JP3566893B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置は、フラットパネルディスプレイとして広く利用されている。液晶表示装置の表示特性は、液晶分子の配向方向に依存するので、視角依存性がある。そこで、液晶表示装置の視角特性を改善するために、液晶分子の配向を制御する技術が種々開発されている。液晶分子の配向制御する技術として、紫外線照射を利用する技術がある。
【0003】
例えば、画素分割配向法やマルチドメイン配向法は、基板上に形成された配向層に、部分的に紫外線を照射する(マスキング露光)工程およびラビング処理を施す工程とを繰り返すことによって、絵素領域内に液晶傾斜配向角(プレチルト角)が異なる領域を形成する。この方法は、紫外線照射によって配向層の表面が改質され、配向層の液晶分子の配向方向を制御する機能(特に、プレチルト角)が変化する現象を利用している。
【0004】
特開平7−318945号公報は、配向層上に、この配向層とは異なる液晶傾斜配向角を有する金属硝酸塩化合物を含む無機系材料からなる配向層を、紫外線照射を用いて部分的に形成し、ラビング処理を施すことによって、単一のフォトリソグラフィー工程で液晶傾斜配向角(プレチルト角)が異なる領域を形成する技術を開示している。
【0005】
特開平11−167114号公報は、基板上に直鎖状炭素鎖または直鎖状シロキサン結合鎖と感光性基とを有する分子からなる単分子層状の薄膜を形成し、この薄膜を洗浄した後、基板を一定方向に傾斜させて乾燥することによって構成分子を仮配向させる工程と、得られた薄膜にパターン状に直線偏光紫外線を照射(マスキング露光)して感光性基を架橋結合させる工程とを含む、配向性付与工程を繰り返すことによって、マルチドメイン配向を実現する配向層を形成する方法を開示している。
【0006】
特開平10−87859号公報および特開平10−251646号公報は、分子内に感光性部位を有する液晶配向層材料を含む配向層に直線偏光紫外線を照射し、電界振動方向に液晶配向層材料中の分子の側鎖を配列させることによって、配向層が液晶分子を配向させる方向(配向方向(プレチルト方向))を制御する方法を開示している。この方法は、液晶分子の配向方向を規定するためのラビング処理を必要とせず、「光配向法」と呼ばれることもある。
【0007】
上述した従来の方法は、配向層に紫外線を照射することによって、配向層を構成する材料が劣化または変質するという問題を有している。配向層が劣化または変質すると、電圧保持率が低下するなど、液晶表示装置の表示品位が低下する。
【0008】
そこで、特開平10−148835号公報は、紫外線照射による配向層の劣化および変質などを防止する目的で、配向層中に有機系紫外線吸収剤を適当量添加する技術を開示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−148835号公報に開示されている技術には、下記の問題があることが本願発明者の検討の結果明からになった。
【0010】
まず、配向層に有機系紫外線吸収剤を添加しても、配向層を構成する材料の紫外線による劣化や変質を十分に防止できないことがある。これは、有機系紫外線吸収剤が紫外線を吸収することによって生成される種々のラジカルの影響で、配向層を構成する材料が劣化するためと考えられる。
【0011】
さらに、上記公報の技術は、実施例として開示されているように、ラビング処理を施すことを前提にした配向層材料を対象としており、上述した紫外線照射による光化学反応を利用して配向層を形成する方法(特開平7−318945号公報および特開平11−167114号公報)や、紫外線照射によって感光性部位を有する配向層材料の側鎖の配列をさせる光配向法(特開平10−87859号公報および特開平10−251646号公報)に適用すると、紫外線照射の効果が十分に得られず、所望の配向特性が得られないことがある。
【0012】
また、特開平6−301015号公報に開示されている、液晶セルに液晶材料と光硬化性樹脂の混合物を注入した後に、パターン状に紫外線を照射することによって光硬化性樹脂を硬化することによって、絵素領域内で液晶分子を軸対称配向させた軸対称配向液晶(Axially Symmetrically aligned Microcell:ASM)モードの液晶表示装置のように、配向層を介して、液晶層を形成するための材料に紫外線を照射する必要がある液晶表示装置には、上記公報に開示されている配向層を用いることはできない。