部2の表面全体及び両側端部分(幅方向の端部分)を被覆するように同時押し出し成形されるとともに、第二意匠部構成材料12aが第一意匠部構成材料10aの外面中央部分に帯状に同時押し出し成形されている。このようにして、第二意匠部構成材料12a部分が第二意匠部12に形成され、第二意匠部構成材料12aが設けられていない第一意匠部構成材料10a部分が第一意匠部10に形成されている。
また、図2(a)に示すように、第二意匠部12が設けられる頭部2の表面部分が第二意匠部構成材料12aで被覆され、第一意匠部10に形成される部分が第一意匠部構成材料10aで被覆されるように押し出し成形することによって各意匠部10,12を形成することができる。
【0021】
なお、意匠部を構成する意匠部材料10a,12aとしては、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)や、塩素化ポリエチレン(CPE)、あるいはこれらの混合材料等を用いることができる。また、これらの意匠部構成材料には、着色顔料を混入させることによって種々の色に形成することができる。
【0022】
また、第一意匠部10及び/又は第二意匠部12は、塗膜によって形成されていても良い。例えば、塗料をローラーコートで塗布することによって頭部2の表面に塗膜を形成し、帯状の意匠部等に形成することができる。あるいは、第一意匠部及び/又は第二意匠部は、テープ状部材によって形成されていても良い。テープ状部材は、接着、係合等種々の形態で、頭部2の表面に長手方向に沿って取り付けられる。これらの形態では、種々の色及び/又は模様を備えた意匠部10,12に形成することができる。また、適宜、質感が付与された意匠部とすることもできる。着色テープ14によって形成された第二意匠部12を有する目地部材を図2(b)に示す。
【0023】
また、第一意匠部10と第二意匠部12のうちのどちらか一方が、頭部2を構成する樹脂材料(頭部材料)によって形成されていても良い。この場合は、より単純な構成となり、製造工程が少なく、低コストで形成できる。例えば、図3(a)に示すように、第一意匠部10を意匠部構成材料10aで成形することによって、意匠部構成材料10aで形成された第一意匠部10と頭部材料で形成された第二意匠部12とを備えた目地部材とすることができる。また、図3(b)に示すように、第二意匠部12部分を意匠部構成材料12aで成形することによって、頭部材料で形成された第一意匠部10と意匠部構成材料12aで形成された第二意匠部12とを備えた目地部材とすることができる。
また、第一意匠部10と第二意匠部12とは、押し出し成形、塗膜、テープ状部材の貼着等が組み合わされることによって、形成されていても良い。
【0024】
目地部材1では、図1に示すように、第二意匠部12が頭部の中央表面に設けられ、第一意匠部10がその両側表面に形成されている。頭部2の両側が薄肉状に設けられることにより、第一意匠部10は変形しやすく、パネル間の隙間に合った形状になる。また、第二意匠部12は、基部6が連結されることによって実質的に厚肉状に形成された部分に設けられているため、合理的に変形が抑制されている。目地部材1では、さらに、基部6の上部6aが、幅が頭部2の裏面に向かって徐々に大きくなる形状に形成されている。このことによって、連結部分周辺の頭部2の厚みが増大されて、第二意匠部12に等しい幅の変形が抑制された部分が形成されている。
【0025】
なお、図1に示すように、頭部2の側端部分は、側面及び裏面部分も第一意匠部に形成されているのが好ましい。この部分が意匠部に形成されていると、頭部2が変形された状態で外側から頭部2の側面や裏面部分が視認される場合でも外観が損なわれない。
【0026】
次に、図5を参照しながら目地部材1を取り付ける態様について説明する。
パネル22a,22b,22cは、建築物の外装用のパネルで、それぞれ同一規格のパネル22である。パネル22は、パネル本体23と、表装部26とを有している。表装部26は、パネル外表面の意匠を構成する部材で、パネル22の外表面及び他のパネルと隣接する各側面を被覆して設けられている。
【0027】
各パネル22a,22b,22cは、各外表面が同一平面上に配置されるように並べられている。パネル22aとパネル22bとは隣接されており、そのパネル22a,22b間に隙間30aが形成されている。また、パネル22bはパネル22aと隣接する側の反対側でパネル22cと隣接しており、その間に隙間30bが形成されている。
【0028】
ここで、隙間30aは、目地部材1で想定されているパネル間の隙間の最小幅に形成されており、隙間30bは、目地部材1で想定されているパネル間の隙間の最大幅に形成されている。
【0029】
