JP3541059B2 - 自走式根菜収穫機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、大根、人参等の根菜類を土中より掘り起こし、搬送して収納容器に収納する自走式根菜収穫機の切り取った後の根菜の葉を排出するシュータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
大根等の根菜収穫機として、従来トラクタに牽引されて、鍬状の掘起し器にて根菜を土中より掘り起こし、該掘起し器の後部より延設した引抜コンベアのベルトにて根菜の葉部分を挟持して斜め上方に根菜を搬送し、収納容器に収納する技術は、公知となっている。更に、載置コンベアの後部外側に葉部切断装置を配置した技術も公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の根菜収穫機においては、載置コンベアの後部外側で葉部を切断し、切断された根菜の葉部はそのまま落下しメインフレームや機体の外に放置されていたので、2条植えまたは2条を跨いで走行してその1条を掘り起こす場合には、往復走行して堀起こすので未掘り起こし側の畝間に落下した葉部を踏みつけながら作業することになり、凹凸ができ、滑りの原因となり走行安定性に欠け、掘り起こし精度も悪くなっていたのである。また、隣の畝上に葉部が落下することもあり、次の工程で掘り起こす時の邪魔となったり、根菜と共に切断された葉部も持ち上げられることがあったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の如き課題を解決するために、次のような手段を用いるものである。
掘起し装置Aにより掘り上げた根菜を、引抜きコンベアBとその後部の載置コンベアDにより後方へ搬送し、該載置コンベアDの途中に設けた葉部切断装置Eにより葉部を切断する構成において、該葉部切断装置Eは、上下に刃の一部分が重なるように回転刃40・41を配置した構成とし、該葉部切断装置Eを囲むように投入受口51を配置し、該葉部切断装置Eを配置した載置コンベアDの下方の位置に落下口53を開口し、該落下口53は掘起し装置Aの後方上部に設け、前記投入受口51の下方と落下口53との間に、内側下方に向かうスロープ52を形成し、葉部切断装置Eにより切断後の葉部が、投入受口51よりスロープ52に沿って落下し、落下口53からクローラ走行装置3L・3Rの内側の掘り起こした後の畝上部へ落下されるべく、シュータSを構成したものである。
【0005】
【作用】
上記のような手段を用いることによって、掘起し装置Aにより掘り上げた根菜は、引抜きコンベアBによって葉部が挟持されて載置コンベアDへ搬送され、該載置コンベアによって左右方向水平に搬送されながら、その途中で根菜の葉部が葉部切断装置により切断され、この切断後の葉部はシュータの投入受口に洩れなく投入され、スロープに案内されながら落下し、落下口より根菜の引き抜かれた後の畝上に落下する。
【0006】
【実施例】
本発明の構成の実施例を添付の図面を用いて説明する。
図1は本発明の自走式根菜収穫機の側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく正面図、図4は引抜きコンベアBと載置コンベアDの位置関係を示す平面図、図5はシュータの側面図。
【0007】
図1乃至図3より自走式根菜収穫機の全体構成について説明する。
まず、水平状のメインフレーム1の下方に、前部クローラ走行装置2L・2R、及び後部クローラ走行装置3L・3Rが配設されており、該前部クローラ走行装置2L・2Rは、上方の操作部Gに配置した操向ハンドル5による操向操作にて操向可能となっている。
該操作部Gはメインフレーム1の右側前方で、右側のクローラ走行装置2Rの上方位置に形成されている。即ち、メインフレーム1の右前上に操作コラム4を立設し、その上部に操向ハンドル5が突設されている。
そして、該操作コラム4の後方にエンジン室6が配設されており、該エンジン室6内にエンジンが内蔵されていて、該エンジン室6上には運転席7が配設されている。更に該エンジン室6の後方位置で、該メインフレーム1上に燃料タンクが搭載されている。
【0008】
そして、該メインフレーム1の左側前方(反操作部G側)より後方にかけて、根菜を掘取り、搬送し、葉部分を切除し、収容する一連の根菜収穫用の装置が列設されており、まず、メインフレーム1左側前部より、土中の根菜を掘り上げるための掘起し装置A、該掘起し装置Aの後部より、掘り上げた根菜の葉部分を挟持して搬送する引抜きコンベアB、その後端部の下方に、載置コンベアD、該載置コンベアDの外側に葉部切断装置E、該載置コンベアDの後方に収納容器Fが搭載されている。
【0009】
以上のような一連の根菜収穫用装置の各装置について具体的に説明する。
まず掘起し装置Aより説明する。前記メインフレーム1の前端部に回動支点軸14が横設されており、該回動支点軸14にロアリンク13・13の後部が枢支され、その後部に昇降フレーム15が立設され、該昇降フレーム15の上端部にトップリンク支持部15aが設けられ、該トップリンク支持部15aにトップリンク16の後端部が枢支されている。
