JP3546485B2 - 化粧シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は家具、器物の表面や、建築物の内装材の表面等に使用する化粧シートの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、前記のような目的に用いられる化粧シートは、フィルムもしくは紙の基材シートに必要に応じてべたインキ層、絵柄インキ層を設け、硬化性樹脂を塗布した後、塗布した面を凹凸ロールに圧着し、基材シートの裏面から加熱、放射線照射等を行い、樹脂を硬化させた。この製造方法による化粧シートは、硬化性樹脂の硬化と同時に表面に凹凸柄を形成させることが特徴である。
【０００３】
凹凸ロールから基材シートを剥離する負荷応力は、凹凸の形状、版深によっても異なってくるが、複雑で込み入った柄や版深の深いものは剥離し難く、逆に凹凸型の面がフラットに近いほど剥離し易くなる。
【０００４】
従来の凹凸ロールは、面長の端から端まですべてに凹凸型が形成されていた。このため複雑で込み入った柄や版深の深い凹凸ロールでは、凹凸ロールと基材シートとの剥離の負荷応力が大きくなり、紙間強度の弱い基材シート（紙）の場合、紙切れを起こす原因になっていた。
【０００５】
紙切れは、基材の端の部分に負荷がかかり、それが原因で起こることが多い、そのため紙切れを低減させる措置としては、硬化性樹脂にフィラーや顔料の添加が一般的に行われてきた。
【０００６】
また、ロールの両端に平滑な部分を設ける方法及び装置については、特公平５−５８７８８号公報にあるが、平滑な部分の高さ（ロールの径）については、凹凸部の凸部がフラットな面の高さと同じもしくは低い方が良いとされている。しかし、この方法では、凹凸型の柄面積が５０％を越える様な場合または凹凸型の版深が浅い時はよいが、木目柄の導管凹凸の様に柄面積が全体の５０％に満たない場合、もしくは版深が５０μｍを越える様な場合は、凹凸部の高さがフラットな面と同じもしくは低いのでは、凹凸部とフラットな面の境界でかえって負荷応力が大きくなってしまう。
【０００７】
さらに、この方法では基材の中央部の厚みが両端に比べて大きくなるため、巻き取ったときに中央部が盛り上がってしまい、巻取りのずれや凹凸部の崩れの原因となる可能性もある。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、凹凸ロールと基材シートとの剥離の負荷応力を小さくすることで、剥離の良い化粧シートの製造方法を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を解決するため、基材シート表面に硬化性樹脂を塗布し、該塗布面を凹凸を付与したロールに圧着し、樹脂を硬化してなることを特徴とする化粧シートの製造方法において、前記凹凸ロールの両端に、凹部と同じ高さの平滑な面を設けてなり、凹凸型の幅は、使用する基材シートの幅よりも狭いことを特徴とする化粧シートの製造方法を提供する。
【００１０】
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。
本発明に係る基材シート４としては、紙、各種フィルム等が使用できる。また、本発明における基材シートの上に任意にべたインキ層か又は絵柄インキ層を設けることも好適に行なわれる。これらの層を設ける方法としては、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷等がある。
【００１１】
本発明に係る硬化性樹脂３としては、ウレタン等の熱硬化性樹脂、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等の電子線硬化型樹等が使用できる。また必要に応じて顔料、染料を添加したものも使用できる。
【００１２】
硬化性樹脂の塗布方法は、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ナイフコーター、コンマコータ、リップコータ等がある。
【００１３】
本発明に係わる凹凸ロールは、中央部に凹凸型１が形成され、両端には凹凸部の凹部と同じ高さの平滑面２が施されたものである。凹凸型の幅は、使用する基材シートの幅よりも狭いことが重要である。平滑な部分の表面加工は、剥離が容易にできる鏡面加工を施されているものが良い。
【００１４】
