JP3567361B2 - 高力率スイッチング電源装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はスイッチング電源装置に関し、特に力率改善回路を有するスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なスイッチング電源装置に採用されているコンデンサインプット型整流方式は、交流入力電流の導通角が狭くて力率が低いという欠点を持っている。力率を改善する方法の1つにアクティブフィルタと呼ばれる回路がある。従来用いられている昇圧型アクティブフィルタの回路例を図6に示す。図において、スイッチ素子104の動作開始前にコンデンサ109はブリッジ整流器102の出力電圧のピーク値近くまで充電されている。そこで、コンデンサ109の電圧は、そのピーク値より少し高い値に設定された電圧で定電圧制御されている。図に示されている昇圧型アクティブフィルタの出力電圧は、ブリッジ整流器102の出力電圧をV1、スイッチ素子104のオン期間とオフ期間を各々T1、T2としたとき、V1×(1+T1/T2)となる。図において、ブリッジ整流器102の出力電圧は正弦波の半周期の変化を繰り返しているため、定電圧制御が交流周期に対して十分速い応答をすれば、ブリッジ整流器102の出力電圧が低いところではオン期間は最大になり、また、それが高いところではオン期間は最小になって、交流の半周期において、入力電流が入力電圧に比例せず、従って力率の改善はできない。そこで発振制御回路106には電流変調器と呼ばれる一般のPWM制御では用いられていない特殊な回路が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電流変調器は、コンデンサ109の電圧から基準電圧を差し引いた誤差電圧にブリッジ整流器102の出力電圧を掛けた値とブリッジ整流器102の出力電流の値をPWMコンパレータに入力することによって、ブリッジ整流器102の出力電流をブリッジ整流器102の出力電圧に比例させる回路である。そのため、従来のスイッチング電源用の発振制御回路に比べて複雑で高価になっている。
【0004】
また、電流変調器を用いた場合、コンデンサ109の出力電圧に交流リップル成分が重畳することを避けることができないという問題もある。更に、出力電圧に任意の値の電圧を取り出したいときには、このアクティブフィルタの後に別にDC−DCコンバータを付けなければならないので、全体の回路が複雑で高価になる。
【0005】
そこで、本発明は一般的なスイッチング電源装置の発振制御回路を用いることができ、かつ任意の出力電圧を得ることができるシンプルで安価な力率改善回路を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は一般的なコンデンサインプット型整流方式を採用しているスイッチング電源においてトランスに3次巻線を巻いて、スイッチ素子のオン期間にこの3次巻線に生じる電圧によってインダクタに励磁電流を供給し、スイッチ素子のオフ期間にインダクタが放出するフライバック電流を利用して、全波整流器の導通角を広げることを特徴としている。インダクタのフライバック電流が全波整流器の出力電流の方向と一致するようにダイオードが接続されている。また、3次巻線に生じるフライバック電流を制限するためにコンデンサが接続されている。
【0007】
【作用】
本発明において、平滑コンデンサはある程度大きな容量が選ばれ、電源が起動してしばらくたった後は商用電源の交流周期で変化する入力電圧に対しても、その両端の電圧が安定している
【0008】
平滑コンデンサの電圧が安定しているため、この平滑コンデンサとトランスの1次巻線及びスイッチ素子が構成する回路の動作は、一般のスイッチング電源と原理が同じ。
【0009】
一方、スイッチ素子のオン期間には3次巻線に電圧が生じ、これによってコンデンサとダイオードとインダクタに電流が流れ、インダクタには励磁エネルギーが蓄積される。そして、スイッチ素子のオフ期間に、インダクタがエネルギーを放出するときの電流の向きが励磁されるときの電流の向きと同じであるため、全波整流器の出力端子から平滑コンデンサに向かって電流が流れる。
