JP3565538B2 - 貝殻の資源化方法 - Google Patents

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貝殻の資源化方法に関し、詳細には、発電所の取水設備等に付着した貝殻や廃棄物として排出される貝殻を用いて有効利用可能な炭酸カルシウム材を生成する貝殻の資源化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
火力、水力、原子力発電所の取水設備のような水に接する部分を有する設備では、水に接する部分に貝が付着し、付着した貝によって取水能力が低下するなどの悪影響が設備に及ぼされる。このため、取水設備等を有する施設では、付着した貝の除去作業が行われ、年間1万2300トンもの貝が廃棄物として生じている。廃棄物である貝を放置すると貝の腐敗により悪臭を発生するなどの問題を生じるため、その大半は施設敷地等内で埋め立て処分されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、貝の所分量が大量であるために、処分地の確保が年々困難となっている。埋め立て処理できない貝は、現状においては必然的に焼却処理することになる。しかし、焼却処理は、焼却設備の導入に多額の費用を必要とするだけで得られるものがないため、経済的に不利である。このため、リサイクルを前提とした何等かの貝の処理方法の開発が望まれている。
【0004】
本発明は、上述のような問題を解決し、廃棄物である貝を有効にリサイクルできる資源化方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の貝殻の資源化方法は、貝殻を貝殻粉に粉砕する粉砕工程と、酸を含有する水に該貝殻粉を浸して貝殻粉中の有機質を分解する分解工程と、分解された有機質を該貝殻粉から分離して炭酸カルシウムを主成分とする粉末を得る分離工程と、前記炭酸カルシウムを主成分とする粉末を加熱水に浸して金属及びハロゲンを該粉末から加熱水に溶出させて精製炭酸カルシウム粉末を得る精製工程とを有する。
【0007】
上記資源化方法は、更に、前記分解工程の前に、上記貝殻粉から主にコンキオリンを含有する第1の貝殻粉を分別除去する分別工程を有し、該第1の貝殻粉を除去した残りの貝殻粉が上記分解工程に供給される。
【0008】
あるいは、前記分解工程の前に、上記貝殻粉を主にコンキオリンを含有する第1の貝殻粉と主にカルサイトを含有する第2の貝殻粉と主にアラゴナイトを含有する第3の貝殻粉とに分離する分別工程を有し、第2の貝殻粉及び第3の貝殻粉が分解工程に供給される。上記第2の貝殻粉から分解工程を経て得られるカルシウムを主成分とする粉末のみが上記精製工程に供給される。
【0009】
上記粉砕工程において貝殻は300メッシュ以下の貝殻粉に粉砕することが望ましい。
【0010】
上記酸としては酢酸が好適であり、0.01〜0.05wt%の割合で水に含有させることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細説明する。
【0012】
貝の貝殻は、炭酸カルシウムを主成分とするので、取水施設などにおいて採取される貝から貝肉を除去した貝殻は、脱硫剤や弗素除去剤、セメント原料として利用することが考えらる。しかし、例えばセメント原料の場合、コンクリートの軟化や溶出を防止するために、これらの原因となるナトリウム、カリウム等のアルカリ成分の含有率を0.75%以下に定める規定が1986年に設けられている。又、塩化物イオンに関しても、コンクリート中の鉄筋が錆びるのを防止するために、含有率は0.02%以下に定められている。脱硫剤や弗素除去剤等についてはセメント原料ほどの厳格な制限はないにしても、貝殻を構成する有機物などの不純物を含有したままでは良好に使用することができない。従って、貝殻から不純物の少ない炭酸カルシウムを取り出す必要がある。
【0013】
発電所の取水路などで採取される貝は、ムラサキイガイ等のイガイ類が大半で、このような2枚貝の貝殻は、炭酸カルシウムを主成分とする内側の真珠(アラゴナイト)層及び外側の角柱(カルサイト)層の2層を有している。更に、角柱層の外表面をタンパク質の一種であるコンキオリンからなる殻皮層が被覆している。他の種類の貝の貝殻も概して類似の構造を有している。
【0014】
コンキオリンは真珠層及び角柱層にも含有されており、これらにおいては炭酸カルシウムの粒を互いに接着するつなぎの役割を果たしている。角柱層、真珠層には、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属、ストロンチウム、バリウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属を含有しており、更に、真珠層には塩素等のハロゲンが含有されている。
【0015】
上記を考慮すると、貝殻から不純物の少ない炭酸カルシウムを取り出すには、貝殻から有機質(おもにコンキオリン等のタンパク質)、金属塩又は金属イオン及びハロゲンを効率よく除去すれば良いことがわかる。
【0016】
まず、有機質を除去するためには、酸を含有する水を分解液としてこれに貝殻を浸して貝殻中の有機質を分解する処理が有効である。酸の水溶液に浸すことによってタンパク質がアミノ酸等に分解されて水に溶出する。従って、分解処理後に貝殻を分解液から分離し必要に応じて水洗すれば分解物は貝殻から除去され、有機質量の減少した貝殻が得られる。
【0017】
