JP3541314B2 - 樹木のリサイクル方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は樹木のリサイクル方法及びその装置に関し、より詳しくは剪定・伐採された枝葉木などを効率的にリサイクルするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、街路樹や公園などの樹木は剪定が行われ、また宅地造成などに伴い樹木の伐採が行われており、それに伴って大量の枝葉木が発生している。これらの枝葉木の多くは焼却処理されてきたが、二酸化炭素の排出による地球温暖化と大気汚染が問題となり、枝葉木を焼却することができなくなった。
【0003】
そこへ、資源のリサイクルが叫ばれるようになり、その一つとして枝葉木のチップ化が脚光を浴び、各種の装置が提供されるようになった。チップの大きさをほぼ一定にするためにスクリーンを備えた装置の他、所定の場所に設置するタイプの装置や任意の場所へ移動できるタイプの装置など、多種類の装置が提供されている。
【0004】
一方、街路樹の剪定などにより大量に発生する枝葉木を効率的に処理し、搬送することを目的に、枝葉木をチップ化するチッピング装置と、チップ化された枝葉を収容する収容箱と、収容量を増加させるためのプレス装置を車載した自動車が各種提供されている。このチッピング装置は、一度に大量の枝葉木を処理して搬送するために、通常スクリーンを取り付け、できるだけチップを小さくしている。
【0005】
これらの装置はいずれも、枝葉木を投入すると、枝も葉も一緒に粉砕してチップ化するものである。このため、処理効率は非常に速いが、その後の処理に問題があった。すなわち、粉砕された葉は、短時間で発酵を開始し、約3か月程度で腐葉土化し、さらに6カ月から1年以上で分解する。これに対して、微粉砕された枝木は、腐葉土と混在している条件下で1年以上熟成させることによって、発酵により腐葉土に近い状態の養土と化する。ところが、枝木は粉砕の程度が大きいと、同様の条件下でもほとんど発酵することはなく、養土と化するには相当の年月を要する。したがって、枝葉木を微粉砕したとしても、葉が腐葉土化して使用上適切な条件のとき、枝木はまだ生木の状態であり、枝木が養土と化した頃には、葉はほとんど分解していて、腐葉土として使用することができない。
【0006】
この問題を解決するには、得られた枝葉木から予め葉のみを除去した後、枝木をチップ化すれば好ましい。ところが、枝葉木から葉のみを効率的に除去する技術がなく、特に剪定などを行う現場で効率的に行う技術がなかった。一方、前述のように枝葉木を微粉砕した後、チップ化された葉と枝木とを分離することを種々試みたが、分離することができなかった。その一方で、枝葉木を微粉砕して得られたチップをそのまま利用するとしても、有効な利用方法がなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、剪定などによって得られた枝葉木を効率的に処理・運搬するために、枝葉木を破砕した後、チップ化された葉と枝木とを分離することとし、それぞれを個別にリサイクルする方法と装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る樹木のリサイクル方法の要旨とするところは、樹木を伐採・剪定して枝葉木を得るステップと、該枝葉木の葉部を該形状をほぼ残すように木質部と切断するとともに、該木質部を破砕する粗破砕ステップと、前記葉部と木質部とを選別するステップとを含むことにある。
【0009】
また、この樹木のリサイクル方法において、前記粗破砕ステップの次に、粗破砕された葉部と木質部とを輸送するステップを含み、あるいは前記選別するステップにおいて、葉部に少なくとも切れ目が同時に入れられる。さらに、樹木のリサイクル方法において、前記選別するステップが、葉部と木質部とを同時に機械的に飛ばし、空気抵抗により葉部と木質部とを分離するステップであることにある。
【0010】
