JP3547800B2 - 音声id受信装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、例えばラジオ放送システムにおいて地方局から中央局に向けて送出される音声プログラムを受信し、その音声プログラムに重畳されているID信号の有無を検知する音声ID受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジオ放送では、ラジオ全中継番組を全ていったん中央局に上げて、中央局から各地方局に送出する放送形態をとっており、地方局から中央局への上り回線で、番組発局の番組送出の意思確認と伝送系での異常発見を目的とした音声ID受信システムを採用している。
【0003】
この音声ID受信システムは、各地方局に音声ID送信装置を設置し、中央局に音声ID受信装置を設置して構成され、地方局側の音声ID送信装置で中央局に向けて送出する音声プログラムにID信号を重畳し、中央局側の音声ID受信装置で音声プログラムからID信号の有無を検知して、その結果を出力するようにしたものである。ID信号は9720〜10020Hzの間で30Hz間隔に並んだ11波の正弦波で表され、音声プログラムより30dB低いレベルに設定される。図11にID信号を重畳した音声プログラムの周波数スペクトルを示す。
【0004】
地方局には予め1局につき11波のうちの1波が割り当てられる。各地方局は番組を送出する際、音声プログラムとID信号を合わせて送出する。中央局では地方局から送出されてきた音声プログラムを受信してID信号を識別し、先に述べた2つの目的を達成する。図12に地方4局(福岡、広島、大阪、名古屋)がそれぞれID送信装置により伝送路(NTT回線)を介して中央局(東京)へ送出されている番組音声プログラムにID信号A,B,C,Dを付加し、中央局側がID受信装置によりID信号A,B,C,Dを受信する様子を示す。
【0005】
ところで、上記音声IDシステムに用いられる従来の音声ID受信装置は、アナログフィルタを用いて各局に割り当てられたID信号周波数近傍のパワーを検出し、そのパワーの大きさによりID信号の有無を検知している。しかしながら、この方式では、判別処理をフィルタ出力のパワーの検知のみで行っているため、ID信号の周波数上にノイズがある一定のパワーを持って受信装置に入力された場合には、ID信号として誤検知されてしまうという問題があった。また、アナログ処理で行っているため、相対的に装置が大型化し、消費電力も多く、また信頼性が低いという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の音声ID受信装置では、ノイズによるID信号の誤検知、アナログ処理を原因とする装置の大型化、消費電力の増加、信頼性の低下が問題となっている。
【0007】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、雑音によるID信号の誤検知を減らし、装置の小型化、消費電力の低減、信頼性の向上を実現する音声ID受信装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明に係る音声ID受信装置は、伝送路を通じて送られてくるID信号が重畳された音声プログラムのアナログ信号を入力してID信号帯域の成分を抽出するアナログ音声入力部と、このアナログ音声入力部で抽出される信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換部と、このアナログ/デジタル変換部から出力されるデジタル信号について予め決められたプログラムに従って演算処理することでID信号の有無を検知する演算処理装置と、この演算処理装置で検知されるID信号の有無を外部装置に通知するインターフェースとを具備し、前記演算処理装置は、入力デジタル信号を一定量ずつ定期的に取り込んでID信号重畳帯域の周波数スペクトルを低域にシフトしてサンプル点を減少させるポリフェイズフィルタ処理機能と、このポリフェイズフィルタ処理機能で得られるサンプル点について離散フーリエ変換を行って離散周波数スペクトルを算出する離散フーリエ変換処理機能と、この離散フーリエ変換処理機能で順次算出される離散周波数スペクトルを平均化する平均化処理、この処理で平均化される離散周波数スペクトルからID信号周波数を中心とする一定範囲内にある離散点を抽出する離散点抽出処理、この処理で抽出される離散点のうち最大値をとる離散点を検出する最大値検出処理、前記離散点抽出処理で抽出される各離散点の値からID信号の真のピーク値及びピーク周波数を推定する推定処理、前記離散点抽出処理で抽出される離散点上の山谷の差を求める山谷差演算処理、この処理で求められる山谷差及び前記推定処理で推定されるピーク値及びピーク周波数からID信号の有無を判定する判定処理を備えるID信号検知処理機能とを備えることを特徴としている。
