JP3580006B2 - 浴室 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、防水床パンの浴槽設置部上の排水と、この浴槽設置部上に設置される浴槽からの排水とが、防水床パンの洗い場部下方に設置される排水トラップまで導かれる浴室に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴室ユニットの防水床パンには、洗い場を形成する洗い場部の横に、浴槽を設置する浴槽設置部が形成されていて、浴槽と浴室内壁との間に施工されたコーキング材等に傷みが生じた場合でも、この浴槽設置部により、漏水が床下に流出するのが防止されている。この場合、浴槽からの排水を含めた防水床パンの浴槽設置部側の排水は、防水床パンの洗い場部下方に取り付けられた排水トラップに送られた後、洗い場部側の排水とともに外部に排出される。
【0003】
図6はこのような防水床パン周りの浴室の排水路構造の一例(特開平3ー260230号公報)を示すものである。図において、防水床パンの浴槽設置部100上には浴槽110が設置され、この浴槽設置部100に隣接する防水床パンの洗い場部101には、排水口101a下方の下面側に、排水トラップ120が取り付けられている。そして、浴槽110の排水部110aと浴槽設置部100の排水孔部100aとは第1排水管121で接続され、浴槽設置部100の排水孔部100aと排水トラップ120とは第2排水管122で接続されている。また、浴槽設置部100の排水孔部100aには、浴槽設置部100上の排水は通すが、第2排水管122内の排水の浴槽設置部100側への逆流は防止する逆流防止装置123が取り付けられている。
【0004】
このような排水路構造では、浴槽110内の排水を、第1排水管121、逆流防止装置123、第2排水管122を通って、排水トラップ120側に流した後、これを洗い場部101側の排水とともに、外部に排出するため、浴槽110内の排水を浴槽設置部100上に直接流す場合に比べて、浴槽設置部100側における臭気の発生が防止される。また、浴槽110と浴室内壁との間の隙間等から漏れ込んだ漏水は、浴槽設置部100に受けられた後、排水部100aの逆流防止装置123を通って、第2排水管122から排水トラップ120側に排出される。
【0005】
一方、第1および第2排水管121,122内が浴槽110側の排水で一杯になった場合には、この排水が排水部100a側から浴槽設置部100側に逆流する可能性があるが、この逆流は、逆流防止装置123により阻止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の浴室の排水路構造では、第1排水管121が浴槽110の下方に配置され、浴槽110と浴槽設置部100間の隙間tが大きくなるため、洗い場部101側から浴槽110側へのまたぎ込み高さHが大きくなってしまう。このため、このような排水路構造では、高齢者等にとって、浴室が入浴しずらいものになってしまうという問題があった。
【0007】
一方、防水床パンの浴槽設置部100と洗い場部101とに大きな段差を設け、またぎ込み高さHを小さくすることも考えられるが、こうすると、浴室の設置面と建物の床面との間の距離が小さく抑えられるマンション等の場合に、脱衣室の床面と浴室の洗い場側(出入り口部)との段差が大きくなってしまう。したがって、この場合は、高齢者等にとって浴室が出入りしずらいものになってしまうという問題があった。
【0008】
この発明は、以上の点に鑑み、入浴が容易で、出入りも容易であるとともに、防水床パンの浴槽設置部側からの臭気の発生を防止でき、かつ、浴槽設置部上の排水の処理も容易に行なうことができる浴室を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明は、浴槽設置部と洗い場部とが設けられている防水床パンを用いた浴室であって、前記浴槽設置部上には、浴槽の底部に設けられた排水部と、この排水部に対向して前記浴槽設置部側に設けられた排水孔部とを密閉状態で接続することにより、前記浴槽の底部を下げて、前記洗い場部から前記浴槽へのまたぎ高さを小さくするように、前記浴槽を設置し、かつ、水溜部の下部に形成され、主に前記浴槽の排水を流す排水路が前記排水孔部側から水平な状態で接続される入口部と、前記水溜部の上方に連通するように形成された出口部とを備えた排水トラップを、前記水溜部を形成するトラップ本体が前記洗い場部の上面に近接するように、この洗い場部に取り付け、さらに、前記排水孔部と前記排水トラップとを、前記防水床パンの下方側で接続する前記排水路中に、前記浴槽設置部上の排水は通すが、この浴槽設置部側への排水の逆流は防止するとともに、前記浴槽設置部の前記洗い場部側寄りに配置される集水部を連通させ、さらに、前記排水路及び前記排水トラップと浴室の建築基部との間に僅かな隙間をおくように前記防水床パンを配置して、前記洗い場部と前記浴室の建築基部間の上下距離を小さくしていることである。