【0010】
こうしてインダクタに蓄積されたエネルギーは100%放出する。一方、コンデンサに関して観ると、スイッチ素子のオンとオフによって充放電を繰り返し、オフ期間に3次巻線を流れるフライバック電流は全波整流器の出力電流の一部となるが、その電流によってコンデンサの電荷が移動するので、スイッチ素子のオン期間に3次巻線に生じるフォワード電圧によってインダクタを励磁する電流が流れることができる。全波整流器の出力電圧が低い区間では、スイッチ素子のオフ期間にコンデンサ内を移動する電荷が少なくなるので、スイッチ素子がオンのときに3次巻線に生じるフォワード電圧によってインダクタを励磁できるエネルギーも減少するが、それでも全波整流器を流れる電流の導通角が広くなるので、その結果として力率が改善される。
【0011】
【実施例】
図1は本発明の実施例に係る高力率スイッチング電源装置を示す回路図である。図2は本発明の別の実施例に係わるスイッチング電源装置を示す回路図である。
【0012】
図3は図1の回路図の主要部の電圧電流波形を示した波形図であり、図4と図5は図3の波形図の時間軸を拡大した図である。
【0013】
図1の回路において、ブリッジ整流器2の出力電圧は図3(a)に示したように正弦波の半周期分を繰り返した波形をしている。ブリッジ整流器2の出力電流は図3(b)に示したようにパルス状となり電圧の低いところから電流が流れ始め、電圧の上昇と共にパルスの波高値が大きくなるが、ある値に達すると波高値は一定になる。また、この電流はチョークコイル10とコンデンサ11が構成するローパスフィルタを通すと、図3(c)のような高周波リップルが除去されたより正弦波に近い波形となる。すなわち、コンデンサインプット型整流方式の場合の導通角に比べてより広い区間で交流入力電流が流れ力率が改善される。
【0014】
平滑コンデンサ5はブリッジ整流器2の出力電圧のピーク値より少し高い値の電圧で充電されているので、スイッチ素子4のオン期間はブリッジ整流器2の出力電流は流れない。スイッチ素子4がターンオフすると、励磁されたトランス3のエネルギーは巻線3Bと巻線3Cによって放出される。また、インダクタ14のエネルギーは同じインダクタ14によって放出される。
【0015】
出力電圧が定電圧制御されているので、巻線3Bに生じるフライバック電圧は一定である。それに対して、巻線3Cの電圧は、平滑コンデンサ5の電圧とコンデンサ12の電圧とブリッジ整流器2の出力電圧とを加減算することによって求まる。この値が、巻線3Bのフライバック電圧に巻線3Cと3Bの巻数比を掛けた値より大きいとき、すなわちブリッジ整流器2の出力電圧が低いときは大部分の励磁エネルギーは巻線3Bによって放出される。逆に、ブリッジ整流器2の出力電圧が高くて差が逆転すると、ターンオフと同時にまず巻線3Cに電流が流れ、続いて巻線3Bに流れる。巻線3Cに流れる電流のピーク値はアンペア・ターン一定の法則により、スイッチ素子4がターンオフする直前に巻線3Aに流れた電流値を巻線3Cと巻線3Aの巻数比で割った値である。
【0016】
そのため、巻線3Cに流れる電流はコンデンサ12を流れる電流であら、ブリッジ整流器2を流れる電流でもあるが、そのピーク値はある値に達すると図3(b)に示したように一定になる。コンデンサインプット型整流回路の場合は、交流入力電圧がピークのときに電流もピークになるが、図1の回路では電流が図3(b)のように交流入力電圧がピークになる前後の区間で一定にクランプされた波形となるので、これも力率を改善する要因になっている。
【0017】
巻線3Cを流れる電流はコンデンサ12が充電されるとゼロになり、残されたトランスのエネルギーは巻線3Bによって放出される。一方、インダクタ14のエネルギーはスイッチ素子4のオフ期間の間に放出されるので、巻線3Cの電流がゼロになったあとも流れ続け、これによってブリッジ整流器2の電流が引き続き流れる。
【0018】
図3(a)のブリッジ整流器2の出力電圧波形の低い区間におけるブリッジ整流器2の出力電流と、スイッチ素子4と2次側ダイオード8を各々流れる電流の波形を時間軸を拡大して図4(a)と図4(b)と図4(c)に各々示す。
【0019】
