JP3544439B2 - 接続ピンと基板実装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は基板間を電気的に接続する接続ピン、例えば半導体素子を搭載した半導体基板を回路基板に搭載するとき、該半導体基板と回路基板を電気的に接続する接続ピンに関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI等の半導体素子を搭載したMCMやCPU等の半導体基板を、所望回路が形成された回路基板に搭載するとき、半導体基板の端子(パッド)と回路基板の端子(パッド)の電気的接続に、接続ピンが広く利用されている。
【0003】
図5は従来の接続ピンの説明図、図6は半導体基板の概略図、図7は従来の接続ピンを利用した半導体基板実装方法の説明図である。
図5において、接続ピン1は銅等の導体にてなり、直径0.2mm程度で長さ3mm程度の接続ピン本体2の一方の端部には、直径0.4mm程度のフランジ2′が形成されており、そのフランジ2′には適量の高融点はんだ3、例えば融点が280℃程度の金錫はんだのはんだ3が被着されている。
【0004】
図6において、半導体基板4は上面にLSI等の複数の搭載素子5が搭載されており、その下面には搭載素子5に連通する複数のパッド6(図7(a)参照)が形成されている。
【0005】
図7(a)において、半導体基板4のパッド6には、接続ピン1に被着されたはんだ3のリフローにより、接続ピン1を被着させる。
しかるのち、接続ピン1の他方の端面(図7の接続ピン1の下端面)に低融点のはんだボールを被着させるまたは、
図7(b)において、回路基板7の上面には半導体基板4のパッド6に対向するパッド8が形成されており、パッド8と接続ピン1の他方の端面(図7の接続ピン1の下端面)は、低融点はんだ9例えば融点が180℃程度の錫鉛はんだ9により接続されている。
【0006】
はんだ9は、接続ピン1の他方の端面に低融点のはんだボールを予め被着させるまたは、パッド8に印刷等で被着させた低融点のはんだペーストをリフローさせたものであり、はんだ9による前記接続では、はんだ3を溶融させない温度で行うことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、接続ピン本体2と溶融温度に異なる2種類のはんだ3および9を利用し、基板間接続即ち半導体基板3を回路基板7に搭載することは、従来から行われている。
【0008】
しかし、前記従来方法では予め高融点はんだ3が被着された接続ピン1を使用し、高融点はんだ3をリフローさせることでピン本体2を一方の基板に接続させたのち、接続ピン本体2または回路基板7に低融点はんだ9を被着せしめ、そのはんだ9をリフローさせる方法であった。
【0009】
即ち、2回のはんだリフロー工程の間に低融点はんだ被着工程が組み込まれることになり、接続ピン1による基板間接続の作業性が損なわれるという問題点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、接続ピンによる半導体基板等の搭載作業を効率化することであり、導体のピン本体の一方の端面に凹部が形成され、この凹部内に第1のはんだが被着され、該ピン本体の他方の端面には、第1のはんだより高融点の第2のはんだが被着され、この一方の端面の外側縁部に、溶融された第1のはんだの流れを防止するバリヤ層が形成されていることである。
【0014】
前記目的を達成する本発明の基板実装方法は、本発明の請求項1〜3の接続ピンを使用し、第1の基板を第2の基板に実装する実装方法であって、前記一方の端面が上向きの垂直姿態にした該接続ピンの前記第2のはんだを溶融せしめ、該接続ピンを該第2の基板に接続させる工程と、前記第1のはんだが溶融し、該第2のはんだが溶融しない温度に該接続ピンを加熱し、該第1のはんだを該第1の基板に接続させる工程を含むことである。
【0015】
前記本発明の接続ピンは、高融点はんだと低融点はんだは別々に接続相手の基板に接続させることになる。しかし、その2回のはんだ接続工程の間にはんだ被着(塗布)工程が入らない。従って、はんだ接続工程の作業が効率化されるようになる。
【0016】
特に、本発明の接続ピンは、高融点はんだの溶融接続に際し、接続前の低融点はんだが溶融しても接続ピン凹部が低融点はんだの流出を防止し、接続に対する信頼性が確保されるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例による接続ピンの説明図である。
