JP3542241B2 - 盛土補強部材 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、盛土の法面に沿って配設される法面部材と、一端部を前記法面部材に連結して盛土中に略水平に埋設される水平埋設部材とからなる盛土補強部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、急勾配の法面等を盛土によって造成する場合、盛土を補強し、盛土の崩壊を防止するため、各種の盛土補強部材が用いられている。
その一例として、盛土補強部材を格子形状に形成した法面部材と水平埋設部材から構成し、盛土の法面に沿って法面部材を配設し、さらに、この法面部材に一端部を連結するとともに、盛土中に略水平に埋設する水平埋設部材を配設することによって、盛土を補強し、また、必要に応じて、植生を行うことにより、法面等の美観を保つとともに、盛土の崩壊を防止するようにしていた。
【0003】
ところで、盛土補強部材のうち盛土の法面に沿って配設する格子形状の法面部材は、盛土の高さに応じて、複数の法面部材を縦方向に連結して使用するようにしている。
この法面部材の連結構造としては、(1)水平埋設部材と共に縦方向に連結する法面部材を強固に一体化するように連結する方式と、(2)法面部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結する方式とが採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の法面部材の連結構造のうち、(1)の法面部材を強固に一体化するように連結する方式の場合、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じると、法面部材と水平埋設部材の連結部等に大きな応力がかかり、盛土補強部材が破損し、これに伴い、盛土が崩壊するという問題点を有していた。
一方、(2)の法面部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結する方式の場合、盛土の沈下を法面部材同士の相対的な移動によって吸収することができるものの、縦方向に連結する法面部材同士の拘束力が弱く、特に、法面に対して垂直方向の応力が法面部材に部分的に作用した場合、法面部材同士の連結部が分離し、これに伴い、盛土が崩壊するという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、上記の従来の盛土補強部材の有する問題点に鑑み、盛土の沈下を吸収することができるとともに、法面に対して垂直方向の応力が法面部材に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することのない盛土補強部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の盛土補強部材は、盛土の法面に沿って配設される法面部材と、一端部を前記法面部材に連結して盛土中に略水平に埋設される水平埋設部材とからなる盛土補強部材において、法面部材を複数本の縦方向部材を縦方向及び横方向に連結して構成するとともに、該縦方向部材の一端部に縦方向の長孔を形成し、該長孔に挿通した連結棒を介して縦方向部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結し、前記法面部材の縦方向部材に形成した長孔に挿通した連結棒に水平埋設部材の一端部を連結したことを特徴とする。
【0007】
本発明の盛土補強部材は、法面部材を構成する縦方向部材の一端部に形成した長孔に挿通した連結棒を介して縦方向部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結することにより、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じても、この盛土の沈下を法面部材の縦方向部材同士の相対的な移動によって吸収することができるとともに、縦方向に連結する法面部材の縦方向部材同士は、法面に対して垂直方向には拘束されるため、法面に対して垂直方向の応力が法面部材に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することがない。
【0008】
この場合において、縦方向部材の他端部に縦方向の長孔を形成し、該長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成することができる。
【0009】
水平埋設部材の一端部に水平方向の長孔を形成し、該長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成することができる。
【0010】
また、水平埋設部材の他端側に盛土中に略水平に埋設される網体を連結することができる。
【0011】
また、網体の端部を巻き付けた固定棒を水平埋設部材の他端側に配設した門形固定具に挿入、固定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の盛土補強部材の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の盛土補強部材の第1実施例を示す。
この盛土補強部材は、盛土の法面に沿って配設されるユニット化された防錆処理した金属製の法面部材1と、一端部を法面部材1に連結して盛土中に略水平に埋設されるユニット化された防錆処理した金属製の水平埋設部材2とからなる。
