JP3555403B2 - 陰極線管の製造方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン用受像機、コンピュータディスプレイ等に用いられる陰極線管の製造方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、従来の陰極線管の製造方法は、ネック端部の汚染を防止し、良好な封止形状を持った陰極線管を得るために、陰極線管1のファンネル2内面に導電性塗料3を注入して塗布する塗料塗布工程と、ファンネル2のネック部4の端部内面4aに上面が円錐状に形成された塗料回収具5を密着させてファンネル2内面に塗布された過剰の導電性塗料3をパイプ5aを介して回収する回収工程と、導電性塗料3を塗料回収具5により回収すると同時に、ネック部4の端部外周面4bに洗浄水6を流し、ネック部4の端部外周面4bに滲み出した導電性塗料3を洗浄する洗浄工程とを備えたものである(特開平7−85787号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような陰極線管の製造方法では、図6に示すように、洗浄工程によりネック部4外周面が洗浄されるが、ネック部4の端部内面4aと対向する塗料回収具5の円錐状部が洗浄されにくく、特に、フレアレスのネック部4を有する多数の陰極線管1に導電性塗料3を塗布する場合、塗料塗布工程からの導電性塗料3が塗料回収具5の円錐状部に多量に付着する。その結果、回収工程において、塗料回収具5の塗料回収孔5cが導電性塗料3により目詰まりを起こし、塗料回収具5の円錐状部から導電性塗料3が剥がれ、ネック部4の内面に付着する問題および、続いて製造する陰極線管1において、ネック部4の端部内面4aと塗料回収具5の円錐状部との密着性が悪く、ネック部4の端部および端部外周面4bから導電性塗料3が多量に滲み出し洗浄工程で洗浄しきれない問題により、陰極線管を組み立てた際、封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、電極間でのスパークやマスク目詰まり不良が発生していた。
【0004】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、陰極線管を組み立てた際の封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、電極間でのスパークやマスク目詰まり不良を低減した陰極線管の製造方法およびその装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の陰極線管の製造装置は、ファンネル内面を上面側に設置するためのファンネル支持工程と、上記ファンネル内面全域に導電性塗料を注入して塗布するための塗料塗布工程と、前記ファンネル内面全域に塗布された導電性塗料を乾燥するための塗料乾燥工程と、前記ファンネルのネック部に塗布された導電性塗料を湿潤状態で除去するための塗料除去工程とを備え、前記塗料除去工程が、前記ネック部内周面に洗浄水を散布する洗浄手段と、前記ネック部に塗布された導電性塗料を前記ネック部端面から所定範囲まで機械的に除去する除去手段とを有し、前記除去手段は、前記ネック部端部側に設けられた管軸を中心として回転または回動する保持具と、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部に摺接された第1のブレードと、一端側が前記洗浄手段の筒状体に固定され、他端側が前記ネック部内面に摺接された第2のブレードとを有するものである。
【0006】
この製造装置により、ネック部に塗布された導電性塗料を乾燥以前に、ネック部内周面の導電性塗料を洗浄水で洗いつつ、ネック部端面から所定範囲までの導電性塗料を機械的に除去することができる。
【0007】
また、本発明の陰極線管の製造装置は、塗料除去工程が、ネック部内周面を洗浄水で洗浄中に、ファンネルのコーン部の導電性塗料がネック部内周面に垂れ込むのを防止する垂れ込み防止手段を有するものである。
【0008】
この製造装置により、ファンネルのコーン部の導電性塗料がネック部内周面に垂れ込むのを防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図4に示すように、本発明の第1の実施の形態の陰極線管は、内面に複数色の蛍光体7を有するフェースプレート8と、フェースプレート8の後方に接着されたコーン部9およびコーン部9の後方に形成され、内部に電子ビームを放射するための電子銃10が配置されるネック部11からなるファンネル12と、フェースプレート8の蛍光体7と対向して配置されたシャドウマスク13とを具備している。また、ファンネル12は、その内面に塗布された黒鉛,酸化チタンを主成分とした内面導電膜14と、その外面に塗布された黒鉛を主成分とした外面導電膜15と、内面導電膜14を介して電子銃10の最終電極に高電圧を印加するアノード16とを有している。
