JP3569065B2

JP3569065B2 - Skin and oral compositions

Info

Publication number: JP3569065B2
Application number: JP04825196A
Authority: JP
Inventors: 増美竹井
Original assignee: Noevir Co Ltd
Current assignee: Noevir Co Ltd
Priority date: 1996-02-08
Filing date: 1996-02-08
Publication date: 2004-09-22
Anticipated expiration: 2016-02-08
Also published as: JPH09216810A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油溶性物質又はペプチドを内包したシクロデキストリンポリマーチューブを含有することを特徴とする、新規な皮膚及び口腔用組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、薬剤や生理活性物質の安定化や可溶化、或いは揮発性物質の不揮発化等を目的として、シクロデキストリン等との包接が応用されてきた。化粧料の分野においても、スクワランをシクロデキストリンに包接させて配合したり（特開昭６３−６８５２０）、香料をヒドロキシプロピル化シクロデキストリンに包接させる技術（日本香粧品科学会誌１７（１）７３−８３（１９９３），特開平７−２４１３３３等）が開示されている。
【０００３】
また、特に難溶性の物質を安定に可溶化するため、シクロデキストリンをエピクロルヒドリン等により架橋して生成したシクロデキストリンポリマーを使用する方法が提案されている（特開昭６１−９７０２５）。
【０００４】
しかしながら、長鎖のポリマーや鎖状の物質はシクロデキストリンに安定に包接させることが難しく、また、上記のように単にシクロデキストリンを架橋して生成したポリマーでは、シクロデキストリンがランダムに配列され、やはり前記ポリマー等を効率よく内包させるのは困難であり、油溶性物質を直線状に配列して内包することもできなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、油溶性物質又はペプチドを安定に含有する、水性の皮膚外用剤又は化粧料或いは口腔用組成物であって、しかも生体適合性及び皮膚や口腔粘膜に対する安全性が高いものを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
最近、ひとつの分子に多くの環状分子を閉じこめたポリロタキサンから合成されたシクロデキストリンポリマーチューブが報告されているが（ファルマシア３１（１１）１２５８−１２６７（１９９５），Ｎａｔｕｒｅ３６４５１６−５１８（１９９３））、今回、このシクロデキストリンポリマーチューブを応用することにより良好な結果が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【０００７】
本発明において使用するシクロデキストリンポリマーチューブは、たとえば次のようにして調製することができる。まず、α−シクロデキストリンとポリエチレングリコールビスアミン等のポリマーとの錯体を形成させて単離し、それを乾燥した後、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒中でジニトロフルオロベンゼン等と反応させ、嵩高い置換基により両端をブロックしたポリロタキサンを得る。このポリロタキサンを薄アルカリ溶液に溶解し、エピクロルヒドリン等によりシクロデキストリンどうしを架橋した後、濃アルカリ溶液中で加熱して末端の置換基を切断することにより、中のポリマーも抜け出て、目的とするポリマーチューブが得られる。
【０００８】
上記において、ポリロタキサンを形成する際に、ポリマーとしてポリプロピレングリコール誘導体を用いるとβ−シクロデキストリンのポリマーチューブが得られ、ポリメチルビニルエーテル誘導体を用いるとγ−シクロデキストリンのポリマーチューブを得ることができる。
【０００９】
シクロデキストリンポリマーチューブに内包させる油溶性物質としては、鎖状の炭化水素類、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、テルペノイド、ステロイド、油溶性ビタミン類、プロスタグランディン、リン脂質、スフィンゴ脂質、油溶性色素類，紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【００１０】
上記鎖状の炭化水素類としては、流動パラフィン，イソパラフィン，スクワレン，スクワラン，プリスタン等の飽和又は不飽和炭化水素が挙げられる。
【００１１】
上記高級脂肪族アルコールとしては、１−デカノール（カプリルアルコール）〜１−ドコサノール（ベヘニルアルコール）等の炭素数が１０〜２２程度の飽和１−アルコール、２−デカノール〜２−ドコサノール等の炭素数が１０〜２２程度の飽和２−アルコール、ウンデセノール〜ドコセノール，リノレイルアルコール，リノレニルアルコール等の炭素数が１０〜２２程度の不飽和アルコールなどが挙げられる。
【００１２】
