JP3566833B2 - ディジタル信号変調方法及び復調方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は移動通信などの無線通信における変動する伝送路において信頼性の高い信号伝送が可能な変調方法、その復調方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
通信用伝送路においては伝送特性、例えば送信機から受信機までのインパルスレスポンスが時間的に大きく変動することがある。マイクロ波無線伝送、移動通信などはその代表的な例である。このような伝送路では比較的雑音レベルの高い受信状態において、希望信号は時間的に変動する波形歪を伴って受信され、さらに変動する同一チャネル干渉が重畳されて伝送特性が大幅に劣化することがある。そのため、これらの原因による劣化を抑えつつ、信頼性の高い伝送方式を実現する必要がある。
従来の解決法と欠点
このように変動する伝送路において適応アルゴリズムを用いた最適受信機が利用されてきた。
【0003】
変動する歪みが存在する伝送路では、従来、適応受信機として適応等化器が利用されてきた。この適応等化器はその構造から、線形等化器と非線形等化器に分類される。
まず、線形等化器について述べる。図9は、線形等化器の構成を示している。以下では、変調された受信信号を複素表示して動作を説明する。時点iにおける等化器への入力信号x(i)の実数成分は受信信号の同相成分の振幅、虚数成分は受信信号の直交成分の振幅を表わしている。入力信号x(i)が入力端子11からトランスバーサルフィルタ12へ入力され、トランスバーサルフィルタ12のj番目のタップ係数wj(i)を制御することにより歪みが除去されて判定回路13に入力される。判定された信号は出力端子14から出力される。判定回路13の入力端と出力端の両信号は差分演算回路15に入力されて誤差信号e(i)が計算される。誤差信号は制御部16へ送られる。制御部16では、誤差信号e(i)と入力信号x(i)から、タップ係数wjが更新される。線形等化器の動作は、例えば、佐藤洋一,“線形等化理論”,丸善などに詳しく説明されている。
【0004】
トランスバーサルフィルタ12のタップ数をMとして、トランスバーサルフィルタ12の各タップ係数w1(i)からwM(i)を並べた伝送路伝達係数W(i)と、入力信号x(i)からx(i−M+1)を並べた入力信号ベクトルX(i)を用いると、伝送路伝達係数W(i−1)は、入力信号ベクトルX(i)と誤差信号e(i)を用いて、W(i)に更新される。理想的に動作する場合には、最小2乗法の解となっており、入力信号ベクトルX(i)から求められる自己相関行列R(i)と、入力信号ベクトルX(i)と判定信号との相互相関ベクトルV(i)とを用いて、伝送路伝達係数はW(i)=R−1(i)V(i)のように表わされる。これは、正規方程式:R(i)W(i)=V(i)の解である。しかしながら、自己相関行列の逆行列R−1(i)はR(i)が正則でなければ存在しないという制限があった。そのため、自己相関行列のランクがMより小さくなるような受信波、たとえば低雑音条件において同一符号が続く変調波を受信した場合などでは、逆行列が発散し、その結果として伝送路伝達係数が発散するという欠点があった。
【0005】
前記正規方程式の解を逐次的に求める適応アルゴリズムも知られている。例えば、カルマンフィルタ,RLS,LMSなどが代表的な例である。適応アルゴリズムについてはHaykin,“Adaptive Filter Theory”,Prentice−Hall,1991が詳しい。これらの方法においても自己相関行列が非正則のときには解の発散が起きる。
【0006】
自己相関行列が非正則のときでも発散しない解が得られる方法として、一般逆行列を用いる方法が知られている。一般逆行列については、A.Albert,“Regression and the Moor Penrose Pseudoinverse ”,Academic Press,1972、が詳しい。一般逆行列を用いると、自己相関行列が非正則のときにも解の発散が抑制されているが、その解W(i)はタップ伝送路伝達係数のノルム‖W(i)‖が最小となる最小ノルム解となり、時点iが推移すると、各時点ごとに最小ノルム解が異なるのでかならずしもその解が徐々に本来の解に収束するものではなかった。
【0007】
自己相関行列が非正則のときにも徐々に本来の解へ漸近する方法としては、Moor−Penrose一般逆行列を用いる直交射影法が知られている。この方法は、尾関,梅田,“アフィン部分空間への直交射影を用いたフィルタ・アルゴリズムとその諸特性”,電子情報通信学会論文誌,vol.J67−A,No.2,pp.126−132,1984年2月、に示されている。しかしながら、伝送特性が変動する伝送路では自己相関行列も変化していくので、Moor−Penrose一般逆行列を次々と更新する必要があり、この更新には大量の演算を必要とするため実際にリアルタイム条件で使用することは困難であった。
