JP3550001B2 - o−クレゾールフタレイン一リン酸の塩を含む、アルカリ性フォスファターゼ検出用の安定な混合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、o−クレゾールフタレイン一リン酸の塩を含む、アルカリ性フォスファターゼ検出用の安定な混合物に関する。また、本発明は、酵素であるアルカリ性フォスファターゼの存在下で色の変化をもたらす該酵素に対する基質を含むマトリックスを含む、アルカリ性フォスファターゼ検出用の分析エレメントにも関する。さらに、本発明の主題は、酵素基質としてのo−クレゾールフタレイン一リン酸の塩及びリン酸受容体を用いる、アルカリ性フォスファターゼの定量方法である。最後に、本発明の主題はまた、N−メチルグルカミン(N−methylglucamine) を有するo−クレゾールフタレイン一リン酸の塩及び該塩の製造方法でもある。
【0002】
【従来の技術】
ヒトの体液中のアルカリ性フォスファターゼ活性の定量は、臨床的に非常に重要である。米国特許第3,975,405 号には、アルカリ性フォスファターゼの定量用の基質としてo−クレゾールフタレイン一リン酸塩の使用が記載されている。アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩並びにプロトン付加有機アミン類の塩が好ましい塩として述べられている。かかるプロトン付加有機アミン類の例としては、シクロヘキシルアンモニウム、テトラメチルエチレンジアンモニウム及びエタノールアンモニウムがある。血清中のアルカリ性フォスファターゼ試験を行うために、o−クレゾールフタレイン一リン酸二ナトリウム塩がリン酸受容体としてのジエタノールアミン(これは塩化マグネシウムを含む緩衝液として非常に高濃度(1モル)で存在する)とともに用いられる。しかしながら、このo−クレゾールフタレイン一リン酸塩は、非酵素的加水分解に対して安定ではない。このことは、測定に供される酵素が存在しない場合であってもo−クレゾールフタレイン一リン酸が変化して着色が生じるということを意味する。その測定は色バックグラウンドが上昇した中で、又は実際には酵素が存在しなくても存在したかのような状況下で行わなければならないので、アルカリ性フォスファターゼ試験の感度は低下する。
【0003】
この問題は、ヨーロッパ特許出願0182179 で取り上げられている。そこでは、アルカリ性フォスファターゼ用の検出試薬の安定性を増大させ、そしてそれら両方を検査に供されるサンプル液のみと接触させるために、試験を行う前には酵素基質及びリン酸受容体を空間的に分離させておくことが推奨されている。これに用いるために、アルカリ性フォスファターゼに対する基質及びそのリン酸受容体が異なる層上にある多層分析エレメントが記載されている。使用可能なアルカリ性フォスファターゼ基質として、アリール基がニトロ置換フェニル、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アリールアゾ置換アリール又はフルオレセインであり、アンモニウム基が特にN−メチルグルカミンであるリン酸アリールアンモニウム塩が挙げられている。好ましいリン酸受容体として、N−メチル− グルカミンをも含むアミノアルコール類が述べられている。o−クレゾールフタレイン一リン酸は使用可能なフォスファターゼ基質として述べられていない。ヨーロッパ特許出願0182179 の主題の主な欠点は、基質とリン酸受容体の分離である。分析エレメントの層を分離してそれぞれの物質を適用することは試験ストリップの構造を複雑にする。さらに、各層がサンプル液を吸収することを考慮しなければならない。しかしながら、分析エレメントを用いる場合、利用可能なサンプル液の量は非常に少なく、不十分であることが多い。加えて、液体サンプルを分離した基質層及び受容体層に適用する場合、測定値のかなりのばらつきをもたらし得る基質、リン酸受容体及びサンプルの均一な混合に伴う問題が生じる可能性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、従来技術のかかる欠点を回避することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的は、特許請求の範囲で特徴付けたような本発明の主題によって達成される。
本発明の主題は、酵素基質としてo−クレゾールフタレイン一リン酸のN−メチルグルカミン塩を含み、リン酸受容体としてN−メチルグルカミンを含む、アルカリ性フォスファターゼ検出用の安定な混合物である。好ましくは、その両方は均一な混合物の状態で存在する。