【0010】
この発明では、浴槽の排水部と浴槽設置部の排水孔部とを直結状態で連結できるため、浴槽の下方に余分な排水配管を配置する必要がなく、その分、浴槽と防水床パンとの距離を小さくできる。このため、防水床パンの洗い場部側の浴室の出入口部と浴室に隣接する脱衣室の床面との段差を大きくしなくても、浴槽の上面と洗い場部の上面間の距離(またぎ高さ)を小さくできる。
【0011】
また、この発明では、排水路及び排水トラップと浴室の建築基部との間に僅かな隙間をおくように防水床パンを配置して、洗い場部と浴室の建築基部間の上下距離を小さくしているので、浴室の設置面と建物の床面との間の距離が小さく抑えられるマンション等の場合において、浴室に対する出入りの容易化を達成できる。
【0012】
さらに、この発明では、浴槽の周囲から防水床パンの浴槽設置部側に漏れた漏水を、集水部で集めた後、排水路から排水トラップ側に排出できるため、浴槽設置部上の排水の処理も容易になされる。この場合、集水部が、浴槽設置部の洗い場部側寄りに設けられるため、この集水部の清掃等を洗い場部側から容易に行なうことができる。もちろん、この発明では、浴槽中の排水が防水床パンの浴槽設置部上に流されることはないため、この排水によって浴槽設置部側に臭気が発生することはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1はこの発明の一実施の形態に係る排水路構造を備えた浴室の下部側の断面図であり、図2はこの浴室の防水床パン周りの平面図である。
【0014】
図2において、符号1は浴室設置空間の下部側一杯に設置されている、浴室Y形成用の防水床パンである。この防水床パン1は、上方に突出する中央の土手部10によって、左側の浴槽設置部11と右側の洗い場部12とに分けられているとともに、外周部に、浴室Yの内壁となる壁パネル(図示せず)が取り付けられる壁載せ部13が形成されている。そして、この壁載せ部13の脱衣室D側には、ドア枠W(図1参照)が取り付けられて、浴室Yの出入口部Y1が形成されている。
【0015】
図1において、符号2は防水床パン1の浴槽設置部11上に設置される浴槽である。この浴槽2は、上部側の外縁部20が、コーキング材を介して、前述の壁パネルと密着するように取り付けられていて、浴槽2周りの湯の防水床パン1側への漏れ込みが防止されている。浴槽2の底部には、湯を外部に排出する排水部としての排水ノズル21が下方に突出するように形成されている。この排水ノズル21は、上部側が排水栓22によって閉じられているとともに、下部側にゴミ受け23が取り付けられている。また、浴槽2の外縁部20と防水床パン1の土手部10との間には、エプロン部3が着脱容易に取り付けられ、このエプロン部3によって、浴槽2の側部等が外部から見えないようになっている。
【0016】
防水床パン1の浴槽設置部11には、図1で示されるように、土手部10寄りに2つの開口が形成されており、浴槽2の排水ノズル21に対向した位置に形成された開口周りは、排水ノズル21が差し込まれる排水孔部4が取り付けられているとともに、土手部10に寄った他方の開口周りには、浴槽設置部11上の漏水を集める集水部5が取り付けられている。また、防水床パン1の洗い場部12には、土手部10側に、前述の浴槽設置部11側の2つの開口と並ぶように、やや大きな開口が形成されており、この開口周りに、排水トラップ6が取り付けられている。そして、この防水床パン1の下方には、排水孔部4から排水トラップ6まで排水路7が設けられているとともに、この排水路7に集水部5が連通している。
【0017】
排水孔部4は、図3で示されるように、ノズル本体40と、締付リング41と、リングパッキン42と、筒状パッキン43とから構成されている。ノズル本体40は、浴槽設置部11の開口内に、外つば40aが当接するまで差し込まれた後、下部の外ねじ部40bに、リングパッキン42を介して締付リング41がねじ込まれることにより、防水床パン1に取り付けられている。そして、このノズル本体40の上部側内方には、図1で示されるように、筒状パッキン43を介して、浴槽2の排水ノズル21が差し込まれていて、排水孔部4と排水ノズル21とが密閉状態で接続されている。