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の主な目的は、製造工程における紫外線照射の効果が十分に発揮され、且つ、紫外線による劣化が抑制・防止される液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された液晶層と、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の前記液晶層側に壁状構造体と、前記一対の基板の前記液晶層側に設けられた配向層とを有し、前記液晶層は、前記壁状構造体によって分割された複数の液晶領域を有し、前記液晶領域内の液晶分子は、軸対称配向している液晶表示装置の製造方法であって、前記少なくとも一方の基板上に、壁状構造体を形成する工程と、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の上に、特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる無機系微粒子を含み、波長340nm以下の紫外線に対する紫外線透過率が70%以下であり、且つ、波長365nmの紫外線に対する紫外線透過率が80%以上である液晶配向層材料を用いて前記配向層を形成する工程と、前記液晶配向層材料で形成された前記配向層に波長365nmの紫外線を照射することによって、前記配向層に液晶分子の配向方向を制御する機能を付与または前記配向層の液晶分子の配向方向を制御する機能を変化させる工程と、前記配向層を内側にして対向配設された前記一対の基板の間に、液晶分子と波長365nmの紫外線に感光して硬化する紫外線硬化性樹脂とを含む材料を注入する工程と、前記材料に、前記液晶配向層材料で形成された前記配向層を介して波長365nmの紫外線を照射し、前記紫外線硬化性樹脂を硬化することによって、前記液晶分子の初期配向を安定化する工程と、を包含し、そのことによって上記目的が達成される。
【0015】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された液晶層と、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の前記液晶層側に壁状構造体と、前記一対の基板の前記液晶層側に設けられた配向層とを有し、前記液晶層は、前記壁状構造体によって分割された複数の液晶領域を有し、前記液晶領域内の液晶分子は、軸対称配向している液晶表示装置の製造方法であって、前記少なくとも一方の基板上に、壁状構造体を形成する工程と、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の上に、特定の波長領域の紫外線を選択的に吸収する有機系紫外線吸収剤と有機系光安定剤とを有し、波長340nm以下の紫外線に対する紫外線透過率が70%以下であり、且つ、波長365nmの紫外線に対する紫外線透過率が80%以上である液晶配向層材料を用いて前記配向層を形成する工程と、前記液晶配向層材料で形成された前記配向層に波長365nmの紫外線を照射することによって、前記配向層に液晶分子の配向方向を制御する機能を付与または前記配向層の液晶分子の配向方向を制御する機能を変化させる工程と、前記配向層を内側にして対向配設された前記一対の基板の間に、液晶分子と波長365nmの紫外線に感光して硬化する紫外線硬化性樹脂とを含む材料を注入する工程と、前記材料に、前記液晶配向層材料で形成された前記配向層を介して波長365nmの紫外線を照射し、前記紫外線硬化性樹脂を硬化することによって、前記液晶分子の初期配向を安定化する工程と、を包含し、そのことによって上記目的が達成される。
【0016】
以下、本発明の作用を説明する。
【0017】
前記液晶配向層材料は、液晶分子の配向方向を制御する機能が紫外線を照射されることによって付与される配向層を形成するための材料であり、特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる機能を有する。すなわち、液晶分子の配向方向を制御する機能を付与するために必要な波長領域の紫外線を透過する一方、それ以外の特定波長領域の紫外線を減衰させることができるので、例えば、上記特開平7−318945号公報、特開平11−167114号公報、特開平10−87859号公報および特開平10−251646号公報等に開示されている技術を好適に適用できるとともに、紫外線による劣化を抑制・防止することができる。
【0018】
また、前記液晶配向層材料は、特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる無機系微粒子を含むので、製造工程において不要な特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させることによって紫外線による劣化を抑制・防止するとともに、製造工程で必要な波長領域の紫外線を十分に透過することができる。従って、上述したASMモードの液晶表示装置のように、配向層を介してある波長領域の紫外線を照射する必要がある液晶表示装置の配向層材料として好適に用いられる。前記液晶配向層材料から形成された配向層は、配向層自体が紫外線照射によって劣化することが抑制・防止されるだけでなく、配向層を介してし紫外線が照射される液晶材料などの液晶セルを構成する有機材料が紫外線照射によって劣化することを抑制・防止することができる。配向層材料の無機系微粒子以外の材料としては、従来の配向層材料を広く用いることができる。勿論、上記特開平7−318945号公報、特開平11−167114号公報、特開平10−87859号公報および特開平10−251646号公報等に開示されている配向層材料を用いることができるとともに、ラビング処理を前提とした一般的な配向層材料も用いることができる。
【0019】
また、無機系微粒子は、化合物の選択によってバンドギャップを調整することが容易であるので、所望の波長の紫外線を選択的に透過させ、且つ、それ以外の波長の紫外線を減衰させるように、配向層の物性を制御することができる。