【0014】
法面部材1は、盛土の高さに応じて、複数の法面部材1を盛土の法面に沿って縦方向に連結して使用するもので、図2に示すように、複数本の細板状の縦方向部材11を横方向に配列し、これを所定の間隔をあけて配設した横方向部材12により連結して、全体として格子形状に形成するとともに、縦方向部材11の一端部(上端部)に縦方向の長孔11aを形成し、他端部(下端部)に丸孔11bを形成するようにする。
この場合において、長孔11aの長さは、造成後、時間の経過とともに圧密され、沈下する盛土の法面部材1ユニット当たりの予想最大沈下量よりも大きく形成するようにする。
【0015】
水平埋設部材2は、複数の水平埋設部材2を盛土中に略水平に複数層に埋設して使用するもので、図3に示すように、複数本の細板状の縦方向部材21を横方向に配列し、これを所定の間隔をあけて配設した横方向部材22により連結して、全体として格子形状に形成するとともに、縦方向部材21の一端部(法面部材1との連結部)に丸孔21aを形成し、他端部に適当な間隔をあけて複数個の丸孔21b,21b,21b・・・を形成するようにする。
【0016】
次に、上記のように構成した法面部材1及び水平埋設部材2を連結、一体化する方法について説明する。
法面部材1の縦方向部材11の一端部(上端部)に形成した長孔11aの上端と、これと連結する法面部材1の他端部(下端部)に形成した丸孔11bと、水平埋設部材2の縦方向部材21の一端部に形成した丸孔21aとが重なり合うようにして、図4に示す一端部に抜け止め3aを形成した連結棒3を挿通することにより連結、一体化して、盛土補強部材を構成するようにする。
これにより、法面部材1の縦方向部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結することができ、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じても、この盛土の沈下を法面部材1の縦方向部材同士の相対的な移動によって吸収することができるとともに、縦方向に連結する法面部材1の縦方向部材同士は、法面に対して垂直方向には拘束されているため、法面に対して垂直方向の応力が法面部材1に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することがない。
【0017】
ところで、盛土補強部材の水平埋設部材2の他端側(法面部材1との連結部の反対側)には、図5に示すように、盛土を補強するために、盛土中に略水平に埋設される網体4を連結するようにする。
【0018】
この網体4は、一般的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂又は合成樹脂繊維から構成されるもので、軽量で、かつ、取り扱いが容易であり、さらに、耐腐食性を有するものを使用する。
【0019】
盛土補強部材の水平埋設部材2と網体4との連結構造としては、本実施例においては、図6に示すように網体4の端部を巻き付けた固定棒5の両端部を、図5に示すように、水平埋設部材2の縦方向部材21の他端部に形成した丸孔21b,21bに脚部6a,6aを挿入して配設した図8に示す門形固定具6に挿入することにより固定する方式を採用するようにしている。
これにより、水平埋設部材2の細板状の縦方向部材21に網体4を簡易かつ強固に連結することができるが、連結構造はこれに限定されず、任意の連結構造を採用することができる。
この場合において、固定棒5には、図7に示すように、両端にフランジ5aを形成した曲げ強度の大きな形鋼を使用することが望ましい。
また、図8(d)に示すように、門形固定具6の脚部6a,6aの少なくとも一方を他方側に延設することにより脚部6bを形成し、この脚部6bを脚部6a,6aが挿入される水平埋設部材2の縦方向部材21に隣接する水平埋設部材2の縦方向部材21の丸孔21bに挿入することにより、門形固定具6の固定状態を安定させることができる。
なお、水平埋設部材2の縦方向部材21の他端部に形成した複数個の丸孔21b,21b・・・は、門形固定具6の脚部6a,6aを挿入するほか、必要に応じて法面部材1と水平埋設部材2間に配設する補強杆(図示省略)を連結するために用いることができる。
【0020】
なお、網体4には、図9に示すような一軸延伸したポリプロピレン、超高分子ポリエチレン等の大きい引張強度を有する合成樹脂製の芯テープ4aの表面にエチレンー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂製の被覆層4bを形成した被覆テープを縦糸41及び横糸42とし、これら縦糸41と横糸42の交点を高周波溶着して全体として格子状に形成したものを使用することができる。
なお、網体4の格子形状は、図9に示すような長方形のほか、正方形にすることもできる。
また、芯テープ4aには、延伸倍率が5〜20倍で、厚さが0.05〜1.0mm、幅が5〜20mmのポリプロピレン又は超高分子ポリエチレンからなるテープ体を使用することが望ましい。
これにより、大きい引張強度を有する網体を得ることができる。
また、この芯テープ4aは、上記のテープ体を複数本重ねたものを使用することもでき、これにより、引張強度を維持しながら、剛性を低減することができ、巻回性がよく、取扱い易い網体を得ることができる。
また、被覆層4bには、誘電率の高いエチレンー酢酸ビニル共重合体又は塩化ビニル樹脂、特に、高周波溶着性の良好な酢酸ビニル含有率が5〜35重量%のエチレンー酢酸ビニル共重合体を使用することが望ましい。
