JP3562151B2 - ロボット装置を利用した製品検査システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボモータにより駆動されるロボット装置を利用した製品検査システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば製品が完成したときに不良品を発見する手段として、製品を駆動したときに発する音を分析し、その音に異常音が含まれるか否かで製品を検査することが行われている。この場合、完成した製品の異常音を検査するには、ロボット装置により製品を異音検査室に搬送し、異音検査装置により製品から発する音を検査してから、再びロボット装置により製品を異音検査室から搬出するようにしている。
【0003】
具体的には、ロボット装置は、まず、図5に示す検査場所への製品設置プログラム(PROGRAM1) を実行することにより、搬送ラインにより搬送された製品を無音環境である異音検査室内の異音検査場所に搬送する。
【0004】
そして、異音検査装置により製品の異音検査が終了したときは、ロボット装置は、図6に示すライン上の製品場所への製品設置プログラム(PROGRAM2) を実行することにより、異音検査が終了した製品を搬送ラインに戻す。
上述したようなロボット装置によるプログラムの起動、或いは異音検査装置の起動はプログラマブルコントローラにより制御されるようになっている。
【0005】
ところで、プログラマブルコントローラは、異音検査装置により異音検査を実行するときは、ロボット装置のサーボモータへの通電路を開放するようにしている。これは、サーボモータを停止するロック状態ではサーボモータから電磁音が発生しているので、製品の異音検査に支障を生じるからである。これにより、ロボット装置を駆動するためのサーボモータからの雑音の影響を受けることなく製品の異音検査を確実に行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のロボット装置では、ユーザプログラム(検査場所への製品設置プログラム、ライン上の製品場所への製品設置プログラム)において所定のスイッチをオンオフする命令を実行可能に構成されていないので、プログラマブルコントローラは、ロボット装置が検査場所への製品設置プログラムを終了したときは、ロボット装置のサーボモータへの通電路を開放するようにしている。このため、プログラマブルコントローラの負担が大きく、製品の異音検査を実行するためのタクトタイムが長くなるという欠点があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、製品検査時間を短縮することができるロボット装置を利用した製品検査システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、ロボット装置は、製品の検査を行うときは、製品を異音検査場所へ搬送してから、異音検査装置による異音検査が開始するときは自己のサーボモーターへの通電路を開閉するためのスイッチをオフする命令を実行するので、サーボモータへの通電路を開放する。そして、ロボット装置は、異音検査装置による異音検査が終了したときはスイッチをオンする命令を実行するので、サーボモータへの通電路が閉鎖する。従って、ロボット装置の動作中にロボット装置のサーボモータへの通電路を開放して異音検査装置による異音検査を行うことができるので、製品の良否を短時間で且つ確実に判定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図5を参照して説明する。
図2は全体の構成を概略的に示している。この図2において、異音検査室1は外部から防音処理されており、この異音検査室1内の所定位置に異音検査場所2が設定されている。
【0010】
異音検査室1の側方には搬送ライン3が設置されている。この搬送ライン3は一定間隔毎に製品としてのスタータモータ(図示せず)を搬送するもので、プログラマブルコントローラ4からの指令によりスタータモータを製品設置取出し場所(図2中に矢印Aで示す)に位置させるようになっている。
【0011】
ロボット装置5は、異音検査室1内と搬送ライン3上の製品設置取出し場所との間を往復移動するようにサーボモータ6により駆動されるX軸移動機構7と、異音検査室1内においてX軸移動機構7の移動方向と直交する方向に移動するようにサーボモータ8により駆動されるY軸移動機構9と、それらのX軸移動機構7及びY軸移動機構9間を往復移動する図示しないチャッキング機構10とを組合わせて構成されている。
【0012】
ここで、ロボット装置5のサーボモータ6,8は異音検査室1内に位置しており、サーボ制御コントローラ11により制御されるようになっている。
ロボット装置5の制御装置12は、サーボ制御コントローラ11に対して回転数及び回転速度の指示を与えることによりX軸移動機構7、Y軸移動機構9及びチャッキング機構10の動作を制御すると共に、異音検査装置13に対して異音検査の開始指令を与えるようになっている。
【0013】
プログラマブルコントローラ4は、搬送ライン3の移動を制御すると共に、ロボット装置5の制御装置12に駆動指令を与える。
異音検査装置13は、ロボット装置5から異音検査の開始指令が与えられたときは、異音検査場所2に設置されたスタータモータからの音をマイクロフォン14で集音し、その集音した音の周波数成分を解析することにより製品の良否を判定すると共に、異音検査を終了したときは異音検査終了信号をロボット装置5の制御装置12に与えるようになっている。
【0014】
図3はロボット装置5のサーボモータ6,8の接続関係を示している。この図3において、6個のトランジスタ15を三相接続することによりインバータ回路16が形成されており、サーボ制御コントローラ11は、ドライバ17を通じてインバータ回路16を通断電制御することによりサーボモータ6,8の回転を制御するようになっている。
【0015】
ここで、各ドライバ17への通電路にはスイッチ18が接続されており、そのスイッチ18のオンオフに応じてサーボ制御コントローラ11からサーボモータへの通電路が開閉するようになっている。この場合、スイッチ18は制御装置12からの指令によりオンオフするように構成されている。
【0016】