【0006】
また、本発明は、酵素であるアルカリ性フォスファターゼの存在下で色の変化をもたらす該酵素に対する基質を含むマトリックスであって、本発明による前記混合物を有し、したがって、酵素基質及びリン酸受容体が一つの層中に又は一つの層上に存在する前記マトリックスを含む、液体サンプル中のアルカリ性フォスファターゼ検出用の分析エレメントにも関する。
【0007】
さらに、本発明の主題は、酵素基質としてのo−クレゾールフタレイン一リン酸の塩とリン酸受容体とを使用する、アルカリ性フォスファターゼの検出方法であって、検査に供されるサンプルが本発明による混合物又は本発明による分析エレメントに接触するとアルカリ性フォスファターゼが存在する場合に色の変化が観察される、前記方法である。
【0008】
N−メチルグルカミンを有するo−クレゾールフタレイン一リン酸の塩は新規であるので、本発明の主題は、o−クレゾールフタレイン一リン酸及びN−メチルグルカミンから該塩を製造する方法でもある。
【0009】
【発明の実施の形態】
驚くべきことに、o−クレゾールフタレイン一リン酸のN−メチルグルカミン塩とリン酸受容体としてのN−メチルグルカミンとの混合物を使用するとアルカリ性フォスファターゼを定量することができ、非酵素的加水分解に対して非常に安定であるということが判明した。このことは、また、前記混合物が緩衝物質及びアルカリ性フォスファターゼ試験に必要な他の全ての物質を含む場合にも当てはまる。緩衝物質又はリン酸受容体の存在は、特に、ヨーロッパ特許出願0182179 では酵素であるアルカリ性フォスファターゼの基質の非酵素的加水分解の主な原因であるとみさなれている。o−クレゾールフタレイン一リン酸のN−メチルグルカミン塩としては、D−N−メチルグルカミン塩を用いるのが都合がよく、好ましくはさらにリン酸受容体として遊離の、すなわちD−N−メチルグルカミンを添加する。o−クレゾールフタレイン一リン酸の塩は、o−クレゾールフタレイン一リン酸一分子当たり1〜3個のN−メチル− グルコアンモニウムイオン(N−methyl−glucammonium ion) を含むことができる。本発明のo−クレゾールフタレイン一リン酸は、一分子当たり2〜3個のN−メチル− グルコアンモニウムイオンを含むのが好ましい。特に好ましい実施態様においては、o−クレゾールフタレイン一リン酸塩は、o−クレゾールフタレイン一リン酸一分子当たり平均 2.3個のN−メチルグルコアンモニウムイオンを含む。
【0010】
また、本発明による混合物は、アルカリ性フォスファターゼ試験に必要なナトリウム及び/又はマグネシウム塩の存在下、並びに緩衝物質の存在下においても非酵素的加水分解に対して安定である。この場合、緩衝物質は、アルカリ性フォスファターゼの検出のためにpH値を確実に10〜12の間、好ましくは10〜11の間にするような量で存在する。使用可能な緩衝物質は、当業者には公知である。以下に例を挙げるが、最終的なリストとしてではない:炭酸塩、ほう酸塩、リン酸塩、良好な緩衝物質、グルタミン酸塩又はアスパラギン酸塩。ナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩が存在するとアルカリ性フォスファターゼの測定に都合がよいので、例えば、そのようなナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩の状態で存在することができる緩衝物質を本発明による安定な混合物にさらに添加することができる。
【0011】
好ましくは酵素活性に最適な条件にするために、本発明による混合物は、少なくとも、アルカリ性フォスファターゼの存在下で基質から切断されるリン酸がリン酸受容体によって捕獲され得るのに十分な量のN−メチルグルカミンをリン酸受容体として含む。本発明による安定な混合物は、好ましくは過剰のN−メチル− グルカミンを含む。酵素基質とリン酸受容体のモル比は、少なくとも1:1であるが、好ましくは1:4までである。もちろん、最適な酵素活性条件を要求しない場合には、かかる比と異なる比を用いることも可能である。
【0012】
o−クレゾールフタレイン一リン酸のアルカリ金属塩は、非酵素的加水分解に対して非常に不安定であるが、N−メチルグルカミン塩は非常に高濃度のアルカリ金属イオンの存在下であっても非酵素的加水分解に対して安定である。
【0013】