さらに、樹木のリサイクル方法において、前記選別された葉部を腐葉土にするステップを含むことにあり、また、前記選別された木質部をマルチング材として使用し得る部材と他の部材とに選別するステップを含むことにある。また、樹木のリサイクル方法において、前記選別された木質部を炭化させるステップを含むことにあり、前記選別するステップの次に、葉部と木質部との混合部分を堆肥化させるステップを含むことにある。
【0011】
次に、本発明に係る樹木のリサイクル装置の要旨とするところは、樹木を伐採・剪定して得られた枝葉木をリサイクルする装置において、回転させられる回転ローターと、回転ローターの周縁部に取り付けられ該回転ローターとともに回転させられる回転刃と、該回転刃に対峙して所定の間隔を開けて固定された固定刃とを備え、前記枝葉木の葉部を該形状をほぼ残すように木質部から切断するとともに、該木質部を粗破砕するように設定された粗破砕装置と、前記粗破砕されて混在する葉部と木質部とを空中に放出して、それぞれ葉部と木質部とに選別する選別装置とを含むことにある。
【0012】
さらに、この樹木のリサイクル装置において、前記選別装置が、前記粗破砕された葉部と木質部とを送り込む入口と、回転させられる回転軸に複数の棒状部材が半径方向に突出させられた回転手段と、該回転手段の一部を覆い、前記入口から送り込まれた葉部と木質部とをガイドするとともに排出する排出口を有するケーシングとを備えて構成されることにある。そして、この回転手段の棒状部材の先端に刃が形成され、少なくとも葉部に切れ目を入れるように構成されていることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る樹木のリサイクル方法及びその装置の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0014】
本発明に係る樹木のリサイクル方法はまず、樹木を伐採・剪定して、図1(a)に示すように、枝葉木10を得る。枝葉木10は、公園や街路などの樹木の枝を剪定したり、あるいは樹木そのものを伐採するなどによって得られる。また、枝葉木10は、土地造成などのために林野の樹木を伐採するなどによっても得られる。得られた枝葉木10は、腐葉土に適する葉を有する枝葉木と、腐葉土に適さない松や銀杏などの枝葉木とに分けて、処理される。
【0015】
得られた枝葉木10は、同図(b)に示すように、その場で、あるいは所定の場所に運んで、粗破砕される。粗破砕は、枝葉木10の葉部12をその形状をほぼ残すように木質部14と切断するとともに、その木質部14を破砕して行われる。この粗破砕は通常、固定刃と回転刃を備えた装置によって行われ、固定刃と回転刃の間隔や、回転刃の回転速度などは、枝葉木10の葉部12をその形状をほぼ残して木質部14から切断するように調整される。木質部14は、枝や幹を任意の長さに切断し、あるいは太い幹をえぐるように割って、得られる。
【0016】
次に、同図(c)に示すように、粗破砕された葉部12と木質部14は両者に選別される。選別工程は、樹木を粗破砕した場所で、続いて行うことも可能であるが、街路などで樹木の剪定をした後、その場で粗破砕を行う場合、その粗破砕された葉部12と木質部14とを適切な場所に輸送してから、選別するのが好ましい。
【0017】
選別方法はいかなる手法を採用してもよく、限定されないが、特に葉部12と木質部14とを同時に機械的に飛ばし、空気抵抗により葉部12と木質部14とを分離するのが好ましい。すなわち、葉部12と木質部14とを同時に機械的に空中に水平方向に飛ばすことにより、空気抵抗を多く受ける葉部12は近くに落下し、表面積に対して重量の大きい木質部14は遠くまで飛び、この作用により両者は分離する。
【0018】