【0008】
以上説明したように線形等化器の適応性に関する改良が行われてきたが、非最小位相となる歪み条件では十分な等化効果が得られないという欠点があった。
非最小位相となる歪み条件でも十分な等化効果が得られるように非線形等化器が用いられてきた。非線形等化器の構成例を図10に示す。この構成は適応最尤系列推定器としても知られている。入力信号x(i)が入力端子11から差分回路21へ入力され、トランスバーサルフィルタ12から出力されるレプリカ信号ym(i)との差分演算が行われて、誤差信号em(i)が得られる。誤差信号em(i)の絶対値の2乗が2乗器22でとられて最尤系列推定部23に入力され、信号が推定される。最尤系列推定部23からは、符号系列候補{am}が出力される。符号系列候補{am}に対応して、変調部24からは変調波候補smが出力される。変調波候補smはトランスバーサルフィルタ12に入力され、レプリカ信号ym(i)が形成される。最尤系列推定部23から出力される候補は各状態に対して状態遷移の数だけあるので、同一の入力信号x(i)に対して、状態数と状態遷移数に対応した上述の演算を行う。制御部25は、誤差信号em(i)と変調波候補smを用いて、トランスバーサルフィルタ12のタップ係数を更新する。非線形等化器の動作は、例えば、府川,鈴木,“移動無線における逐次最小2乗形適応最尤系列推定(RLS−MLSE)の特性”,電子情報通信学会論文誌(B−II),vol.J75−B−II,No.8,pp.535−546,1992年8月、などに詳しく説明されている。
【0009】
トランスバーサルフィルタ12のタップ数をMとして、トランスバーサルフィルタの各タップ係数wm,1(i)からwm,M(i)を並べた伝送路伝達係数Wm(i)と、変調波候補sm(i)からsm(i−M+1)を並べた変調波候補ベクトルSm(i)を用いて、伝送路伝達係数Wm(i−1)は、変調波候補ベクトルSm(i)と誤差信号em(i)を用いて、Wm(i)に更新される。理想的に動作する場合には、最小2乗法の解となっており、変調波候補ベクトルSm(i)が作る自己相関行列Rm(i)と、変調波候補ベクトルSm(i)と入力信号x(i)との相互相関ベクトルVm(i)とを用いて、伝送路伝達係数はWm(i)=Rm−1(i)Vm(i)のように表わされる。しかしながら、自己相関行列の逆行列Rm−1(i)はRm(i)が正則でなければならないという制限があった。そのため、自己相関行列のランクがMより小さくなるような変調波候補ベクトル、たとえば同一符号が続く変調波候補などでは、伝送路伝達係数が発散するという欠点があった。
【0010】
このような同一符号が続く変調波候補において伝送路伝達係数が発散する問題への対処策として、以下の方法が知られている。
(1)府川,鈴木,“Blind interference cancelling equalizer for mobile radio communications ”,電子情報通信学会論文誌(B−II),vol.E77−B−II,No.5,pp.580−588,1994年5月では、あらかじめすべての符号系列に対する自己相関行列のアンサンブル平均をとり、その平均値に固定する方法がとられている。
(2)古谷,後川,伊佐,佐藤,“ブラインドビタビ等化方式の一提案”,1991年春季電子情報通信学会全国大会では、自己相関行列が正則でないときには、アップデートしない方法がとられている。
(3)Graham C.Goodwin,Kawai Sang Sin “Adaptive Filtering,Prediction,and Control ”,PRENTICE−HALL,1984年では、自己相関行列を求める前の入力ベクトルに雑音成分を混入する方法が示されている。
(4)鈴木,府川“一般逆行列によるキャリヤ推定を用いたブラインド形最尤推定法”,電子情報通信学会技法,RCS95−58,1995年7月では、一般逆行列を用いてアップデートする方法が示されている(特願平7−15160)。
【0011】