【0018】
集水部5は、図4で示されるように、集水部本体50と、目皿51と、フロート板52と、締付リング53と、リングパッキン54と、排水管55とから構成されている。集水部本体50は、外方に延びる上部外縁50aが浴槽設置部11の開口周りに当接するまで、この開口内に差し込まれた後、下部の外ねじ部50bに、リングパッキン54を介して締付リング53がねじ込まれることにより、防水床パン1に取り付けられている。集水部本体50には、上下に貫通する孔部の上端に、目皿51を取り付けるためのリング溝50cが形成され、このリング溝50cの下方に、フロート板52が上方に移動可能な状態で載置される段部50dが形成されている。また、集水部本体50には、下部に、排水路7に連結される排水管55が取り付けられている。なお、集水部本体50の段部50dには、流入溝50eが形成されている。
【0019】
ここで、フロート板52は、通常自重によって段部50d上に載置されるため、浴槽設置部11上の排水(漏水)は、目皿51の開口51aを通った後、フロート板52横の流入溝50eと排水管55等とを通って、排水路7に流れ込む。一方、排水路7や排水管55中が排水で満たされると、フロート板52は、浮力によって目皿51側に押し上げられ、目皿51の開口51aを塞ぐ。このため、排水路7中の排水は、浴槽設置部11側へ逆流することなく、排水路7中を排水トラップ6側に流れる。
【0020】
排水トラップ6は、図5で示されるように、トラップ本体60と、カバー部61と、フランジ部62と、内管部63と、目皿64と、Uパッキン65とから構成されている。トラップ本体60には、下部側中央に所定高さの水溜部60aが形成されているとともに、この水溜部60aの下部に連通するように、入口部60bが形成され、かつ、水溜部60aの上方に連通するように出口部60cが形成されている。そして、このトラップ本体60上部には、中央の開口部周りに雌ねじ部61aが形成されたカバー部61が取り付けられている。
【0021】
フランジ部62は、上端側の外縁部62aが、洗い場部12の開口周りに取り付けられたUパッキン65上に載置された状態で、中央部が、カバー部61の開口部を介してトラップ本体60内に落とし込まれており、この中央部の下部側の開口周りに、トラップ本体60の水溜部60a内に差し込まれる内管部63が支持されている。このフランジ部62の中央部の外周面には、カバー部61の雌ねじ部61aにねじ込まれる雄ねじ部62bが形成されている。したがって、排水トラップ6は、フランジ部62の雄ねじ部62bをカバー部61の雌ねじ部61aにねじ込むことにより、フランジ部62とカバー部61とでUパッキン65を加圧した状態で、防水床パン1の洗い場部12側に取り付けられる。なお、多数の開口64aを有する目皿64は、フランジ部62の上部に、上面が外縁部62aの上面と面一となるように、載置されている。
【0022】
排水路7は、排水孔部4から排水トラップ6側に向かって水平に形成されており、上下管70、L管71、水平管72,73およびT管74とから構成されている。
【0023】
なお、排水路7の下方には、図1で示されるように、僅かな隙間L1をおいて、浴室形成用の建築基部Kが配置されているとともに、脱衣室D側には、建築基部Kよりやや上方に、床面D1が形成されている。
【0024】
つぎに、浴槽2の排水ノズル21から、防水床パン1側の排水孔部4と、集水部5と、排水路7とによって、排水トラップ6まで形成される排水路構造の作用効果について説明する。
【0025】
防水床パン1の洗い場部12側で生じた入浴時の排水は、洗い場部12の上面上を流れて、排水トラップ6の目皿64から、内管部63を通って、トラップ本体60の水溜部60a内に溜められた後、この水溜部60aをオーバーフローして、出口部60cから排水トラップ6外に排出される。この場合、髪の毛等の異物は目皿64によりキャッチされる。また、エプロン部3周りの隙間や、浴槽2と壁パネルとの間のコーキング材の劣化部や損傷部から、防水床パン1の浴槽設置部11側に水が漏れ込んでも、この漏水は、浴槽設置部11の上面上を流れて、集水部5の目皿51から、フロート板52の横を通って、排水路7側に流れた後、排水トラップ6側に排出される。
【0026】