目地部材1は、隣接するパネル22間の隙間30a,30bに、脚部4が圧入されることによって挿入されて、取り付けられる。脚部4は、隙間30a,bに挿入されると、各可撓片8が隙間30a,30bを構成するパネル側面に当接される。可撓片8は、図5に示すように変形し、この両側面に圧接状態で密着する。可撓片8は、変形量が変化することによって、最小幅の隙間30aから最大幅の隙間30bまでの種々の幅の隙間に良好に圧接することができる。可撓片8が圧接状態となることで、目地部材1は、各パネル22間の隙間30a,30b内に固定される。
【0030】
目地部材1は、図5に示すように、頭部2がパネル22間の隙間30a,30b内に配置されるまで挿入される。このため、頭部2は、パネル22の外表面より凹んで設けられる。頭部2は、パネル22間の隙間30a,30bに入り込むとき、頭部2の両側に形成された第一意匠部10部分が、隣接するパネル22の両側面に当接される。これにより、第一意匠部10部分は、隙間30aや隙間30bの幅に合わせて変形及び弾性変形し、各側面に圧接状態で密着する。このことにより、頭部2は、パネル22間の隙間に沿う幅に形成され、パネル22間の隙間30a,30bを閉塞している。
パネルに装着された状態では、外表面側から視認される第一意匠部10の幅は、変形及び弾性変形によって減少している。この減少量は、変形量によって異なるため、隙間30aと隙間30bとでは、視認される幅が異なっている。
【0031】
一方、頭部2の第二意匠部12部分は、第一意匠部10に比べて変形が抑制されているため、ほとんど変化していない。このため、図5に示すように、想定される最小幅の隙間30aに挿入された場合でも、想定される最大幅の隙間30bに挿入された場合でも、略同一の幅及び形状となっている。また、目地部材1では、第二意匠部12は、頭部2の中央に設けられているため、隙間の幅に関係なく、常に隙間の幅方向中央に配置される。
【0032】
本実施形態の目地部材1では、外装用パネルに取り付けられた状態では、第一意匠部10は、パネル22の外表面、すなわち表装部26と同一又は類似の色及び/又は模様に形成されているため、目立たず、パネルの外表面に略同化して見える。一方、第二意匠部12は、目地部材1が装着されるパネルの外表面とは異なる色及び/又は模様に形成されているため、パネルの外表面と区別して視認される。
このため、目地部材1は、パネル間の隙間に装着された状態では、第二意匠部12部分のみが目地部材として視認される。したがって、目地部材1は、種々の幅のパネル間の隙間に取り付けられても常に略同一の幅、または形状に視認され、隙間の幅に関係なく整った外観を提供することができる。
また、第二意匠部12は、常に隙間の幅方向の中央に配置されていると、隣接するパネルとして視認される幅(パネルの幅と第一意匠部10の視認される幅の和)が略同一になるので、整った外観を提供することができる。
【0033】
(第二の実施形態)
次に、目地部材1を設けた壁構造体に係る一実施形態について説明する。
図4に、壁構造体20の外装側を示し、その断面形状を図5に示す。
壁構造体20は、図示しないが、支柱、断熱材層、内装材層など公知の種々の壁構成要素と、外装材層とを有する。外装材層は、壁構造体20の最外側に設けられ、複数の外装用のパネル22a,22b,22c……と、各パネル22間の隙間の数だけの目地部材1とを備えている。
【0034】
図4に示す外装用のパネル22a,22b,22c,22dは、平板状部材で、水平方向に互いに略平行に配列されている。各パネルは、外表面が略同一平面を形成するように配置されている。
パネル22は、前述のとおり、パネル本体23と、パネル22の外表面及び両側端面を被覆する表装部26とを有している。表装部26は、パネル22の意匠を構成する部分で、種々の色、模様、質感等によって平面的又は立体的な意匠を有している。
【0035】
目地部材1は、第一の実施形態で説明した通りの部材である。そして、隣接するパネル22間の隙間に、第一の実施形態で説明した形態と同様の形態で取り付けられている。
【0036】
図4、図5に示すように、外装用のパネル22の外表面には、装飾部28を設けることができる。装飾部28は、目地部材1の第二意匠部12と略同一の幅に形成され、目地部材1と略平行に延びるように形成される凹溝状の装飾部である。図4,5では、各パネル22の外表面を水平方向に三等分するように、等間隔で2本の装飾部28が設けられている。
【0037】
装飾部28は、隣接するパネル22間の隙間に沿って設けられる目地部材1の第二意匠部12と、協調して、又は一体的に意匠を形成するように設けられる。このため、パネル22間の隙間に装着された目地部材1の第二意匠部12と同調したり、対照的になる種々の形態に形成することができる。
【0038】