このとき、破砕工程で予め葉部12が細かく切断されていると、葉部12が木質部14の表面に付着したまま飛んだり、あるいは選別工程までの間に葉部12の発酵が進み、葉部12が一塊となって飛ぶことがあり、葉部12と木質部14とを充分に分離することができない。したがって、粗破砕工程から選別工程までの間に葉部12の発酵が進まないようにするため、粗破砕工程で葉部12を細かく破砕したり、葉部12に切れ目を入れたりしないようにするのが好ましい。
【0019】
一方、この選別工程で同時に、葉部12に切れ目を入れたり、葉部12を複数に切断したりするのが好ましい。葉部12に切れ目などが入っていなくても発酵するが、その速度は遅い。そこで、発酵を促進させるため、葉部12に少なくとも切れ目を入れるのが好ましく、この工程は選別工程と同時に行うのが好ましい。選別された葉部12は、ほぼ100%葉部のみとされる。
【0020】
集められた葉部12はたとえば層状あるいは山状に堆積され、自然に発酵させられ、腐葉土にされる。この発酵工程で、堆積された葉部12を月に約1回程度又はそれ以上の割合で切り返し、堆積物の内部に空気を補給するとともに、内部の温度が下げられる。切り返しを行わないと、発酵が進んだ内部で酸欠状態となる結果、嫌気性の発酵が生じて、腐葉土として好ましいものが得られない。またさらに、発酵熱により、菌が死滅してしまい、発酵が停止したり、あるいは葉部が炭化してしまい、好ましい腐葉土が得られない。集められた葉部12は約3か月から6カ月程度で腐葉土となり、出荷される。得られた腐葉土は、葉の原型を少なくとも一部に止め、また枯れ葉を集めたものではないため、栄養分を豊富に含んでいて、非常に良質のものとなる。
【0021】
一方、葉部12とは別に選別された木質部14は、マルチング材として使用される。ここで、木質部14に、マルチング材として好ましくない大きさの幹部などが含まれている場合、さらに選別されるのが好ましい。また、木質部14の大きさが大きい場合、この木質部14のみを再度破砕させてもよい。得られた木質部14には、葉部12が含まれておらず、しかも細かく破砕されていないため、マルチング材として使用したとき、たばこの火などにより容易に引火する危険性がない。
【0022】
木質部14はマルチング材として使用されるだけでなく、炭化させて、炭として使用することも可能である。得られた炭に、軽石やウッドチップなどを加えて土壌被覆材としたり、洋蘭培養土とするのも好ましい。
【0023】
また、木質部14から選び出された幹部などのマルチング材として好ましくない大きさのものは、インテリア用などのウッドチップとして用いることも可能である。この場合、ウッドチップの表面を軽く燃やした後、研磨して用いるのも好ましい。
【0024】
上述の選別工程において、粗破砕された葉部12と木質部14とが、それぞれ葉部12と木質部14とにほとんど分離されるが、両者の間には葉部12と木質部14との混合部分16が生じる。この混合部分16に含まれる木質部14は、破砕時に細かく破砕された部分がほとんどである。したがって、この混合部分16のみを集めて約1年間熟成させ、堆肥化させる。混合部分16を熟成させるにあたり、前述した腐葉土に適さない松葉や銀杏葉などを混合させ、堆肥化させるのが好ましい。
【0025】
充分熟成されて堆肥化させられたものは、それのみで培養土あるいは養土として用いられる。得られた土に、さらにパーライト、パーミキュライト、炭、軽石などのほか、上記得られた腐葉土を加え、有機培養土として用いることも可能である。
【0026】
以上の樹木のリサイクル方法は、剪定などによって得られた枝葉木を粗破砕した後、葉部と木質部とに選別し、さらに選別できないで混合部分として存在する部分を分離し、それぞれを素材の特質に適合した最適な利用方法としている。すなわち、得られた腐葉土には他の木質部などの異物が含まれていないため、最も好ましい発酵状態の腐葉土になり、短期間で出荷することができる。また、得られた木質部をマルチング材として使用するとき、そのマルチング材には葉部などの燃え易い物質が含まれていないため、安全である。さらに、選別によって生じた葉部と木質部との混合部分については、時間をかけて堆肥化させている。
【0027】