有機質の分解に用いる酸としては、硝酸、塩酸、過塩素酸、硫酸等の鉱酸や、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、アスコルビン酸等の有機酸等が挙げられ、中でも酢酸の分解能が最も高く、酢酸水溶液を分解液として用いるのが好ましい。酸の濃度及び処理温度が高いと有機質の分解速度が速くなるので、分解処理時間は、用いる酸の種類、酸の濃度及び処理温度に応じて適宜設定する。但し、分解液の酸の濃度が高すぎると貝殻のカルシウム自体も溶出するので、カルシウムの溶出を抑制するために、例えば酢酸水溶液を用いる場合には酢酸の含有割合を0.001〜0.1wt%、好ましくは0.01〜0.05wt%に設定する。有機質の分解処理中に分解液によって貝殻が汚染されるのを防止するために、使用する分解液は高濃度の不純物が混入しないように注意する必要がある。
【0018】
前述したように、貝殻中の有機質は炭酸カルシウム粒間に分散して存在しているので、酸が貝殻に十分に作用し且つ分解物が溶出し易いように、有機質の分解処理の前に貝殻を細かく粉砕するのが好ましい。一方、回収処理等における取扱いを考慮すると、ある程度の大きさが必要である。このような理由から、貝殻は、好ましくは50〜300メッシュ、より好ましくは100〜200メッシュに粉砕した粉末の状態で分解処理に供する。上記の様な適切な大きさに粉砕した貝殻粉における炭酸カルシウム粒子間のコンキオリンを十分に分解するためには、常温においては約7日以上、好ましくは約10日以上貝殻粉を分解液に浸漬する。分解液を加熱すると有機質の分解が促進されるので、50℃前後に加熱する場合は約5日以上、好ましくは約7日以上浸漬するのがよい。
【0019】
貝殻の殻皮層は主にコンキオリンから形成されており炭酸カルシウムを殆ど含まないので、炭酸カルシウムを得るという点では貝殻の殻皮層は不要である。従って、有機質分解用の分解液を効率的に用いるためには、予め殻皮層を分別除去して角柱層及び真珠層についてのみ有機質の分解処理を施すことが望ましい。貝殻の分別は、比重の差を利用する比重分離等によって可能である。殻皮層の比重が最も小さく、真珠層が最も大きいので、粉砕した貝殻を重液に投入して軽い殻皮層を除去し、角柱層及び真珠層を取り出して分解処理に供する。この場合に用いる重液としては、炭酸カルシウムの比重に最も近いブロモホルム/エタノール混合液が適しているが、これに限定されるわけではない。比重分離を行う際に、重液は貝殻に含まれる物質によって汚染され易いので、重液を繰り返し使用する際には、重液の純度に注意を払って貝殻を汚染しないようにする必要がある。従って、重液は可能な限り高純度であることが好ましく、ナトリウムは10ppb 以下、カリウムは5ppb 以下、塩素は10ppb 以下であることが望ましい。
【0020】
上述のように、炭酸カルシウムの含有量が少ない殻皮層を分別処理によって除去した貝殻粉を酸の水溶液に浸漬して加熱することによって有機質が分解・溶出するので、貝殻の炭酸カルシウムから有機質を除去することができる。
【0021】
貝殻中の金属及びハロゲンについては、貝殻を水に接触させることによって水中に溶出させることができ、水を加熱すると溶出速度が速くなり、加圧すると更に溶出し易くなる。但し、ナトリウム等の金属成分は貝殻中のコンキオリンに取り込まれているため、有機質の除去を行わないで水による溶出処理を行うと貝殻表面付近の金属は溶出しても、貝殻内部のものは溶出し難い。換言すれば、貝殻内部の有機質を分解除去することによって貝殻内部に含む金属が抽出され易い状態となる。つまり、有機質の分解・溶出処理後に金属及びハロゲンの溶出を行うと、金属及びハロゲンの除去が高いレベルまで進行し、得られる炭酸カルシウムの純度が格段に向上する。
【0022】
貝殻の金属及びハロゲンの溶出を水を用いて行う際の水の使用量は特に制限されないが、より十分な溶出効果を得るために貝殻量と同量以上であるのが好ましい。水を40℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃付近の温度に加熱することにより処理時間を短縮できる。加圧下で加熱溶出すると、塩素及びナトリウムの濃度を50ppm 以下まで減少させることができるので、セメント原料の要件を満足するような高純度の炭酸カルシウムを貝殻から得るには、加圧下で、好ましくはゲージ圧で2〜5atm 程度の加圧下で、約1時間以上、好ましくは約3時間以上水を100℃付近に加熱して金属及びハロゲンの溶出を行うとよい。
【0023】
ハロゲン(Cl)は真珠層及び殻皮層に300〜400ppm 程度含有されるが、角柱層には殆ど含まれないので、角柱層を真珠層から分別して、真珠層のみを熱水処理すると処理効率がよい。角柱層と真珠層の分別は、前述した比重分離等を用いた殻皮層の分別の際に併せて行うのが効率的である。
【0024】
金属及びハロゲンの溶出処理の後、水から分離した貝殻粉は必要に応じて水洗し、乾燥することにより高純度の炭酸カルシウム粉末が得られる。上述の操作に従って、ナトリウム、カリウム及び塩素の含有割合が概して100ppm 以下、20ppm 以下、50ppm 以下の炭酸カルシウム粉末が得られる。
【0025】
前述の有機質の分解処理中に貝殻中の金属及びハロゲンの一部は酸の水溶液に溶出する。特に金属は溶出し易い。従って、有機質の分解処理を加圧下で行うようにすると、有機質の分解と同時に金属及びハロゲンの溶出も促進される。従って、有機質の分解と金属及びハロゲンの溶出を1つの操作で達成することも可能である。但し、ハロゲンについては酸性水より中性水を用いる方が貝殻中のハロゲンを低濃度まで減少させることができ、又、酸性溶液を加圧下で加熱すると装置の耐久性等の負担が大きいので、炭酸カルシウム材に求められる品質等に応じて適宜プロセス設計を変形すればよい。
【0026】
有機質の分解・溶出と金属及びハロゲンの溶出を可能とするもう1つの手段として、超臨界水を用いた処理がある。貝殻粉を超臨界水に接触させることにより、有機質の加水分解・溶出が進行し、それに伴って金属及びハロゲンも溶出する。
【0027】