本発明による混合物は溶液中で非常に安定である。しかしながら、該混合物は、乾燥状態、すなわち、例えば凍結乾燥した状態にある乾燥したそれぞれの物質の混合物としてでも非酵素的加水分解に対して特に安定である。また、本発明の混合物は、マトリックス中に又はマトリックス上に存在することもでき、次いで、アルカリ性フォスファターゼ検出用の分析エレメントの構成材料になり得る。本発明による混合物に悪影響を及ぼすことなく該混合物を有することができる全ての層状の材料をマトリックスと称する。マトリックス材料として通常考慮に入れられる材料は、本発明による安定な混合物の溶液を、例えば含浸による膨潤若しくは吸着によって吸収することができる材料、又は本発明による混合物で被覆され得るか、あるいは本発明による混合物の存在下で製造されて該マトリックス材料自体に該混合物を取り込み得る材料である。後者は、例えば、フィルム形成性材料から構成されるフィルム層を前記混合物の構成成分の存在下で製造することによって完成され得る。本発明の範囲においては、本発明による混合物の溶液を含浸し、続いて乾燥した吸着性多孔質マトリックスを含む分析エレメントが特に好ましい。特に好ましいマトリックス材料として紙が用いられる。
【0014】
本発明による混合物を有するマトリックスは、すでにそれ自体分析エレメントとして用いることができる。しかしながら、例えばマトリックスの取り扱いを容易にする不活性な支持材料にマトリックスを取り付けることが都合がよいことも証明し得る。同様の実施態様が、例えば尿試験ストリップについて公知である。本発明による安定な混合物を含むマトリックスを、従来技術から公知である多層分析エレメントに含めることもできる。例えば、それらは、ヨーロッパ特許出願0182179 に記載されたような多層分析エレメント(前記マトリックスは、かかる分析エレメントの展開層及び/又は緩衝層に取って代わる)に含まれる。
【0015】
例えば、ヨーロッパ特許出願0461392 の図1の例に記載されているような分析エレメントを用いることは、全血の検査に特に都合がよいことが判明した。移送層(2) は、サンプル適用帯(7) から検出帯(8) にサンプル液を移送するのに役立つ不活性支持箔(5) (例えばプラスチック箔)に取り付けられている。原則として、検査に供される液体をサンプル適用帯(7) から検出帯(8) に移送することができ、このプロセスにおいて該液体を分析を害する状態に変化させない材料はすべて移送層(2) に適している。移送層(2) としては、ガラス繊維フリースを用いるのが特に都合がよい。サンプル液からの血球成分の分離用の層(3) は、移送層(2) に取り付けられており、特にその移送層(2) を被覆する。原則として、サンプル液からの血球成分、特に血液からの血液細胞、とりわけ赤血球の分離を可能にし、それらを有意な量で検出帯(8) に到達させないことによりそれらがそこで検出反応の妨害を引き起こさないようにすることができる材料はすべてこの層(3) に用いることができる。さらに、分離層(3) は、測定に供されるアルカリ性フォスファターゼの活性がそこで変化して結果がゆがめられるので、サンプル液を変化させてはならない。ガラス繊維フリースは、例えばヨーロッパ特許公報0 045 476 に記載されているように、分離層(3) に特に適していることが判明した。例えばサンプル適用中のピペットによる分離層(3) の損傷を防ぐ保護層(4) を、分離層(3) の上に置くのが好ましい。プラスチック等の不活性材料製の網がこれに適していることが判明した。保護層(4) 及び分離層(3) は、不活性支持箔(5) に取り付ける。これは、例えば、ホットメルト接着剤のストリップによって達成され得る。
【0016】
移送層(2) の横においては、透明プラスチックからなる支持箔が本発明による混合物を含むマトリックス(1) に取り付けられている。これは、好ましくは、例えばホットメルト接着剤のストリップのような接着部位(9) によって達成される。マトリックス(1) は、透明支持箔が不活性支持箔(5) に押しつけられた場合に、液体の移動を可能にする移送層(2) と接触させることができるように配列する。
【0017】
本発明による液体サンプル中のアルカリ性フォスファターゼの測定方法を実施するために、サンプルを本発明による混合物と接触させると、アルカリ性フォスファターゼが存在する場合には色の変化が観察され得る。一般に、アルカリ性フォスファターゼは血液等の体液中、又は血漿若しくは血清などの血液から誘導されたサンプル中に検出される。もちろん、他の液体中のアルカリ性フォスファターゼの存在を調べることも可能である。原則として、本発明による混合物を検査に供されるサンプルに添加することができ、又は逆に本発明による混合物にサンプルを添加することもできる。本発明による混合物が担体無し、すなわち粉末、結晶混合物又は凍結乾燥体として存在する場合、大部分の場合において検査に供されるサンプルに該混合物を添加するのが都合がよい。