例えば、装飾部28は、パネル22の外表面に対して、凸状又は凹状に形成されていることが、好ましい。壁構造体20に設けられる目地部材が、目地部材1のように落し目地部材の場合、目地部材1の頭部2は、パネル22間の隙間に入り込んで第二意匠部12はパネル22の外表面から窪んで形成される。このため、図5に示すように、装飾部28を凹溝状に形成すると、装飾部28はいわゆる化粧目地となり、第二意匠部12と装飾部28とが同調し、整った外観を提供することができる。一方、装飾部28を凸状に形成すると、第二意匠部12と装飾部28とが対照的となり、略統一された意匠が形成され、コントラストを成す外観を形成することができる。
【0039】
なお、後述する図7のように、パネル間の隙間に設けられる目地部材が、パネル間の隙間の上面を頭部で覆う被せ目地部材である場合も同様である。装飾部を凸状に形成すると、第二意匠部と装飾部とが同調し、装飾部を凹状に形成するとコントラストを成す。
【0040】
また、装飾部28は、第二意匠部12と同一又は類似の色及び/又は模様に形成されていることが好ましい。この場合、目地部材と装飾部とが類似して見え、整った外観を提供することができる。また、例えば、第二意匠部12及び装飾部28をモルタル様の色(グレー等)に形成することにより、煉瓦と煉瓦を繋ぐモルタルの模様を形成することができ、壁構造体20の外表面に煉瓦調の意匠を施すことができる。
なお、同様に、第二意匠部12と装飾部28の質感等を同一又は類似に形成することにより、より目地部材と装飾部とが同調し、美しい外観に形成されることは、もちろんである。
【0041】
この壁構造体20では、目地部材1の変形及び弾性変形によって視認される幅が変化する第一意匠部10はパネル22に同化して見える。そして、種々の幅の隙間に装着された状態で視認される幅がほとんど変化しない第二意匠部12は、パネル22と区別して視認される。この結果、図4に示すように、第二意匠部12のみが目地部材1として視認されるため、複数枚のパネル22の間の隙間の幅が異なっていても、略同一の幅の目地部材1が等間隔で設けられているように視認される。このため、壁構造体20は、整った外観を備えており、見栄えが良い。
【0042】
また、パネル22の外表面に装飾部28が設けられて、第二意匠部12と装飾部28とが協調することにより、目地部材1を壁構造体の外表面の意匠の一部として認識させることができる。また、例えば、第二意匠部12と装飾部28とをモルタル様の色に形成すると、壁構造体20の外表面に、煉瓦造り風の外装を形成することができる。このように、第二意匠部12と装飾部28とによって、種々の意匠を形成することができる。
【0043】
この実施形態は、壁構造体であるが、複数枚のパネルが互いに隣接して一体化され、この複数枚のパネルの間の隙間には、該隙間の長手方向に沿って本発明に係る目地部材が取り付けられている壁組立て体を提供することもできる。壁組立て体は、建築現場で他の構造体と組合わせることで壁構造体を形成し得る組立て用ユニットである。このため、外装用のパネル22a〜と各パネル間の隙間に設けられた目地部材1とが枠体等で一体化された壁組立て体(外装ユニット)としても良いし、種々の壁構造部材を備えた躯体と外装材層とを備えた壁組立て体(壁ユニット)としても良い。これらの壁組立て体においても、壁構造体20と同様の効果を得ることができる。
【0044】
また、本発明の目地部材の取り付け部位は、水平方向に隣接されたパネルとパネルとの間に形成される垂直方向に延びる隙間に限定されない。垂直方向に隣接されたパネルとパネルとの間に形成される水平方向に延びる隙間等にも取り付けられることは言うまでもない。
【0045】
(参考例一)
図6に、本発明の別の実施の形態に係る目地部材を示す。目地部材40は、隣接するパネル間の隙間に取り付けられた状態で、頭部がパネルの外表面に配置される被せ目地部材である。
目地部材40は、頭部42と脚部44とを有している。脚部44は、目地部材1の脚部4と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0046】
頭部42は、両側に対して中央が上に膨らんだ曲板状に形成されている。頭部42は、表面に第一意匠部50及び第二意匠部52を有している。
第一意匠部50は、頭部42の両側部に設けられており、この部分は変形及び弾性変形が可能となるように薄肉状に形成されている。第一意匠部50は、目地部材40が取り付けられるパネルの外表面と同一又は類似の色及び/又は模様に形成されている。
【0047】
第二意匠部52は、頭部42の中央に設けられている。第二意匠部52が設けられている頭部42部分は、第一の実施形態と同様、脚部44との連結部分と、脚部44の基部46の幅が上方に向かって増大された部分とによって実質的に肉厚に形成されて、変形が抑制された部分である。第二意匠部52は、目地部材40が取り付けられるパネルの外表面とは異なる色及び/又は模様に形成されている。