【0011】
また、本発明の陰極線管の製造装置は、ファンネル12内面に導電性塗料14aを塗布し、内面導電膜14を形成するものであり、図1に示すように、穴17aを有する支持台17により、ファンネル12内面を上面側として、ファンネル12外周面を設置するファンネル支持工程Aと、支持台17の上方に配置された注入ノズル18により、黒鉛,酸化チタンを主成分とした導電性塗料14aを、ファンネル12内面全域に注入して塗布する塗料塗布工程Bと、支持台17の上方に配置されたエアーノズル19により、ファンネル12内面全域に塗布された導電性塗料14aにホットエアー20を吹き付けて、特にファンネル12のコーン部9内面全域の導電性塗料14aを乾燥する塗料乾燥工程Cと、ファンネル12のネック部11に塗布された導電性塗料14aを湿潤状態で除去する塗料除去工程Dとを備えている。塗料除去工程Dは、ネック部11内周面に洗浄水21を散布するための洗浄手段22と、ネック部11内周面を洗浄水21で洗浄中に、温水ノズル23により、コーン部9とネック部11との境界部外周面25に60〜70℃の温水24を吹き付けて、コーン部9の導電性塗料14aがネック部11内周面に垂れ込むのを防止する垂れ込み防止手段26と、ネック部11に塗布された導電性塗料14aをネック部11端面から所定範囲Lまで機械的に除去するための除去手段27と、ネック部11内周面に散布された洗浄水21、境界部外周面25に吹き付けた温水24および除去手段27により機械的に除去された導電性塗料14aの回収物を回収具28により回収する回収手段29とを有している。なお、上記除去手段27におけるネック部11端面から所定範囲Lまでとは、少なくともネック部11端面およびネック部11内面の所定範囲L部を指している。
【0012】
図2および図3に示すように、洗浄手段22は、洗浄水21を散布するための複数孔30を外周面に有する断面が十字形状の筒状体31で、筒状体31の一端側がネック部11端部からネック部11内に挿入され、筒状体31の他端側がネック部11端面と対向して設けられた保持具32に固定されている。保持具32は、筒状体31の複数孔30に洗浄水21を供給し、かつ管軸Yを中心として回転(120〜200RPM)および管軸Y方向に上下動する円筒状の軸33と、軸33の外周面に固着されたブレード固定台34とで構成されている。除去手段27は、一端側がブレード固定台34に第1のガイド板35で挟んで固定され、他端側がネック部11端面に摺接されたネオプレンゴム、シリコンゴム等の弾性体からなる板状の第1のブレード36と、一端側が筒状体31に第2のガイド板37で挟んで固定され、他端側がネック部11端面から所定範囲Lまでのネック部11内面に摺接されたネオプレンゴム、シリコンゴム等の弾性体からなる板状の第2のブレード38と、一端側がブレード固定台34に固定され、他端側がネック部11端部外周面に摺接されたウレタンスポンジ等の弾性体からなるブロック状の第3のブレード39とで構成されている。回収手段29の回収具28は、図1に示すように、ネック部11端部および保持具32等を包囲して、洗浄水21、温水24および導電性塗料14aの回収物を回収する回収容器40と、回収容器40内の前記回収物を排出する排出パイプ41とを有している。
【0013】
また、第1のブレード36および第2のブレード38は、厚みが0.5mm〜1.5mmとし、ネック部11との接触面Wが5mm〜10mmとしている。筒状体31は、ネック部11および除去手段27の洗浄効率を向上させるために、十字形状としている。筒状体31の複数孔30は、ネック部11端部から所定範囲Lまでの導電性塗料14aを除去するために、洗浄水21が水平線に対して下方向に15〜30°に向くように構成している。
【0014】
次に、上記本発明の実施の形態の作用効果について説明する。