これにより、縦糸41と横糸42の交点に高周波電界を印加することにより、被覆層4bを構成する誘電率の高い熱可塑性樹脂に分子歪みと分子摩擦を起こさせて急速に誘電加熱し、縦糸41と横糸42の交点を強固に溶着することができる。なお、このとき、誘電率の低いポリプロピレン又は超高分子ポリエチレンからなる芯テープ4aは、誘電加熱されにくいため、熱によって劣化することがない。
【0021】
図9に示すようなテープ状体からなる縦糸41と横糸42の交点を固着して得た網体4を使用する場合の、盛土補強部材の水平埋設部材2と網体4との連結構造の一例を、図10〜図11に示す。
この連結構造は、網体4の端部を、折返線L(図9参照)に沿って折り返して重ね、折り返した側の網体4の端部の横糸42aより折り返し側に位置する網体4の上下の縦糸41を縫って第1連結棒7aを挿通するとともに、それより折り返し側に位置する網体4の上下の縦糸41の一方側に水平埋設部材2の縦方向部材21の端部に配設した横方向部材22を配置し、水平埋設部材2の縦方向部材21の一方側に位置するように網体4の折り返し部の縦糸41に第2連結棒7bを挿通するものである。
なお、第1連結棒7a及び第2連結棒7bには、網体4を介して作用する引張力によって折曲したり、破断しない程度の剛性及び強度を有する鉄等の金属製の棒状体を使用することが望ましく(本例においては、丸棒鋼を使用している。)、さらに、必要に応じて、めっき等による防錆処理を施すようにする。
また、本例においては、第1連結棒7aにより、折り返した側の網体4の端部の横糸42aより折り返し側に位置する網体4の上下の縦糸41が、第1連結棒7aの上側又は下側に交互に位置するように縫うことにより、網体4の上下の縦糸41間に大きな摩擦力を生じさせ、この摩擦力により、網体4に作用した引張力が縦糸41全体に均一に分散するようにしているが、第1連結棒7aによる縦糸41の縫い方は、本例のものに限定されず、例えば、縦糸41を2本置きに縫うようにして第1連結棒7aを挿通することもできる。
【0022】
図12は、本発明の盛土補強部材の第2実施例を示す。
この盛土補強部材は、上記第1実施例と同様、盛土の法面に沿って配設されるユニット化された防錆処理した金属製の法面部材1と、一端部を法面部材1に連結して盛土中に略水平に埋設されるユニット化された防錆処理した金属製の水平埋設部材2とからなる。
【0023】
法面部材1は、盛土の高さに応じて、複数の法面部材1を盛土の法面に沿って縦方向に連結して使用するもので、図13に示すように、複数本の細板状の縦方向部材11を横方向に配列し、これを所定の間隔をあけて配設した横方向部材12により連結して、全体として格子形状に形成するとともに、縦方向部材11の一端部(上端部)に縦方向の長孔11aを形成し、他端部(下端部)に縦方向の長孔11bを形成し、長孔11bの中間位置に後述の連結棒3が通過可能な斜め上向きの切欠部11cを形成するようにする。
この場合において、長孔11aの長さは、造成後、時間の経過とともに圧密され、沈下する盛土の法面部材1ユニット当たりの予想最大沈下量よりも大きく形成するようにする。
また、長孔11bの長さ及び切欠部11cの傾斜角度θは、後述の連結棒3を介して連結した法面部材同士が分離しにくく、かつ、連結作業が行いやすい長さ及び傾斜角度となるように設定するようにし、より具体的には、傾斜角度θは45゜に設定する。
【0024】
水平埋設部材2は、複数の水平埋設部材2を盛土中に略水平に複数層に埋設して使用するもので、図14に示すように、複数本の細板状の縦方向部材21を横方向に配列し、これを所定の間隔をあけて配設した横方向部材22により連結して、全体として格子形状に形成するとともに、縦方向部材21の一端部(法面部材1との連結部)に水平方向の長孔21aを形成し、長孔21aの基部側位置に後述の連結棒3が通過可能な上向きの切欠部21cを形成し、他端部に適当な間隔をあけて複数個の丸孔21b,21b,21b・・・を形成するようにする。
この場合において、長孔21aの長さ及び切欠部21cの切欠方向は、後述の連結棒3を介して連結した法面部材1と水平埋設部材2とが分離しにくく、かつ、連結作業が行いやすい長さ及び切欠方向となるように設定するようにし、特に限定的されるものではないが、より具体的には、切欠方向は真上方向に設定する。
【0025】
次に、上記のように構成した法面部材1及び水平埋設部材2を連結、一体化する方法について説明する。
図12に示すように、縦方向部材11の一端部(上端部)に形成した長孔11aに、図4に示す一端部に抜け止め3aを形成した連結棒3を挿通した下方に位置する法面部材(図示省略)に、縦方向部材21の一端部に形成した長孔21aを、長孔21aの切欠部21cから挿通した連結棒3に引っかけるようにして水平埋設部材2を連結する。
これと相前後して、下方に位置する法面部材(図示省略)に、縦方向部材11の他端部(下端部)に形成した長孔11bを、長孔11bの切欠部11cから挿通した連結棒3に引っかけるようにして法面部材1を連結する。この場合、法面部材1は、連結した法面部材同士が分離しにくいように、連結棒3が長孔11bの上端に位置するようにして設置する。
そして、法面部材1と水平埋設部材2間に補強杆8を配設し、法面部材1と水平埋設部材2とを連結、一体化して、盛土補強部材を構成するようにする。