【0009】
【作用】
上記構成による音声ID受信装置では、ID信号が重畳されている音声プログラムからID信号重畳帯域の成分を抽出してデジタル信号に変換し、演算処理装置を用いてソフトウェアで処理することで、装置の小型・低消費電力化及び動作における高精度、高信頼性の実現を図り、しかも処理内容の改良を容易にしている。また、ID検知処理として、ピークレベル、ピーク周波数のみならず、離散周波数スペクトルの山谷差、推定ピーク値及び推定周波数の時間的な変動を考慮して総合的に判定するようにして、雑音に対する誤動作防止を確実にしている。
【0010】
【実施例】
以下、この発明の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1はこの発明に係る音声ID受信装置の基本的な構成を示すものである。尚、ここでは、前述したようにID信号は9720〜10020Hzの間で30Hz間隔に並んだ11波の正弦波で表され、音声プログラムより30dB低いレベルに設定されているものとする。
【0011】
図1において、伝送路1を通じて各地方局から送られてくる音声プログラム+ID信号はバンドパスフィルタ(BPF)2に入力される。このBPF2は入力信号からID信号帯域の成分のみを抽出するものである。このように、入力信号をBPF2に通すことにより、低域の音声プログラム成分を除去することができ、音声プログラムレベルに比べて30dB低いID信号成分を相対的に強調することができる。
【0012】
BPF2で抽出された信号はアナログ/デジタル変換器(A/D)3によりサンプリング周波数48kHz、量子化ビット数16ビットのデジタル信号に変換されてデジタル信号処理システム4に送られる。
【0013】
このデジタル信号処理システム4にはデジタル信号処理用演算プロセッサ(DSP)41とメモリ42が搭載されている。DSP41は予め決められたプログラムに従って入力したデジタル信号を演算処理するもので、ポリフェイズフィルタ、離散フーリエ変換(FFT)、ID信号検知の処理機能を有する。尚、メモリ42は各処理に必要なデータを格納するものである。
【0014】
ポリフェイズフィルタ(poly−ana)処理は、直交変調法を用いたSSB(シングル・サイド・バンド)フィルタ処理であり、ID信号帯域を含む9kHz〜10.5kHzまでの周波数スペクトルをDC点から1.5kHzに周波数シフトする。この処理を行う目的は、次に行うFFT処理で計算に必要なサンプル点数を減らすためである。
【0015】
例えば、約3Hzの分解能を得ようとすると、ポリフェイズフィルタ処理を行わずにそのまま離散フーリエ変換した場合、16384点サンプル点として必要であるが、本処理を行った後に離散フーリエ変換すれば1024のサンプル点のFFTで同様の結果を得ることができる。
【0016】
FFT処理は、FFTアルゴリズムを用いて1024のサンプル点について離散フーリエ変換を行う処理であり、DC点から1.5kHzまでの離散周波数スペクトルを算出する。
【0017】
ID信号検知処理は、FFT処理で算出された離散周波数スペクトルを加算して一時的な揺らぎを軽減した後、各ID信号周波数±約6Hz内にある周波数スペクトル離散点のうち、最大値をとるものを検出する。そして、その離散点及びそれに隣接する離散点の値からID信号の真のピークレベル及びピーク周波数を推定する。一方、最大値をとる離散点を起点として左右の離散点を順にたどっていき、離散点上の谷を検出して、離散点の山谷の差から各ID信号周波数に対してID信号らしさを表す重み付けを行っておく。
【0018】
以上の処理を行った後、ピークレベル値、ピーク周波数値、ピークレベル及びピーク周波数の時間的変動を考慮し、ID信号の有無を判定する。さらに、オン/オフディレイ処理により、上記の判定結果をそのまま検知結果として外部に出力せず、一定のヒステリシス特性を持たせる。
【0019】
ここで、オン/オフディレイ処理は、上記の判定結果をそのまま検知結果として外部に出力せず、一定のヒステリシス特性を持たせるための処理で、オンディレイは信号が一定時間継続したときに出力をオンする処理、オフディレイは信号が一定時間断になったときに出力をオフにする処理である。
【0020】
上記デジタル信号処理システム4のID信号検知結果はインターフェース(I/O)5に送られる。このI/O5はCPU(主演算処理装置)51を備え、CPUがプロセッサ4からID信号検知結果を受け取って各出力装置(図示せず)へ出力する。出力装置としては接点出力、通信出力(RS−232C,RS−422)、LED表示装置等がある。