図1(a)において、接続ピン11は接続ピン本体12の一方の端面(図の上部端面)に低融点はんだ(錫鉛合金はんだ)13が被着され、他方の端面(図の下部端面)には高融点はんだ(金錫合金はんだ)14が被着されている。
【0018】
銅等の導体にてなる接続ピン本体12は、例えば直径0.4mm程度で長さ3mm程度であり、表面にはニッケルめっきを下地層として金めっきが施されている。
【0019】
図1(b)において、接続ピン16は接続ピン本体17の一方の端面(図の上部端面)には低融点はんだ(錫鉛合金はんだ)13が被着され、他方の端面(図の下部端面)には高融点はんだ(金錫合金はんだ)14が被着されている。
【0020】
銅等の導体にてなる接続ピン本体17は、例えば直径0.2mm程度で長さ3mm程度の長さ方向端部に円板状のフランジ17′と17″が一体形成され、ピン本体17の全表面には、ニッケルめっきを下地層として金めっきが施されている。
【0021】
図1(c)において、接続ピン21は接続ピン本体22の一方の端面(図の上部端面)には低融点はんだ(錫鉛合金はんだ)13が被着され、他方の端面(図の下部端面)には高融点はんだ(金錫合金はんだ)14が被着されている。
【0022】
銅等の導体にてなる接続ピン本体22は、例えば直径0.2mm程度で長さ3mm程度の長さ方向上端部から円錐状にフランジ22′が広がり、フランジ22′の中心部には深さ0.2mm程度の凹部23が形成され、長さ方向下端部の円板状のフランジ22″が形成されている。
【0023】
そして、端面にはんだ流れ防止用バリヤ層24が形成されたフランジ22′の凹部23内にはんだ13が被着され、フランジ22″にはんだ14が被着されている。
【0024】
バリヤ層24はニッケルまたは樹脂等にて形成される。ニッケルにてなるバリヤ層24は、接続ピン本体22の表面処理(めっき処理)に際し、金めっきが被着しないようにすればよく、樹脂にてなるバリヤ層24は、金めっきされた上に印刷等によって形成する。
【0025】
図2は本発明の接続ピンを使用した基板間接続の説明図(その1)、図3は本発明の接続ピンを使用した基板間接続の説明図(その2)、図4は本発明の接続ピンを使用した基板間接続の説明図(その3)である。
【0026】
接続ピン11を使用した基板間接続である図2において、(a)は接続ピン11を半導体基板4に接続した一部分の側面図、(b)は接続ピン11を半導体基板4と回路基板7に接続した一部分の側面図である。
【0027】
なお、図2において半導体基板4と回路基板7は、入れ替えた接続構成、即ち接続ピン11の低融点はんだ13を回路基板7に接続させたのち、高融点はんだ14で接続ピン11と半導体基板4を接続させてもよい。
【0028】
図2(a)において、接続ピン11の低融点はんだ13をリフローし、接続ピン11を半導体基板4のパッド6に接続させる。はんだ13のリフローに際して高融点はんだ14が溶融しない温度、例えばはんだ13に融点が183℃の錫鉛はんだを使用し、はんだ14に融点が280℃の金錫はんだを用いたとき、はんだ13のリフロー温度は200℃程度にする。
【0029】
次いで、図2(b)示す如くはんだ14のリフローによって、接続ピン11を回路基板7のパッド8に接続させる。
はんだ14のリフローでははんだ14をその溶融温度(例えば280℃)以上に加熱する必要があり、はんだ13も当然ながら溶融されることになる。従って、はんだ13の量は溶融時の表面張力で流れ落ちない程度に規制し、はんだ14のリフローは回路基板7を介して加熱することが望ましいが、さらなるはんだ13の流出防止には、半導体基板4を下にし回路基板7を上にしたリフローが望ましい。
【0030】
接続ピン16を使用した基板間接続である図3において、(a)は接続ピン16を半導体基板4に接続した一部分の側面図、(b)は接続ピン16を半導体基板4と回路基板7に接続した一部分の側面図である。
【0031】
なお、図3において半導体基板4と回路基板7は、入れ替えた接続構成、即ち接続ピン16の低融点はんだ13を回路基板7に接続させたのち、高融点はんだ14で接続ピン16と半導体基板4を接続させてもよい。
【0032】
図3(a)において、接続ピン16の低融点はんだ13をリフローし、接続ピン16を半導体基板4のパッド6に接続させる。はんだ13のリフローに際して高融点はんだ14が溶融しない温度、例えばはんだ13に融点が183℃の錫鉛はんだを使用し、はんだ14に融点が280℃の金錫はんだを用いたとき、はんだ13のリフロー温度は200℃程度にする。