本発明に従って貝殻を資源化する方法の好適な実施形態の一例を示すと、例えば図1のようになる。
【0028】
図1において、貝肉を除去した貝殻Sは、100〜200メッシュ程度の大きさに粉砕し(粉砕工程1)、ブロモホルム・エタノールの重液を用いる比重分離等に従って殻皮層S1、角柱層S2及び真珠層S3に分別する(分別工程2)。次に、分別した角柱層S2及び真珠層S3に分解液として酸水溶液Aを加えて貝殻中のコンキオリンを含むタンパク質等の有機質を分解する(分解工程3)。アミノ酸等を含む有機質の分解物は酸水溶液Aに溶出し、分解物を含んだ酸水溶液A’を角柱層S2及び真珠層S3から分離する(分離工程4)ことによって有機質の分解物は除去される。この後、真珠層S3に水Wを加えて加熱して金属及びハロゲンの水への溶出させる(溶出工程5)。金属及びハロゲンを含有する水W’を真珠層S3から分離し(分離工程6)、角柱層S2と併せて必要に応じて水洗(水洗工程7)した後、乾燥する(乾燥工程8)ことにより、高純度の炭酸カルシウム粉末Cが得られる。
【0029】
貝殻を用いた炭酸カルシウム材の製造は、上述の方法に従って、貝殻を粉砕するための粉砕器と、貝殻粉を殻皮層部分と角柱層部分と真珠層部分とに分別するための分別槽と、貝殻粉の有機質を分解するための分解槽と、貝殻粉から金属及びハロゲンを溶出させるための溶出槽と、貝殻粉を乾燥させる乾燥器とを有する処理装置を用いて行うことができる。分解槽には分解に用いる分解液を貯蔵する分解液容器及び分解処理後の貝殻粉と分解液とを分離する分離装置が備えられ、溶出槽には水を貯蔵する容器が付設される。必要に応じて行う貝殻粉の洗浄処理は、分解槽及び溶出槽を用いて行うことができる。
【0030】
上記の処理装置が貝殻の新たな汚染源となることを回避するために、各槽、貯蔵容器、分離装置等は、例えばテフロンや合成石英等の不純物が溶出しない材質で製造もしくはコーティングしたものを用いるのが望ましく、また、処理環境の汚染に注意を払う必要がある。
【0031】
本発明において被処理体となる貝は種類をいとわず、上述の方法を適宜応用・変形して貝の資源化に適用することができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を参照して本発明を更に説明する。
【0033】
(試料調製)
発電所の取水路で採取したムラサキイガイを貝殻と貝肉とに分離し、貝殻を100〜200メッシュに粉砕した。
【0034】
この貝殻粉中のNaの濃度をフレーム原子吸光装置によって、Clの濃度をイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:3200ppm 、Cl:470ppm であった。又、貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、灰化処理前後の重量変化から貝殻粉中の有機質含有率P を算出したところ、20wt%であった。
【0035】
(実施例1a)
試料調製において得た貝殻粉5kgをテフロン容器に収容し、0.05wt%酢酸水溶液10kgを投入して50℃に7日間加熱した。その後、テフロン製フィルターを用いて貝殻粉から酢酸水溶液を除去し、純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉3.9kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:25ppm 、Cl:150ppm と大幅に減少していた。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、灰化処理前後の重量変化から貝殻粉の残存有機質含有率Pを算出し、有機質除去率[%]:100×(P −P)/P を計算した結果を表1に示す。
【0036】
(実施例1b)
酢酸水溶液の濃度を0.001wt%に変えたこと以外は実施例1aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.5kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0037】
(実施例1c)
酢酸水溶液の加熱時間を1日間に変えたこと以外は実施例1aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.8kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0038】
(実施例1d)
酢酸水溶液の加熱時間を1日間に変えたこと以外は実施例1aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.5kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0039】
(実施例1e)
酢酸水溶液の温度を7日間20℃に保持したこと以外は実施例1aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.6kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0040】
(実施例1f)
試料調製において得た貝殻粉5kgをテフロン容器に収容し、0.05wt%酢酸水溶液10kgを投入して50℃に7日間加熱した。その後、テフロン製フィルターを用いて貝殻粉から酢酸水溶液を除去し、貝殻粉に純水1リットルを加えてオートクレーブ(ゲージ圧4.7atm )中で100℃に3時間加熱した。この後、貝殻粉を水から分離し、更に純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉4.2kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:120ppm 、Cl:45ppm と大幅に減少していた。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、同様に有機質除去率を計算した結果を表1に示す。