【0048】
この目地部材40でも、第一の実施形態と同様、外装用パネルに取り付けられた状態では、第一意匠部50のみが弾性変形して、視認される幅が変化し、第二意匠部52は、変形せず、幅が変化しない。このため、目地部材40が、異なる幅を有するパネル間の隙間に設けられた場合も、第二意匠部52は略同一の幅で視認される。第一意匠部50は、外装パネルと比較して目立たず、第二意匠部52がはっきり見えるため、第二意匠部52は、目地部材40として視認される。したがって、目地部材40では、種々の幅のパネル間の隙間に取り付けられても、略同一な幅に視認され、整った外観を提供することができる。
【0049】
また、図7に、この目地部材40を備えたパネル部分の壁構造を示す。なお、この壁構造60は、第二の実施形態と同様、躯体を備えた壁構造体、または複数枚のパネルが一体化され、隣接するパネルの間の隙間に目地部材が設けられた壁組立て体のどちらにも対応可能な構造である。
【0050】
図7では、複数枚のパネル62a,62b,62cは、互いの外表面が略同一平面状に位置するように配置されている。各パネル62は、パネル本体63と、パネル62の外表面及び両側面を被覆して意匠を形成する表装部66とを有している。
【0051】
パネル62の外表面には、等間隔で装飾部68が二本形成されている。装飾部68は、目地部材40が取り付けられる隙間70の端部を形成するパネル62の端縁に略平行に延びるように設けられている。装飾部68は、目地部材40の第二意匠部52と略同一の幅を有する帯状に形成されており、目地部材40と略平行に延びている。
【0052】
装飾部68は、本実施形態では、凸状に形成されている。装飾部68が設けられるパネル62の外表面部分には、横断面が台形状の突台67が形成されている。装飾部68は、突台67の頂面が第二意匠部52と略同一の幅に形成されることによって形成されている。装飾部68は、図7に示すように、第二意匠部52と同一又は類似の色及び/又は模様に形成されていることが好ましい。
【0053】
このような壁構造60を有する壁構造体又は壁組立て体では、目地部材40は、隣接するパネル62a,b間又はパネル62b,c間の隙間70に挿入されて固定されている。ここで、頭部42は、隙間70を形成する隣接パネル62の両外表面に当接して、隙間70を被覆するように配置されている。第一意匠部50部分は、パネル62の外表面に圧接されており、変形することで密着状に配置されている。この結果、頭部42は、隙間70を閉塞している。このとき、第一意匠部50は、パネル62の外表面と同一又は類似の色及び/又は模様に形成されているため、パネル62の外表面と同化して視認される。
【0054】
一方、頭部42の第二意匠部52部分は、第一意匠部50に比べて変形及び弾性変形が抑制されているため、ほとんど変化せず、隙間70の幅に関係なく、略同一の幅となっている。このため、第二意匠部52は、図7に示すように、パネル間の隙間70の幅に関係なく、略同一な幅に視認される。
【0055】
したがって、この壁構造60を有する壁構造体又は壁組立て体では、第一意匠部50はパネル62に同化して見え、第二意匠部52は、隙間の幅に関係なく、略同一な幅でパネル62と区別して視認される。このため、第二意匠部52部分のみが目地部材40として視認されるため、複数枚のパネル22の間の隙間の幅が異なっていても、全ての隙間において略同一の幅の目地部材40が視認されるため、整った外観に形成されている。
また、装飾部68と第二意匠部52とは、略同一に視認されるため、装飾部68と第二意匠部52とで統一性の有る意匠を構成することができる。特に、目地部材40は被せ目地部材で、装飾部68は、凸状に形成されているため、立体的な統一性もあり、外観が整っている。
【0056】
なお、図7に仮想線で示すように、装飾部68を凹状に形成しても良い。この場合は、装飾部68と目地部材40の第二意匠部52とがコントラストになり、壁構造60に、立体的且つ統一性のある意匠を付与することができる。
【0057】
(参考例二)
図8に、本発明のさらに別の実施形態に係る目地部材を示し、図9に、この目地部材がパネルに取り付けられた構造を示す。
目地部材80は、パネル隣接状態に施工する前に、パネルの端部に予め取り付けておくことができる目地部材である。目地部材80は被せ目地部材で、頭部82と、脚部84とを有する。目地部材80は、脚部84の一方側に、二枚の可撓片88の代わりに保持部89が設けられている他は、参考例一に係る目地部材40と略同様に形成されている。