これにより、法面部材1の縦方向部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結することができ、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じても、この盛土の沈下を法面部材1の縦方向部材同士の相対的な移動によって吸収することができるとともに、縦方向に連結する法面部材1の縦方向部材同士は、法面に対して垂直方向には拘束されているため、法面に対して垂直方向の応力が法面部材1に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することがない。
【0026】
ところで、盛土補強部材の水平埋設部材2の他端側(法面部材1との連結部の反対側)には、上記第1実施例と同様、盛土を補強するために、盛土中に略水平に埋設される網体を連結するようにする。
なお、この網体の連結方式としては、網体の端部を巻き付けた固定棒5の両端部を、図12(b)に示すように、水平埋設部材2の縦方向部材21の他端部に形成した丸孔21b,21bに門形固定具6に挿入することにより固定する方式や、上記第1実施例の図10〜図11に記載した方式を採用することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の盛土補強部材によれば、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じても、この盛土の沈下を法面部材の縦方向部材同士の相対的な移動によって吸収することができ、盛土の沈下によって盛土補強部材が破損することがなく、また、法面に対して垂直方向の応力が法面部材に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することがないため、盛土の崩壊を有効に防止することができる。
【0028】
そして、法面部材の縦方向部材に形成した長孔に挿通した連結棒に水平埋設部材の一端部を連結することにより、法面部材と水平埋設部材からなる盛土補強部材を簡易に組み立てることができる。
【0029】
また、縦方向部材の他端部に縦方向の長孔を形成し、この長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成したり、水平埋設部材の一端部に水平方向の長孔を形成し、この長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成することにより、下方に位置する法面部材に形成した長孔に挿通した連結棒に引っかけるようにして、法面部材同士及び法面部材と水平埋設部材を簡単に連結することができ、盛土補強部材を簡易に組み立てることができる。
【0030】
また、水平埋設部材の他端側に盛土中に略水平に埋設される網体を連結することにより、盛土を補強し、盛土の崩壊をより有効に防止することができる。
【0031】
また、網体の端部を巻き付けた固定棒を水平埋設部材の他端側に配設した門形固定具に挿入、固定することにより、水平埋設部材に網体を簡易かつ強固に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の盛土補強部材の第1実施例を示す側面図である。
【図2】盛土補強部材の法面部材を示し、(a)は背面図、(b)は側面図である。
【図3】盛土補強部材の水平埋設部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図4】盛土補強部材の連結棒を示す正面図である。
【図5】盛土補強部材の水平埋設部材と網体との連結構造を示す側面図である。
【図6】網体の端部を固定棒に巻き付けた状態を示す外観斜視図である。
【図7】固定棒を示す正面図である。
【図8】門形固定具を示し、(a)は側面図、(b)は背面図、(c)は外観斜視図、(d)は変形例の外観斜視図である。
【図9】網体の一例を示し、(a)は外観斜視図、(b)は糸の断面図である。
【図10】盛土補強部材の水平埋設部材と網体との連結構造を示す外観斜視図である。
【図11】盛土補強部材の水平埋設部材と網体との連結構造を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図12】本発明の盛土補強部材の第2実施例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図13】盛土補強部材の法面部材を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(b)のC部の拡大図である。
【図14】盛土補強部材の水平埋設部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)のD部の拡大図である。
【符号の説明】
1 法面部材
11 縦方向部材
11a 長孔
11b 丸孔又は長孔
11c 切欠部
12 横方向部材
2 水平埋設部材
21 縦方向部材
21a 丸孔又は長孔
21b 丸孔
21c 切欠部
22 横方向部材
3 連結棒
4 網体
5 固定棒
6 門形固定具
7a 第1連結棒
7b 第2連結棒
8 補強杆
【発明の属する技術分野】
本発明は、盛土の法面に沿って配設される法面部材と、一端部を前記法面部材に連結して盛土中に略水平に埋設される水平埋設部材とからなる盛土補強部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、急勾配の法面等を盛土によって造成する場合、盛土を補強し、盛土の崩壊を防止するため、各種の盛土補強部材が用いられている。