【0020】
特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる無機系微粒子の代わりに、特定の波長領域の紫外線を選択的に吸収する有機系紫外線吸収剤と有機系光安定剤とを用いても同様の効果が得られる。有機系紫外線吸収剤は特定の波長領域の紫外線を選択的に吸収し、有機系光安定剤は有機系紫外線吸収剤が紫外線を吸収することによって生成した種々のラジカルを捕捉する。両者を併せて用いることにより、配向層自体の紫外線照射による劣化を抑制・防止するとともに、液晶セルを形成する有機材料の劣化を抑制・防止することができる。
【0021】
従来の配向層表面の改質および光化学反応を利用した配向層の形成、さらにはASMモードの光硬化性樹脂の硬化に用いられる紫外線は、高圧水銀灯などの光源からの波長365nmの紫外線(i線)を含むので、波長365nmの紫外線に対する透過率が80%以上の配向層材料を用い、また、有機材料は一般的に短波長の紫外線よる劣化が大きいので、波長340nm以下の紫外線に対する透過率が70%以下である配向層材料を用いることによって、有機材料の劣化を効果的に抑制・防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を説明する。
【0023】
(実施形態1)
施形態1による液晶表示装置100の断面構造を図1に模式的に示す。液晶表示装置100は、基板1と基板11と、基板1と基板11との間に一対のセルスペーサ5を介して挟持された液晶層4とを備えている。基板1および11の液晶層4側には、複数の透明電極2が形成されており、さらに配向層3および12が特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる機能を有する液晶配向層材料から形成されている。本実施形態の液晶表示装置100は、公知の液晶表示装置と同様の構成を有しており、公知の製造方法で製造できる。なお、セルスペーサ5は、それらの表面を覆うように配向層が形成され、液晶層と接触することはない。従って、セルスペーサ5の紫外線による劣化は、表示に影響しない。
【0024】
以下に、液晶配向層材料の詳細を説明する。
【0025】
晶配向層材料は、特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる機能を有する。従って、液晶配向層材料は、製造工程において不要な特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させることによって、配向層自体の紫外線による劣化を抑制・防止するとともに、製造工程で必要な波長領域の紫外線を十分に透過することができる。また、液晶配向層材料から形成された配向層は、配向層自体が紫外線照射によって劣化することが抑制・防止されるだけでなく、配向層を介して紫外線が照射される液晶材料などの液晶セルを構成する有機材料が紫外線照射によって劣化することを抑制・防止することができる。
【0026】
配向層材料は、有機高分子からなる公知の液晶配向層材料に、(1)特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる機能を有する無機系微粒子を添加、または(2)特定の波長領域の紫外線を選択的に吸収する有機系紫外線吸収剤と有機系光安定剤とを添加することによって得られる。
【0027】
特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる機能を付与するために添加される材料以外の材料としては、従来の配向層材料を広く用いることができる。
【0028】
従来から配向層を形成する液晶配向層材料として、多くの種類の有機高分子材料が用いられている。これらの有機高分子材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などのポリイミド系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、およびこれらの樹脂を主成分とした樹脂などが挙げられる。なお、上記のポリイミド系樹脂には、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸樹脂、部分的にイミド化したポリアミド酸樹脂、ポリイソイミド樹脂、およびこれらの共重合体なども含まれる。ポリイミド樹脂は、例えばテトラカルボン酸二無水物(その誘導体を含む)とジアミン化合物(その誘導体を含む)とを反応させることによって製造される。さらに、必要に応じて、上記の有機高分子材料に、無機材料、例えば、ポリオルガノシラン材料、重合性シラン化合物などのポリオルガノシラン前駆体を添加してもよい。上記の例で記載したポリオルガノシラン前駆体は、比較的幅広く適用可能である。これらの有機高分子材料を含む液晶配向層材料を用いて形成された配向層は、部分的に紫外線を照射する(マスキング露光)工程およびラビング処理を施す工程とを繰り返すことによって、絵素領域内に液晶傾斜配向角(プレチルト角)が異なる領域を形成することができる。
【0029】