【0021】
図2にDSP処理を中心としたタイムチャートを示す。DSP41はA/D変換後の音声データを512個毎に取り込み、約10.6msの間に512個のデータについてポリフェイズフィルタ処理を行って32個に減らしてメモリに蓄積する。
【0022】
DSP処理は前処理と現処理に分けられ、前処理でメモリに蓄積されている過去32回分のポリフェイズフィルタ処理結果、1024個のデータについてFFT処理を行い、現処理ではFFT処理結果についてID信号検知処理を行い、その11波分の検知結果をI/O5に渡す。その結果はCPU51によって外部へ出力する。現在の技術による処理時間としては、ポリフェイズフィルタ処理は2ms、FFT処理は3ms、ID信号検知処理は5ms程度となる。
【0023】
さらにID信号検知処理について、図3を参照して具体的に説明する。
図3はID信号検知処理の処理フローを示すもので、まずFFT処理で算出された離散周波数スペクトルの平均を求め、周波数スペクトルの相関性のある部分を強調する(ステップS1)。ここで、周波数スペクトルの相関性のある部分とはID信号のことで、例えば時間的に連続した周波数スペクトル2つの平均をとると図4に示すようになり、雑音成分が平坦になってID信号成分が強調される。現在の処理においては3回の周波数スペクトルの平均を求めている。
【0024】
次に、各ID信号周波数の約±6Hz内から周波数スペクトルの最大値をとる離散点を検出する(ステップS2)。検出範囲は、正確には次式から求める。
6[Hz]+(離散周波数点間隔[Hz]/2)=7.46[Hz]
例として、9.72kHzに信号がある離散周波数スペクトルの場合を図5に示し、9.78kHzに信号がある離散周波数スペクトルの場合を図6に示す。各図に示すプロット点A,Bは離散点を示している。
【0025】
図5において、A1,A2,A8は最大値検出対象外の離散点、A3〜A7は最大値検出対象となる離散点で、A3,A7は最大値検出対象となる離散点の端の点、A5は最大値として検出される離散点である。また、図6において、B1,B7,B8は最大値検出対象外の離散点、B2〜B6は最大値検出対象となる離散点で、B2,B6は最大値検出対象となる離散点の端の点、B4は最大値として検出される離散点である。
【0026】
続いて、検出された最大値をとる離散点より真のピーク値及びピーク周波数を推定する(ステップS3)。推定は基本的にステップS2で検出された最大値を与える離散周波数点とその前後の離散周波数点を用いて行う。
【0027】
具体的には、最大値を与える離散周波数点をn、その前後の点をn−1,n+1とし、それぞれの離散周波数点が与える周波数スペクトル値をY[n] ,Y[n+1] ,Y[n−1] とすると、|Y[n−1] |>|Y[n+1] |ならば、推定ピーク周波数点fは、
f=n+(1−2r)/(1+r)
但し、r=|Y[n−1] |/|Y[n] |
となり、|Y[n+1] |>|Y[n−1] |ならば、推定ピーク周波数点fは、
f=n−(1−2s)/(1+s)
但し、s=|Y[n+1] |/|Y[n] |
となる。このとき、ピーク値Aは
A=(−|Y[n] |/1024)
×[π(f−n)/ sin {π (f−n)}]
×(f−n−1)×(f−n+1)
と推定される。但し、fは離散周波数点を単位としており、f×3000(単位はHzでサンプリング周波数)/1024(FFT点数)から実際の周波数を得る。この周波数は入力デジタル信号(サンプリング周波数48kHz)の9kHzが0kHz、10.5kHzが1.5kHzに対応した周波数である。
【0028】
一例として、図7に9.72kHzにID信号がある場合の離散周波数スペクトルを示す。尚、この例ではID信号があるときの様子を示しているが、雑音だけしかない場合も同様の処理で真のピーク周波数及びピーク値を推定する。この場合は真のピーク周波数及びピーク値ということにはならないが、ここでは推定したものをそのように呼ぶことにする。
【0029】
尚、もし最大値をとる離散周波数点nが最大値検出対象となる離散周波数点の端の点、すなわち図5、図6の例でA3,A7,B2,B6の点が最大値のときは特別な推定法を用いる。つまり、それが図中左端(低周波側)でかつY[n−1] >Y[n] ならばY[n+1] とY[n−1] の大小に関わらずnとn+1点を用いて推定を行う。また、図中右端(高周波側)でかつY[n] <Y[n+1] ならばY[n+1] とY[n−1] の大小に関わらずnとn−1点を用いて推定を行う。
【0030】