本発明第1の実施の形態は、塗料除去工程Dに、ネック部11内周面に洗浄水21を散布するための洗浄手段22と、ネック部11に塗布された導電性塗料14aをネック部11端面から所定範囲Lまで機械的に除去するための除去手段27とを備えたことにより、ネック部11に塗布された導電性塗料14aを乾燥以前に、ネック部11内周面の導電性塗料14aを洗浄水21で洗いつつ、ネック部11の不要な導電性塗料14aを機械的に確実に除去すると共に洗浄水21で除去手段27をも洗浄することができる。その結果、フレアレスのネック部11を有する多数の陰極線管1を製造しても、ネック部11端面から所定範囲Lまでの導電性塗料14aが除去されるため、陰極線管を組み立てた際の封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、電極間でのスパークやマスク目詰まり不良を低減することができる。
【0015】
また、塗料除去工程Dに、ネック部11内周面を洗浄水21で洗浄中に、温水ノズル23により、コーン部9とネック部11との境界部外周面25に、温水24を吹き付けする垂れ込み防止手段26を設けているので、前記境界部のコーン部9内周面の導電性塗料14aが乾燥し、ネック部11内周面に垂れ込むのを防止でき、かつ温水24によりネック部11外周面も洗浄することができる。
【0016】
さらに、除去手段27である、弾性体の第1のブレード36および弾性体の第2のブレード38と、ネック部11とは面接触するため、ネック部11に対する第1のブレード36および第2のブレード38の取り付け精度がラフであっても、ネック部11の所定範囲Lにおける導電性塗料14aを除去することができ、また、異なる品種によりネック部11内径寸法が変化しても、同様にネック部11の所定範囲Lにおける導電性塗料14aを除去することができる。
【0017】
なお、上記実施の形態では、第1のブレード36および第2のブレード38とネック部11とは面接触する場合であるが、第1のブレード36および第2のブレード38の先端エッジをネック部11端面およびネック部11内周面に当接しても良く、この場合、ネック部11の導電性塗料14aの機械的除去効果がさらに向上できる。また、上記実施の形態では、保持具32の軸33が管軸Yを中心として回転および管軸Y方向に上下動する場合であるが、軸33が管軸Yを中心として回動および管軸Y方向に上下動してもよい。さらに、上記実施の形態の塗料乾燥工程Cにおいて、コーン部9内面全域の導電性塗料14aの乾燥をホットエアー20を吹き付けて行っているが、これに限らず、ヒーターおよび遠赤外ランプで行ってもよい。また、垂れ込み防止手段26は、境界部外周面25に温水24を吹き付けて行っているが、これに限らず、ホットエアー、ヒーターおよび遠赤外ランプで行ってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、塗料除去工程に、ネック部内周面に洗浄水を散布するための洗浄手段と、ネック部に塗布された導電性塗料をネック部端部から所定範囲Lまで機械的に除去するための除去手段とを備えたことにより、ネック部端部から所定範囲内までの導電性塗料を機械的に除去できるので、陰極線管を組み立てた際の封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、スパークやマスク目詰まり不良を低減できるものである。
【0019】
また、塗料除去工程が、ネック部内周面を洗浄水で洗浄中に、ファンネルのコーン部の導電性塗料がネック部内周面に垂れ込むのを防止する垂れ込み防止手段を有することにより、上記封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、スパークやマスク目詰まり不良をさらに低減できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の陰極線管の製造装置を示す正面断面図
【図2】同ファンネルのネック部を拡大した平面断面図
【図3】同正面断面図
【図4】本発明の第1の実施形態の陰極線管を示す断面図
【図5】従来の陰極線管の製造装置を示す正面断面図
【図6】同ファンネルのネック部を拡大した正面断面図
【符号の説明】
11 ネック部
12 ファンネル
14a 導電性塗料
21 洗浄水
22 洗浄手段
26 垂れ込み防止手段