その一例として、盛土補強部材を格子形状に形成した法面部材と水平埋設部材から構成し、盛土の法面に沿って法面部材を配設し、さらに、この法面部材に一端部を連結するとともに、盛土中に略水平に埋設する水平埋設部材を配設することによって、盛土を補強し、また、必要に応じて、植生を行うことにより、法面等の美観を保つとともに、盛土の崩壊を防止するようにしていた。
【0003】
ところで、盛土補強部材のうち盛土の法面に沿って配設する格子形状の法面部材は、盛土の高さに応じて、複数の法面部材を縦方向に連結して使用するようにしている。
この法面部材の連結構造としては、(1)水平埋設部材と共に縦方向に連結する法面部材を強固に一体化するように連結する方式と、(2)法面部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結する方式とが採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の法面部材の連結構造のうち、(1)の法面部材を強固に一体化するように連結する方式の場合、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じると、法面部材と水平埋設部材の連結部等に大きな応力がかかり、盛土補強部材が破損し、これに伴い、盛土が崩壊するという問題点を有していた。
一方、(2)の法面部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結する方式の場合、盛土の沈下を法面部材同士の相対的な移動によって吸収することができるものの、縦方向に連結する法面部材同士の拘束力が弱く、特に、法面に対して垂直方向の応力が法面部材に部分的に作用した場合、法面部材同士の連結部が分離し、これに伴い、盛土が崩壊するという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、上記の従来の盛土補強部材の有する問題点に鑑み、盛土の沈下を吸収することができるとともに、法面に対して垂直方向の応力が法面部材に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することのない盛土補強部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の盛土補強部材は、盛土の法面に沿って配設される法面部材と、一端部を前記法面部材に連結して盛土中に略水平に埋設される水平埋設部材とからなる盛土補強部材において、法面部材を複数本の縦方向部材を縦方向及び横方向に連結して構成するとともに、該縦方向部材の一端部に縦方向の長孔を形成し、該長孔に挿通した連結棒を介して縦方向部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結し、前記法面部材の縦方向部材に形成した長孔に挿通した連結棒に水平埋設部材の一端部を連結したことを特徴とする。
【0007】
本発明の盛土補強部材は、法面部材を構成する縦方向部材の一端部に形成した長孔に挿通した連結棒を介して縦方向部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結することにより、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じても、この盛土の沈下を法面部材の縦方向部材同士の相対的な移動によって吸収することができるとともに、縦方向に連結する法面部材の縦方向部材同士は、法面に対して垂直方向には拘束されるため、法面に対して垂直方向の応力が法面部材に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することがない。
【0008】
この場合において、縦方向部材の他端部に縦方向の長孔を形成し、該長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成することができる。
【0009】
水平埋設部材の一端部に水平方向の長孔を形成し、該長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成することができる。
【0010】
また、水平埋設部材の他端側に盛土中に略水平に埋設される網体を連結することができる。
【0011】
また、網体の端部を巻き付けた固定棒を水平埋設部材の他端側に配設した門形固定具に挿入、固定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の盛土補強部材の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の盛土補強部材の第1実施例を示す。
この盛土補強部材は、盛土の法面に沿って配設されるユニット化された防錆処理した金属製の法面部材1と、一端部を法面部材1に連結して盛土中に略水平に埋設されるユニット化された防錆処理した金属製の水平埋設部材2とからなる。
【0014】
法面部材1は、盛土の高さに応じて、複数の法面部材1を盛土の法面に沿って縦方向に連結して使用するもので、図2に示すように、複数本の細板状の縦方向部材11を横方向に配列し、これを所定の間隔をあけて配設した横方向部材12により連結して、全体として格子形状に形成するとともに、縦方向部材11の一端部(上端部)に縦方向の長孔11aを形成し、他端部(下端部)に丸孔11bを形成するようにする。
この場合において、長孔11aの長さは、造成後、時間の経過とともに圧密され、沈下する盛土の法面部材1ユニット当たりの予想最大沈下量よりも大きく形成するようにする。
【0015】