なお、脚部84の他方側には、参考例一と同様の薄板状の可撓片88が二枚形成されており、パネル側面等の平面に圧接されて密着できるように形成されている。
【0058】
目地部材80は、一方側が目地部材80自体でパネル100に固定されるように形成されている。保持部89は、基部86の下部から基部86に略垂直な方向に突出して形成される弾性変形可能な部材である。保持部89は、本実施形態では、可撓片88より厚肉に形成されて、剛性を有するとともに弾性変形可能に形成されている。また、保持部89の上面89aは、平面状に形成されており、水平方向より基部6から少し斜め上方へ向かうように傾斜されている。
【0059】
保持部89は、保持部89の上面89aに対向している頭部82の裏面83と協働することによって、目地部材80をパネル100に固定することができる。図9に示すように、パネル100が頭部82と保持部89との間に圧入によって挿し込まれると、頭部2の第一意匠部90部分と保持部89とが弾性変形して、それぞれパネル100の外表面及び裏側部分に圧接される。このとき、頭部82の第二意匠部92が設けられている部分は、厚肉に形成されて弾性変形が抑制されているため、ほとんど変形しない。目地部材80は、パネル100の側端を頭部82と保持部89とで挟み着けるようにして、パネル100の側端に安定に保持される。
【0060】
なお、本形態の目地部材80の頭部82と保持部89とで挟み付けられる側のパネル100の裏面は、図9に示すように切り欠き部102を備えていることが好ましい。このように形成されていると、目地部材80の下端とパネル100の裏面とを略同一の高さに配置することができる。
【0061】
図9に示すように、パネルの一端部に目地部材が取り付けられた壁組立て体では、図9に仮想線で示すように、目地部材80が取り付けられたパネル100の側端に他のパネルを隣接させることにより、壁構造体に形成される。他のパネルが隣接すると、目地部材80は、パネル100と他のパネルとの間の隙間に配置される。
【0062】
他のパネルとの密着形態は、参考例一の目地部材40と略同様である。脚部84の可撓片88は、他のパネルの側面に圧接されて密着状に設けられる。また、頭部2は、他のパネルの外表面に配置され、第一意匠部90が設けられている部分が変形及び弾性変形することで、他のパネルに密着状に設けられ、パネル100と他のパネルとの間の隙間が頭部82で閉塞される。この場合においても、第二意匠部92が設けられている頭部2部分は、変形が抑制されているため、ほとんど変化しない。
【0063】
この目地部材80においても、他の目地部材と同様、第一意匠部90が設けられている部分が変形することによって、パネル100と他のパネルとの隙間が閉塞され、第二意匠部92が形成されている頭部82部分は、ほとんど変形しない。このため、第一意匠部90をパネルと同化する色及び/又は模様に形成し、第二意匠部92がはっきりと視認される色及び/又は模様とすることで、第二意匠部92のみがパネル100と他のパネルとの隙間の幅に係らず略同一の幅で視認される。この第二意匠部92が目地部材80として視認され、目地部材80の幅が常に略一定の整った外観に形成される。
【0064】
また、このパネル100と目地部材80とを有する壁組立て体110は、建築現場等で他のパネルが、目地部材80が装着されたパネル100の端部に隣接されることで、他のパネルの隣接具合、すなわち、隙間の幅に関係なく、目地部材80が略同一の幅に形成される。このため、この壁組立て体110は、外観の整った壁構造を提供することができる。
【0065】
なお、目地部材80の第二意匠部92が設けられる位置は、目地部材の中央部分に限定されず、例えば本実施形態では、脚部84に保持部89が設けられている側により幅広に形成しても良い。特に、壁組立て体110では、保持部89と頭部2の裏面83とでパネル100に固定されていることによって頭部2保持部89と同じ側の端部の変形が抑制されている。このため、頭部82の中央及びパネル100側の端部を第二意匠部92に形成し、他のパネルに圧接される側の端部のみを第一意匠部90に形成することができる。
【0066】
また、図9に示すように、パネル100の外表面に、第二意匠部と略等しい幅を有するとともに、目地部材の長手方向に平行に延びている帯状の装飾部108を形成しても良い。装飾部108を設けることにより、第二意匠部92と装飾部108とが協働して、パネル外表面の意匠の一部を構成することができる。第二意匠部92と装飾部108によって形成される意匠は、壁構造体20の場合と同様、種々の形態を選択することができ、壁構造体20の場合と同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、目地部材80は、本実施形態では、壁組立て体110として利用される形態について説明したが、本発明に係る壁構造体に用いることができるのはもちろんである。