27 除去手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン用受像機、コンピュータディスプレイ等に用いられる陰極線管の製造方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、従来の陰極線管の製造方法は、ネック端部の汚染を防止し、良好な封止形状を持った陰極線管を得るために、陰極線管1のファンネル2内面に導電性塗料3を注入して塗布する塗料塗布工程と、ファンネル2のネック部4の端部内面4aに上面が円錐状に形成された塗料回収具5を密着させてファンネル2内面に塗布された過剰の導電性塗料3をパイプ5aを介して回収する回収工程と、導電性塗料3を塗料回収具5により回収すると同時に、ネック部4の端部外周面4bに洗浄水6を流し、ネック部4の端部外周面4bに滲み出した導電性塗料3を洗浄する洗浄工程とを備えたものである(特開平7−85787号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような陰極線管の製造方法では、図6に示すように、洗浄工程によりネック部4外周面が洗浄されるが、ネック部4の端部内面4aと対向する塗料回収具5の円錐状部が洗浄されにくく、特に、フレアレスのネック部4を有する多数の陰極線管1に導電性塗料3を塗布する場合、塗料塗布工程からの導電性塗料3が塗料回収具5の円錐状部に多量に付着する。その結果、回収工程において、塗料回収具5の塗料回収孔5cが導電性塗料3により目詰まりを起こし、塗料回収具5の円錐状部から導電性塗料3が剥がれ、ネック部4の内面に付着する問題および、続いて製造する陰極線管1において、ネック部4の端部内面4aと塗料回収具5の円錐状部との密着性が悪く、ネック部4の端部および端部外周面4bから導電性塗料3が多量に滲み出し洗浄工程で洗浄しきれない問題により、陰極線管を組み立てた際、封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、電極間でのスパークやマスク目詰まり不良が発生していた。
【0004】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、陰極線管を組み立てた際の封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、電極間でのスパークやマスク目詰まり不良を低減した陰極線管の製造方法およびその装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の陰極線管の製造装置は、ファンネル内面を上面側に設置するためのファンネル支持工程と、上記ファンネル内面全域に導電性塗料を注入して塗布するための塗料塗布工程と、前記ファンネル内面全域に塗布された導電性塗料を乾燥するための塗料乾燥工程と、前記ファンネルのネック部に塗布された導電性塗料を湿潤状態で除去するための塗料除去工程とを備え、前記塗料除去工程が、前記ネック部内周面に洗浄水を散布する洗浄手段と、前記ネック部に塗布された導電性塗料を前記ネック部端面から所定範囲まで機械的に除去する除去手段とを有し、前記除去手段は、前記ネック部端部側に設けられた管軸を中心として回転または回動する保持具と、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部に摺接された第1のブレードと、一端側が前記洗浄手段の筒状体に固定され、他端側が前記ネック部内面に摺接された第2のブレードとを有するものである。
【0006】
この製造装置により、ネック部に塗布された導電性塗料を乾燥以前に、ネック部内周面の導電性塗料を洗浄水で洗いつつ、ネック部端面から所定範囲までの導電性塗料を機械的に除去することができる。
【0007】
また、本発明の陰極線管の製造装置は、塗料除去工程が、ネック部内周面を洗浄水で洗浄中に、ファンネルのコーン部の導電性塗料がネック部内周面に垂れ込むのを防止する垂れ込み防止手段を有するものである。
【0008】
この製造装置により、ファンネルのコーン部の導電性塗料がネック部内周面に垂れ込むのを防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図4に示すように、本発明の第1の実施の形態の陰極線管は、内面に複数色の蛍光体7を有するフェースプレート8と、フェースプレート8の後方に接着されたコーン部9およびコーン部9の後方に形成され、内部に電子ビームを放射するための電子銃10が配置されるネック部11からなるファンネル12と、フェースプレート8の蛍光体7と対向して配置されたシャドウマスク13とを具備している。また、ファンネル12は、その内面に塗布された黒鉛,酸化チタンを主成分とした内面導電膜14と、その外面に塗布された黒鉛を主成分とした外面導電膜15と、内面導電膜14を介して電子銃10の最終電極に高電圧を印加するアノード16とを有している。
【0011】