上記高級脂肪酸としては、デカン酸（カプリン酸）〜ドコサン酸（ベヘン酸）等の炭素数１０〜２２程度の直鎖飽和脂肪酸、デセン酸〜ドコセン酸等の炭素数１０〜２２程度の直鎖モノエン酸、リノール酸，リノエライジン酸，リノレン酸，アラキドン酸等の炭素数１０〜２２程度のジ，トリ及びテトラエン酸、炭素数１０〜２２程度のα−ヒドロキシ脂肪酸などが挙げられる。
【００１３】
上記テルペノイドとしては、ミルセン，リモネン，ゲラニオール，メントール，ファルネソール等の香気，香味成分、α−カロテン，β−カロテン，γ−カロテンなどが挙げられる。
【００１４】
上記ステロイドとしては、コレステロール，ジヒドロコレステロール，セレブロステロール，フィトステロール等のステロール類、ラノステロール，ジヒドロラノステロール等のトリテルペンアルコール類、エストロン，エストラジオール，プレグネノロン，コルチコステロイド等のステロイドホルモン類などが挙げられ、またステロイド類似物質のグリチルリチン酸やグリチルレチン酸も好適に用いることができる。
【００１５】
上記油溶性ビタミン類としては、レチノール（ビタミンＡ），レチナール，エルゴカルシフェロール（ビタミンＤ），α−トコフェロール（ビタミンＥ），ビタミンＫ等が挙げられる。
【００１６】
上記プロスタグランディン類としては、プロスタグランディン（ＰＧ）Ｅ_１，ＰＧＥ_２，ＰＧＤ_２，ＰＧＩ_２などが挙げられる。
【００１７】
上記リン脂質としては、ホスファチジルコリン（レシチン），ホスファチジルエタノールアミン（セファリン），ホスファチジルセリン，ホスファチジルイノシトール，ホスファチジルグリセロール等が挙げられる。
【００１８】
上記スフィンゴ脂質としては、スフィンゴミエリン，セレブロシド，スルファチド，セラミドオリゴヘキソシド，グロボシド，ガングリオシド等が挙げられる。また、スフィンゴ脂質を構成するスフィンゴシンやセラミドも、シクロデキストリンポリマーチューブに内包させることができる。
【００１９】
上記油溶性色素類としては、ローダミンＢステアレート（赤色２１５号），テトラブロモフルオレセイン（赤色２２３号），スダンＩＩＩ（赤色２２５号），ジブロモフルオレセイン（だいだい色２０１号），フルオレセイン（黄色２０１号），キノリンイエローＷＳ（黄色２０４号），アズリンパープルＳＳ（紫色２０１号），オイルレッドＸＯ（赤色５０５号），オレンジＳＳ（だいだい色４０３号），イエローＡＢ（黄色４０４号），イエローＯＢ（黄色４０５号），スダンブルー（青色４０３号）等が挙げられる。
【００２０】
上記紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸エチル，パラジメチルアミノ安息香酸２−エチルヘキシル等のパラアミノ安息香酸誘導体，パラメトキシ桂皮酸エチル，パラメトキシ桂皮酸２−エチルヘキシル等のメトキシ桂皮酸誘導体、２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、サリチル酸オクチル，サリチル酸フェニル等のサリチル酸誘導体、４−ｔｅｒｔ−ブチル−４’−メトキシジベンゾイルメタンなどが挙げられる。
【００２１】
一方シクロデキストリンポリマーチューブに内包し得るペプチド類としては、特に皮膚構成タンパク質であるケラチン，コラーゲン，エラスチン等の加水分解物や、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン，甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン，成長ホルモン放出ホルモン，メラニン細胞刺激ホルモン放出ホルモンといった視床下部ホルモン、甲状腺刺激ホルモン，副腎皮質刺激ホルモン，性腺刺激ホルモン，成長ホルモン，メラニン細胞刺激ホルモンといった下垂体ホルモンなどのホルモン類、インターロイキン類、表皮増殖因子（ＥＧＦ）、線維芽細胞増殖因子（ＦＧＦ）等、生理活性ペプチドが挙げられる。
【００２２】
上記の油溶性物質又はペプチド類を内包させるシクロデキストリンポリマーチューブとしては、内包させる物質の大きさ及び嵩高さによって、α−シクロデキストリンによるポリマーチューブからγ−シクロデキストリンによるポリマーチューブより、最適なものを選択して用いる。
【００２３】
【作用】
本発明の皮膚用及び口腔用組成物においては、油溶性の物質を安定且つ良好に水性の基剤に分散，配合することができ、またビタミン類をはじめ生理活性物質の活性の持続性を高めることができる。さらにペプチド等の生理活性物質の皮膚又は口腔粘膜刺激性を緩和することができる。
【００２４】
【発明の実施の形態】
本発明は、特に基剤が水性又はゲル状の皮膚外用剤として好適に実施することができる。さらに、化粧水，化粧用ゲル，乳液等の水性化粧料の形態でも実施することができる。また、洗口剤，口中清涼剤等の口腔用組成物としても実施し得る。
【００２５】
【実施例】
さらに本発明について、実施例により詳細に説明する。
【００２６】
まず、本発明の実施例において皮膚及び口腔用組成物に配合した油溶性物質等を内包したシクロデキストリンポリマーチューブを表１にまとめて示す。これらは、シクロデキストリンポリマーチューブの水溶液に、内包させる物質又はその溶液を攪拌しながら添加して分散させ、シクロデキストリンポリマーチューブ内に取り込ませて調製する。
【表１】