上記の一般的な液晶配向層材料の他に、液晶分子の配向方向を制御する機能が紫外線を照射されることによって付与される配向層材料を用いることができる。すなわち、上記特開平7−318945号公報、特開平11−167114号公報、特開平10−87859号公報および特開平10−251646号公報等に開示されている技術を好適に適用できるとともに、紫外線による劣化を抑制・防止することができる。
【0030】
例えば、特定波長の紫外線を照射することによって配向層の配向方向を制御する機能を有する化合物を、上記の有機高分子材料中に混在させるか、あるいは共重合させた材料を用いることができる。このような化合物には、公知の化合物、例えば、特定波長の紫外線に感応する部位を有する光化学反応性の有機化合物が挙げられる。これらの化合物は、紫外線照射によって、光励起状態を経て、光化学反応(光分解、光結合および光二量化など)起こす。例えば、分子内に共役エノン構造を有し、紫外線を照射することによって、電界振動方向に分子の側鎖を配列させる化合物(例えば、特開平10−87859号公報および特開平10−251646号公報参照)が挙げられる。あるいは、上記の有機高分子材料には、特定波長の直線偏光紫外線を照射することによって配向方向を制御する機能を有するものがある。具体的には、ポリマー(ポリイミドなど)の分子構造の紫外線吸収の偏光方向依存性を利用して異方性分解を誘起する有機高分子材料がある(M. Nishikawa et al.、SID’98 Digest、131(1998))。このような有機高分子材料を使用する場合には、上記の化合物を有機高分子材料中に添加しなくてもよい。
【0031】
特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる機能を有する無機系充填剤(紫外線遮蔽用充填剤)としては、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、水酸化第二鉄、水酸化アルミニウムなどからなる無機系微粒子が挙げられる。これらの無機系微粒子は、単独で、混合物として、または複合体として使用され得る。複合体は、例えば、固溶体やクラスター化合物(多粒子系において一部の粒子が局部的に相関し合っている状態の化合物)を含む。さらに、上記の無機系微粒子や固溶体粒子の表面を異なる無機材料でコーティングした粒子も複合体に含まれる。例えば、酸化チタンやその固溶体の表面を、シリカ、シリカ・アルミナまたはシリカ・ジルコニアなどでコーティングした粒子などが挙げられる。
【0032】
また、必要に応じて、有機高分子材料の粘度や硬化速度等を調節するために、無機系材料(無機系微粒子や複合無機微粒子)、具体的には、金属や合金、および金属酸化物、金属水酸化物、炭化物および窒化物などやこれらの複合体、さらに無機顔料や非水溶液性顔料などの粒子を添加してもよい。上記の無機系充填剤は、微粒子状に限られず、ウィスカー状、繊維状、フレーク状などの形態で有機高分子材料に添加して用いられる。
【0033】
機系微粒子の平均粒径は、約2nm〜100nmであり、10nm〜50nm程度が好ましい。また、紫外線遮蔽用の無機充填剤の高分子材料の重量に対する濃度は、紫外線を十分に遮蔽するために約3重量%以上であることが好ましく、且つ、無機微粒子の凝集や増粘などを防止するために約45重量%以下であることが好ましい。5〜35重量%程度がさらに好ましい。
【0034】
上述した紫外線遮蔽用の無機充填剤は、減衰させるべき紫外線の波長および透過すべき紫外線の波長に基づいて、上記の材料から選択される。無機系微粒子を構成する化合物によって異なるバンドギャップを有するので、所望の紫外線遮蔽特性および紫外線透過特性を得ることができる。また、無機充填剤は特定波長の紫外線を吸収するだけでなく、紫外線を散乱することによっても紫外線を減衰させることができる。一般に短波長の紫外線ほど散乱されやすく、その程度は粒子径や密度にも依存するので、要求される紫外線遮蔽特性(紫外線透過特性および可視光透過特性)に従って適宜最適化すればよい。
【0035】
紫外線を選択的に遮蔽するために、有機材料を用いる場合には、紫外線吸収剤と光安定剤とを用いることが好ましい。紫外線吸収剤および光安定剤は、上記の公知の有機高分子材料に添加して用いられる。高分子材料、紫外線吸収剤および光安定剤を溶媒に溶解(または分散)して混合溶液として液晶配向層材料を調製することができる。
【0036】
有機系紫外線吸収剤は、特定の波長範囲の紫外線を吸収し熱エネルギーに変換することで互変異性化を繰り返すので、半永久的に紫外線を吸収する作用を有する。具体的には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、トリアジン系およびジアルキルジチオカルバミン酸金属塩などの紫外線吸収剤が挙げられる。要求される紫外線吸収特性(紫外線透過特性および可視光透過特性)に従って適宜上記の材料から選択される。例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等の化合物が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、分子内の水酸基の水素原子と分子内の酸素原子や窒素原子などとの分子内互変異性化や、分子内の水酸基の水素原子と分子内のカルボニル基や分子内の窒素原子などとの分子内水素結合形成による電子移動で可逆的に異性化する過程で、紫外線のエネルギーを熱エネルギーに変換する。