次に、以上の手法により得られた検出結果及び推定結果から各種ID信号検知判定を行う(ステップS4)。判定の方法には、(1)ステップS2で検出される周波数スペクトルの最大値離散点を山とした山谷の差からID信号らしさを判定する方法、(2)ステップS3で推定されるピーク値のレベルから判定する方法、(3)ステップS3で推定されるピーク周波数の位置から判定する方法、(4)ステップS3で推定されるピーク値及びピーク周波数の前1回と現1回との差から判定する方法、(5)ステップS3で推定されるピーク値及びピーク周波数の前9回と現1回を用いて判定する方法がある。
【0031】
(1)の判定方法では、ステップS2で検出された最大値(山)を与える離散周波数点から、高周波側、低周波側にある3点の離散周波数点の中から谷を見つけ、山と谷の差をデシベルに換算し、その差の大きさによりID信号らしさを判定して0.75〜1の範囲で判定値を与える。
【0032】
判定値は0.75+X1 +X2 という式を用いて与える。X1 には山と右側の谷(高周波側の谷)のデシベル差が10dB以上のとき0.125、10dB未満5dB以上のとき0.08333、5dB未満のとき0.041667という値を与える。X2 には山と左側の谷(低周波側の谷)のデシベル差が10dB以上のとき0.125、10dB未満5dB以上のとき0.08333、5dB未満のとき0.041667という値を与える。
【0033】
例として、図8(a)に9.72kHzにID信号がある場合の離散周波数スペクトルを示し、図8(b)に同周波数にホワイトノイズがある場合の離散周波数スペクトルを示す。図8(a),(b)を比較して明らかなように、山谷の差が大きいほどID信号である可能性が高い。そこで、上記の手法により重み付けを行って判定値を与える。
【0034】
(2)の判定方法では、ステップS3で推定された真のピーク値が各ID信号の定格レベルの+7dB〜−10dBの範囲に入っているときはID信号ありと判定して“1”を与え、入っていないときはID信号なしと判定して“0”を与える。
【0035】
(3)の判定方法では、ステップS3で推定された真のピーク周波数値が各ID信号の定格周波数の±7Hz内に入っているときはID信号ありと判定して“1”を与え、入っていないときはID信号なしと判定して“0”を与える。
【0036】
(4)の判定方法では、現時点の検知処理により推定されたピーク周波数及びピーク値と一つ前の検知処理(21.3ms前)により推定されたピーク周波数及びピーク値との差を求め、その差からID信号の有無を判定し、“0”、“1”の値を与える。
【0037】
ここで、差が小さいほどID信号の可能性が高く、差が大きいほど雑音と考えられる。よって、その差が閾値より大きい場合にはID信号なしと判定して“0”を与え、小さい場合にはID信号ありと判定して“1”を与える。具体的には、ピーク周波数の差が1Hz未満かつピーク値の差が2dB未満のとき判定値“1”を与え、それ以外のときは“0”を与える。
【0038】
(5)の判定方法では、現時点の検知処理により推定されたピーク周波数及びピーク値とそれ以前の9回の検知処理により推定されたピーク周波数及びピーク値の中から(それぞれについて計10個の値の中から)最大値と最小値を選んで両者のピーク周波数及びピーク値の差を求め、以下(4)の方法と同様に、その差が閾値より大きい場合にはID信号なしと判定して“0”を与え、小さい場合にはID信号ありと判定して“1”を与える。
【0039】
続いて、上記各判定の結果から総合判定を行う(ステップS5)。この総合判定では、(1)〜(5)の各判定方法で得られた値を次式に代入して総合判定値を求める。
【0040】
総合判定値=[(1)の判定値]×[(2)の判定値]×[(3)の判定値]×[(4)の判定値]×[(5)の判定値]
この総合判定値は、検知処理一回につき各ID信号について算出されたものである。
【0041】
次に、総合判定値を現時点の検知処理及び前4回の検知処理の計5回について平均する(ステップS6)。これにより、各ID信号について0〜1.0の値を得る。この値が0.5より大きければ現時点の判定をID信号ありとし、0.5以下ならば現時点の判定をID信号なしとする(ステップS7)。
【0042】
さらに、オン/オフディレイ処理を行い、1が30回以上継続するときは“1”、“0”が10回以上継続するときは“0”、その他のときは前回の判定を出力する(ステップS8)。
【0043】
すなわち、総合判定で最終的に現時点のID信号の有無が判定されるが、その判定結果はそのままI/O5のCPU51への出力信号とせず、オンディレイ、オフディレイの時間に応じた判定結果の持続があることを確認してからCPU51へ出力する。オンディレイの場合は前30回すなわち21.3[ms]×30=640[ms]、オフディレイの場合は前10回すなわち21.3[ms]×10=213[ms]の判定結果の持続があってから出力する。ステップS5,S6,S7の各処理と出力との関係を図9に示す。