また、本発明の陰極線管の製造装置は、ファンネル12内面に導電性塗料14aを塗布し、内面導電膜14を形成するものであり、図1に示すように、穴17aを有する支持台17により、ファンネル12内面を上面側として、ファンネル12外周面を設置するファンネル支持工程Aと、支持台17の上方に配置された注入ノズル18により、黒鉛,酸化チタンを主成分とした導電性塗料14aを、ファンネル12内面全域に注入して塗布する塗料塗布工程Bと、支持台17の上方に配置されたエアーノズル19により、ファンネル12内面全域に塗布された導電性塗料14aにホットエアー20を吹き付けて、特にファンネル12のコーン部9内面全域の導電性塗料14aを乾燥する塗料乾燥工程Cと、ファンネル12のネック部11に塗布された導電性塗料14aを湿潤状態で除去する塗料除去工程Dとを備えている。塗料除去工程Dは、ネック部11内周面に洗浄水21を散布するための洗浄手段22と、ネック部11内周面を洗浄水21で洗浄中に、温水ノズル23により、コーン部9とネック部11との境界部外周面25に60〜70℃の温水24を吹き付けて、コーン部9の導電性塗料14aがネック部11内周面に垂れ込むのを防止する垂れ込み防止手段26と、ネック部11に塗布された導電性塗料14aをネック部11端面から所定範囲Lまで機械的に除去するための除去手段27と、ネック部11内周面に散布された洗浄水21、境界部外周面25に吹き付けた温水24および除去手段27により機械的に除去された導電性塗料14aの回収物を回収具28により回収する回収手段29とを有している。なお、上記除去手段27におけるネック部11端面から所定範囲Lまでとは、少なくともネック部11端面およびネック部11内面の所定範囲L部を指している。
【0012】
図2および図3に示すように、洗浄手段22は、洗浄水21を散布するための複数孔30を外周面に有する断面が十字形状の筒状体31で、筒状体31の一端側がネック部11端部からネック部11内に挿入され、筒状体31の他端側がネック部11端面と対向して設けられた保持具32に固定されている。保持具32は、筒状体31の複数孔30に洗浄水21を供給し、かつ管軸Yを中心として回転(120〜200RPM)および管軸Y方向に上下動する円筒状の軸33と、軸33の外周面に固着されたブレード固定台34とで構成されている。除去手段27は、一端側がブレード固定台34に第1のガイド板35で挟んで固定され、他端側がネック部11端面に摺接されたネオプレンゴム、シリコンゴム等の弾性体からなる板状の第1のブレード36と、一端側が筒状体31に第2のガイド板37で挟んで固定され、他端側がネック部11端面から所定範囲Lまでのネック部11内面に摺接されたネオプレンゴム、シリコンゴム等の弾性体からなる板状の第2のブレード38と、一端側がブレード固定台34に固定され、他端側がネック部11端部外周面に摺接されたウレタンスポンジ等の弾性体からなるブロック状の第3のブレード39とで構成されている。回収手段29の回収具28は、図1に示すように、ネック部11端部および保持具32等を包囲して、洗浄水21、温水24および導電性塗料14aの回収物を回収する回収容器40と、回収容器40内の前記回収物を排出する排出パイプ41とを有している。
【0013】
また、第1のブレード36および第2のブレード38は、厚みが0.5mm〜1.5mmとし、ネック部11との接触面Wが5mm〜10mmとしている。筒状体31は、ネック部11および除去手段27の洗浄効率を向上させるために、十字形状としている。筒状体31の複数孔30は、ネック部11端部から所定範囲Lまでの導電性塗料14aを除去するために、洗浄水21が水平線に対して下方向に15〜30°に向くように構成している。
【0014】
次に、上記本発明の実施の形態の作用効果について説明する。
本発明第1の実施の形態は、塗料除去工程Dに、ネック部11内周面に洗浄水21を散布するための洗浄手段22と、ネック部11に塗布された導電性塗料14aをネック部11端面から所定範囲Lまで機械的に除去するための除去手段27とを備えたことにより、ネック部11に塗布された導電性塗料14aを乾燥以前に、ネック部11内周面の導電性塗料14aを洗浄水21で洗いつつ、ネック部11の不要な導電性塗料14aを機械的に確実に除去すると共に洗浄水21で除去手段27をも洗浄することができる。その結果、フレアレスのネック部11を有する多数の陰極線管1を製造しても、ネック部11端面から所定範囲Lまでの導電性塗料14aが除去されるため、陰極線管を組み立てた際の封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、電極間でのスパークやマスク目詰まり不良を低減することができる。
【0015】