この方法では木目の導管の様な凹凸型の柄面積が５０％未満の場合、もしくは版深が３０μｍを越える様な場合おいても、平滑な面が凹部と同じ高さであるため、凹凸部と平滑な面の境界で負荷応力が掛からない。
【００１５】
さらにこの方法では、剥離後、硬化した樹脂の中央部の最大の厚みと両端の厚みと同じであることから、巻き取りが良好に行なわれる。さらに中央部と両端の径は変わらないものとなるので、巻取りのずれや凹凸のつぶれなどの発生が低下する。
【００１６】
【作用】
本発明の化粧シートの製造方法は、基材に対して凹凸ロールの両端に凹凸部の凹部と同じ高さの平滑部を設けることで、基材が剥離する時、基材の端部分に掛かる負荷応力が大幅に低減され、従来のような紙切れは起こらなくなる。巻き取り時にも中央部と両端での厚みの差は生じなくなる。
【００１７】
【実施例】
＜実施例１＞
基材シートとして坪量６０ｇ／ｍ２ 、紙幅４０ｃｍの含浸紙を用い、これにベタインキ、木目絵柄インキを印刷し、この表面に、硬化性樹脂としてポリエステルアクリレート系硬化性樹脂を用い、これを塗工速度２０ｍ／ｍｉｎでグラビアコーターにより６０ｇ／ｍ２ 塗工した。この塗布面を、木目導管柄で柄幅３５ｃｍ凸部の高さ６０μｍで両端に凹凸部の凹部と同じ位置に鏡面加工を施された凹凸ロールに圧着し、２００ＫＶ、５Ｍｒａｄの電子線を照射して樹脂を硬化させた。この化粧シートは樹脂硬化後の、凹凸ロールとの剥離は容易であり、巻き取りも安定して行われ、巻き取られた化粧シートも木目柄に見合った凹凸柄が形成されていた。
【００１８】
＜実施例２＞
基材シートとして坪量６０ｇ／ｍ２ 、紙幅５０ｃｍの含浸紙を用い、この表面に、硬化性樹脂としてウレタンアクリレート系の白色の不透明着色樹脂を用い、、これを塗工速度５０ｍ／ｍｉｎでロールコーターにより４０ｇ／ｍ２ 塗工し、た。この塗工面を、抽象柄で柄幅４５ｃｍ、版深４０μｍで、両端に凹凸部凹部と同じ高さの鏡面加工を施された凹凸ロールに圧着し、２００ＫＶ、５Ｍｒａｄの電子線を照射して硬化性樹脂を硬化させた。この化粧シートは樹脂硬化後の、凹凸ロールとの剥離は容易であり、巻き取りも安定しており、巻き取られた化粧シートは単色の抽象柄を形成されていた。
【００１９】
【発明の効果】
以上に示したように、本発明の化粧シートの製造方法によって、凹凸型を従来よりも狭くし、凹凸ロールの両端に凹凸部の凹部と同じ高さの平滑面を設けることで、凹凸部の柄面積が５０％未満の様や、版深の深い凹凸型の使用においてもスムースにかつ安定した巻き取りが可能となった。
【００２０】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明における凹凸ロールの形状を示す説明図である。
【符号の説明】
１…凹凸部 ２…平滑面 ３…硬化性樹脂 ４…基材シート
【産業上の利用分野】
本発明は家具、器物の表面や、建築物の内装材の表面等に使用する化粧シートの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、前記のような目的に用いられる化粧シートは、フィルムもしくは紙の基材シートに必要に応じてべたインキ層、絵柄インキ層を設け、硬化性樹脂を塗布した後、塗布した面を凹凸ロールに圧着し、基材シートの裏面から加熱、放射線照射等を行い、樹脂を硬化させた。この製造方法による化粧シートは、硬化性樹脂の硬化と同時に表面に凹凸柄を形成させることが特徴である。
【０００３】
凹凸ロールから基材シートを剥離する負荷応力は、凹凸の形状、版深によっても異なってくるが、複雑で込み入った柄や版深の深いものは剥離し難く、逆に凹凸型の面がフラットに近いほど剥離し易くなる。
【０００４】
従来の凹凸ロールは、面長の端から端まですべてに凹凸型が形成されていた。このため複雑で込み入った柄や版深の深い凹凸ロールでは、凹凸ロールと基材シートとの剥離の負荷応力が大きくなり、紙間強度の弱い基材シート（紙）の場合、紙切れを起こす原因になっていた。
【０００５】
紙切れは、基材の端の部分に負荷がかかり、それが原因で起こることが多い、そのため紙切れを低減させる措置としては、硬化性樹脂にフィラーや顔料の添加が一般的に行われてきた。
【０００６】