さらに、入浴終了後の浴槽2内の排水は、排水栓22を開けることにより、排水ノズル21から排水孔部4を通って、排水路7側に流れた後、排水トラップ6から外部に排出される。この場合、排水路7および集水部5内は排水で満たされるため、集水部5内の排水が防水床パン1の浴槽設置部11側に逆流しようとするが、集水部5のフロート板52が目皿51の開口51aを塞ぐため、排水路7中の排水の逆流は生じない。
【0027】
一方、この排水路構造では、図1で示されるように、防水床パン1側の排水孔部4が浴槽2の排水ノズル21に対向する位置に設けられ、排水孔部4内に排水ノズル21が直接差し込まれる構造となっているため、浴槽2の下面側に排水配管が配置されることはなく、浴槽2の底部側の下面と浴槽設置部11の上面間の距離L2を小さくすることができる。このため、防水床パン1の洗い場部12の上面を浴槽設置部11の上面より大きく上げなくても、浴槽2の上面20aと洗い場部12の上面間の距離(以下、またぎ高さL3という)を小さくすることができ、洗い場部12の上面と建築基部Kの上面間の距離L4も小さくできる。したがって、この排水路構造では、図1で示されるように、ドア枠Wのしきい部上面W1と脱衣室Dの床面D1間の距離L5を小さくでき、歩行機能が衰えた高齢者であっても、浴室Y内での入浴や浴室Yへの出入りが容易にできる。
【0028】
また、この排水路構造では、浴槽設置部11側の漏水の処理を行なう集水部5が、浴槽2の側方のエプロン部3に近い位置に配置されているため、エプロン部3を取り外すことにより、集水部5周りの掃除も容易になすことができる。すなわち、集水部5の目皿51には、漏水中に含まれる髪の毛等の異物がキャッチされるため、目皿51の清掃が必要となるが、この作業が容易に行なえるようになるとともに、異物等に起因して、フロート板52の動きが不充分になった場合に、フロート板52周りの清掃が必要になるが、この作業が容易に行なえるようになる。
【0029】
さらに、この排水路構造では、浴槽2中の排水が防水床パン1の浴槽設置部11上に排水されることがないため、この浴槽設置部11に臭気が生じることもない。この場合、漏水は浴槽設置部11上を流れるが、量が僅かなため、この漏水によって浴槽設置部11に臭気が生じることはほとんどない。
【0030】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載の発明によれば、入浴が容易で、浴室に対する出入りも容易にできるとともに、防水床パンの浴槽設置部側からの臭気の発生を防止でき、かつ、浴槽設置部上の排水の処理も容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る浴室の排水路構造を示す断面図である。
【図2】浴室の防水床パン周りの平面図である。
【図3】図1で示される排水路構造の浴槽下部や排水孔部周りの拡大断面図である。
【図4】図1で示される排水路構造の集水部周りの拡大断面図である。
【図5】図1で示される排水路構造の排水トラップ周りの拡大断面図である。
【図6】従来の浴室の排水路構造を示す図である。
【符号の説明】
1 防水床パン
2 浴槽
4 排水孔部
5 集水部
6 排水トラップ
7 排水路
11 浴槽設置部
12 洗い場部
21 排水ノズル(排水部)
Claims (1)
- 浴槽設置部と洗い場部とが設けられている防水床パンを用いた浴室であって、
前記浴槽設置部上には、浴槽の底部に設けられた排水部と、この排水部に対向して前記浴槽設置部側に設けられた排水孔部とを密閉状態で接続することにより、前記浴槽の底部を下げて、前記洗い場部から前記浴槽へのまたぎ高さを小さくするように、前記浴槽を設置し、
かつ、水溜部の下部に形成され、主に前記浴槽の排水を流す排水路が前記排水孔部側から水平な状態で接続される入口部と、前記水溜部の上方に連通するように形成された出口部とを備えた排水トラップを、前記水溜部を形成するトラップ本体が前記洗い場部の上面に近接するように、この洗い場部に取り付け、
さらに、前記排水孔部と前記排水トラップとを、前記防水床パンの下方側で接続する前記排水路中に、前記浴槽設置部上の排水は通すが、この浴槽設置部側への排水の逆流は防止するとともに、前記浴槽設置部の前記洗い場部側寄りに配置される集水部を連通させ、
さらに、前記排水路及び前記排水トラップと浴室の建築基部との間に僅かな隙間をおくように前記防水床パンを配置して、前記洗い場部と前記浴室の建築基部間の上下距離を小さくしていることを特徴とする浴室。
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