【0037】
有機系光安定剤は、紫外線の吸収により発生した種々のラジカルを捕捉して有機材料の劣化を防止する。上記紫外線吸収剤と併せて使用することが好ましい。代表的には分子内に立体障害を持つピペリジン環を有する化合物が好ましい。
【0038】
さらに、その他の添加剤として、消光剤、過酸化物分解剤などを含んでもよい。
【0039】
従来の配向層表面の改質および光化学反応を利用した配向層の形成に用いられる紫外線は、高圧水銀灯などの光源からの波長365nmの紫外線(i線)を含むので(i線より波長の長い、g線やh線が同時に照射されてもよい)、波長365nmの紫外線に対する透過率が80%以上の配向層材料を用いることが好ましい。また、有機材料は一般的に短波長の紫外線よる劣化が大きいので、波長340nm以下の紫外線に対する透過率が70%以下である配向層材料を用いることによって、有機材料の劣化を効果的に抑制・防止することができる。
【0040】
上述した配向層の劣化は、液晶表示装置の表示特性に影響を及ぼす。特に、紫外線の照射によって、有機高分子材料の結合の開裂等によって生じたラジカルが、液晶層中のイオンや不純物を吸着し、電気二重層を形成することによって、電圧保持率の低下や局所的な表示のシミ出し(不可逆的な表示不良、コントラスト比の変化)や残像(「焼き付き」とも言う。可逆的な表示不良)などを生じることがある。従って、液晶層の電圧保持率を高く保つために、液晶層に流れる電流を極力小さくすることが必要とされる。液晶材料と接する配向層が大きな体積固有抵抗値を有することによって、液晶層に流れる電流を小さくすることができる。電圧保持率の低下、シミ出しや残像の発生を抑制・防止するためには、配向層は紫外線を照射した後でも、一般的な液晶材料の体積固有抵抗値である1012Ω・cm以上の体積固有抵抗値を有することが好ましく、5×1012Ω・cm以上の体積固有抵抗値を有することがより好ましい。
【0041】
また、液晶層4を駆動するための透明電極2の構成および駆動方法には、公知の電極構成および駆動方法を用いることができる。例えば、アクティブマトリクス型、または単純マトリクス型が適用できる。また、プラズマアドレス型を適用することができる。適用する電極構成および駆動方法によって基板1と基板11は入れ替わっていてもよい。プラズマアドレス型を適用する場合、一対の透明電極2のどちらか一方の電極の代わりにプラズマ放電チャネルが設けられ、且つ、プラズマ放電チャネル側には基板の代わりに誘電体層が設けられる。
【0042】
プラズマアドレス液晶表示装置(以下PALCと略す)においても、プラズマセルから発生される紫外線による液晶表示装置の表示特性の低下が大きな問題になっている。PALCは、各絵素のスイッチングにプラズマ放電を利用する液晶表示装置であり、一般的に放電プラズマ発生時に紫外線(典型的には340nm以下)が発生する。従って、プラズマセルから発生す紫外線を選択的に減衰させる機能を有する液晶配向層材料を用いることによって、PALCの信頼性を向上することができる。
【0043】
(実施形態2)
図2は、実施形態2のASMモードの液晶表示装置200の断面図である。液晶表示装置200は、基板11上に液晶層4を複数の液晶領域7に分割する壁状構造体9が形成されたASMモードの液晶表示装置である。液晶領域7は壁状構造体9によって規定され、壁状構造体9はそれぞれ液晶領域7を2次元的に実質的に包囲する。基板1および11の液晶層4側の表面に、液晶層4の液晶分子8を配向するための配向層3および12がそれぞれ設けられている。液晶領域7内の液晶分子は、ノンラビングプロセスで形成された配向層12による配向規制力と、壁状構造体9の壁面効果によって、軸対称状または2方向以上の異なる方向やランダム状に配向している。
【0044】
図2に示したように、ASMモードの液晶表示装置200の液晶層は壁状構造体9の表面を覆うように配向層12が形成されており、液晶領域7内の液晶分子8は、基板に垂直な軸(対称軸10)を中心に軸対称状に配向している。軸対称配向とは、放射状(radial)、同心円状(tangential)、渦巻状配向およびこれらの組み合わせを含む。図3は、図2の上面図(基板に垂直な方向から見た図)であり、渦巻状配向を有する液晶領域7を模式的に示す。
【0045】
ASMモードの液晶表示装置は、軸対称配向した液晶領域を有しているので、液晶分子の屈折率異方性が全方位角方向において平均化される。すなわち、液晶分子のリタデーションが相互に補償される。その結果、従来のTNモードの液晶表示装置の中間調表示状態において見られた、視角特性が方位角方向によって大きく異なるという問題が無く、広視野角特性を有する液晶表示装置が提供される。なお、負の誘電異方性を有する液晶材料(例えば、MLC−6609等)を用いて、電圧印加時に軸対称配向する構成(Nモード)としてもよいし、正の誘電異方性を有する液晶材料(例えば、ZLI−4792等)を用いて電圧無印加時に軸対称配向する構成(Pモード)としてもよい。いずれの場合も液晶材料には公知の材料が用いられるが、安定で比抵抗値が高いフッ素系の組成物等が好ましい。
【0046】