上述の樹木のリサイクル方法を実施する装置は、たとえば一例として、次に示すように、粗破砕装置と選別装置とを備えて構成される。
【0028】
まず、図2及び図3に示すように、粗破砕装置18は、回転させられる回転ローター20と、回転ローター20の周縁部に取り付けられその回転ローター20とともに回転させられる回転刃22と、その回転刃22に対峙して所定の間隔を開けて固定された固定刃24とを備え、本実施例では車載型で構成されている。そして、これら回転ローター20、回転刃22及び固定刃24は、枝葉木10の葉部12をその形状をほぼ残すように木質部14から切断するとともに、その木質部14を粗破砕するように設定されている。
【0029】
より具体的に粗破砕装置18は、図3に示すように、回転ローター20は図示しない駆動装置により回転させられ、その回転ローター20の周縁部に取り付けられた回転刃22はその回転ローター20とともに回転させられる。一方、固定刃24はフレーム40に固定されている。回転刃22と固定刃24との間隔、及び回転刃22(回転ローター20)の回転速度は、枝葉木10の葉部12をその形状をほぼ残すように木質部14から切断するとともに、その木質部14を切削して粗破砕するように設定されている。
【0030】
すなわち、間隔が狭く、また回転速度が速い場合、木質部14だけでなく葉部12まで細かく破砕してしまい、好ましくない。また、間隔が広く、また回転速度が遅い場合、葉部12と木質部14とを切り離すことができず、さらに木質部14を破砕することができない。粗破砕された葉部12と木質部14はいわゆる2度切りしないように、直ちに粗破砕装置18から落下させられる。
【0031】
この粗破砕装置18に枝葉木10を送るのに、人手に頼ると危険であるため、粗破砕装置18の直前に供給装置42が取り付けられている。供給装置42は、回転軸44の回りに供給プレート46が取り付けられていて、回転軸44とともに回転させられる回転プレート46の端部に係合させられた枝葉木10は、粗破砕装置18の方へ供給される。なお、回転軸44は、フレームに固定された軸48に回動可能に軸支されたアーム50の他端に取り付けられていて、枝葉木10の形状に応じて、回転軸44が上下するように構成されている。
【0032】
粗破砕装置18は、図2に示すように、自動車54の荷台に積載された収容箱56の後部に配設されている。収容箱56は、ほぼ円筒状をなし、自動車54の車体に回動可能に支持されている。この収容箱56の内壁には、らせん状の羽根が配設されていて、収容箱56に投入された葉部12と木質部14は、回転させられる羽根に沿って移動させられる。
【0033】
したがって、収容箱56の後部に取り付けられた粗破砕装置18により、枝葉木10は粗破砕されて、葉部12と木質部14が収容箱56の後部内側に入れられる。収容箱56を回転させることにより、粗破砕された葉部12と木質部14は収容箱56の前部側へ順次移動させられ、収容される。このようにして、収容箱56の内部に大量に収容された葉部12と木質部14は、選別装置26が設置されている場所で、収容箱56の後部に設けられた蓋を開け、収容箱56を逆回転させて降ろされる。なお、収容箱56に長時間収容されていた葉部12は、発酵して変色している。
【0034】
一方、選別装置は、粗破砕されて混在する葉部と木質部とを空中に放出して、それぞれ葉部と木質部とに選別する装置で構成されている。より具体的には、図4に示すように、選別装置26は、粗破砕された葉部12と木質部14とを送り込む入口28と、回転させられる回転軸30に複数の棒状部材32が半径方向に突出させられた回転手段34と、その回転手段34の一部を覆い、入口28から送り込まれた葉部12と木質部14とをガイドするとともに排出する排出口36を有するケーシング38とを備えて構成されている。
【0035】