【0068】
(第三の実施形態)
本発明の目地部材は、隣接するパネル間の隙間と、この隣接するパネル間の隙間に略一直線上に連通する他の隣接するパネルの間の隙間とにわたって設けることができる。図10に、隣接する二枚のパネルで形成されるパネル対を有し、各パネル対内の隣接するパネル間の隙間が略同一直線上に連通している壁構造体120を示す。
【0069】
この壁構造体120は、パネル132,134が水平方向に隣接されたパネル対130と、パネル142,144が水平方向に隣接されたパネル対140と、パネル152,154が水平方向に隣接されたパネル対150とを備えている。パネル対130,140,150は、図示しない枠体、あるいは躯体等に固着されて一体化されている。
【0070】
各パネル対130,140,150には、対を成すパネルの間にそれぞれ隙間136,146,156が形成されている。各パネル対130,140,150は、垂直方向に配列されており、隙間136,146,156が略同一直線上に連通している。ここで、隙間136は、幅が最大に形成されており、隙間146は、隙間136の中心に対して右側にずれて連通している。また隙間156は、幅が最小に形成されて、隙間136と同一の中心を有するように配置されており、隙間146に対しては左側にずれて連通している。そして、隙間136から隙間156までは、一直線上に連通する部分を備えている。
【0071】
同一直線上で連通する各隙間136,146,156には、その長手方向に沿って、目地部材160と目地部材ホルダ170が設けられている。
目地部材160は、第一意匠部171が他の部位との同時押し出し成形によって形成され、第二意匠部173が塗膜によって形成されている他は、第一の実施形態に係る目地部材1と略同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0072】
目地部材ホルダ170は、目地部材160の脚部と係合して目地部材160を保持する長尺状部材である。本実施形態の目地部材ホルダ170は、図11に示すように、基板部172と、二枚の側板部174とを有している。基板部172及び側板部174は、ともに長手方向に沿って延びる板状部である。二枚の側板部174は、平板状に形成されており、基板部172の一面に所定の間隔をあけて垂設されている。二枚の側板部174の間隔は、目地部材160の脚部164の幅より小さくされており、目地部材160の脚部164が挿入されて、目地部材160が固定されるように形成されている。
【0073】
本実施形態の目地部材ホルダ170では、側板部174は、その高さが目地部材160の脚部164の高さと略等しく形成されている。また、互いに対向する面の上部には、側板部174間の間隔が小さくなるように突出部176が形成されている。
【0074】
目地部材ホルダ170は、隣接するパネルの隙間136,146,156に、各パネルに固定されて設けられる。目地部材ホルダ170は、側板部174が各パネル対130,140,150の隙間に配置されるように、各パネルの裏面側と基板部172とが接着剤等によって直線状に固着される。なお、この接着剤は、図11に示すように、目地部材ホルダ170と各パネル裏面との間をシーリングできるタイプのものが好ましく、例えば、スポンジ状に形成されるタイプのものが好ましい。
なお、本実施形態の壁構造を備える壁構造体では、目地部材ホルダ170は、柱、間柱、胴縁材等に固定して設けることができる。これらの壁構造体の躯体との固定には、釘、ねじ等種々の固定具を用いることができる。
【0075】
目地部材ホルダ170が装着されたパネル間の隙間では、目地部材160は、脚部164が目地部材ホルダ170の二枚の側板部174内に挿入されることによって固定されている。目地部材160は、目地部材ホルダ170に沿ってパネル対130の隙間136からパネル対150の隙間156まで直線状に設けられる。
【0076】
目地部材160は、脚部164が、隣接するパネル間の隙間に挿入されたときと同様、溝状部を構成する側板部174の内側に可撓片が圧接されて固定される。本実施形態の目地部材ホルダ170では、側板部174が目地部材160の脚部164の高さに略等しく形成されているため、脚部164は、下端が基板部172に当接するまで挿入される。また、この状態において、側板部174の上部に形成された突出部が、脚部164の抜け止めとして作用する。
【0077】