以上の方法はいずれも復調側で対処する方法であるが、同一符号がかなり長く続く場合などには動作が不安定なるという欠点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、適応等化器などで最尤系列推定を行う信号処理において、すべてのディジタル変調波系列候補に対して、伝送路伝達係数が正確に抽出できる変調方法とその復調方法を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この変調方法と復調方法の構成は次のようなものである。変調方法では(1)ディジタル変調波の複素振幅を特定のコードによってシンボル毎に変化させる変調を行なう。復調方法では(2)該ディジタル変調波の受信信号から該特定コードのタイミングを抽出するタイミング再生過程、(3)該受信信号に含まれる受信ディジタル変調波成分に該特定コードを複素乗積して得られる受信複素振幅成分を用いて適応的に伝送路伝達係数を推定するキャリア成分推定過程、(4)該受信複素振幅成分を用いて受信ディジタル変調波のレプリカを生成して該ディジタル変調波のシンボル系列を推定する最尤系列推定過程、(5)最尤系列推定過程とキャリア成分推定過程が一体となり、再帰的にディジタル変調波シンボル系列の推定と伝送路伝達係数の推定を行う復調過程を有する。
作用
この発明における基本的な作用は次のようなものである。(1)変調方法ではディジタル変調波の複素振幅を特定のコードによってシンボル毎に変化させる。復調方法においては(2)タイミング再生過程ではディジタル変調波の受信信号から該特定コードのタイミングを抽出する。(3)キャリア成分推定過程では該受信信号に含まれる受信ディジタル変調波成分に該特定コードを複素乗積して得られる受信複素振幅成分を用いて適応的に伝送路伝達係数を推定する。(4)最尤系列推定過程では、該受信複素振幅成分を用いて受信ディジタル変調波のレプリカを生成して該ディジタル変調波のシンボル系列を推定する。(5)復調過程では、最尤系列推定過程で推定されたディジタル変調波シンボル系列を用いて、キャリア成分推定過程によって伝送路伝達係数の更新を行い、その更新された伝送路伝達係数を用いて再帰的に最尤系列推定によってディジタル変調波シンボル系列の推定を行う。
【0014】
この発明は、従来の変調方法、復調方法と以下の点が異なる。
従来は同一符号が連続しているディジタル変調波候補系列において伝送路伝達係数が発散する問題に対し、復調側で対処を行っているが、この発明では変調側から同一のディジタル変調波が連続して送られないようにディジタル変調波の複素振幅を特定コードによってシンボル毎に変化させることにより、伝送路伝達係数の発散を回避している。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施例1
この発明の基本構成を図1に示す。図1Aにおいて入力端子31にディジタル変調波b(i)が変調手段32に入力されると、b(i)の複素振幅を変化させるために特定コードC(i)=A(i)exp(jd(i))が複素乗積される。このようにディジタル変調波の複素振幅を変化させて、復調側での伝送路伝達係数の推定に用いられる自己相関行列Rm(i)を、すべてのディジタル変調波候補系列において正則となるようにする。このようにして得られた送信複素振幅s(i)で矩形パルスを矩形パルス発生器33で生成し、つまり所定のシンボル長の矩形波として搬送波に乗せて送信機34で送信する。
【0016】
受信機35からは受信した信号をベースバンド周波数に落とした信号x(i)が出力され、復調手段36に入力される。図1Bに復調手段36の原理図を示す。最尤系列推定手段37では時刻iにおいて各状態に設定されている伝送路伝達係数Wm(i−1)と入力信号x(i)から、受信複素振幅系列Sm(i)を推定する。この受信複素振幅系列Sm(i)の自己相関行列を演算部38で求め、更にその逆行列を演算部39で求める。更に入力信号x(i)と受信複素振幅系列Sm(i)との相互相関行列Vm(i)を相互相関部41で求める。キャリア位相推定手段42では、Sm(i)を用いて作られる自己相関行列の逆行列Rm−1(i)を用いて、伝送路伝達係数を以下のように更新する。
【0017】
Wm(i)=Rm−1(i)Vm(i)
受信複素振幅系列Sm(i)から作られるRm(i)は、すべてのSm(i)において正則となるように変調手段32によってディジタル変調波の複素振幅を特定のコードによって変化させているため発散する事はなく、したがって伝送路伝達係数が発散することはない。
【0018】
各状態ごとの状態遷移に対応する符号系列は通常固定されているので、受信複素振幅系列Sm(i)も状態遷移ごとに固定されている。すなわちSm(i)から作られる自己相関行列Rm(i)はRmとみなすことができる。したがって、キャリア位相推定手段42ではRmからあらかじめ逆行列Rm−1を計算しておき、メモリに蓄積しておくことが可能である。この性質は先に説明した線形等化器における直交射影法とは大きく異なる点である。
実施例2
上記の特定コードC(i)として、A(i)=1とし、さらにφ(i)を2値、例えば、φ1 ,φ2 としても、自己相関行列を正則にすることができる。このような簡単な特定コードを用いることにより変調手段32を簡略化できるメリットがある。
実施例3