【００２７】
次に、本発明の実施例１〜実施例３として、皮膚用ローションの処方を表２に示す。これらは、表２中（１），（２）及び（４）を混合し均一とした後、（３）を順次添加して分散させて調製する。
【表２】

【００２８】
続いて、本発明の実施例４〜実施例６として、皮膚用乳剤の処方を表３に示す。これらは次のようにして調製する。表３中（１）〜（５）の油相成分を混合，加熱して均一に溶解し、７０℃に保つ。一方、（６）〜（８）及び（１０）の水相成分を混合，加熱して均一とし、７０℃とする。この水相成分に前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化させ、冷却して室温にて（９）を添加，分散させる。
【表３】

【００２９】
表４には、本発明の実施例７〜実施例９として、ゲル状皮膚用剤の処方を示す。これらは次のようにして調製する。表４中（６）に（２）を均一に溶解させた後、（１）に（４）を溶解させて添加し、ついで（３）を加えて増粘させ、（５）を分散させる。
【表４】

【００３０】
表５には、本発明の実施例１０〜実施例１２として保湿化粧水の処方を示す。これらの調製方法は次の通りである。表５中（１）〜（３）及び（５）を混合，溶解して、（４）とともに（６）に加えて混合する。
【表５】

【００３１】
表６には、本発明の実施例１３である日焼け止め用乳液の処方を示す。これは次のようにして調製する。表６中（１）〜（５）の油相成分を混合，加熱して７０℃とする。一方、（６），（９），（１２）の水相成分を混合，加熱して７０℃とし、これに前記油相を加えて予備乳化し、ついで（７）を加えて均一に混和した後、（８）を加えて中和し、ホモミキサーにより均一に乳化して冷却する。冷却後、４０℃にて（１０），（１１）を添加し、均一に混合，分散させる。
【表６】

【００３２】
表７には、本発明の実施例１４である口中清涼剤の処方を示した。これは、表７中（１），（２），（４）を混合均一化し、これに（３）を分散させて調製する。
【表７】

【００３３】
表８には、本発明の実施例１５及び実施例１６として、水性入浴剤の処方を示した。これらは、表８中（１），（２）及び（４）を混合，均一化し、（３）を分散させて調製する。
【表８】

【００３４】
上記の実施例のうち、まず実施例１〜実施例９の皮膚用剤について、安定性の評価と皮膚炎の治療効果を検討した。この際、各実施例中の油溶性物質等を内包したシクロデキストリンポリマーチューブの替わりに、各油溶性物質等をシクロデキストリンポリマーチューブに内包しないで配合し、精製水で全量を１００．０重量％に調製したものを比較例とした。なお、各比較例における油溶性物質等の配合量は、各実施例に含有されるこれら成分の計算値と同程度含有されるように、各実施例中の油溶性物質等内包シクロデキストリンポリマーチューブの配合量の１／１０量とした。
【００３５】
安定性については、２５℃で３カ月間保存後、外観，状態の変化や油溶性物質等の活性低下の有無を観察，評価し、「○；外観，状態の変化及び油溶性物質等の活性低下を認めない」、「△；外観，状態の変化或いは油溶性物質等の活性低下を若干認める」、「×；外観，状態の変化或いは油溶性物質等の活性低下が著しい」として評価した。皮膚炎の治療効果については、皮膚炎患者２０名を１群として、各群に１日１回実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて１週間使用させ、皮膚炎症状の改善状況を観察した。結果は「改善」，「やや改善」，「変化なし」の３段階で評価し、各評価を認めたパネラーの数にて示した。以上の結果は表９にまとめて示した。
【００３６】
【表９】

表９より、本発明の実施例ではいずれにおいても良好な安定性が認められた。また実施例使用群では、全パネラーにおいて皮膚炎の改善傾向が認められていた。これは、本発明においては、皮膚に対しエモリエント効果を有する油性成分や、細胞賦活効果，抗炎症効果，創傷治癒効果等を有する成分が皮膚上に良好に保持され、徐々にシクロデキストリンポリマーチューブから放出されることによるものと考えられる。これに対し、比較例ではいずれも油溶性物質が安定に分散されず、レチノール，プロスタグランディンＥ_１，表皮増殖因子については特に活性の低下が顕著に認められた。また、皮膚炎の治療効果においても不十分であった。
【００３７】
続いて実施例１０〜実施例１２について、上記と同様に安定性の評価を行い、また使用感について使用試験を行った。使用試験は２０才〜５０才の女性パネラー２０名を１群とし、ブラインドにて実施例及び比較例をそれぞれ使用させて、化粧水のしっとり感，さっぱり感，べたつき感について官能評価させて行った。結果はしっとり感及びさっぱり感については「ある；５点」，「ややある；４点」，「どちらともいえない；３点」，「ややない；２点」，「ない；１点」、べたつき感については「ない；５点」，「ややない；４点」，「どちらともいえない；３点」，「ややある；２点」，「ある；１点」として点数化し、２０名の平均値を算出して示した。これらの結果は表１０にまとめて示した。なお比較例１０〜１２は上記と同様に調製した。
【００３８】
【表１０】