【0018】
本発明による混合物を有するマトリックスを含む本発明による分析エレメントを用いる場合、該マトリックスを検査に供される液体に接触させるのが都合がよい。例えば、マトリックスを検査に供される液体に浸漬する。本発明による分析エレメントを用いるアルカリ性フォスファターゼの定量の特に好ましい実施態様においては、全血を図1に示す特に好ましい分析エレメントの保護層(4) に適用する。血液が分離層(3) に浸透し、赤血球が血漿又は血清から分離される。この方法で得られた液体は毛管力によって検出帯(8) に吸い込まれる。本発明によるマトリックス(1) を支持箔に押しつけると、移送層(2) 中の水相がマトリックス(1) と接触し、液体が該マトリックスに浸透して定量反応が開始する。この反応は、マトリックス(1) の支持箔を通して視覚的手段によって観察されるか、マトリックス(1) における色の変化に基づく反射測光法によって測定される。
【0019】
本発明による安定な混合物の構成成分として記載した、N−メチルグルカミンを有するo−クレゾールフタレイン一リン酸の塩は新規なものであるので、本発明の主題でもある。該塩を製造するために、o−クレゾールフタレイン一リン酸をN−メチルグルカミンと反応させる。o−クレゾールフタレイン一リン酸の製造については、米国特許出願3,975,405 によって当業者には公知である。N−メチルグルカミンは市販されている。好ましくは、D−N−メチルグルカミンが用いられる。
【0020】
o−クレゾールフタレイン一リン酸とN−メチルグルカミンとの反応は、好ましくは、o−クレゾールフタレイン一リン酸を有機溶媒に溶解し、2〜4当量のN−メチルグルカミンと混合することによって行う。沈殿した塩を濾取し、適当な有機溶媒で再結晶化を行うことによって精製する。反応媒体としての有機溶媒には、エタノール及び好ましくはメタノールのようなアルコールが適していることが判明した。再結晶化についてはエーテル等の非極性溶媒が考慮に入れられる。上記の方法で得られたo−クレゾールフタレイン一リン酸の塩には、o−クレゾールフタレイン一リン酸1分子当たり2〜3個のN−メチルグルコアンモニウムイオンが含まれる。
【0021】
本発明による新規なo−クレゾールフタレイン一リン酸塩は、その酵素的切断産物であるo−クレゾールフタレインがモル吸光係数が高く、したがって非常に高い感度での測定を可能にするので、アルカリ性フォスファターゼの検出に非常に都合がよいことが判明した。
【0022】
【発明の効果】
同一の有機アミンが酵素基質のカチオン及びリン酸受容体として用いられるので、アルカリ性フォスファターゼ試験用の本発明による混合物は製造が非常に簡単である。さらに、この混合物は非酵素的加水分解に対して非常に安定である。その結果、かかる混合物は測定における初期信号の低下をもたらすのに有意な量の加水分解産物が生成することなく製造することができ、さらにこの混合物は保存に対して非常に安定である。例えばナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンが大過剰で存在しても、本発明による混合物の安定性に影響を及ぼさない。本発明による分析エレメントは酵素基質及びリン酸受容体用の共通の層を有するので、製造が簡単である。さらに、本発明による分析エレメントは、従来技術で推奨された二つの層の代わりに本発明による混合物を含む一つの層だけが液体を吸収するので、ほんの少量のサンプル液しか必要としない。その上、基質及び受容体の混合物をすでに含んでいる一つの層のみを使用することによってサンプルが適用された場合に、再現性のある測定結果に通じる均一な混合物がもたらされる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明する。
実施例1
o−クレゾールフタレインリン酸N−メチル− グルカミン塩の製造
o−クレゾールフタレイン一リン酸を米国特許3,975,405 にしたがって製造した。o−クレゾールフタレイン一リン酸24gをメタノール94mlに溶解し、これにD−N−メチルグルカミン23gを添加した。N−メチルグルコアンモニウム塩をその10倍容量のジエチルエーテルから沈殿させることにより単離した。その沈殿物を硫酸上で減圧乾燥した。収量:o−クレゾールフタレインリン酸D−N−メチルグルコアンモニウム塩44g。