上述した液晶分子の軸対称配向は、予め液晶材料に混合した紫外線硬化性樹脂を硬化することによって安定化することができる。配向層が形成された一対の基板を貼り合わせて作製した液晶セル(空セル)6の間隙に、液晶材料と紫外線硬化性樹脂(例えば、アクリル系の光重合性樹脂、特開平6−301015号公報に開示されている光硬化性樹脂等)との混合物を注入し、基板1または11の外側から配向層3または12を介して、混合物に紫外線を照射する。紫外線硬化性樹脂は一般に、超高圧水銀灯など汎用の紫外線光源の輝線であるi線(365nm)付近の紫外線に感光するように調製されており、i線を照射された紫外線硬化性樹脂は重合(硬化)し、3次元構造(ゆるいネットワーク状の構造など)を形成する。この硬化された紫外線硬化性樹脂の3次元構造によって、液晶分子の軸対称配向が安定化される。この紫外線照射による軸対称配向の安定化処理を実行するためには、配向層3または12の少なくとも一方が、i線を十分に透過する必要があることが分かる。
【0047】
なお、紫外線硬化性樹脂はi線から多少ずれた波長の紫外線に対しても感光し得るので、実際に紫外線硬化性樹脂の硬化に最も寄与する紫外線の波長は、厳密には光源の紫外線強度と紫外線硬化性樹脂の感度との関係で決まる。一般の紫外線光源は非常に強いi線を出射するので、紫外線硬化性樹脂の感光ピーク波長が多少ずれても、紫外線硬化性樹脂の硬化に実質的に寄与する紫外線をi線と見なすことができる。また、実際には、用いる紫外線光源にもよるが、i線以外の紫外線(i線よりも波長が長い、g線やh線)が紫外線硬化性樹脂に照射される。
【0048】
本実施形態の液晶配向層材料には、実施形態1で説明した液晶配向層材料を用いることができる。この液晶配向層材料から形成された配向層は、不必要な紫外線(典型的にはi線以外の表領域の紫外線)の照射によって配向層自体が劣化することが抑制・防止されるだけでなく、配向層を介して紫外線が照射される液晶材料などの液晶セルを構成する有機材料が不必要な紫外線の照射によって劣化することを抑制・防止することができる。
【0049】
ASMの製造工程で用いられる紫外線は、高圧水銀灯などの光源からの波長365nmの紫外線(i線)を含むので(i線より波長の長い、g線やh線が同時に照射されてもよい)、波長365nmの紫外線に対する透過率が80%以上の配向層材料を用いることが好ましい。また、有機材料は一般的に短波長の紫外線よる劣化が大きいので、波長340nm以下の紫外線に対する透過率が70%以下である配向層材料を用いることによって、有機材料の劣化を効果的に抑制・防止することができる。
【0050】
また、実施形態1について説明したように、配向層の劣化は、液晶層の電圧保持率に影響を及ぼす。従って、配向層は紫外線を照射した後でも、一般的な液晶材料の体積固有抵抗値である1012Ω・cm以上の体積固有抵抗値を有することが好ましく、5×1012Ω・cm以上の体積固有抵抗値を有することがより好ましい。
【0051】
なお、液晶表示装置200の配向層3および12以外の構造には、実施形態1と同様に、公知の液晶表示装置の構造を適用することができ、配向層3および12以外は公知の方法で製造することができる。例えば、壁状構造体9は、アクリル系パターニング材料等で公知の方法(例えば、フォトリソグラフィー法、ドライエッチング法、印刷法等)により形成される。なお、上述したように、壁状構造体9を覆うように配向膜を形成した構成においては、液晶材料が壁状構造体9に接触することがないので、壁状構造体9が紫外線照射によって劣化しても、表示品位に対する影響は小さいと考えられる。また、従来のスペーサ構造体など、それを覆うように配向膜が形成される構造体は、それ自体の紫外線劣化が表示品位に与える影響は小さいと考えられる。
【0052】
また、適用する電極構成および駆動方法によって基板1と基板11は入れ替わっていてもよい。すなわち図2に示されるASMモードの液晶表示装置の場合、基板1が壁状構造体9を有していてもよい。プラズマアドレス型を適用する場合、一対の透明電極2のどちらか一方の電極の代わりにプラズマ放電チャネルが設けられ、且つ、プラズマ放電チャネル側には基板の代わりに誘電体層が設けられる。この場合、プラズマセルから発生す紫外線を選択的に減衰させる機能を有する液晶配向層材料を用いることによって、PALCの信頼性を向上することができる。
【0053】
【実施例】
以下に具体的な実施例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0054】
以下の実施例1〜3および比較例1〜4では、図1に示した液晶表示装置100を作製した。実施例4および比較例5では、図2に示した液晶表示装置200を作製した。なお、基板1および11として厚さ1.1mmのガラス基板を使用し、透明電極2としてITO(酸化インジウムおよび酸化錫の複合物;50nm)使用した。液晶層の厚さは、約6μmとなるように形成した。各実施例および各比較例は、それぞれ異なる配向層を形成したこと以外は共通である。なお、液晶材料は、電圧印加時に軸対称配向する構成(Nモード)の場合、負の誘電異方性を有するMLC−6609を用い、電圧無印加時に軸対称配向する構成(Pモード)の場合、正の誘電異方性を有するZLI−4792を用いた。ASMモードの液晶表示装置200で使用される配向安定化のための紫外線硬化性樹脂は、i線(波長365nm)に吸収を有する光重合開始剤を添加されたアクリレート系の光重合性樹脂を使用した。また、ASMモードにおいて形成される壁状構造体は、CSP−S002(富士フィルムオーリン社製)を用いて形成した(厚さ2μm程度)。