表１０より、本発明の実施例ではいずれにおいても良好な安定性が認められたが、比較例では油溶性物質の分離，析出やコラーゲン由来ペプチドの変質が認められた。使用試験結果においても、実施例使用群ではいずれにおいても十分なしっとり感に加えて、さっぱり感を有し、べたつき感もほとんど認められていなかった。これに対し、比較例使用群ではさっぱり感を認めたパネラーは少なく、またべたつき感もかなり認められていた。
【００３９】
次に本発明の実施例１３について、日焼け止め指数（ＳｕｎＰｒｏｔｅｃｔｉｏｎＦａｃｔｏｒ，ＳＰＦ）及び皮膚刺激性の評価を行った。
【００４０】
ＳＰＦの測定は、スキンタイプＩ〜ＩＩＩの成人男子２０名を被験者とし、あらかじめ背部の試料未塗布部の最小紅斑量（ＭＥＤ）を求めた後、背部に２ｍｇ／ｃｍ^２の割合で２０ｃｍ^２の部分に試料を塗布して、光源としてキセノンアークソーラーシミュレーターを用いて、試料の予想ＳＰＦ値以上の照射を公比１．３で５段階で行い、試料塗布部のＭＥＤを求めることにより行った。ＳＰＦ値は次式（１）により算出し、各被験者の平均値により表した。
【数１】

【００４１】
一方皮膚刺激性は、各試料につき３０名の男性パネラーを用いて４８時間の閉塞貼付試験を行い、結果を表１１に示す判定基準により評価し、３０名の皮膚刺激指数の平均値を求めた。なお、比較例１３は上記と同様に調製した。
【表１１】

【００４２】
【表１２】

以上の結果を表１２にまとめて示した。表１２より、本発明の実施例１３ではそこそこのＳＰＦ値を示しており、また皮膚刺激性は認められていない。これに対して、比較例１３では、実施例１３に比べＳＰＦ値がかなり低いにもかかわらず若干の皮膚刺激性が認められた。このように、紫外線吸収剤をシクロデキストリンポリマーチューブに内包して配合した場合には、紫外線吸収剤の分散性が向上するとともに、これらの皮膚吸収が抑制され、紫外線吸収効果及び皮膚に対する安全性の双方を向上させることができると考えられる。
【００４３】
本発明の実施例１４については、上記と同様に安定性の評価を行い、また清涼感の強さと持続性について使用試験を行った。使用試験は、２０才〜５０才の男女パネラー２０名を１群とし、ブラインドにて実施例１４及び比較例１４のそれぞれを使用させ、清涼感について「強い；５点」，「やや強い；４点」，「普通；３点」，「やや弱い；２点」，「弱い；１点」、及び「持続する；５点」，「やや持続する；４点」，「普通；３点」，「あまり持続しない；２点」，「持続しない；１点」として官能評価させて点数化して行った。なお、比較例１４は上記と同様にして調製した。
【００４４】
【表１３】

結果を表１３にまとめて示した。表１３より、本発明の実施例１４では良好な安定性が認められ、また適度な清涼感が得られ、さらにそれが良好に持続することが示される。これに対し、比較例１４ではｌ−メントールの分散性が悪く、清涼感の持続性についての評価も良くなかった。
【００４５】
最後に、実施例１５及び実施例１６について、保存安定性及び浴湯に添加した際の色調及び香りの持続性を評価した。保存安定性は上記と同様に評価し、浴湯中での色調及び香りの持続性については、４２℃の浴湯４０ｌに実施例及び比較例のそれぞれを１０ｍｌ投じ、３時間経過したときの色調の安定性及び香りの持続性を評価して、ともに「良好；○」，「やや悪い；△」，「悪い；×」として表した。なお、比較例１５及び１６は上記と同様に調製した。結果は表１４にまとめて示した。
【００４６】
【表１４】