回転手段34の回転軸30は、図示しない回転駆動装置により高速で回転させられる。回転軸30の外周表面に半径方向に突出させられた棒状部材32は、ヒンジ58部で折れ曲がるように構成されていて、棒状部材32に大きな負荷がかかった時、棒状部材32が折れ曲がることによって、回転手段34全体が破損しないようにされている。棒状部材32は、回転軸30が回転させられると、遠心力により自立し、その棒状部材32の先端部などに引っ掛かった葉部12や木質部14を撥ね飛ばし、排出口36から排出する。なお、葉部12及び木質部14はコンベアなどで運ばれて、選別装置26の入口28から内部に順次投入される。
【0036】
排出口36から排出された葉部12と木質部14は、それぞれ空中を飛び、空気抵抗を受けて落下する。葉部12は表面積に比べて質量が小さいため、選別装置26の近くに落下する。これに対して、木質部14は表面積に比べて質量が大きいため、選別装置26から遠くに落下する。また、細かく破砕した葉部12や木質部14は、表面積に比べて質量がほぼ同程度となるため、ほぼ同じ位置に落下する。そこで、回転軸30の回転速度を調整し、葉部12と木質部14が排出口36から飛び出す初速が設定される。さらに、葉部12と木質部14が空気抵抗を受けて、それぞれが異なる位置に落下するように、空中を飛ぶ時間を確保するために、排出口36の水平に対する角度、あるいは選別装置26の設置高さが設定される。すなわち、選別装置26は、粗破砕されて葉部12と木質部14とを空中に放出し、葉部12又は木質部14が受ける空気抵抗の違いを利用して、落下位置を異ならせて葉部12と木質部14とを分離する空気抵抗分離手段としての機能を有する。
【0037】
なお、同じ葉部12であっても、乾燥している葉部12の場合、選別装置26の近くに落下するのに対し、濡れている葉部12、特に発酵が進んで湿潤になっている葉部12の場合、選別装置26から離れた位置に落下し、落下する位置が異なる。そこで、葉部12の状態を見て、空気抵抗を増す方向に送風機で送風してもよい。
【0038】
選別装置26において、葉部12及び木質部14は、回転軸30の回転力によりそれと一体となって回転させられる棒状部材32に係合・当接させられることによって、空中に飛び出させられる。このとき、棒状部材32に係合・当接させられた個々の葉部12は、一部に切れ目が入ったり、複数に引き裂かれたりするのが、発酵促進の観点で好ましい。そこで、より確実に少なくとも葉部12に切れ目を入れるために、棒状部材32の先端に刃を形成するのが好ましい。刃の切れ方は、棒状部材32の回転速度によるが、葉部12の一部が切れて、全体として1つの葉部12を成す程度に切れるのが好ましい。
【0039】
また、棒状部材32の刃が形成されている先端は、図4に示すように、Y字状などに形成されているのも好ましい。このようにすれば、葉部12に多くの切れ目を入れることができる。また、葉部12及び木質部14のほぼ全てに引っ掛けて撥ね飛ばすことができる。
【0040】
以上、本発明に係る樹木のリサイクル方法及びその装置の実施形態を説明したが、本発明は上述の図示した例示に限定されるものではないのは言うまでもない。
【0041】
たとえば、粗破砕装置は移動式の態様を示したが、その形式は何ら限定されない。また、粗破砕装置は移動式に限らず、固定式であってもよいのは勿論である。さらに、固定式の粗破砕装置と選別装置とを連結し、枝葉木を粗破砕した後、直ちに葉部と木質部とに選別するように構成することも可能である。
【0042】
さらに、粗破砕装置において、チップの大きさを規制するスクリーンを取り付けない方が好ましいが、葉部を破砕しないことを条件に、スクリーンを配設することも可能である。また、粗破砕装置の刃の形状及び構造は、特に限定されない。
【0043】
次に、選別装置の構造も特に限定されるものではない。選別方法として、上述の方法が最も好ましいが、剪定・伐採された枝葉木を葉部と木質部に粗破砕した後、それぞれ葉部と木質部とに分けることができる方法であれば、如何なる方法であってもよい。いわゆる風力選別法であってもよく、この場合、葉部及び木質部が乾燥しているときに好ましい。
【0044】