【0055】
また、実施例1〜4および比較例1〜5の液晶表示装置について、紫外線透過率(320nm、340nm、365nm)、エージングによる電圧保持率および残留DC電圧を評価した結果を表1に示す。エージング条件として、60℃において500時間連続通電駆動を行った。電圧保持率の評価は、初期(0時間)および500時間の各エージング時間において70℃で行った。残留DC電圧は、5Vの直流電圧を15分間印加し、次いで1秒間ショートさせた後、10分後の電圧を60℃において測定した電圧である。なお、エージング後の外観評価は行わなかったが、電圧保持率の低下は、シミ出しの発生と直接的に関係するだけでなく残像の発生とも関係するので、電圧保持率の低下が少ないPALCにおいては、シミ出しだけでなく、残像も発生しにくいと考えられる。これは、電圧保持率の低下をもたらす液晶材料や配向層の比抵抗の低下によって、残像の原因となる、配向膜と液晶層との界面近傍での微小な分極に起因する残留DCの増大が起こるためと考えられる。
【0056】
(実施例1)
側鎖に長鎖アルキル基を有するポリイミド系樹脂(SE7792、日産化学社製)に、超微粒子酸化チタンと超微粒子ジルコニウムの複合体から形成された無機充填剤を分散した液晶配向層材料をスピンコート法によってガラスシートに塗布・焼成し、配向層3および12(厚さ約0.2μm)を形成した。次いで、一対の基板上の配向層それぞれに、光源として高圧水銀ランプを使用して直線偏光紫外線を入射角20°の方向から照射エネルギー5J/cm2で照射後、偏光方向を90 回転させて直線偏光紫外線を再度照射することによって配向処理を行った。この後、配向層を内側にして一対の基板を貼り合わせて、基板間に液晶材料を注入した。作製した液晶表示装置を直交させた偏光板下で観察すると、均一なドメインが形成され、液晶分子が一様な配向を示していることが確認された。
【0057】
(比較例1)
無機充填剤を使用しなかったこと以外、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。
【0058】
(実施例2)
ポリアミド酸系樹脂に、シュウ酸アニリド系の紫外線吸収剤(チバガイギー社製)とピペリジン環構造を有する光安定剤(チバガイギー社製)とを添加した液晶配向層材料をスピンコート法によってガラスシートに塗布・焼成し、配向層3および12(厚さ約0.2μm)を形成した。次いで、一対の基板上の配向層それぞれに、光源として低圧水銀ランプを使用して紫外線を照射エネルギー10J/cm2で照射後、ラビング処理を行った。この後、一対の基板を配向層を内側にしてラビング方向が互いに90°になるように貼り合わせて、基板間に液晶材料を注入した。
【0059】
(比較例2)
紫外線吸収剤および光安定剤を使用しなかったこと以外、実施例2と同様に液晶表示装置を作製した。
【0060】
(比較例3)
光安定剤を使用しなかったこと以外、実施例2と同様に液晶表示装置を作製した。
【0061】
(実施例3)
ポリイミドと共役エノン構造である桂皮酸骨格の官能基を有する高分子との共重合体に、微粒子酸化チタンと酸化亜鉛の混合物から形成された無機充填剤を分散した液晶配向層材料をスピンコート法によってガラスシートに塗布・焼成し、配向層3および12(厚さ0.3μm)を形成した。次いで、パターン状の直線偏光紫外線を、偏光方向を順次変化させながら数回にわたって照射領域を分割して露光した。この後、配向層を内側にして一対の基板を貼り合わせて、基板間に液晶材料を注入して液晶表示装置を作製した。
【0062】
(比較例4)
無機充填剤を使用しなかったこと以外、実施例3と同様に液晶表示装置を作製した。
【0063】
(実施例4)
垂直配向性のポリアミド酸樹脂に、超微粒子酸化セリウム(CeO2;日本無機化学工業(株)製)から形成された無機充填剤を分散した液晶配向層材料をスピンコート法によってガラスシートに塗布・焼成し、配向層3および12(厚さ約0.3μm)を形成し、液晶表示装置を作製した。作製した液晶表示装置を直交させた偏光板下で観察すると、各液晶領域7毎に中心軸が1つになり、1つの軸対称配向領域(モノドメイン)が形成され、液晶分子が軸対称配向して良好な視野角特性を示すことが確認された。
【0064】
(比較例5)
無機充填剤を使用しなかったこと以外、実施例4と同様に液晶表示装置を作製した。
【0065】
上述した実施例1〜4および比較例1〜5の液晶表示装置において、表1に示したように、紫外線を選択的に遮蔽する液晶配向層材料から形成された配向層を有することによる電圧保持率の維持および残留DC電圧の低減が確認された。
【0066】
特に実施例4では、i線照射によって軸対称配向が安定化されたASMモードの液晶表示装置を従来と同様に作製することを可能とするとともに、紫外線照射による表示品位の低下が抑制されていることがわかる。
【0067】