水平埋設部材2は、複数の水平埋設部材2を盛土中に略水平に複数層に埋設して使用するもので、図3に示すように、複数本の細板状の縦方向部材21を横方向に配列し、これを所定の間隔をあけて配設した横方向部材22により連結して、全体として格子形状に形成するとともに、縦方向部材21の一端部(法面部材1との連結部)に丸孔21aを形成し、他端部に適当な間隔をあけて複数個の丸孔21b,21b,21b・・・を形成するようにする。
【0016】
次に、上記のように構成した法面部材1及び水平埋設部材2を連結、一体化する方法について説明する。
法面部材1の縦方向部材11の一端部(上端部)に形成した長孔11aの上端と、これと連結する法面部材1の他端部(下端部)に形成した丸孔11bと、水平埋設部材2の縦方向部材21の一端部に形成した丸孔21aとが重なり合うようにして、図4に示す一端部に抜け止め3aを形成した連結棒3を挿通することにより連結、一体化して、盛土補強部材を構成するようにする。
これにより、法面部材1の縦方向部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結することができ、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じても、この盛土の沈下を法面部材1の縦方向部材同士の相対的な移動によって吸収することができるとともに、縦方向に連結する法面部材1の縦方向部材同士は、法面に対して垂直方向には拘束されているため、法面に対して垂直方向の応力が法面部材1に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することがない。
【0017】
ところで、盛土補強部材の水平埋設部材2の他端側(法面部材1との連結部の反対側)には、図5に示すように、盛土を補強するために、盛土中に略水平に埋設される網体4を連結するようにする。
【0018】
この網体4は、一般的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂又は合成樹脂繊維から構成されるもので、軽量で、かつ、取り扱いが容易であり、さらに、耐腐食性を有するものを使用する。
【0019】
盛土補強部材の水平埋設部材2と網体4との連結構造としては、本実施例においては、図6に示すように網体4の端部を巻き付けた固定棒5の両端部を、図5に示すように、水平埋設部材2の縦方向部材21の他端部に形成した丸孔21b,21bに脚部6a,6aを挿入して配設した図8に示す門形固定具6に挿入することにより固定する方式を採用するようにしている。
これにより、水平埋設部材2の細板状の縦方向部材21に網体4を簡易かつ強固に連結することができるが、連結構造はこれに限定されず、任意の連結構造を採用することができる。
この場合において、固定棒5には、図7に示すように、両端にフランジ5aを形成した曲げ強度の大きな形鋼を使用することが望ましい。
また、図8(d)に示すように、門形固定具6の脚部6a,6aの少なくとも一方を他方側に延設することにより脚部6bを形成し、この脚部6bを脚部6a,6aが挿入される水平埋設部材2の縦方向部材21に隣接する水平埋設部材2の縦方向部材21の丸孔21bに挿入することにより、門形固定具6の固定状態を安定させることができる。
なお、水平埋設部材2の縦方向部材21の他端部に形成した複数個の丸孔21b,21b・・・は、門形固定具6の脚部6a,6aを挿入するほか、必要に応じて法面部材1と水平埋設部材2間に配設する補強杆(図示省略)を連結するために用いることができる。
【0020】
なお、網体4には、図9に示すような一軸延伸したポリプロピレン、超高分子ポリエチレン等の大きい引張強度を有する合成樹脂製の芯テープ4aの表面にエチレンー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂製の被覆層4bを形成した被覆テープを縦糸41及び横糸42とし、これら縦糸41と横糸42の交点を高周波溶着して全体として格子状に形成したものを使用することができる。
なお、網体4の格子形状は、図9に示すような長方形のほか、正方形にすることもできる。
また、芯テープ4aには、延伸倍率が5〜20倍で、厚さが0.05〜1.0mm、幅が5〜20mmのポリプロピレン又は超高分子ポリエチレンからなるテープ体を使用することが望ましい。
これにより、大きい引張強度を有する網体を得ることができる。
また、この芯テープ4aは、上記のテープ体を複数本重ねたものを使用することもでき、これにより、引張強度を維持しながら、剛性を低減することができ、巻回性がよく、取扱い易い網体を得ることができる。
また、被覆層4bには、誘電率の高いエチレンー酢酸ビニル共重合体又は塩化ビニル樹脂、特に、高周波溶着性の良好な酢酸ビニル含有率が5〜35重量%のエチレンー酢酸ビニル共重合体を使用することが望ましい。
これにより、縦糸41と横糸42の交点に高周波電界を印加することにより、被覆層4bを構成する誘電率の高い熱可塑性樹脂に分子歪みと分子摩擦を起こさせて急速に誘電加熱し、縦糸41と横糸42の交点を強固に溶着することができる。なお、このとき、誘電率の低いポリプロピレン又は超高分子ポリエチレンからなる芯テープ4aは、誘電加熱されにくいため、熱によって劣化することがない。
【0021】
図9に示すようなテープ状体からなる縦糸41と横糸42の交点を固着して得た網体4を使用する場合の、盛土補強部材の水平埋設部材2と網体4との連結構造の一例を、図10〜図11に示す。