図1(a)はロボット装置5の動作のフローチャートを示し、同図(b)はロボット装置5を動作させるためのユーザプログラムを示している。
即ち、図1において、ロボット装置5の制御装置12は、プログラマブルコントローラ4から駆動指令を受けたときは、搬送ライン3上の製品設置場所に移動し(ステップ イ、)、スタータモータをチャックしてから(ステップ ロ) 、スタータモータを異音検査場所2に移動し(ステップ ハ)、スタータモータをアンチャックする(ステップ ニ)。これにより、スタータモータが異音検査場所に位置されると共に、スタータモータの電極に図示しない接続端子が接触することによりスタータモータが通電されて駆動する。
【0017】
そして、制御装置12は、サーボモータへの電流停止指令を発効する(ステップ ホ)。これにより、スイッチ18がオフするので、サーボ制御コントローラ11からサーボモータ6,8への通電路が開放される。
【0018】
続いて、ロボット装置5は、異音検査装置13に異音検査を指示する(ステップ ヘ)。これにより、異音検査装置13はスタータモータから発せられる駆動音をマイクロフォン14で集音し、その音の周波数成分を解析してスタータモータから異音が発せられているか否かを判断することによりスタータモータを検査する。
【0019】
このとき、スイッチ18がオフすることによりロボット装置5のサーボモータ6,8への通電路が開放しているので、サーボモータ6,8から電磁音が発せられることはない。従って、異音検査装置13は、サーボモータ6,8からの電磁音の影響を受けることなくスタータモータから発せられる駆動音に基づいてスタータモータを確実に検査することができる。
【0020】
つまり、図4に示すようにサーボモータの種類がACサーボモータ或いはDCサーボモータであっても、サーボロック状態(回転停止状態)においては広い帯域にわたって電磁音を発生しているので、サーボモータ6,8への通電をスイッチ18により遮断することによりサーボモータ6,8からの電磁音の発生を防止することができるのである。
【0021】
そして、スタータモータの異音検査を終了した異音検査装置13は、異音検査終了信号をロボット装置5の制御装置12に出力する。
すると、制御装置12は、異音検査装置13から異音検査終了信号を受けたときは(ステップ ト)、サーボモータ6,8への電流開始指令を発効する(ステップ チ)。これにより、スイッチ18がオンするので、サーボ制御コントローラ11からサーボモータ6,8に通電されるようになる。
【0022】
続いて、制御装置12は、サーボモータ6,8に対する制御により異音検査場所2に位置するスタータモータをチャックし(ステップ リ)、搬送ライン3上の製品設置取出し場所に搬送してから(ステップ ヌ)、スタータモータをアンチャックする(ステップ ル)。これにより、異音検査が終了したスタータモータが搬送ライン3上に載置される。
【0023】
そして、上述のようにしてロボット装置5に対する指令によりスタータモータの異音検査を終了したプログラマブルコントローラ4は、搬送ライン3を設定量だけ前進させることにより次のスタータモータを製品設置取出し場所に位置させてからロボット装置5を再び駆動してスタータモータの異音検査を実行する。
【0024】
上記構成のものによれば、ロボット装置5が実行するユーザプログラムとしての異音検査プログラムにおいてサーボモータ6,8への通電路を開閉するためのスイッチ18をオンオフする命令を実行するように構成したので、ロボット装置5は異音検査装置13による異音検査のために検査プログラムを停止する必要はない。従って、ロボット装置が製品設置プログラムを実行してから異音検査するためにプログラムコントローラによりロボット装置のサーボモータへの通電路を開放している従来例に比較して、プログラマブルコントローラ4の負担が大幅に低減され、製品の異音検査時間を短縮することができる。
【0025】
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
ロボット装置5としては、X−Yテーブルを利用した構成でもよい。
異音検査装置13は、製品の振動音を検出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフローチャート及びプログラム
【図2】全体構成を示す概略図
【図3】サーボモータの接続関係を示す図
【図4】サーボモータのサーボロック状態の周波数特性図
【図5】従来例における検査場所への製品設置プログラムを示すブロック図
【図6】ライン上の製品場所への製品設置プログラムを示すブロック図
【符号の説明】
1は異音検査室、2は異音検査場所、3は搬送ライン、4はプログラマブルコントローラ、5はロボット装置、6はサーボモータ、7はX軸移動機構、8はサーボモータ、9はY軸移動機構、10はチャッキング機構、11はサーボ制御コントローラ、12は制御装置、13は異音検査装置、18はスイッチである。
Claims (1)
- 無音環境の異音検査場所に位置された製品から発する駆動音を分析することにより製品を検査する異音検査装置と、
製品の搬送を含む一連の動作を制御するプログラマブルコントローラと、
このプログラマブルコントローラから駆動指令を与えられたときは、当該プログラマブルコントローラにより製品設置場所に搬送された製品をサーボモータに対する制御により前記異音検査場所へ搬送すると共に前記異音検査装置により異音検査が終了した製品を取出すロボット装置と、
このロボット装置のサーボモータへの通電路を開閉するためのスイッチとを備え、
前記ロボット装置は、前記スイッチをオフする命令を実行してから前記異音検査装置に異音検査を指示し、前記異音検査装置から異音検査が終了したことを通知されたときは前記スイッチをオンする命令を実行するように構成されていることを特徴とするロボット装置を利用した製品検査システム。
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ID=16064889
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- 1996-07-09 JP JP17938296A patent/JP3562151B2/ja not_active Expired - Lifetime
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