比較例3の液晶表示装置は、紫外線吸収剤を有することによるエージングにおける信頼性の向上は確認されるものの、紫外線照射によって生じるラジカルを光安定剤で捕捉することができないので、電圧保持率の低下および残留DC電圧の増大が観察された。電圧保持率が低下すると、シミ出しや残像が発生し、コントラスト比の低下などを生じる。標準の輝度およびコントラスト比を得るためには、バックライトの輝度や駆動電圧を向上させる必要があり、消費電力の増大や駆動回路への負荷の増大等の問題が生じる。
【0068】
以上のことから、特定波長領域の紫外線の影響を低減させることは、液晶表示装置の表示特性および長期信頼性の向上に極めて有効であることがわかる。
【0069】
【表1】
Figure 0003566893
【0070】
【発明の効果】
本発明によると、製造工程における紫外線照射の効果が十分に発揮され、且つ、紫外線による劣化が抑制・防止される。従って、表示特性の優れた、且つ長期信頼性に優れた液晶表示装置が提供される。特に、電圧保持特性に優れ、残留DC電圧が低減された液晶表示装置が提供される。これにより、配向層を介して液晶層を形成する材料に紫外線を照射する工程を必要とする、ASMモードの液晶表示装置の表示特性および長期信頼性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】施形態による液晶表示装置の断面の模式図である。
【図2】本発明の実施形態による液晶表示装置の断面の模式図である。
【図3】図2に示される液晶表示装置の液晶領域内の液晶分子の軸対称配向状態を表す模式図である。
【符号の説明】
1、11 基板
2 透明電極
3、12 配向層
4 液晶層
5 セルスペーサ
6 液晶セル
7 液晶領域
8 液晶分子
9 壁状構造体
10 対称軸(中心軸)
100、200 液晶表示装置

Claims (2)

  1. 一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された液晶層と、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の前記液晶層側に壁状構造体と、前記一対の基板の前記液晶層側に設けられた配向層とを有し、前記液晶層は、前記壁状構造体によって分割された複数の液晶領域を有し、前記液晶領域内の液晶分子は、軸対称配向している液晶表示装置の製造方法であって、
    前記少なくとも一方の基板上に、壁状構造体を形成する工程と、
    前記一対の基板のうちの少なくとも一方の上に、特定の波長領域の紫外線を選択的に減衰させる無機系微粒子を含み、波長340nm以下の紫外線に対する紫外線透過率が70%以下であり、且つ、波長365nmの紫外線に対する紫外線透過率が80%以上である液晶配向層材料を用いて前記配向層を形成する工程と、
    前記液晶配向層材料で形成された前記配向層に波長365nmの紫外線を照射することによって、前記配向層に液晶分子の配向方向を制御する機能を付与または前記配向層の液晶分子の配向方向を制御する機能を変化させる工程と、
    前記配向層を内側にして対向配設された前記一対の基板の間に、液晶分子と波長365nmの紫外線に感光して硬化する紫外線硬化性樹脂とを含む材料を注入する工程と、
    前記材料に、前記液晶配向層材料で形成された前記配向層を介して波長365nmの紫外線を照射し、前記紫外線硬化性樹脂を硬化することによって、前記液晶分子の初期配向を安定化する工程と、
    を包含する液晶表示装置の製造方法。
  2. 一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された液晶層と、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の前記液晶層側に壁状構造体と、前記一対の基板の前記液晶層側に設けられた配向層とを有し、前記液晶層は、前記壁状構造体によって分割された複数の液晶領域を有し、前記液晶領域内の液晶分子は、軸対称配向している液晶表示装置の製造方法であって、
    前記少なくとも一方の基板上に、壁状構造体を形成する工程と、
    前記一対の基板のうちの少なくとも一方の上に、特定の波長領域の紫外線を選択的に吸収する有機系紫外線吸収剤と有機系光安定剤とを有し、波長340nm以下の紫外線に対する紫外線透過率が70%以下であり、且つ、波長365nmの紫外線に対する紫外線透過率が80%以上である液晶配向層材料を用いて前記配向層を形成する工程と、
    前記液晶配向層材料で形成された前記配向層に波長365nmの紫外線を照射することによって、前記配向層に液晶分子の配向方向を制御する機能を付与または前記配向層の液晶分子の配向方向を制御する機能を変化させる工程と、
    前記配向層を内側にして対向配設された前記一対の基板の間に、液晶分子と波長365nmの紫外線に感光して硬化する紫外線硬化性樹脂とを含む材料を注入する工程と、
    前記材料に、前記液晶配向層材料で形成された前記配向層を介して波長365nmの紫外線を照射し、前記紫外線硬化性樹脂を硬化することによって、前記液晶分子の初期配向を安定化する工程と、
    を包含する液晶表示装置の製造方法。
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