この連結構造は、網体4の端部を、折返線L(図9参照)に沿って折り返して重ね、折り返した側の網体4の端部の横糸42aより折り返し側に位置する網体4の上下の縦糸41を縫って第1連結棒7aを挿通するとともに、それより折り返し側に位置する網体4の上下の縦糸41の一方側に水平埋設部材2の縦方向部材21の端部に配設した横方向部材22を配置し、水平埋設部材2の縦方向部材21の一方側に位置するように網体4の折り返し部の縦糸41に第2連結棒7bを挿通するものである。
なお、第1連結棒7a及び第2連結棒7bには、網体4を介して作用する引張力によって折曲したり、破断しない程度の剛性及び強度を有する鉄等の金属製の棒状体を使用することが望ましく(本例においては、丸棒鋼を使用している。)、さらに、必要に応じて、めっき等による防錆処理を施すようにする。
また、本例においては、第1連結棒7aにより、折り返した側の網体4の端部の横糸42aより折り返し側に位置する網体4の上下の縦糸41が、第1連結棒7aの上側又は下側に交互に位置するように縫うことにより、網体4の上下の縦糸41間に大きな摩擦力を生じさせ、この摩擦力により、網体4に作用した引張力が縦糸41全体に均一に分散するようにしているが、第1連結棒7aによる縦糸41の縫い方は、本例のものに限定されず、例えば、縦糸41を2本置きに縫うようにして第1連結棒7aを挿通することもできる。
【0022】
図12は、本発明の盛土補強部材の第2実施例を示す。
この盛土補強部材は、上記第1実施例と同様、盛土の法面に沿って配設されるユニット化された防錆処理した金属製の法面部材1と、一端部を法面部材1に連結して盛土中に略水平に埋設されるユニット化された防錆処理した金属製の水平埋設部材2とからなる。
【0023】
法面部材1は、盛土の高さに応じて、複数の法面部材1を盛土の法面に沿って縦方向に連結して使用するもので、図13に示すように、複数本の細板状の縦方向部材11を横方向に配列し、これを所定の間隔をあけて配設した横方向部材12により連結して、全体として格子形状に形成するとともに、縦方向部材11の一端部(上端部)に縦方向の長孔11aを形成し、他端部(下端部)に縦方向の長孔11bを形成し、長孔11bの中間位置に後述の連結棒3が通過可能な斜め上向きの切欠部11cを形成するようにする。
この場合において、長孔11aの長さは、造成後、時間の経過とともに圧密され、沈下する盛土の法面部材1ユニット当たりの予想最大沈下量よりも大きく形成するようにする。
また、長孔11bの長さ及び切欠部11cの傾斜角度θは、後述の連結棒3を介して連結した法面部材同士が分離しにくく、かつ、連結作業が行いやすい長さ及び傾斜角度となるように設定するようにし、より具体的には、傾斜角度θは45゜に設定する。
【0024】
水平埋設部材2は、複数の水平埋設部材2を盛土中に略水平に複数層に埋設して使用するもので、図14に示すように、複数本の細板状の縦方向部材21を横方向に配列し、これを所定の間隔をあけて配設した横方向部材22により連結して、全体として格子形状に形成するとともに、縦方向部材21の一端部(法面部材1との連結部)に水平方向の長孔21aを形成し、長孔21aの基部側位置に後述の連結棒3が通過可能な上向きの切欠部21cを形成し、他端部に適当な間隔をあけて複数個の丸孔21b,21b,21b・・・を形成するようにする。
この場合において、長孔21aの長さ及び切欠部21cの切欠方向は、後述の連結棒3を介して連結した法面部材1と水平埋設部材2とが分離しにくく、かつ、連結作業が行いやすい長さ及び切欠方向となるように設定するようにし、特に限定的されるものではないが、より具体的には、切欠方向は真上方向に設定する。
【0025】
次に、上記のように構成した法面部材1及び水平埋設部材2を連結、一体化する方法について説明する。
図12に示すように、縦方向部材11の一端部(上端部)に形成した長孔11aに、図4に示す一端部に抜け止め3aを形成した連結棒3を挿通した下方に位置する法面部材(図示省略)に、縦方向部材21の一端部に形成した長孔21aを、長孔21aの切欠部21cから挿通した連結棒3に引っかけるようにして水平埋設部材2を連結する。
これと相前後して、下方に位置する法面部材(図示省略)に、縦方向部材11の他端部(下端部)に形成した長孔11bを、長孔11bの切欠部11cから挿通した連結棒3に引っかけるようにして法面部材1を連結する。この場合、法面部材1は、連結した法面部材同士が分離しにくいように、連結棒3が長孔11bの上端に位置するようにして設置する。
そして、法面部材1と水平埋設部材2間に補強杆8を配設し、法面部材1と水平埋設部材2とを連結、一体化して、盛土補強部材を構成するようにする。
これにより、法面部材1の縦方向部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結することができ、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じても、この盛土の沈下を法面部材1の縦方向部材同士の相対的な移動によって吸収することができるとともに、縦方向に連結する法面部材1の縦方向部材同士は、法面に対して垂直方向には拘束されているため、法面に対して垂直方向の応力が法面部材1に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することがない。
【0026】
ところで、盛土補強部材の水平埋設部材2の他端側(法面部材1との連結部の反対側)には、上記第1実施例と同様、盛土を補強するために、盛土中に略水平に埋設される網体を連結するようにする。