また、塗料除去工程Dに、ネック部11内周面を洗浄水21で洗浄中に、温水ノズル23により、コーン部9とネック部11との境界部外周面25に、温水24を吹き付けする垂れ込み防止手段26を設けているので、前記境界部のコーン部9内周面の導電性塗料14aが乾燥し、ネック部11内周面に垂れ込むのを防止でき、かつ温水24によりネック部11外周面も洗浄することができる。
【0016】
さらに、除去手段27である、弾性体の第1のブレード36および弾性体の第2のブレード38と、ネック部11とは面接触するため、ネック部11に対する第1のブレード36および第2のブレード38の取り付け精度がラフであっても、ネック部11の所定範囲Lにおける導電性塗料14aを除去することができ、また、異なる品種によりネック部11内径寸法が変化しても、同様にネック部11の所定範囲Lにおける導電性塗料14aを除去することができる。
【0017】
なお、上記実施の形態では、第1のブレード36および第2のブレード38とネック部11とは面接触する場合であるが、第1のブレード36および第2のブレード38の先端エッジをネック部11端面およびネック部11内周面に当接しても良く、この場合、ネック部11の導電性塗料14aの機械的除去効果がさらに向上できる。また、上記実施の形態では、保持具32の軸33が管軸Yを中心として回転および管軸Y方向に上下動する場合であるが、軸33が管軸Yを中心として回動および管軸Y方向に上下動してもよい。さらに、上記実施の形態の塗料乾燥工程Cにおいて、コーン部9内面全域の導電性塗料14aの乾燥をホットエアー20を吹き付けて行っているが、これに限らず、ヒーターおよび遠赤外ランプで行ってもよい。また、垂れ込み防止手段26は、境界部外周面25に温水24を吹き付けて行っているが、これに限らず、ホットエアー、ヒーターおよび遠赤外ランプで行ってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、塗料除去工程に、ネック部内周面に洗浄水を散布するための洗浄手段と、ネック部に塗布された導電性塗料をネック部端部から所定範囲Lまで機械的に除去するための除去手段とを備えたことにより、ネック部端部から所定範囲内までの導電性塗料を機械的に除去できるので、陰極線管を組み立てた際の封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、スパークやマスク目詰まり不良を低減できるものである。
【0019】
また、塗料除去工程が、ネック部内周面を洗浄水で洗浄中に、ファンネルのコーン部の導電性塗料がネック部内周面に垂れ込むのを防止する垂れ込み防止手段を有することにより、上記封止不良による真空度の低下、導電性塗料の剥がれ異物による、スパークやマスク目詰まり不良をさらに低減できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の陰極線管の製造装置を示す正面断面図
【図2】同ファンネルのネック部を拡大した平面断面図
【図3】同正面断面図
【図4】本発明の第1の実施形態の陰極線管を示す断面図
【図5】従来の陰極線管の製造装置を示す正面断面図
【図6】同ファンネルのネック部を拡大した正面断面図
【符号の説明】
11 ネック部
12 ファンネル
14a 導電性塗料
21 洗浄水
22 洗浄手段
26 垂れ込み防止手段
27 除去手段
Claims (6)
- ファンネル内面を上面側に設置するためのファンネル支持工程と、上記ファンネル内面全域に導電性塗料を注入して塗布するための塗料塗布工程と、前記ファンネル内面全域に塗布された導電性塗料を乾燥するための塗料乾燥工程と、前記ファンネルのネック部に塗布された導電性塗料を湿潤状態で除去するための塗料除去工程とを備え、前記塗料除去工程が、前記ネック部内周面に洗浄水を散布する洗浄手段と、前記ネック部に塗布された導電性塗料を前記ネック部端面から所定範囲まで機械的に除去する除去手段とを有し、
前記除去手段は、前記ネック部端部側に設けられた管軸を中心として回転または回動する保持具と、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部に摺接された第1のブレードと、一端側が前記洗浄手段の筒状体に固定され、他端側が前記ネック部内面に摺接された第2のブレードとを有することを特徴とする陰極線管の製造装置。 - ファンネル内面を上面側に設置するためのファンネル支持工程と、上記ファンネル内面全域に導電性塗料を注入して塗布するための塗料塗布工程と、前記ファンネル内面全域に塗布された導電性塗料を乾燥するための塗料乾燥工程と、前記ファンネルのネック部に塗布された導電性塗料を湿潤状態で除去するための塗料除去工程とを備え、前記塗料除去工程が、前記ネック部内周面に洗浄水を散布する洗浄手段と、前記ネック部に塗布された導電性塗料を前記ネック部端面から所定範囲まで機械的に除去する除去手段とを有し、