表１４より、本発明の実施例１５及び実施例１６では、保存時の香料成分及び色素の分散安定性、浴湯添加時の色調の安定性及び香りの持続性が良好であることが明らかである。また、比較例１５及び比較例１６では、香料成分等の分散安定性が悪く、色調の安定性及び香りの持続性も良くなかった。
【００４７】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、油溶性物質又はペプチドを水性基剤に安定に配合することができ、しかも生体適合性が高くて皮膚及び口腔粘膜に対して安全な皮膚及び口腔用組成物を得ることができた。さらに本発明においては、不安定な生理活性成分や薬剤或いはペプチドの安定化，有効成分の徐放性による持続性の向上等、種々の効果を得ることができた。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel skin and oral composition comprising a cyclodextrin polymer tube containing an oil-soluble substance or a peptide.
[0002]
[Prior art]
BACKGROUND ART Conventionally, inclusion with cyclodextrin or the like has been applied for the purpose of stabilizing or solubilizing a drug or a physiologically active substance, or making a volatile substance non-volatile. In the field of cosmetics as well, a technique of including squalane by inclusion in cyclodextrin and blending it (Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-68520), and a technique of including fragrance in hydroxypropylated cyclodextrin (Japanese Journal of Cosmetic Science 17 ) 73-83 (1993), JP-A-7-241333, and the like.
[0003]
Further, in order to stably solubilize hardly soluble substances, there has been proposed a method of using a cyclodextrin polymer produced by crosslinking cyclodextrin with epichlorohydrin or the like (Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-97025).
[0004]
However, it is difficult to stably include a long-chain polymer or a chain-like substance in cyclodextrin, and in a polymer formed by simply cross-linking cyclodextrin as described above, cyclodextrin is randomly arranged, Again, it is difficult to efficiently enclose the polymer or the like, and it has not been possible to linearly arrange and enclose the oil-soluble substances.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the present invention, an aqueous skin external preparation, cosmetic or oral composition containing an oil-soluble substance or peptide stably, which has high biocompatibility and high safety to skin and oral mucosa is provided. The purpose is to do.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
Recently, a cyclodextrin polymer tube synthesized from a polyrotaxane in which many cyclic molecules are confined in one molecule has been reported (Pharmacia 31 (11) 1258-1267 (1995), Nature 364 516-518 (1993)). This time, they have found that good results can be obtained by applying this cyclodextrin polymer tube, and have completed the present invention.
[0007]
The cyclodextrin polymer tube used in the present invention can be prepared, for example, as follows. First, a complex of α-cyclodextrin and a polymer such as polyethylene glycol bisamine is formed and isolated.After drying, it is reacted with dinitrofluorobenzene or the like in a polar solvent such as dimethylformamide to form a bulky substituent. To obtain a polyrotaxane having both ends blocked. After dissolving this polyrotaxane in a thin alkaline solution and cross-linking the cyclodextrins with epichlorohydrin or the like, by heating in a concentrated alkaline solution to cleave the substituent at the end, the polymer in the medium also comes out, and A tube is obtained.
[0008]
In the above, when forming a polyrotaxane, a polymer tube of β-cyclodextrin can be obtained by using a polypropylene glycol derivative as a polymer, and a polymer tube of γ-cyclodextrin can be obtained by using a polymethylvinyl ether derivative.
[0009]
Examples of the oil-soluble substance to be included in the cyclodextrin polymer tube include chain hydrocarbons, higher aliphatic alcohols, higher fatty acids, terpenoids, steroids, oil-soluble vitamins, prostaglandins, phospholipids, sphingolipids, oil-soluble dyes. And ultraviolet absorbers.
[0010]
Examples of the chain hydrocarbons include saturated or unsaturated hydrocarbons such as liquid paraffin, isoparaffin, squalene, squalane, and pristane.
[0011]
Examples of the higher aliphatic alcohol include saturated 1-alcohols having about 10 to 22 carbon atoms, such as 1-decanol (capryl alcohol) to 1-docosanol (behenyl alcohol), and carbon atoms having 10 carbon atoms such as 2-decanol to 2-docosanol. Unsaturated alcohols having about 10 to 22 carbon atoms, such as saturated 2-alcohols having about 22 to about 22, undecenol to docosenol, linoleyl alcohol, and linolenyl alcohol.
[0012]
Examples of the higher fatty acids include linear saturated fatty acids having about 10 to 22 carbon atoms such as decanoic acid (capric acid) to docosanoic acid (behenic acid), and linear monoenes having about 10 to 22 carbon atoms such as decenoic acid to docosenoic acid. Examples thereof include di-, tri- and tetraenoic acids having about 10 to 22 carbon atoms, such as acids, linoleic acid, linoleic acid, linolenic acid, and arachidonic acid, and α-hydroxy fatty acids having about 10 to 22 carbon atoms.