【0024】
実施例2
o−クレゾールフタレインリン酸ナトリウム塩の製造
o−クレゾールフタレイン一リン酸24gをメタノール94mlに溶解し、その溶液のpHを水酸化ナトリウムを用いて10.5に調節し、10倍容量のジエチルエーテルで沈殿させた。沈殿物を分離し、硫酸上で減圧乾燥した。収量:o−クレゾールフタレインリン酸ナトリウム塩22g。
【0025】
実施例3
アルカリ性フォスファターゼの検出
紙(長繊維紙、製造元:Schoeller (ドイツ、ゲルンスバッハ(Gernsbach))、比表面積:12g/m2 )を、下記のようにして製造した本発明による混合物に含浸した。
【0026】
本発明による混合物は、
・精製水 500.0 ml
・水酸化ナトリウム溶液(5N) 91.0 ml
・D−N−メチルグルカミン 187.4 g
・L−アスパラギン酸マグネシウム塩 22.0 mg
・o−クレゾールフタレインリン酸D−N−メチルグルカミン塩 218.1 g
を混合し、続いて水を加えて1リットルにすることによって製造した。
【0027】
溶液のpHは、必要に応じて水酸化ナトリウム溶液(5N)を用いて11.0に調整した。
含浸した紙を乾燥させた後、アルカリ性フォスファターゼを含む血清をその紙に適用した。酵素活性に依存して、色が黄色から赤紫色に変化した。
【0028】
実施例4
安定性の比較
本発明によるアルカリ性フォスファターゼ検出用混合物を含む紙を実施例3に記載したようにして製造し、50℃にて数週間保存した。一定の時間毎に 567nmにおける水に対する吸光度を測定した。本発明によるo−クレゾールフタレイン一リン酸N−メチルグルコアンモニウム塩の代わりに実施例2で製造したo−クレゾールフタレイン一リン酸ナトリウム塩を用いて、実施例3にしたがってアルカリ性フォスファターゼ試験用の混合物を製造し、同様の長繊維紙に含浸させ、乾燥して実施例3に記載したものと類似した分析エレメントを製造した。この紙を、メチルグルカミン塩を含むものと同様の保存条件にさらした。
【0029】
1.5週間後と3週間後の結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
この表からナトリウム塩はN−メチルグルコアンモニウム塩よりも非酵素的加水分解に対してかなり不安定であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による分析エレメントの一例を示す図である。
【符号の説明】
(1) …マトリックス、(2) …移送層、(3) …分離層、(4) …保護層、(5) …不活性支持箔、(7) …サンプル適用帯、(8) …検出帯、(9) …接着部位
Claims (10)
- o−クレゾールフタレイン一リン酸のN−メチル− グルカミン塩及びN−メチルグルカミンを含む、アルカリ性フォスファターゼ検出用の安定な混合物。
- D−N−メチルグルカミン塩及び遊離のD−N−メチルグルカミンが存在する、請求項1に記載の安定な混合物。
- 前記塩がo−クレゾールフタレイン一リン酸1分子当たり2〜3個のN−メチル− グルコアンモニウムイオンを含むものである、請求項1又は2に記載の安定な混合物。
- 乾燥状態にある、請求項1から3のいずれか1項に記載の安定な混合物。
- 酵素であるアルカリ性フォスファターゼが存在する場合に色の変化をもたらす該酵素の基質を有するマトリックスであって請求項1から4のいずれか1項に記載の混合物を有するものを含む、アルカリ性フォスファターゼ検出用分析エレメント。
- 酵素基質としてのo−クレゾールフタレイン一リン酸の塩と、リン酸受容体とを用いるアルカリ性フォスファターゼの定量方法であって、検査に供されるサンプルを請求項1〜4のいずれか1項に記載の混合物又は請求項5に記載の分析エレメントと接触させると、アルカリ性フォスファターゼが存在する場合に色の変化が観察される、前記方法。
- N−メチルグルカミンを有するo−クレゾールフタレイン一リン酸の塩。
- D−N−メチルグルカミンを用いて生成される、請求項7に記載の塩。
- o−クレゾールフタレイン一リン酸1分子当たり2〜3個のN−メチルグルコアンモニウムイオンを含む、請求項7又は8に記載の塩。
- o−クレゾールフタレイン一リン酸をN−メチル− グルカミンと反応させる、N−メチルグルカミンを有するo−クレゾールフタレイン一リン酸の塩の製造方法。
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