このように引抜きコンベアBの前部側部に昇降リンク機構が配設されている。そして更に、該トップリンク16の前端部と該ロアリンク13・13の前端部が、前部マスト12に枢支されている。前記前部マスト12の前端部には、正面視略L字状に構成した鍬状の掘起し爪9の上端部が、上下位置調節可能に取付けられている。
【0010】
該掘起し爪9の上部は前部マスト12の内側より延設されるクランクアーム10の先端部に固定され、該クランクアーム10の後端部は、該前部マスト12に側面に固設した油圧モーターである掘起し爪駆動モーターM1の出力軸を中心に回転するカムに枢支して、該モーター駆動によるカム回転により、該クランクアーム10がクランク運動をし、これにより、該掘起し爪9が前後に揺動して、土中を掘り上げるように構成している。
【0011】
そして、前記ロアリンク13の後端には昇降アーム17が固定され、該昇降アーム17の先端が前記昇降フレーム15の内側に設けた油圧シリンダー47のピストンロッドに枢結されて、該油圧シリンダー47を伸縮させることにより前記回動軸14を中心にロアリンク13・13が回動し、前部マスト12に設けた掘起し爪9を昇降でき、引抜きコンベアBも昇降できるのである。
【0012】
前記引抜きコンベアBは搬送フレーム21L・21Rの前後方向の略中央部から外側(左へ)折り曲がった平面視「く」字状に構成され、搬送フレーム21L・21Rの前後両端部にプーリー23F・23F・23R・23Rを配し、前記搬送フレーム21Lの屈曲部24にプーリー23C・23C、プーリー23d、プーリー23e・23eを配して、これらプーリーに挟持ベルト25L・25Rを巻回し、ガイドしている。
そして、図4において、左右の後部のプーリー23R・23Rの軸芯は回転軸26L・26Rが貫通されて、該回転軸26L・26Rの上端でベベルギアと水平軸を介して連動連結し、該回転軸26L・26Rを互いに反対方向に回転駆動し、各プーリーを互いに逆回転して、前記挟持ベルト25L・25Rを後方へ搬送駆動できるようにしている。
【0013】
また、メインフレーム1の中途部上にフレーム20L・20Rが立設されて、その上端部には、回動軸27を横架し、該回動軸27内には駆動軸27aを横架し、該駆動軸27aの一端に油圧モーターM2を設け、該油圧モーターM2を駆動することによって駆動軸27a上に固設したベベルギアを介して前記回転軸26Lに動力が伝えられ、前記プーリー23Rを駆動し、前述のように回転軸26Lを駆動させる。
なお、該挟持ベルト25L・25Rの搬送駆動方向は図3の如くであり、該挟持ベルト25L・25R同士の接触部分、即ち、両ベルトにて根菜の葉部分を挟持する部分が、前方より後方に搬送駆動するようになっているのである。
そして、右側の搬送フレーム21Rの後端部は、左側の搬送フレーム21Lより前方に位置しており、該搬送フレーム21Lが後部に突出した状態となっているために、根菜を載置コンベアDの左側へ効率良く搬送できるようにしている。
【0014】
また、左右に並設している前記搬送フレーム21L・21Rは連結フレーム22・22・・・、前記連結フレーム26によって一体的に連結され、該連結フレーム26a下端は前記回動軸27に固定され、前記回動軸26Rを内設する連結フレーム26bが途中より分岐し前記回動軸27の右側に固定され、引抜きコンベアBを前記回動軸27を中心に回動可能にしている。
【0015】
また、搬送フレーム21L・21Rの前後中央側面と、前記掘起し装置Aを昇降させる前記ロアリンク13の中途部側面との間にコンベア昇降シリンダー29が介装されており、該コンベア昇降シリンダー29の下端部が前記ロアリンク13から突設する枢支軸28bに回動可能に枢支し、上端部は連結フレーム22の左側に突設する枢支軸28aを回転可能に枢支して、前記掘起し装置Aを昇降させる時には同時に前記引抜きコンベアBをも昇降され、また、該コンベア昇降シリンダー29を駆動させる事によって前記引抜きコンベアBを個別に昇降させる事ができ、葉の高さ等に合わせることができる。
【0016】
また、引抜きコンベアBの前端部に、着脱可能にディバイダー30を配設しており、該ディバイダー30は、タイン39a・39a・・・を付設した駆動チェーンを収納する引上チェーンケース32L・32Rを左右に配設し、該引上チェーンケース32L・32R内のチェーンの駆動は、該引抜きコンベアBの、それぞれの前部プーリー23Fより伝動する。
そして、その後部の引抜きコンベアB下部に尻尾切り装置45が配設されており、ローラーによって尻尾部分を中央に案内し、カッターで尻尾の先端を切断するようにしている。該カッターの刃はモーターによって回転させている。
【0017】