目地部材160は、図11(a)(b)(c)に示すように、各々の隙間136,146,156に沿うように第一意匠部171部分の頭部162が変形及び弾性変形されて、閉塞される。例えば、隙間136のように幅が広い部分では、第一意匠部171は、小さく弾性変形して、頭部162の両端がパネル132及び134の両側面に圧接されている。また、隙間156のように幅が狭い部分では、第一意匠部171は、大きく弾性変形して、頭部162の両端がパネル152及び154の両側面に圧接されている。そして、いずれの形態においても第二意匠部173が設けられている部分は、ほとんど変形せず、略同一の幅に保持されている。
【0078】
また、隙間146のように、隙間の中心線が他の隙間とずれている場合では、両側に配置されている頭部162の第一意匠部171部分が、異なる量だけ変形及び弾性変形することによって、隙間146が良好に閉塞される。図10に示すように隙間146の中心線が右側にずれている場合、図11(b)に示すように左側の第一意匠部171部分は、大きく弾性変形され、右側の第一意匠部171部分は、小さく弾性変形される。そして、どちらの側においても頭部162の側端部が圧接されて、隙間146が閉塞されている。
なお、目地部材ホルダ170に目地部材160の脚部164が固定される形態では、頭部162は、パネル間の隙間を閉塞するとともに、シーリングできるように形成されることが、好ましい。
【0079】
また、パネル対130とパネル対140との結合部分、及びパネル対140とパネル対150との結合部分で、パネル側面の位置が大きく変化している場合は、第一意匠部171を切断する等して、各隙間全体が閉塞されるように形成するのが好ましい。
【0080】
この壁構造体120では、一本の長尺状の目地部材160が複数のパネル対にわたって設けられて、頭部162が各隙間に合わせて変形及び弾性変形することで、各隙間136,146,156が良好に閉塞されている。ここで、頭部162は、第一意匠部171が設けられている部分が変形し、第二意匠部173が設けられている部分はほとんど変形していない。このため、第二意匠部173は、各隙間において、略同一の幅に保持されており、パネル外表面側から略同一の幅に視認される。一方、第一意匠部171は、各外装パネル132〜154の外表面に対して目立たないように、各パネルの外表面と同一又は類似の色及び/又は模様に形成されているため、パネルの外表面側からは、パネルに同化して見える。このため、壁構造体120は、複数のパネル対におけるパネル間の隙間の幅や、中心線が異なっていても、直線状に延びる第二意匠部173部分が目地部材160として視認されて、パネル間の隙間が一直線状に見える。このため、目地部材160部分で、各パネル、及び各パネル対間の誤差が良好に補償されるとともに、整った外観に形成される。
【0081】
このため、例えば図11(a)〜(c)に示すように、各パネルの外表面に装飾部や模様を設け、この模様を合わせるために各パネルをずらして配置することができる。このような場合でも、目地部材160によって異なる幅及び中心線に形成される隙間136,146,156を良好に閉塞することができ、且つ第二意匠部173が目地部材160として直線状に視認されるため、整った外観に形成される。
【0082】
また、各隙間136,146,156にわたって目地部材ホルダ170が設けられているため、目地部材160の幅方向の変形が抑制されている。このため、パネル間の隙間の中心がずれていても、目地部材160の幅方向の位置が中心方向に変位することが良好に抑制されている。このため、第二意匠部173が直線状に保持されて、より整った外観を提供することができる。また、目地部材ホルダ170を設けることにより、各隙間136,146,156の大小に係らず、目地部材160の脚部164とパネル側との係合力を一様に強くすることができ、目地部材160が安定に固定される。
【0083】
なお、目地部材ホルダは、本実施形態に限定されず、単一のパネル対と目地部材とで形成される壁構造体や壁組立て体に設けられていても良い。この場合においても、同様な効果を得ることができる。また、パネルの隣接しない端部に沿って目地部材が設けられる壁組立て体において、パネルに目地部材ホルダを固定しておき、この目地部材ホルダによって目地部材をパネルの端部に固定して設けることも可能である。
【0084】
【発明の効果】
本発明では、パネル間の隙間の幅が異なっていても取付前と略同一の幅を有するように視認される目地部材を提供することができる。
また、パネル間の隙間の幅が異なっていても目地部材が取付前と略同一の幅を有するように視認される、目地部材を備えた壁構造体を提供することができる。
同時に、パネル間の隙間の幅が異なっていても目地部材が取付前と略同一の幅を有するように視認される壁構造体を提供できる目地部材を備えた壁組立て体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る目地部材の斜視図である。