BPSKについて、2値特定コードを利用する場合について詳しく述べる。図2Aに示すように伝送されるシンボル系列b(i)に対して、偶数奇数のタイムスロットに分類しφ(2k)=φ1 =0,φ(2k+1)=φ2 =θとし、偶数番目のシンボルでは図2Bに示すように0、奇数番目のシンボルでは図2Cに示すようにθ=45°の2値の特定コードによってディジタル変調波の複素振幅を変化させる。このようにして得られる受信複素振幅系列Sm(i)から自己相関行列の逆行列Rm−1(i)を作り、その行列式を計算すると図3に示すようになる。図3のパラメータは送信符号列の状態である。伝送路伝達係数の推定誤差はRm−1(i)の大きさに比例することが知られているので、Rm−1(i)の大きさにほぼ比例する行列式det(Rm−1(i))の値を示している。ゆえにすべての受信複素振幅系列Sm(i)において、それから作られるRm−1(i)の大きさが小さくなるようにθを設定する。BPSKの場合は図3からθ=π/4あるいは3π/4とすればよいことが分かる。
【0019】
このように、BPSKでは、2値位相シンボル系列として0とπ/4の位相を持った複素シンボルを交互に並べた系列を用いることにより、逆行列の大きさを小さくすることができる。したがって、適応制御における係数の推定値の精度を上げることができる。このときのビット誤り率(BER)特性を図4に示す。同図は差動符号化と同期検波の両方の特性を示している。どちらもθが45°と135°においてBERが最小になっている。この場合の特定コードは2値位相シンボル系列であって、一般的には位相をモジュロπ/2で表わしたとき、その2値位相差がπ/4である複素シンボル系列である。
実施例4
QPSKについて、2値特定コードを利用する場合について詳しく述べる。例えば図5A,Bに示すようにφ(2k)=φ1 =0,φ(2k+1)=φ2 =θ=22.5°とし、偶数番目のシンボルでは0、奇数番目のシンボルではθの2値の特定コードによってディジタル変調波の複素振幅を変化させる。このようにして得られる受信複素振幅系列Sm(i)から自己相関行列の逆行列Rm−1(i)を作り、その行列式を計算すると図6のようになる。伝送路伝達係数の推定誤差はRm−1(i)の大きさに比例することが知られているので、すべての受信複素振幅系列Sm(i)において、それから作られるRm−1(i)の大きさが小さくなるようにθを設定する。QPSKの場合は図6からθ=π/8とすればよいことが分かる。
【0020】
このように、QPSKでは、2値位相シンボル系列として0とπ/8の位相を持った複素シンボルを交互に並べた系列を用いることにより、逆行列の大きさを小さくすることができる。したがって、適応制御における係数の推定値の精度を上げることができる。このときの誤り率特性を図7に示す。この場合の特定コードも2値位相シンボル系列であって一般的には位相をモジュロπ/4で表わすと、その2値位相の差がπ/8の複素シンボル系列である。
実施例5
上述したようにこの発明では、例えば偶数奇数のタイムスロットのように正しいタイミングが再生されないと、正しい結果が得られない場合がある。そこでタイミング再生手段としては図8に示すようなものを用いる。
【0021】
まず送信側では図8Aに示すようにタイミング再生用信号ST (i)と特定コードとの複素乗算を行いタイミング再生用送信信号系列を送出する。ST (i)は通常のデータ系列の中に一定間隔で挿入される。一方、受信側ではタイミング再生用信号ST (i)が既知であり、既知の特定コードとの乗算を乗積45で行ってタイミング再生用受信信号系列を生成する。次にこの信号系列をトランスバーサルフィルタ12のタップ係数として設定する。これにより、受信信号系列にタイミング再生用送信信号系列と同じ系列があるとトランスバーサルフィルタ12の出力にピークが発生する。このピークをピーク検出器46で検出して再生タイミング信号を得ることができる。実際にはこのピーク位置を位相同期ループ(PLL)で平滑化し、誤検出が起きないようにする。このタイミング再生手段が図1A中のタイミング再生手段51として用いられ、この再生タイミングで復調手段36が動作される。また復調手段36では特定コードについて、レプリカを生成し、この特定コードレプリカを最尤系列推定で得られた符号系列候補に乗積して、レプリカ信号ym(i)とすればよい。
【0022】
上述した非線形等化器だけでなくブラインド形非線形等化器、あるいは非線形干渉キャンセラ、また単純な同期検波器あるいはダイバーシチ構成の同様な受信機などでもこの発明が適用できる。CDMAにおける逆拡散後の信号をRAKE合成する受信機においても有効である。また上述では特定コードとして、シンボルごとに2値位相の一方を交互にとる系列としたが、シンボルごとに2値振幅の一方を交互にとるようにしてもよい。つまり、そのような2値振幅シンボル系列をもち、その2値振幅の差が各種の値のものについてこれを横軸とした図3、図6に示す特性を調べ、1/det〔Rm(i)〕が常に小さい値をとる2値振幅を選定すればよい。特定コードとして、位相と振幅を共にシンボルごとに2値の一方をとる系列としてもよい。