前記載置コンベアDは前記フレーム20L・20R上に載置され、側面視三角形状に構成した搬送フレーム31の各頂点に搬送ローラー33・34・35を枢支して搬送ベルト36を巻回し、搬送ローラー33を前方下部に配置し、搬送ローラー34を搬送フレーム21L・21R後部下方に位置させて、この搬送ローラー33と搬送ローラー34の間を前傾の傾斜部42とし、搬送ローラー34と搬送ローラー35を略同じ高さに配して略水平の載置部38を形成している。
そして、前記搬送ローラー33・34・35の右側には、それぞれスプロケット33a・34a・35aが設けられ搬送補助チェーン37Rを三角形状に巻回し、また、前記搬送ローラー34・35の左側にも同様にスプロケット34b・35bが設けられ、搬送補助チェーン37Lを水平部のみ巻回て、該搬送補助チェーン37L・37Rには一定距離ごとにタイン39b・39b・・・を付設している。
【0018】
そして、前記駆動軸27aにスプロケット27cを設け、前記スプロケット34bの外側にスプロケット34cを固設しチェーンを巻回して、前記駆動軸27aから前記スプロケット34a・34b・34cに動力が伝達され前記搬送補助チェーン37R・37Lが回転し前記搬送ローラー33・34・35が駆動し搬送ベルト36を駆動するようにしている。
そして更に、前記載置部38の中途部の外側(左側)に葉部切断装置Eを配設し、該葉部切断装置Eは、上下に刃の一部分が重なるように回転刃40・41を配置し、動力は前記駆動軸27aから取り出し、根菜が搬送される途中で葉部を切断できるようにしている。この葉部切断装置E下方に本発明のシュータSが配されている。
【0019】
このように前記載置コンベアDの載置部38の後方外側にシュータSが配置される。該シュータSの上端には投入受口51が設けられ、前後長さは前記フレーム20Lから前記載置コンベアDの終端部までで、左側端は平面視で「コ」字型に屈曲したカバー54で覆われ、該カバー54下端がスロープ52の上部で枢支され回動可能とし、該カバー54の前後側面54bには枢支軸を中心とした円弧状の長孔54cが設けてあり、該長孔54cに前記シュータS前後面から突出した軸55が挿入されてカバー54を固定できるようにしている。
よって、図5に示すように、走行時や収納時等はカバーは閉まった状態にしておき、作業時には該カバー54を該長孔54cにガイドされて2点鎖線で示すように外側へ回動して、このカバー54により投入受口51を大きくし、前記葉部切断装置Eを囲む様に配置して、切断された根菜の葉部が飛び散らないようにし、切り飛ばされた根菜葉部をシュータSに投入できるようにしている。
【0020】
そして、該シュータSの投入受口51の下方には内側下方に向かってスロープ52が形成され、その下端が畝上方となるようにし、つまり、掘起し装置Aの後方上にシュータSの落下口53(下端開口部)を配置して、掘り起こした根菜の葉部が、前記葉部切断装置Eにより切断され、その葉部は投入口に落下して、スロープ52に沿って落下しクローラ走行装置3Lの右側方まで運ばれ、掘り起こした後の畝上部へ落下するのである。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。
即ち、自走式根菜収穫機の葉部切断装置下方にシュータを配置する事で、根菜の切断後の葉部がシュータ内に落下し、このシュータによって、切断後の葉部が掘り起こした後の畝上へ落下され、切断後の葉部は隣の畝上や畝間に落下することがなくなり、走行や堀取りの邪魔となることがなくなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自走式根菜収穫機の側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく正面図。
【図4】引抜きコンベアBと載置コンベアDの位置関係を示す平面図。
【図5】シュータの正面図。
【符号の説明】
A 掘起し装置
B 引抜きコンベアB
D 載置コンベア
E 葉部切断装置
F 収納容器
S シュータ
3L・3R 後部クローラ走行装置
51 投入受口
52 スロープ
53 落下口
54 カバー

Claims (1)

  1. 掘起し装置Aにより掘り上げた根菜を、引抜きコンベアBとその後部の載置コンベアDにより後方へ搬送し、該載置コンベアDの途中に設けた葉部切断装置Eにより葉部を切断する構成において、
    該葉部切断装置Eは、上下に刃の一部分が重なるように回転刃40・41を配置した構成とし、
    該葉部切断装置Eを囲むように投入受口51を配置し、該葉部切断装置Eを配置した載置コンベアDの下方の位置に落下口53を開口し、該落下口53は掘起し装置Aの後方上部に設け、
    前記投入受口51の下方と落下口53との間に、内側下方に向かうスロープ52を形成し、
    葉部切断装置Eにより切断後の葉部が、投入受口51よりスロープ52に沿って落下し、落下口53からクローラ走行装置3L・3Rの内側の掘り起こした後の畝上部へ落下されるべく、シュータSを構成したことを特徴とする自走式根菜収穫機。
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