その他、選別された葉部と木質部の利用方法は任意であり、限定されるものではないなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係る樹木のリサイクル方法及びその装置は、伐採・剪定された枝葉木を、葉の原形を残すように粗破砕した後、葉部と木質部とに選別するようにしているため、効率的且つ確実に選別することができる。したがって、得られた葉部を堆積しておけば、約3カ月程度で葉のみからなる高品質の腐葉土が得られる。特に、腐葉土の中に葉以外の物が入っていないため、発酵の均一化ができる。また、得られた木質部の中には、葉部などの異質な物質が混入していないため、マルチング材として使用したとき、着火し難いものとなる。さらに、得られた木質部を他の用途に使用する場合においても、葉部などの異質な物質が混入していないため、利用価値が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹木のリサイクル方法の各工程を説明する説明図である。
【図2】本発明に係る樹木のリサイクル装置の一部をなす粗破砕装置を車載した自動車を示す説明図である。
【図3】本発明に係る樹木のリサイクル装置の一部をなす粗破砕装置を拡大して示す側面説明図である。
【図4】本発明に係る樹木のリサイクル装置の一部をなす選別装置を示す説明図であり、(a)は側面図、(b)は正面断面図である。
【符号の説明】
10:枝葉木
12:葉部
14:木質部
16:混合部分
18:粗破砕装置
20:回転ローター
22:回転刃
24:固定刃
26:選別装置
28:入口
30:回転軸
32:棒状部材
34:回転手段
36:排出口
38:ケーシング
42:供給装置
56:収容箱
Claims (7)
- 樹木を伐採・剪定して枝葉木を得るステップと、
該枝葉木の葉部を該形状をほぼ残すように木質部と切断するとともに、該木質部を破砕する粗破砕ステップと、
前記粗破砕された葉部と木質部とを輸送するステップと、
前記葉部と木質部とを選別し、同時に前記葉部に少なくとも切れ目を入れるステップと
を含む樹木のリサイクル方法。 - 前記選別するステップにおいて、前記葉部と木質部とを同時に機械的に飛ばし、空気抵抗により葉部と木質部とを分離し選別する選別する、請求項1に記載の樹木のリサイクル方法。
- 前記選別された葉部を腐葉土にするステップを含む請求項1または2に記載の樹木のリサイクル方法。
- 前記選別され木質部をマルチング材として使用し得る部材と他の部材とに選別するステップを含む請求項1または2に記載の樹木のリサイクル方法。
- 前記選別された木質部を炭化させるステップを含む請求項1または2に記載の樹木のリサイクル方法。
- 前記葉部と木質部とを選別し、同時に前記葉部に少なくとも切れ目を入れるステップの次に、葉部と木質部との混合部分を堆肥化させるステップを含む請求項1又は2に記載の樹木のリサイクル方法。
- 樹木を伐採・剪定して得られた枝葉木をリサイクルする装置において、
回転させられる回転ローターと、回転ローターの周縁部に取り付けられ該回転ローターとともに回転させられる回転刃と、該回転刃に対峙して所定の間隔を開けて固定された固定刃とを備え、前記枝葉木の葉部を該形状をほぼ残すように木質部から切断すると共に、該木質部を粗破砕するように設定された粗破砕装置と、
前記粗破砕された葉部と木質部とを送り込む入口と、回転させられる回転軸に複数の棒状部材が半径方向に突出させられた回転手段と、該回転手段の一部を覆い、前記入口から送り込まれた葉部と木質部とをガイドするとともに排出する排出口を有するケーシングとを備えて構成され、かつ、前記回転手段の棒状部材の先端に刃が形成され、少なくとも葉部に切れ目を入れるように構成され、前記粗破砕されて混在する葉部と木質部とを空中に放出して、それぞれ葉部と木質部とに選別する選別装置を含む樹木のリサイクル装置。
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