【0044】
I/O5側では、CPU51により判定結果が出力装置に出力される。
したがって、上記構成による音声ID受信装置は、DSPを用いてソフトウェアで処理しているので、装置の小型・低消費電力化及び動作における高精度、高信頼性を実現でき、しかも開発途上での検知方法を含む処理内容の改良を容易に行うことができる。また、ID検知処理自体が推定ピーク値及び推定周波数の時間的な変動を見ているので、雑音に対する誤動作を防止することができる。
【0045】
ところで、ID信号を検知するに際して、雑音をID信号有りと誤検知して最終判定出力がオフからオンになる場合と、瞬断をID信号無しと誤検知して最終判定出力がオンからオフになる場合がある。このため、(5)の判定で、最終判定結果がID信号検知状態(オン状態)と非検知状態(オフ状態)とで同じパラメータを用いて判定すると、良好な結果が得られない場合がある。
【0046】
そこで、雑音検知特性がオフからオンになるときの判定結果に依存し、瞬断検知特性がオンからオフになるときの判定結果に依存することを考慮すると、図10に示すように、図3の(5)の判定を(5)及び(5)′の2系統に分けて、それぞれのパラメータを独立に設定し、判定を進めることが考えられる。
【0047】
具体的に説明すると、(5)の判定では、ピーク周波数及びピーク値のそれぞれの最大値及び最小値の差が2.0Hz未満でかつ7dB未満のときは判定値“1”を与え、それ以外のときは“0”を与える。また、(5)′の判定では、ピーク周波数及びピーク値のそれぞれの最大値及び最小値の差が4.5Hz未満でかつ7dB未満のときは判定値“1”を与え、それ以外のときは“0”を与える。すなわち、(5)のように最大値と最小値の差を示すパラメータ値を小さくして許容範囲を狭くする(感度を下げる)ことより、オフからオンへの切替動作に対する雑音による誤動作を防止する。また、(5)′のようにパラメータ値を大きくして許容範囲を広げる(感度を上げる)ことにより、オンからオフへの切替動作に対する瞬断による誤動作を防止する。
【0048】
そして、(5)の判定結果と(5)′の判定結果を用いて並列に判定を進める(S5〜S7,S5′〜S7′)。最終的に現時点での出力がオフの場合は、(5)の判定を含む系統の判定結果を利用してオン/オフディレイ処理を行う。また、最終的に現時点の出力がオンの場合は、(5)′の判定を含む系統の判定結果を利用してオン/オフディレイ処理を行う。したがって、2系統により判定しているので、雑音に対する誤動作を防止することができる。
【0049】
尚、上記実施例ではDSPを1個用いて実現する場合について説明したが、さらにDSPを追加して実装することも可能であり、今後のIDシステムの進展に伴うより複雑な処理に対応することができる。
【0050】
また、今後IDが増えた場合に、帯域を分割して複数のDSPで分割帯域について処理させるようにしてもよい。さらに、処理機能を分担して処理容量の増大及び高速化を図るようにしてもよい。このように、この発明は拡張性、改良性に優れている。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形しても実施可能であることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、雑音によるID信号の誤検知を減らし、装置の小型化、消費電力の低減、信頼性の向上を実現する音声ID受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る音声ID受信装置の一実施例の構成を示すブロック回路図である。
【図2】同実施例のDSP処理を中心とした全体の処理内容を示すタイムチャートである。
【図3】同実施例のID信号検知処理の具体的な処理内容のフローを示す流れ図である。
【図4】同実施例の離散周波数スペクトルの平均を求める例を示す図である。
【図5】同実施例の離散周波数スペクトルの最大値をとる離散点を検出する例を示す図である。
【図6】同実施例の離散周波数スペクトルの最大値をとる離散点を検出する例を示す図である。
【図7】同実施例の離散周波数スペクトルから真のピーク周波数及びピーク値を推定する例を示す図である。
【図8】同実施例で同一周波数にID信号がある場合とホワイトノイズがある場合の離散周波数スペクトルの例を示す図である。
【図9】同実施例の総合判定処理、平均処理、オン/オフディレイ処理の時間的関係を示す図である。
【図10】この発明に係る音声ID受信装置の他の実施例の処理フローの例を示す流れ図である。
【図11】この発明が適用される音声IDシステムのID信号を重畳した音声プログラムの周波数スペクトルを示す図である。