【0041】
(実施例1g)
試料調製において得た貝殻粉5kgをテフロン容器に収容し、0.05wt%酢酸水溶液10kgを投入して50℃に7日間加熱した。その後、テフロン製フィルターを用いて貝殻粉から酢酸水溶液を除去し、貝殻粉に純水1リットルを加えて大気圧で100℃に3時間加熱還流した。この後、貝殻粉を水から分離し、更に純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉4.6kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:180ppm 、Cl:100ppm であった。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、同様に有機質除去率を計算した結果を表1に示す。
【0042】
(実施例1h)
試料調製において得た貝殻粉5kgをテフロン容器に収容し、0.05wt%酢酸水溶液10kgを投入して50℃に7日間加熱した。その後、テフロン製フィルターを用いて貝殻粉から酢酸水溶液を除去し、貝殻粉に純水1リットルを加えて大気圧で50℃に3時間加熱した。この後、貝殻粉を水から分離し、更に純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉4.7kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:200ppm 、Cl:120ppm であった。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、同様に有機質除去率を計算した結果を表1に示す。
【0043】
(実施例2a)
試料調製において得た貝殻粉5kgをテフロン容器に収容し、0.05wt%硝酸水溶液10kgを投入して50℃に7日間加熱した。その後、テフロン製フィルターを用いて貝殻粉から硝酸水溶液を除去し、純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉4.6kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:300ppm 、Cl:350ppm であった。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、灰化処理前後の重量変化から貝殻粉の残存有機質含有率を算出し、有機質除去率を計算した結果を表1に示す。
【0044】
(実施例2b)
硝酸水溶液の濃度を0.001wt%に変えたこと以外は実施例1aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.8kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0045】
(実施例2c)
硝酸水溶液の加熱時間を1日間に変えたこと以外は実施例1aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.8kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0046】
(実施例2d)
硝酸水溶液の加熱時間を1日間に変えたこと以外は実施例1aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.9kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0047】
(実施例2e)
硝酸水溶液の温度を7日間20℃に保持したこと以外は実施例1aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.7kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0048】
(実施例2f)
試料調製において得た貝殻粉5kgをテフロン容器に収容し、0.05wt%硝酸水溶液10kgを投入して50℃に7日間加熱した。その後、テフロン製フィルターを用いて貝殻粉から硝酸水溶液を除去し、貝殻粉に純水1リットルを加えてオートクレーブ(ゲージ圧4.7atm )中で100℃に3時間加熱した。この後、貝殻粉を水から分離し、更に純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉4.4kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:220ppm 、Cl:120ppm と大幅に減少していた。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、同様に有機質除去率を計算した結果を表1に示す。
【0049】
(実施例3a)
試料調製において得た貝殻粉5kgをテフロン容器に収容し、純水10kgを投入して大気圧下で100℃に7日間加熱還流した。その後、更に、オートクレーブ(ゲージ圧4.7atm )中で100℃に3時間加熱した。この後、貝殻粉を水から分離し、更に純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉4.9kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:1300ppm 、Cl:100ppm であった。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、同様に有機質除去率を計算した結果を表1に示す。