【図2】図2(a),(b)は、本発明の目地部材において、第一意匠部及び第二意匠部を異なる形態で設けた例を示す断面図である。
【図3】図3(a),(b)は、本発明の目地部材において、第一意匠部及び第二意匠部を異なる形態で設けた例を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施の形態に係る壁構造体の平面図である。
【図5】図5は、図4の壁構造体の横断面図である。
【図6】図6は、本発明の参考例一に係る目地部材の斜視図である。
【図7】図7は、図6の目地部材を取り付けた壁構造体又は壁組み立て体の壁構造を示す断面図である。
【図8】図8は、参考例二に係る目地部材の斜視図である。
【図9】図9は、図8の目地部材がパネルの一端部に取り付けられた壁組立て体の断面図である。
【図10】図10は、本発明の第三の実施形態に係る、複数のパネル対が有する隙間にわたって目地部材が取り付けられた壁構造体の平面図である。
【図11】図11(a),(b)(c)は、図10の各パネル対部分における横断面図である。
【符号の説明】
1,40,80,160 目地部材
2,42,82,162 頭部
4,44,84,164 脚部
5 芯材
6,46,86 基部
8,48,88 可撓片
10,50,90,171 第一意匠部
12,52,92,173 第二意匠部
14 着色テープ
20,120 壁構造体
22,62,100 パネル
23,63,103 パネル本体
26,66,106 表装部
28,68,108 装飾部
30,70,136,146,156 隙間
60 壁構造
67 突台
83 裏面
89 保持部
102 切り欠き部
130,140,150 パネル対
132,134,142,144,152,154 パネル
170 目地部材ホルダ
172 基板部
174 側板部
176 突出部

Claims (6)

  1. 隣接するパネルの側面間の隙間に沿って取り付けられる長尺状の目地部材であって、
    目地部材は弾性を有するゴム又は合成樹脂から長尺状に押出し成形され、所定位置に取り付けられたとき前記隙間を塞ぐように隙間内に嵌り込む頭部と、前記頭部の裏面側から一体に突出して形成され前記隙間に挿入される基部を持つ脚部とを有し、
    前記頭部の表面には、長手方向に沿って延び、前記頭部の幅方向の中央に形成される第二意匠部と、前記第二意匠部の幅方向両側に配置される第一意匠部とがそれぞれ設けられ、
    前記頭部の第二意匠部が設けられる部分は、頭部の裏面に向けて幅が徐々に大きくなるように形成された前記基部の上部と一体成形され前記第一意匠部が形成されている部分と比較して実質的に厚肉に形成されることで前記第一意匠部が設けられる部位と比較して変形が抑制される構成とされ、
    第一意匠部は、第二意匠部が設けられる部分よりも薄肉で且つ容易に弾性変形する薄肉状に形成されており、
    第二意匠部は頭部に略帯状に押出し成形で一体的に設けられ、第一意匠部は頭部の幅方向の端部分の側面及び裏面を形成するように頭部に略帯状に押出し成形で一体的に設けられ、
    前記第一意匠部は、前記パネルの外表面と同一又は類似の色に形成されるとともに、第二意匠部は、第一意匠部とは異なる色に形成されており、
    当該目地部材がパネル間の隙間の所定位置に取り付けられたとき、第一意匠部が前記隙間に応じて弾性変形して前記パネルの側面に弾接し、第二意匠部は変形せず、取付前と略同一幅を維持するようになっている、目地部材。
  2. 請求項1に記載の目地部材であって、前記第二意匠部は、前記パネルの外表面に凹溝状に形成された装飾部と略同一の幅に形成されている、目地部材。
  3. 請求項1または2に記載の目地部材と、複数枚のパネルとを有する壁構造体であって、
    前記複数枚のパネルは互いに隣接して配設され、
    前記目地部材は、前記隣接するパネル間の隙間に、前記脚部が挿入された状態で装着されている壁構造体。
  4. 請求項3に記載の壁構造体であって、
    第1の隣接するパネルと、該第1の隣接するパネルの間の隙間に略一直線上に連通する隙間を有する第二の隣接するパネルとを備え、前記第1のパネルの間の隙間と前記第二のパネルの間の隙間にわたって前記目地部材が装着されている壁構造体。
  5. 請求項3または4に記載の壁構造体であって、前記パネルの外表面には、帯状の装飾部が形成され、
    前記装飾部は、前記第二意匠部とほぼ等しい幅を有するとともに、目地部材に平行に延びている壁構造体。
  6. 請求項に記載の壁構造体であって、前記装飾部は、前記第二意匠部と同一または類似の色及び/または模様に形成されている壁構造体。
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