[0013]
Examples of the terpenoid include aroma and flavor components such as myrcene, limonene, geraniol, menthol, and farnesol, α-carotene, β-carotene, and γ-carotene.
[0014]
Examples of the steroid include sterols such as cholesterol, dihydrocholesterol, cerebrosterol and phytosterol; triterpene alcohols such as lanosterol and dihydrolanosterol; steroid hormones such as estrone, estradiol, pregnenolone, and corticosteroid; Similar substances such as glycyrrhizic acid and glycyrrhetinic acid can also be suitably used.
[0015]
Examples of the oil-soluble vitamins include retinol (vitamin A), retinal, ergocalciferol (vitamin D), α-tocopherol (vitamin E), and vitamin K.
[0016]
Examples of the prostaglandins include prostaglandins (PG) E ₁ , PGE ₂ , PGD ₂ , PGI _{2, and the} like.
[0017]
Examples of the phospholipid include phosphatidylcholine (lecithin), phosphatidylethanolamine (cephalin), phosphatidylserine, phosphatidylinositol, phosphatidylglycerol, and the like.
[0018]
Examples of the sphingolipid include sphingomyelin, cerebroside, sulfatide, ceramide oligohexoside, globoside, and ganglioside. In addition, sphingosine and ceramide constituting sphingolipids can be included in the cyclodextrin polymer tube.
[0019]
Examples of the oil-soluble pigments include rhodamine B stearate (Red No. 215), tetrabromofluorescein (Red No. 223), sudan III (Red No. 225), dibromofluorescein (Dai No. 201), and fluorescein (Yellow No. 201). , Quinoline Yellow WS (Yellow No. 204), Azulin Purple SS (Purple No. 201), Oil Red XO (Red No. 505), Orange SS (Orange No. 403), Yellow AB (Yellow No. 404), Yellow OB (Yellow No. 405) No.) and Sudan Blue (Blue No. 403).
[0020]
Examples of the ultraviolet absorber include paraaminobenzoic acid derivatives such as ethyl paraaminobenzoate and 2-ethylhexyl paradimethylaminobenzoate; methoxycinnamic acid derivatives such as ethyl paramethoxycinnamate and 2-ethylhexyl paramethoxycinnamate; and 2-hydroxy-4. Benzophenone derivatives such as -methoxybenzophenone; salicylic acid derivatives such as octyl salicylate and phenyl salicylate; 4-tert-butyl-4'-methoxydibenzoylmethane;
[0021]
On the other hand, peptides that can be included in the cyclodextrin polymer tube include, in particular, hydrolysates such as keratin, collagen, and elastin, which are skin constituent proteins, adrenocorticotropic hormone-releasing hormone, thyroid-stimulating hormone-releasing hormone, growth hormone-releasing hormone, and the like. Hypothalamic hormones such as melanocyte stimulating hormone releasing hormone, thyroid stimulating hormone, adrenocorticotropic hormone, gonadotropin, growth hormone, pituitary hormones such as melanocyte stimulating hormone, interleukins, epidermal growth factor (EGF) And bioactive peptides such as fibroblast growth factor (FGF).
[0022]
As the cyclodextrin polymer tube for encapsulating the above oil-soluble substance or peptide, the most suitable one is from an α-cyclodextrin polymer tube to a γ-cyclodextrin polymer tube, depending on the size and bulkiness of the encapsulating substance. Select and use.
[0023]
[Action]
In the dermatological and oral compositions of the present invention, an oil-soluble substance can be stably and satisfactorily dispersed and compounded in an aqueous base, and the sustainability of the activity of physiologically active substances including vitamins can be enhanced. be able to. Further, it is possible to alleviate skin or oral mucosal irritation of a physiologically active substance such as a peptide.
[0024]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention can be suitably carried out particularly as a skin external preparation whose base is aqueous or gel. Furthermore, the present invention can be carried out in the form of an aqueous cosmetic such as a lotion, a cosmetic gel, and an emulsion. In addition, the present invention can be carried out as an oral composition such as a mouthwash, a mouth freshener and the like.
[0025]
【Example】
Further, the present invention will be described in detail with reference to examples.
[0026]
First, Table 1 shows a cyclodextrin polymer tube containing an oil-soluble substance and the like mixed in the composition for skin and oral cavity in Examples of the present invention. These are prepared by adding a substance to be included or a solution thereof to an aqueous solution of a cyclodextrin polymer tube while stirring, dispersing the solution, and incorporating the solution into the cyclodextrin polymer tube.
[Table 1]