【0050】
(実施例3b)
試料調製において得た貝殻粉5kgをテフロン容器に収容し、純水10kgを投入して大気圧下で7日間水温を20℃に保持した。その後、貝殻粉を水から分離し、更に純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉4.9kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:2400ppm 、Cl:120ppm であった。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、同様に有機質除去率を計算した結果を表1に示す。
【0051】
(実施例3c)
大気圧下で100℃に加熱還流する期間を3日間に変更したこと以外は実施例3aと同様の操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.9kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0052】
(実施例3d)
大気圧下で100℃に加熱還流する期間を1日間に変更したこと以外は実施例3aと同様の操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.9kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0053】
(実施例3e)
貝殻粉を浸した水の温度を20に保持する期間を1日間に変更したこと以外は実施例3bと同様の操作を繰り返し、処理後の貝殻粉4.9kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
(実施例3f)
試料調製において得た貝殻粉5kgをテフロン容器に収容し、純水10kgを投入して大気圧下で100℃に7日間加熱還流した。その後、貝殻粉を水から分離し、更に純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉4.8kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:1800ppm 、Cl:100ppm であった。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、同様に有機質除去率を計算した結果を表1に示す。
【0054】
(実施例4a)
分解反応器の純水10kgに貝殻粉5kgを投入し、反応温度を673K、反応圧力を30MPa、反応時間を30分に設定して水を超臨界状態に調整し、この状態で30分間処理を行った。その後、貝殻粉を水から分離し、更に純水で洗浄して50℃で2日間乾燥し、貝殻粉3.8kgを得た。得られた貝殻粉中のNa及びClの濃度をフレーム原子吸光装置及びイオンクロマトグラフ装置を用いて測定したところ、Na:230ppm 、Cl:43ppm であった。又、処理後の貝殻粉を白金ルツボに投入して700℃で灰化処理し、同様に有機質除去率を計算した結果を表1に示す。
【0055】
(実施例4b)
超臨界状態に維持した期間を3日に変更したこと以外は実施例4aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉3.8kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0056】
(実施例4c)
超臨界状態に維持した期間を1日に変更したこと以外は実施例4aと同様の処理操作を繰り返し、処理後の貝殻粉3.8kgを得た。貝殻粉中のNa及びClの濃度並びに有機質除去率を同様に測定した結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0003565538
Figure 0003565538
上記の結果から理解されるように、分解液の酸の種類や濃度、処理時間、処理温度によって有機質の除去率が変化する。又、金属及びハロゲンの溶出については、加熱及び加圧によって溶出効率が向上するが、有機質の除去が行われていないと、特にナトリウム等の金属の溶出が抑制される。ハロゲンの溶出については中性水の使用が適しており、酸水溶液による有機質の分解処理後に貝殻粉を中性水と接触させることによりハロゲンは貝殻粉から効果的に除去される。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明の貝殻の資源化方法によれば、取水設備等から採取される貝を用いて、セメント原料や脱硫剤等として使用可能な高純度の炭酸カルシウム資材を調製することができるので、廃棄物による埋め立て用地や処理装置の必要度合を格段に低減でき、廃棄物の有効利用が実現されるので、その工業及び環境保護における価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貝殻の資源化方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 粉砕工程
2 分別工程
3 分解工程
4 分離工程
5 溶出工程
6 分離工程
7 水洗工程
8 乾燥工程

Claims (1)

  1. 貝殻を貝殻粉に粉砕する粉砕工程と、酸を含有する水に
    該貝殻粉を浸して貝殻粉中の有機質を分解する分解工程と、分解された有機質を該貝殻粉から分離して炭酸カルシウムを主成分とする粉末を得る分離工程と、前記炭酸カルシウムを主成分とする粉末を加熱水に浸して金属及びハロゲンを該粉末から加熱水に溶出させて精製炭酸カルシウム粉末を得る精製工程とを有することを特徴とする貝殻の資源化方法。
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