【0023】
【発明の効果】
この発明によればディジタル変調波の複素振幅を特定のコードによってシンボル毎に変化させることにより、伝送路伝達係数の推定に用いる自己相関行列をすべてのディジタル変調波候補系列に対して正則にすることができるため、係数の推定を安定に行うことができるとともに、伝送路変動に対する追従性が良い動作が期待される。状態遷移候補ごとに用意する逆行列は、各状態遷移候補で決まっているので計算してメモリに蓄積しておけばよく、計算処理量は逆行列を計算する一般の適応信号処理と比べると少なくなる。また、最尤系列推定を用いるので信号検波性能が優れている。
【0024】
フェージング変動が速い移動通信、移動衛星通信、また、大容量伝送のために高精度の復調回路を必要とするマイクロ波などの固定無線伝送の分野に適している。これらの分野における適応等化器、適応干渉キャンセラ、ダイバーシチなどの適応受信機を容易に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の変調方法、復調方法を適用したシステムの基本機能構成を示す図、(b)は図(a)中の復調手段36の変調波候補mにおける復調原理の機能的構成を示す図である。
【図2】Aは複素振幅S(i)のBPSKパターンの例を示す図、Bはその偶数タイムスロットの複素振幅、Cは奇数タイムスロットの複素振幅である。
【図3】BPSKの場合の1/det〔Rm(i)〕と位相θとの関係例を示す図。
【図4】BPSKにおけるビット誤り率と位相θとの関係を示す図。
【図5】QPSKの複素振幅値を示す図。
【図6】QPSKにおける1/det〔Rm(i)〕とθとの関係を示す図。
【図7】QPSKにおけるビット誤り率とθとの関係を示す図。
【図8】Aは既知タイミング再生用信号に特定コードを乗積する送信側の構成図、Bは既知タイミング再生信号によるタイミング信号再生手段の構成を示す図である。
【図9】従来の線形等化器の機能構成を示す図。
【図10】従来の非線形等化器の機能構成を示す図。
Claims (7)
- シンボル系列によりディジタル変調を行い、そのディジタル変調波を搬送波に乗せて送信する変調方法において、
前記ディジタル変調波の複素振幅系列Sm(i)から作られる自己相関行列がすべてのSm(i)において正則となるように、特定コードによりシンボル毎に前記ディジタル変調波の搬送波複素振幅を変化させることを特徴とするディジタル信号変調方法。 - 請求項1の変調方法において、
前記特定コードは2値位相シンボル系列であることを特徴とする変調方法。 - 請求項2の変調方法において、
前記ディジタル変調波は2値PSK波であり、かつ前記2値位相シンボル系列は位相をモジュロπ/2で表したときその差がπ/4となる2つの位相を持った複素シンボルを交互に並べた系列であることを特徴とする変調方法。 - 請求項2の変調方法において、
前記ディジタル変調波は4値PSK波であり、かつ前記2値位相シンボル系列は位相をモジュロπ/4で表したときその差がπ/8となる2つの位相を持った複素シンボルを交互に並べた系列であることを特徴とする変調方法。 - 請求項1乃至4の何れかの変調方法において、
送信シンボル系列に既知のタイミング再生用信号を挿入することを特徴とする変調方法。 - ディジタル変調波の複素振幅系列Sm(i)から作られる自己相関行列がすべてのSm(i)において正則となるように、特定コードによりシンボル毎にディジタル変調波の搬送波複素振幅が変化されたディジタル変調波の復調方法であって、
受信されたディジタル変調波から上記特定コードのタイミングを抽出し、
上記ディジタル変調波に上記特定コードを複素乗積して受信複素振幅成分を得、
その受信複素振幅成分を用いて適応的に伝送路伝達係数を推定し、
上記受信複素振幅成分を用いて受信ディジタル変調波のレプリカを生成し、
上記ディジタル変調波の送信シンボル系列を最尤系列推定により推定し、
その推定されたディジタル変調波シンボル系列を用いて上記伝送路伝達係数の更新を行い、その更新された伝送路伝達係数を用いて再帰的に最尤系列推定によってディジタル変調波シンボル系列の推定を行うディジタル信号復調方法。 - 請求項6の復調方法において、
上記タイミングの抽出を、既知の該タイミング再生用信号と既知の特定コードを用いて相関をとることにより行うことを特徴とするディジタル信号復調方法。
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