図3(a)のブリッジ整流器2の出力電圧波形の高い区間におけるブリッジ整流器2の出力電流と、スイッチ素子4と2次側ダイオード8を各々流れる電流の波形を時間軸を拡大して図5(a)と図5(b)と図5(c)に各々示す。図5(a)に示したように、ブリッジ整流器の出力電流はスイッチ素子のターンオフ後、まずコンデンサ12による電流が流れ続いてインダクタ14による電流が流れる。
【0020】
図1の回路において、スイッチ素子4の発振のデューティ比はコンデンサ5の電圧に依存しているが、コンデンサ5の電圧が安定しているので、ブリッジ整流器2の出力電圧が正弦波の半周期分の波形を繰り返す変化をしていても、デューティ比の変化は小さい。従って、スイッチ素子4の発振制御回路6は一般的なスイッチング電源装置に用いられているものと同じで良い。
【0021】
発振制御回路に従来のアクティブフィルタ回路の方式に用いられた電流変調器を使わなくても良いため、定電圧制御を行なう出力電圧に含まれる交流のリップル成分が小さくなる。
【0022】
本発明の実施例として図1に示した回路図はフライバックコンバータを土台にしたものであるが、フォワードコンバータに応用することも可能である。また、発振方式が自励式であっても他励式であっても良い。
【0023】
図1に示した回路において、ブリッジ整流器2にはスイッチング電流が流れる。
そのため、ブリッジ整流器2には逆回復特性の良い特性が求められる。
【0024】
本発明の別の実施例として図2に示した回路において、ダイオード2Bは逆回復特性の良いものが選ばれている。そして、チョークコイル10とコンデンサ11が構成するローパスフィルタはスイッチング電流の高周波成分を取り除くのでブリッジ整流器2はスイッチング電流に対する逆回復特性を持たなくても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、従来のスイッチング電源において、トランスに巻線を追加し、コンデンサとインダクタとダイオードの3つの部品を追加するだけで、コンデンサインプット型整流方式によって構成されたスイッチング電源の大部分の部品をそのまま生かして、力率を改善することができるので従来方式に比べて経済的効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る高力率スイッチング電源装置を示す回路図である。
【図2】本発明の別の実施例に係る高力率スイッチング電源装置を示す回路図である。
【図3】図1の回路図の主要部の電圧と電流の波形を示す波形図である。
【図4】図3の波形図の時間軸を拡大した波形図である。
【図5】図3の波形図の時間軸を拡大した波形図である。
【図6】従来方式の例を示す回路図である。
【符号の説明】
1、101 交流電源
2、102 ブリッジ整流器
3 トランス
4、104 スイッチ素子
5 コンデンサ
6、106 発振制御回路
7、107 負荷
8、108 ダイオード
9、109 コンデンサ
10、110 チョークコイル
11、111 コンデンサ
12 コンデンサ
13 ダイオード
14 インダクタ
2B ダイオード
3A 1次巻線
3B 2次巻線
3C 3次巻線
103 インダクタ
Claims (1)
- 交流入力に対して全波整流器を接続し、前記全波整流器の出力端子に平滑コンデンサを接続し、前記平滑コンデンサにトランスの1次巻線とスイッチング素子を直列に接続し、前記トランスの2次巻線に整流平滑回路を接続し、前記整流平滑回路の出力に負荷を接続し、前記負荷に加わる電圧が一定となるように、前記スイッチ素子の制御電極に発振制御回路を接続したスイッチング電源装置において、前記トランスに3次巻線を巻いて、この巻線を前記全波整流器の出力端子と前記平滑コンデンサとの間に直列に挿入し、前記全波整流器の出力端子と前記3次巻線との間にコンデンサを直列に挿入し、前記コンデンサの前記全波整流器側の端子と前記3次巻線の前記平滑コンデンサ側の端子との間にダイオードとインダクタとからなる直列回路を接続し、これによって力率を改善することを特徴とする高力率スイッチング電源装置。
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