[0027]
Next, as Examples 1 to 3 of the present invention, the formulations of skin lotions are shown in Table 2. These are prepared by mixing (1), (2) and (4) in Table 2 to make them uniform and then adding (3) sequentially to disperse them.
[Table 2]

[0028]
Subsequently, as Examples 4 to 6 of the present invention, the formulations of the emulsion for skin are shown in Table 3. These are prepared as follows. The oil phase components (1) to (5) in Table 3 are mixed, heated and uniformly dissolved, and kept at 70 ° C. On the other hand, the aqueous phase components (6) to (8) and (10) are mixed and heated to be uniform, and the temperature is set to 70 ° C. The oil phase component is gradually added to the aqueous phase component with stirring to emulsify, and then cooled, and (9) is added and dispersed at room temperature.
[Table 3]

[0029]
Table 4 shows the formulations of the gel-like skin agent as Examples 7 to 9 of the present invention. These are prepared as follows. After (2) is uniformly dissolved in (6) in Table 4, (4) is dissolved and added to (1), and then (3) is added to increase the viscosity to disperse (5).
[Table 4]

[0030]
Table 5 shows the formulations of the moisturizing lotion as Examples 10 to 12 of the present invention. These preparation methods are as follows. (1) to (3) and (5) in Table 5 are mixed and dissolved, and added to (6) together with (4) and mixed.
[Table 5]

[0031]
Table 6 shows the formulation of the sunscreen emulsion of Example 13 of the present invention. It is prepared as follows. The oil phase components (1) to (5) in Table 6 are mixed and heated to 70 ° C. On the other hand, the aqueous phase components (6), (9) and (12) were mixed and heated to 70 ° C., and the oil phase was added thereto for pre-emulsification, and then (7) was added and uniformly mixed. Thereafter, the mixture is neutralized by adding (8), uniformly emulsified by a homomixer, and cooled. After cooling, (10) and (11) are added at 40 ° C. and uniformly mixed and dispersed.
[Table 6]

[0032]
Table 7 shows the formulation of the oral freshener of Example 14 of the present invention. This is prepared by mixing and homogenizing (1), (2) and (4) in Table 7 and dispersing (3) in this.
[Table 7]

[0033]
Table 8 shows the formulation of the aqueous bath agent as Examples 15 and 16 of the present invention. These are prepared by mixing and homogenizing (1), (2) and (4) in Table 8 and dispersing (3).
[Table 8]

[0034]
Among the above examples, the evaluation of stability and the therapeutic effect of dermatitis were examined for the skin preparations of Examples 1 to 9 first. At this time, instead of the cyclodextrin polymer tube containing the oil-soluble substance in each of the examples, each oil-soluble substance was blended without being contained in the cyclodextrin polymer tube, and the total amount was 100.0% by weight with purified water. Was prepared as a comparative example. The amount of the oil-soluble substance and the like in each comparative example is such that the cyclodextrin polymer tube containing the oil-soluble substance and the like in each of the examples is contained so as to be substantially the same as the calculated value of these components contained in each of the examples. 1/10 of the compounding amount of
[0035]
Regarding the stability, after storage at 25 ° C. for 3 months, changes in appearance and state and activity of oil-soluble substances, etc. were observed and evaluated. “「: Change in appearance, state and activity of oil-soluble substances, etc. ” No decrease was observed ","△; change in appearance and state, or slight decrease in activity of oil-soluble substances, etc. ", and" X: change in appearance, state, or decrease in activity of oil-soluble substances, etc. "were evaluated. Regarding the therapeutic effect of dermatitis, 20 groups of dermatitis patients were used as a group, and each group was used once a day in each of the Examples and Comparative Examples with a blind for one week, and the state of improvement of the dermatitis was observed. . The results were evaluated in three stages of "improved", "slightly improved", and "no change", and indicated by the number of panelists who recognized each evaluation. The above results are summarized in Table 9.
[0036]
[Table 9]

As can be seen from Table 9, good stability was observed in all of the examples of the present invention. In addition, in the group using the examples, improvement tendency of dermatitis was recognized in all panelists. This is because, in the present invention, an oily component having an emollient effect on the skin and a component having a cell activating effect, an anti-inflammatory effect, a wound healing effect, and the like are well retained on the skin, and are gradually removed from the cyclodextrin polymer tube. Probably due to release. On the other hand, in all of the comparative examples, the oil-soluble substances were not stably dispersed, and retinol, prostaglandin E ₁ , and epidermal growth factor showed a marked decrease in activity. In addition, the therapeutic effect of dermatitis was insufficient.
[0037]
Subsequently, the stability of Examples 10 to 12 was evaluated in the same manner as described above, and a use test was conducted for usability. The use test was conducted by using a group of 20 female panelists aged 20 to 50 years old, using the examples and comparative examples with a blind, and performing a sensory evaluation on the moist feeling, refreshing feeling, and stickiness of the lotion. . The results were as follows: moist and refreshing: "Yes; 5 points", "Somewhat; 4 points", "Neither; 3 points", "Somewhat not; 2 points", "No; 1 point", sticky About feeling, it is scored as "none; 5 points", "somewhat low; 4 points", "neither way; 3 points", "somewhat; 2 points", "some; 1 point", and the average of 20 people Values were calculated and shown. These results are summarized in Table 10. Comparative Examples 10 to 12 were prepared in the same manner as described above.
[0038]
[Table 10]