【0033】
次いで、図3(b)示す如くはんだ14のリフローによって、接続ピン16を回路基板7のパッド8に接続させる。
はんだ14のリフローでははんだ14をその溶融温度(例えば280℃)以上に加熱する必要があり、はんだ13も当然ながら溶融されることになる。従って、はんだ13の量は溶融時の表面張力で流れ落ちない程度に規制し、はんだ14のリフローは回路基板7を介して加熱することが望ましいが、さらなるはんだ13の流出防止には、半導体基板4を下にし回路基板7を上にしたリフローが望ましい。
【0034】
接続ピン22を使用した基板間接続である図4において、(a)は接続ピン22を半導体基板4に接続した一部分の側面図、(b)は接続ピン22を半導体基板4と回路基板7に接続した一部分の側面図である。
【0035】
なお、図4において半導体基板4と回路基板7は、入れ替えた接続構成、即ち接続ピン22の低融点はんだ13を回路基板7に接続させたのち、高融点はんだ14で接続ピン22と半導体基板4を接続させてもよい。
【0036】
図4(a)において、接続ピン22はフランジ22′が上向き姿態として高融点はんだ14をリフローし、接続ピン22を半導体基板4のパッド6に接続させる。はんだ14のリフローに際し、当然のことながら低融点はんだ13も溶融されることになる。
【0037】
しかし、フランジ22′の凹部23内に適量だけ盛り上がるように被着したはんだ13は、溶融してもそれ自体が有する表面張力と、バリヤ層24によって、フランジ22′の外に流出しないようなる。
【0038】
次いで、図4(b)に示す如くはんだ13のリフローによって、接続ピン22を回路基板7のパッド8に接続させる。
はんだ13のリフローははんだ14を溶融させない温度、例えばはんだ14に溶融温度が280℃程度の金錫はんだを使用したとき、はんだ13には183℃の錫鉛はんだを使用し、はんだ14が溶融しない温度例えば200℃程度で行う。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による接続ピンを使用した基板間接続は、2回のリフロー工程の間にはんだ被着(塗布)工程が入らない。従って、はんだリフロー工程の作業が効率化されるようになる。
【0040】
特に、前記本発明の第2の接続ピンは、高融点はんだのリフローに際し低融点はんだが溶融しても、ピン凹部さらにはバリヤ層が低融点はんだの流出を防止し、接続に対する信頼性が確保されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による接続ピンの説明図
【図2】本発明の接続ピンを使用した基板間接続の説明図(その1)
【図3】本発明の接続ピンを使用した基板間接続の説明図(その2)
【図4】本発明の接続ピンを使用した基板間接続の説明図(その3)
【図5】従来の接続ピンの説明図
【図6】半導体基板の概略図
【図7】従来の接続ピンを利用した半導体基板実装方法の説明図
【符号の説明】
4 半導体基板
6,8 パッド
7 回路基板
11,16,21 接続ピン
12,17,22 接続ピン本体
13 低融点はんだ
14 高融点はんだ
17′,17″,22′,22″ 接続ピン本体のフランジ
23 凹部
Claims (4)
- 導体のピン本体の一方の端部の端面に凹部が形成され、該凹部内に第1のはんだが被着され、該ピン本体の他方の端部の端面には該第1のはんだより高融点の第2のはんだが被着され、前記一方の端部の端面の外側縁部に、溶融された前記第1のはんだの流れを防止するバリヤ層が形成されていることを特徴とする接続ピン。
- 前記一方の端部は該ピン本体から該一方の端部の端面に向かって先広がりの円錐形状であることを特徴とする請求項1記載の接続ピン。
- 前記バリヤ層は樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の接続ピン。
- 請求項1〜3記載のいずれかの接続ピンを使用し、第1の基板を第2の基板に実装する実装方法であって、
前記一方の端面が上向きの垂直姿態にした該接続ピンの前記第2のはんだを溶融せしめ、該接続ピンを該第2の基板に接続させる工程と、
前記第1のはんだが溶融し、該第2のはんだが溶融しない温度に該接続ピンを加熱し、該第1のはんだを該第1の基板に接続させる工程、
を含むことを特徴とする基板実装方法。
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