【図12】この発明が適用される音声IDシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…伝送路、2…バンドパスフィルタ(BPF)、3…アナログ/デジタル変換器(A/D)、4…デジタル信号処理システム、41…デジタル信号処理用演算プロセッサ(DSP)、42…メモリ、5…インターフェース(I/O)、51…CPU。

Claims (7)

  1. 伝送路を通じて送られてくるID信号が重畳された音声プログラムのアナログ信号を入力してID信号帯域の成分を抽出するアナログ音声入力部と、
    このアナログ音声入力部で抽出される信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換部と、
    このアナログ/デジタル変換部から出力されるデジタル信号について予め決められたプログラムに従って演算処理することでID信号の有無を検知する演算処理装置と、
    この演算処理装置で検知されるID信号の有無を外部装置に通知するインターフェースとを具備し、
    前記演算処理装置は、
    入力デジタル信号を一定量ずつ定期的に取り込んでID信号重畳帯域の周波数スペクトルを低域にシフトしてサンプル点を減少させるポリフェイズフィルタ処理機能と、
    このポリフェイズフィルタ処理機能で得られるサンプル点について離散フーリエ変換を行って離散周波数スペクトルを算出する離散フーリエ変換処理機能と、この離散フーリエ変換処理機能で順次算出される離散周波数スペクトルを平均化する平均化処理、この処理で平均化される離散周波数スペクトルからID信号周波数を中心とする一定範囲内にある離散点を抽出する離散点抽出処理、この処理で抽出される離散点のうち最大値をとる離散点を検出する最大値検出処理、前記離散点抽出処理で抽出される各離散点の値からID信号の真のピーク値及びピーク周波数を推定する推定処理、前記離散点抽出処理で抽出される離散点上の山谷の差を求める山谷差演算処理、この処理で求められる山谷差及び前記推定処理で推定されるピーク値及びピーク周波数からID信号の有無を判定する判定処理を備えるID信号検知処理機能とを備えることを特徴とする音声ID受信装置。
  2. 前記演算処理装置は、さらに前記判定処理の判定結果に一定のヒステリシス特性を持たせるオン/オフディレイ処理を備えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の音声ID受信装置。
  3. 前記演算処理装置の判定処理は、前記山谷差演算処理で求められる山谷差からID信号らしさを判定する処理と、前記推定処理で推定される真のピーク値がID信号の定格レベルに対する許容範囲に入るか否かでID信号の有無を判定する処理と、前記推定処理で推定される真のピーク周波数がID信号の定格周波数に対する許容範囲に入るか否かでID信号の有無を判定する処理とを備え、それぞれの処理の判定結果から総合的にID信号の有無を判定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の音声ID受信装置。
  4. 前記演算処理装置の判定処理は、さらに、現時点の検知処理により推定されたピーク周波数及びピーク値と一つ前の検知処理により推定されたピーク周波数及びピーク値との差を求め、その差からID信号の有無を判定する処理を備えるようにしたことを特徴とする請求項3記載の音声ID受信装置。
  5. 前記演算処理装置の判定処理は、さらに、現時点の検知処理により推定されたピーク周波数及びピーク値とそれ以前の複数回の検知処理により推定されたピーク周波数及びピーク値の中から最大値と最小値を選んで両者のピーク周波数及びピーク値の差を求め、その差が閾値より大きい場合にはID信号なし、小さい場合にはID信号ありと判定する処理を備えるようにしたことを特徴とする請求項3記載の音声ID受信装置。
  6. 前記演算処理装置の判定処理は、前記ID信号の有無判定の基準となるパラメータが互いに異なる第1及び第2の判定系統を備え、前記第1及び第2の判定系統でそれぞれのパラメータに基づいて前記ID信号の有無を判定し、それぞれ系統の判定結果に基づいて最終判定出力のオン/オフディレイ処理を行うようにしたことを特徴とする請求項記載の音声ID受信装置。
  7. 前記演算処理装置を複数個備え、互いに異なる周波数帯域について処理させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の音声ID受信装置。
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