また、ロールの両端に平滑な部分を設ける方法及び装置については、特公平５−５８７８８号公報にあるが、平滑な部分の高さ（ロールの径）については、凹凸部の凸部がフラットな面の高さと同じもしくは低い方が良いとされている。しかし、この方法では、凹凸型の柄面積が５０％を越える様な場合または凹凸型の版深が浅い時はよいが、木目柄の導管凹凸の様に柄面積が全体の５０％に満たない場合、もしくは版深が５０μｍを越える様な場合は、凹凸部の高さがフラットな面と同じもしくは低いのでは、凹凸部とフラットな面の境界でかえって負荷応力が大きくなってしまう。
【０００７】
さらに、この方法では基材の中央部の厚みが両端に比べて大きくなるため、巻き取ったときに中央部が盛り上がってしまい、巻取りのずれや凹凸部の崩れの原因となる可能性もある。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、凹凸ロールと基材シートとの剥離の負荷応力を小さくすることで、剥離の良い化粧シートの製造方法を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を解決するため、基材シート表面に硬化性樹脂を塗布し、該塗布面を凹凸を付与したロールに圧着し、樹脂を硬化してなることを特徴とする化粧シートの製造方法において、前記凹凸ロールの両端に、凹部と同じ高さの平滑な面を設けてなり、凹凸型の幅は、使用する基材シートの幅よりも狭いことを特徴とする化粧シートの製造方法を提供する。
【００１０】
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。
本発明に係る基材シート４としては、紙、各種フィルム等が使用できる。また、本発明における基材シートの上に任意にべたインキ層か又は絵柄インキ層を設けることも好適に行なわれる。これらの層を設ける方法としては、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷等がある。
【００１１】
本発明に係る硬化性樹脂３としては、ウレタン等の熱硬化性樹脂、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等の電子線硬化型樹等が使用できる。また必要に応じて顔料、染料を添加したものも使用できる。
【００１２】
硬化性樹脂の塗布方法は、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ナイフコーター、コンマコータ、リップコータ等がある。
【００１３】
本発明に係わる凹凸ロールは、中央部に凹凸型１が形成され、両端には凹凸部の凹部と同じ高さの平滑面２が施されたものである。凹凸型の幅は、使用する基材シートの幅よりも狭いことが重要である。平滑な部分の表面加工は、剥離が容易にできる鏡面加工を施されているものが良い。
【００１４】
この方法では木目の導管の様な凹凸型の柄面積が５０％未満の場合、もしくは版深が３０μｍを越える様な場合おいても、平滑な面が凹部と同じ高さであるため、凹凸部と平滑な面の境界で負荷応力が掛からない。
【００１５】
さらにこの方法では、剥離後、硬化した樹脂の中央部の最大の厚みと両端の厚みと同じであることから、巻き取りが良好に行なわれる。さらに中央部と両端の径は変わらないものとなるので、巻取りのずれや凹凸のつぶれなどの発生が低下する。
【００１６】
【作用】
本発明の化粧シートの製造方法は、基材に対して凹凸ロールの両端に凹凸部の凹部と同じ高さの平滑部を設けることで、基材が剥離する時、基材の端部分に掛かる負荷応力が大幅に低減され、従来のような紙切れは起こらなくなる。巻き取り時にも中央部と両端での厚みの差は生じなくなる。
【００１７】
【実施例】
＜実施例１＞
基材シートとして坪量６０ｇ／ｍ２ 、紙幅４０ｃｍの含浸紙を用い、これにベタインキ、木目絵柄インキを印刷し、この表面に、硬化性樹脂としてポリエステルアクリレート系硬化性樹脂を用い、これを塗工速度２０ｍ／ｍｉｎでグラビアコーターにより６０ｇ／ｍ２ 塗工した。この塗布面を、木目導管柄で柄幅３５ｃｍ凸部の高さ６０μｍで両端に凹凸部の凹部と同じ位置に鏡面加工を施された凹凸ロールに圧着し、２００ＫＶ、５Ｍｒａｄの電子線を照射して樹脂を硬化させた。この化粧シートは樹脂硬化後の、凹凸ロールとの剥離は容易であり、巻き取りも安定して行われ、巻き取られた化粧シートも木目柄に見合った凹凸柄が形成されていた。
【００１８】
＜実施例２＞