なお、この網体の連結方式としては、網体の端部を巻き付けた固定棒5の両端部を、図12(b)に示すように、水平埋設部材2の縦方向部材21の他端部に形成した丸孔21b,21bに門形固定具6に挿入することにより固定する方式や、上記第1実施例の図10〜図11に記載した方式を採用することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の盛土補強部材によれば、造成後、時間の経過とともに盛土が圧密され、盛土に沈下が生じても、この盛土の沈下を法面部材の縦方向部材同士の相対的な移動によって吸収することができ、盛土の沈下によって盛土補強部材が破損することがなく、また、法面に対して垂直方向の応力が法面部材に部分的に作用しても、法面部材同士の連結部が分離することがないため、盛土の崩壊を有効に防止することができる。
【0028】
そして、法面部材の縦方向部材に形成した長孔に挿通した連結棒に水平埋設部材の一端部を連結することにより、法面部材と水平埋設部材からなる盛土補強部材を簡易に組み立てることができる。
【0029】
また、縦方向部材の他端部に縦方向の長孔を形成し、この長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成したり、水平埋設部材の一端部に水平方向の長孔を形成し、この長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成することにより、下方に位置する法面部材に形成した長孔に挿通した連結棒に引っかけるようにして、法面部材同士及び法面部材と水平埋設部材を簡単に連結することができ、盛土補強部材を簡易に組み立てることができる。
【0030】
また、水平埋設部材の他端側に盛土中に略水平に埋設される網体を連結することにより、盛土を補強し、盛土の崩壊をより有効に防止することができる。
【0031】
また、網体の端部を巻き付けた固定棒を水平埋設部材の他端側に配設した門形固定具に挿入、固定することにより、水平埋設部材に網体を簡易かつ強固に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の盛土補強部材の第1実施例を示す側面図である。
【図2】盛土補強部材の法面部材を示し、(a)は背面図、(b)は側面図である。
【図3】盛土補強部材の水平埋設部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図4】盛土補強部材の連結棒を示す正面図である。
【図5】盛土補強部材の水平埋設部材と網体との連結構造を示す側面図である。
【図6】網体の端部を固定棒に巻き付けた状態を示す外観斜視図である。
【図7】固定棒を示す正面図である。
【図8】門形固定具を示し、(a)は側面図、(b)は背面図、(c)は外観斜視図、(d)は変形例の外観斜視図である。
【図9】網体の一例を示し、(a)は外観斜視図、(b)は糸の断面図である。
【図10】盛土補強部材の水平埋設部材と網体との連結構造を示す外観斜視図である。
【図11】盛土補強部材の水平埋設部材と網体との連結構造を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図12】本発明の盛土補強部材の第2実施例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図13】盛土補強部材の法面部材を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(b)のC部の拡大図である。
【図14】盛土補強部材の水平埋設部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)のD部の拡大図である。
【符号の説明】
1 法面部材
11 縦方向部材
11a 長孔
11b 丸孔又は長孔
11c 切欠部
12 横方向部材
2 水平埋設部材
21 縦方向部材
21a 丸孔又は長孔
21b 丸孔
21c 切欠部
22 横方向部材
3 連結棒
4 網体
5 固定棒
6 門形固定具
7a 第1連結棒
7b 第2連結棒
8 補強杆
Claims (5)
- 盛土の法面に沿って配設される法面部材と、一端部を前記法面部材に連結して盛土中に略水平に埋設される水平埋設部材とからなる盛土補強部材において、法面部材を複数本の縦方向部材を縦方向及び横方向に連結して構成するとともに、該縦方向部材の一端部に縦方向の長孔を形成し、該長孔に挿通した連結棒を介して縦方向部材同士を縦方向に相対的に移動可能に連結し、前記法面部材の縦方向部材に形成した長孔に挿通した連結棒に水平埋設部材の一端部を連結したことを特徴とする盛土補強部材。
- 縦方向部材の他端部に縦方向の長孔を形成し、該長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成したことを特徴とする請求項1記載の盛土補強部材。
- 水平埋設部材の一端部に水平方向の長孔を形成し、該長孔に連結棒が通過可能な切欠部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の盛土補強部材。
- 水平埋設部材の他端側に盛土中に略水平に埋設される網体を連結したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の盛土補強部材。
- 網体の端部を巻き付けた固定棒を水平埋設部材の他端側に配設した門形固定具に挿入、固定したことを特徴とする請求項4記載の盛土補強部材。
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