前記除去手段は、前記ネック部端部側に設けられた管軸を中心として回転または回動する保持具と、一端側が前記洗浄手段の筒状体に固定され、他端側が前記ネック部内面に摺接された第2のブレードと、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部外周面に摺接された第3のブレードとを有することを特徴とする陰極線管の製造装置。 - ファンネル内面を上面側に設置するためのファンネル支持工程と、上記ファンネル内面全域に導電性塗料を注入して塗布するための塗料塗布工程と、前記ファンネル内面全域に塗布された導電性塗料を乾燥するための塗料乾燥工程と、前記ファンネルのネック部に塗布された導電性塗料を湿潤状態で除去するための塗料除去工程とを備え、前記塗料除去工程が、前記ネック部内周面に洗浄水を散布する洗浄手段と、前記ネック部に塗布された導電性塗料を前記ネック部端面から所定範囲まで機械的に除去する除去手段とを有し、
前記除去手段は、前記ネック部端部側に設けられた管軸を中心として回転または回動する保持具と、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部に摺接された第1のブレードと、一端側が前記洗浄手段の筒状体に固定され、他端側が前記ネック部内面に摺接された第2のブレードと、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部外周面に摺接された第3のブレードとを有することを特徴とする陰極線管の製造装置。 - ファンネル内面全域に導電性塗料を注入して塗布するための塗料塗布工程と、前記ファンネルのネック部に塗布された導電性塗料を湿潤状態で除去するための塗料除去工程とを具備し、
前記塗料除去工程が、洗浄手段によって前記ネック部内周面に洗浄水を散布すると同時に、前記ネック部端部側に設けられた管軸を中心として回転または回動する保持具と、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部に摺接された第1のブレードと、一端側が前記洗浄手段の筒状体に固定され、他端側が前記ネック部内面に摺接された第2のブレードとを有する除去手段によって、前記ネック部に塗布された導電性塗料を前記ネック部端面から所定範囲まで機械的に除去することを特徴とする陰極線管の製造方法。 - ファンネル内面全域に導電性塗料を注入して塗布するための塗料塗布工程と、前記ファンネルのネック部に塗布された導電性塗料を湿潤状態で除去するための塗料除去工程とを具備し、
前記塗料除去工程が、洗浄手段によって前記ネック部内周面に洗浄水を散布すると同時に、前記ネック部端部側に設けられた管軸を中心として回転または回動する保持具と、一 端側が前記洗浄手段の筒状体に固定され、他端側が前記ネック部内面に摺接された第2のブレードと、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部外周面に摺接された第3のブレードとを有する除去手段によって、前記ネック部に塗布された導電性塗料を前記ネック部端面から所定範囲まで機械的に除去することを特徴とする陰極線管の製造方法。 - ファンネル内面全域に導電性塗料を注入して塗布するための塗料塗布工程と、前記ファンネルのネック部に塗布された導電性塗料を湿潤状態で除去するための塗料除去工程とを具備し、
前記塗料除去工程が、洗浄手段によって前記ネック部内周面に洗浄水を散布すると同時に、前記ネック部端部側に設けられた管軸を中心として回転または回動する保持具と、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部に摺接された第1のブレードと、一端側が前記洗浄手段の筒状体に固定され、他端側が前記ネック部内面に摺接された第2のブレードと、一端側が前記保持具に固定され、他端側が前記ネック部端部外周面に摺接された第3のブレードとを有する除去手段によって、前記ネック部に塗布された導電性塗料を前記ネック部端面から所定範囲まで機械的に除去することを特徴とする陰極線管の製造方法。
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