As shown in Table 10, in Examples of the present invention, good stability was observed in all cases, but in Comparative Examples, separation and precipitation of oil-soluble substances and alteration of collagen-derived peptides were observed. Also in the use test results, in each of the groups using the examples, in addition to a sufficient moist feeling, the sample had a refreshing feeling and almost no sticky feeling was recognized. On the other hand, in the group using the comparative example, few panelists recognized a refreshing feeling, and a considerable sticky feeling was also recognized.
[0039]
Next, Example 13 of the present invention was evaluated for sun protection factor (Sun Protection Factor, SPF) and skin irritation.
[0040]
The measurement of SPF was carried out using 20 adult males of skin types I to III as subjects, and after obtaining the minimum erythema amount (MED) of the uncoated portion of the back in advance, the ratio of ² mg / cm ^{2 to} the back was 20 cm ² . The sample was applied to the portion, and irradiation with a sample having an expected SPF value or more was performed in five steps at a common ratio of 1.3 using a xenon arc solar simulator as a light source, and the MED of the sample application portion was obtained. The SPF value was calculated by the following equation (1) and represented by the average value of each subject.
(Equation 1)

[0041]
On the other hand, the skin irritation was evaluated by performing a 48-hour obstruction sticking test using 30 male panelists for each sample, and evaluating the results according to the criteria shown in Table 11, and calculating the average value of the skin irritation index of 30 individuals. . Comparative Example 13 was prepared in the same manner as described above.
[Table 11]

[0042]
[Table 12]

Table 12 summarizes the above results. From Table 12, Example 13 of the present invention shows a moderate SPF value and shows no skin irritation. On the other hand, in Comparative Example 13, although the SPF value was considerably lower than that of Example 13, slight skin irritation was observed. As described above, when the ultraviolet absorber is incorporated in the cyclodextrin polymer tube, the dispersibility of the ultraviolet absorber is improved, and the absorption of the ultraviolet absorber into the skin is suppressed. It is thought that both can be improved.
[0043]
For Example 14 of the present invention, the stability was evaluated in the same manner as described above, and a use test was conducted for the strength and persistence of the refreshing sensation. In the use test, 20 male and female panelists aged 20 to 50 years were used as a group, and each of Example 14 and Comparative Example 14 was used in a blind, and the refreshing feeling was “strong; 5 points”, “slightly strong; 4”. "Point", "normal; 3 points", "slightly weak; 2 points", "weak; 1 point", and "lasting; 5 points", "somewhat lasting; 4 points", "normal; 3 points", The sensory evaluation was made as "Not so long lasting; 2 points" and "Not so long lasting; 1 point". Comparative Example 14 was prepared in the same manner as described above.
[0044]
[Table 13]

The results are summarized in Table 13. Table 13 shows that Example 14 of the present invention showed good stability, obtained an appropriate cooling sensation, and maintained it satisfactorily. On the other hand, in Comparative Example 14, the dispersibility of 1-menthol was poor, and the evaluation of the sustainability of the refreshing feeling was not good.
[0045]
Finally, with respect to Example 15 and Example 16, the storage stability and the color tone and fragrance persistence when added to bath water were evaluated. The storage stability was evaluated in the same manner as described above, and the color tone and the fragrance persistence in the bath water were measured by throwing 10 ml of each of the examples and comparative examples into 40 l of a 42 ° C. bath water, and the color tone when 3 hours had passed. Were evaluated as “good; 持続”, “slightly poor; Δ”, and “poor; ×”. In addition, Comparative Examples 15 and 16 were prepared in the same manner as described above. The results are summarized in Table 14.
[0046]
[Table 14]

From Table 14, it is apparent that in Examples 15 and 16 of the present invention, the dispersion stability of the fragrance component and the pigment during storage, the stability of the color tone when adding bath water, and the sustainability of the fragrance are good. is there. In Comparative Examples 15 and 16, the dispersion stability of the fragrance component and the like was poor, and the color tone stability and the fragrance persistence were not good.
[0047]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the present invention, an oil-soluble substance or peptide can be stably compounded in an aqueous base, and has high biocompatibility and is safe for skin and oral mucosa. I was able to get things. Further, in the present invention, various effects such as stabilization of unstable physiologically active components, drugs or peptides, and improvement of sustainability due to sustained release of the active ingredient were obtained.

Claims

At least one selected from the group consisting of chain hydrocarbons, higher aliphatic alcohols, higher fatty acids, terpenoids, steroids, oil-soluble vitamins, prostaglandins, phospholipids, sphingolipids, oil-soluble pigments, and ultraviolet absorbers A skin and oral composition comprising one or more cyclodextrin polymer tubes containing an oil-soluble substance or peptide of the present invention mixed with an aqueous or gel base material .

Skin and oral cosmetics in which claim 1 skin and oral composition.