基材シートとして坪量６０ｇ／ｍ２ 、紙幅５０ｃｍの含浸紙を用い、この表面に、硬化性樹脂としてウレタンアクリレート系の白色の不透明着色樹脂を用い、、これを塗工速度５０ｍ／ｍｉｎでロールコーターにより４０ｇ／ｍ２ 塗工し、た。この塗工面を、抽象柄で柄幅４５ｃｍ、版深４０μｍで、両端に凹凸部凹部と同じ高さの鏡面加工を施された凹凸ロールに圧着し、２００ＫＶ、５Ｍｒａｄの電子線を照射して硬化性樹脂を硬化させた。この化粧シートは樹脂硬化後の、凹凸ロールとの剥離は容易であり、巻き取りも安定しており、巻き取られた化粧シートは単色の抽象柄を形成されていた。
【００１９】
【発明の効果】
以上に示したように、本発明の化粧シートの製造方法によって、凹凸型を従来よりも狭くし、凹凸ロールの両端に凹凸部の凹部と同じ高さの平滑面を設けることで、凹凸部の柄面積が５０％未満の様や、版深の深い凹凸型の使用においてもスムースにかつ安定した巻き取りが可能となった。
【００２０】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明における凹凸ロールの形状を示す説明図である。
【符号の説明】
１…凹凸部 ２…平滑面 ３…硬化性樹脂 ４…基材シート
Claims (1)
- 基材シート表面に硬化性樹脂を塗布し、該塗布面を凹凸を付与したロールに圧着し、樹脂を硬化してなることを特徴とする化粧シートの製造方法において、前記凹凸ロールの両端に、凹部と同じ高さの平滑な面を設けてなり、凹凸型の幅は、使用する基材シートの幅よりも狭いことを特徴とする化粧シートの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25564494A JP3546485B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 化粧シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25564494A JP3546485B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 化粧シートの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08118576A JPH08118576A (ja) | 1996-05-14 |
| JP3546485B2 true JP3546485B2 (ja) | 2004-07-28 |
Family
ID=17281619
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25564494A Expired - Fee Related JP3546485B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 化粧シートの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3546485B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012233989A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 光学フィルムの製造方法、偏光板および画像表示装置 |
| WO2014092282A1 (ko) * | 2012-12-10 | 2014-06-19 | (주)엘지하우시스 | 금속 외관 효과를 구현하는 인테리어 필름 및 그 제조방법 |
-
1994
- 1994-10-20 JP JP25564494A patent/JP3546485B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012233989A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 光学フィルムの製造方法、偏光板および画像表示装置 |
| WO2014092282A1 (ko) * | 2012-12-10 | 2014-06-19 | (주)엘지하우시스 | 금속 외관 효과를 구현하는 인테리어 필름 및 그 제조방법 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08118576A (ja) | 1996-05-14 |
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